JPH0664965A - 焼結性粉末射出成形用バインダおよび組成物 - Google Patents

焼結性粉末射出成形用バインダおよび組成物

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JPH0664965A
JPH0664965A JP4220051A JP22005192A JPH0664965A JP H0664965 A JPH0664965 A JP H0664965A JP 4220051 A JP4220051 A JP 4220051A JP 22005192 A JP22005192 A JP 22005192A JP H0664965 A JPH0664965 A JP H0664965A
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binder
powder
injection molding
sinterable
binder component
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JP4220051A
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English (en)
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健 司 ▲吉▼野
Kenji Yoshino
Kimihiro Nishimura
村 公 宏 西
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】焼結性粉末射出成形用バインダ、およびこれを
用いる成形性、強度に優れた焼結性粉末射出成形用組成
物の提供。 【構成】分子量2000以下でイソシアナート基を分子
内に1個以上有する有機化合物(A)および(A)以外
の有機化合物からなる粉末射出成形用バインダ(B)。
バインダ成分(B)が、熱可塑性樹脂とイソシアナート
基を含まない分子量2000以下の有機化合物を含有す
るか、バインダ成分(B)に含まれる熱可塑性樹脂が、
分子内にイソシアナート基と反応する官能基を1個以上
有し、バインダ成分(A)が、2個以上のイソシアナー
ト基を有するのが好ましい焼結性粉末射出成形用バイン
ダ。成形用バインダを用いた、金属粉末、セラミックス
粉末またはサーメット粉末の射出成形用組成物および前
記各種粉末をバインダ成分(A)で処理した後、バイン
ダ成分(B)を混合する方法より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性と脱脂時の保形
性に優れるセラミックス粉末、サーメット粉末または金
属粉末(以下、焼結性粉末)の射出成形用組成物に関す
る。さらに、本発明は、それらの粉末射出成形用組成物
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス、サーメットまたは金属粉
末射出成形法は、セラミックス、サーメットあるいは金
属の微粉末とバインダの混練物(コンパウンド)を金型
内に射出成形し、得られた成形体を脱バインダ(脱脂)
し、焼結して製品にする技術で、小型複雑形状のセラミ
ックス、サーメットあるいは金属部品の大量生産に適し
ている。
【0003】焼結性粉末射出成形用バインダとしては、
樹脂、ワックス、可塑剤、滑剤などが使われているが、
バインダに必要な特性で重要なものは、以下の2点であ
る。 容易に射出成形可能で、得られるグリーン成形体に
クラック、変形、ボイド、ふくれ等の成形欠陥が生じな
いこと。 短時間で容易に脱脂可能で、得られる脱脂体にクラ
ック、変形、ふくれ等の脱脂欠陥を生じないこと。
【0004】ところで、セラミックス粉末や金属粉末な
どの焼結性粉末の表面は親水性に近いために、有機物が
主体の疎水性バインダとは濡れ性が極めて悪い。このた
め、これらの焼結性粉末をバインダ中に均一に分散させ
ることは難しく、凝集粉が生成しやすい。コンパウンド
中にバインダと濡れていない凝集粉が存在すると、コン
パウンドは高粘度となり、成形性が悪化するうえ、グリ
ーン成形体の強度が激減し、クラックを発生しやすい。
さらに、脱脂時にもクラックやふくれを発生しやすい。
【0005】凝集粉の生成は、バインダの分子量が高い
ほど顕著である。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ
プロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)は古くから
粉末射出成形用バインダに用いられてきたが、これらの
樹脂はセラミックス、サーメットあるいは金属粉末と濡
れが悪いために、コンパウンドの流動性は極めて悪く、
射出成形が困難であったり、得られる成形体の強度が低
いという問題があった。
【0006】焼結性粉末とバインダの濡れを良くする方
法としては、焼結性粉末表面を処理して疎水性にする方
法と、焼結性粉末の親水性表面と濡れるような官能基を
バインダ成分中に導入する方法が知られている。前者の
具体例としては、シラン系カップリング剤、チタネート
系カップリング剤(特公昭59−41949号公報)、
アルミニウムキレート化合物(特開昭61−24294
7号公報)による焼結性粉末の表面処理が知られてお
り、後者の具体例としては、界面活性剤を用いる例(特
開昭59−182267号公報、特開昭59−3505
8号公報)や、カルボキシル基、エステル、アミノ基、
