JPH0659684A - 能動振動制御装置 - Google Patents

能動振動制御装置

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Publication number
JPH0659684A
JPH0659684A JP4227976A JP22797692A JPH0659684A JP H0659684 A JPH0659684 A JP H0659684A JP 4227976 A JP4227976 A JP 4227976A JP 22797692 A JP22797692 A JP 22797692A JP H0659684 A JPH0659684 A JP H0659684A
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JP
Japan
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vibration
signal
canceling
filter
value
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Pending
Application number
JP4227976A
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English (en)
Inventor
Hisashi Sano
久 佐野
Hideji Sawada
秀司 沢田
Mitsutake Nakamura
光勇 中村
Nozomi Saito
望 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Alpine Electronics Inc
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Alpine Electronics Inc
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd, Alpine Electronics Inc filed Critical Honda Motor Co Ltd
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Publication of JPH0659684A publication Critical patent/JPH0659684A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用開始時から直ちに騒音低減効果が得られ
る能動振動制御装置を提供する。 【構成】 騒音センサ1により検出された騒音が参照信
号として適応フィルタ2に入力される。適応フィルタ2
には、初期値として予め測定等により得られた値の平均
値が設定され、制御が開始されると、まず、スピーカ3
から該相殺音が発生され、振動が略除去される。この相
殺音により除去されない振動は、マイクロホン4により
誤差信号εとして適応フィルタ2にフィードバックされ
る。適応フィルタ2は、前記参照信号と誤差信号εを用
いて適応フィルタ2の係数値が更新され新たな相殺信号
を生成し、スピーカ3から該相殺信号に応じた相殺音を
発生し、誤差信号εを最小にする制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両や航空機等の交通
機関の振動及びこれらの振動に起因して生ずる騒音を能
動的に制御して低減させる能動振動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明における「振動」の語は、「騒
音」をも含めた意味で使用する。
【0003】振動制御装置のうち、振動源(騒音源)か
ら発生する振動を減衰させて振動、騒音の低減化を図る
能動振動制御装置と呼称されるものがある。
【0004】従来、この種の能動振動制御装置として
は、振動源からの振動を検出する振動検出手段と、該振
動検出手段により検出される振動が参照信号として入力
され、かつ該参照信号の振動伝達特性に対して逆位相の
伝達特性を有する相殺信号を適応フィルタを用いて生成
する制御手段と、該制御手段により生成された相殺信号
に基づいて相殺振動を発生する相殺振動発生手段と、該
相殺振動発生手段により発生する相殺振動と前記振動源
からの振動との相殺誤差を検出する誤差信号検出手段と
を備え、該誤差信号検出手段により検出される誤差信号
が最小値となるように前記相殺信号の伝達特性を制御す
る能動振動制御装置が知られている(例えば、特表平1
−501344号公報)。
【0005】上記特表平1−501344号公報に開示
された能動振動制御装置においては、制御手段には2個
のFIR適応デジタルフィルタ(ADF;以下「適応フ
ィルタ」という)が内蔵され、基本周波数とその高調波
の特定周波数のみを選択して処理している。
【0006】また、上記制御手段において、最適な相殺
信号を生成するための適応アルゴリズム(計算法)とし
てはLMSアルゴリズム(LMS:Least Mea
nSquare)が使用されるのが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の能動振動制御装置においては、適応フィルタのフィ
ルタ係数の初期値は0であるため、例えば車両に搭載さ
れた能動振動制御装置を車両の出荷後初めて使用したと
きは振動低減効果が得られにくく、その後の装置の使用
に伴い、適応フィルタのフィルタ係数値が相殺すべき振
動に応じた値に収束してゆき、やがて所要の振動低減効
果が得られるようになる。このように、従来の能動振動
制御装置は、振動を十分に相殺する相殺信号を発生する
までの収束時間が長いという問題点があった。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、使用開始時から直ちに所望の騒音低
減効果が得られる能動振動制御装置を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、振動源からの振動と関連性の高い信号を参照
