JPH0660433U - 乳化分散機 - Google Patents

乳化分散機

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JPH0660433U
JPH0660433U JP001354U JP135493U JPH0660433U JP H0660433 U JPH0660433 U JP H0660433U JP 001354 U JP001354 U JP 001354U JP 135493 U JP135493 U JP 135493U JP H0660433 U JPH0660433 U JP H0660433U
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JP
Japan
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casing
dispersion
stator
container
rotor
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JP001354U
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Inventor
石川剛
Original Assignee
三井鉱山株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッチ処理を行うことにより、良質な製品を
得ることができる乳化分散機を提供する。 【構成】 2重壁構造のケーシング11に回転軸5を垂
設する。ケーシング11に軸流ポンプ部材18と分散部
材7とを設ける。軸流ポンプ部材18は、ケーシング1
1の下部に固定する斜流ケース14と、回転軸5に固定
する斜流羽根15とで形成する。分散部材7は、ケーシ
ング11の分散室D内に位置され、固定子10と回転子
9とからなる。回転軸5が回転すると、軸流ポンプ部材
18の作用で容器2内に処理物Cの循環流が生じ、バッ
チ的に処理される。処理物Cは、分散室D内で固定子1
0と回転子9との間を通過する際に、強力な剪断力と繰
り返しの圧力変動を受けて乳化・分散され、こののち容
器2に戻される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は乳化分散機に関し、特に、投入した処理物を乳化して分散する乳化 分散機に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
従来、この種のものとして、所謂1パス式と呼ばれる連続処理可能な乳化分散 機が既に知られている。 すなわち、従来の乳化分散機は、分散室を有し、この内部に外部の駆動源で回 転する分散翼が配設されているもので、一方から分散室に処理物が投入されると 、分散室を通過する際に、処理物が、回転する分散翼で乳化と同時に分散され、 こののち乳化物が順次他方側へと排出されるようになっている。従って、一方側 から連続的に処理物を投入すると、分散室を通過しながら順次分散・乳化処理が 行われることとなり、他方側に乳化物である製品が連続して得られるようになっ ている。
【0003】 しかしながら、このような連続処理可能な乳化分散機は、良質な製品を得るこ とができないことがあった。
【0004】 すなわち、投入された処理物は、分散室を1度だけ通過して処理されるため、 処理物の性質によっては、分散翼による乳化・分散処理が不十分なまま排出され ることがあり、目標とする粒度の製品が得られないことがあった。また、この場 合、少量多品種生産には不向きであり、問題であった。
【0005】 この考案は上記のような問題点を解消し、バッチ処理が可能であるとともに、 均質な製品を得ることができる乳化分散機を提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】 この考案は上記の問題点を解決するために、第1の考案として、分散室を有す る竪型ケーシングと、この中心部に垂設する回転軸と、前記分散室内に設ける分 散部材と、前記分散室と連通した状態で前記ケーシングの下部に設けられ、前記 回転軸の回転により駆動する軸流ポンプ部材とを具え、前記分散部材は、前記ケ ーシングに固定される固定子と、前記回転軸に固定されて前記固定子と相対的に 回転する回転子とで形成し、処理物を入れた容器に前記ケーシングを挿入した際 、前記処理物が、分散室内において固定子と回転子との間で乳化・分散され、こ ののち軸流ポンプ部材を介して容器に戻されるという構成を有しているものであ る。 また、第1の考案を含む第2の考案として、前記分散部材は、前記固定子と回 転子との対向する面に、放射状の溝を有する環状の突出部が形成され、一方の突 出部が相手側の突出部間に位置して、かつ互いに近接し、前記処理物は、固定子 と回転子との間で剪断力と繰り返しの圧力変動を受けるようになっているという 構成を有しているものである。 また、第1の考案を含む第3の考案として、前記ケーシングが2重壁構造に形 成され、その壁間に熱媒体または冷媒体が流通するようにしてあるという構成を 有しているものである。
