JPH06673B2 - 生育障害が軽少な有機質肥料 - Google Patents

生育障害が軽少な有機質肥料

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JPH06673B2
JPH06673B2 JP63125046A JP12504688A JPH06673B2 JP H06673 B2 JPH06673 B2 JP H06673B2 JP 63125046 A JP63125046 A JP 63125046A JP 12504688 A JP12504688 A JP 12504688A JP H06673 B2 JPH06673 B2 JP H06673B2
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久明 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、土壌に施用直後に播種又は定植した場合でも
作物の発芽や活着に障害を伴わない有機質肥料に関す
る。
従来技術とその問題点 作物生産において、施肥技術は極めて重要な技術であ
り、数多くの研究が現在も進められている。その際、肥
料の種類と施肥技術との関係は深く、それぞれの特性を
活かした施肥法や施肥量が検討されている。特に、有機
質肥料は古くより利用されているので、その研究も少く
はない。
近年、園芸分野を中心にして、有機質肥料の養分供給の
特性、すなわち、緩効的性質、微生物活性の増大、土壌
処理性の改善及びこれらの総合効果としての作物の品質
向上の故に、再び使用量が多くなっている。
一方、食品工業、醗酵工業等の廃棄物や水処理による余
剰汚泥を乾燥した菌体肥料等も有機質肥料として利用さ
れている。しかしながら、有機質肥料や新鮮有機物が施
用された直後には、発芽阻害や活着不良等の生育障害が
現れる場合が多い。
その理由としては、施用した有機質肥料や新鮮有機物の
易分解性部分が急激に分解し、それに伴う炭酸ガスの増
大と酸素の不足、有害微生物の増殖、或は、発芽抑制物
質の存在等によるものと指摘されている。ところが、こ
れら生育障害を回避して有機質肥料の全ての特徴を有効
に活用する手段は全くなく、現状は元肥を主体にし、し
かも作付の1〜2週間前に施用し、急激な変化が納った
後、播種あるいは定植しているのが実態である。
しかし、このような施用方法によれば、有機質肥料の無
機化は作付けに到るまでにかなり進行しており、有機質
肥料本来の特徴の一つである緩効的性質を十分活用する
ことができない。例えば、ナタネ油かすの場合、土壌に
施用して2週間インキュベーションすると有機態窒素の
約50%が無機化してしまう〔全農農業技術センター特別
報告 第1号 有機質肥料の施用効果に関する研究(198
3)〕。したがって、有機質肥料を大量施用した場合は、
作付時に土壌の塩類濃度が高まり、それによる生育阻害
の恐れがあって、安全性という有機質肥料のもう一つの
利点も十分に活用することができない。
このような実情から、施用直後には種や定植を行って
も、作物に障害を与えず、且つ、有機質肥料の特性であ
る緩効性や安全性が十分に発揮できるような肥料の提供
が要望されていた。
発明が解決しようとする課題 本発明は、叙上の状況に鑑みなされたものであって、土
壌に施用した直後に播種もしくは定植しても発芽障害や
活着不良を起すことのない、新しい有機質肥料を提供す
ることを課題とする。
課題を解決するための手段 本発明の特徴は、アルデヒドで処理した有機性肥料原材
料から成る有機質肥料にある。
ここでいう有機性肥料原材料とは、植物油かす類(例え
ば、ナタネ油かす)並びに魚かす類等の各種植物および
動物由来の肥料;食品工場から産出する植物性および動
物性廃棄物由来の肥料;発酵生産物加工並びに汚水処理
等に際して得られる菌体由来の肥料;これら肥料の混合
物、およびその他の肥料取締法の規定に基づく普通肥料
の公定規格に定められた有機質肥料等広範囲のものを包