信号として入力し、かつ振動源からの振動伝達特性に対
して逆位相の伝達特性を有する相殺信号を適応フィルタ
を用いて生成する制御手段と、該制御手段により生成さ
れた相殺信号に基づいて相殺振動を発生する相殺振動発
生手段と、該相殺振動発生手段により発生する相殺振動
と前記振動源からの振動との相殺誤差を検出する誤差信
号検出手段とを備え、該誤差信号検出手段により検出さ
れる誤差信号が最小値となるように前記相殺信号の伝達
特性を制御する能動振動制御装置において、前記適応フ
ィルタの値として、相殺すべき振動に応じた所定の振動
伝達特性を有する相殺信号を生成する値を予め求め、該
求めた値を初期値として前記適応フィルタに設定して成
ることを特徴とする。そして、例えばエンジン騒音を対
象にしたときは、前記初期値は、車両の暖気運転時に発
生する振動を相殺するのに適した値であることを特徴と
する。
【0010】更に、本発明は、振動源からの振動と関連
性の高い信号を参照信号として入力し、かつ振動源から
の振動伝達特性に対して逆位相の伝達特性を有する相殺
信号を適応フィルタを用いて生成する制御手段と、該制
御手段により生成された相殺信号に基づいて相殺振動を
発生する相殺振動発生手段と、該相殺振動発生手段によ
り発生する相殺振動と前記振動源からの振動との相殺誤
差を検出する誤差信号検出手段とを備え、該誤差信号検
出手段により検出される誤差信号が最小値となるように
前記相殺信号の伝達特性を制御する能動振動制御装置に
おいて、相殺すべき振動に応じた所定の振動伝達特性を
有する相殺信号を生成するフィルタ値を予め求め、該求
めたフィルタ値を設定した固定フィルタを前記適応フィ
ルタと共に用いることを特徴とする。
【0011】
【作用】上記構成によれば、請求項1,2記載の発明
は、制御手段は、予め求めた初期値が設定された適応フ
ィルタにより、装置の使用開始時から直ちに所定の振動
伝達特性を有する相殺信号を生成し、この相殺信号に応
じて相殺振動発生手段は相殺振動を発生する。該相殺振
動と振動源からの振動との相殺誤差は、誤差検出手段に
より検出され、該検出された相殺誤差が最小値となるよ
うに前記相殺信号の伝達特性が制御される。
【0012】請求項3記載の発明は、制御手段は、装置
の使用開始時、予め求めた初期値が設定された固定フィ
ルタにより、所定の伝達特性を有する相殺信号を生成
し、誤差検出手段により検出された相殺誤差が最小値と
なるように前記相殺信号の伝達特性を制御する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0014】図1は、本発明に係る能動振動制御装置の
第1実施例の概略構成を示すブロック図である。
【0015】本実施例の能動制御装置は、図1に示すよ
うに騒音源(振動源)からの騒音を検出する騒音センサ
1と、該騒音センサ1により検出される騒音が参照信号
として入力されかつ該参照信号の伝達特性に対して逆位
相の伝達特性を有する相殺信号を生成する適応フィルタ
2と、適応フィルタ2により生成された相殺信号に基づ
いて相殺音を発するスピーカ3と、スピーカ3により発
せられた相殺音と前記参照信号との誤差を検出するマイ
クロホン4とを主要部として構成されている。但し、ス
ピーカアンプ、マイクアンプ、騒音センサ用アンプは本
図から省いている。
【0016】騒音センサ1により検出された騒音(一次
騒音)はA/Dコンバータ5によってサンプリングさ
れ、デジタルデータの基準信号(参照信号)Xとして適
応フィルタ2に入力される。該適応フィルタ2からは上
述の如く生成された相殺信号が出力されてD/Aコンバ
ータ6でアナログ信号に変換され、スピーカ3から相殺
音(二次騒音)が発せられる。
【0017】一方、マイクロホン4はスピーカ3からの
相殺音を受信し、該相殺音はA/Dコンバータ7により
サンプリングされ、デジタルデータの誤差信号εとして
取り出され、適応フィルタ2にフィードバックされる。
すなわち、誤差信号は、一次騒音と二次騒音との相殺誤
差を示すものであり、上記適応フィルタ2は前記誤差信
号が最小値となるように相殺信号の逆位相の伝達特性を
変更し騒音を低減する。
【0018】また、上記適応フィルタ2において、最適
な相殺信号を生成するための適応アルゴリズム(計算
法)としてLMSアルゴリズム(LMS:Least
Mean Square)が使用されている。
【0019】以上説明した図1の構成は、従来例で説明
したものと実質的に同一であるが、従来例では適応フィ
ルタ2のフィルタ係数の初期値が0であるのに対して、
本実施例では、該初期値が所定の振動伝達特性を有する
相殺信号を生成する値に予め設定されている点が異なっ
ている。
【0020】上記初期値は、例えば、能動振動制御装置
が使用される交通機関を開発する際に予め測定等により
設定される。即ち、先ず適応フィルタのフィルタ係数値
が0の状態で、能動振動制御装置を搭載した交通機関、
例えば荒れた路面を走行する際に発生するロードノイズ
を対象にした場合、車両を実際の路上で実走させるか、
またはロードノイズ路面を備えたシャシダイナモメータ
上で走行させることにより、適応フィルタのフィルタ係
数値が0から変化し収束されて略一定になったときの値
を測定する。しかして、車両の量産時に、該測定したフ
ィルタ係数値を量産車に搭載される能動振動制御装置の
適応フィルタに入力しておく。上記設定したフィルタ係
数の初期値は予め実験的な測定により得られる複数の測
定値の平均値に設定される。しかし、製造上のバラツキ
等により振動の伝達特性等が車両毎に異なるため、上記
平均値に設定された初期値では振動を最小にすることは
できないが、従来のように初期値が0の状態から装置の
使用を開始する場合に比較して、フィルタ係数値の収束
時間ははるかに短かく、装置の使用開始時から直ちに略
所要の消音効果を得ることができる。
【0021】上述のように、上記初期値で振動は完全に
相殺することができないがその後の装置の振動制御によ
りフィルタ係数値が更新されて短時間内で所要の値に収
束され、十分な消音効果が達成されるようになる。
【0022】図2は、本発明に係る能動振動制御装置の