【0007】
【作用】
この考案は上記の手段を採用したことにより、処理物の入った容器内にケーシ ングを挿入して浸漬すると、容器からケーシングに導入された処理物は、ケーシ ングの分散室内で乳化・分散されたのち、軸流ポンプ部材の作用によって容器の 底部に排出される。このため、運転中においては、処理物は、容器内でケーシン グを通過するように絶えず循環し、その循環過程において乳化・分散処理が行わ れ、この結果、処理が進行するようになっている。
【0008】 そして、この考案にあっては、バッチ的処理を可能とすることができるように なっている。 すなわち、軸流ポンプ部材の作用で容器内に処理物の循環流を生じさせるよう にしてあるので、処理物は、その循環によって、分散部材で何回も乳化・分散の 処理が繰り返されることとなる。この場合、運転時間は任意に設定可能であるた め、処理物の性質に応じて運転時間を設定することにより、循環流による処理回 数を任意に決定することができるようになり、この結果、所望の粘性等を有する 均質で良質な乳化・分散物が簡単に得られるようになっている。
【0009】 また、この第2の考案にあっては、処理の効率を向上させることができるよう になっている。 すなわち、分散部材を固定子と回転子とで形成したことにより、処理物の循環 流は、固定子と回転子との間を通過する際に、剪断力と繰り返しの圧力変動を受 けるために、強力に乳化・分散されるようになっている。
【0010】 また、第3の考案にあっては、構造の簡単化を図ることができるようになって いる。 すなわち、ケーシングを2重壁構造にしたことによって、その壁間を流通する 熱媒体または冷媒体は、ケーシングの内外の両壁面から処理物に作用することと なる。つまり、媒体は、ケーシングの内壁から分散室内の処理物を、またケーシ ングの外壁から容器とケーシングとの間に存在する処理物をそれぞれ加熱または 冷却するようになっているため、媒体流通構造を非常に合理的にすることができ る。
【0011】
【実施例】
以下、図面に示すこの考案の実施例を説明する。 図1は、この考案による乳化分散機の一実施例を示す図である。 すなわち、図1に示す乳化分散機は、分散室Dを有するケーシング11に、回 転軸5と分散部材7とを設け、ケーシング11の底部に軸流ポンプ部材18を設 けたもので、分散処理を行うべき処理物Cが入れられた容器2にケーシング11 を挿入することにより、分散室Dに導入された処理物Cを分散部材7で乳化して 分散し、こののち乳化・分散物を容器2内に戻すようになっている。
【0012】 図1において、容器2は、上方に開口する竪型の円筒状をなしているもので、 乳化・分散処理をすべき処理物Cが入れられるとともに、後述するケーシング1 1が挿入できる程度の大きさを有している。
【0013】 ケーシング11は、両端が開口する竪型の円筒状をなしているもので、この上 方開口部には、所定の内径を有した環状の押え板8が位置しボルト22で固定さ れ、この押え板8とケーシング11とで囲まれた空所が分散室Dとして形成され ている。
【0014】 このとき、ケーシング11は2重壁構造をなして壁内に流通路が形成されてい て、このケーシング11にサポート6が連結される。
【0015】 サポート6は、通水可能な管状部材であって、ケーシング11の壁内に熱媒体 または冷媒体を供給するためのサポートA6aと、供給された熱媒体または冷媒 体を排出するためのサポートB6bとで形成される。このとき、サポートA6a は、その一方端が、ケーシング11の上端部に形成された導入口21aに導通可 能な状態で接続されるとともに、他方端が外部配管に接続される。そして、サポ ートB6bは、その一端が、ケーシング11の上端部において導入口21aとは 別の部位に形成された排出口21bに導通可能な状態で接続されるとともに、他 方端が外部配管に接続される。なお、導入口21aには、ケーシング11の壁内 に配置される導管21が接続されていて、この導管21により、サポートA6a を通じて供給される媒体をケーシング11の壁内底部に導くようにしてある。
【0016】 また、サポート6a、6bの他方端である上端部は、容器の外部に設置される 図示しない昇降装置のフレーム3に取り付けられる。従って、ケーシング11は サポート6でフレーム3に吊下された状態で保持されていて、昇降装置の駆動に より、フレーム3がサポート6およびケーシング11とともに上下動するように なっている。