水酸基などの焼結性粉末表面と相互作用するような官能
基等を導入したバインダ成分の使用、例えばエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)(特開昭52−1179
09号公報、特開昭58−135173号公報)、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(EEA)(特開昭
59−121150号公報)、アクリル酸系共重合体
(特開平02−283660号公報、特開平01−26
1265号公報)、エチレン−ビニルアルコール共重合
体(特開昭63−25266号公報)、ステアリン酸
(特公昭36−7883号公報)、ベヘニン酸(特開平
02−267156号公報)などが知られている。この
ような方法を用いることにより、焼結性粉末とバインダ
間の濡れ性は改善され、焼結性粉末はバインダ中に良好
に分散し、容易に射出成形可能となったうえに、良好な
成形体も得られるようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、焼結性粉末を
表面処理する方法は、表面処理剤が高価である、表面処
理の工程が一つ増える、表面処理剤のチタン、シリコ
ン、アルミニウムが焼結体に残留し、物性に悪影響を及
ぼす等の欠点がある。また、界面活性剤や高級脂肪酸、
高級アルコールなどは、焼結性粉末とバインダ界面だけ
ではなく、バインダ中にも存在し、バインダの軟化点を
著しく低下させるため、加熱脱脂時に変形や膨れなどの
欠陥を生じやすい。焼結性粉末表面と相互作用するよう
な官能基を導入したポリマー(例えばEVA、EEA)
は、粘度が高いために、凝集粉の隙間にまで入り込め
ず、焼結性粉末は分散しにくい。この凝集粉はバインダ
中に安定に存在し、加熱脱脂時にクラック、ふくれの発
生原因となる。さらに、いずれの方法を用いた場合で
も、変形しないように加熱脱脂するためには長時間が必
要であり、脱脂時間を短縮すると、膨れ、変形を起こす
欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、焼結性粉
末との濡れ性が良好で、射出成形性も良く、脱脂時にク
ラック、膨れ、変形を生じにくく、焼結体の物性に悪影
響を及ぼさない組成物(コンパウンド)を鋭意探索した
結果、焼結性粉末表面をイソシアナート化合物で処理す
ることにより目的を達成できることを知見し、本発明に
至った。
【0009】すなわち、本発明は、(A)分子量200
0以下で分子内に1個以上のイソシアナート基を有する
有機化合物、および(B)上記(A)以外の有機化合物
を含有することを特徴とする焼結性粉末射出成形用バイ
ンダを提供する。
【0010】さらに、前記バインダ成分(B)が、分子
量2000以上の熱可塑性樹脂を含有する焼結性粉末射
出成形用バインダを提供する。
【0011】また、前記バインダ成分(B)が、イソシ
アナート基を含まない分子量2000以下の有機化合物
と熱可塑性樹脂を含有する焼結性粉末射出成形用バイン
ダを提供する。
【0012】また、前記バインダ成分(B)に含まれる
熱可塑性樹脂が、分子内にイソシアナート基と反応する
官能基を1個以上有し、前記バインダの成分(A)が、
2個以上のイソシアナート基を有するものである焼結性
粉末射出成形用バインダを提供する。
【0013】また、前記バインダ成分(A)が0.01
〜10重量部で、前記バインダ成分(B)が2〜100
重量部である焼結性粉末射出成形用バインダを提供す
る。
【0014】また、焼結性粉末射出成形用バインダと金
属粉末、セラミックス粉末またはサーメット粉末とを含
有することを特徴とする焼結性粉末射出成形用組成物を
提供する。
【0015】また、前記金属粉末、セラミックス粉末ま
たはサーメット粉末が、平均粒径0.1〜1000μm
である焼結性粉末射出成形用組成物を提供する。
【0016】また、前記金属粉末、セラミックス粉末ま
たはサーメット粉末を、前記バインダ成分(A)で処理
した後、前記バインダ成分(B)を混合することを特徴
とする焼結性粉末射出成形用組成物の製造方法を提供す
る。
【0017】本発明に用いるセラミックス、サーメット
あるいは金属粉末は、公知のものがすべて使用できる。
具体例をあげると、セラミックスとしては、酸化アルミ
ニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタニウ
ム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、
酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化マンガン、酸化タ
ングステン、酸化バナジウム、酸化テクネチウム、酸化
レニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ルテニウ
ム、酸化ロジウム、酸化カドミウム、酸化タリウム、酸
化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン、
酸化ビスマス、酸化テルル、酸化インジウム、酸化バリ
ウム、酸化ガリウム、酸化イットリウム、酸化カルシウ
ム、酸化ストロンチウム、酸化ランタン、酸化セレン、
酸化スカンジウム、酸化アクチニウム、酸化トリウム、
酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化パラジウム、酸化オ