第2実施例の概略構成を示すブロック図である。本実施
例は、上記第1実施例の構成に対して、固定フィルタ8
を付加した点が異なるので、図1に共通な要素には同一
符号を付し、構成及び作用の詳細な説明は省略する。
【0023】図2において、固定フィルタ8はA/Dコ
ンバータ5と適応フィルタ2の間に介装されている。こ
の固定フィルタ8のフィルタ係数値は上述した第1実施
例と同様に、予め実験的に測定した値に設定されてい
る。
【0024】騒音センサ1により検出された騒音は、A
/Dコンバータ5によりデジタルデータとしての基準信
号Xに変換された後固定フィルタ8に入力される。固定
フィルタ8は、所定の振動を制御する相殺信号、例え
ば、所定周波数域の振動を最小にする相殺信号を出力可
能にするフィルタで、基準信号Xは固定フィルタ8によ
りフィルタリングされ基準信号X′となり、該基準信号
X′は、適応フィルタ2に供給される。この固定フィル
タ8を用いたことにより、装置の使用開始時には、前述
した第1実施例と同様に、使用開始時から直ちに所定の
消音効果を奏する。
【0025】第1実施例では、装置の使用開始時のみ所
定の相殺信号を出力するように適応フィルタ2のフィル
タ係数が決められ、制御が進むに従って前記誤差信号を
最小にするように順次フィルタ係数が更新されるが、本
実施例では、先ず装置の使用開始時には騒音源(振動
源)からの振動を基に、固定フィルタ8により所定の振
動が相殺され、これにより相殺できない振動成分のみが
適応フィルタ2の適応制御により相殺制御される。この
適応制御により適応フィルタ2のフィルタ係数が更新さ
れていく。このように、本実施例では、装置の使用開始
時から適応フィルタ2には、固定フィルタ8により所定
の振動を相殺する信号X′が供給されるため、適応フィ
ルタ2の負担が大幅に減少され、誤差信号εを最小にす
るまでの収束時間が大幅に短かくなる。
【0026】また、固定フィルタ8としてランダム振動
を相殺するフィルタを用いた場合、相殺制御される振動
が周期振動とランダム振動との合成振動であるとき、適
応フィルタ2は、周期振動の除去のみに専念することが
でき、追従性が非常に良くなるという効果を奏する。
【0027】尚、本実施例では、固定フィルタ8をA/
Dコンバータ5と適応フィルタ2との間の抻入したが、
これに代えて、適応フィルタ2とD/Aコンバータ6と
の間に抻入しても同様の効果を奏する。
【0028】また、固定フィルタ8のフィルタ係数の値
は、実験に供される制御系の振動伝達特性によって決定
されるが、該振動伝達特性を求める方法としては、例え
ば最尤法等のオフライン同定法若しくは前記LMS法等
のオンライン同定法により入力される参照信号と出力さ
れる振動信号とから振動伝達特性を推定する方法、また
は有限要素法等を用いて直接運動方程式から求める方法
を用いることができる。
【0029】更に、固定フィルタ8のフィルタ係数値は
単一の所定周波数域の振動を最小にする相殺信号を出力
可能にする値に設定してもよく、または複数の異なる所
定周波数域毎に、その振動を最小にする相殺信号を出力
可能とするように決められた複数のフィルタ係数値をメ
モリに格納し、制御時に相殺すべき振動の周波数に応じ
たフィルタ係数値を前記メモリから読み出し、固定フィ
ルタ8のフィルタ係数値としてもよい。
【0030】〔適用例〕図3は、本発明に係る能動振動
制御装置を車両のロードノイズ制御装置(道路表面の凹
凸に起因する車両走行時のロードノイズを低減するため
の装置)に適用した場合の一例の概略構成を示すブロッ
ク図であり、本適用例においては、騒音源(振動源)と
しての各1個の車輪に対して、2個の加速度ピックアッ
プ等から成る騒音センサが車体に装着されている。
【0031】実際には、4個の車輪を有する車体の懸架
装置には8個の騒音センサが装着されているが、図3に
は説明の都合上、車両の右側車輪を騒音源とする4個の
騒音センサ101〜104のみが図示されている。
【0032】本適用例は、騒音センサ101〜104と、
騒音センサ101〜104により得られた信号をデジタル
信号x1〜x4に変換するA/Dコンバータ111〜114
と、デジタル信号x1〜x4を基準信号とし、後述するエ
ラー信号e1,e2を最小値にする相殺信号を発生する適
応制御回路121〜124と、適応制御回路121〜124
の出力信号y11〜y14及びy21〜y24をそれぞれ加算す
る加算器131,132と、加算器131,132のデジタ
ル出力信号u1,u2をアナログ信号に変換するD/Aコ
ンバータ141,142と、D/Aコンバータ141,1
2から出力される相殺信号を相殺音に変換するスピー
カ151,152と、車室内騒音(一時騒音)と該相殺音
(二次騒音)との相殺誤差を検出するマイクロホン16
1,162と、マイクロホン161,162により検出され
たアナログデータとしての誤差信号をデジタル信号
1,e2に変換するA/Dコンバータ171,172とに
より構成されている。
【0033】適応制御回路121は、対応する騒音源か
ら対応するマイクロホン161,162までのこの制御系
特有の遅延特性等を補償する4つのFIRフィルタ18
111〜18122(そのフィルタ係数をそれぞれC11(∧)
〜C22(∧)とする)と、フィルタ係数W11,W21に基
づき基準信号x1から相殺信号を発生する適応フィルタ
1911,1912と、FIRフィルタ18111〜18122
より補正された基準信号x1とエラー信号e1,e2に基
づき基準信号x1、即ち、騒音源からマイクロホン1
1,162までの伝達特性に対して逆位相の伝達特性
(逆伝達特性)を演算し、適応フィルタ1911,1912
のフィルタ係数W11,W21を更新するMEFXLMS処
理部2011,2012とから成っている。
【0034】MEFX LMS処理部2011,20
12は、適応アルゴリズムとしてMEFX(Multiple Err
or Filtered-X)LMSアルゴリズムを有し、該アルゴ
リズムによりFIRフィルタ18111〜18122によりフ
ィルタリングされた基準信号x1とエラー信号e1,e2
とから最適な相殺信号を生成するべく、上記逆伝達特性
を演算し、該演算結果に基いて適応フィルタ1911,1