【0017】 ケーシング11には、フレーム3の軸受部4に回転自在に取り付けられてケー シング11と一体に上下動可能である回転軸5が、ケーシング11の軸心に一致 した状態で垂設され、その下端部がケーシング11の下端面よりも下方に突出し ている。そして、この回転軸5の上端部にはV型プーリ1が取り付けられ、この プーリ1と図示しない外部の駆動源との間にベルトが懸架されることにより、回 転軸5が駆動源の駆動で連動して回転するようになっている。また、このとき、 回転軸5は、ケーシング11の上方開口部に設けられた押え板8の内側に挿通さ れた状態で配置されるため、その挿通部分に環状の隙間e1を形成していて、こ れにより、隙間e1 を介して分散室Dと外部とが導通可能となり、隙間e1が処 理物Cの流路となるようにしている。
【0018】 回転軸5において、ケーシング11の分散室D内に位置する部位には、図2に も示すように、回転子9と固定子10とからなる分散部材7が設けられる。分散 部材7の一方を形成する固定子10は、図3乃至図5に示すように、盤状のリン グ形状をなしているもので、その一方の端面には、内周側が勾配面となっている 環状の突出部10aが同心円状に複数形成されている。この固定子10の突出部 10aには、径方向に放射状に等配される複数の溝10bが形成されていて、こ れにより、突出部10aは全体として櫛状環を呈している。
【0019】 分散部材7の他方を形成する回転子9は、図6乃至図8に示すように、盤状の リング形状をなしているもので、その一方の端面には、外周側が勾配面となって いる環状の突出部9aが同心円状に複数形成されている。この回転子9の突出部 9aには、径方向に放射状に等配される複数の溝9bが形成されていて、これに より、突出部9aは全体として櫛状環を呈している。
【0020】 そして、固定子10はケーシング11に、また回転子9は回転軸5にそれぞれ 取り付けられる。固定子10は、図示するように、その外周端部がディスタンス ピース12を介して押え板8と斜流ケース14(後述)とで挟持された状態で、 ボルト19、22でケーシング11に固定する。また、回転子9は、その内周端 部がキー13とともに回転軸5に固定され、分散室D内において固定子10に対 向するように配置される。このとき、固定子10と回転子9との取付位置関係を 図9に示すように、固定子10の突出部10aを回転子9の突出部9a、9a間 に位置させるようにして、固定子10と回転子9とを互いに盤面近くまで突出部 を入り込ませ、固定子10の突出部10aと回転子9の突出部9aとの間にわず かな環状の隙間eによる流路を形成するようにしておく。
【0021】 なお、図においては、分散部材7は、3対の固定子10と回転子9とで形成し てあるが、これは少なくとも1対あればよい。この場合、各固定子10、10間 にはディスタンスピース12を介在させてあるため、突出部9a、10a間の隙 間eの距離を調節するには、ディスタンスピース12の長さを適宜選択すればよ いものである。
【0022】 ケーシング11の下部には、斜流ケース14と斜流羽根15とで形成される軸 流ポンプ部材18を設ける。この軸流ポンプ部材18の一方を形成する斜流ケー ス14は、下方に向かって拡径する切頭円錐筒状をなしているもので、その小径 開口部を分散室Dと連通可能な状態でケーシング11の底部下面に位置させ、か つ斜流ケース14の軸線とケーシング11の軸線とを一致させた状態でボルト1 9で固定する。
【0023】 軸流ポンプ部材18の他方を形成する斜流羽根15は、図10にも示すように 、ケーシング11の下端面より下方に突出する回転軸5の下端部に固定する固定 部15bと、回転軸5の軸線を中心として径方向外方に向かうように固定部15 bに放射状に取り付けられ、回転軸5とともに一体に回転可能な複数の羽根部1 5aとで形成される。このとき、固定部15bは、キー13aとともに回転軸5 に取り付けられ、取付板16を介してボルト17により固定される。そして、こ の固定部15bおよび羽根部15aは斜流ケース14の内側に位置した状態で設 けられる。 なお、羽根部15aは、軸流および斜流を発生し易くするために、その回転方 向側の法線がやや斜め下方に傾いた状態で配置されることが望ましいが、その法 線は水平状態であっても差し支えはない。
【0024】 また、この羽根部15aの先端部は、斜流ケース14の内面に対応した形状に 形成されていて、羽根部15aの回転時には、先端部が斜流ケース14から所定 間隔で離間した状態で、その内面に沿うように周回することになる。なお、この 場合、羽根部15aの下端部は、その先端部が他の部位よりも上方に位置するよ うにしておくことが望ましい。
