JPH067055B2 - 位相変調方式光フアイバジヤイロ - Google Patents

位相変調方式光フアイバジヤイロ

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JPH067055B2
JPH067055B2 JP28189087A JP28189087A JPH067055B2 JP H067055 B2 JPH067055 B2 JP H067055B2 JP 28189087 A JP28189087 A JP 28189087A JP 28189087 A JP28189087 A JP 28189087A JP H067055 B2 JPH067055 B2 JP H067055B2
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賢司 岡本
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【発明の詳細な説明】 (ア) 技 術 分 野 この発明は、角速度を測定する光フアイバジヤイロの改
良に関する。
光フアイバジヤイロは、航空機、船舶、自動車、その他
の運動体の回転角速度を測定する計器として用いる事が
できる。
機械的なジヤイロに比較して、光フアイバジヤイロに
は、電磁ノイズを受けない、可動部がない、小型化が可
能である、などの特長がある。
(イ) 光フアイバジヤイロの原理 シングルモード光フアイバを多数回巻回したセンサコイ
ルに、右廻り光と左廻り光を通す。このセンサコイルが
回転していなければ、右廻り光と左廻り光のコイル通過
時間は等しい。
しかし、このセンサコイルが角速度Nで回転している
と、右廻り光と左廻り光のコイル通過時間が異なる。
コイル通過時間の差は、コイルのフアイバ長Lが長けれ
ば長いほど、断面積が大きければ大きいほど、また回転
角速度Nが大きいほど、大きくなる。
これをSagnac効果という。
光は波であるから、時間の差は、位相の差に置きかえる
事ができる。フアイバ中での光の角振動数ωを時間差に
乗じて、位相の差とすることができるからである。
Sagnac効果による左廻り光、右廻り光の位相の差Δθ
は、 によつて与えられる。Lはセンサコイルに巻回したフア
イバの全長、aはセンサコイルの半径、cは真空中の光
速、λは真空中に於ける波長、Nはセンサコイルの軸ま
わりの回転角速度である。
最も単純な構成に於ては、発光素子の光をビームスプリ
ツタで分けて、センサコイルの両側から入射させ、セン
サコイルをそれぞれの方向に伝搬した光を合体して受光
素子で二乗検波する。
左廻り光、右廻り光をE(t)、F(t)で表わす。それぞれ
の振幅をG、Hで表わす。光の角振動数をωとする。検
出器に入つた時の光強度は となる。これを二乗検波すると、出力Iは という形になる。全て直流成分になる。cos(Δθ)の形
で入つているので、Δθが0に近接した値である時に感
度が悪くなる。
そこで、右廻り光、左廻り光のいずれか一方の光路長を
90゜分長くした光フアイバジヤイロも考案されている。
こうすると、二乗検波出力がsin(Δθ)の形になる。Δ
θ0の近傍での感度がよいはずである。
しかし、一方の光のみをとりだして、光路長を大きくす
るという事は容易でない。多くのビームスプリツタを必
要とし、光学系が複雑になる。振動や、温度変化によつ
て狂いやすいなど、多くの難点がある。現実的でない。
以上に述べたものは、直流分に含まれる信号を検出する
ものであつた。これらは、ノイズ、温度変化に弱いとい
う欠点がある。
(ウ) 位相変調方式光フアイバジヤイロ 動的な機構を付加して位相差Δφを検出しようという試
みも数多くなされている。
たとえば、位相変調方式、或は周波数変調方式などであ
る。位相変調方式は、左廻り光、右廻り光のいずれにも
位相変調を加えるが、非対称に加えるので、両者の光で
位相が異なつてくる事を利用する。
本発明は、位相変調方式の光フアイバジヤイロの改良で
ある。そこで、この方式の原理について説明する。
センサコイルの一方の端に位相変調器を設ける。これ
