JPH0662940B2 - 螢光体 - Google Patents

螢光体

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JPH0662940B2
JPH0662940B2 JP60238695A JP23869585A JPH0662940B2 JP H0662940 B2 JPH0662940 B2 JP H0662940B2 JP 60238695 A JP60238695 A JP 60238695A JP 23869585 A JP23869585 A JP 23869585A JP H0662940 B2 JPH0662940 B2 JP H0662940B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、陰極線管に用いられる蛍光体の表面処理に関
するものであり、さらに詳しくは、蛍光体どうしの相互
汚染、又は、蛍光膜形成工程時の外的環境からの汚染に
よる蛍光体特性の物理的、化学的変化、又は劣化の少な
い蛍光体に関する。
【従来の技術】
最近、テレビジョン、コンピュータ端末などのディスプ
レイ管の発展に伴い、その表示色も多色類となり、蛍光
体に対して様々な色の要求がある。例えば緑色発光蛍光
体として、ZnS:Cu、ZnSiO:Mn、Zn
S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu、YS:Tb等、青
色発光蛍光体としてZnS:Ag、ZnS:Zn、Y
SiO:Ce、赤色発光蛍光体としてYS:E
u、Y:Eu、YVO:Eu、Zn(P
O4):Mn等、その他の発光色ではCdCl(P
O4):Mn、(Zn,Cd)S:Ag等がある。 又、単一の蛍光体で表現できない色は2種類以上の蛍光
体を混合して目的とする色を得ている。例えばCd
l(PO4):Mn+ZnS:Agの紫色発光混合蛍光
体、CdCl(PO4):Mn+ZnS:Cuの黄色発
光混合蛍光体、ZnS:Ag+(Zn,Cd)S:Cuの白色
発光混合蛍光体、ZnS:Ag+Zn(PO4):Mn
+ZnSiO:Mn,Asのライトブルー発光混合
蛍光体等がある。
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような混合蛍光体の場合、陰極線管の製
造工程中の加熱工程で、蛍光体どうしが互いに反応し
て、目的としない色に発光する蛍光体が一部生成し、全
体の色純度を低下させる問題が発生する。例えば、Zn
S:Ag+CdCl(PO4):Mn混合蛍光体の場
合、CdCl(PO4):Mnの、Cd又はMnが、Z
nS:Agの蛍光体の硫黄分と反応して蛍光膜が変色す
る現象が起き、輝度を低下させる原因となっている。 又、陰極線管製造工程で銅、鉄、ニッケル等の重金属が
混入し、汚染するという問題もある。これらについて
は、従来より、リン酸塩による表面処理(特公昭40−
28648号公報)、ZnSによる表面処理(特公昭4
7−38307号公報)等が提案されているが充分な効
果を得るに至っていない。 本発明は、従来のこれ等の欠点を除去することを目的に
開発されたもので、本発明の重要な目的は、表面組成物
で覆われて安定な蛍光体を提供することにある。 又、本発明の他の重要な目的は、複数の蛍光体を混合し
て蛍光膜を形成する場合、目的とする高純度の発光色が
得られる蛍光体を提供することにある。 更に又、本発明の他の重要な目的は、陰極線管の製造工
程に於て、重金属が混入して汚染されるのを減少できる
蛍光体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明の蛍光体は表面組成物を蛍光体粒子の表面に付着
している。表面組成物は、ホウケイ酸ガラス又はホウリ
ンケイ酸ガラスで、溶融温度以下に保持されて非ホーロ
ー質の状態で蛍光体粒子の表面に付着されている。 蛍光体の粒子の表面に付着されるホウケイ酸ガラス又は
ホウリンケイ酸ガラスは、好ましくは、SiとBとPの
含有量を蛍光体に対して1×10−3〜5重量%の範囲
