JPH0662999B2 - 銀面のきめがこまやかで腰が強くしなやかなクロム革を製造する方法 - Google Patents
銀面のきめがこまやかで腰が強くしなやかなクロム革を製造する方法Info
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- JPH0662999B2 JPH0662999B2 JP5628488A JP5628488A JPH0662999B2 JP H0662999 B2 JPH0662999 B2 JP H0662999B2 JP 5628488 A JP5628488 A JP 5628488A JP 5628488 A JP5628488 A JP 5628488A JP H0662999 B2 JPH0662999 B2 JP H0662999B2
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- C14C—CHEMICAL TREATMENT OF HIDES, SKINS OR LEATHER, e.g. TANNING, IMPREGNATING, FINISHING; APPARATUS THEREFOR; COMPOSITIONS FOR TANNING
- C14C3/00—Tanning; Compositions for tanning
- C14C3/02—Chemical tanning
- C14C3/04—Mineral tanning
- C14C3/06—Mineral tanning using chromium compounds
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、銀面のきめがこまやかなクロム革を製造する
方法に関する。詳しくは、アルカリ性状態にある裸皮
に、クロム(V)あるいはクロム(IV)の特性を利用す
るクロム鞣しを施することにより、従来のクロム鞣しで
は得られなかった、銀面のきめがこまやかで腰が強くし
なやかな、しぼの細かいクロム革を得るクロム鞣し方法
に関する、さらに詳しくは、アルカリ性のクロム(VI)
酸塩溶液に浸漬し、液を充分に内部に浸透させかつ溶液
のアルカリ性に馴染ませた裸皮を、弱酸性ないしアルカ
リ性の還元性溶液に浸漬することにより現れる、クロム
(VI)酸イオンの還元反応と並行するクロム鞣し作用を
利用することを特徴とする、従来法のクロム鞣し(一浴
法)では得られない銀面のきめのこまやかで腰が強くし
なやかな、しぼの細かいクロム革を製造する方法に関す
る。
方法に関する。詳しくは、アルカリ性状態にある裸皮
に、クロム(V)あるいはクロム(IV)の特性を利用す
るクロム鞣しを施することにより、従来のクロム鞣しで
は得られなかった、銀面のきめがこまやかで腰が強くし
なやかな、しぼの細かいクロム革を得るクロム鞣し方法
に関する、さらに詳しくは、アルカリ性のクロム(VI)
酸塩溶液に浸漬し、液を充分に内部に浸透させかつ溶液
のアルカリ性に馴染ませた裸皮を、弱酸性ないしアルカ
リ性の還元性溶液に浸漬することにより現れる、クロム
(VI)酸イオンの還元反応と並行するクロム鞣し作用を
利用することを特徴とする、従来法のクロム鞣し(一浴
法)では得られない銀面のきめのこまやかで腰が強くし
なやかな、しぼの細かいクロム革を製造する方法に関す
る。
さらにまた、本発明は弱アルカリ性の条件下における裸
皮あるいは、前記と同様の条件下におけるコラーゲン蛋
白よりなる未鞣しの人工皮膚、手術用縫合糸または人工
臓器のクロム鞣し方法に関する。さらに詳しくは、前記
の物品を弱アルカリ性のクロム(VI)酸塩溶液に浸漬
し、充分に液を組織の内部に浸透させ、且つ液に馴染ま
せた裸皮あるいはコラーゲンよりなる未鞣しの人工皮
膚、手術用縫合糸、人工臓器を弱アルカリ性の還元液に
浸漬することによる裸皮またはコラーゲンよりなる物品
のクロム鞣しに関する。
皮あるいは、前記と同様の条件下におけるコラーゲン蛋
白よりなる未鞣しの人工皮膚、手術用縫合糸または人工
臓器のクロム鞣し方法に関する。さらに詳しくは、前記
の物品を弱アルカリ性のクロム(VI)酸塩溶液に浸漬
し、充分に液を組織の内部に浸透させ、且つ液に馴染ま
せた裸皮あるいはコラーゲンよりなる未鞣しの人工皮
膚、手術用縫合糸、人工臓器を弱アルカリ性の還元液に
浸漬することによる裸皮またはコラーゲンよりなる物品
のクロム鞣しに関する。
現今においては、裸皮、その他コラーゲンよりなる物品
に適用されているクロム鞣しは主に「一浴クロム鞣し
法」である。この方法は過去100年間にわたり行なわれ
て来ており、クロム鞣剤として塩基性クロム(III)塩
(主に硫酸塩)が用いられ、その適当の濃度の水溶液
(クロム鞣液)中に裸皮を漬けながら液のpHが2.5ない
し3.8の酸性の狭い範囲において時間をかけてクロム鞣
しする。
に適用されているクロム鞣しは主に「一浴クロム鞣し
法」である。この方法は過去100年間にわたり行なわれ
て来ており、クロム鞣剤として塩基性クロム(III)塩
(主に硫酸塩)が用いられ、その適当の濃度の水溶液
(クロム鞣液)中に裸皮を漬けながら液のpHが2.5ない
し3.8の酸性の狭い範囲において時間をかけてクロム鞣
しする。
また一浴法の以前には二浴法のクロム鞣しが行われた
が、これは裸皮を二クロム酸(重クロム酸)の酸性液に
漬け、これを皮にしみこませてからチオ硫酸塩酸溶液に
漬けて、還元により生ずるクロム(III)により鞣しを
行なったものであるが、反応の液性はすべて酸性側であ
った。前記のように従来のクロム鞣しではいずれも酸性
浴液内で行なっている。
が、これは裸皮を二クロム酸(重クロム酸)の酸性液に
漬け、これを皮にしみこませてからチオ硫酸塩酸溶液に
漬けて、還元により生ずるクロム(III)により鞣しを
行なったものであるが、反応の液性はすべて酸性側であ
った。前記のように従来のクロム鞣しではいずれも酸性
浴液内で行なっている。
クロム鞣剤中のクロム(III)はpH4以上では容易に水酸
化クロム(III)様の濁りや沈殿が析出する。この現象
