JPH0671100B2 - 超電導磁気抵抗装置 - Google Patents

超電導磁気抵抗装置

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JPH0671100B2
JPH0671100B2 JP62233369A JP23336987A JPH0671100B2 JP H0671100 B2 JPH0671100 B2 JP H0671100B2 JP 62233369 A JP62233369 A JP 62233369A JP 23336987 A JP23336987 A JP 23336987A JP H0671100 B2 JPH0671100 B2 JP H0671100B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は従来に例を見ない優れた特性を示す磁気抵抗素
子を用いた磁気抵抗装置に関するものであり、更に詳細
には超電導材料を用いた磁気抵抗装置に関するものであ
る。
<従来の技術及びその問題点> 従来、磁界を印加することにより電気抵抗の増加を示す
磁気抵抗素子としては、半導体を用いたもの及び磁性体
を用いたものがある。しかし、そのいずれの場合も第25
図に示すように磁界を印加しない場合にも、本来の大き
な抵抗R0を示し、また磁界に対する抵抗変化率は2乗曲
線に沿う特性であり、印加磁界により現われる抵抗増加
ΔRは、磁界の値の2乗に比例して増加するため、値の
小さい磁界、例えば数十ガウス程度の弱磁界に対して抵
抗増加ΔRは極めて微小であり、その性能を示す値、Δ
R/R0は高々1%程度であった。
一方、超電導現象を利用したSQUID(超電導量子干渉素
子)は、極めて高い感度(10−10ガウス)を示すことが
知られているが、極めてデリケートな構造を必要とし、
またその使用法も簡便ではなかった。
したがって従来より、微弱な磁界に対して高性能に抵抗
変化を示す。しかも構造の簡単な磁気抵抗装置の開発が
望まれていた。
また、超電導材料の磁気特性について記載された文献と
して、C.W.ChuらによるPhys. Rev. Lett. 58[4](26
Jan. 1987)pp.405−407が知られている。この文献に
は、La−Ba−Cu−O化合物系における温度40K以下での
超電導現象に基づく磁気特性を評価したことを記載され
ている。La−Ba−Cu−O化合物の作製方法としては、酸
化ランタン(La2O3)と酸化銅(CuO)と炭酸バリウム
(BaCO3)との混合物を、減圧下の酸素雰囲気中にて加
熱保持した後、これを粉にし、これらの工程を繰り返し
て、完全に反応したこれらの混合物を加圧して円筒状と
し、先の工程と同様に減圧下の酸素雰囲気中にて焼結す
るものである。そして、上記のようにして作製したLa−
Ba−Cu−O化合物に対して、0、4.5、15、30、58.5kガ
ウスという非常に強い磁界を印加した場合において、40
K以下の温度に冷却したときの電気抵抗の変化を測定し
た結果が記載されている。
しかしながら、上記文献に示されたような化合物系では
多相(multiphase)を成し、磁界に対する抵抗変化の原
理としては、上記文献で筆者らの考察によると、混合さ
れた相(mixed phase)、あるいは多相の中の一種類の
相であるK2NiF4相による影響を示唆しているに過ぎず、
解明されていない。また、4.5kガウス以上という強い磁
界での電気抵抗の変化しか観察されていない。したがっ
て、上記文献に示された超電導材料では、微弱な磁界に
対して高性能に抵抗変化を示す磁気抵抗装置への応用を
期待することはできない。
本発明は上記の点に鑑みて創案されたものであり、従来
の磁気抵抗素子とは異なる新規な現象にもとずく作用を
なして、微弱な磁界に対しても高性能に抵抗変化を示す
超電導磁気抵抗装置を提供することを目的としている。
<問題点を解決するための手段及びその原理> 上記の目的を達成するため、本発明の超電導磁気抵抗装
置は、多数の結晶粒界を有し、超電導を示す結晶粒が互
いに電気的に弱結合しているセラミック超電導材料より
