JPH066778B2 - 厚板用電磁軟鉄 - Google Patents

厚板用電磁軟鉄

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JPH066778B2
JPH066778B2 JP1156956A JP15695689A JPH066778B2 JP H066778 B2 JPH066778 B2 JP H066778B2 JP 1156956 A JP1156956 A JP 1156956A JP 15695689 A JP15695689 A JP 15695689A JP H066778 B2 JPH066778 B2 JP H066778B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、例えば漏洩磁気を遮断するのに好適な、優れ
た磁気特性を有し、かつシールドルーム用の構造材とし
て求められる機械的特性を有する厚板用電磁軟鉄に関す
る。
(従来の技術) 近年の著しい科学技術の進展に伴って、原子力エネルギ
ーの実用化が進み、原子核に関する研究がより一層求め
られてきている。この研究の際に用いられる実験装置と
してサイクロトロンが挙げられる。
このサイクロトロンは、イオンを加速するために巨大な
直流電磁石を使用する。したがって、その使用の際に
は、多量の漏洩磁気を発生するため、このサイクロトロ
ンの構造部材として用いられる鋼板には磁気遮断特性が
求められており、かつ構造用部材としての機械的特性も
求められている。
このような磁気遮断特性を有する鋼板としては電磁軟質
鋼板があり、一般的に変圧器、鉄芯等に使用される薄板
が周知である。これは従来から磁気特性の優れた鋼材と
して、JIS C 2503またはJIS C 2504に規定される電磁軟
鉄棒、電磁軟鉄板である。JIS C 2503に規定されるもの
は1.0〜16mmの直径の棒材であり、またJIS C 2504に規
定されるものは0.6〜4.5mm厚の薄板であり、いずれもリ
レー用または電磁石用としての小型部品への適用を対象
としたものである。
また、磁気用としては分類されていないが、機械的特性
を重視し、磁気特性を犠牲にして、JIS C 4051に規定さ
れる機械構造用炭素鋼材であるS10Cを用い、250mm幅に
熱間加工し、磁性材料として使用している例がある。
さらに、特開昭60−96749号公報、特公昭63−45442号公
報または特公昭63−45443号公報に開示されているよう
に、sol.Alの量を0.005〜1.00重量%と多く含有したAl
脱酸型極低炭素鋼である直流磁化用厚板が近年提案さ
れ、実用化されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、これらの公知方法で、たとえばサイクロトロン
の建設・使用の際の漏洩磁気を遮断することができるよ
うな、優れた磁気特性を有し、かつ構造用部材として求
められる機械的特性を有する厚板用電磁軟鉄を提供する
ことはできない。
すなわち (i)JIS C 2503またはJIS C 2504に示されている電磁
軟鉄棒または電磁軟鉄板は前述したように小型の部品を
適用の対象にしており、構造用部材としての機械的特性
がまったく考慮されていない。したがって、たとえば前
述のサイクロトロンの磁気シールド材にこの電磁軟鉄板
を適用する場合には、装置の強度を確保するためにこの
電磁軟鉄板を数10〜数100枚程度積層する必要があり、
製造コスト、製品の品質の観点からは、現実には実施化
を図ることができない。また (ii)JIS G 4051に示される機械構造用炭素鋼材を用い
た例では、磁気特性についての考慮が何らなされていな
いため、最大透磁率μmax(B/H)が1800以下と極めて低い
値しか得られていない。したがって、やはり所望の厚板
用電磁軟鉄を提供することはできず、高透磁率が必要と
される磁気シールド材として用いるには適切でない。
さらに、(iii)特開昭60−96749号公報に開示された電
磁鋼板は、最大透磁率の値が12850(B/H)から4260(B/H)
までとばらついた値となっており、その値も厚板用電磁
鋼板として充分な値ではない。また、この電磁鋼板の機
械的性質は、引張強さが26〜34kgf/mm2となってること
からも分かるように、ばらついたものであり、厚板用電
磁鋼板として適用でない。
さらに、(iv)特公昭63−45442号公報または特公昭63