とする。 これら表面組成物を蛍光体表面に被覆することにより、
蛍光体相互汚染、蛍光膜形成工程時に環境からの汚染を
受けても、汚染源が蛍光体内部へ進行することが防止さ
れる。又逆に、蛍光体内部の元素が外部に熱拡散され難
く、他の蛍光体への汚染を低減させる効果も有する。 又、本発明は上記表面組成物に加えて、アルミニウム、
亜鉛、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、マグネ
シウム等の水酸化物又は酸化物のうち少なくとも一種を
同時に表面に被覆することにより汚染防止効果を更に高
めることができる。
【作用】
本発明の蛍光体の作用、効果を調べるために、銀付活硫
化亜鉛青色発光蛍光体ZnS:Agに対し、種々の比率
でオルトホウ酸と酸化ケイ素による処理を行い、蛍光体
粒子を表面組成物で覆う本発明の蛍光体を試作し、次の
方法で銅による汚染を調べた。 本発明の蛍光体を、重クロム酸アンモニウム含有ポリビ
ニルアルコール水溶液を用いて蛍光体スラリーを調製
し、得られた蛍光体スラリーを測定用ガラス板に塗布し
乾燥する。次にCuの濃度が100ppmであるCuSO
溶液1ミリリットルを前記蛍光体塗布面に滴下し、次
いで、ブラウン管製造時のパネルベークに準じて、43
0℃で30分間ベークし、冷却後色調の測定を行った。
これを蛍光体のB、Siの付着量に対して、第1図
(a)及び第1図(b)にプロットした。 第1図(a)はBの付着量に対するCIE表色系におけ
る色調xの関係、第1図(b)は色調yとの関係を示
す。但し、Siの付着量は蛍光体に対し0.1重量%
(一定)とした。 図中△は銅汚染を受けない蛍光体の色調で、▲は表面組
成物でコートしていない従来の蛍光体の銅汚染後の色調
である。即ち、従来の蛍光体は、銅汚染によって、x値
が△の位置から▲の位置に大幅に移動して変色した。 これに対し、表面組成物でコートされた本発明の蛍光体
は、表面組成物に含まれるBの量が増加するとともにx
値、y値とも銅で汚染される前の色調値に近くなり、色
調変化が少なくなった。そして、これらx値、y値と
も、表面組成物のBの含有量が0.2重量%以上で理想
的な特性を示した。 第2図(a)は、表面組成物にBが分析値で0.1重量
%含有される蛍光体のSiの含有量に対する色調xの関
係を示し、第2図(b)は色調yとの関係を示す。この
図から明かなように表面組成物のSi含有量が増加する
とともに、x値,y値とも銅で汚染する前の色調値
(△)に近くなり、色調の変化が少なくなった。又、表
面組成物のSi含有量が0.2重量%で理想的な特性を
示した。 このことから、次の2つのことが結論される。 蛍光体のCuによる汚染は、430℃で30分間ベー
クするとき、次の反応により、銀付活硫化亜鉛蛍光体Z
nS:AgにCuが発光中心として進入し、Cuにより
緑色成分の発光を起こし、全体として、発光色が黄みが
かったものにる。 ZnS:Ag+Cu→ZnS:Ag,Cu 前記反応の抑制効果は、HBOとSiO単独で
少なく、これら両組成物が一緒に使用されたときに著し
く向上し、これがZnS:Ag蛍光体粒子に被覆される
と、銅汚染による色調の変化が極減される。 表面組成物のSi、Bの含有量は、第1図及び第2図の
結果からすれば、好ましくは蛍光体に対して0.2重量
%以上であることが望ましいが、0.2重量%以下でも
充分な効果が期待できる。反対に、表面組成物のBやS
iの含有量が多すぎると蛍光体の分散性を損なう結果と
なり、塗布特性を悪化させる。従って、分散性を考慮し
た実用的範囲は、Si、及びBの含有量が、蛍光体に対
してそれぞれ1×10−5〜5重量%、好ましくは1×
10−2〜2重量%である。 又、SiとBの組み合わせに代えて、PとBとが組み合
わされた表面組成物によっても、SiとBと同様の傾向
が確認された。
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 青色発光の銀付活硫化亜鉛蛍光体ZnS:Ag100
g、オルトホウ酸1.7g、及びコロイド状シリカ0.