なる素子と、この素子に磁界を印加する手段と、上記素
子に磁界を印加した場合に生ずる電気抵抗の変化を利用
する手段とを備えてなるように構成している。
本発明にあっては磁気抵抗素子として、多数の結晶粒界
を有し、超電導を示す結晶粒が互いに電気的に弱結合し
ているセラミック超電導材料よりなる素子を用いている
ので、第1図に示すように磁界が印加されない場合に、
素子の示す電気抵抗R0は完全に零の値を示すが、ある臨
界磁界Hcを加えると突然素子は電気抵抗を示し、印加磁
界の増大とともに、電気抵抗が急激に増大する新しい現
象を利用したものであり、初期抵抗R0に対する抵抗の変
化ΔRの比、ΔR/R0は無限大となって、従来の磁気抵抗
素子とは比較にならない高性能を示す素子を用いて磁気
抵抗装置を構成するように成している。
即ち、最近多くの研究機関で進められているセラミック
超電導体の研究の方向は、臨界温度(T)、臨界磁界
(H)、臨界電流(i)の向上を図ることにある
が、本発明者等も上記セラミック超電導体について種々
研究したところ、この超電導材料のある種のもの(超電
導材料の粒子間に弱結合状態を持つもの)が上記第1図
に示すように極めて弱い磁界(数ガウス)で弱結合の超
電導状態が破れて電気抵抗を示し、印加磁界の強さとと
もに急激に増加することを見出し、この低い臨界磁界現
象を用いて新規な超電導磁気抵抗装置を創案したもので
ある。
上記第1図に示したような磁界の印加に対する電気抵抗
の変化特性は、本発明において用いる超電導磁気抵抗素
子を構成する例えばセラミックス系の超電導材料が第2
図に示すように多くの超電導微粒子1より構成される結
晶体で、その粒子境界2に極めて薄い絶縁物あるいは抵
抗体が存在し、または、粒子1,1間の接触部分がポイン
ト状態になる、即ち、粒界と粒界が点状の接触をなして
いる等、超電導を示す結晶粒が電気的に弱結合してい
る、いわゆる超電導の弱結合状態にあり、超電導状態で
は、トンネル効果等により、電子が自由に移動して電気
抵抗零を示す。つまりセラミック系等の多結晶の弱結合
状態にある超電導材料は第3図に示すように等価的には
無数のジョセフソン結合3,3,…の集合体とみなすことが
出来る。
このような材料に磁界を印加すると、磁界の影響によ
り、ジョセフソン結合3,3,…の超電導性が破れ、即ち、
弱磁界の印加によって超電導の弱結合状態が破れて、素
子は電気抵抗を示すようになり、磁界の強さの増大と共
に電気抵抗は増大する。
この性質は上記原理からも明らかなように、結晶粒界2
はランダムに配置されているため、印加する磁界の方向
には依存せずに、磁界の強さの絶体値によって定まるも
のである。
<実施例> 以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明する。
まず、本発明の実施例において用いる結晶粒界を有する
超電導材料よりなる素子の作製例について説明するが、
本発明の実施例において用いる超電導材料の作製方法は
以下に説明する作製方法に限定されるものではない。
最近セラミック系高温超電導材料として発表されたY1Ba
2Cu3O7−xの超電導体を得るように、酸化イットリウ
ムY2O3、炭酸バリウムBaCO3、酸化銅CuOを所定量秤量
し、充分に分散混合した微粒子を900℃、5時間空気中
で仮焼成を行ない、次に再び粉砕、分散させ、均一な微
粒子(1μmφ以下)からなる粉体を作り、加圧力1ton
/cm2にて円状のペレットを作製し、次に1000℃、3時間
空気中で本焼成し、200℃まで5時間で降温させて厚み1
mmの円状のペレットを作製した。
上記のようにして作製した超電導材料は、X線回折によ
る巨視的な材料評価では斜方晶の単一相であり、また電
子顕微鏡による観察では第2図に示したように多くの超
電導体粒子1,1,…より構成され、粒子境界(粒界)2に
極めて薄い絶縁物あるいは抵抗体が存在した超電導体の
弱結合の集合体とみなすことが出来た。
上記のようにして作製した超電導材料は、磁界を加えな
いときは、第4図に示すように絶対温度97度で電気抵抗
が低下し始め、絶対温度83度で電気抵抗が完全に零とな
った。