含する。
本発明は、上述したような有機性肥料原材料をアルデヒ
ドで処理したものを肥料として用いる。
ここで用いるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド並
びにアセトアルデヒドが処理し易く、かつ入手が容易で
あることから特に好ましい。
本発明において、これらのアルデヒドを用いて上記有機
性肥料原材料を処理するには、水溶液の形態(ホルムア
ルデヒドはホルマリンとなる)で用い、上記原材料に対
しアルデヒドとして好ましくは0.1〜4重量%程度にな
るように添加して混練した後、必要に応じ乾燥するとよ
い。なお、アルデヒドの添加量は制限的でなく、上記乾
燥により遊離のアルデヒドは揮散するのでアルデヒドの
濃度が上記範囲より高くてもそれ自体による障害は防止
できる。しかし、遊離のアルデヒドを揮散させるための
乾燥工程は必須ではない。
因に、アルデヒドの作物に対する薬害に関しては、例え
ば土壌中のホルムアルデヒド濃度が凡そ30ppmを越える
と、キウリやトマトの活着並びに生育が不良になる場合
が報告されており、また、アルデヒドの水溶液中では発
芽が抑制されることがある。
本発明に係る有機質肥料を製造に際しては、有機性肥料
原材料、例えば、ナタネ油かすに対してアルデヒドとし
て0.1%〜4重量%の範囲で段階的にホルマリン又はア
セトアルデヒド水溶液を添加して混練したものをそのま
ま製品とするか、さらには混練後乾燥して製品とする。
上述のようにして得られた有機質肥料を土壌に施用して
作物の生育障害発現の状況を観察した結果によると、例
えば上記ナタネ油かすをホルマリン処理して得られた肥
料(窒素含量約5%)を土壌100gに対して窒素として25
mgになるように施用した場合では小松葉を対象とした試
験区の全範囲においてホルマリン処理肥料は、乾燥工程
の有無にかかわらず、ホルマリン非処理のナタネ油かす
肥料を同様に施用した場合に比し、小松葉の発芽率は高
く、また、トマトや白菜の試験区でも活着時障害も実質
的に少なかった。
上記結果から、本発明に係る有機質肥料において、その
製造過程で乾燥を行って遊離のアルデヒドをほとんど揮
散させても、その作物に対する生育障害軽減効果には何
ら影響がないことがわかる。
アルデヒド処理した有機性肥料原材料を基材とした有機
質肥料による上記生育障害の軽減効果の根拠については
未だ明らかではないが、この根拠の一つとして上記アル
デヒド処理によって有機質肥料にアルデヒドが吸着さ
れ、それにより土壌における急激な微生物活性の増大を
抑制して土壌中の酸素不足を緩和することが挙げられ
る。また、アルデヒドは、その分解速度の変化がそれほ
ど極端ではないので、ナタネ油かすのように発芽抑制物
質の存在が推定されているものの場合は、直接発芽抑制
物質と反応して生育障害の軽減効果を発現させるものと
推定される。ただし、その詳細なメカニズムは現在のと
ころ不明である。
以上述べたように、各種有機性肥料原材料に対してアル
デヒドを添加し、混練するという極めて簡単な処理を施
したものを肥料とすることにより、作物の生育障害を実
質上伴わず、しかも緩効適特性を十分に活かすことので
きる新しい有機質肥料を提供することが可能となる。
なお、本発明に係る有機質肥料は、それに無機質肥料、
例えば過リン酸石灰、塩化加理等を配合して用いること
もできる。
以下に実施例を示して本発明およびその効果を具体的に
説明する。
実施例1 ナタネ油かす100重量部に対し、アルデヒドとして0.0
5,0.1,1,2および4重量部となるようにホルマリン
(37%)並びにアセトアルデヒドをそれぞれ添加し、混練
機にて混練したのち、各半量はそのまま袋詰めし、残り
の各半量は約70℃の温度の乾燥機で30分間乾燥し、冷却
後袋詰した。
得られた2種のナタネ油かす肥料を用いて植害試験を行
った。試験方法はノイバウエルポットに土壌を乾土とし
て400g充填し、これに上記アルデヒド処理を行ったナタ
ネ油かす肥料および対照肥料として無処理のナタネ油か
