JPH0670074B2 - カキ渋精製法 - Google Patents

カキ渋精製法

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JPH0670074B2
JPH0670074B2 JP25336585A JP25336585A JPH0670074B2 JP H0670074 B2 JPH0670074 B2 JP H0670074B2 JP 25336585 A JP25336585 A JP 25336585A JP 25336585 A JP25336585 A JP 25336585A JP H0670074 B2 JPH0670074 B2 JP H0670074B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はカキ渋よりタンニンおよび縮合型タンニンを精
製する方法に関するものである。
「従来の技術」 カキ渋は、8月下旬から9月下旬の間の渋のもっとも多
い時期に渋ガキから液汁を採集し、約1ケ月熟成させる
ことにより調製される。
カキ渋は縮合型タンニンであるプロトアントシアニジン
を主成分とするタンニンのタンパク質凝集性を利用した
清酒オリ下げ剤として用いられており、また血圧降下作
用があるとの報告がなされているなど薬理作用も期待さ
れている。
しかしながら、従来のカキ渋はカキ渋はカキ液汁は熟成
したものだけの形で利用されることが多かった。そし
て、このカキ渋は糖類や色素有機酸などの不純物が多
く、その使用量が限られること、また、カキの種類、採
取時期、生育条件によりタンニン含量が異なるなどの問
題点がある。
「発明が解決しようとする課題」 本発明は、カキ渋のタンニンを利用する場合における前
記問題点を解決し、タンニン含有率が高く且つ安定した
縮合型タンニン占有率を有するカキ渋を得る方法を提供
することを技術的課題とする。
「課題を解決するための手段と作用」 前記技術的課題は次の通りの本発明によって達成でき
る。
即ち、本発明は、カキ渋液を、当該カキ渋液乾燥固形量
の2〜20倍(W/W)量に相当する量の巨大網状構造を有
する合成吸着樹脂に接触させ、タンニンを当該樹脂に吸
着させて、吸着されたタンインを含水率30%未満のメタ
ノールまたは含水率30%未満のエタノールにより脱着さ
せ、得られた脱着液よりタンニンを採取することを特徴
とするカキ渋の精製法、及び、カキ渋液を、当該カキ渋
乾燥固形量の2〜20倍(W/W)量に相当する量の巨大網
状構造を有する合成吸着樹脂に接触させ、タンニンを当
該樹脂に吸着させて、吸着されたタンニンを含水率30%
未満のメタノールまたは含水率30%未満のエタノールに
より脱着させ、得られた脱着液を10〜30℃において活性
炭に接触させ、得られた脱色液より縮合型タンニンを採
取することを特徴とするカキ渋の精製法である。
本発明の構成を作用とともに説明すれば次の通りであ
る。
本発明により精製可能なカキ渋は、渋ガキの汁液より得
られたものである。このカキ渋は、本発明の精製方法以
外の方法による予備的な精製処理を施したものであって
もよい。処理するカキ渋液の固形分濃度は約1〜15重量
%が適当である。
精製に用いる巨大網状構造の合成高分子吸着樹脂は非極
性ないし中間極性のもので、その好ましい具体例として
は、ダイヤイオンHP-10、同HP-20、同HP-30、同HP-40、
同HP-50、(いずれも三菱化成社製品)、アンバーライ
トXAD-2、同XAD-4(いずれもローム・アンド・ハース社
製品)、レバチットOC-1031(バイエル社製品)等のス
チレン・ジビニルベンゼン系共重合体を樹脂母体とする
もの、あるいは、アンバーライトXAD-7、同XAD-8(いず
れもローム・アンド・ハース社製品)等のポリアクリル
酸エステルを樹脂母体とするものなどがある。
なお、上記樹脂の内、、アンバーライトXAD-2を用いて
ビールやブドウ酒に含まれているタンニン酸を吸着除去
する技術が提案されている(特公昭46-15303号公報参
照)。
カキ渋液を上記吸着樹脂と接触させると、タンニンは樹
脂吸着され、一方、大部分の不純物は吸着されずに溶液
中に残る。
しかしながら、タンニンを吸着させるのに用いる樹脂量
が、カキ渋乾燥固形量の20倍以上であれば、吸着されな
いタンニン様の不純物がクロマトを示して樹脂内に残存
し、脱着のさい混入してしまい、2倍以下であれば高分
子の縮合型タンニンが漏洩するとともに、低分子のポリ
フェノールが吸着をつづけるため、高分子の縮合型タン
ニンの占有率が低下するとともに、経済的にも損失とな
る。
接触樹脂量を2〜20倍量とすれば、高分子の縮合型タン
ニンを効率よく採取することができる。
精製しようとするカキ渋液を吸着樹脂と接触させる方法
はバッチ法とカラム法のいずれでも差支えないが、操作
性および処理効率の点でカラム法が好ましい。
樹脂に吸着されたタンニンは、水洗したのち、脱着溶媒
と接触させればタンニンが脱着される。
この脱着溶媒としては、メタノールまたはエタノール若
しくはこれらと水との混合物を用いる。
メタノールまたはエタノールを水と混合して脱着溶媒と
する場合、この脱着溶媒中の含水率が50%以上となる
と、脱着物中に占める分子量10,000以上の縮合型タンニ
ンの含有率がかなり低下するだけでなく、脱着溶媒当り
の脱着量も低下する。従ってこの様に含水溶媒を脱着溶