はクロム鞣しの効率を著しく低下するとともに製品の劣
化を招くことが挙げられる。従って、従来のクロム鞣し
においては、その直前に裸皮を酸性に馴染ませる目的で
ピックリング処理が必ず施されている。
化クロム(III)様の濁りや沈殿が析出する。この現象
はクロム鞣しの効率を著しく低下するとともに製品の劣
化を招くことが挙げられる。従って、従来のクロム鞣し
においては、その直前に裸皮を酸性に馴染ませる目的で
ピックリング処理が必ず施されている。
ジェー・エイチ・ハイベルガー(J.H.Highbeger)は、
ジーエーエルシーエー(JALCA)31,345(1936)に、そ
れぞれpHの異なる水溶液に浸したステアハイド数片の膨
潤度は、浸漬液のpH値が7〜10の範囲で最小となったと
報告している。この実験結果はpH7〜10の範囲において
裸皮のコラーゲン組織が最も密になるということを示し
ていると考えられる。故に、コラーゲンからなる銀面の
組織も同様の条件下で最も密になると考えられる。即
ち、革そのものの組織も密になり、その結果、腰が強く
しなやかになる。このことを実際に調べる目的で、同一
のステア半裁から切り取った裸皮片について前記文献と
同様の実験を行ったところ、アルカリ性水溶液(5%食
塩を含む)に浸漬した試料の銀面は、中性ないし酸性溶
液(5%食塩を含む)に浸した試料のそれよりきめがこ
まやかで腰が強くしなやかになることが確認された。た
だし、このように銀面のきめがこまやかであることが認
められるのは浸漬液のpHが9以上のアルカリ性の場合で
あり、pH7〜8.5では明確には認められなかった。このこ
とは前記の文献のコラーゲン蛋白な最小膨潤度の示すpH
との間にかなりずれがあることを示唆する。
ジーエーエルシーエー(JALCA)31,345(1936)に、そ
れぞれpHの異なる水溶液に浸したステアハイド数片の膨
潤度は、浸漬液のpH値が7〜10の範囲で最小となったと
報告している。この実験結果はpH7〜10の範囲において
裸皮のコラーゲン組織が最も密になるということを示し
ていると考えられる。故に、コラーゲンからなる銀面の
組織も同様の条件下で最も密になると考えられる。即
ち、革そのものの組織も密になり、その結果、腰が強く
しなやかになる。このことを実際に調べる目的で、同一
のステア半裁から切り取った裸皮片について前記文献と
同様の実験を行ったところ、アルカリ性水溶液(5%食
塩を含む)に浸漬した試料の銀面は、中性ないし酸性溶
液(5%食塩を含む)に浸した試料のそれよりきめがこ
まやかで腰が強くしなやかになることが確認された。た
だし、このように銀面のきめがこまやかであることが認
められるのは浸漬液のpHが9以上のアルカリ性の場合で
あり、pH7〜8.5では明確には認められなかった。このこ
とは前記の文献のコラーゲン蛋白な最小膨潤度の示すpH
との間にかなりずれがあることを示唆する。
アルカリ性状態にある裸皮にクロム鞣しを施すのには、
従来のクロム鞣し法は適当ではない。その理由の一つ
は、クロム(III)イオンが代表的な置換不活性な金属
イオンであり、従って裸皮のコラーゲン繊維組織中の遊
離のアミノ基、カルボキシルイオン等との配位速度が著
しく小さいことである。いま一つの理由は、pH4以上の
溶液内では、容易にクロム(III)イオンが水に難溶性
のクロム(III)水酸化物様の濁りや沈殿を生成するこ
とである。これらは裸皮の鞣し効果を著しく低下する。
従来のクロム鞣し法は適当ではない。その理由の一つ
は、クロム(III)イオンが代表的な置換不活性な金属
イオンであり、従って裸皮のコラーゲン繊維組織中の遊
離のアミノ基、カルボキシルイオン等との配位速度が著
しく小さいことである。いま一つの理由は、pH4以上の
溶液内では、容易にクロム(III)イオンが水に難溶性
のクロム(III)水酸化物様の濁りや沈殿を生成するこ
とである。これらは裸皮の鞣し効果を著しく低下する。
アルカリ性状態にある裸皮に適したクロム鞣し法を探索
するために、いろいろと考察し実験を試みた。その結
果、クロム(III)の代わりにクロム(V)イオンある
いはクロム(IV)イオンを利用するクロム鞣し方法が有
効であることを見出した。
するために、いろいろと考察し実験を試みた。その結
果、クロム(III)の代わりにクロム(V)イオンある
いはクロム(IV)イオンを利用するクロム鞣し方法が有
効であることを見出した。
本願発明の目的は、アルカリ性状態にある裸皮に、クロ
ム(V)イオンおよび(または)クロム(IV)イオンを
利用するクロム鞣しを施すことによる銀面のきめがこま
やかなクロム革を製造する方法を提供することである。
ム(V)イオンおよび(または)クロム(IV)イオンを
利用するクロム鞣しを施すことによる銀面のきめがこま
やかなクロム革を製造する方法を提供することである。
すなわち、本発明はステア、キップ、カーフあるいは牛
以外の獣の裸皮(以下、Aと記す)を、pH8.6以上のア
ルカリ性のクロム(VI)酸塩を含み且つ必要に応じてマ
スキング剤を含む溶液(以下、Bと記す)に浸して充分
にクロム(VI)酸塩溶液を皮の内部に浸透させてから取
り出し、pH3.5ないし10.5であり且つ必要に応じてマス
キング剤を含む還元性溶液(以下、Cと記す)に浸すこ
とを特徴とする銀面のきめがこまやかな、しぼが細かい
クロム革の製造方法である。
以外の獣の裸皮(以下、Aと記す)を、pH8.6以上のア
ルカリ性のクロム(VI)酸塩を含み且つ必要に応じてマ
スキング剤を含む溶液(以下、Bと記す)に浸して充分
にクロム(VI)酸塩溶液を皮の内部に浸透させてから取
り出し、pH3.5ないし10.5であり且つ必要に応じてマス
キング剤を含む還元性溶液(以下、Cと記す)に浸すこ
とを特徴とする銀面のきめがこまやかな、しぼが細かい
クロム革の製造方法である。
前記溶液BのpHが8.6以上であれば、溶液内のクロム(V
I)酸の酸化作用は著しくなく、裸皮およびコラーゲン
組成の物品を損わない。また銀面のきめがこまやかの状
態を保つことができる。しかし溶液BのpHが11以上で
は、裸皮およびコラーゲン組成の物品が膨潤し、さらに