スミウム、酸化亜鉛、酸化鉄、チタン酸鉛、チタン酸バ
リウム、ジルコン酸鉛、ジルコン酸ストロンチウム、チ
タン酸ジルコン酸鉛、チタン酸マグネシウム、チタン酸
マンガン、チタン酸鉄、チタン酸コバルト、チタン酸ニ
ッケル、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化アルミニウム、
炭化タングステン、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭
化ハフニウム、炭化モリブデン、炭化タンタル、炭化ク
ロム、炭化バナジウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素、窒化チタン、ホウ化チタン、ホウ化ジ
ルコニウム、ホウ化ランタン、2ケイ化モリブデン、硫
化カドミウム、硫化亜鉛およびこれらの2種以上の混合
物を挙げることができ、金属粉末としては、鉄、ニッケ
ル、アルミニウム、銅、チタン、ジルコニウム、亜鉛、
クロム、モリブデン、タングステン、ベリリウム、ゲル
マニウム、コバルト、シリコン、スカンジウム、イット
リウム、ランタニド、アクチニド、ハフニウム、トリウ
ム、バナジウム、タンタル、マンガン、テクネチウム、
レニウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジ
ウム、オスミウム、インジウム、白金、金、銀、カドミ
ウム、タリウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマ
ス、テルル、ポロニウムおよびこれらの合金あるいは混
合粉、例えば鉄−ニッケル、ステンレス、鉄−シリコ
ン、鉄−ボロン、鉄−コバルト、鉄−コバルト−バナジ
ウムを挙げることができ、サーメットとしては、炭化タ
ングステン粉/コバルト粉、酸化アルミニウム粉/アル
ミニウム粉、鉄粉/シリコン粉、鉄粉/ボロン粉、窒化
ケイ素粉/酸化イットリウム粉/酸化アルミニウム粉な
どのような金属粉末/セラミックス粉末あるいは金属粉
末/非金属粉末などの前記セラミックスと金属との合
金、あるいは混合粉を挙げることができる。
【0018】これら焼結性粉末の形状、粒径に特に制限
はないが、球状で0.01〜1000μmの粒径、好ま
しくは0.1〜50μmが良い。焼結性粉末粒径は、小
さいほど射出成形時の流動性が良く、焼結性も良いので
有利であるが、微粉にするためには膨大なエネルギーを
必要とするため実用上不利である。また、1000μm
を越えると、コンパウンドの流動性が悪化し、射出成形
が実質的に不可能となる。
【0019】本発明で用いられるバインダ成分(A)イ
ソシアナート基を分子中に1個以上有する分子量200
0以下の有機化合物(以後、イソシアナート化合物とす
る)の具体例を挙げると、C1 〜C8 の低級アルキルの
イソシアナート、C10〜C18の脂肪族炭化水素のイソシ
アナート、単環または縮合環芳香族炭化水素のイソシア
ナート、さらにこれらの炭素原子がハロゲン、C1 〜C
6 の低級アルキル基などの置換基を有しているイソシア
ナート、特に、メチルイソシアナート、エチルイソシア
ナート、n−プロピルイソシアナート、イソプロピルイ
ソシアナート、n−プチルイソシアナート、n−ヘプチ
ルイソシアナート、オクタデシルイソシアナート、フェ
ニルイソシアナート、クロロフェニルイソシアナート、
ジクロロフェニルイソシアナートなどのモノイソシアナ
ート化合物、さらに、パラフェニレンジイソシアナー
ト、トリレンジイソシアナート、4,4´−ジフェニル
メタンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナー
ト、オルトキシリレンジイソシアナート、テトラメチレ
ンジイソシアナート、メタキシリレンジイソシアナー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアナート、ヘキサメチ
レンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナー
ト、ジメリールジイソシアナート、トランスビニレンジ
イソシアナート、N,N´−ジ(p−イソシアナトフェ
ニル)カルボジイミド、トリレンジイソシアナートの2
量体であるN,N´−(4,4´−ジメチル−3,3´
−ジフェニルジイソシアナト)ウレジオン、N,N´−
ジ(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレジオ
ン、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、シク
ロブタン−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン
−1,3−ジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4
−ジイソシアナート、1,3−ビス(イソシアナトメチ
ル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチ
ル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アナート、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロ
ピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−イソシアナト−2
−プロピル)ベンゼン、1−イソシアナト−3,3,5
