JPH0660380B2 - 耐食性の優れたエンジン排ガス系材料用アルミめっき鋼板 - Google Patents

耐食性の優れたエンジン排ガス系材料用アルミめっき鋼板

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JPH0660380B2
JPH0660380B2 JP2077517A JP7751790A JPH0660380B2 JP H0660380 B2 JPH0660380 B2 JP H0660380B2 JP 2077517 A JP2077517 A JP 2077517A JP 7751790 A JP7751790 A JP 7751790A JP H0660380 B2 JPH0660380 B2 JP H0660380B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車などの排ガス用マフラーや排気管内で
生成する湿潤ガス、排ガス凝縮液中の耐食性、および塩
害環境で優れた性能を有するアルミめっき鋼板に関する
ものである。
(従来の技術) 従来、自動車の場合、エンジンで発生した排ガスは、エ
キゾーストマニホールド、コンバーターなどを通過後、
センターパイプ、マフラー、テールパイプを経て排気系
から排出される。エンジン始動時は、マフラーなどの排
気系材料の温度が低いために排ガス中の水分が凝縮した
凝縮液が内壁面に付着し、また底部に滞留する。
この様に生成した凝縮液にはCO3 2-、NH4 +、SO4 2-、
NO3 −、その他、Cl−や微量の有機物が含まれ、排気系
材料の内面耐食性に影響する。さらに排気系材料の温度
が上昇するに従って、水分が蒸発しやすくなる。この
際、凝縮液に含まれる主成分は濃化すると共にアンモニ
アなどの揮発しやすい成分が飛ぶために、凝縮液の液性
はアルカリ性から酸性へ変化していく。
また走行モードによっては長時間、凝縮液の溜った耐食
性に影響の大きな環境も発生する。
一方、融雪塩などを散布する塩害環境では、Cl−などを
含む塩泥が排気系外面に付着し、意匠性、耐食性に影響
する。
このような環境に適合した排気系材料として、従来から
比較的に耐食性にの良好な普通鋼のアルミめっき鋼板や
Cr含有鋼板などが用いられてきた。
(発明が解決しようとする課題) しかし、近年の排ガス規制強化、高性能化に伴い、排気
系環境条件も多様になってきた。また外面の意匠性重視
(赤錆発生防止)や耐久性の向上などの社会的必要性も
高まっている。
このような背景に対し、従来の普通鋼の溶融アルミめっ
き鋼板では、端部や厳しい加工を受けた部位で素地が露
出したり、めっき層の損傷が起こり、また鋼の耐食性が
十分でないために、排気系内外面環境において赤錆が発
生しやすく、長時間の使用に耐えられない問題点があ
る。鋼については、従来の5 %から10%Cr含有鋼板(例
えば特開昭63−143240号公報、特開昭63−143241号公
報)が提案されているが、変化しつつある内面環境や、
塩害地などの外面環境での要求される耐久性に対しては
必ずしも十分でない状況となっている。またCr含有量の
高い場合、局部腐食的になることが明かとなっており、
長時間使用時の局部耐食性に問題がある。
以上のように、これまでの排気系材料は、材料の孔明き
まで含めた寿命において十分な耐久性を得ることはでき
ず、比較的短期間で使用寿命に至るのが現状であり、自
動車の安全性、意匠性、長寿命化の観点から、より優れ
た耐食性材料が望まれている。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記のような問題を解決した耐食性に優れた
エンジン排ガス用アルミめっき鋼板を提供するものであ
って、その要旨は、Cr:10〜18.5%、Mo:1.0 〜3.0 %
の複合添加を基本に、Nb:0.05〜1.0 %、Ti:0.05〜1.