加水分解を受けるので溶液BのpHは9.6〜11が好適であ
る。
I)酸の酸化作用は著しくなく、裸皮およびコラーゲン
組成の物品を損わない。また銀面のきめがこまやかの状
態を保つことができる。しかし溶液BのpHが11以上で
は、裸皮およびコラーゲン組成の物品が膨潤し、さらに
加水分解を受けるので溶液BのpHは9.6〜11が好適であ
る。
また、可溶化コラーゲンを再生することにより製造され
る未鞣し状態の人工皮膚、手術用縫合糸、人工臓器など
も、pH4以下の溶液内に浸漬すれば容易に膨潤し、膠着
を起こし、さらには溶解するのでホルームアルデヒド、
グルタルアルデヒドなどの前鞣しを行う必要がある。故
に、中性ないしアルカリ性の液性におけるクロム鞣し方
法が要望されていた。
る未鞣し状態の人工皮膚、手術用縫合糸、人工臓器など
も、pH4以下の溶液内に浸漬すれば容易に膨潤し、膠着
を起こし、さらには溶解するのでホルームアルデヒド、
グルタルアルデヒドなどの前鞣しを行う必要がある。故
に、中性ないしアルカリ性の液性におけるクロム鞣し方
法が要望されていた。
本発明は、この課題をも解決することができる。すなわ
ち、本発明は、可溶化コラーゲンを再生して製造した未
鞣し状態の人工皮膚、手術用縫合糸またはその他の人工
臓器を、pH8.6以上のアルカリ性のクロム(VI)酸塩を
含む溶液(必要に応じてマスキング剤を含む)に浸して
充分にクロム(VI)酸塩溶液を前記物品の内部に浸透さ
せてから取出し、pH3.5ないし10.5の還元性溶液(必要
に応じてマスキング剤を含む)に浸す方法を提供する。
ち、本発明は、可溶化コラーゲンを再生して製造した未
鞣し状態の人工皮膚、手術用縫合糸またはその他の人工
臓器を、pH8.6以上のアルカリ性のクロム(VI)酸塩を
含む溶液(必要に応じてマスキング剤を含む)に浸して
充分にクロム(VI)酸塩溶液を前記物品の内部に浸透さ
せてから取出し、pH3.5ないし10.5の還元性溶液(必要
に応じてマスキング剤を含む)に浸す方法を提供する。
また本発明は、前記の本発明の方法による鞣しを施され
た革、または前記の本発明の方法による処理を受けた物
品に、さらに従来法のクロム鞣しまたはその他の方法に
よる鞣しを再鞣的に行なうことができる。すなわち、こ
のように本発明の方法によって前鞣しされたクロム革
に、さらに従来のクロム鞣し、タンニン鞣し、アルミナ
鞣し、合成タンニン鞣し、ジルコニウム鞣しのどを施し
た場合にも、本発明の方法によるクロム革にみられるき
めこまやかな銀面を維持し、革そのものの組織の腰も強
くしなやかにすることができる。故に、本発明は前記の
本発明の方法による鞣しを施された革、または前記の本
発明の方法による鞣し処理を受けた物品に、さらに従来
法のクロム鞣しまたはその他の方法による鞣しを再鞣し
的に行なう方法を提供する。
た革、または前記の本発明の方法による処理を受けた物
品に、さらに従来法のクロム鞣しまたはその他の方法に
よる鞣しを再鞣的に行なうことができる。すなわち、こ
のように本発明の方法によって前鞣しされたクロム革
に、さらに従来のクロム鞣し、タンニン鞣し、アルミナ
鞣し、合成タンニン鞣し、ジルコニウム鞣しのどを施し
た場合にも、本発明の方法によるクロム革にみられるき
めこまやかな銀面を維持し、革そのものの組織の腰も強
くしなやかにすることができる。故に、本発明は前記の
本発明の方法による鞣しを施された革、または前記の本
発明の方法による鞣し処理を受けた物品に、さらに従来
法のクロム鞣しまたはその他の方法による鞣しを再鞣し
的に行なう方法を提供する。
自然界においては、クロム金属イオンとしてクロム(II
I)およびクロム(VI)酸イオンのみが安定である。そ
れ以外のクロム(II)、クロム(IV)およびクロム
(V)イオンな一般にはいずれも不安定であり容易に酸
化もしくは還元を受けてクロム(III)あるいはクロム
(VI)酸イオンに変化する傾向がある。クロム(V)ま
たはクロム(IV)を、それらの塩の結晶として取り出す
ことも、また溶液として長時間変化せずに保存すること
もほとんど不可能であるので、本発明のクロム鞣し用に
これらのクロム金属イオンの安定な溶液を調整すること
は出来ない。
I)およびクロム(VI)酸イオンのみが安定である。そ
れ以外のクロム(II)、クロム(IV)およびクロム
(V)イオンな一般にはいずれも不安定であり容易に酸
化もしくは還元を受けてクロム(III)あるいはクロム
(VI)酸イオンに変化する傾向がある。クロム(V)ま
たはクロム(IV)を、それらの塩の結晶として取り出す
ことも、また溶液として長時間変化せずに保存すること
もほとんど不可能であるので、本発明のクロム鞣し用に
これらのクロム金属イオンの安定な溶液を調整すること
は出来ない。
また、酸性溶液におけるクロム(VI)〔酸性溶液ではク
ロム(VI)酸は主として二クロム(VI)酸となる。〕イ
オンの還元過程でクロム(IV)、クロム(V)イオンが
生ずるということはケー・ヤブレツインスキー(K.Jabl
czinski),ツアイトシュリフト・アンオルガ・ヘミー
(Z.anorg,Chem.),60,38〜49(1908)およびその他の
文献にみられるが、弱酸性殊にアルカリ性溶液における
クロム(VI)酸イオンの還元でのこれらクロム金属イオ
ンの生成に関する文献は全く見当らない。しかしなが
ら、本発明のクロム(VI)酸イオンの還元に適用される
条件下において、これらのクロム(V)、クロム(IV)
イオンが生成しているであろうことが、以下の説明から
推論される。
ロム(VI)酸は主として二クロム(VI)酸となる。〕イ
オンの還元過程でクロム(IV)、クロム(V)イオンが
生ずるということはケー・ヤブレツインスキー(K.Jabl
czinski),ツアイトシュリフト・アンオルガ・ヘミー
(Z.anorg,Chem.),60,38〜49(1908)およびその他の
文献にみられるが、弱酸性殊にアルカリ性溶液における
クロム(VI)酸イオンの還元でのこれらクロム金属イオ
ンの生成に関する文献は全く見当らない。しかしなが
ら、本発明のクロム(VI)酸イオンの還元に適用される