−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン
などのジイソシアナート化合物、トリフェニルメタント
リイソシアナート、トリレンジイソシアナートの3量体
である4,4´,4″−トリメチル−3,3´,3″−
トリイソシアナト−2,4,6−トリフェニルシアヌレ
ート、OCN−(CH26 −N[CNH(CH26
NCO]2
【化1】 トリス(4−フェニルイソシアナト)チオホスフェート
などのトリイソシアナート化合物、ポリメチレンポリフ
ェニルポリイソシアナートなどを挙げることができる。
【0020】分子量が2,000以下のイソシアナート
化合物は、焼結性粉末との混練時に凝集粉の隙間にすば
やく浸透し、焼結性粉末を分散させるとともに、焼結性
粉末表面の水酸基と反応し、表面を疎水性に変え、バイ
ンダとの濡れ性を改善する。しかし、分子量2,000
を越えるイソシアナート化合物は粘度が高くなるため凝
集粉の分散が進行しにくく、好ましくない。
【0021】本発明で用いるバインダ成分(B)には、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ワックス、可塑剤、滑剤
などが含まれる。
【0022】熱可塑性樹脂の例としては、PE、低密度
ポリエチレン(LDPE)、PP、ポリイソブチレン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重
合体、ポリメチルペンテン−1、エチレン−メチルペン
テン−1共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、EE
A、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、塩
素化PE、エチレン−一酸化炭素共重合体などのポリオ
レフィン類、ポリスチレン(PS)、ポリ−α−メチル
スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチ
レン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、ポリ(メ
タ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)ア
クリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸−2−エチル
ヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸−n−オクチル、
(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル
共重合体、メタクリル酸ブチル−2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、メタクリル酸−2−エチルヘキシル共
重合体などのアクリル系樹脂、ポリビニルホルマール、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、
ポリビニルプロピオナールなどのポリビニルアセタール
類、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチルエーテルな
どのポリビニルエーテル類、ポリエチレンオキシド、ポ
リオキシメチレン、ポリプロピレンオキシド、ポリテト
ラメチレングリコール、エチレンオキシド−プロピレン
オキシド共重合体などのポリエーテル類、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンセバテートなどのポリエステル類、ポリエチレン
カーボネート、ポリプロピレンカーボネートのようなポ
リカーボネート類、ポリアミド類、ポリウレタン類を挙
げることができる。
【0023】熱硬化性樹脂の好ましい例は、尿素樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、
アルキルベンゼン樹脂、グアナミン樹脂、シリコン樹脂
等が挙げられる。
【0024】ワックスとしては、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、ペトロ
ラタム、酸化ペトロラタム、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス、モンタンワックス誘導体のよう
な合成ワックスや鯨ろう、ツナろう、蜜ろう、羊毛ろ
う、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろ
う、ナリキュリーワックス、サトウキビろう、モンタン
ワックス、オゾケライトワックス、セレシン、リグナイ
トワックスなどの天然ワックスが挙げられる。
【0025】可塑剤、滑剤とは高級脂肪酸、高級アルコ
ール、高級脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、二塩基酸エ
ステルなどであり、具体的には、高級脂肪酸として、ス
テアリン酸、ラウリン酸、バルモチン酸、イソステアリ
ン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、パルミチン酸、アラキドン酸、アラ
キン酸を挙げることができ、高級脂肪酸アミドとして、
オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ラウリン酸ア