【0025】 さらに、斜流ケース14の外壁には、案内翼20が羽根部15aの回転方向に 対して垂直となるような状態で等配に取り付けられ、かつ案内翼20の下端部を 斜流ケース14の下方開口部よりも下方に突出させておく。 なお、図においては、軸流ポンプ部材18は、好ましい例として斜流ケース1 4と斜流羽根15とを組み合わせたものを示したが、この代わりに軸流羽根を用 いてもよいことは勿論のことである。
【0026】 次に、上記のものの作用を説明する。 この乳化分散機は、上記のように構成したことにより、乳化を行うべき処理物 Cが入った容器2にケーシング11を挿入すると、ケーシング11の上方から処 理物Cが分散室Dに導入されてここで乳化して分散したのち、この乳化・分散物 が斜流ケース14の下方開口部から容器5内に戻されることとなり、これにより 、処理物Cが容器2内でケーシング11を通るように循環しながら乳化・分散の 処理を行うようになっている。
【0027】 まず、容器2内には、原料であるスラリー状の処理物Cを入れてある。そして 、図示しない昇降装置を駆動させて、上方に位置していたフレーム3を下動させ ると、サポート6に吊下されたケーシング11がフレーム3とともに下動し、ケ ーシング11が容器2内に挿入される。この場合、処理物Cを分散室Dに導入す る流路は、ケーシング11の上部に開口する環状隙間e1 で形成されてあるため 、処理物Cの量は、ケーシング11が容器2に挿入された際に、ケーシング11 が処理物Cで完全に浸漬される程度に確保しておく。
【0028】 そして、図示しない外部駆動源の駆動により回転軸5を回転させる。すると、 容器2内において押え板8の上方に存在する処理物Cは、押え板8と回転軸5と の間の隙間e1 から流入し、分散室Dに導入される。分散室D内では、分散部材 7の作用で処理物Cが乳化されて分散され、こののち乳化・分散物は、軸流ポン プ部材18の吸込作用によって、斜流ケース14の下方開口部から容器2内に排 出されるようになっている。
【0029】 ここで、軸流ポンプ部材18の斜流羽根15は、回転軸5とともに回転するこ とによって、羽根部15a、15a間に存在する処理物Cを径方向外方へ放出す るようになっているために、軸心部分に負圧が生じて吸込力が得られるようにな っている。また、斜流羽根15の外周を包む斜流ケース14は、下方に向かって 拡径する筒状をなし、内面が斜面となっているために、斜流羽根15の回転で径 方向外方に放出された処理物Cは、斜流ケース14の内面によって下方に案内さ れ、これによって、処理物Cが軸線方向に大量に流れるようになり(軸流)、分 散室D内の処理物Cを斜流ケース14内に吸い込むと同時に、下方開口部から容 器2内に排出するようになっている。
【0030】 上記の運転が所定時間行われることにより、処理物C全体が、容器2内でケー シング11を通過するように循環し、その循環過程で分散室Dにおいて乳化・分 散の処理が次第に進行することになる。この結果、所定の粒度の乳化・分散物が 得られるようになっている。
【0031】 なお、上記の運転中においては、ケーシング11の壁内に形成された流通路に 、サポートA6aから熱媒体または冷媒体を供給し、また、流通路内に供給され た熱媒体または冷媒体はサポートB6bへ排出されているために、ケーシング1 1の壁内には熱媒体または冷媒体が絶えず循環している。これにより、ケーシン グ11内の処理物Cと容器2内の処理物Cとが、ケーシング11の壁内を流通す る媒体によって同時に加熱または冷却されることとなるため、処理物Cが常に適 温に保たれるようになり、乳化・分散処理の均一化および効率向上を図ることが できるようになっている。
【0032】 また、運転中に容器2内で生じる処理物Cの循環流は、軸流ポンプ部材18の 斜流羽根15の回転によって、回転軸5を中心として容器2内を周回する恐れが あるが、斜流ケース14の外壁に設けた案内翼20の存在によって、処理物Cは 、案内翼20を通過する際に必ず軸線方向に整流されるようになっているため、 効率的な処理物Cの循環流を得ることができる。 さらに、ケーシング11の下部に設けた斜流羽根15は、その回転時に、容器 2の底部に存在する処理物Cを攪拌する作用も有しているため、容器2における 処理物Cの均一化に役立っている。
【0033】 そして、上記の乳化分散機にあっては、バッチ処理を行うことができるように なっている。
【0034】 すなわち、分散室Dに分散部材7を設けたケーシング11の下部に軸流ポンプ 部材18を設け、このケーシング11を処理物Cの入った容器2に挿入すること により、容器2内で処理物Cをケーシング11の分散室Dを通るように大量に循 環させながら、その一過程である分散室D内で処理物Cを乳化し分散するように なっているため、処理物Cは容器2内で繰り返し乳化・分散がなされることとな り、処理物を一括して処理することができるようになっている。
