JPH0657668B2 - ヒドロホルミル化方法 - Google Patents

ヒドロホルミル化方法

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JPH0657668B2
JPH0657668B2 JP59272684A JP27268484A JPH0657668B2 JP H0657668 B2 JPH0657668 B2 JP H0657668B2 JP 59272684 A JP59272684 A JP 59272684A JP 27268484 A JP27268484 A JP 27268484A JP H0657668 B2 JPH0657668 B2 JP H0657668B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒドロホルミル化方法に関する。
ヒドロホルミル化方法は、適切な温度,圧力条件の下、
ヒドロホルミル化触媒の存在する所で、オレフィン(通
常は末端オレフィン)を一酸化炭素と水素を反応させて
アルデヒド又は開始オレフィンよりも1つ多く炭素原子
を持つアルデヒドの混合物を生じさせるものであり、よ
く知られている工程である。この工程により、エチレン
からはプロピオンアルデヒドが生じ、プロピレンからは
n −及びイソ−ブチルアルデヒドが生じるが、その直鎖
n −異性体は通常商業的にもより望ましい材料である。
時には、触媒及び/又は工程条件を変えて、アルデヒド
ではなく、相応するアルコールを生成することもでき
る。
この反応で最初に使用された触媒は、例えばコバルト・
オクタ・カルボニルのようなコバルト含有触媒であっ
た。コバルト・オクタ・カルボニルがこのような反応条
件の下で水素化物コバルト・テトラ・カルボニルに変換
されるということや、この化合物が活性触媒種を構成し
ているということは、広く認められている。このような
触媒を使う時に、触媒の活動的形態を保つために、例え
ば数百バールという非常に高い作用圧力が必要になる。
アルデヒド生成物のn −/イソモル比は特に高くはなく
て、例えば約3:1あるいは約4:1であり、水素及び
一酸化炭素混合物の分圧が高くない場合は、コバルト・
カルボニル触媒は揮発性で化学的にも不安定なので、一
般に生成物回収の仕方が複雑になる。
つい最近では、ロジウム複合体ヒドロホルミル化触媒を
使って、アルファーオリフィン、即ち、−CH=CH
又はC=CHという化学基を含む化合物をヒドロホル
ミル化するという反応工程が呈示されている。これらの
触媒は、通常、一酸化炭素と複合結合し、かつトリフェ
ニルホスフィンなどの配位子とも複合結合したロジウム
を含んでおり、余分な配位子と結合して使われる。この
ようなロジウム・ヒドロホルミル化触媒は世界中で多く
のヒドロホルミル化工場で現在使用されており、又、以
前はコバルト触媒で操業していた工場も、このような新
しいロジウム触媒で操業するように転換したか、あるい
はしつつある。この触媒の特徴は、例えば20kg/cm2(1
9.6バール)かそれ以下という低い作用圧力ですむとい
うだけではなく、アルファーオレフィンから、高いn −
/イソ生成比をもたらすことも可能であり、多くの場
合、n −/イソアルデヒドのモル比は10:1かそれ以
上とすることができる。さらにこの触媒は非揮発性であ
るので、生成物回収もおおいに単純化される。この工程
については、ケミカル・エンジニアリング誌の1977年12
月 5日付の記事、「低圧オキソ合成法でより良い生成混
合物が生じる」に詳記されている。この方法と極めて類
似したものとしては、アメリカ特許明細書第3,527,809
号及びイギリス特許明細書第1,338,237 号と第1,582,01
0 号がある。
商業用方法として使われているロジウム触媒は、一酸化
炭素及びトリフェニルホスフィンと複合結合したロジウ
ムを含んでいる。触媒種の性質はまた全部明らかにされ
ていないが、 HRh (CO)(PPh であるとみなされている
(Interscience P ublishers 社出版、エフ・アルバー
ト・コットンとジェフリー・ウイルキンソンの共著によ
る「AdvancedInorganicChemistry(先端無機化
学)」792頁参照)。反応溶液は余分なトリフェニルホ
スフィンを含み、作用温度は約90から約120 ℃の範囲が
効果的であると考えられる。
アメリカ特許明細書第3,527,809 号は商業的に使われて
いる方法であるが、この方法では、エチレン,プロピレ
ン,ブテン−1,ヘクセン−1など、即ち末端−CH=
CHまたはC=CH基との化合物などの、アルフ
ァーオレフィン化合物を使用しなければならないという
限定がある。この方法を用いて末端オレフィンを相応す
る直鎖アルデヒドに高収量でヒドロホルミル化できる
が、(例えばプロピレンをn −ブチルアルデヒドにヒド
ロホルミル化できる)、イソ−アルデヒドを生成するよ
うな場合(例えばブテン−2から2−メチルブチルアデ
ヒドを生成)非末端オレフィンを使っても、ブテン−1
などの対応する末端オレフィンを使った時に比べてその
生成はあまりうまくゆかないことがわかった。その理由
は、このような内部オレフィンは対応する末端オレフィ
ンほど活発には反応せず、従ってある程度の反応比とア
ルデヒド生成量を達成するためには操作温度をより高く
する必要がある。しかし、操作温度を高くすれば、内部
オレフィンが異性化する傾向も強まり、その結果、欲す
るイソ−アルデヒドの収量も減少する。このことから、
ブテン−2のヒドロホルミル化に必要なより劣悪な条件
下ではブテン−2はブテン−1に異性化する傾向にあ
り、そのためブテン−2の一部は、欲するイソ−ブチル
アルデヒドよりもむしろn −バレルアルデヒドに変換す
る。その上、適切な反応比に必要な操作温度がそれ以上
高まると触媒は不安定になり、触媒の非活性化率も異常
に高まる。これらの理由のため、トリフェニルホスフィ
ンを配位子として用いるロジウム複合触媒は内部オレフ
ィンのヒドロホルミル化には商業的に不適当であると我
々は考える。
アメリカ特許明細書第3,527,809 号もまた、トリフェニ
ルホスフィンの代りに、トリフェニル亜リン酸塩のよう
な亜リン酸塩を含む様々な他の配位子の使用を提案する
ものである。トリフェニル亜リン酸塩を使用すると、低
い操作温度で内部オレフィンをヒドロホルミル化するこ
とができるという有利性もあるが、触媒がかなり急速に
非活性化する傾向があるのがわかった。この現象に伴っ
て遊離トリフェニル亜リン酸塩配位子が消滅し、“重”
材料(即ち高温沸騰副産物)の形成率が高くなる。更
に、末端オレフィンのヒドロホルミル化において亜リン
酸塩を使用することに関する教示が、アメリカ特許明細
書第3,917,661 号、第3,499,933 号及び第4,262,142 号
にも説明されている。他にも様々な文献に、同質のロジ
ウム複合ヒドロホルミル化触媒における亜リン酸塩配位
子の使用に関する説明が掲載されている。このような例
としては、アメリカ特許明細書第3,547,964 号、第3,56
0,539 号、第3,641,076 号、第3,644,446 号、第3,859,
359 号、第3,907,847 号、第3,933,919 号、第3,956,17
7 号、第4,096,192 号、第4,101,588 号、第4,108,905
号、第4,135,911 号、第4,158,020 号、第4,195,042
号、第4,224,255 号、第4,267,383 号、及び、イギリ特
許明細書第995,459 号、第1,207,561 号、第1,228,201
号、第1,243,189 号、第1,243,190 号、第1,263,720
号、第1,338,225 号、第1,448,090 号、第1,455,645
号、第1,460,870 号、第1,461,900 号、第1,462,342
号、第1,463,947 号、第1,557,396 号、第1,586,805
号、及びヨーロッパ特許公報第0003753 号と、第002889
2 号、及び国際特許公報第wo 80/0081号がある。他に
も、1969年 5月19日に公告された日本特許公告第 10765
/69号と、1973年11月30日に公告された日本特許公告第
40326/73号がある。
イギリス特許明細書第1,325,199 号の例 2ではヘクセ
ン−1のヒドロホルミル化のためのバッチ反応における
[Rh Cl(CO)(tmp P)]触媒の使用を教示し
ており、ここでtmp というのは基、 を表わしている。
反応はベンゼン中にヘクセン−1 50%v/v溶液を用い
た液相で行われる。一酸化炭素及び水素の12気圧(約12
バール)の分圧の下、温度100 ℃で6時間内に、ヘクセ
ン−1の57モル%が変換し、100 %のアルデヒドの収量
(ヘクセン−1の変換に基づく)があったと書かれてお
り、その内65モル%は1−ヘプタナルである。このイギ
リス特許明細書の2頁55〜61行によると、塩素を含有し
ない触媒は塩素を含有する触媒と同様に効果的であり、
又その方法は、例えばブテン−2、ペンテン−2及びヘ
クセン−2などの非末端オレフィンの他にもアルファー
オレフィンと共に使用することもできると書かれている
(2頁93〜101 行)。5頁7〜12行によると、同様の触
媒をヘクセン−2と共に100 ℃で用いると、生成される
アルデヒドの35〜38%は1−ヘプタナルである。6時間
で57%しか転化しないということは商業的に採算が合わ
ないし、又内部オレフィンをヒドロホルミル化して得ら
れる生成物としてなら、末端アルデヒドは必ずしも最も
望ましい生成物というわけでもない。
4−エチル−2,6,7−トリオクサ−1−フォスファ
ビシクロ−[2,2,2]−オクタンを化学式Rh
(CO)12のドデカカルボニル−テトラロジウムと反
応させて化学式 Rh (CO)10とRh (CO)とRh
(CO)(式中Lは化合物P(OCHCE
t )の化合物を形成するについて、J.Organometal.