3gを、純水250ミリリットル中に投入し、アンモニ
ア水でpHを8に調整した。この液から水を蒸発して乾燥
し、その後430℃で30分間ベークして本発明の蛍光
体を得た。 前記のようにしてHBOとSiOとで表面処理を
行った蛍光体は、ホウケイ酸ガラスの状態の表面組成物
を付着しており、BとSiの含有量は、蛍光体に対し
て、Bが0.267重量%、Siが0.246重量%で
あった。430℃でベークされたホウケイ酸ガラスは、
この温度では溶融されずに非ホーロー質の状態で蛍光体
粒子の表面に付着される。ちなみに、ホウケイ酸ガラス
の軟化温度は900℃である。 ところが、本明細書に於て、蛍光体に対して、表面付着
物の含有量を重量%で表示するとき、基準となる蛍光体
には表面付着物を含まない。 前記のようにして得た蛍光体を、重クロム酸アンモニウ
ム含有のポリビニルアルコール水溶液を用いて、通常の
方法で蛍光体スラリーを調製し、得られる蛍光体スラリ
ーを測定用ガラス板に塗布し乾燥した。 その後、Cuの濃度が100ppmのCuSO溶液を前
記蛍光体塗布面に滴下し、430℃で30分間ベークし
た。冷却後、体色(目視)、発光色及び発光スペクトル
の測定を行った。 本発明の蛍光体の表面組成物である、ホウケイ酸ガラス
が付着されていない、従来の青色発光の、銀付活硫化亜
鉛蛍光体を同様にしてガラス板に塗布し、前述と同様の
銅汚染を施したものと比較した。 その結果を第1表に示す。 第1表に示すように、従来の蛍光体は、銅の汚染を受け
て、発光色の色調及び体色とも変化を起こしたが、実施
例1の蛍光体はほとんど変化しなかった。 Cu汚染に依って、蛍光体の発光スペクトルがどのよう
に変化するかを、第3図の発光スペクトルの測定結果に
示す。曲線aは銅汚染を受ける前の蛍光体の発光スペク
トルを示し、曲線bは銅汚染を受けた後の従来の蛍光体
の特性を示し、曲線cは本発明の蛍光体が銅汚染を受け
た後の発光スペクトルである。 曲線a、cにより、本発明の蛍光体は、汚染を受ける前
後で発光スペクトルがほとんど同一で、表面組成物によ
り、汚染を防止していることが明らかである。 実施例2. マンガン付活塩化オルト燐酸カドミウム蛍光体、Cd
Cl(PO4):Mnを100g、HBOを3.4
g、コロイド状シリカを0.6g、純水250ミリリッ
トル中に投入して、カセイソーダ水溶液でpHを8に調整
して充分攪拌し、水分を蒸発させて乾燥し、本発明の蛍
光体を得た。得られた蛍光体の表面には、BとPとSi
とを含有するホウリンケイ酸ガラスである非ホーロー質
の表面組成物が付着していた。 得られた本発明の蛍光体を、実施例1で得られた本発明
の青色発光蛍光体に重量比で1:1の割合で混合し、そ
の後、実施例1と同様の方法で、測定用ガラス板に塗布
して乾燥した。これを430℃で30分間ベークし、冷
却後目視及び色調の測定を行った。 一方、従来の混合発光蛍光体として、表面組成物でコー
トされていない従来の、アンバー色発光マンガン付活塩
化オルト燐酸カドミウム蛍光体CdCl(PO4):M
nと、表面組成物でコートされていないZnS:Ag青
色発光蛍光体の混合物を作り、これを前述の方法と同様
の方法でガラス板に塗布し、その後、430℃で30分
間ベークし、冷却後、体色の目視、及び色調の測定を行
った。 本発明の混合発光蛍光体と、従来の混合発光蛍光体がベ
ーク後発光スペクトルが変化する状態の結果を第2表
と、第4図及び第5図に示す。 第2表に示すように、従来の混合物蛍光体は、加熱(ベ
ーク)により発光色の色調、x値が0.245から0.
