JPH0660408B2 - 薄膜作製方法および装置 - Google Patents

薄膜作製方法および装置

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JPH0660408B2 JP63318147A JP31814788A JPH0660408B2 JP H0660408 B2 JPH0660408 B2 JP H0660408B2 JP 63318147 A JP63318147 A JP 63318147A JP 31814788 A JP31814788 A JP 31814788A JP H0660408 B2 JPH0660408 B2 JP H0660408B2
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司 小林
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、半導体電子デバイス、超電導デバイス、各種
電子部品、各種センサーの絶縁膜、誘電体膜、保護膜の
作製方法および装置に関する。
(従来の技術) 半導体電子デバイス、超電導デバイス、各種電子部品、
各種センサーの絶縁膜、誘電体膜、保護膜の作製は、基
体物質の熱酸化、基体表面への熱CVD、スパッタリン
グ、プラズマアシストCVD、スピンコート等の種々の
方法で成膜が試みられている。
近年、デバイスの集積化あるいは積層化が進むにつれ
て、段差部への被覆性の良い、または平坦性の良い成膜
方法が求められている。
さて、注目されている方法の一つに、テトラエトキシシ
ラン(別名テトラエチルオルソシリケートともいう、以
下”TEOS”と略す)またはジアセトキシジターシャ
リーブトキシシラン(以下”DADBS”と略す)等を
用いたCVD技術がある。(なお、これらTEOS、D
ADBS等は半導体であるシリコンの有機化合物である
が、本明細書ではかかる半導体の有機化合物も一括し
て”有機金属化合物”と表現することにする。
例えば、池田らの「電気化学」 Vol.56, No.7(1988)
P.527-P.532 や、その中の引用文献等にその方法に関
する記事がある。
池田らは、TEOSとオゾンを用いる大気圧CVDによ
り、段差部への被覆性を良くした平坦性の良い酸化シリ
コン膜(以下”NSG膜”と略す)、リン含有酸化シリ
コン膜(以下”PSG膜”と略す)、および、ホウ素含
有酸化シリコン膜(以下”BSG膜”と略す)を作製し
ている。この場合は酸化源としてオゾンを用い、それに
よって、400℃の低温でNSG膜を作製可能にし、ま
た膜中のOH基を減少して良質なNSG膜を得ている。
しかし欠点があり、成膜速度は約1400Å/minで
あって、1μmのNSG膜を作製するのに約7分を必要
とし枚葉式の装置の要求する成膜速度1μm/minに
は遥かに及ばない。
また、R.A.LevyらのJ.Electrochem.Soc. Vol.134,No.7
(1987) P.1744-P.1749 やその引用文献では、酸素とD
ADBSまたはTEOSを用いて、NSG膜、PSG
膜、BSG膜およびホウ素・リン含有酸化シリコン膜
(以下”BPSG膜”と略す)を作製したことが紹介さ
れている。この場合は成膜温度が550℃であって先述
のオゾンを用いる方法と比較してかなり高温であるにも
拘らず、成膜速度は300Å/minと遅く、これもま
た産業上利用できるレベルには達していない。
また、特許公報に見られるものでは、「特開昭61−7
7695号[気相成長方法]」や「米国特許第3,93
4,060号」の発明の成膜方法があるが、先と同様に
これらもまた成膜速度および膜質の点で満足できる水準
に達しているとはいえない。
また、野口らは、第35回応用物理学関係連合講演会
(昭和63年春季)講演番号 29P-G-5 において、マイ
クロ波放電で作製された酸素原子と、テトラメトキシシ
ラン(以下”TMOS”と略す)を用いることにより、
テトラメチルシラン(以下”TMS”と略す)を用いた
場合よりも、生成膜中の炭素含有量が減少することを示
している。しかしこのTMOSを用いて作られた膜も、
その赤外線吸収スペクトルから、多めのOH基の存在が
観察され、必ずしも良好な膜とは言えないことが明かで
ある。これは酸素活性種の供給量が不足しているためと
考えられる。