12のフィルタ係数W11,W21を更新する制御を実行す
る。
【0035】更に、適応フィルタ1911,1912のフィ
ルタ係数W11,W21の初期値は、予め実験的に測定され
た値に設定されている。
【0036】同様にして、適応制御回路12n(n=
2,3,4)は、FIRフィルタ18n11〜18n
22と、適応フィルタ19n1,19n2と、MEFX L
MS処理部20n1,20n2(n=2,3,4)とから
成っている。
【0037】以下、本適用例の制御動作について詳細に
説明する。
【0038】図3において、騒音センサ101〜104
よりピックアップされた騒音信号は、夫々A/Dコンバ
ータ111〜114を介してデジタルデータとしての基準
信号x1〜x4に変換される。
【0039】基準信号x1〜x4は、まず、夫々適応フィ
ルタ1911,1921,1931,1941のフィルタ係数W
11,W12,W13,W14と乗算され、デジタル信号y
11(=W111),y12(=W122),y13(=W13
3),y14(=W144)が生成される。
【0040】次に、デジタル信号y11,y12,y13,y
14は加算器131により加算され、デジタル信号u1(=
11+y12+y13+y14)が生成される。該信号u
1は、D/Aコンバータ141によりアナログ変換され、
スピーカ151を介して音U1として空間に伝搬される。
【0041】同様にして、デジタル信号x1〜x4は、適
応フィルタ1912,1922,1932,1942のフィルタ
係数W21,W22,W23,W24と乗算され、デジタル信号
21(=W211),y22(=W222),y23(=W23
3),y24(=W244)が生成され、加算器132
介してデジタル信号u2(=y21+y22+y23+y24
が生成され、同様にして、信号u2は、D/Aコンバー
タ142によりアナログ変換され、スピーカ152を介し
て音U2として空間に伝搬される。
【0042】スピーカ151からマイクロホン161,1
2までの空間の伝達関数をそれぞれC11,C21,スピ
ーカ152からマイクロホン161,162までの空間の
伝達関数をそれぞれC12,C22とすると、マイクロホン
161,162により入力された信号E1,E2は、以下の
ようになる。
【0043】E1=C111+C122+H111+H21
2+H313+H4142=C211+C222+H121+H222+H323
424 但しHijは騒音センサ101〜104からマイクロホン
161,162まで直接伝播する伝播特性である。
【0044】このアナログ信号E1,E2は、それぞれA
/Dコンバータ161,162によりデジタル信号である
エラー信号e1,e2に変換される。
【0045】エラー信号e1,e2は、FIRフィルタ1
111,18121からの基準信号x1がC11(∧)及びC
21(∧)により補正された信号C11(∧)x1及びC21
(∧)x1とともにMEFX LMS処理部2011に入
力され、MEFX LMSアルゴリズムにより演算が行
われ、エラー信号e1,e2の値を最小にするように適応
フィルタ1911のフィルタ係数がW11が決定され、更新
される。
【0046】同様にして、フィルタ係数W12〜W14,W
21〜W24が更新され、これら更新されたフィルタ係数W
nm(n=1,2;m=1,2,3,4)により信号Y
nm(=Wnm・xm)(n=1,2;m=1,2,
3,4)が更新される。次に、加算器131,132によ
り信号u1,u2が生成され、D/Aコンバータ141
142及びスピーカ151,152を介して、信号e1,e
2を最小にする相殺音U1,U2が空間に伝搬され、空間
に存在している振動音と干渉し、消音制御が行われる。
この相殺音によっても除去されない振動は、再び集音マ
イク161,162に入力され、以下、上述した制御手順
に従って順次空間内の振動を最小にするように制御が行
われる。
【0047】上記適応フィルタ1911〜1942のフィル
タ係数W11〜W24の初期値は、初期値メモリM11〜M24
に格納されている。そして初期値メモリM11〜M24の値
は、例えばエンジンノイズを対象にしたとき、車両の乗
員が1人で暖機運転を行うときにエンジンの振動により
発生するいわゆるこもり音を十分除去できるように、予
めこのような場合をシミュレートした条件でエンジンを
作動させて適応フィルタの係数値を測定し、その平均値
を得ることにより決定される。しかして、能動振動制御
は、例えばエンジン始動後3秒経過した時、即ち、エン
ジンの回転数が暖機運転の回転数となった時に開始す
る。このようにして、エンジンが始動され、3秒経過す
ると、本装置の作動が開始され、初期値メモリM11〜M
24から読み込まれた前記初期値によって生成された相殺
信号が出力され、D/Aコンバータ141,142を介し
てアナログ信号に変換され、スピーカ151,152から
相殺音が発せられる。適応フィルタの係数の初期値を上
述のように設定したので、装置の最初の使用時から略十
分な消音効果が得られる。尚、振動制御の開始時点を、
エンジン始動後3秒経過後にすることに代えて、スター
タスイッチをオフした時点としてもよい。
【0048】以上のようにして、適応フィルタ1911
1942の係数の初期値として、同一車種の暖機運転時の
平均的な振動を最小にする値を採用することにより、所
要の消音効果を装置の使用開始時から直ちに得ることが
でき、また、MEFX LMS処理部2011〜20
42は、この初期値では除去できない振動のみを相殺する
制御を行えばよいため、略完全な消音効果が得られるま
での収束時間が大幅に短縮される。
【0049】尚、本適応例では、前記初期値として1人
乗車の暖機運転時の振動を最小にする値としたが、これ
に限るものではなく、例えば、エンジンの異なる所定回
転数毎に、その振動を最小にする複数の初期値を予め測
定により得てメモリに格納し、制御開始時の回転数に応
じた初期値をメモリから読み出して適応フィルタのフィ
ルタ係数の初期値として用いるようにしてもよい。
【0050】この場合、前述したように、振動制御の開
始はエンジンが各所定の回転数になったときに行う。
【0051】尚、図2の固定フィルタを適応フィルタと
