JPH0667315B2 - アグロティス属昆虫由来の高温耐性培養細胞およびこの細胞を使用したアグロティス属昆虫病原性バキュロウィルスの生産方法 - Google Patents

アグロティス属昆虫由来の高温耐性培養細胞およびこの細胞を使用したアグロティス属昆虫病原性バキュロウィルスの生産方法

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JPH0667315B2
JPH0667315B2 JP1232025A JP23202589A JPH0667315B2 JP H0667315 B2 JPH0667315 B2 JP H0667315B2 JP 1232025 A JP1232025 A JP 1232025A JP 23202589 A JP23202589 A JP 23202589A JP H0667315 B2 JPH0667315 B2 JP H0667315B2
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威 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ヤガ科のアグロティス(Agrotis)属昆虫
(カブラヤガ:Agrotis segetum)由来の高温耐性培養細
胞、および、この細胞を使用したアグロティス属昆虫病
原性バキュロウイルスの生産方法に関するものである。
〔従来の技術〕
主に鱗翅目害虫については、化学農薬を用いる代わり
に、昆虫病原性バキュロウイルスを用いて防除するため
の技術確立が図られている。我が国でも既に、一部では
研究段階から普及段階へと移行しつつあるものが現われ
ている。しかし従来、こうした昆虫病原性バキュロウイ
ルスの生産には、防除対象となる害虫の幼虫を大量に飼
育して、この幼虫にウイルスを接種して、大量増殖する
方法が用いられてきた。しかし、この方法では、害虫の
飼育に多量の労働力を必要とし、労働力確保が年々難し
くなってきたこともあって、工場レベルのような大量生
産までには発展し難かった。この方法に代わるものとし
て、対象害虫由来の培養細胞を大量に増殖し、これに昆
虫病原性バキュロウイルスを接種し、増殖する方法も検
討されてきたが、細胞の培養コストが、幼虫を用いる場
合に比べ著しく高いものとなり、この方法を用いてのウ
イルス生産の大きな障害であった。しかし、コストダウ
ンが図られれば、きわめて有効な手段となり得るので、
各国でも、そうした研究が推進されている。しかし、培
養コストを著しく高めている高級試薬である牛胎児血清
を省くと、バキュロウイルスの増殖不能になるため、こ
れを省くことができなかった。
また、一方、生物は発育(増殖)適温の範囲内では、高
い温度程、その発育(増殖)速度が速いが、培養細胞で
も例外でなく、培養温度が高い程、増殖速度が速く、培
養に有利である。しかし、昆虫由来の培養細胞の増殖適
温は、昆虫の発育適温とほぼ同じ、20〜28℃であり、33
℃以上になると細胞は死滅してしまう。従来、こうした
昆虫細胞の高温耐性については、双翅目昆虫のショウジ
ョウバエの培養細胞で、23℃で培養した細胞を突然変異
処理によって、30℃でも培養可能になったという一例が
みられる(Nakajima,S.and Miyake,T.;Somatic Cell Ge
netics,4(2),131−142,1978)のみで、それ以上の温
度で培養が可能になったという報告はみられない。
さらに、このような高温耐性培養細胞を用いてアグロテ
ィス属昆虫病原性バキュロウイルスの増殖が成功したと
いう報告も皆無である。
〔発明が解決しようとする課題〕
アグロティス属昆虫由来の高温耐性培養細胞を得ること
ができれば、その培養細胞を他の昆虫細胞と融合させる
ことにより、高温での培養条件で融合細胞を効率よく選
択することができることになる。さらに、このような細
胞を高価な牛胎児血清を省いた無血清培地に順化できれ
ば、低価格な培地中でもアグロティス属昆虫病原性バキ
ュロウイルスの増殖を可能にすることができるので、ア
グロティス属昆虫病原性バキュロウイルスを生産するに
きわめて有利である。
従って、この発明は第一に、アグロティス属昆虫由来の
高温耐性培養細胞を提供することをその課題とする。ま
た、この発明は第二に、かかるアグロティス属昆虫由来
の高温耐性培養細胞を用いたアグロティス属昆虫病原性
バキュロウイルスの生産方法を提供することをその課題
とする。
〔課題を解決するための手段〕
昆虫の培養細胞は哺乳動物の細胞融合で汎用されている
薬剤、例えば、8−アザグアニン、6−チオグアニン等
に対して耐性を有するので、昆虫の融合細胞の選別方法
として、このような方法を使用することはできない。そ
こで、本発明者は物理的選別方法の一つである温度感受
性(TSミュータント)を用いることを検討した。その結
果、突然変異法と、高温順化/選択法を併用することに
より、アグロティス属昆虫由来の高温耐性培養細胞を得
ることに成功した。
この発明において使用される突然変異法および高温順化
/選択法は、以下に述べる方法に従って行うことができ
る。
まず、突然変異法についてであるが、プラスチック製培
養容器内の培地に細胞を所定濃度(1ml当り約5×105に
なるように調整)になるように懸濁させ、この容器の外
側から紫外線(15Wの殺菌ランプ(GL−15)を光源にし
て、光源からの距離30cmに設置)を2〜8分間、2分間
隔で4段階に照射して突然変異を誘起させ、これらを一
緒にして培養する。
次に、高温順化/選択法についてであるが、突然変異処
理した細胞を第1段階では30℃下で2〜5日間、順次培
養期間を延長して培養し、その後25℃で4〜7日間培養
して継代する。次に第2段階として、第1段階と同様に
33℃で2〜5日間、順次培養期間を延長して培養し、そ
の後25℃で5〜7日間培養して継代する。第3段階でも
同様に、35℃下で2〜5日間培養し、その後25℃で5〜
7日間培養する。同様に最終段階として37℃下で、2〜
5日間培養し、その後25℃で5〜7日間培養する。こう
して順次培養温度を上げ、また、通常の培養温度である
25℃で培養することを繰返すことによって次第に高温に