上記のような材料から切り出した薄い長方形素子(1×
7×0.7mm)51に第5図に示すように、この超電導材料
と密着性の良いチタン(Ti)電極52,53をそれぞれ電子
ビーム蒸着等によって付設し、更にそれらの電極52,53
にそれぞれ銀ペーストによりリード線54,55を固定し
た。このような電極構造は超電導材料と非常に密着性が
良く、しかも極めて良好なオーミック特性を示した。
次に、液体窒素(77K)中に上記素子51を入れ、電極52,
53を介して定電流源(図示せず)より所定の電流を供給
すると共に、電極52,53間の電圧を検出して電気抵抗の
測定を行なった。磁界56を印加しない場合には素子51の
抵抗は零であるが、磁界56を印加して電流を流すと、第
6図に示すように電流が50mAの場合に、約10ガウスの磁
界の印加で突然電気抵抗が現われ、磁界の増加と共に素
子51の抵抗は急激に増加した。また電流が10mAの場合に
は、約100ガウスの磁界の印加で突然電気抵抗が現わ
れ、電流が100mAの場合には、約5ガウスの磁界の印加
で突然電気抵抗が現われ、磁界の増加と共に、それぞれ
同様に電気抵抗が急激に増加した。
しかもこの特性は、再現性を有し、また極めて安定なも
のであった。更にこれらの特性は印加する磁界の方向に
依存しないものであった。
上記のような素子を本明細書中においては超電導磁気抵
抗素子と称し、この素子を用いた磁気抵抗装置を超電導
磁気抵抗装置と称している。
上記のような素子に定電流を供給し、電気抵抗の変化を
電圧変化として検出することによって、印加磁界の有無
及び大きさを知ることが出来るため、磁気センサとして
利用することが出来る。この場合、素子の電気抵抗は磁
界の方向に依存しないという大きな特徴を有しており、
従来の半導体や磁性体を用いた磁気抵抗素子、更には超
電導体を用いたSQUIDでは実現出来ない本発明の優れた
点である。
更に、印加磁界が零からある値までは、素子の電気抵抗
が完全に零であり、印加磁界の大きさがある値以上では
電気抵抗が急激に増加し、デジタル的及びアナログ的な
特性を示すことも従来の素子には見られない特徴であ
り、デジタルあるいはアナログの磁気信号のピックアッ
プにも適しており、本発明の超電導磁気抵抗装置により
磁気ヘッドを構成することも可能である。
上記第5図に示した構成では、電流電極と電圧電極とを
共通にした実用的な2端子素子としたが、精密な測定を
行なう場合には第7図に示すように超電導体71に電流電
極72,72と電圧電極73,73とを別個に設けるように成すこ
とが好ましい。
超電導磁気抵抗素子に磁界に印加する手段としては、永
久磁石を用いても良く、また電磁石を用いても良く、更
にまた、電磁波の磁界成分を用いるように成しても良
い。
また上記したセラミック超電導材料の作製時において
は、原料材料の分散、粉砕を充分に行ない、微粉(μm
φ以下)からペレットを作製したが、他の一作製例とし
て同一組成、同一熱処理条件にて、分散、粉砕時の粉体
粒子径を2〜5μmφ程度に制御してセラミック超電導
材料及び超電導磁気抵抗素子を作製した。
この場合、臨界温度は前述の方法で作製した超電導材料
とほぼ同様の特性を示すが、臨界電流は先の例の15A/cm
2に比べて2桁(0.05A/cm2)小さくなり、この素子に磁
界を印加して磁界に対する抵抗変化を測定したところ、
第8図に示すように非常に感度の優れた特性を示し、ま
た印加電流を制御することにより、その感度を敏感に制
御することが出来た。即ち、電気抵抗が突然現われる磁
界のしきい値は、第9図にも示すように、1mAの印加電
流では30ガウス、5mAでは5.5ガウス、10mAでは0.2ガウ
スであった。
この現象は、上記二例の方法で作製した超電導材料は同
一組成で同一熱処理過程を経ているが、粒子の大きさが
異なる出発原料を用いているため、セラミック粒子間の
結合状態、すなわち弱結合の状態が異なり、臨界電流が
異なると同時に、後者の場合の弱結合状態においては、
磁界に対してより敏感に超電導のトンネル効果が無くな
る結果、生じるものと推定される。
第10図は、超電導磁気抵抗素子に永久磁石を用いて磁界