0 %の1種または2種含有し、残部が実質的にFeと不可
避的不純物からなる鋼に溶融アルミめっきを施した耐食
性に優れたエンジン排ガス系材料用アルミめっき鋼板で
ある。
これにさらなる耐食性を付与するため、鋼成分としてN
i:0.1 〜1.0 %、Cu:0.03〜1.0 %、W:0.05〜0.5
%、V:0.05〜0.5 %、Zr:0.05〜1.0 %をそれぞれ1
種または2種以上を含有したエンジン排ガス系材料用溶
融アルミめっき鋼板である。
さらに本発明は鋼の局部腐食の発生点となり得るMnS 系
介在物の生成を抑制し、耐食性を改善するためにCa、Ce
をそれぞれ0.001 %以上0.03%以下で1種または2種含
有せしめたエンジン排ガス系材料用溶融アルミめっき鋼
板である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、転炉、電気炉などで溶製された鋼片を熱間圧延、
酸洗、冷間圧延あるいは鋳造、酸洗、冷間圧延などの工
程を経てめっき原板を製造する。さらにアルミまたはア
ルミ合金めっき浴にて溶融めっきを行う。このようにし
て製造された上記の鋼成分のアルミめっき鋼板を使用す
る。
この中で鋼成分については、 Cは、ステンレス鋼の耐食性に有害であるが、強度の観
点からは、ある程度の含有量は必要である。0.05%を越
えると耐食性は大幅に劣化するために0.05%以下とし
た。
Siは、鋼中に0.6 %を越えて含有すると、めっき原板表
面に生成したSi系酸化物あるいはFe−Si系酸化物によっ
てアルミめっき浴との反応性を大幅に阻害し、微小不め
っきが多く発生する。この結果、アルミめっきされてい
ない部分が発生し、耐食性、耐熱性などの性能が低下す
る。従って、鋼中Si量は少ないほどよく、本発明におい
ては、Siは0.6 %以下に、好ましくは0.1 %以下に抑え
る必要がある。
Crは、本発明の基本成分である。排気系内外面環境など
の高い耐食性を要求される環境では、Moさらに必要に応
じてNi、Cuなどと共存の形で10%以上の添加が必要であ
る。多いほど鋼の耐食性は向上するが、18.5%を越えて
もその耐食性は飽和する。また溶融めっき時にめっき層
や合金層に鋼からCrが拡散する。この際、鋼中Cr量が10
%以上ではめっき層や合金層の耐食性が大きく向上する
効果が得られ、鋼板全体の寿命に寄与する。
Mnは、排気系内外面環境での耐食性に特別に影響を及ぼ
さないが通常の成分含有量範囲として0.05%以上1.5 %
以下と規定した。
Moは、Crさらに必要に応じて、Ni、Cuなどと共存の形で
添加し、排気系内外面環境での鋼の局部腐食発生、進展
を抑制するために、またアルミめっき浴との親和性を高
め、めっき欠陥部の発生を抑制し、めっきの耐食性など
の諸性能を有効に発揮させると共に、溶融めっき時に生
成する合金層の耐食性を向上させるのに効果がある。さ
らには溶融めっき時にめっき層に微量含まれるが、この
Moが腐食生成物の中に凝縮され、めっき層の耐食性を向
上させる効果があり、必須の元素である。1.0 %以上3.
0 %以下の添加でCrおよびその他の特許請求範囲記載の
各成分(以下その他元素という)との共存で極めて効果
的となる。
しかし、1.0 %未満では、溶融めっき時にめっき欠陥部
の発生を十分に抑制できず、その部分を中心とする腐食
が起こりやすく耐食性に大きな影響を及ぼす。また溶融
めっき時に鋼からの拡散によって含有される合金層中の
Mo量が少なくなり合金層の耐食性が十分でない。さらに
めっき層の腐食の際、生成する腐食生成物の耐食性が十
分でなく、鋼板全体の寿命に大きな影響がある。また0.
3 %を越えても耐食性の改善にはそれほど寄与しない
し、高価となる。
鋼中に可溶なAl量が0.005 %未満では鋼板に表面欠陥を
生じやすい。また、0.1 %を越えると耐食性、加工性を
劣化させる。またアルミめっき性を低下させ、不めっき
原因となる。従ってAl量としては0.005 〜0.10%鋼中に
残存させる必要がある。
上記の成分組成以外として、P、Sの含有は、加工性、
耐食性を低下させるのでできるだけ少ないことが好まし
く、Pは0.03%以下、Sは0.02%であれば本発明上、何
ら支障はない。
さらに本発明のアルミめっき鋼板の耐食性などの諸性能
を改善するためにNb、Ti、Niなどを選択的に含有させ
る。
NbはCまたはNを固定し、ステンレス鋼の耐食性の劣化
を防ぐために添加する。耐食性を向上させるために0.05
%から1.0 %の範囲で添加する。1.0 %を越えると加工
性を劣化させる。0.05%未満では効果がない。
Tiは、CまたはNを固定し、ステンレス鋼の耐食性の劣
化を防ぐために添加する。Caと共存してOを固定し、S
i、Mnの酸化物の生成を抑制し、加工性と耐食性を向上
させる効果がある。0.05%以上1.0 %以下添加する。1.