は、例えば圧電素子などで作る。圧電素子の外面にシン
グルモード光フアイバを巻きつける。圧電素子に電極を
設け、電圧を加える。すると光フアイバが伸縮する。光
路長が変つて、位相変化が起こる。
たとえば、右廻り光が入る入出端の近くに位相変調器を
設けたとする。
すると、右廻り光は位相変調を受けてから、センサコイ
ルに入る。左廻り光はセンサコイルを出たあとに位相変
調を受ける。
つまり、右廻り光と左廻り光が受ける位相変調には、一
定の時間差τがある。
同じ位相変調器を通るのであるが、左廻り光は、センサ
コイルを通る時間だけ遅れた位相変調を受けることにな
る。
センサコイルの長さがL、屈折率がn、光速(真空中)
をcとすると、センサコイルを通過するのに要する時間
τは である。
位相変調の振幅をb、角周波数をΩとする。右廻り光と
左廻り光の位相変調の位相差をφとすると、これはΩτ
である。
φ=Ωτ (5) 但し、fは位相変調周波数である。
Ω=2πf (8) 右廻り光の位相変調を とすると、左廻り光の位相変調を と書くことができる。
センサコイルが回転している時、Sagnac効果により、右
廻り光、左廻り光は、Δθの位相差を持つ。位相変調器
を入れた事により、(9)、(10)の位相差も待つことにな
る。
(2)、(3)のかわりに、右廻り光E(t)、左廻り光F(t)の
強度は、 となる。
これを二乗検波するので、受光素子の出力S(Δθ、t)
は、 となる。直流分は定数なのであるから、これを落して、
Δθを求める事を考える。直流分を除いたものを とすると、これは となる。これは、ベツセル函数を使つて級数展開する事
ができる。
ベツセル函数の母函数展開から となる。
s=ieiθ (16) とおくと、 これと、ベツセル函数の性質 J-n(x)=(-1)nJn(x) (18) より、 となる。これは、 という事である。
そこで、(14)式は、 と置換える事により、 と書くことができる。これは、受光素子の二乗検波出力
である。cos(Δθ)の係数として、直流項と、位相変調
の周波数Ωの偶数次の高調波の項が含まれる。
sin(Δθ)の係数として、変調周波数の奇数次の高調波
の項が含まれる。これらは、変調信号sin(Ωt)の高調波
であるので、適当なバンドパスフイルタを用いれば、任
意の項を独立にとり出す事ができる。
どの高調波をとつても、信号sin(Δθ)、cos(Δθ)が含
まれていて、Δθを含める事ができる。
さきほど述べたように、Δθが小さい時に高感度を得よ
うとすれば、sin(Δθ)を与える奇数次高調波の項を採
用するのが望ましい。
そこで、(23)の のうち、基本波cos(Ωt)の成分をとることにする。m=
0の項である。これは、cos(Ωt)の成分のみを通すバン
ドパスフイルタによつて から分離することができる。
分離した後の基本波信号をP(Δθ、t)と書くと、 P(Δθ、t)=−2GHsin(Δθ)J1(ξ)cos(Ωt) (24) である。J1(ξ)を最大にすると感度が良くなる。そこで
ξ=1.8に設定する。このとき、直流成分J0(ξ)はほぼ
0である。
このような方式により、Δθを求める装置は、例えば本
出願人による特開昭60−135816号(S60.7.19公開、特公
昭58−248926、S58.12.26出願)に於て提案されてい
る。この装置は、振幅G、Hの変動の影響を除去するた
めの工夫がなされている。
(エ) 従 来 技 術 I さて、フイルタを通つた出力を、cos(Ωt)の信号を与え
て同期検波すれば、sin(Δθ)が得られる事になる。
第5図は従来例に係る位相変調方式光フアイバジヤイロ
の略構成図である。
発光素子10で発生した光は、ビームスプリツタ12で
2つの光に分かれる。これはセンサコイル20の両端に
入り、右廻りに、或は左廻りにセンサコイル20の中を
伝搬する。
位相変調器24によつて、bsin(Ωt)の位相変調を受け
る。
右廻り、左廻りした光はビームスプリツタ12で同一し
た光は受光素子26によつて二乗検波される。これが(1
3)式のS(Δθ、t)である。光信号増幅器32でこれが