Chem .27(1971)119 〜131 にB.L.ブース他が書
いている。これには更に同じ有機リン化合物が同様の条
件下で化学式Rh (CO)16のヘクサデカカルボニル
ヘクサロジウムと反応した時、Rh (CO)10
(Lは上記定義のとおり)の型の複合体を生成するこ
とについても説明されている。更には、この記事の123
頁の表2と3に要約されているような実験についても説
明している。この実験によると、様々なアルケンをRh
(CO)12又は、Rh (CO)16及びETPOの存
在するところでヒドロホルミル化している(ETPOは
119 頁の注釈で4−エチル−2,6,7−トリオクサ−
1−フォスファビシクロ−[2,2,2]−オクタンで
あるとしている)。更に、実験の詳細が129 頁及び130
頁に記載されている。これらの実験は120 バールで行わ
れたバッチ実験であり、全ての場合、リン配位子:Rh
のモル比は1:1を使い、同様にCO:Hのモル比も
1:1として行われたものである。又報告されている全
ての実験で、反応時間は3時間、オレフィンは 0.20 ミ
リモルとしている。
ヒドロホルミル化媒体における第3アミンの使用が多数
の出版物で提案されている。例えばイギリス特許明細書
第1,198,815 号、第1,198,816 号、及びアメリカ特許明
細書第3,560,572 号、第3,624,158 号、第3,644,529
号、第3,725,483 号が、第3アミンを使って、生成物回
収中に、コバルト含有複合体ヒドロホルミル化触媒の熱
安定性を高めることについて開示している。
ピリジン,トリフェニルアミンなどの第3アミンは、通
常用いられる第3ホスフィン又は亜リン酸塩の代用とし
て、ロジウム含有ヒドロホルミル化触媒のための配位子
として提案されている。イギリス特許明細書第1,138,60
1 号、第1,173,568 号、第1,207,561 号、第1,228,201
号、第1,243,189 号、第1,243,190 号にこのような例が
教示されている。
アメリカ特許明細書第3,857,895 号には、ロジウム複合
体ヒドロホルミル化触媒におけるアミノ基又はアミジノ
基含有の亜リン酸塩配位子の使用が教示されている。も
し望ましければ、トリエチレン・ジアミン(即ち1,4
−ジアザビシクロ−[2,2,2]−オクタン)などの
多環式アミンを反応媒体に入れてもよい。
又、ロジウム触媒ヒドロホルミル化方法で、溶媒とし
て、ピリジ等のアミンを使うことも呈示されている。こ
れに関連して、イギリス特許明細書第1,138,237 号と第
2,072,168A号に注目されたい。
イギリス特許明細書第1,263,720 号には、酸素及び窒素
を介して同調し、キナルジネート、8−オキシキノネー
ト、サリシラルドオキシネートから選択される2座配位
の配位子と、有用な一対の電子(例えばピリジン)とを
持つグループVb 又はVIb 元素の原子を含む、少くとも
1つの金属複合配位子を含む、鉄,ニッケル,パラジウ
ム,プラチナ以外のグループVIII金属、(例えばロジウ
ム)の複合体をヒドロホルミル化触媒として使用するこ
とが提案されている。
アメリカ特許明細書第3,547,964 号、第3,560,539 号及
び第3,641,076 号には、グループVIII金属(例えばロジ
ウム),ハロゲン化物,一酸化炭素とα水素化複合体及
びビフィリック配位子(例えばトリフェニルホスフィ
ン)を含むヒドロホルミル化反応媒体からの触媒の回収
について教示しており、この媒体は更に共同触媒とし
て、例えば1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]−
オクタン(別名トリエチレン ジアミンという名で知ら
れている)などの橋頭部位置にある少くとも1つの窒素
を有する多環式,複素環式,飽和アミンをも含んでい
る。各アメリカ特許明細書第3,547,964 号、第3,641,07
6 号には、トリフェニルホスフィンの代りに、トリエチ
ル亜リン酸塩又はトリシクロヘキシル亜リン酸塩などの
亜リン酸塩がビフィリック配位子であってもよいと記さ
れている。このような媒体の詳細はアメリカ特許明細書
第4,267,383 号に出てる。しかし、どの明細書にも亜リ
ン酸塩配位子を含有する媒体については具体的な例は報
告されていない。
アメリカ特許明細書第4,169,861 号には、トリ−イソ−
ブチルアミン又はトリフェニルアミンなどの単座配位子
だけでなく、1,1′−ビス−[ジフェニルフォスフィ
ノ]−フェロセンなどの2座配位子とも共働するロジウ
ム複合ヒドロホルミル化触媒について説明されている。
同様のロジウム複合体はアメリカ特許明細書第4,201,72
8 号にも記載されている。
トリフェニルホスフィンあるいはトリフェニル亜リン酸
塩などの配位子に加えて、ハロゲン又はプソイドハロゲ
ンを含有するロジウム複合ヒドロホルミル化触媒の使用
が提案されているが、しかしこの触媒には、抑制期間が
あることが認められている。しかし、イギリス特許明細
書第1,338,225 号及びアメリカ特許明細書第4,200,591
号,、第4,200,592 号によると、Et Nなどの有機塩
基を添加することで、このような抑制期間がなくなる。
塩基は、ハロゲン化水素又はプソイドハロゲン化物の受
容体として働くという役割を持つ。この役割が終れば、
ヒドロホルミル化工程においては、塩基にはそれ以上の
役割はない。イギリス特許明細書第 2,000,124A号に
は、ロジウムのヒドリド・カルボニル複合体が対応する
ハロゲン又はプソイドハロゲン含有複合体からその位置
のまま正常の場所で発生する時、ハロゲン化水素又はプ
ソイドハロゲン化合物の受容体として、Et Nなどの
有機塩基を添加することが開示されている。受容体とし
て作用中に、おそらくアミンが反応して、非揮発性のハ
ロゲン化水素又はプソイドハロゲン化水素塩を出し、一
方、遊離して残留するトリエチルアミンは、この工程が
継続して操作されていればアルデヒド回収蒸留中に、反
応溶液から素早く消え去るだろう。
トリエチルアミンの添加時のヒドロホルミル化反応の誘
発期間の短絡に関しては、更に、J.Chem.Soc.,
(A),1967,3133号におけるD.エヴァンス他の著に
よる記事がある。
日本特許第647,225 号(1972年)によると、アミン及び
KOHは脱ハロゲン化剤として有効であると証明されて
いる。日本石油学会の1977年 5月付公報第19巻1号の62
〜67頁には、ミツイ・ヤスチ他が、ロジウム複合体によ
って触媒作用を行うヒドロホルミル化反応に与える脱ハ
ロゲン化剤の影響について報告している。この記事の65
頁の表3では、トリフェニル亜リン酸塩及び複合体Rh
H(CO)(PPh を含む触媒システムに、トリ
エタノールアミンとKOHの混合物であるトリ−n −オ
クチルアミン、又はトリ−n −ブチルアミンを添加する
ことによって、触媒の寿命が延びて10時間を越えるよう
になることが示されている。この記事を引用すると: 『従って、これらの塩基は脱ハロゲン化剤であるだけで
はなく、触媒の安定剤としても作用する。これらの塩基
は、配位子の減成生成物が、ロジウムとの同調複合体を
形成することを妨げていると考えられる。』 イギリス特許明細書第 1,448,090号は、非同調陰イオン
部分を含有する他に、トリフェニルアミンなどの第3有
機窒素化合物であってもよい配位子を、一酸化炭素に加
えて含有する、あるイオン・ロジウム複合体を、ヒドロ
ホルミル化触媒として使用することについて説明してい
る。
ヒドロホルミル化媒体に酸を添加することは、アメリカ
特許明細書第4,224,255 号及び国際特許公報第wo 80/
00081 号で提唱されている。それによると、このような
方法で用いられる触媒は、トリアリル亜リン酸塩配位子
を含んでもよい。o −フタル酸などの酸を添加すると、
水素化合反応が抑制されるとしている。ヒドロホルミル
化反応媒体に水を加えることが提案されているアメリカ
特許明細書第4,258,215 号は、2相システムの使用を教
示している。そのうちの1相は水性相であり、CをC
20アルファーオレフィンにヒドロホルミル化する場合、
主に、一酸化炭素と結合したロジウムと、トリアリル亜
リン酸塩などのトリオルガノホスフォラス配位子とから
成る複合触媒を使用している。水を入れることによって
反応率が促進されることは、全く期待できないという。
ヒドロホルミル化反応媒体に、アルカリ金属水酸化物又
は水酸化アンモニウムと水を添加することがアメリカ特
許明細書第3,511,880 号に教示されている。
本出願人によるヨーロッパ特許出願第83302995. 2号
(公告日:1983年12月28日;ヨーロッパ特許公告番号:
第0096987 号)では、継続的ヒドロホルミル化方法にお