0 %を越えるとその効果が飽和し、経済的でなくなると
共に、加工性を劣化させる。
なお、上記のTi、Nbは、その1種または2種を添加す
る。
Niは、本発明ステンレス鋼の選択成分である。凝縮液を
含む環境など高い耐食性を要求される排気系内外面環境
でCr、Moその他元素と共存して用いる。局部腐食進展抑
制に効果的であるが、0.1 %未満では効果がなく、1.0
%を越えるとその効果は飽和し、また経済的にも高価と
なる。
CuはCr、Moをベースとした成分系、さらにNi、その他元
素と共存の形で添加され、排気系内外環境での耐食性を
得るための添加元素である。0.03%以上で共存効果が著
しく、また1.0 %を越えると耐食性は飽和し、加工性が
劣化する。
Wの共存効果は、ステンレス鋼の耐食性、局部腐食性を
向上させるためで、必要に応じて0.5 %以下で添加す
る。0.5 %を越えるとその効果は飽和する。0.05%未満
では効果はない。
Vの共存添加は、ステンレス鋼の耐食性、局部腐食性を
向上させるためで、必要に応じて0.5 %以下で添加す
る。0.5 %を越えるとその効果は飽和する。0.05%未満
では効果はない。
Zrの共存添加は、ステンレス鋼の耐食性、局部腐食性を
向上させるために、必要に応じて1.0 %以下添加する。
1.0 %を越えるとその効果は飽和する。0.05%未満では
効果はない。
Ca、Ceは低硫黄鋼中でAlと共存してOを固定し、凝縮液
中での局部腐食の発生起点となり得るMnS 系の介在物の
生成を抑制し、耐食性を改善する。Ca、Ceは、それぞれ
0.001 〜0.03%の範囲で1種または2種が必要に応じて
添加する。
浴成分については、アルミめっき鋼板の合金層厚みを制
御するため、浴中にSiを添加するが、Si量が少ないと硬
度の高い合金層が極めて厚くなり、加工時にクラックが
発生しやすく加工時のめっき密着性が低下し、耐食性な
どの諸性能も大きな影響を受ける。しかし、10%以上Cr
を含有する鋼板では、アルミめっき浴との濡れ性が低い
ため、浴温が高い低Si浴は反応性を高める上で有利で、
かつ合金層が厚く生成しにくいため、低Si浴も排気系に
使用できる。浴中Siは合金層の成長抑制に有利である
が、含有量が多くなるとめっき層中のSiが粗大化し、ま
た鍍金層中のSi量も増大してめっき層の硬度が高くな
り、めっき層の加工性は低下する。
従ってめっき層自体の加工性をそこなわず、耐食性など
の諸性能を低下させないためには、Si量は13%以下が望
ましい。
このように製造された本発明のアルミめっき鋼板は、排
気系内外環境において、素地露出部の耐孔明き性が大幅
に向上すると共にアルミめっき層、合金層、鋼の腐食電
位がこの順序で貴となり、アルミめっき層、合金層、に
よるカソードタイプの暴食作用が得られる。さらに鋼中
のCr、Moなどの成分がアルミめっき浴と鋼の反応の際、
めっき層や合金層に含有され、これらの耐食性が向上す
る。従って以上の相乗効果によって鋼の発錆や局部腐食
を抑制でき、耐食性が大幅に向上する。
(実施例) 本発明のエンジン排ガス用マフラーの特性を実施例によ
り説明する。
第1表に、本発明アルミめっき鋼板および比較鋼板の鋼
の化学組成を示す。
本発明のアルミめっき鋼板は真空溶解炉を使用し、第1
表に示した成分組成の鋼を溶製した。インゴットに鋳造
後、通常の加熱条件で熱延し、さらに酸洗、冷間圧延を
行い、板厚0.8 mmの鋼板とした。この板を無酸化炉を使
用する連続ラインにて溶融アルミめっきを行い、めっき
付着量を80g/m2に調整した。
第2表または第3表に排気系外面腐食環境および内面腐
食環境をを想定したラボ試験結果を示す。外面腐食試験
においては、本発明のアルミめっき鋼板は平面部、端部
からの赤錆発生もなく合金層を含んだめっきの耐食性向
上及びめっき層による防食効果が得られた。しかし、め っきのない鋼では赤錆が発生するが、本発明の成分鋼の