【0035】 つまり、ケーシング11の下部に設けた軸流ポンプ部材18の作用によって、 分散室D内に存在する処理物Cは、斜流ケース14側に吸い込まれたのち、その 下方開口部から容器2の底部に向かって積極的に排出されるようになっているた め、容器2の底部に排出された処理物Cは、容器2内においてケーシング11の 外側を通りながら上方に移動したのち、再びケーシング11の上方開口部から分 散室Cに導入されることとなり、分散室D内で処理をさらに進行させるようにな っている。この結果、処理物Cは、容器2内で大量の循環流となることによって 、何回も乳化・分散処理をすることが可能であり、また、乳化・分散の均一化も 可能である。
【0036】 従って、上記の乳化分散機は、バッチ処理方式が採用されたことによって、原 料段階での処理物Cが持つ性質に拘らず、その特質に応じた必要最適な運転時間 を設定すれば、目標とする粒度を有する製品を完全な状態で得ることができるよ うになっている。
【0037】 また、上記の乳化分散機にあっては、処理物Cの乳化・分散処理を効率的に行 うことができるようになっている。
【0038】 すなわち、分散室D内に設けられた分散部材7は、放射状の溝10bが形成さ れた突出部10aを有する固定子10と、放射状の溝9bが形成された突出部9 aを有する回転子9とで形成したことによって、分散室Dに導入された処理物C は、固定子10と回転子9との間を通過する際に、強力な乳化・分散作用を受け るようになっている。
【0039】 つまり、回転軸5により回転子9が固定子10に対して回転すると、回転子9 の溝9b内に存在する処理物Cは、遠心力が付与されて径方向外方に放出される ことにより、分散室D内において回転軸5近傍に存在する処理物Cが、順次回転 子9の溝9bと固定子10の溝10bとを交互に通りながら外方へ移動すること になる。従って、分散室D内の処理物Cは、固定子10と回転する回転子9との 間を通過する際に、固定子10の突出部9aと回転子9の突出部10aとの間の 隙間eで形成される流路において、強力な剪断力と、繰り返しの圧力変動とを受 けることになり、この作用により、処理物Cが強力に乳化・分散されるようにな っている。
【0040】 この際、容器2内における処理物Cは、軸流ポンプ部材18の作用によって大 量循環流を形成しており、また、分散室D内に滞留する間に数十〜数百回の分散 作用を受けるので、これらの相乗作用によって、非常に均一で良質な製品を得る ことができる。
【0041】 また、上記の乳化分散機にあっては、後処理を容易に行うことができる。
【0042】 すなわち、乳化・分散処理が終わったら、容器2およびケーシング11を空に した後に若干の運転をすれば、ケーシング11内に残っていた処理物Cが容易に 落下するので、ほぼ完全な製品の回収が可能である。また、ケーシング11を洗 浄する場合には、溶剤等を入れた別の容器にケーシング11を挿入・浸漬し、そ の状態で運転を行えば、ケーシング11の内部はきれいに洗浄されることとなる ので、ケーシング11を分解したりする必要がなく、洗浄性を向上させることが できる。従って、処理物Cの色替えを行うようなときには、その作業が非常に簡 単であり、特に、少量多品種生産の場合には最適である。
【0043】 さらに、上記の乳化分散機にあっては、その構造を簡単にすることができる。
【0044】 すなわち、ケーシング11を2重壁構造とし、その壁間に、乳化・分散処理を 効率的に行うための媒体の流通路を形成し、このケーシング11を処理物Cの入 った容器2に浸漬するようにしたことによって、ケーシング11の壁間を流通す る媒体は、内外の両壁面から容器2内の処理物Cとケーシング11内の処理物C の両方に効果的に作用することとなるため、これにより、容器2とケーシング1 1との両方に別々に媒体の流通路を設ける必要がなくなる。また、ケーシング1 1を吊下するサポート6を、媒体を流通させる配管として兼用したので、配管材 の使用を最小に抑えることができ、配管設計の簡略化ができる。従って、この乳 化分散機は、製品の品質を確保することを前提として、構造の簡単化を図ること が可能となるものである。
【0045】 なお、上記乳化分散機の場合、容器2を複数容易し、その各底部下面に車輪を 設けて移動可能とした場合には、処理物Cの乳化・分散処理が終わる度に、容器 2を順次移動してケーシング11を次の容器2に挿入するようにすれば、連続的 な処理作業が可能となるため、作業効率が向上することとなる。