条件下において、これらのクロム(V)、クロム(IV)
イオンが生成しているであろうことが、以下の説明から
推論される。
クロム(VI)からクロム(III)への還元反応は全体と
してみれば3個の電子の移動を伴う。これに対して本発
明に使用するクロム(VI)に対する還元剤(SO3 2 −、
S2O3 2 −、S2O4 2 −)はいずれも還元に与る移
動電子数は1個または2個であり(ラティマー(Latime
r);酸化電位(Oxidation Potentials)第2版,(195
2)、プレンテイス・ハール(Prentice Hall)〕、3個
ではない。このことは、反応速度論の立場から考えれば
クロム(VI)から直接にクロム(III)を生ずることは
なく中間生成物としてのクロム(V)あるいはクロム
(IV)を経由していると考えられる。
してみれば3個の電子の移動を伴う。これに対して本発
明に使用するクロム(VI)に対する還元剤(SO3 2 −、
S2O3 2 −、S2O4 2 −)はいずれも還元に与る移
動電子数は1個または2個であり(ラティマー(Latime
r);酸化電位(Oxidation Potentials)第2版,(195
2)、プレンテイス・ハール(Prentice Hall)〕、3個
ではない。このことは、反応速度論の立場から考えれば
クロム(VI)から直接にクロム(III)を生ずることは
なく中間生成物としてのクロム(V)あるいはクロム
(IV)を経由していると考えられる。
クロム革は、クロム(III)と皮とが結合した状態を指
すから、クロム(V)やクロム(IV)を利用するクロム
鞣しにおいても裸皮と結合したこれらのクロム金属イオ
ンを最終的にはクロム(III)に還元する必要がある。
この点を考慮するならば、クロム(VI)酸イオンをクロ
ム(III)に還元する過程で生成するクロム金属イオン
を利用する方法が、合理的であると推察されるので、こ
の方針に沿いクロム鞣しの条件設定を試みた。その具体
的な実験項目のうちで特に重要でありかつ技術的に困難
な点は、 イ) クロム(VI)酸イオンの還元により生成する短寿
命のクロム(V)またはクロム(IV)と、裸皮のコラー
ゲン繊維のアミノ基、カルボキシルイオンとの間の結合
を効率良く行わせること、 ロ) 反応の副生成物であるコロム(III)水酸化物様
の沈澱の生成を抑えることである。
すから、クロム(V)やクロム(IV)を利用するクロム
鞣しにおいても裸皮と結合したこれらのクロム金属イオ
ンを最終的にはクロム(III)に還元する必要がある。
この点を考慮するならば、クロム(VI)酸イオンをクロ
ム(III)に還元する過程で生成するクロム金属イオン
を利用する方法が、合理的であると推察されるので、こ
の方針に沿いクロム鞣しの条件設定を試みた。その具体
的な実験項目のうちで特に重要でありかつ技術的に困難
な点は、 イ) クロム(VI)酸イオンの還元により生成する短寿
命のクロム(V)またはクロム(IV)と、裸皮のコラー
ゲン繊維のアミノ基、カルボキシルイオンとの間の結合
を効率良く行わせること、 ロ) 反応の副生成物であるコロム(III)水酸化物様
の沈澱の生成を抑えることである。
イ)におけるクロム(V)イオンあるいはクロム(IV)
イオンと、裸皮の官能基との間の結合反応が液相と固相
間の不均一系反応であることおよびそれらのクロム金属
イオンが短寿命であることは、反応の収率を低下させる
要因となる。しかしクロム(V)およびクロム(IV)が
置換活性であるという特性は、コラーゲン繊維のアミノ
基やカルボキシルイオンとの配位を速めるので、イ)に
挙げたようなクロム金属イオンと裸皮の官能基間の配位
反応の効率を向上するのに効果があると判断される。
イオンと、裸皮の官能基との間の結合反応が液相と固相
間の不均一系反応であることおよびそれらのクロム金属
イオンが短寿命であることは、反応の収率を低下させる
要因となる。しかしクロム(V)およびクロム(IV)が
置換活性であるという特性は、コラーゲン繊維のアミノ
基やカルボキシルイオンとの配位を速めるので、イ)に
挙げたようなクロム金属イオンと裸皮の官能基間の配位
反応の効率を向上するのに効果があると判断される。
ロ)については還元液C中に生ずるクロム(V)または
クロム(IV)イオンのうちには皮の官能基と配位結合を
しないままでクロム(III)に還元されてしまうものも
あるから、還元液CのpHが4以上であり、かつ溶液内に
クロム金属イオンと結合する物質を含まない場合には、
それらはクロム(III)水酸化物として濁りまたは沈殿
となる。これを抑えるには、適当なマスキング剤をクロ
ム(VI)酸溶液Bまたは還元液Cあるいは両液中に加え
ておくことが必要である。
クロム(IV)イオンのうちには皮の官能基と配位結合を
しないままでクロム(III)に還元されてしまうものも
あるから、還元液CのpHが4以上であり、かつ溶液内に
クロム金属イオンと結合する物質を含まない場合には、
それらはクロム(III)水酸化物として濁りまたは沈殿
となる。これを抑えるには、適当なマスキング剤をクロ
ム(VI)酸溶液Bまたは還元液Cあるいは両液中に加え
ておくことが必要である。
マスキング剤としては、燐酸塩またはその他の無機塩
類、あるいはギ酸のような有機カルボン酸を例示するこ
とができる。このマスキング剤は溶液B中に0.5〜3%
の濃度で、溶液C中には有機カルボン酸を使用する湿潤
状態の裸皮重量の1.0〜4.5%使用する。しかし溶液Bお
よびC中に、遊離のアンモニア濃度としてアンモニアを
0.7%以上含む場合には、前記両液へのマスキング剤の
添加は必ずしも必要ではない。
類、あるいはギ酸のような有機カルボン酸を例示するこ
とができる。このマスキング剤は溶液B中に0.5〜3%
の濃度で、溶液C中には有機カルボン酸を使用する湿潤
状態の裸皮重量の1.0〜4.5%使用する。しかし溶液Bお
よびC中に、遊離のアンモニア濃度としてアンモニアを
0.7%以上含む場合には、前記両液へのマスキング剤の
添加は必ずしも必要ではない。
このマスキング剤の配位によって生成した、水に可溶性
