JPH0659187U - 信号転轍機用フロントロッド - Google Patents

信号転轍機用フロントロッド

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JPH0659187U
JPH0659187U JP663293U JP663293U JPH0659187U JP H0659187 U JPH0659187 U JP H0659187U JP 663293 U JP663293 U JP 663293U JP 663293 U JP663293 U JP 663293U JP H0659187 U JPH0659187 U JP H0659187U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定期的なメンテナンスが不可欠な塗料塗布や
給油を必要としない構成からなる信号転轍機用フロント
ロッドの提供。 【構成】 フロントロッドの少なくともジョーピンとジ
ョーピンと接触する部材表面に溶融塩浴熱処理による表
面硬化層と二硫化モリブデン層の2層を積層して、従
来、フロントロッドに施していた定期的な塗装と給油を
不要にするだけでなく、ジョーピンなどの機械的強度も
大幅に向上し、耐食性、耐磨耗性と信頼性を著しく向上
させることができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、信号転轍機用フロントロッドの改良に係り、フロントロッドの少 なくともジョーピンに接触する部材表面に溶融塩浴熱処理による表面硬化層と二 硫化モリブデン層の2層を積層して、従来、フロントロッドに施していた定期的 な塗装と給油を不要にし、耐食性と信頼性を著しく向上させた信号転轍機用フロ ントロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
信号転轍機は、鉄道における軌条を現在とは異なる方向に開通させかつその方 向を維持する分岐装置であり、基本軌条と可動式の尖端軌条とからなり、尖端軌 条はその先端側のタイバーで連結されて軌条に平行配置された電動転轍器の転換 部にて信号に従って基本軌条のいずれか一方に移動密着させ、尖端軌条の最先端 を連結するフロントロッドにロックロッドが接続され、ロックロッドを制御する 電動転轍器の鎖錠部にて固定し、尖端軌条が車両通過時の振動等で移動しないよ うに構成してある。(実公昭61−5363号公報参照)
【0003】 信号転轍機のフロントロッドは、図1、図2に示すごとく、尖端軌条の先端に 接続する肘金1,1とロッド2の両端に螺合させたジョー部材3,3とをそれぞ れのピン孔にジョーピン4,4を挿通し、ピン4,4下端に図示しない割りピン を通して止める構成からなる。なお、図中5はロックロッドとの接続部である。 また、ロッド2の一方のジョー部材を図3に示す如き一対の接続板10,10 に代えてロッド2にボルト止めし、肘金とジョーピンで連結する構成のものもあ る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
いずれの構成の信号転轍機のフロントロッドも、肘金とロッドをジョーピンで 連結する構成であり、常に通過する車両の振動と風雨にさらされており、ジョー ピン並びにピンが挿通するジョーピンカラー部となる、すなわちピン孔を設けた 肘金先端、ジョー部材、接続板等の各部材は、強度とともにすぐれた耐食性及び 耐磨耗性を要求される。 従って、従来、ジョーピンとピン孔を設けた各部材の材質を、所要の強度と耐 食性を有する材質に代えたり、グリスなどを給油したり、耐食性及び耐磨耗性の 塗料を塗布するなどの対策を行っていた。しかし、給油あるいは塗料には定期的 なメンテナンスが不可欠であり、フロントロッドの保守管理に多大の人手を要し ていた。 さらに、ジョーピンカラーに樹脂を用いることも考えられるが、樹脂の磨耗よ る交換など保守管理に人手を要する。
【0005】 この考案は、かかるフロントロッドの保守管理に鑑み、定期的なメンテナンス が不可欠な塗料塗布や給油を必要としない構成からなる信号転轍機用フロントロ ッドの提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
考案者らは、塗料塗布や給油を必要としないフロントロッドを目的に、材質や 表面処理について種々検討した結果、フロントロッドの所要部に、溶融塩浴熱処 理による表面硬化層と焼き付け硬化させた二硫化モリブデン層の2層を積層する ことにより、極めて優れた耐食性と耐磨耗性が得られ、長期間にわたってメンテ ナンスフリーのフロントロッドが得られることを知見し、この考案を完成した。
【0007】 すなわち、この考案は、尖端軌条の最先端を連結する信号転轍機用フロントロ ッドにおいて、 少なくともジョーピンと接触する部材表面に、溶融塩浴熱処理による炭化物と窒 化物からなる表面硬化層と、その上に塗布焼き付け処理した二硫化モリブデン層 の2層が積層されたことを特徴とする信号転轍機用フロントロッドである。
【0008】 また、この考案は上記の構成において、ジョーピン表面に溶融塩浴熱処理によ る炭化物と窒化物からなる表面硬化層と、その上に塗布焼き付け処理した二硫化 モリブデン層の2層が積層されたジョーピンを使用することができる。 また、この考案は上記の構成において、ジョーピン表面に溶融塩浴熱処理によ る炭化物と窒化物からなる表面硬化層を設け、さらに樹脂製カラーを圧入被覆し たジョーピンを使用することができる。 さらに、この考案は上記のいずれかの構成において、接続板とロッドとのボル ト止め部にボルトカラー部を形成した絶縁板を介在させたことを特徴とする信号 転轍機用フロントロッドである。
【0009】 この考案において、溶融塩浴熱処理は、侵炭と窒化が同時に進行するような溶 融塩浴を用いて570℃以下の温度で行い、材料表面に炭化物と窒化物からなる 表面硬化層を形成できれば、いずれの条件でもよい。
【0010】 また、この考案において、二硫化モリブデン層は、上記の溶融塩浴熱処理によ る表面硬化層を形成後、その表面に二硫化モリブデンを塗布し、あるいは浸漬し て塗布し、さらに所要温度で焼き付け処理して硬化させる必要がある。
【0011】 さらに、この考案において、絶縁板は接続板とロッドとのボルト止め部に介在 させるが、実施例の如く、ロッド先端部の平坦両面に接触しかつ先端部ボルト孔 内に嵌入するボルトカラー部を設け、軌条に流してある種々信号電流を短絡させ ない構成とすることが好ましい。
【0012】
【作用】
この考案は、フロントロッドの少なくともジョーピンと接触する部材表面、あ るいは部材の全てに溶融塩浴熱処理による表面硬化層と二硫化モリブデン層の2 層を積層して、従来、フロントロッドに施していた定期的な塗装と給油を不要に するだけでなく、実施例に示す如く、ジョーピンなどの機械的強度も大幅に向上 し、耐食性、耐磨耗性と信頼性を著しく向上させることができる。従って、ジョ ーピンとその近傍のみならず、必要に応じてフロントロッドの所要部あるいは全 部に該積層処理を施すことができる。 また、ロッドにボルト止めした接続板と肘金間のジョーピン等にも同様に溶融 塩浴熱処理による表面硬化層と二硫化モリブデン層を積層することにより、同様 に機械的強度の向上、耐食性、耐磨耗性が得られる。 さらに、接続板とロッドとのボルト止め部に介在させるボルトカラー部を有す る絶縁板により、軌条に流してある種々信号電流を短絡させることがない。
【0013】
【実施例】
実施例1 図1、図2に示す、尖端軌条の先端に接続する肘金1,1とロッド2の両端に 螺合させたジョー部材3,3とをそれぞれのピン孔にジョーピン4,4を挿通す るフロントロッドにおいて、肘金1,1、ジョー部材3,3、およびジョーピン 4,4にこの考案による積層処理を施した。 材質には、肘金はS25C材、ジョー部材はSS41材、ジョーピンはS25 C材をそれぞれ用いた。 まず、各部材を脱脂洗浄後に余熱し、市販の溶融塩浴を用いて、550℃で溶 融塩浴熱処理し、10〜15μm厚みの表面硬化層を形成した。 次いで、各部材を脱脂洗浄後に余熱し、ピン孔を設けた肘金先端部、ジョーピ ン先端部、ジョーピンの全面に潤滑用二硫化モリブデンを塗布した後、180℃ 、1時間の硬化熱処理を施して、5〜10μm厚みの二硫化モリブデン層を形成 した。 この考案によるジョーピンは、従来のものと比較して疲労強度が約1.8倍に 向上し、引張試験においても、5〜20%の向上が認められた。 さらに、塩水噴霧試験(S.S.T200時間)においても、いずれの部材に も錆びの発生は皆無であった。
【0014】 実施例2 実施例1において、ジョーピンにS35C材(22mm径)を用い、さらにボ ルト、ナット、座がねなど全ての部材に同様の条件で溶融塩浴熱処理による炭化 物と窒化物からなる表面硬化層と、その上に塗布焼き付け処理した二硫化モリブ デン層の2層を積層して、フロントロッドを組立て、長期の実用試験に供したと ころ、いずれの部材にも錆びの発生並びに磨耗は皆無であるだけでなく、ごみな どの付着がなく、完全な無給油、無清掃のメンテナンスフリーが実現できた。 また、ジョーピンにSCM3材(18mm径)を用い、ジョーピン表面に溶融 塩浴熱処理による炭化物と窒化物からなる表面硬化層を設け、さらに樹脂製カラ ーを圧入被覆して22mm径となしたジョーピンを使用したフロントロッドでも 同様の実用試験に供したところ、従来の無表面処理の肘金、ジョー部材を用いた ものより、ジョーピンの樹脂製カラーの磨耗が著しく減少した。
【0015】 実施例3 図3に示す如く、ジョー部材に代えてロッド2先端の接続部2aにボルト孔を 設け、一対の接続板10,10をボルト止めする構成にこの考案を適用した。 ピン孔11とボルト孔12を設けた接続板10,10にはSS41材を用い、 実施例1と同様条件で表面硬化層と二硫化モリブデン層を積層形成した。さらに 、接続板10のボルト孔12を設けた部分にポリアミドコーティングを施した。 また、ロッド2先端の接続部2aにもポリアミドコーティングを施した。 また、ロッド2先端の接続部2aと接続板10との組立てに際し、接続部2a の平面に密着しかつボルト孔に嵌入するボルトカラー部21を設けた絶縁板20 を介在させた。ここでは、絶縁板20に熱可塑性ポリエラストマー樹脂(TPE E)を用い、接続部2aの表裏に絶縁板20を当て、ボルト孔の中央で表裏から のボルトカラー部21が当接する構成とした。 ロッド2先端の接続部2aと図示しない実施例1の肘金とをピン孔11にジョ ーピンを入れてフロントロッドを組み立てたところ、ジョーピンによる接続部に おける耐食性、耐磨耗性などは実施例1と同等の効果が得られ、さらに、ロッド 2先端の接続部2aのポリアミドコーティング、TPEE製絶縁板20、及び接 続板10のポリアミドコーティングの相乗効果により、尖端軌条間におけるフロ ントロッドによる信号電流のリークは皆無となった。
【0016】
【考案の効果】
この考案は、フロントロッドの少なくともジョーピンと接触する部材表面に溶 融塩浴熱処理による表面硬化層と二硫化モリブデン層の2層を積層することによ り、機械的強度、耐食性、耐磨耗性と信頼性を著しく向上させることができる。 また、ロッドにボルト止めした接続板と肘金間のジョーピン等にも同様に溶融 塩浴熱処理による表面硬化層と二硫化モリブデン層を積層することにより、同様 に機械的強度の向上、耐食性、耐磨耗性が得られる。 さらに、接続板とロッドとのボルト止め部に介在させるボルトカラー部を有す る絶縁板により、軌条に流してある種々信号電流を短絡させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案によるフロントロッドの上面説明図で
ある。
【図2】この考案によるフロントロッドの正面説明図で
ある。
【図3】この考案による他のフロントロッドの構成を示
す一部縦断した要部の正面説明図である。
【符号の説明】
1 肘金 2 ロッド 2a 接続部 3 ジョー部材 4 ジョーピン 5 接続部 10 接続板 11 ピン孔 12 ボルト孔 20 絶縁板 21 ボルトカラー部

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尖端軌条の最先端を連結する信号転轍機
    用フロントロッドにおいて、少なくともジョーピンに接
    触する部材表面に、溶融塩浴熱処理による炭化物と窒化
    物からなる表面硬化層と、その上に塗布焼き付け処理し
    た二硫化モリブデン層の2層が積層されたことを特徴と
    する信号転轍機用フロントロッド。
  2. 【請求項2】 ジョーピン表面に溶融塩浴熱処理による
    炭化物と窒化物からなる表面硬化層と、その上に塗布焼
    き付け処理した二硫化モリブデン層の2層が積層された
    ことを特徴とする請求項1記載の信号転轍機用フロント
    ロッド。
  3. 【請求項3】 ジョーピン表面に溶融塩浴熱処理による
    炭化物と窒化物からなる表面硬化層を設け、さらに樹脂
    製カラーを圧入被覆したことを特徴とする請求項1記載
    の信号転轍機用フロントロッド。
  4. 【請求項4】 接続板とロッドとのボルト止め部にボル
    トカラー部を形成した絶縁板を介在させたことを特徴と
    する請求項1、請求項2または請求項3記載の信号転轍
    機用フロントロッド。
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