−45443号公報に開示された方法は、確かに最大透磁率
を2000〜5000程度に高めることが可能な方法であるが、
たとえばこの方法により得られる電磁鋼板を前述のサイ
クロトロンに適用する場合を考えると十分な値とはいえ
ず、一層の向上が望まれる。
以上のように、これらの公知の手段では、たとえばサイ
クロトロンの磁気シールド材に用いる鋼板として好適
な、優れた磁気特性を有し、かつ構造部材として求めら
れる機械的特性を有する厚板用電磁軟鉄を得ることはで
きなかったのである。
ここに本発明の目的は、漏洩磁気を遮断するのに好適な
優れた磁気特性を有し、かつ構造用部材として求められ
る機械的特性を有する厚板用電磁軟鉄を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記の課題を解決するため種々検討を重ね
た結果、特開昭60−96749号公報に開示されているよう
に厚板用電磁軟鉄の素材として単にAl脱酸型極低炭素鋼
を用いるのではなく、Siを適量添加したAl脱酸型極低炭
素鋼を用いることにより、極めて良好な磁気特性を有
し、かつ機械的特性、すなわち引張強さ、降伏強さが従
来のAl脱酸型電磁軟鉄に比べて著しく向上した厚板用電
磁軟鉄を得ることができることを知見した。
すなわち、本発明者らは磁気特性の良好な厚板用電磁軟
鉄の製造に際して重要な点は、減磁率を大きくする成分
の含有量を極力低減することと、板厚方向における磁気
特性・機械的特性の均質性を高めることであることを知
見した。
つまり、第1の減磁率を大きくする成分元素としては、
C、S、Cu、Cr、Al等があるが、これらの元素、とりわ
けAlの含有量を適当な量に制限することが有効であるこ
とを本発明者らは知見した。また、磁気特性を減じるこ
となく、引張強さを高める成分元素としてSiが挙げら
れ、このSiを適量添加することにより、磁気特性および
機械的特性が著しく向上することもあわせて知見した。
さらに、第2の磁気特性の均質性を確保するためには、
非金属介在物の生成原因元素、偏析し易い元素の含有量
を低減し、結晶粒を板厚方向に可能な限り均一にするこ
とが必要であることも知見して、本発明を完成した。
ここに、本発明の要旨とするところは、厚板用電磁軟鉄
であって、重量%で、 C:0.02%以下、 Si:0.50%超〜1.00%、 Mn:0.05以下、 P:0.01%以下、 S:0.01以下、sol.Al:0.005〜0.060%、 残部Feおよび不可避的不純物 からなる、磁気特性の優れた厚板用電磁軟鉄である。
(作用) 以下、本発明を作用効果とともに詳述する。なお本明細
書において特にことわりがない限り、「%」は「重量
%」を意味するものとする。
まず、本発明にかかる厚板用電磁軟鉄の組成を上述のよ
うに制限した理由について説明する。
Cはその含有により減磁率を最も増加させる元素であ
り、極力低減させることが望ましい。しかしながら、C
の低減化は多くの工程を要することから製造コストの上
昇につながるために、その含有量を0.02%以下に制限す
る。
Siは本発明においては、本発明の作用効果を奏するため
に極めて重要な元素であって、結晶粒の整粒化、磁気特
性の向上、さらには引張強さの向上を促進するととも
に、かつ脱酸剤としても作用することから、0.50%超添
加する必要がある。しかし、あまり多量に添加すると鋼
が脆くなり、構造用厚板材として適当でなくなる。ま
た、Siの添加量の増加に伴い、A1変態点の上昇を招き、
最適熱処理温度を上昇させることとなる、上限を1.00%
と制限する。
MnもCと同様に減磁率の観点からは低減することが望ま
しいが、構造用厚板材として使用される場合には、磁気
特性以外にも必要最低限の強度の確保を図るために上限
を0.50%と制限する。
P、Sはともに非金属介在物を鋼中に形成しやすく少な
いことが望ましいが、しかしこれらの低減はコスト上昇
を生じることから、Pは0.01%以下、Sは0.01%以下と
制限する。
Alは、本発明の作用効果を奏するためには極めて重要な
元素であって、減磁率を大きくする元素であり、さらに
は鋼中のNと結合して窒化アルミを形成して鋼の混粒化
を促進するため、その含有量は少ないことが望ましい。
しかし、本発明において、Alが脱酸剤として作用し、か
つ内質の健全化を促進して極厚化に対応するために、あ
る程度の量の含有は必要である。このような観点から、
Alの含有量は、0.005%以上0.060%以下と制限する。