を加える場合の実施例を示示す図であり、第10図におい
て、101は素子、102,103は端子、104は永久磁石であ
る。
上記第10図に示す実施例において、一定の強さの永久磁
石104を用い、永久磁石104を素子101に対して移動可能
に設けることにより、敏感な変位センサを構成すること
が出来る。即ち、磁石104と素子101との相対距離(dま
たはl)の変化によって、素子101の電気抵抗が例えば
第11図に示すように急激に変化するため、この電気抵抗
の変化により素子101に対する磁石104の変位を測定する
ことが出来る。
第12図は本発明の他の実施例を示す図であり、同図にお
いては超電導磁気抵抗素子121の中央部にも電極123を設
けて、3端子とした素子の一部に磁界を加え、この磁界
を素子121に沿って移動させることにより、素子121内の
抵抗比率を変化させてポテンシオメータを構成したもの
であり、121は超電導磁気抵抗素子、122及び124は素子1
21の両端部に設けられた定電流入力用の第1及び第2の
電極、123は素子121の中央部に設けられた出力電圧検出
用の第3の電極、125は素子121の弱結合の超電導状態を
破る磁界(臨界磁界)よりも大きな磁界を印加する手段
(永久磁石)であり、素子121に沿って移動可能に設け
ている。
上記のような構成において、永久磁石125により臨界磁
界より大きい値が3端子素子121の電極122,123間に加わ
っている場合には、電極122,123間では超電導状態が破
れて、電極122,123間に現われる電気抵抗R23はある有限
の値をとる。この場合、電極123,124間の超電導体には
磁界が印加されておらず、従って、超電導状態を示し、
電極123,124間の抵抗R34は零である。
従って、入力電圧Vinを電極122,124間に印加しても、
電極123,124間の出力電圧Voutは零である。
次に、磁界125を電極123上の位置に移動させる。このと
き、電極122,123間と電極123,124間の超電導体に加わる
磁界の面積がほぼ等しい場合では、電極122,123間の抵
抗R23と、電極123,124間の抵抗R34は共にそれぞれの部
分の約半分は超電導状態が破れて、抵抗はR23=R34とな
る。
従って、電極123,124間に現われる電圧はVout=1/2Vin
となって入力電圧の半分となる。
更に磁界125の位置を電極123,124間に移動させると、電
極123,124間にのみ磁界が加わり、電極122,123間の超電
導体は超電導状態にあるので、抵抗R23=0となり、電
極123,124間では超電導状態が破れて、電極123,124間に
現われる電気抵抗R34はある有限の値となる。
従って、電極123,124間に現われる出力電圧はVout=V
inとなって入力電圧と等しくなる。
以上に説明した磁界の変位と出力電圧との関係は超電導
体の電極122側からの磁界125の変位置をlとすれば、第
13図に示すように磁界125の変位lに対応して、出力電
圧Voutは直線的)に零から入力電圧Vinの範囲に渡
って変化し、無接触ポテンシオメータの実現が図れる。
また、上記第13図に示した出力特性は、素子121の磁界
の変位方向における各断面形状を逐次変えた素子を用い
ることによって、対数あるいは紙数関数更には他の
任意の所望の特性を得ることが出来る。
上記したポテンシオメータは磁石125と素子121とは非接
触であるため、雑音を発生せず、信頼性に優れたものが
得られる。
また上記の例においては、超電導素子121を直線状にし
たものであるが、超電導体を円周上に配置した素子形状
とし、磁界印加手段125を同心円状に移動させるように
構成することにより、通常の回転型ポテンシオメータと
同様な特性を得ることが出来る。
第14図は、超電導磁気抵抗素子141に電磁石を用いて磁
界を印加する場合の実施例を示す図であり、第14図にお
いて141は素子、142,148は電極端子、144は電磁石であ
る。
上記第14図に示す実施例において、電磁石144のコイル
に所定の電流を流すことにより、磁界Bが素子141に作
用し、素子141の電極端子142,143間の抵抗値が大きく変