増幅される。
フイルタ36で基本波Ωの成分のみが選ばれる。他の高
調波及び直流分はフイルタ36を通る事ができない。
さて、cos(Ωt)の信号を得て、同期検波器34に於て同
期検波する。
参照信号cos(Ωt)をどこから得るかという事を問題にす
る。
cos(Ωt)の位相変調を光フアイバに与えているのは、位
相変調器24である。これを駆動する位相変調器駆動回
路22からcos(Ωt)の基本波参照信号を得るという事が
第1に考えられる。これを第I方法という事にする。
ここで参照信号というのは、cos(Ωt)の信号のタイミン
グを与えるための信号である。位相が問題であつて、振
幅は一定値とする。
同期検波というのは、(24)のフイルタ出力に同一振動数
のcos(Ωt)を乗じて、直流成分として、係数−2GHsi
n(Ωt)J1(ξ)を得るものである。
実際には、駆動回路22に於けるcos(Ωt)の振動と、フ
イルタ36を通つた後の(24)式P(Δθ、t)のcos(Ωt)
の振動とはタイミングがずれている。
振動回路22に於ける振動より、P(Δθ、t)の振動に
は遅れがある。これは、位相変調器24の電圧・機械変
換の遅れ、位相変調器から受光素子まで光が伝搬する事
にともなう遅れ、受光素子の応答遅れ、光信号増幅器の
遅れなどを加えたものである。遅れ時間をτ′とする。
駆動回路の振動をcos(Ωt)とすれば、P(Δθ、t)の振
動はcos(Ω(t-τ′))となる。位相遅れΩτ′を調整す
るため、位相調整回路30を設ける。
これは、位相変調器駆動回路22の信号をτ′だけ遅延
しcos(Ω(t-τ′))の振動とする。つまり、位相を合わ
せる。
同期検波器34では、フイルタ36を通つた基本波信号
P(Δθ、t)と、位相調整回路30からの参照信号とが
同一位相で入つてくる。これを同期検波すると、(24)の
係数−2GHsin(Δθ)J1(ξ)を得る。
しかし、信号P(Δθ、t)と参照信号に位相差Ψが残つ
ていれば、同期検波出力は、上述の値にcosΨを乗じた
ものになる。
最大感度を得るためにはΨ=0としなければならない。
位相調整回路30はそのような機能を持つている。Ψ=
0とする事ができないとしても、Ψが一定でなければな
らない。
もしも、信号P(Δθ、t)と参照信号の位相差Ψが変動
すれば、これはsin(Δθ)の変化であるのかcosΨの変化
であるのか区別がつかない。
基本波参照信号を得るための第I方法は、位相変調器駆
動回路22の発振信号に、一定の位相遅れΩτ′を与え
ることにより参照信号を得ていた。
位相遅れを与えるのが位相調整回路である。
このような場合、3つの欠点がある。
(i) 位相調整回路自体の位相調整精度が、ジヤイロの
角速度検出精度に影響する。
(ii) 位相調整回路による位相調整は、通常、最初に一
度行われるだけである。調整後、位相遅れ(Ωτ′)は固
定される。
しかし、位相変調のための信号は、位相変調器、光フア
イバ、受光素子、光信号増幅器、フイルタなどを経て同
期検波器に入る。この間で、温度変化が原因となつて、
位相遅れが変化する可能性がある。
特に、位相変調器(例えば圧電素子)の温度特性によ
り、使用中において、電気−機械変換時の位相変化に変
動が生じる。これが、ジヤイロの角速度検出精度に影響
する。
(iii) 位相調整作業は、個々の装置、個々の位相変調
器ごとに実施してゆかなければならない。位相変調器の
遅延時間にバラつきがあるからである。
このため、位相調整作業が煩労であつた。
(オ) 従 来 技 術 II 光信号増幅器32で得られた信号S(Δθ、t)は、基本
波成分の他に、多くの高調波を持つている。
基本波と奇数次の高調波成分は、コイルが回転していな
い時には消える。Δθ=0だからである。
ところが、偶数次の高調波成分はcos(Δθ)の係数であ
るから、コイル20が静止している時に最も大きくな
る。Δθが小さい範囲で使うが、この場合、偶数次の高
調波が必ず存在することになる。
そこで、2次の高調波を用いて、同期検波の参照信号を
作ろうとする提案がなされた。特願昭61−250680号であ