なお、本発明にかかる組成を有する厚板用電磁軟鉄は、
上述した組成に加えて、さらに、Cr、Mo、CuおよびNか
らなる群から選んだ少なくとも1種ないし2種以上を、
または酸素を下記に示す如く含有することがより望まし
い。すなわち Cr、Mo、CuまたはNは磁気特性の減磁率を大きくする元
素であるため、また偏析度合を少なくするため、極力少
ないことが望ましい。しかし、Cr、Mo、Cuは耐火物から
の混入があるために極端な低減化を図ることは困難であ
る。さらに、Nは前述したようにAlと結合して鋼の混粒
化を促進する。そこでCrは0.20%以下、Moは0.02%以
下、Cuは0.10%以下またはNは0.01%以下をそれぞれ含
有することがより望ましい。
また、酸素は非金属介在物を形成し、かつ偏析すること
により、磁壁の移動を妨げ、その含有量が増加するにつ
れて、鋼板保磁力が増加し、磁気特性の低下を招く恐れ
がある。したがってその含有量は少ないほど望ましく、
酸素を0.003%以下含有することがより望ましい。
かかる組成を有する本発明にかかる厚板用電磁軟鉄は、
極めて優れた磁気特性を有する。すなわち、磁気特性は
電磁軟鉄が具備すべき最も重要な性質であって、磁気特
性の具体的な指標としては最大透磁率μmaxが挙げられ
るが、前述したように近年の化学技術の急速な進展に伴
って高い透磁率が要求されてきており、その必要最低値
としてはμ≧7000(B/H)を具備することが望ましいが、
本発明にかかる構造用厚板電磁軟鉄は、この値を優に越
えた極めて高い透磁率を有する。
また、磁場10e(エルステッド)の際の磁束密度(以下
B1とする)も最大透磁率μmaxと同様にB1≧7000(B/H)で
あることが望ましいが、本発明にかかる厚板用電磁軟鉄
は、この値をも十分に越えた極めて高い磁束密度を有す
る。
さらに、本発明にかかる構造用厚板電磁鋼板の製造法に
ついて述べる。
鋼の溶製は転炉製法あるいは電気炉溶製法のいずれの溶
製法でもよく、さらに必要に応じて取鍋精練あるいは真
空脱ガス等の精練工程を経て、減磁率を大きくさせる元
素(C、Mo、Cu、N)を極力低減するとともに、非金属
介在物の生成および偏析を極力少なくさせるために、
P、Sを減少させ、さらに酸素をAlを用いて除去する。
次に、熱間加工工程においては、加工前の加熱条件や特
別な作業は全く不要である。また、加工の形態に関して
も、例えば圧延機を用いた圧延または鍛造機による鍛圧
のいずれでもよく、何ら制限を必要としない。
次に、熱間加工に引き続き、結晶粒の調整および加工歪
みを除去し、透磁率等の磁気特性を向上させるために熱
処理を施す。かかる熱処理としては磁気特性を十分に確
保するという観点からは焼鈍を行うことが最も望まし
く、その条件は(700〜Ac3点)℃、 時間以上であることが望ましく、さらに望ましくは900
℃×1時間程度である。
以上、詳述してきた本発明により、極めて優れた透磁率
を有する構造用厚板電磁軟鉄を容易にしかも確実に提供
することができる。
さらに、本発明をその実施例とともに説明するが、これ
は本発明の例示でありこれにより本発明が不当に制限さ
れるものではない。
実施例 電気炉溶製法により精練および溶製を行って、第1表に
示す組成および板厚を有する鋼片を得た。
得られた鋼片を所定の形状に加工(圧延)した後、同じ
く第1表に示す条件で焼鈍を行って、試料No.1ないし
試料No.34を得た。
これらの試料No.1ないし試料No.34について、磁気特性
として最大透磁率μmax(B/H)、磁場10eの際の磁束密度
B1(Gauss)を、また機械的特性として、降伏点YP(kgf/mm
2)、引張強さTS(kgf/mm2)、0℃におけるVノッチシャ
ルピー衝撃試験値vE0 Ave(kgf-m)をそれぞれ測定した。
結果を第1表に、また、B1およびTSに及ぼす、試料の板
厚方向の採取位置、熱処理温度又は板厚の影響を示すグ
ラフをそれぞれ、第1図、第2図または第3図に示す。
なお、例えばサイクロトロンのシルード材に用いられる
厚板用電磁軟鉄には、 (i)磁気特性:μmax≧7000、B1≧7000、 (ii)機械的特性:TS≧30、vE0 Ave≧4.8 が要求されており、これらを本実施例においても合否判
断の基準とすることとした。
第1表において、試料No.1ないし試料No.26は、本発明
にかかる試料である。
試料No.1は本実施例において基本とした組成にかかる
試料であり、試料No.2および試料No.3は熱処理条件