媒として使用する場合は、その含水率を30%未満として
使用する必要がある。
また、得られた脱着液を活性炭と10℃〜30℃の低温で1
〜10時間接触させることにより低分子ポリフェノールを
吸着除去して脱色液となし、分子量10,000以上の縮合型
タンニンを容易に採取することができる。活性炭は対固
形10〜100%量が好ましい。
得られた脱着液、脱色液を濃縮し、更に必要に応じて噴
霧乾燥、凍結乾燥すれば、濃縮液状または粉末状の、精
製されたカキ渋を得ることができる。
「発明の効果」 本発明の精製法により得られるカキ渋は、従来使われて
いたカキ渋に比べるとタンニン含量が3〜5倍の高純度
品である。また、色調やにおいの点でも充分に満足でき
るものである。タンニンの中の高分子縮合型タンニンの
占有率を高め、一定にすることにより、安定したタンパ
ク質凝集性が得られる。
また、本発明の精製法は、吸着樹脂の選択的吸着能を利
用するものであるから、従来入手困難であった高純度品
を1回の処理で得ることができるだけでなく、処理に要
する時間が短かく、操作も簡単で、脱着溶媒の使用量も
僅かである。
したがって本発明によれば、高品質のカキ渋を安価に提
供しその利用を容易にするのに貢献することができる。
「実施例」 以下、実施例を示して本発明を説明する。
カキ渋含有タンニン量は「醸造用資材成分規格と試験
法」(昭和54年3月31日発行、醸造用資材規格協議会編
集)による力価測定法により分析した。
実施例1. カキ渋液1(固形10%、力価140)を、合成高分子吸
着体ダイヤイオンHP20を400g充填したカラム空間速度0.
5l/l・Hrで通液した。この後カラムを2lの水で洗浄して
から、70%エタノール2lを空間速度2l/l・Hrで流し、目
的成分タンニンの脱着を行なった。脱着液を集めて濃縮
し、水を加えて0.32l(固形10%)とした。この濃縮液
を分析したところ、力価は420であり、対固形に対して
3倍のタンニン含量に精製された。
実施例2. カキ渋液0.5l(固形10%力価140)を、合成高分子吸着
体レバチットOC−1031 1000g充填したカラムに空間速度
0.5l/l・Hrで通液した。この後カラムを10lの水で洗浄
してから、90%エタノール5lで空間速度2l/l・Hrで流
し、目的成分タンニンの脱着を行なった。得られた脱着
液5.8l(固形0.34%力価12)に活性炭10gを加えて、25
℃5時間撹拌することにより脱色し、濾過後濃縮、凍結
乾燥して、10.5gの淡紫色粉末を得た。この粉末を分析
したところ力価は3260であった。この粉末の分子量分布
をみたところ次表の結果であった。
分画方法 限外濾過法 ウルトラフィルトレイションシ
ステム スペクトラ/ポア 7(スペクトラメディカル
製) タンニン力価測定法 (1)試薬 N/400ポリビニルアルコール硫酸カリ溶液※:エステル
化度100%のもの0.4050gを1,000mlの水に溶かす。N/200
メチルグリコルキトザン溶液※:風乾物3.0gを1000mlの
水に溶かす。間接滴定法により、空試験との差から滴定
値を求めるものであるから、正確にN/200でなくともよ
い。正確な濃度はN/400ポリビニルアルコール硫酸カリ
溶液で標定する。
トルイジンブルー指示薬:トルイジンブルー0.1gを100m
lの水に溶かす。
※既に溶液となったものが市販されている。
(2)操作法 試料5mlをとり水で100mlとする。そのうち10mlをとり水
を加えて希釈し250mlとする。その5、10、15、20mlず
つをとり水を加えて全容を各20mlとし、各々にメチルグ
リコルキトザン溶液5mlとトルイジンブルー指示薬1滴
を加え、アンモニア水(28%)3mlを加えた後、余分の
メチルグリコルキトザンをポリビニルアルコール硫酸カ
リ溶液で滴定する。
滴定の終点は指示薬の色が青色から赤紫色に変わったと
ころとする。色の変化はあまり明瞭でないが、終点付近
で急に凝集が起こるので、凝集が起こったところでもう
一度指示薬を加えてから滴定(数滴)すれば色の変化が
はっきりする。空試験との差が滴定値となる。
力価は次式により滴定値を試料1mlあたりに換算した値
をもって表わす。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カキ渋液を、当該カキ渋液乾燥固形量の2
    〜20倍(W/W)量に相当する量の巨大網状構造を有する
    合成吸着樹脂に接触させ、タンニンを当該樹脂に吸着さ
    せて、吸着されたタンニンを含水率30%未満のメタノー
    ルまたは含水率30%未満のエタノールにより脱着させ、
    得られた脱着液よりタンニンを採取することを特徴とす
    るカキ渋の精製法。
  2. 【請求項2】カキ渋液を、当該カキ渋液乾燥固形量の2
    〜20倍(W/W)量に相当する量の巨大網状構造を有する
    合成吸着樹脂に接触させ、タンニンを当該樹脂に吸着さ
    せて、吸着されたタンニンを含水率30%未満のメタノー
    ルまたは含水率30%未満のエタノールにより脱着させ、
    得られた脱着液を10〜30℃において活性炭に接触させ、
    得られた脱色液より縮合型タンニンを採取することを特
    徴とするカキ渋の精製法。
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