す肥料を、窒素としてポット当り100mgをそれぞれ施用
し、最大容水量の約50%の水分調整したのち、小松葉を
ポット当り20粒宛播種した。播種後5日目に発芽率を、
19日目に地上部生体重をそれぞれ測定した。
結果は第1表に示すとおりである。
第1表にみられるとおり、発芽率、地上部生体重ともに
対照肥料に比べ本発明肥料は優れており、乾燥の有無に
よって効果は変らなかった。
実施例2 実施例1に記載した手順によって製造した本発明肥料お
よび対照肥料を用いて鉢上げ試験を実施した。4号ビニ
ルポットに土壌550gを充填し、各肥料は土壌100gに対し
て窒素として25mg相当量施用した。別に育苗した白菜お
よびトマトの苗を移植し、14日間ガラスハウス内で栽培
後、子葉の状態、葉数、地上部生体重を測定した。
結果は第2表に示すとおりである。
第2表にみられるとおり、白菜の子葉の状態は、アルデ
ヒド処理濃度の低い肥料では枯死率が若干高いが、対照
肥料では100%の子葉が枯死しているのに比べると、本
発明肥料の効果は明らかであり、活着が対照肥料に比べ
順調であったことを示している。その後の生育も本発明
肥料は明らかに高かった。
トマトの場合は、子葉が枯れることはなかったが、本発
明肥料と活着が早く、生育が旺盛であった。
実施例3 米糠(窒素含有率2.5%)および菌体肥料(窒素含有率
7%)の各々100重量部に対し、ホルムアルデヒドとし
て2%となるようにホルマリン(37%)を添加し、混練後
約70℃で10分間乾燥したのち、冷却して本発明肥料を得
た。得られた肥料について実施例1と同様に植害試験を
行い、発芽率を調査した。
結果は第3表に示すとおりである。
実施例4 ナタネ油かす300重量部、骨粉480重量部、皮革粉130重
量部、木質泥炭100重量部、及びホルマリン(37%)20重量
部を混合、混練後、皿型造粒機で造粒し、乾燥したのち
篩別して粒径2〜4mmの本発明肥料を得た。なお、一部
は造粒をしないで、粉状のまま乾燥し本発明肥料を得
た。対照肥料としてホルマリンを除いたほかは上記と同
様の組成で、同一の工程を経たものを製造した。
これら肥料について、実施例1と同様の植害試験を行っ
た。
結果は第4表に示すとおりである。
第4表にみられるとおり、本発明肥料による発芽率は粒
状品、粉状品ともに高かったが、地上部生体重も対照肥
料に比べ重かったが、粒状と粉状を比較するとやや粉状
の方が重かった。これは調査までの生育期間が短かかっ
たので有機質肥料の無機化速度が形状により異なり、窒
素供給量に差のあったことによるものと思われる。
実施例5 ナタネ油かす300重量部、米糠150重量部、骨粉150重量
部、蚕蛹粉末50重量部、過リン酸石灰50重量部、塩化加
理30重量部、木質泥炭220重量部、及びホルマリン(37%)
50重量部を混合混練し本発明肥料を製造した。対照肥料
としてホルマリンを添加しない肥料を製造した。実施例
1と同様に植害試験を行い、結果を第5表に示した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルデヒドで処理した有機性肥料原材料か
    ら成る有機質肥料。
  2. 【請求項2】アルデヒドがホルムアルデヒド及び/又は
    アセトアルデヒドである請求項(1)に記載の有機質肥
    料。
  3. 【請求項3】ホルムアルデヒドは水溶液形態である請求
    項(1)に記載の有機質肥料。
  4. 【請求項4】有機性肥料原材料は植物油かす類、魚かす
    類、食品加工廃棄物、米糠、菌体及びその他の有機質肥
    料類から成る群から選択されるものの1種もしくは2種
    以上である請求項(1)に記載の有機質肥料。
JP63125046A 1988-05-24 1988-05-24 生育障害が軽少な有機質肥料 Expired - Lifetime JPH06673B2 (ja)

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