ミド、リシノール酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン
酸アミド、パルミチン酸アミド、エルシルアミド、硬化
牛脂酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド、メチレンビスステア
リルアミド、エチレンビスステアリルアミド、メチレン
ビスアミド、エチレンビスアミドを挙げることができ
る。脂肪酸エステルとしては、C12〜C22の脂肪酸とC
1 〜C22の1価アルコールとのエステル、あるいはグリ
コール類とのモノ、ジエステルあるいはグリセリンとの
モノ、ジ、トリエステルを挙げることができ、具体的に
はブチルステアレート、ブチルラウレート、オクチルパ
ルミテート、イソプロピルパルミテート、セチルパルミ
テート、ミリシルパルミテート、ミリシルセロチネー
ト、ステアリン酸モノグリセリド、ジエチレングリコー
ルジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エ
チルブチラート、ソルビタントリオレート、落花生油、
大豆油、ヤシ油、パーム油、アマニ油、魚油、動物油、
水添油などを挙げることができる。
【0026】二塩基酸エステルとしては、フタル酸エス
テル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼ
ライン酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エス
テル等、具体的には、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジヘプチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル(DOP)、フタル酸ジイソノニル、フタル
酸ジデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデ
シル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシ
ル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸オクチルベンジ
ル、フタル酸ブチルオクチル、マレイン酸ジブチル、マ
レイン酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジブチル、
アジピン酸ブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジ
ピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジデシル、
アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸オクチルデシル、
アジピン酸ジブチルジグリコール、アゼライン酸ジ−2
−エチルブチル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘ
キシル、セバシン酸ジオクチルを挙げることができる。
高級アルコールとしては、セチルアルコール、セリルア
ルコール、メリシルアルコール、ステアリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコールなどを
挙げることができる。さらに、リン酸トリエチル、リン
酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニ
ルなどのリン酸エステルや、ホウ酸トリエチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリオクチルなどのホウ酸エステ
ル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸アルミニウムなどの高級脂肪酸塩も使
用できる。
【0027】本発明で用いるバインダ成分(B)中に
は、熱可塑性樹脂が含まれるのが好ましい。熱可塑性樹
脂は、グリーン成形体に適度の強度を与え、脱脂時にも
成形体の変形を防ぐ働きをする。また、さらに好ましい
成分(B)の組成は、イソシアナート基を含まない分子
量2,000以下の有機化合物と熱可塑性樹脂の併用で
ある。
【0028】イソシアナート基を含まない分子量2,0
00以下の有機化合物とは、前述のワックス、可塑剤あ
るいは滑剤などと呼ばれるものであり、組成物の粘度を
低下させて成形性を改善させる働きと、溶剤あるいは熱
で容易に脱脂される働きを併せもつ。
【0029】イソシアナート基を含まない分子量2,0
00以下の有機化合物の好ましい分子量は300〜1,
000である。分子量が300以下であると成形体に適
度な強度を付与することができにくくなるからであり、
分子量が1,000を越えると成形性と脱脂性が悪くな
り、2,000を越えると精密成形品の成形は不可能で
あり、また脱脂時間も極めて長くなり、本発明の目的で
ある複雑形状の精密部品を、高精度で効率良く生産でき
にくくなるからである。また、熱可塑性樹脂の好ましい
分子量は2,000〜500,000 であり、さらに好ましく
は50,000〜300,000 である。分子量2,000以下では
成形体の強度が不足するため、射出成形時に割れが発生
しやすく、また脱脂時に変形を起こす。分子量が500,00
0 を越えると溶融粘度が高くなるため成形性が悪化す
る。