化する。即ち電磁石144のコイルに電流が流れていない
場合には、素子141は超電導状態を保つため、素子141の
電極端子142,143間の抵抗は零であるが、電磁石144のコ
イルに電流を流して、発生した磁界Bを素子141に印加
した合には、素子141は大きな電気抵抗を示すことにな
る。
したがって上記の構造の磁気抵抗装置は、例えば負荷及
び電源と直列に接続し、またはMOSトランジスタ等の高
入力インピーダンス素子の制御端子に接続する等、一種
の電磁リレーとして用いることが出来る。
上記の磁気抵抗装置は、例えば第15図に示すようにコイ
ルを巻いたソレノイド154の内部に電極端子152,153を備
えた超電導磁気抵抗素子151を配置するよように成して
も良く、また第16図に示すように、コイル165を巻いた
一部切欠いて空隙を設けた略ドーナツ状の電磁石164の
空隙部に電極端子162,163を有する超電導磁気抵抗素子1
61を配置するように成しても同様に一種の電磁リレーと
して用いることが出来る。
上記のように電磁リレーを構成した場合、従来の電磁リ
レーの有する欠点であるチャタリングのような振動現象
が伴なわないため、精密な開閉を行なうことが出来、ま
たゴミや酸化等により接点不良を起こすこともなく、更
には作動時に雑音、機械音等を発生することもない。
上記第14図に示した磁気抵抗装置は、電磁石144と素子1
41との相対変位によって素子141の電気抵抗が変化する
ため、第10図に示した素子システムと同様、変位セン
サ、位置センサとしても用いることが出来る。
また、上記第10図、第14図〜第16図に示した磁気抵抗装
置は、永久磁石、電磁石と素子との相対変位あるいは電
磁石に流す電流の大きさによって、素子の抵抗値を任意
に変化させることが出来るため、上記各磁気抵抗装置は
無接触の可変抵抗器としても用いることが出来る。
第17図は本発明の他の実施例の構成を示す図であり、超
電導磁気抵抗素子をマイクロ波に応用した例を示してい
る。
第17図において、171はマイクロ波導波管であり、該導
波管171内(の例えば内壁)に超電導磁気抵抗素子(超
電導膜)172を位置せしめ、該素子172に外部に設けた電
磁石173等により磁界Bを作用せしめるように構成して
いる。
上記のような構成において、素子172に磁界Bが加わら
ない場合には、超電導磁気抵抗素子172の抵抗率が零で
あり、損失がないため、マイクロ波は何ら減衰しないで
伝搬する。
次に導波管171内の超電導磁気抵抗素子172に外部から電
磁石153または永久磁石によって磁界Bを印加すると、
素子172の超電導状態が破れて素子172は電気抵抗を示す
ため、導波管171内を伝搬するマイクロ波は、素子172に
ある程度吸収されて減衰する。また素子172に印加する
磁界Bの強さを増大させると、第18図に示すようにマイ
クロ波の減衰も増大することになり、上記第17図に示し
た磁気抵抗装置は機械的な構造を伴わないマイクロ波の
可変減衰器としての作用をなす。
第19図(a)及び(b)はそれぞれ本発明をマイクロ波
に応用した場合の他の実施例を示す図である。
第19図(a)及び(b)において、191はマイクロ波導
波管であり、該導波管91内の中央部に電極端子192,193
を備えた超電導磁気抵抗素子194がポスト状に取り付け
られ、電極端子192,193がそれぞれ導波管191の内壁に接
続されている。
上記のような構成において、第19図(a)に示すよう
に、素子194に磁界Bを印加しない場合には、素子194は
超電導状態にあり、抵抗値が零の状態にあるため、導波
管191内に金属ポストを立てた場合と同様に、この素子1
94部分でマイクロ波電界が零となって、例えば導波管19
1の左側から入射したマイクロ波は反射されて導波管191
の右側には伝搬されない。
次に第19図(b)に示すように素子194に磁界Bを印加
すれば素子194の超電導状態が破られて素子194は抵抗体
となり、マイクロ波は一部吸収されるのみで、、右方向
に伝搬される。
したがって、この第19図(a)及び(b)に示した磁気
抵抗装置は、磁界によってマイクロ波スイッチとしての
作用をなす。