いて、ロジウム複合触媒中の配位子として、トリフェニ
ル亜リン酸塩などの「開放」亜リン酸塩を使用してお
り、その亜リン酸塩原子が環の一部を形成しておらず、
おそらく1:1、2:1、3:1のアルデヒド:亜リン
酸塩付加体等の形成により、時がたつにつれて配位子が
崩壊することを示したが、同様のことは、F.ラミレズ
などによって、Pure & Applied Chemistry(純化
学及び応用化学)(1964)の第9巻、337 頁から369
頁、特に356 頁以降に説明されている。従って、この明
細書では、触媒作用の維持を目的として、崩壊した配位
子を補うため更に亜リン酸塩配位子を添加することを提
案している。
本出願人のヨーロッパ特許出願第83302994.5号(公告
日:1983年12月28日;ヨーロッパ特許公告番号:第0096
986 号)では、3つの酸素原子のうち少くとも2つの酸
素原子が橋頭部リン原子と共に環の一部を成すような3
つの酸素原子に連結した橋頭部リン原子を有する、環式
亜リン酸塩と複合結合したロジウムから成る触媒を使用
した、アルファーオレフィンのヒドロホルミル化継続工
程について説明している。環式亜リン酸塩の典型的なも
のとしては、2,6,7トリオクサ−ホスファビシクロ
−[2,2,2]−オクタンの誘導体があり、このう
ち、4−エチル−2,6,7,−トリオクサ−1−ホス
ファビシクロ[2,2,2]−オクタンは一例である。
同様な、内部オレフィンのヒドロホルミル化継続方法
が、本出願人によるヨーロッパ特許出願第83302996.0号
(公告日:1983年12月28日;ヨーロッパ特許公告番号第
0096988 号)に説明されている。
本出願人による上記3件のヨーロッパ特許出願のうち後
者の2件の出願の方法を実験調査中に、長時間にわたっ
て継続して操作する場合には方法はうまく作用するが、
特に、アルファーオレフィンと作用する時、又は温度が
許容範囲の上限近くに高まるか又はそれ以上になると、
触媒活動がゆっくりと低下するのが観測された。このよ
うな触媒活動の低下は、亜リン酸塩配位子の消失に伴っ
て起こるものと思われる。触媒作用の低下は、時々配位
子を追加していけばある程度は補うことができるが、触
媒活動を維持する方法を提案するか、あるいは、又はこ
れに加えて、亜リン酸塩配位子の消失を最小限に抑える
方法を提案する方が望ましい。
従って本発明の目的は、環式亜リン酸塩配位子を用いた
ロジウム・ヒドロホルミル化触媒の安定性を改善するた
めの方法を提供することにある。
本発明によると、オレフィンのヒドロホルミル化によっ
てアルデヒドの生成を行う継続的ヒドロホルミル化方法
であって、 (a)一酸化炭素と複合結合し、又3つ酸素原子のうち少
くとも2つの原子が橋頭部リン原子と共に環を形成する
ような3つの酸素原子に連結された橋頭部リン原子を持
つ環式亜リン酸塩とも複合結合するロジウムを有する複
合ロジウムヒドロホルミル化触媒と、(b)配位子安定量
の第3アミンとが溶解して入っている液体反応媒体を充
填したヒドロホルミル化区域を設け、 ヒドロホルミル化区域において、オレフィンのヒドロホ
ルミル化反応を行うべく温度及び圧力を維持し、 ヒドロホルミル化区域に構成水素及び一酸化炭素を供給
し、そして 液体ヒドロホルミル化媒体から少くとも1つのがアルデ
ヒドを有するヒドロホルミル化生成物を回収することが
提供される。
本発明の方法では、第3アミンの役割は本来、環式亜リ
ン酸塩配位子の安定化を図るものであり、そして使われ
ている反応条件の下で配位子が崩壊あるいは解体しない
ように保持することである。更に、実験から、本発明の
方法で使われている環式亜リン酸塩配位子は、この点に
関しては、亜リン酸塩配位子のうちでも独特のものであ
ることがわかった。これにより、第3アミンを、例えば
トリフェニル亜リン酸塩などの「開放」亜リン酸塩配位
子を含むヒドロホルミル化反応媒体に加えると、ヒドロ
ホルミル化条件下の「開放」亜リン酸塩配位子の崩壊
(これは上記ヨーロッパ特許出願第83302995.2号に記載
してある)は、とまらない。従って実験により、第3ア
ミンは、トリフェニル亜リン酸塩などの「開放」亜リン
酸塩を安定させるものではないことがわかった。このこ
とは、第3アミンは、上記した如く、ミツイ・ヤスチ他
が書いているように、操作の初期段階ではロジウム・ヒ
ドロホルミル化触媒の安定性を保持する助けとなるかも
知れないが、第3アミンがあっても、触媒作用を安定保
持するための遊離配位子が全くなくなるまで、亜リン酸
塩配位子は崩壊してしまうので、「開放」亜リン酸塩配
位子を用いたロジウム複合ヒドロホルミル化触媒は、数
時間を越えると安定性が失われるのである。
本発明の方法で使われている触媒は、橋頭部位置にリン
原子を有する環式有機亜リン酸塩配位子と複合結合し、
かつ一酸化炭素とも複合結合したロジウムから成るロジ
ウム・カルボニル複合体である。このリン原子は3つの
酸素原子と連結しており、3つのうち少くとも2つは、
付着しているリン原子と共に環の一部を成している。こ
の触媒及び反応媒体はほぼハロゲンを含まないのが好ま
しい。このようなロジウム・カルボニル複合体の構造は
まだ全て明らかではないが、望ましいハロゲン非含有複
合体の構造は次のようであると仮定される。
Rh Hm (CO)n (L)p m ,n ,p の合計が4から6であると仮定すると、この
うちm は零か、1又は2であり、n とp はそれぞれ互い
に独立した1から4までの整数であり、Lは上記に定義
した環式亜リン酸塩配位子である。
オレフィンは、少くとも1つのアルファーオレフィン炭
素−炭素2重結合(又はエチレン結合)を含み、かつ少
くとも2つの炭素原子を含む、随意に置換されたアルフ
ァーオレフィンでもよい。このような化合物の化学式は
通常: RC=CH であり、そのうちRとRそれぞれ独立して、水素原
子又は有機基を表わすか、あるいは一緒に二価基を表わ
す。この二価基は、それらが付着している炭素原子と共
に、炭素環状又は複素環のリングを形成する。(都合
上、以後「アルファーオレフィン」という言葉は、時
々、「随意に置換されたアルファーオレフィン」を意味
する時にも使われる。)好ましくは、このアルファーオ
レフィンはハロゲンを含まず、かつ硫黄も含まないこと
が望ましい。オレフィン不飽和化合物は、2個〜約20個
の炭素原子を含むのが好ましい。例証としての開始オレ
フィンは、例えばアルケン,アルリアルケン,シクロア
ルケンなどのアルファーオレフィンと、不飽和アルコー
ルのエーテル,不飽和アルコール又は/そして酸のエス
テルなどの置換アルファーオレフィンを含むのが好まし
い。
アルファーオレフィンの例としては、1−アルケン(例
えばエチレン、プロピレン,ブテン−1、イソ−ブチレ
ン,ペンテン−1、2−メチルブテン−1、ヘクセン−
1、ヘプテン−1、オクテン−1、2,4,4−トリメ
チル−ペンテン−1、ノネネ−1、2−プロピルヘクセ
ン−1、デセン−1、アンデセン−1、ドデセン−1、
オクタデセン−1、アイコセン−1、3−メチルブテン
−1、3−メチルペンテン−1、3−エチル−4−メチ
ルペンテン−1、3−エチルヘクセン−1、4,4−ジ
メチルノネネ−1、6−プロピルデセン−1、1,5−
ヘクサジエン、ヴィニル・シクロヘクサン、アリル・シ
クロヘクサン、スチレン、アルファーメチルスチレン、
アリルベンゼン、ジヴィニルベンゼン、1,1−ジフェ
ニルエチレン、o −ヴィニル−p −キシレン、p −ヴィ
ニルクメネノm −ヘキシルスチレン、1−アリル−4−
ヴィニルベンゼン、ベーターヴィニルナフタリン、他)
と、アルファーアルケノル(例えばアリル・アルコー
ル、ヘクス−1−エン−4−オル、オクト−4−エン−
4−オル、他)と、アルファーアルケニル・エーテル
(例えばヴィニル・メチル・エーテル、ヴィニル・エチ
ル・エーテル、アリル・エチル・エーテル、アリル・t
−ブチル・エーテル、アリル・フェニル・エーテル、
他)と、アルファーアルケニル・アルカノエート(例え
ばヴィニル・アセテート、アリル・アセテート他)と、
アクリル・アルファーアルケノエート(例えばメチル・
アクリルエート、エチル・アクリルエート、n −プロピ
ル・オクト−7−エノエート、メチル・メタクリルエー
ト他)と、アルファーオレフィン不飽和アルデヒドとア
セテート(例えばアクロレイン、アクロレイン・ジメチ
ルとジメチル・アセタール他)と、アルファーオレフィ
ン不飽和ニトリル(例えばアクリロニトリル他)そして
アルファーオレフィン不飽和チトーン(例えばヴィニル
・エーテル・ケトーン他)がある。
このオレフィンは、少くとも1つの内部オレフィン炭素
−炭素2重結合(又はエチレン結合)を含み、又、少く
とも4つの炭素原子を含む、随意に置換された内部オレ