【0030】バインダ(B)の組成は、加熱脱脂時に急
激に脱脂されないように、例えば熱可塑性樹脂は、エチ
レン系樹脂とアクリル系樹脂の組み合わせの如く、熱分
解挙動の異なる2種以上の樹脂を、分子量2,000以
下の有機化合物は、沸点の異なる2種以上の化合物を組
み合わせて用いるのが好ましい。急激な脱脂は、膨れ、
クラック、変形の原因となる。また、溶剤脱脂を用いる
場合は、少なくとも1種の熱可塑性樹脂は溶剤に不溶
で、その他の熱可塑性樹脂や分子量2,000以下の有
機化合物は溶剤に可溶であることが好ましい。
【0031】本発明では、バインダ成分(A)として
ジ、トリ、またはポリイソシアナート化合物を用い、バ
インダ成分(B)としてイソシアナート基と反応する官
能基を分子内に1個以上有する熱可塑性樹脂を組み合わ
せて用いると、加熱脱脂時に成形体の変形が小さくなる
ので好ましい。イソシアナート化合物の1つのイソシア
ナート基は焼結性粉末表面の水酸基と反応して共有結合
を生成し、他のイソシアナート基は、熱可塑性樹脂の官
能基と反応して結合を作り、焼結性粉末表面にポリマー
がグラフトした形となると思われる。イソシアナート基
と反応する官能基をもつ熱可塑性樹脂としては、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、部分ケン化EVA、エ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−無水
マレイン酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
パラアミノスチレン共重合体、スチレン−パラビニルフ
ェノール共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重
合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート
共重合体、メチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート共重合体などを挙げることができる。
【0032】本発明の焼結性粉末射出成形用バインダ
は、分子量2000以下でかつ分子内に1個以上のイソ
シアネート基を有する有機化合物(A)0.01〜10
重量部と(A)以外の有機化合物(B)2〜100重量
部を混練して製造するのが好ましい。最適なバインダ成
分(A)と(B)の量は、焼結性粉末の形状、粉末の粒
径、粒径分布によって異なるので一概には言えないが、
バインダ成分(A)が0.01重量部未満であると、焼
結性粉末表面全部をイソシアナート化合物が覆うことが
できにくく、焼結性粉末と有機成分の濡れの改善が十分
でなく、また10重量部を越えると、焼結性粉末の濡れ
性改善に必要な量を越え、バインダ中に不必要に存在す
るため、混練中にゲル化を起こす原因となったり、成形
品の軟化点を低下させ、脱脂時の変形原因となる。バイ
ンダ成分(B)の量は、焼結性粉末100重量部に対し
て2重量部未満ではバインダが粉末間の隙間を埋め切れ
ないために、コンパウンドの流動性が悪く、射出成形が
困難となるし、100重量部を越えると流動性が良化
し、容易に射出成形ができるものの、脱脂時に形状保持
ができなくなるので好ましくない。
【0033】本発明のバインダ成分であるイソシアナー
ト化合物(A)と(A)以外の有機化合物(B)との最
も好ましい組成は以下の2つである。 1.(1) 成分(A)としてモノ、ジ、トリ、あるいはポリ
イソシアナート化合物 (2) 成分(B)として2種以上の熱可塑性樹脂 (3) 成分(B)として2種以上の分子量300〜100
0の有機化合物 2.(1) 成分(A)としてジ、トリ、あるいはポリイソシ
アナート化合物 (2) 成分(B)として、イソシアナート基と反応して結
合をつくる官能基を1個以上有する熱可塑性樹脂を必須
とする2種以上の熱可塑性樹脂 (3) 成分(B)として2種以上の分子量300〜100
0の有機化合物 1の組成は、肉薄で、脱脂が容易なため、脱脂変形より
射出成形性が重要視される形状の部品に、2の組成は肉
厚で、射出成形性より脱脂時に変形しないことが要求さ
れる形状の部品に最適である。
【0034】さらに、本発明の焼結性粉末射出成形用組
成物には、酸化防止剤、流動剤、界面活性剤などの添加
剤を適宜加えてもよい。
【0035】本発明の粉末射出成形用組成物(コンパウ
ンド)は、焼結性粉末100重量部に対して本発明のバ
インダ3〜20重量部と混練して製造するのが好まし
い。3重量部未満ではバインダが焼結性粉末間の隙間を
埋め切れないためにコンパウンドの流動性が悪く射出成
形が困難となる。また、20重量部を越えると流動性が
良化し、容易に射出成形できるものの、脱脂時の形状保
持ができなくなるので好ましくない。
【0036】本発明の焼結性粉末射出用組成物は、通常
の混練方法によって製造することができるが、焼結性粉
末表面をバインダ(A)成分で表面処理した後、バイン
ダ成分(B)を加える方が好ましい。具体的には、混練
温度常温〜100℃で液状のバインダ成分(A)と焼結
性粉末をまず混練するか、あるいは混練温度で液状とな
るバインダ成分(B)、例えばDOPやDBPにイソシ
アナート化合物を溶解し、焼結性粉末と混練し、粉末が
十分に分散し、表面の濡れ性が改善された後、残りのバ
インダ成分を加える。
【0037】本発明の焼結性粉末射出成形用組成物の混
練方法に制限はなく、ヘンシェルミキサー、バンバリー
ミキサー、ニーダー、ロールミル、単軸スクリュー押出