341に、y値が0.159から0.293へと相当変
化し、体色が白色から灰色に変化したのに対し、本発明
の蛍光体は、x値が0.246から0.248に、y値
が0.158から0.161へとほとんど変化せず、目
視による体色の変化は認められなかった。 また、本発明の混合発光蛍光体は、第4図の曲線a、b
に示すように、ベーク後も発光スペクトルがほとんど変
化しなかった。 第4図の曲線aはベーク前の蛍光体の発光スペクトル
で、曲線bは本発明の混合発光蛍光体のベーク後の発光
スペクトルである。 一方、従来の混合発光蛍光体は、第5図に示すように、
べーく後発光スペクトルが大幅に変化した。第5図に於
て、曲線aはべーく前の発光スペクトルを示し、曲線b
はベーク後の発光スペクトルを示す。 実施例3. 20ミリリットルの水にHBOを1.5g、(NH4)
HPOを0.9g、コロイド状シリカ0.4gを投
入し、アンモニア水でpHを8に調整する。このようし
て、被覆物の水溶液を得る。 他方、250ミリリットルのメタノールに、ZnS:A
g青色発光蛍光体100gを投入し、蛍光体懸濁液とす
る。 この蛍光体懸濁液に、被覆物の水溶液をゆっくり添加す
ると、沈澱を生じる。この懸濁液を脱水し、その後、乾
燥して本発明の蛍光体を得た。このようにして製作され
た蛍光体は、BとPとSiとを含有するホウリンケイ酸
ガラスの状態である表面組成物を蛍光体粒子の表面に付
着していた。この蛍光体は分析の結果、Bが蛍光体10
0重量%に対して、0.210重量%、Pが0.184
重量%、Siが0.252重量%であった。 実施例1と同様の条件にしてCu汚染試験をしたとこ
ろ、色調、発光スペクトル共に変化しなかった。 実施例4. 20ミリリットルの水に、HBOを2.0g、(N
H4)HPOを1.0g、コロイド状シリカを0.4
g、Mg(NO3)を1.0gを投入し、アンモニア水でp
Hを8に調整する。このようして被覆物の水溶液を得
る。 他方、250ミリリットルのメタノールにZnS:Ag
青色発光蛍光体100gを投入し、蛍光体懸濁液とす
る。この蛍光体懸濁液に、被覆物の水溶液をゆっくり添
加すると、沈澱を生じる。この沈殿物を脱水乾燥し、そ
の後430℃で30分間ベークして本発明の蛍光体を得
た。 このようにして製作された蛍光体は、BとPとSiとM
nとを含有するホウリンケイ酸ガラスの表面組成物を蛍
光体粒子の表面に付着していた。分析の結果この蛍光体
は、Bの含有量が0.281重量%、Pが0.196重
量%、Siが0.263重量%、及びMgが0.510
重量%であた。 実施例1と同様のCu汚染試験をしたところ、色調、発
光スペクトル共に変化はなかった。 実施例5. 20ミリリットルの水にHBOを1.8g、(NH4)
HPOを0.8g、コロイド状シリカを0.2gを
投入し、アンモニア水でpHを8に調整する。このようし
て被覆物の水溶液を得る。 他方、250ミリリットルのメタノールに(Zn,cd)S:
Cu黄色発光蛍光体100gを投入し、蛍光体懸濁液と
する。この蛍光体懸濁液に被覆物の水溶液をゆっくりと
添加すると沈澱を生じる。この沈澱物を脱水乾燥し、そ
の後430℃で30分間ベークして本発明の蛍光体を得
た。このようにして製作された蛍光体は、BとPとSi
とを含有するホウリンケイ酸ガラスの表面組成物が蛍光
体粒子の表面に付着されていた。 このものを6割、実施例1の蛍光体を4割の比で混合
し、白黒蛍光体となし、酢酸バリウムとケイ酸カリウム
溶液を用いて沈澱膜をつくり、実施例2と同様のベーク
試験をしたところ、色調、発光スペクトルとも変化しな
かった。 実施例6. 実施例2で得られたアンバー色発光蛍光体CdCl(P
O4):Mnを65.2重量%、実施例4で得られた青
色発光蛍光体ZnS:Agを11.0重量%及び緑色発
光蛍光体ZnSiO:Mn,Asを23.8重量%
を混合し、ペーパーホワイト発光色として、Ba(CH3CO
O)とKSiO溶液にて沈澱膜とし、430℃で3
0分間ベークしたところ、色調、発光スペクトルとも変
化しなかった。
【発明の効果】
本発明の陰極線管用の蛍光体は、特定の表面組成物で蛍
光体粒子の表面を被覆する。表面組成物は、非ホーロー
質で、ホウケイ酸ガラス又はホウリンケイ酸ガラスであ
る。この表面組成物で被覆された陰極線管用の蛍光体
は、複数の蛍光体を混合して蛍光膜を形成するとき、目
的とする高純度の発光色とすることができる。それは、
表面組成物が蛍光体粒子を安定に保護するからである。
安定に保護された蛍光体は、陰極線管を製造する加熱工
程で、複数の蛍光体が互いに反応して、目的としない色