【0046】 一般に、乳化分散機において良質の製品を得るには、処理物Cの性質に応じて 効率良く乳化・分散を行うことが重要であるが、この考案による乳化分散機にあ っては、容器2内に処理物Cの大きな循環流を生じさせてバッチ処理するように したので、処理物Cに対する必要最適な処理時間が任意に、かつ簡単に設定でき ることとなる。また、ディスタンスピース12の長さを変えれば、固定子10の 突出部10aと回転子9の突出部9aとの間の隙間eを任意に調節できるので、 処理物Cの粘性等に応じて必要な大きさの剪断力や圧力振動を与えることができ る。さらに、乳化・分散方法として、固定子10と回転子9とで処理物Cに剪断 力と圧力振動を与えるようにしたので、非常に効果的な処理を行うことができる こととなるものである。
【0047】
【考案の効果】
以上のようにこの考案によれば、分散室を有するケーシングの下部に軸流ポン プ部材を設け、このケーシングを処理物の入った容器内に挿入した際に、分散室 で処理物を乳化・分散したのち容器内に戻すようにしたので、処理物が大きな循 環流となり、この結果、バッチ的処理ができるとともに、製品の良質化および均 一化を可能とすることができる。従って、少量多品種生産の場合でも柔軟に対応 することができる。
【0048】 また、分散室内に設けた分散部材を固定子と回転子とで形成し、この両者間で 生じる強力な剪断力と繰り返しの圧力変動とによって、処理物を強力に乳化・分 散するようにしたので、処理効率を向上させることができる。
【0049】 さらに、ケーシングを2重壁構造にし、この壁間に媒体を流通させたことによ って、媒体がケーシングの内外の壁から効果的に処理物に作用するようになるた め、全体的な構造を簡単にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案による乳化分散機の一実施例を示す図
である。
【図2】図1における要部を示す図である。
【図3】図1において使用されている固定子を示す平面
図である。
【図4】図3における要部左側面図である。
【図5】図3におけるY−Y線断面図である。
【図6】図1において使用されている回転子を示す平面
図である。
【図7】図6における要部左側面図である。
【図8】図6におけるZ−Z線断面図である。
【図9】図1におけるX−X線要部断面図である。
【図10】図1において使用されている斜流羽根を示す
図である。
【符号の説明】
1……プーリ 2……容器 3……フレーム 4……軸受部 5……回転軸 6……サポート 6a……サポートA 6b……サポートB 7……分散部材 8……押え板 9……回転子 9a、10a……突出部 9b、10b……溝 10……固定子 11……ケーシング 12……ディスタンスピース 13、13a……キー 14……斜流ケース 15……斜流羽根 15a……羽根部 15b……固定部 16……取付板 17、19、22……ボルト 18……軸流ポンプ部材 20……案内翼 21……導管 21a……導入口 21b……排出口 C……処理物 D……分散室 e、e1……隙間

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散室(D)を有する竪型ケーシング
    (11)と、この中心部に垂設する回転軸(5)と、前
    記分散室(D)内に設ける分散部材(7)と、前記分散
    室(D)と連通した状態で前記ケーシング(11)の下
    部に設けられ、前記回転軸(5)の回転により駆動する
    軸流ポンプ部材(18)とを具え、前記分散部材(7)
    は、前記ケーシング(11)に固定される固定子(1
    0)と、前記回転軸(5)に固定されて前記固定子(1
    0)と相対的に回転する回転子(9)とで形成し、処理
    物(C)を入れた容器(2)に前記ケーシング(11)
    を挿入した際、前記処理物(C)が、分散室(D)内に
    おいて固定子(10)と回転子(9)との間で乳化・分
    散され、こののち軸流ポンプ部材(18)を介して容器
    (2)に戻されることを特徴とする乳化分散機。
  2. 【請求項2】 前記分散部材(7)は、前記固定子(1
    0)と回転子(9)との対向する面に、放射状の溝(1
    0b)(9b)を有する環状の突出部(10a)(9
    a)が形成され、一方の突出部(10a)が相手側の突
    出部(9a)間に位置して、かつ互いに近接し、前記処
    理物(C)は、固定子(10)と回転子(9)との間で
    剪断力と繰り返しの圧力変動を受けるようになっている
    請求項1記載の乳化分散機。
  3. 【請求項3】 前記ケーシング(11)が2重壁構造に
    形成され、その壁間に熱媒体または冷媒体が流通するよ
    うにしてある請求項1記載の乳化分散機。
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