機、2軸スクリュー押出機など、バインダと焼結性粉末
を混練できるものならば何でも使用できる。混練した組
成物は粉砕あるいは造粒して成形材料とする。
【0038】本発明の組成物を射出成形する方法とし
て、一般的な熱可塑性プラスチック用射出成形機を用い
ることができる。射出成形温度は100〜250℃が好
ましく、さらに好ましくは100〜180℃である。成
形温度が高過ぎるとバインダ成分の変質が顕著になり、
再生材の成形性、脱脂性に変化をきたすので好ましくな
い。
【0039】脱脂は加熱脱脂法、溶剤抽出法のいずれも
利用できる。加熱脱脂法の場合は窒素、アルゴン、水素
などの気流中で行うか、あるいは減圧下でバインダを除
去するのが好ましい。昇温速度は成形体の厚さにもよる
が、10〜100℃/hで昇温する。脱脂の最高温度は
450〜600℃が良い。450℃未満であると熱可塑
性樹脂成分が効率的に分解除去されないので好ましくな
く、また600℃以上に昇温しても樹脂成分の分解除去
速度は一定となってしまう。
【0040】溶剤抽出法の場合は、成形体から特定のバ
インダ成分だけを抽出除去し、しかる後に加熱脱脂を行
ない残りのバインダ成分を除去する。
【0041】焼結工程は脱脂工程終了後、引き続き同一
炉内で行なっても良いし、脱脂体を脱脂炉から取り出し
た後、異なる炉で行なっても良い。焼結は800〜22
00℃で10分〜6時間保持して行なうが、これら焼結
条件、焼結雰囲気は用いる粉末の材質、形状、粒径、粒
径分布などに応じて適宜選択して決める。
【0042】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、まず実施例中で用いる評価方法について説明する。
【0043】(物性評価法) 1)焼結性粉末に結合している有機物量:粉砕したコン
パウンドから、トルエン溶媒を用いてソックスレー抽出
器によりバインダを抽出除去した。バインダを除去した
焼結性粉末は、乾燥後、炭素定量分析に供した。なお、
抽出時間は、この炭素量が一定値になるまで、十分に行
なった。この炭素量と混練前の原料粉末の炭素量の差
は、熱トルエンでも抽出できない、焼結性粉末表面に強
固に固着しているポリマーに起因するものであり、その
多少によってバインダと焼結性粉末の相互作用の強さを
評価することができる。
【0044】2)脱脂試験:図1に示す厚さ4mmの板
を平面部1と支持部2,2を有する台状に成形して射出
成形試験片(成形体)を得た。他の部分の形状は、図1
に示すとおりである。この試験片を、減圧下、常温から
250℃まで12時間で昇温し、250℃で1時間保持
した。その後、窒素を導入し、窒素気流中500℃まで
1時間で昇温し、さらに1時間保持後冷却した。図2は
脱脂前の成形体(a)と脱脂後の成形体(脱脂体
(b))を示す断面図であり、脱脂体変形量は脱脂工程
前後における成形体の平面部1の中央での変形量を測定
した。この変形量は、脱脂時に自重により変形したもの
である。
【0045】(実施例1)0.5リットル加圧ニーダを
140℃に加熱した後、水アトマイズステンレス鋼粉
(平均粒径9.5μm)2500gを投入した。次にオ
クタデシルイソシアナート15gとフタル酸ジブチル
(DBP)35gの混和液を加え、10分間50℃で混
練した。次に低密度ポリエチレン(LDPE)62.5
g、ポリスチレン(PS)62.5gおよびパラフィン
ワックス(融点60℃)75gを加え、さらに1時間混
練した。混練物は取り出し、冷却、粉砕後、射出成形に
より図1に示す試験片にした。成形は容易に行なえ、ま
た欠陥のない良好な成形品が得られた。成形体は減圧下
常温から250℃まで12時間で昇温し、250℃で1
時間保持した。その後窒素を導入し、窒素気流中500
℃まで1時間で昇温し、さらに1時間保持後冷却した。
脱脂変形量は図2に示す成形体と脱脂体の高さの差であ
り、脱脂時に自重により変形したものである。脱脂体
は、膨れ、クラックは全くなかったが、わずかに変形を
起こした。結果を表1に示す。
【0046】(実施例2)LDPEをエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)(酢酸ビニル含有率20重量
%)に代える以外は、実施例1と同様に行なった。成形
は容易に行なえ、成形体、脱脂体のいずれにも膨れ、ク
ラックなどの欠陥はなかったが、脱脂体がわずかに変形
した。結果を表1に示す。
【0047】(実施例3)オクタデシルイソシアナート
の代わりにヘキサメチレンジイソシアナートを、LDP
Eの代わりにエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)
(アクリル酸含有率6重量%)を用いる以外は実施例1
と同様に行なった。成形は容易で、成形体、脱脂体のい
ずれにも膨れ、クラックなどの欠陥はなく、また脱脂体
もほとんど変形を起こさなかった。結果を表1に示す。
【0048】(実施例4)オクタデシルイソシアナート
の代わりに
【化2】 を、PSの代わりにメタクリル酸ブチル−2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート共重合体(BMA−HEMA)
(2−ヒドロキシエチルメタクリレート含有率5重量
%)を用いる以外は実施例1と同様に行なった。成形は
容易で、成形体、脱脂体のいずれにも、膨れ、クラック
などの欠陥はなく、また脱脂体もほとんど変形を起こさ
なかった。結果を表1に示す。
【0049】(比較例1)オクタデシルイソシアナート