る。2次の高調波成分をR(Δθ、t)とすると、(23)式
から、 R(Δθ、t)=−2GHcos(Δθ)J2(ξ)cos(2nΩt) (2
5) となる。
参照信号として、cos(Ωt)の振動を得たいのであるか
ら、2次高調波cos(2Ωt)を1/2分周すればよいのであ
る。
第5図に於て、第II方法として示した、フイルタ37、
分周器42、位相補正器40の回路系列は、このような
参照信号を作る。
R(Δθ、t)はcos(2Ωt)を得るために必要であつて、振
幅はあまり問題ではない。ただし、cos(Δθ)が0であ
つてはならない。光フアイバジヤイロは静止している
(Δθ=0)か、低い角速度の範囲(Δθ<<90゜)で用いる
ので、cos(Δθ)は0ではない。
フイルタ37は、2次の高周波cos(2Ωt)のみを通すも
のである。そして、R(Δθ、t)を増幅して、一定振幅
の信号にする。
実際には、コンパレータを用いて、0、1の二値信号に
する。R(Δθ、t)のうち、振幅は不要なのであつてcos
(2Ωt)の振動のみが必要だからである。
次に1/2分周するので、W=cos(Ωt)の振動が得られ
る。これを参照信号として同期検波器34へ入力する。
この方法の良い点は、位相のずれτ′が極めて小さく、
しかも一定しているという事である。位相のずれが、そ
れでも少しあるので、位相補正回路40で補正するよう
にしている。
基本波信号P(Δθ、t)と、参照信号W(t)の間の位相の
ずれτ′が何故小さく、一定しているかという事を説明
する。
光信号増幅器32の出力は、全ての高調波を含んでいる
S(Δθ、t)である。これをベツセル函数で展開したの
であるから、この瞬間に基本波と全ての高調波の位相は
合致している。
基本波成分はフイルタ36でP(Δθ、t)となつて分離
される。2次高調波はフイルタ37、分周器42を通
る。
フイルタ、分周器による遅れがある。時に分周器42は
遅延の原因になる。このため2次高調波の位相が遅れ
る。位相遅れを位相補正回路40で補正する。遅れが分
周器42に起因するから、遅れ時間が僅かである。また
温度変化も殆どない。安定している。
したがって、位相補正を最初にいちど行うだけでよい。
(カ) 発明が解決すべき問題 第5図に示す第II方法には、次のような問題がある。第
6図に参照信号発生回路例を示す。
1/2分周器42として、カウンタを用いる。角周波数が
2Ωである正弦波を、コンパレータにより矩形波とし、
これをカウンタに入れる。カウンタはフリツプフロツプ
であつて、入力パルスの立上り、又は立下りに、出力が
0から1、1から0へと変化する。
第4図によつて説明する。(a)は2Ωの角周波数の入力
パルス(2次高調波より)を示す。このパルスは、立下
り50、51、…を持つ。それらの間隔が高調波の1周
期であつて、π/Ωである。
第4図(b)はノイズがないときの1/2分周器の出力であ
る。2Ωパルスの立下り50、51、…に同期して、立
上り57、立下り58、…というような、規則正しい角
振動数がΩのパルスになつている。
こうだとよいのであるが、ノイズが入るとこうはゆかな
い。
入力の2Ωパルスにノイズ70が含まれたとする。これ
は立上り71と立下り72よりなる。立下り72のた
め、1/2分周器(カウンタ)の出力が反転する。第4図
(c)にノイズがあるときの出力波形を示す。ノイズのた
め、出力はここで、立下り65を持つ。ここで、ノイズ
のない場合と信号の符号が反対になつてしまう。以後、
ノイズのない場合(b)に比べて、位相が180゜ずれること
になる。
第4図(c)のような参照信号を用いて同期検波すると、
ノイズが入つた瞬間に出力がAから−Aに急変する。
ノイズが入るたびにこのような零点変動が起こる。
これは好ましくない事である。参照波が反転するため、
検波出力が反転してしまう。
このようなノイズは、全く発生しないこともあるが、発
生する事もある。出力の変動がノイズによるものである
と分かればよいが、被測定物の角速度の変化によるもの
と区別できないこともある。
ノイズの原因は外部ノイズと、分周器入力の歪みであ