併用する場合にも、上述と同様の初期値の設定および制
御開始時点の設定が可能であることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、振動源
からの振動と関連性の高い信号を参照信号として入力
し、かつ振動源からの振動伝達特性に対して逆位相の伝
達特性を有する相殺信号を適応フィルタを用いて生成す
る制御手段と、該制御手段により生成された相殺信号に
基づいて相殺振動を発生する相殺振動発生手段と、該相
殺振動発生手段により発生する相殺振動と前記振動源か
らの振動との相殺誤差を検出する誤差信号検出手段とを
備え、該誤差信号検出手段により検出される誤差信号が
最小値となるように前記相殺信号の伝達特性を制御する
能動振動制御装置において、前記適応フィルタの値とし
て、相殺すべき振動に応じた所定の振動伝達特性を有す
る相殺信号を生成する値を予め求め、該求めた値を初期
値として前記適応フィルタに設定して成り、また、相殺
すべき振動に応じた所定の振動伝達特性を有する相殺信
号を生成するフィルタ値を予め求め、該求めたフィルタ
値を設定した固定フィルタを前記適応フィルタと共に用
いるので、制御を開始した時点から所定の振動特性を有
する振動を除去し、また、前記振動を十分に相殺する相
殺信号を発生するまでの収束時間を短縮することが可能
となる効果がある。
【0053】また、前記初期値として車両の暖機運転時
の振動を相殺する相殺信号を生成する値をとることによ
り、暖機運転時に特有な振動を制御開始時から除去する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る能動振動制御装置の第1実施例の
概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る能動振動制御装置の第2実施例の
概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る能動振動制御装置をロードノイズ
キャンセラに適用した適用例の概略構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 騒音センサ(振動検出手段) 2 適応フィルタ(制御手段) 3 スピーカ(相殺振動発生手段) 4 マイクロホン(誤差信号検出手段) 8 固定フィルタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 能動振動制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両や航空機等の交通
機関の振動及びこれらの振動に起因して生ずる騒音を能
動的に制御して低減させる能動振動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明における「振動」の語は、「騒
音」をも含めた意味で使用する。
【0003】振動制御装置のうち、振動源(騒音源)か
ら発生する振動を減衰させて振動、騒音の低減化を図る
能動振動制御装置と呼称されるものがある。
【0004】従来、この種の能動振動制御装置として
は、振動源からの振動を検出する振動検出手段と、該振
動検出手段により検出される振動が参照信号として入力
され、かつ該参照信号に適応フィルタを用いて参照信号
にフィルタリングを施すことにより相殺信号を生成する
制御手段と、該制御手段により生成された相殺信号に基
いて相殺振動を発生する相殺振動発生手段と、該相殺振
動発生手段により発生する相殺振動と前記振動源からの
振動との相殺誤差を検出する誤差信号検出手段とを備
え、該誤差信号検出手段により検出される誤差信号のパ
ワーが最小となるように前記相殺信号を制御する能動振
動制御装置が知られている。
【0005】上記特表平1−501344号公報に開示
された能動振動制御装置においては、制御手段にはFI
R適応デジタルフィルタ(ADF:以下「適応フィル
タ」という)が内蔵され、基本周波数とその高調波の特
定周波数のみを対象として処理を行っている。
【0006】また、上記制御手段において、適応アルゴ
リズム(適応フィルタのフィルタ係数更新規則)として
は、一般にLMS(Least Mean Square)アルゴリズム
が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の能動振動制御装置においては、適応フィルタのフィ
ルタ係数の初期値は0であるため、例えば車両に搭載さ
れた能動振動制御装置を車両の出荷後初めて使用したと
きは振動低減効果が得られにくく、その後の装置の使用
に伴い、適応フィルタのフィルタ係数値が相殺すべき振
動に応じた値に収束してゆき、やがて所要の振動低減効
果が得られるようになる。このように、従来の能動振動
制御装置は、振動を十分に相殺する相殺信号を発生する
までに要する時間が長いという問題点があった。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、使用開始時から直ちに所望の騒音低
減効果が得られる能動振動制御装置を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、振動源からの振動と相関性の高い信号を参照
信号として入力し、かつ適応フィルタを用いて参照信号
にフィルタリングを施すことにより相殺信号を生成する
制御手段と、該制御手段により生成された相殺信号に基
づいて相殺信号を発生する相殺振動発生手段と、該相殺
振動発生手段により発生する相殺振動と前記振動源から
の振動との相殺誤差を検出する誤差信号検出手段とを備
え、該誤差信号検出手段により検出される誤差信号のパ
ワーが最小となるように前記相殺信号を制御することに
よって、前記振動源からの振動を制御する能動振動制御
装置において、相殺すべき振動に応じた所定の相殺信号
を生成するフィルタ特性(フィルタ係数値)をあらかじ
め求め、該求めたフィルタ特性を前記適応フィルタに初
期特性として設定しておくことを特徴とする。
【0010】更に、本発明は、振動源からの振動と相関
性の高い信号を参照信号として入力し、かつ適応フィル
タを用いて参照信号にフィルタリングを施すことにより