のクロム(III)錯体がゆっくりと皮の官能基と置換反
応を起こすことが最も望ましい。または置換反応を起こ
すことなく流れ去っても良い。
のクロム(III)錯体がゆっくりと皮の官能基と置換反
応を起こすことが最も望ましい。または置換反応を起こ
すことなく流れ去っても良い。
すなわち、還元性溶液Cがアンモニアアルカリ性でない
場合には、クロム(VI)酸塩溶液B中に燐酸塩のような
無機酸塩またはギ酸のような有機カルボン酸をマスキン
グ剤として添加したが、これが0.5%以下では還元性溶
液C中に水酸化クロム(III)様の濁りもしくは沈殿を
生じやすくなる。しかし3%以上では逆に裸皮やコラー
ゲン組成の物品への結合クロム量が減少することと、燐
酸塩の場合には特にクロム革が緑色を帯びてくる。溶液
C中のマスキング剤の使用量が、湿潤状態の裸皮また
は、コラーゲン組成の物品重量の1.0〜4.5%であること
についても同様である。
場合には、クロム(VI)酸塩溶液B中に燐酸塩のような
無機酸塩またはギ酸のような有機カルボン酸をマスキン
グ剤として添加したが、これが0.5%以下では還元性溶
液C中に水酸化クロム(III)様の濁りもしくは沈殿を
生じやすくなる。しかし3%以上では逆に裸皮やコラー
ゲン組成の物品への結合クロム量が減少することと、燐
酸塩の場合には特にクロム革が緑色を帯びてくる。溶液
C中のマスキング剤の使用量が、湿潤状態の裸皮また
は、コラーゲン組成の物品重量の1.0〜4.5%であること
についても同様である。
しかしながら、遊離のアンモニアが溶液B,Cにアンモニ
アとして0.7%以上存在する場合には、裸皮またはコラ
ーゲン組成の物品と結合しないクロム(III)は、クロ
ム(III)のアンミン錯体となって溶存するので、還元
液C中に水酸化クロム(III)様の濁り、沈殿を生じな
い。従ってマスキング剤を必要としない。
アとして0.7%以上存在する場合には、裸皮またはコラ
ーゲン組成の物品と結合しないクロム(III)は、クロ
ム(III)のアンミン錯体となって溶存するので、還元
液C中に水酸化クロム(III)様の濁り、沈殿を生じな
い。従ってマスキング剤を必要としない。
溶液Bにおけるクロム(VI)酸イオン濃度については、
クロム革、またはクロム鞣しされたコラーゲン組成の物
品中の結合するクロム量の多少は、溶液B中のCrO4 2
−イオン濃度および使用する湿潤状態の裸皮または未鞣
しのコラーゲン組成の物品に対するCrO4 2 −の重量比
で定まる。従って、CrO4 2 −イオン濃度が2.2%以下で
はクロム結合量が小さくなり、鞣し効率が下がる。CrO
4 2 −濃度が6.5%以上では、コラーゲンと結合せずに
溶液中に溶存するクロム(III)が増加する傾向が起こ
る。
クロム革、またはクロム鞣しされたコラーゲン組成の物
品中の結合するクロム量の多少は、溶液B中のCrO4 2
−イオン濃度および使用する湿潤状態の裸皮または未鞣
しのコラーゲン組成の物品に対するCrO4 2 −の重量比
で定まる。従って、CrO4 2 −イオン濃度が2.2%以下で
はクロム結合量が小さくなり、鞣し効率が下がる。CrO
4 2 −濃度が6.5%以上では、コラーゲンと結合せずに
溶液中に溶存するクロム(III)が増加する傾向が起こ
る。
前記の還元性溶液Cに用いられる還元剤としては、亜二
チオン酸塩を挙げることができる。そして必要に応じ
て、これに亜硫酸塩、亜硫酸水素塩またはチオ硫酸塩等
を併用することが出来る。そして、還元性溶液C中に加
える必要な還元剤の量は、裸皮またはコラーゲン組成の
物品中に包含されているクロム(VI)酸イオンを効率よ
く還元し、コラーゲンへの結合クロム(III)量を必要
な範囲に入るようにして、かつ未結合クロム(III)量
をなるべく少なくすることを目的とした。さらに、還元
性溶液CのpHが3.5〜10.5であることは、裸皮およびコ
ラーゲン組成の物品が含むクロム(VI)酸塩が還元され
ることにより起るクロム鞣し条件の温度、時間等を考慮
した場合の必要なpH範囲として規定されたものであり、
pH10.5以上では、亜二チオン酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸
塩による還元は容易にかつ速かには起こらない。またpH
3.5以下では、得られたクロム革の銀面のきめのこまや
かさが失われる傾向が起こる。
チオン酸塩を挙げることができる。そして必要に応じ
て、これに亜硫酸塩、亜硫酸水素塩またはチオ硫酸塩等
を併用することが出来る。そして、還元性溶液C中に加
える必要な還元剤の量は、裸皮またはコラーゲン組成の
物品中に包含されているクロム(VI)酸イオンを効率よ
く還元し、コラーゲンへの結合クロム(III)量を必要
な範囲に入るようにして、かつ未結合クロム(III)量
をなるべく少なくすることを目的とした。さらに、還元
性溶液CのpHが3.5〜10.5であることは、裸皮およびコ
ラーゲン組成の物品が含むクロム(VI)酸塩が還元され
ることにより起るクロム鞣し条件の温度、時間等を考慮
した場合の必要なpH範囲として規定されたものであり、
pH10.5以上では、亜二チオン酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸
塩による還元は容易にかつ速かには起こらない。またpH
3.5以下では、得られたクロム革の銀面のきめのこまや
かさが失われる傾向が起こる。
本発明のクロム鞣しでは、以下の実施例1のようにマス
キング剤を必要としない場合と実施例2のように必要と
する場合の二通りがある。
キング剤を必要としない場合と実施例2のように必要と
する場合の二通りがある。
実施例1 ステア原皮にデライミングおよびベーチングまでの準備
作業を施した裸皮540kg(半裁40枚)を、アンモニアア
ルカリ性の3.3%クロム(VI)酸アンモニウム溶液1000L
(pH9.6)とともにドラム内において約10時間回転せし
めクロム(VI)酸溶液を皮の内部に充分に浸透せしめク
ロム(VI)酸溶液を抜き去った後に、4.5%亜二チオン
酸ナトリウムのアンモニアアルカリ性溶液500L(pH9.