また、第19図(b)に示す構成において、磁界Bの強さ
を変化させることによって、通過マイクロ波の量が変化
するため、マイクロ波の可変減衰器としても用いること
が出来る。
第20図は本発明の他の実施例の構成を示す斜視図であ
り、本発明の磁気抵抗装置を磁界検出装置に用いた場合
の例を示している。
第20図において、201は超電導磁気抵抗素子であり、該
素子201には電流電極202,202及び電圧電極203,203が設
けられている。
また上記素子201には永久磁石204等によって予め超電導
の弱結合状態が破られる磁界(臨界磁界)よりわずかに
大きな磁界がバイアス磁界B0として印加され、検出すべ
き微弱磁界信号源205の磁界Bが重畳して素子201に印
加される構成となっている。
上記のような構成において、素子201を超電導状態を示
す臨界温度以下の温度に保ちながら、電流端子202,202
を介して100mAの電流を流した場合、前述したように第
6図に示す特性の素子にあっては磁界5ガウスまでは素
子201は超電導状態を保ち、磁界が5ガウス以上になる
と超電導の弱結合状態が破れて電気抵抗を示し、この特
性は、第21図に示すように急峻な傾斜を有する。
したがって、この特性の急峻な傾斜を示す領域の磁界、
例えば20ガウスの磁界をバイアス磁界B0として予め、素
子201に印加しておき、その上に微弱な信号磁界B
重畳することによって、この信号磁界Bを素子201の
抵抗変化ΔRとして、検出することが可能となり、信号
磁界Bの変化が電圧端子203,203より電圧変化として
検出される。
上記の実施例において、素子201の弱結合の超電導状態
が破れた第21図の点線で示すように変化率の大きいバイ
アス磁界B0の位置を動作点として動作する。このため、
信号磁界の微少な変化に対して電気抵抗は大きく変化す
る。
また素子201の電気抵抗値は素子の形状によって制御す
ることが可能であり、例えば素子の超電導となる領域を
第22図に示すように微細加工等によってジグザグの形状
221にすることによって1KΩオーダとした。この場合、
素子201は1ガウスの信号磁界の変化に対して約270mΩ
変化し、100mAの電流に対して27mVの出力電圧を発生し
た。
なお、第22図に示したジグザグ形状に加工することによ
って素子の高抵抗化を図る方法としては、例えば素子の
表面をイオン注入処理あるいはレーザ照射処理すること
によって、その部分の超電導特性を消去するように成し
てジグザグ形状にすることが可能であり、また上記の高
抵抗化は第20図に示した実施例に限定されず、前述の他
の実施例にも適用して、出力電圧値等を大きくしても良
いことは言うまでもない。
また、上記第20図に示した実施例において、検出感度の
調整を容易に行なうためには、バイアス磁界を電磁石を
用いて発生させるように成し、励磁電流を制御すること
によってバイアス磁界値を制御するようにしても良い。
なお、上記した本発明の磁気抵抗装置の各実施例におい
ては、全て完全な超電導状態を示す材料よりなる素子を
用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、例えば酸化物セラミックの組成により、第23図に
示すように印加磁界が零の状態では、ごくわずかな抵抗
値R0を示すが、印加磁界の増大と著に著るしく急峻な抵
抗を示すものがあるが、このような材料を用いた素子の
場合も原理は全く同じであり、このような素子を用いて
も、同様の磁気抵抗装置を構成して同様の効果が得られ
る。
以下に、第23図に示した特性を有する素子の作製例を示
す。
1.2Ba1.8Cu3O7−xの超電導体を得るように、酸化イ
ットリウムY2O3、炭酸バリウムBaCO3、酸化銅CuOを所定
量秤量し、充分に分散混合した微粒子を900℃、5時間
空気中で仮焼成を得ない、次に再び粉砕、分散させ、均
一な微粒子(1μmφ以下)からなる粉体を作り、加圧
力1ton/cm2にて円状のペレットを作製し、次に1000℃、
3時間空気中で本焼成し、200℃まで5時間で降温させ
て厚み1mmの円状のペレットを作製した。
上記のようにして作製した超電導材料は、多くの超電導