相殺信号を生成する制御手段と、該制御手段により生成
された相殺信号に基いて相殺振動を発生する相殺振動発
生手段と、該相殺振動発生手段により発生する相殺振動
と前記振動源からの振動との相殺誤差を検出する誤差信
号検出手段とを備え、該誤差信号検出手段により検出さ
れる誤差信号のパワーが最小となるように前記相殺信号
を制御することによって、前記振動源からの振動を制御
する能動振動制御装置において、相殺すべき振動に応じ
た所定の相殺信号を生成するフィルタ特性をあらかじめ
求め、該求めたフィルタ特性を設定した特性時不変のフ
ィルタ(固定フィルタ)を前記適応フィルタとともに用
いることを特徴とする。
【0011】
【作用】上記構成によれば、請求項1記載の発明は、制
御手段は、あらかじめ求めた初期特性が設定された適応
フィルタにより、装置の使用開始時から直ちに所定の相
殺信号を生成し、この相殺信号に応じて相殺振動発生手
段は相殺振動を発生する。該相殺振動と振動源からの振
動との相殺誤差は、誤差検出手段により検出され、該検
出された相殺誤差のパワーが最小となるように前記相殺
信号を生成する適応フィルタの伝達特性が制御される。
【0012】請求項2記載の発明は、制御手段は、装置
の使用開始時、あらかじめ求めた初期特性が設定された
固定フィルタにより、所定の相殺信号を生成し、誤差検
出手段により検出された相殺誤差のパワーが最小値とな
るように前記相殺信号を生成する適応フィルタの伝達特
性が制御される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0014】図1は、本発明に係る能動振動制御装置の
第1実施例の概略構成を示すブロック図である。
【0015】本実施例の能動制御装置は、図1に示すよ
うに騒音源(振動源)からの騒音を検出する参照信号セン
サ1と、該参照信号センサ1により検出される騒音が参照
信号として入力されかつ該参照信号にフィルタリングを
施すことにより相殺信号を生成する適応フィルタ2と、
適応フィルタ2により生成された相殺信号に基いて相殺
音を発するスピーカ3と、スピーカ3により発せられた
相殺音と前記騒音源からの騒音との誤差を検出するマイ
クロホン4とを主要部として構成されている。但し、ス
ピーカを駆動するためのパワーアンプ、マイクアンプ、
騒音センサ用アンプは本図から省いている。
【0016】参照信号センサ1により検出された騒音は
A/Dコンバータ5によってサンプリングされ、デジタ
ルデータの基準信号Xとして適応フィルタ2に入力され
る。該適応フィルタ2からは上述のごとく生成された相
殺信号が出力されてD/Aコンバータ6でアナログ信号
に変換され、スピーカ3から相殺音が発せられる。
【0017】一方、マイクロフォン4は、騒音源(振動
源)からの騒音とスピーカ3からの相殺音との和(相殺
誤差)を検出し、該相殺誤差はA/Dコンバータ7によ
りサンプリングされ、デジタルデータの誤差信号εとし
て取り出され、適応フィルタ2にフィードバックされ
る。適応フィルタ2は、振幅が騒音と同じで位相が反転
している相殺音が生成されるようにフィルタ係数を調整
することによって騒音を低減する。なおフィルタ10
は、スピーカ3からマイクロフォン4までの伝達特性を
有している固定フィルタである。フィルタ10は、本発
明で述べている固定フィルタとは目的が異なる。
【0018】また、上記適応フィルタ2の構成要素であ
る8において、最適な相殺信号を生成するための適応ア
ルゴリズム(計算法)としてLMSアルゴリズム(LM
S:Least Mean Square)が使用されている。
【0019】以上説明した図1の構成は、従来例で説明
したものと実質的に同一であるが、従来例では適応フィ
ルタ2の構成要素であるデジタルフィルタ9のフィルタ
係数Wの初期値が0であるのに対して、本実施例では、
該初期値が所定の相殺信号を生成する値にあらかじめ設
定されている点が異なっている。
【0020】上記初期値は、例えば、能動振動制御装置
が使用される交通機関を開発する際に予め測定等により
設定される。即ち、先ず適応フィルタのフィルタ係数値
が0の状態で、能動振動制御装置を搭載した交通機関、
例えば荒れた路面を走行する際に発生するロードノイズ
を対象にした場合、車両を実際の路上で実走させるか、
またはロードノイズ路面を備えたシャシダイナモメータ
上で走行させることにより、適応フィルタのフィルタ係
数値が0から変化し収束して略一定になったときの値を
測定する。しかして、車両の量産時に、該測定したフィ
ルタ係数値を量産車に搭載される能動振動制御装置の適
応フィルタに入力しておく。上記設定したフィルタ係数
の初期値は予め実験的な測定により得られる複数の測定
値の平均値に設定される。しかし、製造上のバラツキ等
により振動の伝達特性等が車両毎に異なるため、上記平
均値に設定された初期値では振動を最小にすることはで
きないが、従来のように初期値が0の状態から装置の使
用を開始する場合に比較して、フィルタ係数値の収束時
間ははるかに短かく、装置の使用開始時から直ちに略所
要の消音効果を得ることができる。
【0021】上述のように、上記初期値で振動は完全に
相殺することができないがその後の装置の振動制御によ
り適応フィルタの係数値が更新されて短時間内で所要の
値に収束し、十分な消音効果が達成されるようになる。
【0022】図2,3は、本発明に係る能動振動制御装
置の第2実施例の概略構成を示すブロック図である。本
実施例は、上記第1実施例の構成に対して、固定フィル
タ11を付加した点が異なるので、図1に共通な要素に
は同一符号を付し、構成及び作用の詳細な説明は省略す
る。
【0023】図2において、固定フィルタ11はA/D
コンバータ5と適応フィルタ2の間に介装されている。
この固定フィルタ11のフィルタ係数値は上述した第1
実施例と同様に、あらかじめ測定した値に設定されてい
る。図3において、固定フィルタ11はA/Dコンバー
タ5とフィルタ10の間および適応フィルタ2とD/A
コンバータ6との間に介装されている。この固定フィル
タ11のフィルタ係数値は上述した第1実施例と同様
に、あらかじめ測定した値に設定している。