5)を注入し60分間回転せしめる。この際に、液を注入
し終えてから、5および15分後の2回に分けてそれぞれ
28%亜二チオン酸ナトリウム溶液70Lを注加する。この
時のpHは約9.2である。その後40℃に加温し約3時間同
温度に保ちならが時折回転させる。革を1000Lの水に室
温で浸し1時間毎に約10分間ずつ回転させる操作を3時
間行ってから一夜放置し未結合クロム(III)および塩
類を流し去る。
作業を施した裸皮540kg(半裁40枚)を、アンモニアア
ルカリ性の3.3%クロム(VI)酸アンモニウム溶液1000L
(pH9.6)とともにドラム内において約10時間回転せし
めクロム(VI)酸溶液を皮の内部に充分に浸透せしめク
ロム(VI)酸溶液を抜き去った後に、4.5%亜二チオン
酸ナトリウムのアンモニアアルカリ性溶液500L(pH9.
5)を注入し60分間回転せしめる。この際に、液を注入
し終えてから、5および15分後の2回に分けてそれぞれ
28%亜二チオン酸ナトリウム溶液70Lを注加する。この
時のpHは約9.2である。その後40℃に加温し約3時間同
温度に保ちならが時折回転させる。革を1000Lの水に室
温で浸し1時間毎に約10分間ずつ回転させる操作を3時
間行ってから一夜放置し未結合クロム(III)および塩
類を流し去る。
肉眼および拡大鏡による観察では、本処方によるクロム
革の外見は薄赤紫を呈しており、かつ同一原皮から従来
法クロム鞣しにより得たクロム革に比べ、銀面のきめが
よりこまやかであり、革そのものの腰も強くしなやかで
しぼが細かいことが認められた。
革の外見は薄赤紫を呈しており、かつ同一原皮から従来
法クロム鞣しにより得たクロム革に比べ、銀面のきめが
よりこまやかであり、革そのものの腰も強くしなやかで
しぼが細かいことが認められた。
クロム革の分析結果: Cr2O3含有率 1.8〜2.2% Ts(熱収縮温度) 85〜90℃ ステア原皮にデライミング、ベーチングおよびピックリ
ングまでの準備作業を施した裸皮を用いた場合にも同様
の結果が得られた。
ングまでの準備作業を施した裸皮を用いた場合にも同様
の結果が得られた。
実施例2 実施例1に述べた準備工程を経たステア生皮480Kg(半
裁33枚)を、3.0%クロム(VI)酸アンモニウム、1.0%
燐酸三ナトリウム・十二水塩のアンモニアアルカリ性溶
液950L(pH9.5)とともにドラム内に入れ時折回転させ
ながら一夜放置する。ドラムから液を抜き去り、7.2%
亜硫酸水素ナトリウム、2.5%亜二チオン酸ナトリウム
を含む溶液500L(pH5〜6)を注入し回転させる。液の
注入から5分後に裸皮の3.5%量のギ酸を添加する。さ
らにそれから10分後に裸皮の1.9%量の35%硫酸を注加
する。この時のpHは4である。還元液の注入時から60分
間は絶えず回転させる。次いで40℃に昇温し20分間隔で
10分間回転させながら3時間同温度に保つ。この場合の
液のpHはほぼ4である。二日間室温でクロム革を還元液
中に放置し時折回転させてオール化を進行させる。液を
抜き去り水900Lを加え回転させて洗浄し、亜硫酸臭が無
くなるまで水を入れ替えて洗浄を行う。得られたクロム
革は、同一原料の生皮を従来法により処理したものに比
べて銀面のきめがよりこまやかであり、腰が強くしなや
かであった。
裁33枚)を、3.0%クロム(VI)酸アンモニウム、1.0%
燐酸三ナトリウム・十二水塩のアンモニアアルカリ性溶
液950L(pH9.5)とともにドラム内に入れ時折回転させ
ながら一夜放置する。ドラムから液を抜き去り、7.2%
亜硫酸水素ナトリウム、2.5%亜二チオン酸ナトリウム
を含む溶液500L(pH5〜6)を注入し回転させる。液の
注入から5分後に裸皮の3.5%量のギ酸を添加する。さ
らにそれから10分後に裸皮の1.9%量の35%硫酸を注加
する。この時のpHは4である。還元液の注入時から60分
間は絶えず回転させる。次いで40℃に昇温し20分間隔で
10分間回転させながら3時間同温度に保つ。この場合の
液のpHはほぼ4である。二日間室温でクロム革を還元液
中に放置し時折回転させてオール化を進行させる。液を
抜き去り水900Lを加え回転させて洗浄し、亜硫酸臭が無
くなるまで水を入れ替えて洗浄を行う。得られたクロム
革は、同一原料の生皮を従来法により処理したものに比
べて銀面のきめがよりこまやかであり、腰が強くしなや
かであった。
クロム革の分析値: Cr2O3含有率 2.8〜3.4% Ts(熱収縮温度) 98〜105℃。
実施例 3 可溶化コラーゲン溶液を再生して製造した未鞣しの手術
用縫合糸54g(遊離の水を吸取紙でふき取った湿潤状態
にあるもの)を3.6%クロム(VI)酸アンモニウムのア
ンモニアアルカリ性溶液100ml(pH9.6)中に漬けて充分
液に馴染ませる。糸を液から取り出し、4.5%亜二チオ