体粒子より構成され、粒子境界に極めて薄い絶縁物ある
いは抵抗体が存在し、臨界温度が異なる弱結合のものが
混在しているものの、全体としては上記第2図に示した
構造と略同様、超電導体の弱結合の集合体とみなすこと
が出来た。
上記のようにして作製した超電導材料は、磁界を加えな
いときは、第24図に示すように絶対温度82度で電気抵抗
が急激に低下し始、絶対温度78度で電気抵抗が極めて小
さい値(R0=12mΩ)を示し、絶対温度38度で電気抵抗
が完全に零になった。
上記のような材料から素子片を切り出して電極を取付け
た後、液体窒素(77K)中に素子を入れ、電極を介して
定電流(5mA)を流して素子の抵抗を測定したところ、
磁界を印加しない場合、素子の抵抗は極めて小さい値
(R0=12mΩ)として残留しているが、印加した場合、
磁界の増加と共に素子の抵抗が急激に増加し、第23図の
特性を示した。
このような特性を示す素子を用いて前述の本発明の実施
例としての磁気抵抗装置を構成したが、磁界を印加しな
い場合に抵抗値が完全に零となる超電導材料より作製し
た素子を用いた場合と略同様の動作結果が得られ、実用
上何らの問題のないことが確認された。
また、このような素子を用いた場合、先に示した他の実
施例のものに比べて、高抵抗化が図られていることにな
り、特に抵抗変化を大きな電圧変化として必要なシステ
ム制御に本素子を用いてより好適である。
上記各実施例において用いている超電導磁気抵抗素子は
絶対温度80度付近で超電導状態、あるいはそれに近い状
態にあるため、液体窒素やペルチェ冷却素子等の電子冷
却素子を用いて冷却して使用するようにしているが、更
に室温で超電導あるいはそれに近い状態となる素子であ
れば冷却せずに実用化が図れることは言うまでもない。
なお、上記実施例においては、超電導セラミックとして
Y−Ba−Cu−O系を例にして説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、例えばLa−Ba−Cu−O系、
Y−Sr−Ba−Cu−O系等のIIIa族元素、IIa族元素、銅
(Cu)元素及び酸素(O)元素または酸素(O)元素の
一部をフッ素(F)元素で置換したものを構成元素とし
た超電導セラミック、あるいは他の粒界の存在する多結
晶構造の超電導材料を用いても同様に実施し得ることが
出来る。
また、上記超電導材料の作製方法の例として焼結法を例
に説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、溶融法、薄膜作製法(スパッタリング法、蒸着法
等)、厚膜作製法(スプレー法、スクリーン法、ドクタ
ブレード法等)等を用いて作製しても良いことは言うま
でもない。
要するに、本発明は多くの超電導体微粒子より構成され
る多結晶体で、その粒子境界に極めて薄い絶縁物あるい
は抵抗体が存在し、または粒子間の接触部分がポイント
状になる、即ち、粒界と粒界が点状の接触をなしている
等、いわゆる超電導の弱結合状態あるいはそれに近い状
態にあり、この状態が磁界の印加によって破られて上記
した第1図あるいは第23図に示すような特性を示す素子
材料であればいかなる材料でも用いることが出来ること
は言うまでもない。
<発明の効果> 以上のように本発明によれば、セラミック超電導体を構
成するの超電導粒子間の弱結合を利用することにより、
従来の磁気抵抗素子とは異なる新規な現象にもとづく作
用をなして、微弱な磁界に対しても高性能に抵抗変化を
示す超電導磁気抵抗装置を提供することができる。即
ち、従来の半導体を用いた磁気抵抗素子では、例えば数
十ガウス程度の弱磁界に対する抵抗増加ΔRは極めて微
弱であり、磁界を印加しないときの抵抗R0に対して、Δ
R/R0の値は高々1%程度であったが、本発明の超電導磁
気抵抗装置では、数〜数十ガウスの非常に微弱な磁界に
対しても、R0が完全に零なので、ΔR/R0の値は無限大と
なり、従来の磁気抵抗素子とは比較にならない高性能な
磁気抵抗装置を実現することが可能となる。
さらに、本発明によれば、セラミック超電導体を構成す
るのは超電導粒子間の弱結合を利用しているので、C.W.