15gとDBP35gの混合液の代わりに、DBP50
gを用いる以外は実施例1と同様に行なったが、射出成
形時、シリンダー内で粉末とバインダが分離し、成形す
ることができなかった。結果を表1に示す。
【0050】(比較例2)オクタデシルイソシアナート
15gとDBP35gの混合液の代わりに、DBP50
gを用いる以外は実施例2と同様に行なった。成形は容
易で、良好な成形品が得られたが、脱脂体に膨れとクラ
ックが発生し、また変形も著しかった。結果を表1に示
す。
【0051】(比較例3)ヘキサメチレンジイソシアナ
ート15gとDBP35gの混合液の代わりにDBP5
0gを用いる以外は実施例3と同様に行なった。成形は
容易で、良好な成形品が得られたが、脱脂体に膨れが多
数発生し、また変形も著しかった。結果を表1に示す。
【0052】(比較例4)
【化3】 15gとDBP35gの混合液の代わりに、DBP50
gを用いる以外は実施例4と同様に行なったが、コンパ
ウンドの粘度が高く、完全な形の成形品にすることがで
きなかった。
【0053】(実施例5〜7)表2に示すセラミックス
混合粉末100重量部に、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート0.5重量部、実施例2で用いたのと同様のEVA
2.5重量部、実施例4で用いたのと同様のBMA−H
EMA2.5重量部、パラフィンワックス(融点55
℃)3.0重量部およびDBP2.0重量部を加え、加
圧ニーダで140℃、1時間混練した。その後は、実施
例1と同様に、混練物の粉砕、成形、脱脂を行なった。
いずれも容易に射出成形を行なえ、成形体、脱脂体のい
ずれにも膨れやクラックなどの欠陥はなく、また変形も
ほとんどなかった。結果を表2に示す。
【0054】(比較例5〜7)ヘキサメチレンジイソシ
アナートを加えない以外は実施例5と同様に行なった。
いずれも、成形は容易で、成形品外観も良好であった
が、脱脂体に膨れ、クラックが発生し、また変形も著し
かった。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明は、焼結性粉末射出成形用バイン
ダの成分に、セラミックス粉末、サーメット粉末あるい
は金属粉末と強固に固着するイソシアナート化合物を用
いたために、焼結性粉末との濡れ性が改善されたバイン
ダさらにはコンパウンドが得られるようになった。さら
に、イソシアナート基を2個以上有する化合物と、イソ
シアナート基と反応する官能基を有する熱可塑性樹脂を
併用することにより、焼結性粉末とバインダの界面が強
く固着している焼結性射出成形用バインダおよびコンパ
ウンドが得られた。このため、本発明のコンパウンド
は、成形性が良く、脱脂時間が短くて済むなどの製造上
の利点に加え、強度が高いために、成形時の割れ、変形
や脱脂時の変形、膨れ、クラック発生が激減する長所を
有し、複雑形状の精密部品が高精度の寸法で効率良く生
産できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において作製した試験片の寸法を示す図
である。
【図2】変形量の測定を説明するための成形体(a)お
よび脱脂体(b)の断面図である。
【符号の説明】
1 平面部 2 支持部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)分子量2000以下で分子内に1個
    以上のイソシアナート基を有する有機化合物、および (B)上記(A)以外の有機化合物を含有することを特
    徴とする焼結性粉末射出成形用バインダ。
  2. 【請求項2】前記バインダ成分(B)が、分子量200
    0以上の熱可塑性樹脂を含有する請求項1に記載の焼結
    性粉末射出成形用バインダ。
  3. 【請求項3】前記バインダ成分(B)が、イソシアナー
    ト基を含まない分子量2000以下の有機化合物と熱可
    塑性樹脂を含有する請求項1に記載の焼結性粉末射出成
    形用バインダ。
  4. 【請求項4】前記バインダ成分(B)に含まれる熱可塑
    性樹脂が、分子内にイソシアナート基と反応する官能基
    を1個以上有し、前記バインダの成分(A)が、2個以
    上のイソシアナート基を有するものである請求項2また
    は3に記載の焼結性粉末射出成形用バインダ。
  5. 【請求項5】前記バインダ成分(A)が0.01〜10
    重量部で、 前記バインダ成分(B)が2〜100重量部である請求
    項1〜4のいずれかに記載の焼結性粉末射出成形用バイ
    ンダ。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の焼結性粉
    末射出成形用バインダと金属粉末、セラミックス粉末ま
    たはサーメット粉末とを含有することを特徴とする焼結
    性粉末射出成形用組成物。
  7. 【請求項7】前記金属粉末、セラミックス粉末またはサ
    ーメット粉末が、平均粒径0.1〜1000μmである
    請求項6に記載の焼結性粉末射出成形用組成物。
  8. 【請求項8】前記金属粉末、セラミックス粉末またはサ
    ーメット粉末を、前記バインダ成分(A)で処理した
    後、前記バインダ成分(B)を混合することを特徴とす
    る請求項6または7に記載の焼結性粉末射出成形用組成
    物の製造方法。
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