ン酸ナトリウムのアンモニアアルカリ性の還元液60ml
(pH9.5)に漬け、60分間よくかきまぜる。この場合に
還元液へ浸漬した時点から10分および20分後において亜
二チオン酸ナトリウムの固形粉末1.5グラムずつを添加
する。その後40℃に加熱し、約2時間かくはんしながら
同温度に保つ、次に2時間放置したのち未結合のクロム
(III)および塩類を水で流し去る。得られたクロム鞣
しされた手術用縫合糸は外見は赤紫色を呈し、膠着は全
くみられない。(従来法では往々にして膠着が観察され
る。) Cr2O3含有量 2.0% 実施例 4 ピックリングまでの準備作業を終えた62Kgのステア裸皮
(湿潤状態、半裁5枚)を5%アンモニアおよび塩化ア
ンモニウム2%を含むアンモニア緩衝液150L中に漬けて
一夜放置する。次にアンモニアアルカリ性の3.3%のク
ロム(VI)酸アンモニウム100L(pH9.4)とともにドラ
ム内で約3時間回転させ、クロム(VI)酸塩溶液を皮の
内部に充分に浸透させる。クロム(VI)酸塩溶液を抜き
去った後に、4.5%亜二チオン酸ナトリウムのアンモニ
アアルカリ性溶液55L(pH9)を注入し、60分間回転させ
る。この場合に液を注入し終えてから、5および15分後
に28%亜二チオン酸ナトリウム溶液7Lを注加する。その
後40℃に加温し、約3時間同温度に保ちながら時折回転
させる。革を120Lの水に室温で浸し、1時間毎に約10分
間ずつ回転させる操作を3時間行なってから未結合クロ
ム(III)および塩類を流し去る。
用縫合糸54g(遊離の水を吸取紙でふき取った湿潤状態
にあるもの)を3.6%クロム(VI)酸アンモニウムのア
ンモニアアルカリ性溶液100ml(pH9.6)中に漬けて充分
液に馴染ませる。糸を液から取り出し、4.5%亜二チオ
ン酸ナトリウムのアンモニアアルカリ性の還元液60ml
(pH9.5)に漬け、60分間よくかきまぜる。この場合に
還元液へ浸漬した時点から10分および20分後において亜
二チオン酸ナトリウムの固形粉末1.5グラムずつを添加
する。その後40℃に加熱し、約2時間かくはんしながら
同温度に保つ、次に2時間放置したのち未結合のクロム
(III)および塩類を水で流し去る。得られたクロム鞣
しされた手術用縫合糸は外見は赤紫色を呈し、膠着は全
くみられない。(従来法では往々にして膠着が観察され
る。) Cr2O3含有量 2.0% 実施例 4 ピックリングまでの準備作業を終えた62Kgのステア裸皮
(湿潤状態、半裁5枚)を5%アンモニアおよび塩化ア
ンモニウム2%を含むアンモニア緩衝液150L中に漬けて
一夜放置する。次にアンモニアアルカリ性の3.3%のク
ロム(VI)酸アンモニウム100L(pH9.4)とともにドラ
ム内で約3時間回転させ、クロム(VI)酸塩溶液を皮の
内部に充分に浸透させる。クロム(VI)酸塩溶液を抜き
去った後に、4.5%亜二チオン酸ナトリウムのアンモニ
アアルカリ性溶液55L(pH9)を注入し、60分間回転させ
る。この場合に液を注入し終えてから、5および15分後
に28%亜二チオン酸ナトリウム溶液7Lを注加する。その
後40℃に加温し、約3時間同温度に保ちながら時折回転
させる。革を120Lの水に室温で浸し、1時間毎に約10分
間ずつ回転させる操作を3時間行なってから未結合クロ
ム(III)および塩類を流し去る。
前鞣しを終えたクロム革を30℃の水31Lに漬け、これに
ギ酸溶液(100%ギ酸250gを水3.1Lに溶解した液)を加
え10分間回転した(pH2.8)。17.2%Crを含むベアクロ
ム5.1Kgを加え60分間回転する。次に炭酸水素ナトリウ
ム1.0Kgを水12Lに溶解した液を上の鞣液に以下の要領で
注加した。まず1/3量を加え20分間回転させ(鞣液pH
3.1)、次に1/3量を加え20分間回転させ(鞣液pH3.
4)、最後の1/3量を加え、40分間回転する(鞣液pH
3.7)。水31Lを追加し、40℃に加温し、3時間撹拌を続
け、そのまま一夜放置した。革を浸漬液から取出し、液
を含んだ状態で3〜5時間乾燥しないように放置する。
その後120L(裸皮の200%)の水に漬けて革中に含まれ
る未結合のクロム(III)イオンおよび他の塩類を洗い
出した。得られた革の銀面は、同一裸皮からの従来法の
みによるクロム革に比べて銀面のきめがこまやかであ
り、腰が強くしなやかであった。このことは前鞣しで銀
面の状態及び革のしなやかさが決定されることを示唆し
ている。
ギ酸溶液(100%ギ酸250gを水3.1Lに溶解した液)を加
え10分間回転した(pH2.8)。17.2%Crを含むベアクロ
ム5.1Kgを加え60分間回転する。次に炭酸水素ナトリウ
ム1.0Kgを水12Lに溶解した液を上の鞣液に以下の要領で
注加した。まず1/3量を加え20分間回転させ(鞣液pH
3.1)、次に1/3量を加え20分間回転させ(鞣液pH3.