を、試料No.16ないし試料No.26は板厚および熱処理条件
を、それぞれ試料No.1に対して変更した場合の試料で
ある。
さらに、試料No.1に対して、 試料No.4ないし試料No.7は、C含有量を本発明の範囲
の上限近くまで含有させた試料、 試料No.8ないし試料No.11は、Si含有量を本発明の範囲
の上限近くまで含有させた試料、 試料No.12は、Mn含有量を本発明の範囲の上限近くまで
含有させた試料、 試料No.13は、sol.Al含有量を本発明の範囲内において
増加させた試料、 試料No.14は、sol.Al含有量本発明の範囲の上限近くま
で含有させた試料、 試料No.15は、CおよびMnを本発明の範囲の上限近くま
で含有させた試料 である。
これらの試料1ないし試料26は、いずれも、前述の基準
値を全て満足し、例えばサイクロトロンのシールド材と
して極めて好適であることがわかる。
これに対して、試料No.27ないし試料No.34は、比較例の
試料である。
試料No.27は、sol.Al含有量が0.086%と本発明の範囲を
越えているため、磁気特性が不足していることがわか
る。
試料No.28は、C含有量が0.028%と本発明の範囲を超え
ているため、磁束密度B1が不足していることがわかる。
試料No.29は、Si含有量が1.57%と本発明の範囲を超え
ているため、0℃におけるVノッチシャルピー衝撃試験
値vE0 Aveが著しく低下していることがわかる。
試料No.30は、Si含有量が0.008%と本発明の範囲よりも
少ないため、引張強さTSが著しく低下していることがわ
かる。
試料No.31は、Mn含有量が1.17%と本発明の範囲を超え
ているため、磁気特性が劣化していることがわかる。
試料No.32は、sol.Al含有量が0.089%と本発明の範囲を
超えているため、やはり磁気特性が劣化していることが
わかる。
さらに、試料No.33および試料No.34は、P、Sが本発明
の範囲を超えた試料であるが、内質試験の一つとして行
ったリンプリント試験、サルファプリント試験の結果、
P、Sの偏析が著しく鋼材として用いるには不適であっ
た。
また、第1図ないし第3図から明らかなように、本発明
にかかる厚板用電磁軟鉄は、 磁気特性および機械的特性の板厚方向についての均質
性を確保していること、 熱処理温度、板厚等の他の製造条件の影響を受けてい
ないこと がわかる。
(発明の効果) 以上詳述してきたように、本発明にかかるAl脱酸型板電
軟鉄を用いることにより、たとえばサイクロトロンに好
適な機械的特性と磁気特性とを有する厚板用電磁軟鉄を
確実にかつ安定的に提供することが可能となった。
かかる効果を有する本発明の実用上の意義は極めて著し
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例において、B1、TSに及ぼす試
料の板厚方向の採取位置の影響を表わすグラフ; 第2図は、本発明の実施例において、B1、TSに及ぼす熱
処理温度の影響を表わすグラフ;および 第3図は、本発明の実施例において、B1、TSに及ぼす板
厚の影響を表わすグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚板用電磁軟鉄であって、重量%で、 C:0.02%以下、 Si:0.50%超〜1.00%、 Mn:0.50%以下、 P:0.01%以下、 S:0.01%以下、sol.Al:0.005〜0.060%、 残部Feおよび不可避的不純物 からなる、磁気特性の優れた厚板用電磁軟鉄。
JP1156956A 1989-06-15 1989-06-15 厚板用電磁軟鉄 Expired - Lifetime JPH066778B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6096749A (ja) * 1983-11-01 1985-05-30 Nippon Steel Corp 直流磁化用厚板及びその製造方法
JPS60208417A (ja) * 1984-03-30 1985-10-21 Sumitomo Metal Ind Ltd 高透磁率熱間圧延鉄板の製造方法
JPS6345443A (ja) * 1986-08-11 1988-02-26 Toyota Motor Corp 空燃比制御装置の異常判定方法

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