る。フイルタ37で2Ω成分のみを取り出しているとは
いうものの、完全でない。2Ωの高調波2ΩNが必ず存
在する。これを増幅し、コンパレータで2値化するの
で、高調波によるノイズの含まれる可能性がある。
(キ) 目 的 位相変調方式の光フアイバジヤイロで、基本波成分P
(Δθ、t)を同期検波するための参照信号W(t)を、2次
高調波を1/2分周して得るようにしたものに於て、ノイ
ズの影響を受けず正しい角速度情報が得られるようにし
た光フアイバジヤイロを提供する事が本発明の目的であ
る。
(ク) 構 成 同期検波器34の参照信号を発生させる方法として、2
つの方法があつた。
2次高調波を1/2分周したものは、ノイズを含みやす
い。ノイズに弱い。ノイズが入ると、参照信号が180゜位
相ずれを起すので、同期検波器の出力が+Aから−Aに
反転する。しかし、基本波に対して、変動の少ない遅延
τ″を与えることが容易である。
位相変調駆動回路から参照信号をとるものは、単一振動
数の発振器によつて発生した信号であるから歪みがな
く、ノイズもない。このため、ノイズに強く、出力が急
に反転するという事がない。
しかし、基本波に対する遅延時間τ′が長く、しかも温
度による変動がある。
いずれも一長一短がある。
本発明は、両者の長所を組合わせた参照信号発生回路を
提案する。
2次高調波1/2分周するという点は同じである。これに
加えて、位相変調器駆動回路22からも信号をとり、一
周期に1回分周器をクリアする事にしている。
分周器、つまりカウンタを位相変調器駆動回路22の信
号により1回/1周期クリアすると、参照信号がノイズ
によつて反転しても、その周期内だけのことである。ノ
イズの影響はクリアされてしまう。
結局、位相変調の周期2π/Ω内に、必ずひとつのパル
スが生ずる。
1周期内に2つのパルスが入るという確率は極めて少
い。
この場合であつても、この周期に於て、2つのパルスが
発生するだけのことである。ノイズの影響は1周期内で
しか持続しない。以後は、正常な状態に戻る。
ここでカウンタをクリアするといつている。これは出力
をQ=0にしてしまうという事である。そうではなく
て、本発明に於てはカウンタの出力をQ=0にしてしま
うことにしてもよい。これはプリセツトという。
本発明に於ては、位相変調器駆動回路の信号により、1
周期内に1回だけ、入力の状態に拘わらず出力をクリア
Q=0又はプリセツトQ=1にすればよいのである。
以後、クリアとプリセツトの両者を含めた意味で、簡単
に「クリア」と表現することにする。
第1図によつて本発明の光フアイバジヤイロの全体略構
成を説明する。
発光素子10は、単一波長の光を発生する光源である。
He−Neレーザ、半導体レーザ、スーパールミネツセント
ダイオードなどを使用する事ができる。
発光素子10から出た光はビームスプリツタ12を通
り、レンズ110を通つて、光フアイバ114に入る。さらに
レンジ111を通つて、ビームスプリツタ14に入射す
る。
ビームスプリツタ14は、これを2つのビームに分け
る。反射ビームは、レンズ112を通り、シングルモー
ド光フアイバ18の一端Aへ入射する。これは、センサ
コイル20の中を左廻り光として伝搬する。さらに、位
相変調器24で位相変調を受ける。
直進したビームはレンズ113を通り、シングルモード光
フアイバ18の他端Bへ入射する。これは、位相変調器
24を通り、センサコイル20の中を右廻り光に伝搬す
る。
左廻り光はシングルモード光フアイバを端部Bから出射
し、レンズ113、ビームスプリツタ14を通る。
右廻り光はシングルモード光フアイバを端部Aから出射
し、レンズ112を通り、ビームスプリツタ14で反射さ
れる。
ビームスプリツタ14に於て、左廻り光と右廻り光とが
合体する。
この例では、2つのビームスプリツタ12、14を用い
ている。これは、第5図のようにひとつのビームスプリ
ツタにまとめる事もできる。
センサコイル20は、シングルモード光フアイバを円筒
形状に多数回巻回したものである。このコイルの主軸ま
わりの回転角速度Nに比例した位相差Δθを生ずる。巻
数、断面積が大きいほど感度が高くなる。比例関係は