【0024】図2に示す構成では、参照信号センサ1に
より検出された騒音は、A/Dコンバータ5によりデジ
タルデータとしての参照信号Xに変換された後、固定フ
ィルタ11に入力される。固定フィルタ11は、所定の
振動を制御する相殺信号、例えば、所定周波数域の振動
を最小にする相殺信号を出力可能にするフィルタで、参
照信号Xは固定フィルタ11によりフィルタリングされ
参照信号X′となり、該参照信号X′は、適応信号処理
部2に供給される。また、デジタルフィルタWの初期特
性は、その伝達関数が振幅1、位相0の特性をもつよう
に設定しておく。この固定フィルタ11を用い、かつデ
ジタルフィルタWの初期値を上記のように設定しておく
ことにより、装置の使用開始時には、前述した第1実施
例と同様に、使用開始時から直ちに所定の消音効果を奏
する。図3に示す構成は、図2に示す構成を等価に変換
した構成である。したがって図2の実施例と同様の効果
を奏する。
【0025】第1実施例では、装置の使用開始時のみ所
定の相殺信号を出力するようにデジタルフィルタ9のフ
ィルタ係数が決められ、制御が進むに従って前記誤差信
号を最小にするように順次フィルタ係数が更新される
が、本実施例では、まず装置の使用開始時には騒音源
(振動源)からの振動を基に、固定フィルタ11により
所定の振動が相殺され、これにより相殺できない振動成
分のみがデジタルフィルタ9により相殺制御される。デ
ジタルフィルタ9のフィルタ係数は、適応アルゴリズム
8により更新される。このように、本実施例では装置の
使用開始時からデジタルフィルタ9には、固定フィルタ
11により所定の振動を相殺する信号X′が供給される
ため、デジタルフィルタ9の負担が大幅に減少され、誤
差信号εを最小にするまでの収束時間が大幅に短かくな
る。
【0026】また、固定フィルタ11のフィルタ係数の
値は、実験に供される制御系の振動伝達特性によって決
定されるが、該振動伝達特性を求める方法としては、例
えば最尤法等のオフライン同定法若しくは前記LMS法
等のオンライン同定法により、入力される参照信号と出
力される振動信号とから振動伝達特性を推定する方法、
または有限要素法等を用いて直接運動方程式から求める
方法を用いることができる。
【0027】更に、固定フィルタ11のフィルタ係数値
は単一の所定周波数域の振動を最小にする相殺信号を出
力可能にする値に設定してもよく、または複数の異なる
所定周波数域毎に、その振動を最小にする相殺信号を出
力可能とするように決められた複数のフィルタ係数値を
メモリに格納し、制御時に相殺すべき振動の周波数に応
じたフィルタ係数値を前記メモリから読み出し、固定フ
ィルタ11のフィルタ係数値としてもよい。
【0028】〔適用例〕図4は、本発明に係る能動振動
制御装置を車両のロードノイズ制御装置(道路表面の凹
凸に起因する車両走行時のロードノイズを低減するため
の装置)に適用した場合の一例の概略構成を示すブロッ
ク図であり、本適用例においては、騒音源(振動源)と
しての各1個の車輪に対して、2個の加速度ピックアッ
プ等から成る騒音センサが車体に装着されている。
【0029】実際には、4個の車輪を有する車体の懸架
装置には8個の参照信号センサが装着されているが、図
4には説明の都合上、車両の右側車輪を騒音源とする4
個の参照信号センサ101〜104のみが図示されてい
る。
【0030】本適用例は、固定フィルタ211〜218
デジタルフィルタ1911〜1942と併用した場合であ
り、参照信号センサ101〜104により得られた信号を
デジタル信号x1〜x4に変換するA/Dコンバータ11
1〜114と、デジタル信号x1〜x4を参照信号とし、後
述するエラー信号e1,e2のパワー和を最小にする相殺
信号を発生する適応信号処理部121〜124と、適応信
号処理部121〜124の出力信号y11〜y14およびy21
〜y24をそれぞれ加算する加算器131,132と、加算
器131,132のデジタル出力信号u1,u2をアナログ
信号に変換するD/Aコンバータ141,142と、D/
Aコンバータ141,142から出力される相殺信号を相
殺音に変換するスピーカ151,152と、車室内騒音と
該相殺音との相殺誤差を検出するマイクロホン161
162と、マイクロホン161,162により検出された
アナログデータとしての誤差信号をデジタル信号e1
2に変換するA/Dコンバータ171〜174とにより
構成されている。
【0031】本適用例は、適応アルゴリズムとしては、
MEFX−LMSアルゴリズムを用いている。適応信号
処理部121は、対応するスピーカ151,152からマ
イクロホン161,162までの伝達特性を有する4つの
デジタルフィルタ18111〜18122(そのフィルタ係数
をそれぞれC11(∧)〜C22(∧)とする)と、フィル
タ係数W11,W21に基づき参照信号x1から相殺信号を
演算するデジタルフィルタ1911,1912と、デジタル
フィルタ18111〜18122によりフィルタリングされた
参照信号x1と誤差信号e1,e2に基づき信号x1、すな
わち騒音源からマイクロフォン161,162までの伝達
特性に対して振幅が等しく位相が逆の伝達特性(逆伝達
特性)になるように、デジタルフィルタ1911,1912
のフィルタ係数W11,W21を更新するMEFX LMS
処理部2011,2012とから成っている。
【0032】MEFX LMS処理部2011,20
12は、適応アルゴリズムとしてMEFX(Multiple Err
or Filtered-X)LMSアルゴリズムを有し、該アルゴ
リズムによりFIRフィルタ18111〜18122によりフ
ィルタリングされた参照信号x1とエラー信号e1,e2
とから最適な相殺信号を生成するべく、上記逆伝達特性
を演算し、該演算結果に基いて適応フィルタ1911,1
12のフィルタ係数W11,W21を更新する制御を実行す
る。
【0033】更に、固定フィルタ211〜218は、予め
実験的に測定された値に設定されている。
【0034】同様にして、適応制御回路12n(n=
2,3,4)は、デジタルフィルタ18n11〜18n22
と、デジタルフィルタ19n1,19n2と、MEFX
LMS処理部20n1,20n2(n=2,3,4)とか