酸素原子を用いた他の例が、特開昭63−83275号
「CVD装置」に記載されており、ここではNSG膜、
PSG膜やBSG膜を作製するのに、酸素原子とシラン
を反応させている。この反応は通常、常温では源圧下で
も急速に進み、酸化シリコンの粉末ダストを生じる。ま
た急速に反応するため、2つのガス成分の反応室への導
入、混合が困難であって均一性の良い膜の作製が難し
い。
その問題を解決しようと、特開昭63−83275号公
報の発明では、ガスの流出部を冷却することによって酸
素原子とシランの反応をおさえ、加熱した被処理基体の
表面に導入してそこで反応を起させるようにした装置を
示している。しかしこの方法の場合は、ガスの流出部を
冷却することが必要であって装置が複雑になるととも
に、基体表面から離れた空間での反応を完全におさえる
ことが不可能で、どうしても多少のダストが生じてしま
う欠点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 以上のように、従来の方法では、オゾン+TEOS系、
酸素+DADBS系および酸素+TEOS系の各系で
は、枚葉式装置として産業上必要とされる1μm/mi
n程度の成膜速度を得ることができない欠点があった。
また、この速い成膜速度が得られる、酸素原子+シラン
系では、反応が両基体の混合部で急速に生じるため、混
合部およびガスの流出部を冷却して反応を抑える方法が
必要となり、装置が複雑になり、しかも空間での反応に
よるダストの発生を抑えることができないという欠点が
あった。
また、マイクロ波放電で作製された酸素原子と、TMA
またはTMOSを併用する方法では、酸素活性種の量が
不足するため、TMAを用いた場合では炭素系の不純物
を含んだ膜となり、TMOSを用いた場合はOH基を含
んだ膜となり、ともに良質な膜が得られないという欠点
があった。
(発明の目的) 本発明はこの問題を解決し、オゾンの代わりに高温非平
衡プラズマまたは局所熱平衡プラズマで得た多量の酸素
活性種を用い、またシランの代わりにより反応性の低い
TEOS、DADBS、TMOSまたはタンタルアルコ
ラート等の有機金属化合物を用いることにより、所定の
温度に設定された基体表面に、高速でダストの少ない絶
縁膜、誘電体膜または保護膜を作製する方法と装置を提
供することを目的とする。
(問題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明は、有機金属化合
物と、高温非平衡プラズマまたは局所熱平衡プラズマで
作製された酸素活性種とを原料気体とし、それらの化学
反応を用いて、基体の表面に酸化膜を作製する薄膜作製
方法、 またそれを実現する装置としては、 気密に保つことが可能な処理室と、該処理室内に設置さ
れた基体と、該基体の温度を調整する基体温度調整機構
と、有機金属化合物を該処理室内の該基体の前面空間に
導入する有機金属化合物導入機構と、高温非平衡プラズ
マまたは局所熱平衡プラズマ発生機構と、それで作製さ
れた酸素活性種を該基体の前面空間に導入する酸素活性
種導入機構と、を備えた薄膜作製装置、 を採用するものである。
(作用) 高温非平衡プラズマまたは局所熱平衡プラズマは、デバ
イス作製プロセスに用いるグロー状プラズマまたはマイ
クロ波プラズマに比較して遥かに多量の酸素活性種を作
製する。この酸素活性種と、シランより反応性の小さい
TEOS、DADBS、TMOSまたはタンタルアルコ
ラート等の有機金属化合物を用いることで、所定の温度
に設定された基体の表面だけに化学反応を誘起し、膜
厚、膜質分布の均一な酸化膜を作製することができる。
(実施例) 本実施例は、本願の出願人の出願になる特願昭61−0
69646号(特開昭62−227089号)「表面処
理方法および装置」を基本技術として、その出願当時一
般に知られていなかった低温酸化膜作製工程にこれを利
用することによって、有用な発明を得ることができたも
のである。前記特許願の明細書中の”LTEプラズマ”
は本願明細書の”局所熱平衡プラズマ”に該当してい
る。
本発明の第1の実施例としてNSG膜の作製につき記述
する。
第1図に本実施例の方法を実現する装置の正面断面図を
示す。21はステンレス製の処理室で、必要に応じて真
空に引いたり気密に保ったりが可能な構造となってい
る。また加圧することも可能な構造となっている。11
は、これからその表面に薄膜を作製せんとする基体であ