(1)式で与えられる。
位相変調器24は、例えば、圧電素子に、光フアイバを
巻きつけたもので構成する事ができる。圧電素子に電圧
を加えて、これを伸縮させると、光フアイバが伸縮し、
ここを伝搬する光の行路長が変化する。
光路長の変動が位相変動をひき起す。結局、bsin(Ωt)
の位相変動を生ずる事になる。
位相変調器24がセンサコイル20の外にある。このた
め、左廻り光と右廻り光とが位相変調を受ける時間が、
(4)で与えられるτだけ相異する。
このため、一方の光はbsin{Ω(t-τ/2)}、他方の光は
bsin{Ω(t+τ/2)}の位相変調を受ける。
このような、左廻り光、右廻り光が、ビームスプリツタ
14で合体するわけである。
この光は、センサコイル20の回転による位相差Δθ
と、位相変調bsin(Ωt)とを含む信号光である。
ビームスプリツタ12で反射された信号光が、受光素子
26に入射する。ここで干渉し、二乗検波される。右廻
り光E(t)、左廻り光F(t)の受光素子面での強度は(1
1)、(12)式に示される。
二乗検波され、光信号増幅器32によつて増幅された電
圧信号は、(13)にS(Δθ、t)として与えられている。
これは、角周波数Ωの高調波を含んでいる。
フイルタ36は、角周波数Ωの基本波成分P(Δθ、t)の
みを通すフイルタである。これは(24)に示されるよう
に、sin(Ωt)J1(ξ)cos(Ωt)の項である。
ξ=1.8として、感度を最高にしておくと良い。このと
きJ1(ξ)=0.58である。
同期検波器34で基本波成分P(Δθ、t)が同期検波され
る。
同期検波の際に、参照信号が必要になる。検波すべき信
号に参照信号を乗じて時間平均をとるのが同期検波であ
るから、参照信号の位相が正しくなければならない。
フイルタ37は、増幅された信号S(Δθ、t)から、2
次高調波のみをとり出すフイルタである。これがR(Δ
θ、t)であつて、(25)に与えられる。J2(ξ)cos(Δθ)c
os(2Ωt)の項である。これは、センサコイルが静止(Δ
θ=0)している時にも存在するから、参照信号として利
用するのに適している。またフイルタ37は、2Ωの高
調波も通すので、R(Δθ、t)には、高調波による波形歪
みが含まれ、これがノイズとなる可能性がある。
2次高調波は正弦波であるが、コンパレータ100で矩形
波に直す。これを分周器42で1/2分周する。カウンタ1
02によつて、2Ωの振動を、Ωの振動にする。
ここまでは第5図の第II方法と同じである。
本発明ではさらに、位相変調器駆動回路22の、角周波
数がΩの振動を用いる。これをコンパレータ101で増幅
し矩形波にする。カウンタ102のクリア端子にこの信号
を入力する。
つまり、位相変調の1周期ごとにカウンタをクリアする
のである。カウンタであるからクリアといつているが、
これはカウント数が2である1ビツトカウンタであり、
フリツプフロツプという事もできる。フリツプフロツプ
と表現すれば、リセツトする、という事もできる。
2次高調波R(Δθ、t)にノイズが含まれると、カウンタ
出力がノイズによつて変化する。しかし、カウンタが1
周期ごとにクリアされるから、ノイズの影響は1周期以
上残らない。
ノイズの影響は直ちに排除され、以後正しく1/2分周さ
れてゆく。
こうして1/2分周したものは、フイルタ37の前段で
は、基本波成分と同期していたわけであるが、フイルタ
36、37による遅延時間の違い、分周器42による遅
延時間などがあり、これらの遅延時間により、位相が異
なつている。これをΨ′とする。
位相補正回路40は、位相差Ψ′を分周器出力に与え
て、基本波P(Δθ、t)と位相差のない参照信号W(t)を
作る。
第2図は分周器の部分の回路例を示す。
位相変調器駆動回路22からのsin(Ωt)の正弦波が、コ
ンパレータ100により角周波数がΩの矩形波に変換され
る。これは、正電源Vと負電源Vの2値をとる矩形
波である。ダイオードD1により負電圧の部分をOVに引
上げている。これは、カウンタとして5Vで動く74LS16
3を使つているからである。この矩形波を、カウンタ102