フィンで代用してもよい。このような化合物の化学式は
一般に次のようになる: RC=CR このうち、RとRはそれぞれ独立してハロゲン原子
又は有機基を表わし、あるいは共に二価基を表わす。こ
の二価基は、上記炭素原子と共に、炭素環式、あるいは
複素環式のリングの一部を形成する。RとRはそれ
ぞれ独自に有機基を表わし、あるいは共に二価基を表わ
す。この二価基は、炭素原子と共に炭素環式又は複素環
式のリングの一部となる。(都合上、「内部オレフィ
ン」という用語は以降時々「随意に置換された内部オレ
フィン」を指すのにも使われる。)このような内部オレ
フィンにはハロゲンや硫黄が含まれないのが望ましい。
又内部オレフィンは、4から約20の炭素原子を含むのが
望ましい。内部オレフィンは、オレフィン2重結合に隣
接して少くとも1つの水素原子を含有することが特に好
ましい。このことは即ち、内部オレフィンの化学式は、 RC=CHR 又は RHC=CHR であり、ここで各Rは他からは独立して有機基を表わ
す。
例証上、開始オレフィンは、例えばアルケン,アリルア
ルケン,シクロアルケンなどの内部オレフィンと、未飽
和アルコールのエーテルや、未飽和アルコール又は/そ
して酸のエステルなどの置換内部オレフィンとを含む。
内部オレフィンの例としては、シス−及びトランス−ブ
テン2、2−メチルブテン−2、2,3−ジメチルブテ
ン−2、1,2−ジフェニルエチレン、ヘクセン−2、
ヘクセン−3、シス−及びトランス−ヘプテン−2、オ
クテン−3、オクテン−3、オクテン−4、3−メチル
ヘプテン−2、3−メチルヘプテン−3、3−メチルヘ
プテン−5、3,4−ジメチル−ヘクセン−2、デセン
−2、テトラデセン−2、4−アミルデセン−2、4−
メチルトリデセン−2、オクタデセン−2、6,6−ジ
プロピルデセン−3、プロプ−1−エニル−ベンゼン,
3−ベンジルヘプテン−3、シクロブテン、シクロペン
テン、シクロヘクセン、シクロヘプテン、シクロオクテ
ン、1−メチルシクロヘクセン、ジエチル・マレイン酸
塩、ジエチル・フマレーテ、クロトンアルデヒド、クロ
トンアルデヒド・ジメチル・アセタール、エチル・シナ
メート、シス−及びトランス−プロプ−1−エニル・t
−ブチル・エーテル等々、及びこれらのうち2個又はそ
れ以上の混合物が挙げられる。
オレフィンは、かなり純粋な形態でヒドロホルミル化区
域に供給される。あるいは、1つ又はそれ以上の他のオ
レフィン及び/又は飽和炭化水素などの不活性材料と混
合されてもよい。オレフィン、水素及び−炭化炭素の他
に、不活性ガス(例えば窒素、アルゴン、二酸化炭素、
及びメタン、エタン、プロパンなどの気体炭化水素)な
どの1つまたは2つ以上の不活性材料が、ヒドロホルミ
ル化区域に供給されてもよい。このような不活性ガス
は、オレフィン原料中に、又は合成ガス中にある。他の
不活性材料として、例えばオレフィンがブテン−1又は
ブテン−2であるような場合のn −ブタンなど、ヒドロ
ホルミル化反応の水素添加副生成物がある。
多くの場合、この工程は、構成オレフィンの一部だけ、
例えば約15%から約80%あるいはそれ以上がヒドロホル
ミル化区域を通過するうちに変換されるように操作され
る。工程は、「1回通過」を基本として操作されて、未
反応オレフィンはバッテリー限度を越えて移出されて生
成物回収の後に他の用途に使われることもできるが、通
常は未反応オレフィンを、生成物を回収した後、再びヒ
ドロホルミル化区域に、循環されるのが望ましい。オレ
フィンの異性化はヒドロホルミル化区域を通過するうち
ある程度起こるので(例えばブテン−2の場合、ある程
度ブテン−1への異性化が起こる)、オレフィン原料が
ほとんど純粋であっても、再循環オレフィン流には異性
化したオレフィンが含まれている。その上、副生成物の
水素添加原料をも含む。再循環流内での異性化オレフィ
ンの濃度又は不活性材料の濃度は、適当な制御率で、浄
化流を取ることによって通常の方法で制御することがで
きる。
有機亜リン酸塩配位子は、それぞれが環式システムの一
部を形成する、3つの酸素原子に橋頭部位置で連結され
るリン原子を含む少くとも二環式の化合物であるのが好
ましい。このような配位子は次の一般化学式で表わされ
る。
このうち、Zは3価有機基である。式(I)において、
Zは非環であることもあり、又環式基を含むこともあ
る。前者の場合、式(I)の配位子は二環式有機亜リン
酸塩であり、一方後者の場合、式(I)の配位子はトリ
−又はポリ−環式有機亜リン酸塩である。Zは環式基を
含むような化学式(I)の配位子の例としては2,8,
9−トリオクサ−1−ホスファトリシクロ−[3,3,
1,1,3,7]−デカン化合物があり、その一般式は、 である。他の好ましい有機二環式亜リン酸塩配位子には
次の一般式を持つものがある。
このうち、Y,Y′,Y″はそれぞれ他からは独立して
二価有機基を表わし、Rは三価原子又は三価基を示す。
このような化合物は他の文献にも説明されているよう
に、例えば次の一般式を持つ有機亜リン酸塩のエステル
交換により得られる。
(R′O)P (IV) このうち、各R′は随意に置換された炭化水素基であ
り、例えばメチル、エチル、フェニル、ベンジル、o −
トルイル、ナフチール、ヒドロキシメチル、ヒドロキシ
エチルなどの随意に置換されたアルキルあるいはアリル
基であって、次の一般化学式を持つトリオールもしくは
より高いポリオールを伴う。
この式のR,Y,Y′及びY″はいずれも前記に定義さ
れたものである。エステル交換を行う方法として、例え
ばナトリウム・メチラートがトリエチルアミンなどのエ
ステル交換触媒を随意に伴ったところで、トリメチルオ
ルプロパンなど式(V)のトリオル(又はより高いポリ
オル)の退流の下に、トリエチル亜リン酸塩などの式
(IV)の亜リン酸塩を沸騰させ、例えばエタノールなど
の化学式R′OHを持つアルコールが形成されたらそれ
を蒸留除去してゆく、という方法がある。
その他に環式有機亜リン酸塩配位子は、次の一般式で表
わされる単環式亜リン酸塩であってもよい。
この式のZ′は環式基又は非環式基であるような二価有
機基を表わし、R′は前記定義のものである。適当な単
環式配位子として次の一般式を持つものが挙げられる。
R″は水素原子を、あるいはR′(上記定義のもの)の
構造のうちの1つを表わす。一般式(VI)の化合物は、
例えば次の化学式ジオールを用いた化学式(IV)の有機
亜リン酸塩のエステル交換による技術の既知の方法で作
られる。
この場合のZ′は前記定義のものである。
このようなエステル交換反応で、トリメチル亜リン酸
塩、トリエチル亜リン酸塩、又はトリフェニル亜リン酸
塩など、式(IV)の亜リン酸塩は、随意にエステル交換
触媒の存在下で、式(VIII)のジオールの退流の下に、
熱せられる。例えばプロパン−1,3−ジオールや、
2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジオールなどの
1,3−ジオールや、イギリス特許明細書第1,338,237
号の「二量体(V)」のような、アルコールの水素添加
生成物とアルデヒド縮合生成物などが、式(VIII)によ
るジオールの典型的なものである。
式(VI)の配位子の例としては、1−フェノキシ−4,
4−ジメチル−2,6−ジオクサ−1−ホスファーシク
ロヘクサン(2,2−ジメチル−プロパン−1,3−ジ
オール・フェニル亜リン酸塩)が挙げられる。
特に好ましい環式亜リン酸塩配位子としては、その中の
橋頭部リン原子が1つまたはそれ以上の6−部材リング
の一部分を形成するようなものがよい。
操作の適当な方法においては、環式亜リン酸塩配位子を
そのままヒドロホルミル化反応媒体中に入れる。その他
に、ヒドロホルミル化反応媒体中に、例えばトリメチル
亜リン酸塩、トリエチル亜リン酸塩、トリフェニル亜リ
ン酸塩、トリナフチル亜リン酸塩、トリ−n −ブチル亜
リン酸塩、トリ−n −ヘキシル亜リン酸塩、等々の単水
素含有アルコール又はフェノールの亜リン酸塩、及び、
例えばトリメチルルプロパン又は1,3,5−トリヒド
ロキシシクロヘクサンなどの、3個またはそれ以上のヒ
ドロキシル基を含む、すくなくともモル数が等しい量の
適切なジオール又はポリオールを加えることによって、
その位置のままの正常な場所で配位子が生成される。ジ
オール又はポリオールを用いた亜リン酸塩エステルのエ
ステル交換は、ロジウム触媒前駆物質を添加前または添
加後の何れかに、又ヒドロホルミル化開始前又は開始後
の何れかに、反応媒体を加熱することによって実施され
る。
式(III)において、Rは例えば を表わし、その中でR″は前記定義のものであり、R
は例えばメチル又はメトキシなどのアルキル又はアルコ
キシである。Y,Y′,Y″が意味する二価有機基の例
としては、アルキレン、オキシ−アルキレン、アルキレ