る。
基体温度調整機構10(12,13,14等)について
記述すると、12は、基体11を保持し基体の温度制御
を行なう基体ホルダーである。13はヒーターで14は
熱電対であって、基体ホルダー12は、直径15cmで
約450℃まで昇温可能である。熱電対14によって基
体ホルダー12の温度を測定し、図示しない温度調節計
とサイリスタユニットの併用により、P、PI、PID
制御または単なるリレーを用いたON、OFF制御によ
り、ヒーター13に加える電力を加減して基体ホルダー
12の温度を調整する。必要のときはこの部分に水冷等
の冷却機構を併用する。
処理室21は直径約25cm、高さ約30cmの円筒形
で、バルブ31を通して、メカニカルブースターポンプ
32、油回転ポンプ33を用いて真空に排気することが
可能である。34は真空計で、処理室21内の圧力を測
定する。本実施例では、バルブ31の開閉を加減して処
理室21の圧力を一定に保った。
22はガス吹き出し板で、本願の出願人の出願になる特
願昭62−254268号(特開平1−119674
号)「成膜装置および方法」の明細書中の”分配板”に
該当しており、その構造は前記明細書に詳しく述べるも
のと同等であり、24はヒーターで、ガス吹き出し板2
2を所定の温度に設定するためのもの、23は拡散板で
あり、厚さ2mmの板に直径1mm前後の穴を多数密に
あけたものを用いている。
このガス吹き出し板22は、液化し易いTEOSを気体
のままの状態で基体11の前面空間に均一性よく分配し
吹き出すもので、ここで加熱されていないとTEOSに
結露を生じ、プロセスガスの供給が不安定となって、成
膜の安定性、再現性に問題が生じる。
また、このガス吹き出し板22による加熱の別の効能と
して、プロセスガスに熱変性による中間生成物を生じ、
それが成膜に寄与することも考えられる(特願昭62−
254268号「成膜装置および方法」参照)。但し、
現在のところそのメカニズムは明確化されていない。
次に有機金属導化合物入機構40について記述すると、
43はTEOSであって常温常圧では液体である。キャ
リアガスの窒素は、図示しない高圧ボンベから減圧弁、
流量コントローラを通して供給される(矢印45)。4
2はバブラーで、液体の状態にあるTEOS43はバル
ブ44を通して導入された窒素によりバブリングされて
気化し、バルブ41、前記のガス吹き出し板22を通し
て基体11の前面空間に導かれる。
46は恒温槽を示す。バブリング温度を調整したり、液
化しやすいTEOSを、気体のままの状態に保つため、
バルブ41や配管を保温する。本実施例では、バブラー
4の容量は約1とし、それにTEOSを300gづつ
充填して使用した。
次に、高温非平衡プラズマまたは局所熱平衡プラズマ発
生機構50で作られる、もう1つのプロセスガスの酸素
活性種と、それを導入する酸素活性種導入機構60につ
いて記述すると、54は放電管で、石英ガラスの二重管
となっており、二重管の間に水を流して冷却できる構造
となっている。本実施例では、石英ガラス管の内管は直
径3cm、長さ53cmである。56、56′は冷却水
の流れを示す。
53は銅パイプで作製されたコイルであり、図示しない
がこのパイプも内部から水冷されている。コイル53の
一方は接地され、他方は整合回路52を通して高周波電
源51に接続されている。本実施例では高周波電源51
として周波数13.56MHz、出力10kWの高周波
他励式電源を用いた。酸素(矢印57)は、図示しない
高圧ボンベから減圧弁、流量コントローラーを経て導入
される。
処理室21に酸素活性種を導入するための酸素活性種導
入機構60は、ステンレス製配管63と、配管63に溶
接されOリング溝が掘られているステンレス製フランジ
61と、放電管54に溶接されさ石英ガラス製フランジ
58と、両フランジ間でシール作用をするゴム製Oリン
グ59と、両フランジを接合する通常のネジ(図示しな
い)と、バルブ62と、で構成されている。
特願昭61−069646号公報にも記述されているよ
うに、高周波電源51から高周波電力がコイル53に注
入されると、初は放電管54内に高周波グロー放電が生
じる。そしてさらに注入電力を増大すると、コイル53
の内部に局所的にピンチされた高温非平衡プラズマまた
は局所熱平衡プラズマ55が生じる。(このこのうちの
高温非平衡プラズマについては、三戸らの「真空」第3
1巻第4号(1988) P.271-P.278や、その引用文献に詳し
く記述されている) この高温非平衡プラズマまたは局所熱平衡プラズマは、
高周波グロー放電と比較して非常に発光強度が高く、多
量の活性種が生じていて、特に原子状の活性種が多く、
また電気的にも放電インピーダンスが格段に低くなって
いるという特徴をもっている。高温非平衡プラズマと局
所熱平衡プラズマの違いについては、前掲の「真空」の
271頁左欄の「高温非平衡プラズマとは……局所的熱
平衡にはなっていないが、グロー放電プラズマに比べる
とはるかに高温のプラズマになっている。」との説明に
あるように、局所的な熱平衡が達成されている高温プラ
ズマを局所熱平衡プラズマと呼び、熱平衡は達成されて
いないがグロー放電に比べてはるかに高温であるものを
高温非平衡プラズマと呼んでいる。どちらのプラズマが
形成されるかは、放電管54の径や注入する電力等によ
り異なるので、一該には決められない。また、上記多量
の活性種の生成等のメリットはいずれにもに生じる現象
なので、両者を厳密に峻別する意義はそれほど無い。
第2図aに高周波またはマイクロ波グロー放電の発光分
光分析で通常観察される一例を、またbには高温非平衡
プラズマまたは局所熱平衡プラズマの発光分光分析で通
常観察される一例を示した。第2図aの縦軸はbの縦軸
と比較して4500倍に拡大してある。(即ち従って、
bの発光強度はaの発光強度と比較して約4500倍強
い)。またbの発光は酸素原子からの発光に強く依存し
ており、高温非平衡プラズマまたは局所熱平衡プラズマ
内では酸素の解離が進んで多量の活性種が生じているこ
とが明かである。
この高温非平衡プラズマまたは局所熱平衡プラズマの活
性種を利用する例としては、本願の出願人の出願になる
特願昭63−163350号(特開平2−14801
号)「酸化物超電導体の改善方法」や第46回応用物理
学会学術講演会(昭和63年秋季)講演番号6P−館B
−16、講演予稿集第1分冊、P.131 等があり、その有
用性が明確である。但し、この高温非平衡プラズマまた
は局所熱平衡プラズマの酸素活性種と有機金属化合物を
組み合わせて利用し酸化物薄膜を作製する方法に言及し
た文献はない。
さて、本実施例の高温非平衡プラズマまたは局所熱平衡
プラズマ55で生じた酸素活性種は、酸素活性種導入機
構60、ガス吹き出し板22を通って基体11の前面空
間に導入される。
本実施例においては、処理室21内圧力200Torr、
酸素流量10/min、バブリング窒素流量2/m
in、恒温槽46の温度80℃、ガス吹き出し板22の
温度80℃、基板ホルダー12の温度400℃、高周波
電力85kWにおいて、約1.2μm/minの成膜速
度でNSG膜を得ることが出来た。このNSG膜は、赤
外吸収分光法で炭素の混入が観測されず、OH基も少な
い良質膜であることが分かった。
この、約1.2μm/minの成膜速度で良質膜が得ら
れたことは工場上重要であって、枚葉式装置に必要とさ
れている1μm/minの成膜速度を満足するものであ
る。
通常のマイクロ波グロー放電で酸素活性種を作製する場
合、第2図の発光分光分析パターンから、放電プラズマ
中に原子状酸素が生じていることは明らかであるが、そ
の量は高温非平衡プラズマまたは局所熱平衡プラズマに
比較して遥かに少量である。しかもマイクロ波は水によ
り吸収されるため、マイクロ波の電力損失が大きく放電
管の水冷を行なうことが困難であるという欠点がある。
本発明の方法の第2の実施例としては、第1図の装置の
バルブ71を通して窒素キャリアのリン酸トリメチルエ
ステルを導入するものが挙げられる。リン酸トリメチル
エステルは、図示しないバブラー内で流量コントロール
された窒素によりバブリングされ輸送されてくる。バブ
リング温度は60℃、窒素流量1.5/minであ
る。処理室内の圧力、TEOS等、他の条件を第1図の
実施例と同様にして、基体11の表面に(添加したい元
素としてリンを選び)リンが含有された酸化シリコン
膜、即ちPSG膜を1.3μm/minの速度で作製で
きた。
また本発明の方法の第3の実施例としては、第2の実施
例のリン酸トリメチルエステルの代わりにトリエトキシ
ホウ素を用いるものが挙げられる。この場合は酸化膜中
に添加したい元素としてホウ素を選び、ホウ素を含有さ
せることができる。トリエトキシホウ素のバブリング温
度を15℃、窒素流量0.2/minとし、他の条件
を第1の実施例と同様にすることで、基体11の表面に
BSG膜を1.3μm/minの速度で作製できた。
また本発明の第4の実施例としては、第2と第3の実施
例を併用することにより、即ち、リン酸トリメチルエス
テルとトリエトキシホウ素の両者を導入して、基体11
の表面にBPSG膜を1.3μm/minの速度で作製
できるものが挙げられる。
また、TEOSの代わりにDADBSを用いた場合で
も、同様にNSG膜が作製できた。またTEOSの場合
と同じくリン酸トリメチルエステルやトリエトキシホウ
素を併用すると、PSG膜、BSG膜およびBPSG膜
を高速で良質に作製できた。また、添加したい元素とし
てヒ素の場合、アルシンまたはトリエトキシアルシンを
用いてもよい。
また本発明の第5の実施例としては、有機金属化合物と
して第1の実施例のTEOSの代わりに、タンタルメチ
ラートまたはタンタルエチラート等のタンタルアルコラ
ートを用い、バブリング温度60〜160℃、基体ホル
ダー12の温度450℃とすると、基体11の表面に酸
化タンタルの膜が300Å/minの速度で作製できる
ものが挙げられる。この酸化タンタル膜は、主にデバイ
スのコンデンサー部の誘電体膜として使用され、必要と
される膜厚は250Å程度である。このため、成膜は約
1分で完了し産業上有用と考えられる。
以上の実施例は、全て減圧下での成膜例を示したもので
あるが、プロセス圧力は常圧乃至それ以上の加圧であっ
てもよい。特に平坦性を重視するNSG膜、PSG膜、
BSG膜またはBPSG膜の成膜は、圧力が高い方が平
坦性が良好となる。しかしこの場合は、高温非平衡プラ
ズマまたは局所熱平衡プラズマの放電電力の大きいもの
が必要となる。低電力の場合は放電管の内径を小さくす
る必要がある。
常圧ないしそれ以上の加圧の場合は、上記の各図で、必
要に応じてメカニカルブースターポンプ32と油回転ポ
ンプ33は取り外して用いる。
また矢印57の導入する気体としては、酸素のほかに亜
酸化窒素やオゾン含有酸素が使用できる。
なおまた、酸素活性種の量については、藤村らの「月刊
Semiconductor World 1988年7月号 p.131- p.138」や
それに引用されている文献に詳しい。これらの文献に見
られるのと同様に、本実施例の場合も、窒素や微量のフ
ッ素系ガス(三フッ素窒素、フレオン等)の添加は、膜
中のOH基の減少につながり、良好な結果を得ている。
しかしこの添加ガスが目的とする酸化膜に混入すること
によって生じる酸化膜の電気特性の安定性については、
現時点で明確になっていない。
本発明の方法の実施に使用される装置の他の例を第3図
に示す。第1図と同じ部材には同じ番号を付けてある。
本実施例は主に第1図の実施例のガス吹き出し板22を
取り外した構造にしたものである。こうした装置では、
生成膜の膜厚や膜質の分布が悪くなる欠点がある。しか
し、有機金属化合物および酸素活性種を直接導入できる
ため、より高速な成膜(約2μm/min)が可能であ
った。膜厚、膜質分布をよくするためには基体を回転さ
せると効果のあることが分かっている。
第4図に本発明の他の実施例を示した。第1図と同じ部
材には同じ番号を付けてある。
28は石英ガラス管(内径30cm、長さ80cm)の
処理室で、その外部から電気炉(またはハロゲンランプ
からの放射光)81により基体11を加熱できるように
なっている。82は石英ガラス製の基体ホルダーであ
る。101はハッチであり、基体11を、矢印102の
方向に基体ホルダー82ごと出し入れできる構造となっ
ている。
92は逆止弁であって矢印91の方向にのみ気体を排気
できる構造となっている。バルブ62を設けないで、石
英ガラスの放電管54と処理室28とを一体に構成して
もよい。この場合、酸素活性種導入機構40は、処理室
28と放電管54の溶着部または接続部のみの簡単なも
のとなる。
本実施例では多数枚数のウェハーを一挙に処理できる利
点がある。処理室28はこれを縦型構造にしてもよく、
その場合は基体の温度分布性が改善されてより均一性の
よい膜を作製できる可能性がある。
また、第1図、第3図、第4図に示した実施例では、有
機金属化合物導入機構40のバブラー42を用いたが、
バブリングによらず、単に有機金属化合物の蒸気圧を利
用して気化させ流量をコントロールして処理室内に導入
するような構造にしてもよいし、また強制的に気化させ