に発光する蛍光体を生成することがない。このため、複
数の蛍光体を使用しても色純度が低下することがなく、
高純度の発光色とすることができる。 この特長は、第5図と第4図から明白である。第4図は
本発明の蛍光体のベーク前後の発光スペクトルを示して
いる。第5図は従来の蛍光体のベーク前後の発光スペク
トルを示している。これらの図は、CdCl(P
O4):Mn蛍光体と、ZnS:Ag蛍光体とを混合し
たものを、陰極線管の製造工程と同じように、430℃
で30分ベークして、前後の発光スペクトルの変化を示
したものである。第5図に示す従来の蛍光体は、ベーク
の前後に著しく発光スペクトルが変化するが、第4図に
示す本発明の蛍光体は、ベークの前後における発光スペ
クトルの相違が極めて微小である。 さらに、本発明の陰極線管用の蛍光体は、陰極線管の製
造工程において重金属が混入して発光色が変化するのも
効果的に防止できる。それは、蛍光体の表面を特定の表
面組成物で被覆して、蛍光体を安定に保護しているから
である。第3図は、銅が混入して、ZnS:Ag蛍光体
の発光色を変化させる状態を示している。曲線aは、銅
に汚染されない蛍光体の発光スペクトル、曲線bは銅で
汚染した従来の蛍光体の発光スペクトル、曲線cは銅で
汚染した本発明の蛍光体の発光スペクトルである。曲線
cで示すように、本発明の蛍光体は、銅に汚染されて発
光スペクトルが変化するのを極減できる優れた特性があ
る。 さらに又、本発明の陰極線管用の蛍光体の特筆すべき特
長は、表面組成物によって蛍光体を極めて安定に保護で
きるにもかかわらず、蛍光体の発光特性の低下を極減で
きることにある。それは、本発明の蛍光体が、非ホーロ
ーのガラス質である表面組成物で蛍光体粒子表面を被覆
していることが理由である。 蛍光体の粒子表面を被覆する表面組成物は、溶融温度よ
りも高温に加熱すると溶融してホーロー質となる。ホー
ロー質の表面組成物は、蛍光体粒子を安定に保護でき
る。しかしながら、ホーロー質の表面組成物で被覆した
蛍光体を陰極線管に使用すると、電子線の励起効率が低
下してしまう欠点がある。電子線が直接に蛍光体を励起
できず、ホーロー質の表面組成物を透過して蛍光体を励
起するからである。したがって、ホーロー質の表面組成
物で被覆した蛍光体は、発光スペクトルを変えないこと
において優れた特長を備えるが、蛍光体にとってもっと
も大切な発光効率が低下してしまう欠点がある。本発明
の蛍光体は、電子線で励起される陰極線管に使用するも
のである。電子線の発光効率が低下する方法は、たとえ
発光スペクトルが変化しない優れた特長があっても、実
際には到底採用できない。本発明の陰極線管用の蛍光体
は、表面組成物の組成と、その含有量とを特定のものに
することにより、非ホーローの表面組成物として、蛍光
体を安定に保護する。このため、蛍光体にとって極めて
大切な発光特性の低下を極減して、発光色の変化を効果
的に防止できる優れた特長を実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第2図は、B又はSiの付着量に対する色
調の変化を示すグラフ、第3図は銅汚染による発光スペ
クトルの変化を示すグラフ、第4図及び第5図はべーク
前後の発光スペクトルの変化を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホウケイ酸ガラス又はホウリンケイ酸ガラ
    スである表面組成物が、溶融温度以下に保持されて非ホ
    ーロー質の状態で蛍光体粒子の表面に付着されてなるこ
    とを特徴とする陰極線管用の蛍光体。
  2. 【請求項2】表面組成物中のSiの含有量は、蛍光体に
    対して1×10−5〜5重量%の範囲である特許請求の
    範囲第(1)項記載の陰極線管用の蛍光体。
  3. 【請求項3】表面組成物中のBの含有量が、蛍光体に対
    して1×10−5〜5重量%の範囲にある特許請求の範
    囲第(1)項記載の陰極線管用の蛍光体。
  4. 【請求項4】蛍光体が、ZnS:Ag、ZnS:Ag,
    Al、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Al、CdCl
    (PO4):Mn、(Zn,Cd)S:Cu、ZnSiO:M
    n,As、ZnSiO:Mnのいずれかである特許
    請求の範囲第(1)項記載の陰極線管用の蛍光体。
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