順化した細胞が選択され、それらの密度が高まってく
る。最終段階の37℃処理を3回繰返すことによって、以
降は37℃という高温で継続的に継代培養が可能になる。
これらの突然変異法および高温順化/選択法を組み合わ
せることによって得られたアグロティス属昆虫由来の高
温耐性培養細胞は37℃という高温で増殖可能である。
前述したように、この発明で得られたアグロティス属昆
虫由来の高温耐性培養細胞は37℃という高温で増殖可能
であるので、この細胞と他の昆虫細胞を融合させれば、
33〜37℃という培養条件で融合細胞を効率よく選択する
ことができ、非常に有利である。さらに、この細胞は血
清を含まない培地でもアグロティス属昆虫に対する病原
性バキュロウイルスを増殖することができることから、
このような培養細胞系を用いてアグロティス属昆虫病原
性バキュロウイルスを生産するのにきわめて好適であ
る。
以下、この発明の実施例により説明する。
〔実施例〕
カブラヤガ(Agrotis segetum)ふ化幼虫由来の培養細
胞系から高温耐性の細胞系を選抜した。この選抜は、前
述した突然変異法および選高順化/選択法を組み合わせ
ることによって得られた。
即ち、プラスチック製培養容器内の培地に細胞を1ml当
たり約5×105になるように懸濁させ、この容器を15Wの
殺菌ランプ(GL−15)を光源とする光源からの距離30cm
に置き、容器の外部から、紫外線を2〜8分間、2分間
隔で4段階に照射して突然変異を誘起させ、これらを一
緒にして培養した。
こうして突然変異処理した細胞を、30℃下で2〜5日
間、順次培養期間を延長して培養し、その後25℃で4〜
7日間培養して継代し、次に33℃下で2〜5日間、順次
培養期間を延長して培養し、その後25℃で5〜7日間培
養して継代し、同様に35℃下で2〜5日間培養し、その
後25℃で5〜7日間培養した。同様に最終段階として37
℃下で、2〜5日間培養し、その後25℃で5〜7日間培
養した。こうした高温順化/選択法を用いることによっ
て、37℃という高温でも増殖可能な細胞系(FTRS−AgsL
−4F/TR)が得られた。
次に、この細胞をさらに無血清培地(MMS(−)培地)
に適応させて、当該の細胞系(FTRS−AgsL−4F/TR(FB
S−))(微工研条寄2419号)を得た。この細胞は、第
1図の増殖曲線で示されるように、37℃で増殖できた。
この場合の増殖条件は以下の通りである。
プラスチック製培養容器を用いて、無血清培地(MMS
(−)培地)に細胞系(FTRS−AgsL−4F/TR(FBS
−))を所定濃度(1ml当たり約5×105になるように調
整)で懸濁させ、37±0.5℃で静置培養した。
第1図に示した増殖曲線において、曲線1及び曲線2
は、それぞれ培養温度26℃及び37℃を用いた場合の結果
を示す。
前述した方法で得られた細胞にアグロティス属昆虫病原
性バキュロウイルス(カブラヤガ核多角体病ウイルス:A
gsNPV)を23℃で60分間接種し、前記の無血清培地(MMS
(−)培地)で細胞を洗浄した後、同無血清培地を用い
て高温(37±0.5℃)下で培養した。この培地を定期的
に採取し、培地中に放出されたウイルスの量をプラーク
・アッセイ法により定量した。この結果から、培地中の
ウイルスの量は接種後3〜4日でピークに達した後、急
激に低下することが判明した。培地中でのウイルス量の
この急激な低下は、高温によるウイルスの不活性化が主
因であると推察される。なお、この細胞を用いた無血清
培地中での、アグロティス属昆虫病原性バキュロウイル
スの増殖曲線は第2図に示す通りである。
第2図に示した増殖曲線において、曲線1及び3は無血
清培地(MMS(−)培地)を、曲線2及び4は血清含有
培地(IPL41S(10%FBS))を用いた場合の結果を示
す。培養温度は26℃である。
〔発明の効果〕
この発明では、37℃という高温下でも増殖可能なアグロ
ティス属昆虫由来の高温耐性培養細胞を得ることができ
ることから、この細胞と他の昆虫細胞を融合させれば、
33〜37℃という培養条件で融合細胞を効率よく選択する
ことが可能になり、非常に有利である。さらに、この細
胞は牛胎児血清を含まない低コスト培地でも、アグロテ
ィス属昆虫病原性バキュロウイルスを低コストでかつ効
率よく生産することがきわめて有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる細胞の37℃における増殖曲線
を示すグラフであり、また、第2図は無血清培地中で、
この発明にかかる細胞でのアグロティス属昆虫病原性バ
キュロウイルスの26℃における増殖曲線を示すグラフで
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】37℃で培養可能なアグロティス属昆虫由来
    の高温耐性培養細胞。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のアグロティス属昆虫由来
    の高温耐性培養細胞に、アグロティス属昆虫病原性バキ
    ュロウイルスを接種し、33〜37℃で培養することにより
    アグロティス属昆虫病原性バキュロウイルスを得ること
    を特徴とするアグロティス属昆虫病原性バキュロウイル
    スの生産方法。
JP1232025A 1989-09-06 1989-09-06 アグロティス属昆虫由来の高温耐性培養細胞およびこの細胞を使用したアグロティス属昆虫病原性バキュロウィルスの生産方法 Expired - Lifetime JPH0667315B2 (ja)

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CA3142694A1 (en) * 2019-06-07 2020-12-10 Protix B.V. Connector assembly, system and method for converting a batch wise supply of insects to a continuous supply of insects

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