る気化器を設置してもよい。加圧下で成膜を行なう場合
は特に気化器の併用が有効である。
なおまた、有機金属化合物のキャリアガスとして窒素を
例に記述したが、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスや
その他反応性が低い気体であれば良い。
〔発明の効果〕
有機金属化合物と、高温非平衡プラズマまたは局所熱平
衡プラズマで作製された酸素活性種とを用いることによ
り、高速で良質な酸化膜が作製可能となり、半導体電子
デバイス、超電導デバイス、各種電子部品、各種センサ
ーの絶縁膜、誘電体膜、保護膜の作製に利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の正面断面図、第2図aは酸
素の通常の高周波またはマイクロ波グロー放電の発光分
光分析パターン、bは高温非平衡プラズマまたは局所熱
平衡プラズマからの発光分光分析パターン、第3図、第
4図は本発明の他の実施例の正面断面図。 10……基体温度調整機構、11……基体、12……基
体ホルダー、21……処理室、22……ガス吹き出し
板、33……油回転ポンプ、40……有機金属化合物導
入機構、42……バブラー、50……発生機構、54…
…放電管、55……高温非平衡プラズマまたは高温平衡
プラズマ、60……酸素活性種導入機構、81……電気
炉、101……ハッチ。
フロントページの続き (72)発明者 中村 昇 東京都府中市四谷5―8―1 日電アネル バ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−248418(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機金属化合物と、高温非平衡プラズマま
    たは局所熱平衡プラズマで作製された酸素活性種とを原
    料気体とし、それらの化学反応を用いて、基体の表面に
    酸化膜を作製することを特徴とする薄膜作製方法。
  2. 【請求項2】該有機金属化合物がテトラエトキシシラン
    であり、該酸化膜が酸化シリコン膜である特許請求の範
    囲第1項記載の薄膜作製方法。
  3. 【請求項3】該有機金属化合物がタンタルアルコラート
    であり、該酸化膜が酸化タンタル膜である特許請求の範
    囲第1項記載の薄膜作製方法。
  4. 【請求項4】有機金属化合物と、添加したい元素の水素
    化物または有機化合物と、高温非平衡プラズマまたは局
    所熱平衡プラズマで作製された酸素活性種とを原料気体
    とし、それらの化学反応を用いて基体の表面に前記添加
    したい元素の含有された酸化膜を作製することを特徴と
    する薄膜作製方法。
  5. 【請求項5】該有機金属化合物がテトラエトキシシラン
    であり、該添加したい元素がリンとホウ素、またはその
    どちらか一方であり、該添加したい元素の有機化合物が
    リン酸トリメチルエステルとトリエトキシホウ素、また
    はそのどちらか一方であり、該作製する酸化膜がリンと
    ホウ素、またはそのどちらか一方の含有された酸化シリ
    コン膜であることを特徴とする特許請求の範囲第4項記
    載の薄膜作製方法。
  6. 【請求項6】気密に保つことが可能な処理室と、該処理
    室内に設置された基体と、該基体の温度を調整する基体
    温度調整機構と、有機金属化合物を該処理室内の該基体
    の前面空間に導入する有機金属化合物導入機構と、高温
    非平衡プラズマ又は局所熱平衡プラズマ発生機構と、そ
    の高温非平衡プラズマ又は局所熱平衡プラズマ発生機構
    で作製された酸素活性種を該基体の前面空間に導入して
    該基体の表面に酸化膜を作製する酸素活性種導入機構
    と、を備えたことを特徴とする薄膜作製装置。
  7. 【請求項7】該有機金属化合物を該処理室に導入する部
    材として、該有機金属化合物を該基体の前面空間に均一
    に供給する温度制御されたガス吹き出し板を設置したこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第6項記載の薄膜作製装
    置。
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