ン−オキシ アルキレン、アルキレン−NR−アルキ
レン、アリレン、オキシアリレン、アルキレンアリレ
ン、アリレン−アルキレン、アルキレンオキシ−アリレ
ン、アリレン−オキシアルキレンがあり、これらの中で
も、アルキレンは、例えばメチレン,エチレンあるいは
エチリデンであり、アリレンは、例えばo −フェニレン
あるいはm −フェニレンであり、一方、Rはアルキル
基など、随意に置換された炭化水素基を表わす。望まし
くは、Y,Y′,Y″が鎖状の原子を約20以上持たない
方がよい。
特に配位子は、Y,Y′,Y″が、例えばエチリデン基
などのメチレン基又は置換メチレン基であるような化学
式(III)の配位子と同じものであるのが望ましい。式
(III)の配位子の例としては以下のものが挙げられ
る: 2,6,7−トリオクサ−1−ホスファビシクロ−
[2,2,2]−オクタン; 4−メチル−2,6,7−トリオクサ−1−ホスファビ
シクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−エチル−2,6,7−トリオクサ−1−ホスファビ
シクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオクサ−1−
ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−エトオキシメチル−2,6,7−トリオクサ−1−
ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−アセトキシメチル−2,6,7−トリオクサ−1−
ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 2,6,7−トリオクサ−1,4−ジホスファビシクロ
−[2,2,2]−オクタン; 4−イソ−プロビル−2,6,7−トリオクサ−1−ホ
スファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−イソ−プロピル−3−メチル−2,6,7−トリオ
クサ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタ
ン; 4−n −ブチル−2,6,7−トリオクサ−1−ホスフ
ァビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−n −ヘキシル−2,6,7−トリオクサ−1−ホス
ファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−(2−エチルヘキシル)−2,6,7−トリオクサ
−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−n −デシル−2,6,7−トリオクサ−1−ホスフ
ァビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−n −アンデシル−2,6,7−トリオクサ−1−ホ
スファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 3,5,8−トリメチル−2,6,7−トリオクサ−1
−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 3,4,5,8−テトラメチル−2,6,7−トリオク
サ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタ
ン; 4−フェニル−2,6,7−トリオクサ−1−ホスファ
ビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−シクロヘキシル−2,6,7−トリオクサ−1−ホ
スファビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 4−カプリルオイロキシメチル−2,6,7−トリオク
サ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタ
ン; 4−ステアロイルオキシメチル−2,6,7−トリオク
サ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタ
ン; 3,5,8−トリメチル−4−フェニル−2,6,7−
トリオクサ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−
オクタン; 4−ベンジル−2,6,7−トリオクサ−1−ホスファ
ビシクロ−[2,2,2]−オクタン; 3,4−ジメチル−2,6,7−トリオクサ−1−ホス
ファビシクロ−[2,2,2]−オクタン;等々。
反応媒体には安定量の第3アミンが含まれている。第3
アミンの例としては、特に、トリエチルアミン、トリ−
n −プロピルアミン、トリ−n −ブチルアミン、トリ−
イソ−ブチルアミン、トリ−イソ−プロピルアミン、ト
リ−n −ヘキシルアミン、トリn −オクチルアミン、ジ
メチル−イソ−プロピルアミン、ジメチルヘキサデシル
アミン、メチル−ジ−n −オクチルアミン等々のトリア
ルキルアミンが挙げられるが、その他にも、例えばトリ
エタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、
トリス−[3−ヒドロキシプロピル]−アミン等々、水
酸基などの非干渉置換基を1つ又はそれ以上含有する置
換誘導体がある。ピリジン、2−,3−及び4−ピコリ
ン、ルチジン、コリジン、N−メチルピペリジン、N−
メチルモルフォリン、N−2′−ヒドロキシ−エチルモ
ルフォリン、キヌリン、イソ−キノリン、キノクサリ
ン、アクリジン、キヌクリジンなどの複素環第3アミン
も本発明に使うことができると考えられる。更に本発明
の工程で使用するのに適当なのは、N,N−ジメチルア
ニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル
−p −トルイジン、N−メチルジフェニルアミン、N,
N−ジメチル−ベンジルアミン、N,N−ジメチル−1
−ナフチルアミン等々の芳香第3アミンである。N,
N,N′,N′−テトラメチルエチレン・ジアミン、ト
リエチレン・ジアミン(即ち1,4ジアザビシクロ
[2,2,2,]オクタン)などの、2つ又はそれ以上
の第3アミノ基を含有する化合物も挙げられる。
ロジウム複合触媒は、本発明の方法で、液体反応媒体中
に溶解される。この反応媒体は、触媒種の他に、又安定
量の第3アミンの他に、生成アルデヒド、アルデヒド縮
合生成物、オレフィン、オレフィンから発生する水素添
加生成物から成っており、好ましくは過剰な環式亜リン
酸塩配位子をも含むのがよい。アルデヒド縮合生成物の
性質や、ヒドロホルミル化反応の工程中にいかにしてそ
れが形成されるのかその機構などはイギリス特許明細書
第1,338,237 号により詳細に説明されており、参照され
るべきである。更に反応媒体は、ベンジン、トルエン、
アセントン、メチル・イソ−ブチル・ケトン、t −ブタ
ノール、n −ブタノール、テトラリン、デカリン、エチ
ル・ベンゾエート等のような追加不活性溶媒を含んでい
る。しかし、通常は、いわゆる「自然工程溶媒」、即ち
オレフィン未飽和化合物と、その水素添加生成物と、ア
ルデヒド生成物、及びアルデヒド縮合生成物との混合物
中で操作されるのが好ましい。しかし、継続的に操作す
る時には、アセトン、ベンゼン、トルエン等の不活性溶
媒を開始に用い、反応が進むにつれて徐々に、差次的蒸
発によって「自然工程溶媒」に置き換えて行くようにす
るのが望ましい。
液体反応媒体中のロジウム濃度は、約10 ppmもしくはそ
れ以下から約1,000ppmかそれ以上まで様々であり、各場
合毎に、ロジウム金属として、重量/容量に基づいて計
算される。液体反応媒体中でのロジウム濃度は、ロジウ
ム金属として計算すると約40 ppmから約200ppmの範囲に
あるのが典型的である。液体反応媒体中で、金属として
計算すると、約500ppmロジウムを超過することは、経済
的な理由から好ましくない。
液体反応媒体中の環式亜リン酸塩配位子:Rhのモル比
は少くとも約1:1であることが望ましい。配位子:R
h のモル比は約3:1か4:1から約20:1かそれ以上
までが望しい。液体媒体における環式亜リン酸塩配位子
の濃度の上限は、通常、約10% w/v (重量/容量)か
あるいは媒体に対する環式亜リン酸塩配位子の溶解限度
値のいずれか低い方の値である。しかし、通常は、環式
亜リン酸塩配位子濃度が約1% w/v 以下で、亜リン酸
塩配位子:Rh のモル比が約5:1から約16:1まで、
例えば約8:1で操作されるのが好ましい。環式亜リン
酸塩配位子の濃度が 0.5% w/v かそれ以下、例えば 0.
25 % w/v 又はそれ以下で行うとたいてい好結果が得ら
れる。
本発明の方法で使われる環亜リン酸塩配位子の少くとも
若干のものは、強度に有毒であり、従って、亜リン酸塩
配位子の取扱いや、この配位子を含む反応媒体の取扱い
には非常に注意を払うべきである。
反応媒体は安定量の第3アミンが含まれている。従って
反応媒体中には、配位子減成を防止することによって触
媒種の安定性を増し、触媒活動を維持するには充分な低
濃度の遊離第3アミンが含まれている。あまり正確さ
や、あるいは以下の要求手順に束縛されることは望まし
くなはないが、操作を一定期間続けた後に触媒活動が低
下するのは、アルドール化の副産物として形成される水
による加水分解が起こるために、環式亜リン酸塩配位子
の減成に起因していると思われる。このような加水分解
によって環式亜リン酸塩の環が開いてしまったり、酸性
材料が生成されてしまって開環反応を触媒作用してしま
ったりするようになる。この例は次のようである。
従って、起こり得るとされている配位子減成は自触作用
しているのである。酸性配位子減成生成物は3つの悪影
響を及ぼす。即ち第1には、アルデヒド縮合生成物の形
成を促進することであり、第2には、酸性配位子減成生
成物はロジウム複合体に陽子授与をすることがあり、又
はロジウム複合体と共に複合付加体を形成することがあ
る。この付加体はヒドロホルミル化触媒としてはよりず
っと非活動的である。第3の影響とは、配位子濃度の低
下につれて、触媒溶液中に、触媒としてより非活動的な
ロジウム種が形成されてしまうことである。これは溶液
の色が、最初は元来の溶液の薄い色から段々と黄色,橙
色,更に赤へと変色するのでわかる。このように赤っぽ
くなった溶液に新たに環式亜リン酸塩配位子を加えると
再び元の薄い色の状態に戻り、触媒の活動性も増すが、
同時にトリアルキルアミンなどの第3アミンを添加しな
ければ触媒の活動性は元の値までは戻らない。
第3アミンの役割は、配位子の加水分解で形成された酸
性加水分解生成物と反応してこれを中性化し、酸性配位
子減成生成物と結合したロジウムを解放して、触媒溶液
の活動性を回復することであると信じられる。この役割
を果す第3アミンを選択する場合、使用する基本材料が
望ましいものでなければならないが、この材料の条件
は、反応媒体に対して可溶性であること、影響を及ぼす
ほど大きな割合で、アルドールや他のアルデヒド縮合生
成物を形成してしまうような触媒作用をしないこと、第
1又は第2アミンが使われた場合のように、生成アルデ
ヒドと反応してアルデヒドアミン縮合生成物を作り出さ
ないことである。
反応媒体中の第3アミンの充分な典型的な量は、反応媒
体1リットル当り、遊離アミンの濃度が少くとも約 0.0
001 モルである。追加された全環式亜リン酸塩(ロジウ
ムと結合しているか遊離亜リン酸塩として存在している
かにはかかわらず)に対する第3アミンの割合は、少く
とも約 0.1:1であり、更には少くとも約 0.5:1であ
るのが好ましい。通常は、第3アミン:亜リン酸塩モル
比は少くとも約1:1から約5:1かそれ以上であろ
う。しかし、通常、第3アミン:亜リン酸塩比が約5:
1よりも大きいものを使ってもあまり利点はない。事
実、高い比率のものを使うとアルドールや他のアルデヒ
ド縮合生成物が形成される割合も高くなってしまう。
もし、トリエチルアミンかトリ−n −プロピルアミンな
どの揮発性第3アミンが使われると、アミンはアルデヒ
ド生成物と一緒に蒸留してしまう傾向があるので、アル
デヒド生成物を回収するために蒸留するうちに、反応媒
体から蒸発してしまうことがある。この場合、反応媒体
中の第3アミンの安定量を維持するために、継続的に、
あるいは時々少量ずつに分けて、第3アミンを追加して
行く必要が生じる。例えばトリ−n −オクチルアミンの
ような、揮発性の弱い第3アミンを使えば、アルデヒド
生成物を回収する際のアミンの損失率も対応して低ま
り、追加アミンを加える必要性も全く、あるいはたまに
しか必要でなくなる。従って、アルデヒド生成物の沸点
よりも、かなり沸点の低い第3アミンを使うのが望まし
い。例えば本発明によるブテン−1のヒドロホルミル化
においては、トリ−n −オクチルアミンのような、比較
的非揮発性の第3アミンを使うのが望ましい。
本発明の方法で行われるヒドロホルミル化条件として使
われている上昇温度は、例えば約40℃から約160 ℃ま
で、又はそれ以上の範囲である。しかし、通常は、操作
温度は低いほど好ましく、充分な率の反応を達成すると
共に、オレフィンの異性化(内部オレフィンの場合、対
応する末端オレフィンに、末端オレフィンの場合、対応
する内部オレフィンに異性化)の危険を最小限に抑えら
れる温度であればよい。従って、操作温度は、通常約70
℃から約130 ℃までの範囲内であるのが望ましい。この
範囲の温度なら−CH=CHの基を有するアルファー
オレフィンでも、−CH=CH−の基を有する内部オレ
フィンにも適切である。反応率は、なかでも、配位子:
Rh モル比に依存する。従って、かなり安定したアルデ
ヒドの生産性を維持するには、もし、配位子:Rh のモ
ル比が約8:1を越えるほと大きくなったら、操作温度
も上げることが必要になってくる。もし、配位子:Rh
比が約3:1から約8:1までであれば、−CH=CH
基を含むアルファーオレフィンにも、−CH=CH−
基を含む内部オレフィンにも、約70℃から約100 ℃の温
度が通常適切である。もし、配位子:Rh のモル比がも
っと高くて、例えば約12:1かそれ以上が採用されるの
であれば、温度も例えば約130 ℃までと高くするのが望
ましい。オレフィンの炭素−炭素結合が、より立体構造
的に妨げられた場合には、もっと高い温度が必要にな
る。例えばオレフィンがCH=CH、−CH=CR
−基、又は−CR=CR−基を含んでいて、この時のR
が有機基(これら化学式の中に示された遊離原子価はそ
れぞれの場合、有機基に接続している)である時がそう
である。例えばこの場合、充分な反応率を達成するため
に約150 ℃かそれ以上の温度が必要になる。このように
高い操作温度を使うと、通常、それに伴って配位子:R
h モル比も高くなり、例えば約8:1かそれ以上とな
る。
ヒドロホルミル化区域内では高圧力を採用するのも典型
的なことである。典型的には、ヒドロホルミル化反応
は、全圧力が約4バールから約75バールかそれ以上で実
施される。通常は、全体圧力が約35バール以下で操作さ
れるのが望ましい。
ヒドロホルミル化反応では、1モルの一酸化炭素と1モ
ルの水素がそれぞれオレフィン結合と反応する。このよ
うに、例えばブテン−1の場合、主要生成物は、n −バ
レルアルデヒドであって、これは以下の反応によって形
成される;− CH・CH・CH:CH+H+CO =CH・CH・CH・CH・CHO 異性アルデヒド、即ち2−メチルブチルアルデヒドは、
小数生成物として典型的には以下のように形成される: CH・CH・CH:CH+H+CO =CH・CH・CH(CHO)・CH 例えばブテン−2のような内部オレフィンの場合、主要
生成物は2−メチル−ブチルアルデヒドで、以下の反応
で形成される: CH・CH:CH・CH+H+CO =CH・CH(CHO)・CH・CH 異性アルデヒドであるn −バレルアルデヒドは少量、典
型的には形成されるアルデヒド総量の5%以下で、次式
の如く形成される。
CH・CH:CH・CH+H+CO =CH・CH・CH・CH・CHO その他にもオレフィンが部分的に水素と反応し、従って
ブテン−1やブテン−2がヒドロホルミル化する時には
n −ブタンが副生成物となる。典型的には5%以下のオ
レフィンが水素と反応する。
本発明の工程を継続的に操作する場合には、水素と一酸
化炭素の構成量をモル比が約1:1になるように供給す
るのが望ましく、例えば約 1.05 :1のモル比が望まし
い。このような構成の水素と一酸化炭素の混合物は、例
えば天然ガスやナフサ、燃料オイル、石炭などの適当な
炭化水素供給原料を部分酸化するなど、ヒドロホルミル
化用合成ガスを生成するための既知の方法によって形成
される。
本発明の工程を操作する場合、ヒドロホルミル化区域内
の水素及び一酸化炭素の総圧力は約 1.5バールもしくは
それ以下から約75バールもしくはそれ以上までの範囲内
であればよい。水素の部分圧の方が一酸化炭素の部分圧
よりも高いこともあるし、その反対でもよい。水素と一
酸化炭素の部分圧の比は、例えば約10:1から約 1:10
までの範囲であればよい。いずれにしても通常は、水素
の部分圧が少くとも約 0.05 バールから約30バールま
で、一酸化炭素の部分圧が約 0.05 バールから約30バー
ルまでという状態で操作されるのが望ましい。
生成物の回収は都合のよい方法で実施すればよい。例と
しては、オレフィン未飽和化合物としてブテン−1又は
ブテン−2が使われたなら、イギリス特許明細書第1,58
2,010 号に説明されている方法に同様のガス再循環方法
を採用することも可能である。しかしながら、ヒドロホ
ルミル化区域から、液体反応媒体の一部を、継続的ある
いは断続的に取り出して、別個の蒸留区域内で、適当
で、正常な、又は低下した、又は上昇させた圧力の下
で、1段階又は数段階に分けて、その取り出した液体媒
体を蒸留して、アルデヒド生成物や他の揮発性材料を蒸
気の形態で回収して、ロジウム含有の液体残基をヒドロ
ホルミル化区域へ再循環させるのがより好都合である。
揮発性材料の縮合や分離は、例えば蒸留によって、従来
通りのやり方で行われる。アルデヒド生成物は更に純化
されるために通され、一方、未反応オレフィン含有の流
れは、反応媒体内に溶け込んでいる水素や一酸化炭素と
一緒に、ヒドロホルミル化区域へ再循環される。排出流
は再循環流内の不活性物(例えばN)の構成や、水素
添加生成物の構成を調整するために、循環流が取り出さ
れる。
ロジウムは、反応区域へ都合のよい方法で導かれる。例
えば、[Rh (OCOCH・HO]で表わさ
れるロジウム・アセテートのような有機酸のロジウム塩
を液相で配位子と結合させ、それをオレフィンを導入す
る前に、一酸化炭素と水素の混合物で処理する。別の方
法としては、ジロジウム・オクタカルボニルなどのロジ
ウムの一酸化炭素複合体を、環式亜リン酸塩配位子と共
に加熱して、1つ又は複数の一酸化炭素分子を置換し
て、触媒を得ることもできる。また、選択された配位子
と微細に分割されたロジウム金属とで開始するか、又は
ロジウムの酸化物(例えば、Rh またはRh
・HO)と配位子で開始するか、あるいはロジウム
硝酸塩(即ち、Rh (NO・2HO)のような
無機酸のロジウム塩と配位子とで開始することができ、
ヒドロホルミル化反応工程中で活動種を、その位置まま
正常の場所で得ることができる。更には、ヒドロホルミ
ル化条件下で過剰配位子が存在するところで、活性種に
変換された(ペンタン−2,4−ジオネート)ジカルボ
ニル・ロジウム(I)などのロジウム複合体を、触媒前
駆物質として反応区域内に導入することも可能である。
他の適当な触媒前駆物質としては、Rh (CO)
12や、Rh (CO)16がある。
溶媒として重合アルデヒド縮合生成物を使用する場合に
は、ヒドロホルミル化区域内における、液体反応媒体中
のこの生成物に対するアルデヒドの割合は広い範囲にわ
たって様々である。この割合の典型的な数値は、重量の
割合が約1:5から約5:1までの範囲内にある。
適切な条件の下では、本発明の方法において、触媒溶液
が1時間当り約 0.5g モル/リットル以上の生産性があ
る。従って通常は、選ばれたヒドロホルミル化条件に基
づいて、システムのアルデヒドの生産性に少くとも対応
した割合で、ヒドロホルミル化区域に構成オレフィンを
供給するのが望ましい。1回通過した場合の変換率は、
通常100 %以下であり、典型的には約15%から約80%か
それ以上であり、もし工程が「1回通過」方式を基本的
に採用して操作しているのなら、構成オレフィンの供給
率を相応に増加する必要があるし、もし工程がオレフィ
ンを再循環させて操作されているのであれば、適当な率
で未反応オレフィンを再循環させればよい。しばしば、
アルデヒドの生産性が、 1.0 g・モル/リットル/時を
越え、例えば少くとも約 1.5g モル/リットル/時にま
でなるので、構成オレフィンの供給率もこの数値に等し
いかそれ以上になるようにする必要がある。
実験の結果、第3アミンの配位子安定効果は、4−エチ
ル−2,6,7−トリオクサホスファビシクロ−[2,
2,2]−オクタンなどの環式亜リン酸塩配位子の場合
だけ表われ、「開放」(即ち非環状の)亜リン酸塩、例
えばトリフェニル亜リン酸塩では効果がないことがわか
った。
本発明は更に、以下の例によって詳細に説明される。こ
れらの具体例では、配位子の分解が加速度的に進み、実
験が妥当な時間内に完了するように条件を設定してお
り、必ずしも商業用プラントで操作できるような条件に
はしていない。
例1 各目上300 mlの容量を有するステンレス・スチール製の
反応器を用いて、ブテン−1の継続的ヒドロホルミル化
を実験した。反応器には磁気結合撹拌器と、温度調節用
の空気が吹き抜けるための内部冷却コイルとが取付けら
れた。更に反応器には、ガス空間までCO/H混合物
を導入するためのガス入口管と液体ブテン−1を導入す
るための入口管が装着されてあり、これら両管は反応器
の底近くまで達するような浸入管の形態をしている。更
には、浸入管形式の液体排出管も備えており、その開放
下端は反応器内に入っている容量150 mlの液体の表面の
高さに等しい高さに位置している。O非含有窒素で
4.5kg/cm2絶対圧(446kPa )まで加圧され、かつ供給
ポンプと逆止弁を介して反応器の対応する入口管とに接
続した供給導管にブテン−1を充填された。一酸化炭素
と水素は、それぞれ別のシリンダから、それぞれ別の圧
力制御装置を通り、2本のチャンネル質量流量制御装置
によって酸素防御装置(反応器に送られる合成用ガスが
酸化しないようにするため)を通って供給された。
150 mlを超えた液体は、未反応ガスと共に排出管を通っ
て反応器を出、冷却器を通過してノックアウトポットの
役割を果す気体−液体分離装置に至る。ノックアウトポ
ットから出た気体は、気体の圧力を大気圧にまで降下さ
せるための減圧弁を通り、そして含水気体メータに送ら
れて排気される。ノックアウトポットで分離された反応
溶液は、レベル制御装置を用いて特定の容積に維持さ
れ、余分な液体は毛細管を通って流れ落ち、ガラスビー
ズの詰ったリービヒ(Liebig )の縮合装置から成る生
成物蒸発装置へと送られた。液体の大部分はビーズの間
を通り、レベル制御付きの受器に落下した。このレベル
制御装置が、受器内の液体が予定の容量を超過している
と判断すると、高温の油が蒸発気を通ってポンプで送ら
れてきた。蒸留された反応溶液は、受器から反応器へ
と、触媒再循環ポンプによって一定の割合で送り戻され
た。
蒸留されたブテン−1と生成物は頭上を通り、冷却器を
通過して生成物受器に至り、そこで生成物の大部分が回
収された。未反応のブテン−1のいくらか生成凝縮物中
に溶けているが、その他はメータを通って流れてゆく。
反応器は、温度を微調節した油溜内に浸して加熱され、
微温度制御が必要に応じて、内部冷却コイルを通り抜け
る空気によって自動的に行われた。レベル制御装置は、
触媒含有溶液の残留量が合計で200 mlとなるように、即
ち反応器の外には50mlが残っているように調節された。
反応の工程を観察すると、気体流率が測定され、次のよ
うなシステムのサンプルによってガス。クロマトグラフ
ィー分析が行われた。
とCOは、長さ 1.85m×外径 4.76mm のステンレス
・スチールの柱状管に分子篩(5Å)を充填したものを
用いて、110 ℃で決定された。ブテン及びブタンは、長
さ 1.85m×外径 4.76mm のステンレススチール柱状管に
Porasil Cを充填したものを用いて60℃で決定され
た。アルデヒド及びアルデヒド生成物は、5分間は50℃
で操作し、やがて毎分に10℃ずつ300 ℃まで温度を上げ
て操作するように温度プログラムをして、Chromosorb
PAW上の10%OV101 を充填した長さ 1.85m×外径
4.76mm のステンレススチール柱状管を用いて決定され
た。配位子濃縮物は、リン光光度検出器とChromosorb
PAW上の10%OVを充填した長さ 0.46m×外径 4.76m
m のステンレススチール柱状管を用いて、220 ℃で決め
られた。(Porasil及びChromosorb は商標である) 始動時には空の反応器を窒素で浄化し、CO/H混合
物で21.7バールまで圧縮し、反応で要求されるより多い
余分の水素/一酸化炭素混合物は、質量流制御装置を用
いてシステムを通って流れた。次にアセトンが、触媒再
循環ポンプを用いて、生成物蒸留器底部のサンプル点を
通ってシステム内に充填された。100 mlのアセトンが充
填されると、反応器の撹拌器のスイッチが入り、1500r.