Chuらによるphys. Rev. Lett.58[4](26 Jan. 198
7)pp.405−407の文献に示されたようなK2NiF4相を含む
多相のLa−Ba−Cu−O化合物系超電導材料とは材料自体
の構造も異なり、従って、磁界による電気抵抗の変化を
生じる原理も異なるものである。よって、上記文献で
は、4.5kガウス以上という非常に強い磁界を印加した状
態でしか超電導現象による電気抵抗の変化を観察されて
いないが、本発明では数〜数十ガウスという非常に微弱
な磁界に対して高性能に抵抗変化を示すことができ、上
記文献からは到底予想もできないような高性能の超電導
磁気抵抗装置を実現することが可能となる。
このように本発明によれば、例えば微弱な磁界を高感度
に検出する磁気センサ、磁気ヘッド、無接触ポテンシオ
メータ、可変抵抗器、マイク波波減衰器等の装置を構成
することができ、また超電導を利用したエネルギーシス
テム、交通システム等における制御装置への応用として
幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるセラミック超電導磁
気抵抗素子の特性を示す図、第2図はセラミック超電導
材料の構造を模式的に示す図、第3図はセラミック超電
導体の等価回路を示す図、第4図は超電導材料の温度に
対する電気抵抗特性を示す図、第5図は本発明の一実施
例における磁気抵抗装置の一構成例を示す図、第6図は
本発明の実施例において用いる素子の磁界に対する抵抗
変化を素子に流す電流をパラメータとして示した特性の
一例を示す図、第7図は本発明の実施例において用いら
れる超電導磁気抵抗素子の基本構成を示す図、第8図は
本発明の実施例において用いる素子の磁界に対する抵抗
変化を素子に流す電流をパラメータとして示した特性の
他の例を示す図、第9図は本発明の実施例において用い
られる素子の抵抗値の現れる磁界のしきい値を示す図、
第10図は素子に永久磁石を用いて磁界を加える場合の実
施例を示す図、第11図は第10図に示す磁気抵抗装置の特
性を示す図、第12図は本発明の一実施例としての超電導
無接触ポテンシオメータの基本構成を示す図、第13図は
第12図に示す磁気抵抗装置の磁界変化に対する出力電圧
の関係を示す特性図、第14図乃至第16図はそれぞれ素子
に電磁石を用いて磁界を印加する場合の実施例を示す
図、第17図はマイクロ波に応用した場合の本発明の他の
実施例の構成を示す図、第18図は第17図に示す磁気抵抗
装置の特性を示す図、第19図(a)及び(b)はそれぞ
れマイクロ波に応用した場合の他の実施例の構成を示す
図、第20図は本発明の磁気抵抗装置を磁界検出装置に用
いた場合の一実施例を示す図、第21図は第20図に示した
磁気抵抗装置の動作を説明するための特性図、第22図は
本発明の実施例において用いられる素子形状をジグザグ
形状にした場合の例を示す図、第23図は本発明の実施例
において用いられる素子の特性の他の例を示す図、第24
図は超電導材料の温度に対する電気抵抗特性の他の例を
示す図、第25図は従来の磁気抵抗素子の特性を示す図で
ある。 1……超電導体微粒子、2……粒子境界、3……ジョセ
フソン接合、51,71……超電導磁気抵抗素子、52,53……
電極、56……磁界、72……電流電極、73……電圧電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−17175(JP,A) 特公 昭48−28598(JP,B1) Phys.Rev.Lett.58[4 ](26 Jan.1987)PP.405−407

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の結晶粒界を有し、超電導を示す結晶
    粒が互いに電気的に弱結合しているセラミック超電導材
    料よりなる素子と、 該素子に磁界を印加する手段と、 上記素子に磁界を印加した場合に生ずる電気抵抗の変化
    を利用する手段と を備えてなることを特徴とする超電導磁気抵抗装置。
  2. 【請求項2】前記超電導材料よりなる素子は、2端子素
    子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    超電導磁気抵抗装置。
  3. 【請求項3】前記超電導材料よりなる素子は、3端子素
    子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    超電導磁気抵抗装置。
  4. 【請求項4】前記超電導材料よりなる素子は、4端子素
    子であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    超電導磁気抵抗装置。
  5. 【請求項5】前記磁界を印加する手段は永久磁石である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の超電導磁
    気抵抗装置。
  6. 【請求項6】前記磁界を印加する手段は電磁石であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の超電導磁気
    抵抗装置。
  7. 【請求項7】前記永久磁石は前記素子に対して相対的に
    移動可能に設けられてなることを特徴とする特許請求の
    範囲第5項記載の超電導磁気抵抗装置。
  8. 【請求項8】前記電磁石は前記素子に対して相対的に移
    動可能に設けられてなることを特徴とする特許請求の範
    囲第6項記載の超電導磁気抵抗装置。
  9. 【請求項9】前記磁界を印加する手段はバイアス磁界及
    び信号磁界を印加する手段であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の超電導磁気抵抗装置。
  10. 【請求項10】前記電気抵抗の変化を利用する手段は前
    記素子にマイクロ波を作用させる手段を含んでなること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の超電導磁気抵
    抗装置。
  11. 【請求項11】前記電気抵抗の変化を利用する手段は該
    電気抵抗の変化を電圧変化として検出する手段を含んで
    なることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の超電
    導磁気抵抗装置。
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DE88307044T DE3884514T2 (de) 1987-07-29 1988-07-29 Verfahren und Anordnung zum Nachweisen eines Magnetfeldes mittels der Magneto-widerstandseigenschaften eines supraleitenden Materials.
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