のクリア端子へ入力する。
2次高調波はコンパレータ101で矩形波とし、カウンタ1
02のクロツク端子へ入力する。
クロツク入力の立下り(又は立上り)によりカウンタの
出力の値が変わるので、出力は2次高調波によつて位相
が規定された、角周波数がΩの矩形波となる。
(ケ) 作 用 第3図によつて、本発明の回路のノイズ除去作用を説明
する。
第3図(a)はカウンタのクロツク入力である。これは、
2Ωの2次高調波を矩形波としたものである。実際に
は、それほど頻繁にノイズが入らないのであるが、説明
の便宜のため、ノイズ75〜79がクロツク入力に含まれた
ものとする。
カウンタのクリア入力は、位相変調器駆動回路のsinΩt
の信号を矩形波にしたものである。(a)の2倍の周期を
持つが、位相は一致していない。
この矩形に於てHレベルのとき、たとえば80〜81の間で
は、カウンタがクリアされ出力は0である。Lレベルの
とき、たとえば81〜82の間で、カウンタはクロツクCK
を計数できる。
第3図(c)はノイズがないと仮定した場合のカウンタ出
力を示す。これは、角周波数がΩの規則正しい矩形波で
ある。立下り84、86は、クリア入力がHレベルにな
るためである。立上り85は、クロツク入力の立下り7
1によるものである。このカウンタは、クロツク入力の
立下りを数えるものである。
カウンタがクリア状態にある時にクロツク入力に入つた
ノイズをdタイプノイズということにする。ノイズ7
4、75がこれに当たる。
第3図(d)はdタイプノイズのみが含まれた場合の出力
を示す。これはノイズがない場合と同じ波形である。ク
リア状態の時にノイズが入つても、出力にはなんの影響
も及ぼさない。これは当然である。
クリア状態でない時にクロツク入力に入るノイズをe、
fタイプと呼ぶことにする。
eタイプはクロツク入力がLレベルの時に入つたノイズ
である。ノイズ76、77などである。
第3図(e)はeタイプのノイズがある場合のカウンタ出
力波形を示す。パルス87、88は正常である。しか
し、パルス90、91は異常である。パルス90の立上
り92は、クロツク入力の立下り72に起因するもので
ある。立下り93は、ノイズ76の立下り73によるも
のである。
このため90、91は短縮化されたパルスになつてい
る。
しかし、パルスが短かくなつただけで、第4図(c)のよ
うに、以後位相が180゜ずれるという事がない。
本発明に於ては、1/2分周器の機能の半分しか使つてい
ない。あと半分はクリア入力によつている。カウンタ出
力の立上りはクロツク入力の立下りによるが、カウンタ
出力の立下りはクリア入力によつている。このためノイ
ズが入つても、出力パルスの変化は軽微になる。
fタイプのノイズ78、79は、クリア状態でない時
で、クロツク入力がHレベルの時に入つたノイズであ
る。
第3図(f)はfタイプノイズがある時の出力波形であ
る。異常パルス96、97が現われる。パルス立上り9
8はノイズ78の立下り部によるものである。立下り9
9はクロツク入力の立下り71による。
異常パルス96、97は短かくて、立上り時刻が正規の
ものより少し早くなつている。
しかし、異常パルスのため、位相が180゜ずれるという事
はない。すぐに正常の出力に戻る。
このように、どのようなタイプのノイズが入つたとして
も、その影響は1周期内にとどまる。すぐに正常な分周
周力に戻る。
ここで、クリア入力は、デユーテイが1:1の矩形波とな
つているが、デユーテイは任意である。1周期内でいち
どクリアの瞬間があればよい。しかしクリアの時間が50
%より長いと、クロツク入力によつてカウンタ出力が変
化しないという場合がありうる。そこで、クリア入力が
Hレベルである時間は0%以上50%以下であるべきであ
る。
(コ) 効 果 (i) 位相変調方式光フアイバジヤイロに於て、同期検
波のための参照信号を、2次高調波を1/2分周器で分周
する事により得ており、この分周器は、位相変調器の変
調の1周期ごとにクリアされるようになつている。
このため、ノイズによつて、参照信号が180゜位相ずれを