4)、最後の1/3量を加え、40分間回転する(鞣液pH
3.7)。水31Lを追加し、40℃に加温し、3時間撹拌を続
け、そのまま一夜放置した。革を浸漬液から取出し、液
を含んだ状態で3〜5時間乾燥しないように放置する。
その後120L(裸皮の200%)の水に漬けて革中に含まれ
る未結合のクロム(III)イオンおよび他の塩類を洗い
出した。得られた革の銀面は、同一裸皮からの従来法の
みによるクロム革に比べて銀面のきめがこまやかであ
り、腰が強くしなやかであった。このことは前鞣しで銀
面の状態及び革のしなやかさが決定されることを示唆し
ている。
分析結果 Cr2O3含有率 3.6% Ts(熱収縮温度) 110℃ 以上に本発明の具体的な実施例を示したが、この発明は
これらによって限定されるものでないことは明らかであ
り、本発明の範囲ならびに精神をはなれずに種々の改良
が可能であることも明白であり、これらはすべて本発明
の範囲内に入るものである。
これらによって限定されるものでないことは明らかであ
り、本発明の範囲ならびに精神をはなれずに種々の改良
が可能であることも明白であり、これらはすべて本発明
の範囲内に入るものである。
Claims (8)
- 【請求項1】ステア、キップ、カーフあるいは牛以外の
獣の裸皮を、pH8.6〜11のアルカリ性のクロム(VI)酸
塩を含み且つ必要に応じてマスキング剤を含む溶液に浸
して充分にクロム(VI)酸塩溶液を皮の内部に浸透させ
てから取り出し、pH3.5ないし10.5であり且つ必要に応
じてマスキング剤を含む還元性溶液に浸すことを特徴と
する銀面のきめが細やかな、しぼが細かいクロム革の製
造方法。 - 【請求項2】裸皮とは主として、デライミングまたはベ
ーチングまでのアルカリ性ないし中性溶液中での準備工
程を終えた裸皮を、あるいはピックリングを終えた裸皮
を、さらにアンモニア水またはその他のアルカリ性水溶
液に浸漬した裸皮を意味する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】クロム(VI)酸塩溶液とは、該液のpH8.6
〜11の範囲であり、かつ該液に含まれるクロム(VI)酸
イオン濃度がCrO4 2 −として2.2〜6.5%であり、全CrO
4 2 −重量が使用する湿潤状態の裸皮の重量に対して3
〜15%の範囲にあるものを意味する請求項1に記載の方
法。 - 【請求項4】還元性溶液に使用する還元剤とは、亜二チ
オン酸塩を主とし、これに亜硫酸塩、亜硫酸水素塩また
はチオ硫酸塩等を必要に応じて併用するものを意味する
請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】還元性溶液がアンモニアアルカリ性でない
場合には、クロム(VI)酸塩溶液中に、マスキング剤と
して燐酸塩または他の無機塩類あるいはギ酸のような有
機カルボン酸を濃度が0.5〜3.0%になるように加え、還
元性溶液にはギ酸のような有機カルボン酸を、使用する
湿潤状態の裸皮重量の1.0〜4.5%添加する請求項1に記
載の方法。 - 【請求項6】pH8.6〜11のアルカリ性のクロム(VI)酸
塩を含む溶液およびpH3.5ないし10.5の還元性溶液中
に、遊離のアンモニア濃度としてアンモニアを0.7%以
上含む場合には、前記両液へのマスキング剤の添加を必
ずしも必要としない請求項1に記載の方法。 - 【請求項7】可溶化コラーゲンを再生して製造した未鞣
し状態の人工皮膚、手術用縫合糸またはその他の人工臓
器への請求項1に記載のクロム鞣しの適用。 - 【請求項8】請求項1に記載の方法による鞣しを施した
革、または可溶化コラーゲンを再生して製造した未鞣し
状態の人工皮膚、手術用縫合糸またはその他の人工臓器
にさらに従来法のクロム鞣しまたはその他の方法による
鞣しを再鞣的に行う方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5628488A JPH0662999B2 (ja) | 1988-03-11 | 1988-03-11 | 銀面のきめがこまやかで腰が強くしなやかなクロム革を製造する方法 |
| DE19893907821 DE3907821A1 (de) | 1988-03-11 | 1989-03-10 | Verfahren zur herstellung eines festen und flexiblen feingenarbten chromleders |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5628488A JPH0662999B2 (ja) | 1988-03-11 | 1988-03-11 | 銀面のきめがこまやかで腰が強くしなやかなクロム革を製造する方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01230700A JPH01230700A (ja) | 1989-09-14 |
| JPH0662999B2 true JPH0662999B2 (ja) | 1994-08-17 |
Family
ID=13022801
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5628488A Expired - Fee Related JPH0662999B2 (ja) | 1988-03-11 | 1988-03-11 | 銀面のきめがこまやかで腰が強くしなやかなクロム革を製造する方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0662999B2 (ja) |
| DE (1) | DE3907821A1 (ja) |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6040478B2 (ja) | 2007-02-06 | 2016-12-07 | フォトン・ダイナミクス・インコーポレーテッド | 電気光学変調器の組立品及びncap電気光学変調器材料 |
| JP6131759B2 (ja) | 2013-08-01 | 2017-05-24 | 株式会社豊田自動織機 | 産業車両および水素充填スタンド |
-
1988
- 1988-03-11 JP JP5628488A patent/JPH0662999B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1989
- 1989-03-10 DE DE19893907821 patent/DE3907821A1/de not_active Withdrawn
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6040478B2 (ja) | 2007-02-06 | 2016-12-07 | フォトン・ダイナミクス・インコーポレーテッド | 電気光学変調器の組立品及びncap電気光学変調器材料 |
| JP6131759B2 (ja) | 2013-08-01 | 2017-05-24 | 株式会社豊田自動織機 | 産業車両および水素充填スタンド |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| DE3907821A1 (de) | 1989-09-21 |
| JPH01230700A (ja) | 1989-09-14 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |