JPH0659458B2 - フッ素樹脂粉末の回転成形法による密着形厚膜ライニングの製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂粉末の回転成形法による密着形厚膜ライニングの製造方法

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JPH0659458B2
JPH0659458B2 JP1341700A JP34170089A JPH0659458B2 JP H0659458 B2 JPH0659458 B2 JP H0659458B2 JP 1341700 A JP1341700 A JP 1341700A JP 34170089 A JP34170089 A JP 34170089A JP H0659458 B2 JPH0659458 B2 JP H0659458B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、主に化学工業関係のプラントに使用される
例えば反応塔、貯槽、撹拌槽及びこれらの周辺機材を、
高温、高圧、負圧等の条件下のガスや薬品による浸食や
浸透等に伴う腐蝕から保護するフッ素樹脂粉末の回転成
形法による密着形厚膜ライニングの製造方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕 従来の耐蝕を目的とするフッ素樹脂ライニングを、一般
的に次の様な方法で製造されている。
(1)静電粉体塗装法 これは、フッ素樹脂の微粉末に、帯電性をもつ炭素微粉
末を混練し、あらかじめ帯電させた被ライニング材であ
る母材に、スプレーガンにて吹き付ける。これを静置の
まま加熱焼結させる方法である。この方法では、静電気
による炭素と母材との吸引力だけの付着塗膜のため、一
工程で50μ〜 100μの膜厚しか得られず、重ね塗りでも
800μが限度とされている。
この方法ではフッ素樹脂の中に炭素という不純物が入っ
ているため、これが内容液に溶出したり、また、重ね塗
りのため、層間剥離が起こり、内容液に混入するという
欠点がある。
(2)シートライニング法 これは、フッ素樹脂の厚さ1〜2mmの板を、常温もしく
は、加熱軟化させながら母材の表面に沿って接着剤で張
りつける方法である。
この方法では、複雑な形状の場合、張りつけ作業に時間
がかかり、又、接着剤による密着性にも問題がある。ま
た、板と板の継ぎ目を全て溶接しなければならず、その
残留応力で使用現場での剥離、割れなどの現象が起こり
易いという欠点がある。
(3)ルーズライニング法 これは、主に直管の内面に施工する方法で、先ず別に作
っておいたフッ素樹脂製のパイプを、金属性パイプの内
側にインサートし、両端面をフレアー加工(広げる)を
して仕上げる。又曲管に施工する場合も同様である。
この方法では、フッ素樹脂と母材との密着性が全くない
から、負圧に弱く負圧での使用は不可能であり、母材の
形状も単純なものに限定されるという欠点がある。
以上が公知のライニング法である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の加工法では、フッ素樹脂自体の成
形性の悪さから、加工上の制約を受けるうえに、使用現
場でも次のような問題点があった。
(1)ライニング層の寿命を決定するのは、ガスや薬品の
浸透である。浸透は膜厚に比例するため、厚い程、効果
がある。しかし、従来の加工法では、母材を選ばず継目
なしの厚膜層(1〜10mm)を作ることは不可能であっ
た。
(2)また、母材とフッ素樹脂層との密着力の強弱が、ラ
イニング層の寿命及び用途に大きな関係性がある。密着
力が弱いと現場での使用条件により、剥離、割れ、変形
等が早期に発生する。従って、これらを防止し、寿命を
延ばすためには、母材とライニング樹脂層との接着界面
を限りなく強化する必要があった。
(3)更に、母材の形状にも制約される。従来は殆どの工
程が手作業であるため、複雑な形状や、手の入らない箇
所、目に見えない隠れた箇所等へのライニングは不可能
であった。
(4)更にまた、熟練作業員の減少と、コストダウンを図
るために、機械化が必要である。しかし、従来の加工法
の機械化は、その加工上の性格から殆ど不可能であっ
た。
この発明は、上記のような問題点に鑑み、その問題点を
解決すべく創案されたものであって、その目的とすると
ころは、中空母材の内面に僅か一工程で、任意の膜厚を
焼成し、しかも複雑な形状の母材でも継目のない一体形
の均一な膜厚の密着形厚膜ライニング層を形成し、これ
を機械加工で可能にして、熟練工を必要とせず、しかも
短時間で加工すると共に、中空母材の内面に溶着形成し
たライニング層に気泡が残留形成されるのを防ぐことの
できるフッ素樹脂粉末の回転成形法による密着形厚膜ラ
イニングの製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
以上の目的を達成するためにこの発明は、熱可塑性のフ
ッ素樹脂粉末を、金属性又はセラミック性の中空母材の
内部に入れ、これを回転及び又に揺動しながら一定時間
加熱し、更に急激に少許温度を上げて一定時間加熱して
中空母材の内面に溶着させてライニング層を形成した
後、徐々に少許温度を下げながら加熱を続けてライニン
グ層中に含まれる気泡を排除し、その後冷却して継目な
しの被覆層を中空母材の内面に形成した方法よりなる。
ここで、前に入れたフッ素樹脂粉末の溶融状態時に回転
及び又は揺動を一時停止して新たなフッ素樹脂粉末を中
空母材の所望箇所に部分的に追加し、中空母材の所望箇
所のライニング層を部分的に増厚する方法を上記発明に
含ませてもよい。
また、フッ素樹脂粉末の溶着前に中空母材の所望箇所に
部分的に脱熱処理を施し、中空母材の所望箇所のライニ
ング層を部分的に減厚する方法を上記発明に含ませても
よい。
〔作用〕
この様にして、安定した理想的な密着形厚膜ライニング
層が得られるのであるが、そのために次のような要素
が、より効果的に作用する。
(1)中空母材とフッ素樹脂層との密着強度を上げるため
に、まず中空母材の種類に応じた前処理が重要である。
次に中空母材の内面に電気イオンを発生させ、表面を活
性化させて、適度の酸化膜を形成させる。また、均一な
表面状態を作り出すための特殊治具も必要であり、そし
て、使用樹脂に一番適した温度域を設定し焼成すると、
密着強度の向上に効果がある。
(2)フッ素樹脂が溶解してくると、その焼結層の中に無
数の気泡が発生する。これは樹脂の粒子間の空気が巻き
込まれるのと、樹脂の分解ガスの発生によるもので、こ
れら全て脱泡しなければならない。そのために脱泡に適
した温度の設定が重要である。これは樹脂の種類、膜
厚、母材条件等より決定する。又、この際、活性ガス等
を封入する事により分解ガスと反応して、中和効果をも
たらし、脱泡の促進に効果的に作用する。
(3)又、膜厚の均一化を図るためには、中空母材の焼成
時の回転方式及び回転数が最も重要な要素となる。まず
中空母材の大きさと形状により、揺動回転方式か、2軸
回転方式かを決定する。次に膜厚及びフッ素樹脂の種類
により回転数を決定する。この際に、中空母材の内面の
フッ素樹脂粉末が回転により移動する時、同じ軌跡を辿
らない様にする事が大切である。又、特殊治具による加
熱、脱熱も、偏肉防止に大きく作用する。
〔実施例〕
以下、図面に記載の実施例に基づいてこの発明をより具
体的に説明する。
−実施例1− ここで、第1図は中空母材の断面図である。
フッ素樹脂粉末としてはETFEが使用され、その使用
量は 0.7kgである。
中空母材1の形状は第1図に示すような円筒形の形状を
している。この円筒形は底面が閉塞され、上面が開放さ
れていて、開放された上面の周縁にはフランジが形成さ
れている。中空母材の寸法は次の通りである。
内径はl1 = 160mm,高さはh= 250mm,胴部の厚みは
1 =3mm,フランジの厚みはt2 =5mmであり、又そ
の中空母材の材質は鉄である。
中空母材1の内面のライニング層2の形成作業は次のよ
うな工程で行われる。
即ち、フッ素樹脂粉末(ETFE)の 0.7kgを円筒形の
中空母材1内に入れ、蓋3を取付けて、これを2軸方向
に回転する回転成形機aの回転部に取付ける。そして、
中空母材1を取付けた回転成形機aを加熱炉に入れ、回
転成形機aを駆動させて、中空母材1を1軸方向にのみ
回転させる。なお、回転成形機aは第4図に示すような
原理で2軸方向に回転する。
回転数は1分間に20回転で中空母材1を回転させながら
加熱昇温させる。30の時間をかけて 320度Cまで昇温さ
せた後、溶着工程に入る。
溶着工程では、中空母材1の回転を1軸回転から2軸回
転に切り換えると共に、2軸の回転数を20r.p.m.から30
r.p.m.に上げ、又温度を 320度Cから 325度Cに急激に
上げる。そして、この条件下で15分間続ける。
この溶着工程の間に、フッ素樹脂粉末(ETFE)が円
筒形の中空母材1の内面の全域に均一に溶着し、ライニ
ング層2が形成される。溶着工程では、2軸回転の回転
方向を2分間隔で徐々に変化させ、また、各回転は正逆
回転させて、フッ素樹脂粉末(ETFE)が中空母材内
の全域に万遍なく行き渡るようにする。
溶着工程が終了した後、脱泡工程に入る。脱泡工程はラ
イニング層2中に含まれる気泡を排除するための工程で
ある。脱泡工程では、20分の時間をかけて温度を 325度
Cから 310度Cに徐々に下げて行き、ライニング層2中
に含まれる気泡の排除を行う。このとき、2軸方向の各
回転数はそのままの状態を保ち変えない。
脱泡工程が終了した御は最後の冷却工程に入る。冷却方
方には3通りあるが、この第1実施例では自然冷却を採
用する。この冷却工程では、加熱炉から中空母材1を取
付けた回転成形機aを取り出し、これを自然の状態で冷
却する。
そして、冷却工程を経て、中空母材1が完全に冷却した
ところで、蓋3を外すと、中空母材1の内面には密着し
た厚さ2mmのライニング層2が形成されていた。
−実施例2− ここで、第2図は中空母材の断面図である。
フッ素樹脂粉末としてはETFEが使用され、その使用
量は14kgである。
中空母材1の形状は第2図に示すような円筒形の形状
で、その左右の側面及び底面には小径の円筒形が突出し
て形成され、このうち底面の円筒形は90度に円曲されて
いる。この円筒形は上面が開放され、開放された上面の
周縁には肉厚なフランジが形成され、又他の小径の円筒
形の開口部の周縁にもフランジが形成されている。その
寸法は次の通りである。
主胴部の内径はl1 = 500mm,高さはh= 500mm,上面
のフランジの厚みはt2 =20mmである。又左側面の円筒
形のの内径はl2 = 200mm,右側及び底面の円筒形の内
径はl3 =50mm、胴部及び他のフランジの厚みはt1
6mmであり、又その中空母材の材質はステンレスであ
る。
この中空母材1は、板厚が6mm〜20mmと差があり、偏肉
の可能性があるため、そのような箇所には脱熱処理のた
めに特殊治具が取付けられ、部分的にライニング層3が
厚くなるのを防止する。
即ち、上面の肉厚なフランジの下面には脱熱処理のため
の特殊治具としての断熱材4が取り付けられ、又、底面
の円曲した円筒形には脱熱処理のための特殊治具しての
放熱板5が仮付けされている。
中空母材1の内面のライニング層2の形成作業は次のよ
うな工程で行われる。
即ち、フッ素樹脂粉末(ETFE)の10kgを比較的複雑
な円筒形状の中空母材1内に入れ、図示しない蓋を各開
口部に取付けて、これを2軸方向に回転する回転成形機
aの回転部に取付ける。そして、中空母材1を取付けた
回転成形機aを加熱炉に入れ、回転成形機aを駆動させ
て、中空母材1を1軸方向にのみ回転させる。なお、回
転成形機aは第4図に示すような原理で2軸方向に回転
する。
回転数は1分間に8回転程度で中空母材1を回転させな
がら加熱昇温させ、40分の時間をかけて 320度Cまで昇
温させた後、溶着工程に入る。
溶着工程では、中空母材1の回転を1軸回転から2軸回
転に切り換えると共に、回転数を8r.p.m.から13r.p.m.
に上げ、又、温度を 320度Cから 330度Cに急激に上げ
る。そして、この条件下で25分間続ける。
この溶着工程では同時に、偏肉危険箇所に取り付けた特
殊治具を利用して、偏肉の防止を図るための脱熱処置が
行われる。この脱熱処置は放熱板5が仮付けされた底面
の円曲した円筒形の箇所で行われる。
脱熱処置は、回転中の放熱板5に対して冷却風を吹き付
けて、放熱板5を冷し、この放熱板5を通じて、放熱板
5が仮付けされた円曲した円筒形の内面が熱くなるのを
防ぎ、ライニング層2が部分的に厚く形成される偏肉の
状態を防ぐ。冷却風を噴出する冷却噴出パイプは回転成
形機に一体的に取付けられている。
なお、脱熱処理には断熱材4を取り付けるのみで他の処
理が不要な簡単な方法もある。
この溶着工程の間に、フッ素樹脂粉末(ETFE)が円
筒形の中空母材1の内面の全域に均一に溶着し、ライニ
ング層2が形成される。溶着工程では、溶着工程では、
2軸回転の回転方向を2分間隔で徐々に変化させ、ま
た、各回転は正逆回転させて、フッ素樹脂粉末(ETF
E)が中空母材1内の全域に万遍なく行き渡るようにす
る。
溶着工程が終了した後、脱泡工程に入る。脱泡工程はラ
イニング層2中に含まれる気泡を排除するための工程で
ある。脱泡工程では、25分の時間をかけて温度を 330度
Cから 310度Cに徐々に下げて行き、ライニング層2中
に含まれる気泡の排除を行う。このとき、2軸方向の各
回転数はそのままの状態を保ち変えない。
脱泡工程が終了した後は最後の冷却工程に入る。冷却方
法には3通りあるが、この第2実施例では水を霧状にし
たものを吹き付ける強制急速冷却を採用する。この冷却
工程では、加熱炉から中空母材1を取付けた回転成形機
aを取り出し、これに水を霧状にしたものを10分間にわ
たって万遍なく吹き付ける。
冷却工程は10分で終了し、終了後、回転成形機aから中
空母材1を取外し、又図示しない全ての蓋を取外すと、
板厚の厚い箇所、薄い箇所とも中空母材1の内面には密
着した厚さ5mmの均一なライニング層2が形成されてい
た。
−実施例3− ここで、第3図は中空母材の断面図である。
フッ素樹脂粉末としてはPFAが使用され、その使用量
は10kgである。
中空母材1の形状は第3図に示すような角形の形状で、
この角形は底面が閉塞され、上面が開放されている。開
放された上面の周縁にはフランジが形成されている。ま
た、角形の内部底面には突起片6が2個形成されてい
る。その寸法は次の通りである。
主胴部の内径は幅l1 = 500mm× 500mm,高さはh= 3
50mm,胴部及びフランジの厚みはt1 =9mmであり、突
起片6の高さはh1 =50mm,厚みはt2 =6mmであり、
又その中空母材の材質は鉄である。
この中空母材1は、胴部の板厚が9mmで、突起片6の板
厚が6mmである。この場合、このまま加工すると、突起
片6の根本と先端側ではライニング層2の層厚が異なる
ことになる。つまり、板厚が6mmの突起片6の先端側で
は、板厚が9mmの胴部に比べライニング層2が薄くなる
ため、中空母材1に特殊治具を取付けて、部分的に増厚
処理を行う必要が生じる。
このため、突起片6が形成された箇所の外側には特殊治
具としての蓄熱板7が2個仮付けされている。
中空母材1の内面のライニング層2の形成作業は次のよ
うな工程で行われる。
即ち、フッ素樹脂粉末(PFA)の10kgを角形状の中空
母材1内に入れ、図示しない蓋を取付けて、これを1軸
方向に回転しながら揺動する揺動回転成形機bの回転部
に取付ける。そして、中空母材1を取付けた揺動回転成
形機bを加熱炉に入れ、揺動回転成形機bを駆動させ
て、中空母材1を1軸方向にのみ回転させる。なお、揺
動回転成形機bは第5図に示すような原理で揺動しなが
ら1軸方向に回転する。
回転数は1分間に10回転程度で中空母材1を回転させな
がら加熱昇温させ、30分の時間をかけて 350度Cまで昇
温させた後、溶着工程に入る。
溶着工程では、中空母材1の回転を1軸回転に揺動運転
を加えた状態に切り換えると共に、回転数を10r.p.m.か
ら15r.p.m.に上げ、又温度を 350度Cから 370度Cに急
激に上げる。また、揺動運転は1分間に10往復とし、そ
の揺動角度は俯角及び仰角をそれぞれ40度にする。そし
て、この条件下で15分間続ける。
この溶着工程では同時に、突起片6の箇所に取り付けた
特殊治具の蓄熱板7を利用して、突起片6の先端側に十
分に熱を供給する。そして、溶着工程に入って15分経過
した時点で一旦、中空母材1の回転及び揺動を止める。
温度はそのままの状態で、突起物の表面にフッ素樹脂粉
末(PFA)の粉末を均一にふりかけ、その後、揺動及
び回転を再開して7分間これを続ける。
この工程で重要なポイントは、最初に入れた原料が溶融
状態になったときに2回目の原料を突起物の表面に均一
にふりかけることである。溶融状態で2回目の原料を追
加すると、最初と2回目の原料が融合して一層としての
ライニング層2が形成される。これにより、突起片6の
本来薄いライニング層2がいわゆる増厚されて、他の部
分と同じ厚みのライニング層2が形成されることにな
る。
この溶着工程の間に、フッ素樹脂粉末(ETFE)が円
筒形の中空母材1の内面の全域に均一に溶着し、ライニ
ング層2が形成される。溶着工程では、揺動させ又回転
は正逆回転させて、フッ素樹脂粉末(EFTE)が中空
母材1内の全域に万遍なく行き渡るようにする。
溶着工程が終了した後、脱泡工程に入る。脱泡工程はラ
イニング層2中に含まれる気泡を排除するための工程で
ある。脱泡工程では、20分の時間をかけて温度を 370度
Cから 345度Cに徐々に下げて行き、ライニング層2中
に含まれる気泡の排除を行う。このとき、揺動運転は1
分間で10往復、又回転数は15r.p.m.でそのままの状態を
保ち変えない。
脱泡工程が終了した後は最後の冷却工程に入る。冷却方
法には3通りあるが、この第3実施例では冷風を吹き付
ける強制冷却を採用する。この冷却工程では、加熱炉か
ら中空母材1を取付けた揺動回転成形機bを取り出し、
これに冷風を20分間にわたって万遍なく吹き付ける。
冷却工程は20分で終了し、終了後、揺動回転成形機bか
ら中空母材1を取外し、図示しない蓋を外すと、胴部及
び突起片6の先端まで、中空母材1の内面には密着した
厚さ3mmの均一なライニング層2が形成されていた。
以上のような作業工程を経ることにより、中空母材1の
大きさ、形状、材質、フッ素樹脂粉末の原料の種類、膜
厚等から、成形条件及び中空母材に対する特殊治具など
を適宜工夫して使用することにより、あらゆる中空母材
1に均一なライニング層2を形成することが可能とな
る。
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
く、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をな
し得ることは勿論である。
〔発明の効果〕
以上の記載より明らかなように、この発明に係るフッ素
樹脂粉末の回転成形法による密着形厚膜ライニングの製
造方法によれば、次のような優れた効果を奏する。
従来のライニング加工法は全て手加工で施工されてい
る。これには長い経験と熟練が必要であり、コストダウ
ンが難しいとも言われている。特に熟練工が減少し、不
足している現在では機械によるライニング化が要望され
ている。
この発明は、従来の手加工法から機械加工法に改良した
ものであり、熟練工を必要とせず、素人でも簡単に品質
の安定したライニング加工がしかも短時間で作れるとい
う効果ある。施工時間は母材の形状、大きさによって異
なるが、従来法に比べて5分の1〜30分の1と大幅に短
縮が可能となった。
しかも、従来の加工法の問題点を解決した高度な被膜で
あるため、元来フッ素樹脂のもつ優れた特性を100%引き
出すことが可能となり、使用現場での機材の耐用年数を
大幅に改善することができる。
上記のような効果と相まって、中空母材の内面に溶着さ
せてライニング層を形成した後、冷却工程に入る前に、
徐々に少許温度を下げながら加熱を続けることによっ
て、ライニング層中に含まれる気泡を排除することがで
き、ライニング層中に気泡が残留形成されるのを防ぐこ
とができる。これによって、ライニング層中に気泡が残
留形成されることによって、被覆層としての機能を果た
さなくなるのを回避できる。
また、請求項2記載の発明の方法によれば、部分的にラ
イニング層の増厚を図ることができる。このため、特
に、中空母材の板厚や形状等に起因して、部分的にライ
ニング層が薄く形成される箇所には、この方法を利用す
ることにより、他の箇所と同じ厚さのライニング層を形
成することができ、全体が均一な厚さのライニング層を
形成することが可能となる。
更に、請求項3記載の発明の方法によれば、部分的にラ
イニング層の減厚を図ることができる。このため、特
に、中空母材の板厚や形状等に起因して、部分的にライ
ニング層が厚く形成される箇所には、この方法を利用す
ることにより、他の箇所と同じ厚さのライニング層を形
成することができ、全体が均一な厚さのライニング層を
形成することが可能となる。
このように、この発明の方法によれば、産業界に於いて
の耐蝕材としての信頼性が高まり、ライニング機材の寿
命が延びることによる安全性及び経済性の効果は大であ
り、将来に用途拡大が期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明に係るフッ素樹脂粉末の回転成形法によ
る密着形厚膜ライニングの製造方法の実施例を示し、第
1図〜第3図は各実施例で使用される中空母材の断面
図、第4図は回転成形機の概略原理図、第5図は揺動回
転成形機の概略原理図である。 〔符号の説明〕 1:中空母材、2:ライニング層 3:蓋、4:断熱材 5:放熱板、6:突起片 7:蓄熱板 a:回転成形機、b:揺動回転成形機

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性のフッ素樹脂粉末を、金属性又は
    セラミック性の中空母材の内部に入れ、これを回転及び
    又は揺動しながら一定時間加熱し、更に急激に少許温度
    を上げて一定時間加熱して中空母材の内面に溶着させて
    ライニング層を形成した後、徐々に少許温度を下げなが
    ら加熱を続けてライニング層中に含まれる気泡を排除
    し、その後冷却して継目なしの被覆層を中空母材の内面
    に形成したことを特徴とするフッ素樹脂粉末の回転成形
    法による密着形厚膜ライニングの製造方法。
  2. 【請求項2】前に入れたフッ素樹脂粉末の溶融状態時に
    回転及び又は揺動を一時停止して新たなフッ素樹脂粉末
    を中空母材の所望箇所に部分的に追加し、中空母材の所
    望箇所のライニング層を部分的に増厚する請求項1記載
    のフッ素樹脂粉末の回転成形法による密着形厚膜ライニ
    ングの製造方法。
  3. 【請求項3】フッ素樹脂粉末の溶着前に中空母材の所望
    箇所に部分的に脱熱処理を施し、中空母材の所望箇所の
    ライニング層を部分的に減厚する請求項1記載のフッ素
    樹脂粉末の回転成形法による密着形厚膜ライニングの製
    造方法。
JP1341700A 1989-12-31 1989-12-31 フッ素樹脂粉末の回転成形法による密着形厚膜ライニングの製造方法 Expired - Lifetime JPH0659458B2 (ja)

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