p.m で作動するよう調節された。一旦、自動レベル調整
が完了すると、アセトンの供給は終った。次に供給材料
ポンプのスイッチが入り、68ml/時の供給率でブテン−
1が供給されて、システムは自動制御により平衡した。
次に、[Rh (OCOCH.HO]が 0.1g
(ロジウム 0.418ミリモルに平衡)と、 0.5g の( 3.0
8 ミリモル)TMPP、即ち4−エチル−2,6,7−
トリオクサ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−
オクタンが、蒸留器底部サンプル点を通ってシステムに
充填された。この量は 7.4:1のTMPP:Rh モル比
に相応する。システムが等質性になった時、反応器温度
は77℃まで昇温された。反応の開始は、ノックアウトポ
ットから流出する合成ガスの量が減り、生成物蒸留器に
対してオイルポンプの作動がより頻繁になり、生成物受
器に液体が出てくるので確認された。液体の反応が進む
につれて、最初に充填されたアセトンがシステム内で生
成アルデヒドに置換された。
測定された様々なデータを次の表Iに書き出した。触媒
溶液再循環率は毎時64.5mlであった。
:COの比は1:1であった。
表Iの「活動指数」という用語は、次の如く定義され
る。
活動指数={生産性(g.モル//時)}/ {反応オレフィン濃度(%v /v )} ×1000 表Iから、TMPPが最初は 0.25 %w /v のレベルだ
ったのが、60時間後には 0.13 %w /v となり、192 時
間後には 0.04 %w /v まで減少したのがわかる。従っ
て 0.3g のTMPPを196 時間後に反応器に加えた。活
動指数も174 時間後の249 から232 時間後の161 にまで
低下した。
235 時間後、 0.86 mlのトリエチルアミンを反応器に入
れたが、その結果は表IIに示されている。アミンの濃度
は再循環溶液中で測定されたものである。可動性の増加
が認められた。236 時間後には260 になった。しかしこ
れは長くは続かなかった。触媒活動性の損失は生成アル
デヒドの残留により揮発性トリエチルアミンが損失する
から起る。
この例を通じて、2%以下の水素添加がn −ブタンに観
察された。
例2 例1の操作が進められ、開始から256 時間後に0.55 ml
のトリ−n −プロピルアミンが追加された。その結果は
表IIの通りである。再び活動指数の増加が認められ、触
媒活動率の損失率はトリエチルアミンを加えた場合より
もかなり低かった。更に 0.55 mlアリコートのトリ−n
−プロピルアミンを、280 時間後に入れた。再び活動指
数は上昇し、トリエチルアミンの時よりも、よく維持さ
れた。この例を通してn −ブタンに対する水素添加の程
度は2%以下であった。
例 3 同様の操作を、以下の条件の下で、例 1と全般に同様
の工程を使って行い、安定第3アミンとしてのトリn オ
クチルアミンの使用性を調べた。
ロジウム濃度:200ppm w/v (ロジウム金属として計
算) 温度:101 ℃ ブテン供給率:60ml/時 再循環率:60ml/時 圧力:21.7バール H:COモル比: 0.25 % w/v 溶液量合計:200 ml 初めは反応器にはトリ−n −オクチルアミンは入れなか
った。結果は表IVに挙げてある。配位子は操作開始後30
時間は安定していた。30時間後と、そして46時間後に1
mlの水を追加した。これにより配位子の分解が促され
た。51時間後、TMPP及び1mlのトリ−n −オクチル
アミンが入れられた。それからの24時間は配位子は極め
て安定していた。75時間後、更に 0.5g のTMPPと
1.3mlのトリ−n −オクチルアミンを追加したので、配
位子の濃度が上がった。より高い配位子:ロジウムモル
比の時、そして、より高い配位子濃度の時、非常に良好
な配位子安定性が観察された。105 時間後、10.1mlのト
リフェニル亜リン酸塩と 1.3mlのトリ−n −オクチルア
ミンが追加された。TMPPの濃度は安定したままだっ
たが、トリフェニル亜リン酸塩は急速に分解するのが観
察された。115 時間後に更にトリフェニル亜リン酸塩を
加えたが、TMPPがあまり分解しないのに対してこれ
は急速に減成した。
例4 例1〜3に説明されたものと同様の実験が、適当なヒド
ロホルミル化条件の下で、オレフィン・ブテン−2、ア
リル・t −ブチル・エーテル、ドデセン−1及びn −プ
ロピル・オクト−7−エノエートを用いて行われた。
TMPP、4−アセトキシ・メチル−2,6,7−トリ
オクサ−1−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オク
タン、4−n −ヘキシル−2,6,7−トリオクサ−1
−ホスファビシクロ−[2,2,2]−オクタン、4−
メチル−2,6,7−トリオクサ−1−ホスファビシク
ロ−[2,2,2]−オクタン及び2,8,9−トリオ
クサ−1−ホスファトリシクロ[3,3,1,13,7
−デカンの合成物と、N,N−ジエチルアニリン,ピリ
ジン、N−メチルモルフォリン、トリエタノールアミン
などのアミンを使って、有益な配位子安定効果が観察さ
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヨージ エドウイン ハリソン イギリス国,エセツクス シーエム12 9 イーイー,ビレリケイ,ウエスト パーク アベニユー 15 (72)発明者 ジエームズ ピーター ワイバー イギリス国,クレブランド,ストツクト ン‐オン‐テイーズ,シエラトン パー ク,スタバレイ グロブ 22

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一酸化炭素と複合結合し、又3個の酸素原
    子のうち少なくとも2個の原子がリン原子と共に環を形
    成するような3個の酸素原子に連結されたリン原子を持
    つ環式亜リン酸塩とも複合結合するロジウムよりなる複
    合ロジウムヒドロホルミル化触媒が溶解して入っている
    液体反応媒体で、その中の環式亜リン酸塩配位子とRh
    のモル比が少なくとも約3:1である該液体反応媒体を
    ヒドロホルミル化区域に充填すること、オレフィンをヒ
    ドロホルミル化区域に連続的に供給すること、該ヒドロ
    ホルミル化区域を40℃から160℃の温度に保ち、圧
    力を4バールから75バールに保つこと、構成水素及び
    一酸化炭素を連続的にヒドロホルミル化区域に供給する
    こと、そして少なくとも1つのアルデヒドよりなるヒド
    ロホルミル化生成物を液体ヒドロホルミル化媒体から回
    収することよりなるオレフィンのヒドロホルミル化によ
    ってアルデヒドを製造する方法において、 液体反応媒体は、ロジウムと結合しているか又は遊離亜
    リン酸として存在しているかに係わらず、添加される全
    環式亜リン酸に対する第3アミンのモル比が少なくとも
    約0.1:1以上約5:1までとなるような量の第3ア
    ミンを含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】環式亜リン酸塩が次のような一般式で表わ
    される少くとも2環式亜リン酸塩であり、 この式中、Zは三価有機基を表わすことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】環式亜リン酸塩配位子が、4−メチル−
    2,6,7−トリオクサ−1−ホスファビシクロ−
    [2,2,2]−オクタン、4−エチル−2,6,7−
    トリオクサ−1−ホスファビシクロ[2,2,2]−オ
    クタン、4−エトキシメチル−2,6,7−トリオクサ
    −1−ホスファビシクロー[2,2,2]−オクタン、
    4−アセトキシメチル−2,6,7−トリオクサ−1−
    ホスファビシクロー[2,2,2]−オクタンのいずれ
    かであるように選択されることを特徴とする特許請求の
    範囲第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】環式亜リン酸塩は次の一般式で表わされる
    単環式亜リン酸塩であって、 この式中、Z′は二価有機基を表わし、R′は随意に置
    換されたアルキル又はアリル基であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】第3アミンはトリアルキルアミンであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれ
    かの項に記載の方法。
  6. 【請求項6】第3アミンは、トリエチルアミン,トリ−
    n−プロピルアミン,トリ−n−オクチルアミンの中か
    ら選択されることを特徴とする特許請求の範囲第5項に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】オレフィンはブテン−1であり、ヒドロホ
    ルミル化生成物はn−バレルアルデヒドを含むことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】オレフィンはブテン−2であり、ヒドロホ
    ルミル化生成物は2−メチルブチルアルデヒドを含むこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第5項のいずれ
    か1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】ヒドロホルミル化区域は、総圧力は約4バ
    ールから約35バールに保たれ、水素及び一酸化炭素の
    それぞれの部分圧はすくなくとも約0.05バールであ
    って、水素と一酸化炭素の部分圧の比は約10:1から
    約1:10の範囲内に維持されることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項〜第8項のいずれか1項に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】ヒドロホルミル化区域から反応媒体を取
    出し、この反応媒体を正常又は低下又は上昇圧の元で1
    又はそれ以上の段階で蒸留することなどによりヒドロホ
    ルミル化生成物の回収を行うことを特徴とする特許請求
    の範囲第1項〜第9項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】蒸留段階において、ヒドロホルミル化区
    域へ再循環される未反応オレフィン含有流が生じること
    を特徴とする特許請求の範囲第10項に記載の方法。
  12. 【請求項12】反応媒体が、アルデヒド生成物及び溶剤
    としてのアルデヒド縮合生成物を含むことを特徴とする
    特許請求の範囲第1項〜第11項のいずれか1項に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】構成オレフィンは、毎時、反応媒体1リ
    ットル当り少くとも約0.5グラム・モルに相当する比
    率で、ヒドロホルミル化区域へ供給されることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項〜第12項のいずれか1項に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】環式亜リン酸塩は式 で表わされ、また次の一般式で表わされる有機亜リン酸
    塩のエステル交換によって、その位置のまま正常な場所
    で形成され、 (R′O)P 式中R′は、次の一般式で表わされるトリオール又はよ
    り高いポリオールと任意に置換されたアルキル又はアリ
    ル基を表わし、 式中、Y,Y′,Y″はそれぞれ互いに独自な二価有機
    基であり、Rは三価原子又は三価基で表わされることを
    特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の方法。
  15. 【請求項15】環式亜リン酸塩は次の一般式で表わされ
    る有機亜リン酸塩のエステル交換によって、その位置の
    まま正常な場所で形成され、 (R′O)P 式中R′は、次の一般式で表わされるジオールと任意に
    置換されたアルキル又はアリル基を表わし、 式中、Z′は二価の環式又は非環式基を表わすことを特
    徴とする特許請求の範囲第4項に記載の方法。
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