腐食は軽微である。内面腐食試験においては、普通鋼ア
ルミめっき鋼板に比較して本発明のアルミめっき鋼板は
合金層を含だめっきの耐食性向上およびめっき層による
防食効果によって非常に良好な耐食性が得られた。めっ
きのない鋼の腐食の程度は、本発明の成分鋼では非常に
軽く耐食性は良好であるが、アルミめっきを行うことに
よってさらに軽微となっている。
なお、上述した第1表の試験方法は次の通りである。
〔1〕排気系外面腐食試験法 (方法)1サイクル−1日;加熱(450 ℃×29分、大気
雰囲気)→塩水浸漬(27℃×1 分、5 %NaCl溶液)→乾
燥(70℃×60分)を4回繰り返した後、塩水噴霧(35℃
×18h)を行う。
上記の腐食試験を70サイクル繰り返した後、腐食減少
量、外観を調べた。
〔2〕排気系内面腐食試験法 (方法)1サイクル−1週間;→→→→→
の順を1サイクルとする。
加熱(300 ℃×30分)→2/3 浸漬(80℃×150 分、pH
8 溶液)を2回繰り返す。
乾燥(100 ℃×24時間) 2/3 浸漬(80℃×24時間、pH3 ) 乾燥(100 ℃×24時間) 2/3 浸漬(80℃×24時間、pH8 ) 大気中に放置(27℃×66時間) 上記の腐食試験を20サイクル繰り返した後、最大板厚減
少量(mm)を測定した。
(溶液)基本成分 SO4 2-:1000ppm 、NO3 −:150 ppm 、Cl−:300 ppm
、CO3 2-:4000ppm 、NH4 +:3000ppm 、HCOOH :100
0ppm 、CH3COOH:1000ppm この基本成分にアンモニア水または硫酸のいずれか一方
を添加してpHを8または3に調整する。
〔3〕アルミめっき付着量 80g/m2とした。
(発明の効果) 以上のように本発明鋼板は、十分な耐食性を有し、また
長期間の使用に耐え、しかも意匠性にも優れている。従
って、自動車エンジン排気系材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 稔 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭60−13059(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.05%以下、 Si:0.6 %以下、 Mn:0.05〜1.5 %、 Cr:10〜18.5%、 Mo:1.0 〜3.0 %、 Al:0.005 〜0.1 %、 さらに Ti:0.05〜1.0 %、 Nb:0.05〜1.0 %をそれぞれ1種または2種を含有し、
    残部がFeと不可避的不純物からなる鋼に溶融アルミめっ
    きすることを特徴とする耐食性の優れたエンジン排ガス
    系材料用アルミめっき鋼板。
  2. 【請求項2】重量%で、 C:0.05%以下、 Si:0.6 %以下、 Mn:0.05〜1.5 %、 Cr:10〜18.5%、 Mo:1.0 〜3.0 %、 Al:0.005 〜0.1 %、 さらに Ti:0.05〜1.0 %、 Nb:0.05〜1.0 %をそれぞれ1種または2種含有し、ま
    たさらに、 Ni:0.1 〜1.0 %、 Cu:0.03〜1.0 %、 W:0.05〜0.5 %、 V:0.05〜0.5 %、 Zr:0.05〜1.0 %をそれぞれ1種または2種以上含有
    し、残部がFeと不可避的不純物からなる鋼に溶融アルミ
    めっきすることを特徴とする耐食性の優れたエンジン排
    ガス系材料用アルミめっき鋼板。
  3. 【請求項3】さらに、鋼成分としてCa、またはCeをそれ
    ぞれ0.001 〜0.03%で1種または2種含有することを特
    徴とする請求項(1)または(2)記載の耐食性の優れ
    たエンジン排ガス系材料用アルミめっき鋼板。
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