起こすという事がない。検波出力が+Aから−Aへ反転
する、といつた誤動作を防ぐことができる。
(ii) 参照信号の位相は2次高調波によつて与えられる
が、基本波との位相ずれΨ′は少なく、しかも一定して
いる。温度変化も少い。
従つて変調器駆動回路から参照信号を取る方法に比べ
て、温度特性が良い。
(iii) 位相補正回路40による位相ずれΨ′の補正
は、個々の製品ごとに行なう必要がない。電子回路に起
因する位相ずれだからである。
(iv) 位相補正回路40は電子回路のみによつて独立に
構成できる。したがつて高い精度で位相補正することが
できる。
なお実施例として2次高調波成分について示したが、4
次、6次...等の偶数m次高調波を用い1/m分周し
ても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の位相変調方式光フアイバジヤイロの全
体構成図。 第2図は分周器の部分の回路例図。 第3図は本発明の回路に於てカウンタの入力、出力の波
形図。 第4図は特願昭61−250680号の光フアイバジヤイロの参
照信号発生回路に於てノイズが2次高調波に含まれた場
合のカウンタ波形図。 第5図は従来例にかかる位相変調方式光フアイバジヤイ
ロの全体構成図。 第6図は第5図の回路に於ける分周器の一例を示す回路
例図。 10……発光素子 12……ビームスプリツタ 14……ビームスプリツタ 18……シングルモード光フアイバ 20……センサコイル 22……位相変調器駆動回路 24……位相変調器 26……受光素子 32……光信号増幅器 34……同期検波器 36……フイルタ 37……フイルタ 40……位相補正回路 42……分周器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単色光を発生する発光素子10と、シング
    ルモード光ファイバをコイル状に多数回巻回してなり2
    つの光の入出射端A、Bを有するセンサコイル20と、
    センサコイル20のいずれかの端に連続して設けられ光
    ファイバ内を伝搬する光に角周波数がΩの位相変調bsi
    n (Ωt)を与える位相変調器24と、これを駆動する
    位相変調器駆動回路22と、発光素子10で生じた単色
    光を2分割しセンサコイル20の光ファイバ入射端A、
    Bへ光を入射させセンサコイル20及び位相変調器24
    を形成するシングルモード光ファイバを右廻り、左廻り
    に伝搬しセンサコイルの回転角速度に比例した位相差±
    Δθ/2を含み出射端A、Bから出射した光を合体させ
    るビームスプリッタと、合体された光の強度を検出する
    受光素子26と、受光素子26の出力を増幅する光信号
    増幅器32と、増幅された信号S(Δθ,t)から位相
    変調の角周波数Ωに関する基本波成分P(Δθ,t)を
    取り出すフィルタ36と、mを偶数として信号S(Δ
    θ,t)からm次高調波成分R(Δθ,t)をとり出す
    フィルタ37と、m次高調波成分を1/m分周し角周波
    数Ωの信号を得る分周器42と、分周器42の出力に位
    相補正を加え基本波成分P(Δθ,t)と位相の合致し
    た参照信号W(t)を作る位相補正回路40と、参照信号
    W(t)を用いて基本波成分P(Δθ,t)を同期検波
    する同期検波器34とよりなる位相変調方式光ファイバ
    ジャイロに於いて、位相変調器駆動回路22の変調信号
    によって変調の1周期ごとに1回分周器42をクリアす
    るようにした事を特徴とする位相変調方式光ファイバジ
    ャイロ。
  2. 【請求項2】位相変調の振幅bが、nをファイバの屈折
    率、Lをファイバの長さ、cを真空中の光速として、 によって与えられる事を特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の位相変調方式光ファイバジャイロ。
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