ら成っている。
【0035】次に、固定フィルタ211〜218を併用す
る代わりにデジタルフィルタ1911〜1942の初期値を
あらかじめ実験的に測定された値に設定した場合も前記
の実施例と同様の効果を奏する。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、振動源
からの振動と相関性の高い信号を参照信号として入力
し、かつ適応フィルタを用いて参照信号にフィルタリン
グを施すことにより相殺信号を生成する制御手段と、該
制御手段により生成された相殺信号に基づいて相殺信号
を発生する相殺振動発生手段と、該相殺振動発生手段に
より発生する相殺振動と前記振動源からの振動との相殺
誤差を検出する誤差信号検出手段とを備え、該誤差信号
検出手段により検出される誤差信号のパワーが最小とな
るように前記相殺信号を制御することによって、前記振
動源からの振動を制御する能動振動制御装置において、
相殺すべき振動に応じた所定の相殺信号を生成するフィ
ルタ特性(フィルタ係数値)をあらかじめ求め、該求め
たフィルタ特性を前記適応フィルタに初期特性として設
定してあり、また、相殺すべき振動に応じた所定の相殺
信号を生成するフィルタ特性をあらかじめ求め、該求め
たフィルタ特性を設定した特性時不変のフィルタ(固定
フィルタ)を前記適応フィルタとともに用いるので、制
御を開始した時点から所定の振動特性を有する振動を除
去し、また、前記振動を十分に相殺する相殺信号を発生
するまでの収束時間を短縮することが可能となる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る能動振動制御装置の第1実施例の
概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る能動振動制御装置の第2実施例の
概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る能動振動制御装置の第2実施例の
概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る能動振動制御装置をロードノイズ
キャンセラに適用した適用例の概略構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】 1 参照信号センサ(振動検出手段) 2 適応フィルタ(制御手段) 3 スピーカ(相殺振動発生手段) 4 マイクロホン(誤差信号検出手段) 11 固定フィルタ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 光勇 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 斉藤 望 東京都品川区西五反田1丁目1番8号 ア ルパイン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動源からの振動と関連性の高い信号を
    参照信号として入力し、かつ振動源からの振動伝達特性
    に対して逆位相の伝達特性を有する相殺信号を適応フィ
    ルタを用いて生成する制御手段と、該制御手段により生
    成された相殺信号に基づいて相殺振動を発生する相殺振
    動発生手段と、該相殺振動発生手段により発生する相殺
    振動と前記振動源からの振動との相殺誤差を検出する誤
    差信号検出手段とを備え、該誤差信号検出手段により検
    出される誤差信号が最小値となるように前記相殺信号の
    伝達特性を制御する能動振動制御装置において、 前記適応フィルタの値として、相殺すべき振動に応じた
    所定の振動伝達特性を有する相殺信号を生成する値を予
    め求め、該求めた値を初期値として前記適応フィルタに
    設定して成ることを特徴とする能動振動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記初期値は、車両の暖機運転時に発生
    する振動を相殺するのに適した値であることを特徴とす
    る請求項1記載の能動振動制御装置。
  3. 【請求項3】 振動源からの振動と関連性の高い信号を
    参照信号として入力し、かつ振動源からの振動伝達特性
    に対して逆位相の伝達特性を有する相殺信号を適応フィ
    ルタを用いて生成する制御手段と、該制御手段により生
    成された相殺信号に基づいて相殺振動を発生する相殺振
    動発生手段と、該相殺振動発生手段により発生する相殺
    振動と前記振動源からの振動との相殺誤差を検出する誤
    差信号検出手段とを備え、該誤差信号検出手段により検
    出される誤差信号が最小値となるように前記相殺信号の
    伝達特性を制御する能動振動制御装置において、 相殺すべき振動に応じた所定の振動伝達特性を有する相
    殺信号を生成するフィルタ値を予め求め、該求めたフィ
    ルタ値を設定した固定フィルタを前記適応フィルタと共
    に用いることを特徴とする能動振動制御装置。
JP4227976A 1992-08-04 1992-08-04 能動振動制御装置 Pending JPH0659684A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002229572A (ja) * 2001-01-30 2002-08-16 Yoichi Suzuki 音場制御システム
KR101107148B1 (ko) * 2009-12-11 2012-02-06 현대로템 주식회사 철도차량용 능동 소음 제거장치 및 방법
KR101579534B1 (ko) * 2014-10-16 2015-12-22 현대자동차주식회사 차량 및 그 제어방법과 이를 위한 마이크로폰
JP2019531501A (ja) * 2016-08-12 2019-10-31 ボーズ・コーポレーションBosecorporation 固定フィードフォワードノイズ減衰システムのための適応変換器の較正

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