JPH0671312A - 鋼材の圧延方法 - Google Patents

鋼材の圧延方法

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JPH0671312A
JPH0671312A JP22886392A JP22886392A JPH0671312A JP H0671312 A JPH0671312 A JP H0671312A JP 22886392 A JP22886392 A JP 22886392A JP 22886392 A JP22886392 A JP 22886392A JP H0671312 A JPH0671312 A JP H0671312A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロムまたはクロム合金めっき層をロール胴
部表面に有する圧延作業用ロールを使用した鋼材の圧延
におけるヒートスクラッチ疵の発生を防止し、ロール摩
耗を低減させる。 【構成】 塩基価40 mg-KOH/g 以上の高塩基性Caスルホ
ネートを20〜70重量%含有する潤滑剤を該ロール表面に
供給しながら圧延する。 【効果】 ロール寿命が著しく延長し、圧延製品品質が
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材の圧延方法、特に
ロール胴部表面にクロムまたはクロム合金めっき層を有
する圧延作業用ロールを使用した圧延においてロール寿
命を大幅に延長し、かつ高品質の製品を得るため鋼材の
潤滑圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼や炭素鋼などの鋼材の圧延
において、ロール寿命の大幅な延長を目的として、ロー
ル胴部表面をクロムまたはクロム合金めっき層で被覆し
た耐摩耗ロールが開発されている。かかる耐摩耗ロール
の例として、冷間圧延用ロールについては、特開昭60−
196207号、特開昭61−202707号、特開昭62−16808 号、
特開昭62−168605号、特開平2−58806 号、特開平2−
200307号等に記載されたものがある。熱間圧延用の耐摩
耗ロールは、特公平2−54169 号等に記載されている。
【0003】しかし、このようなクロムめっき層または
クロム合金めっき層をロール胴部表面に有する圧延作業
用ロールを用いて圧延加工すると、鋼材表面にロールと
の焼付きに起因すると考えられる疵 (ヒートスクラッチ
疵) が著しく発生する。また、厳しい圧延状況において
はロール摩耗も大きく、圧延スケジュールも制約を受け
ていた。
【0004】近年の鋼材の高級化に伴い、ステンレス鋼
板のみならず、炭素鋼板においても美麗な表面肌が要求
されるため、圧延製品に表面疵が発生した場合には、研
磨などの手入れをするか、甚だしい場合にはスクラップ
にせざるを得ない。そのため、ヒートスクラッチ疵の発
生は鋼材の圧延において大きな問題となっている。
【0005】このヒートスクラッチ疵の発生原因とし
て、鋼材表面の酸化保護膜の剥離が考えられる。例え
ば、ステンレス鋼に代表される高クロム鋼は、重量%で
13%以上のCrを含有し、鋼の表面に安定なクロム酸化保
護膜を形成して表面を不働態化することによって、優れ
た耐食性を示す。しかし、この表面酸化膜は著しく薄い
ため、圧延時に塑性加工を受けた時に剥離しやすく、耐
食性の低下を招くと同時に、焼付きの原因ともなる。
【0006】炭素鋼の熱間圧延においても、低温圧延、
高圧下圧延といった高負荷圧延の際には、鋼材表面に充
分な酸化保護膜が形成されないか、或いは酸化保護膜が
形成されたとしても、大きな塑性加工を受けた場合には
加工変形に充分追従できず、表面酸化膜が割れを生じた
り、剥離しやすいのである。
【0007】しかし、ヒートスクラッチ疵の発生がクロ
ムまたはクロム合金めっき層を有する圧延作業用ロール
を使用した場合に特に顕著であることは、この疵の発生
の主原因がロール側にあることを示している。
【0008】従来、このような問題に対処するために、
圧延作業用ロールやその補強ロールに潤滑剤を供給する
ことが行われてきた。潤滑剤の使用目的は、圧延作業用
ロールと鋼材間の摩擦力を低減させて焼付きを防止し、
ロールの肌荒れや摩耗を防いで圧延製品の品質を向上さ
せることである。
【0009】このような潤滑剤として、特開昭47−1980
7 号公報には、天然脂肪油に全体の0.1〜10重量%の少
量の水置換剤と、場合によりさらに鉱物性潤滑油を配合
した潤滑剤組成物が提案されている。水置換剤として
は、油溶性スルホン酸塩 (例、石油スルホン酸金属塩)
が使用される。また、10μm以下程度の微粉状炭酸カル
シウムを水または潤滑基油に分散させた潤滑剤が、特公
昭62−14598 号、特公昭62−39198 号、特公昭62−3919
9 号の各公報に記載されている。
【0010】しかし、これらの潤滑剤は、炭素鋼圧延時
の潤滑を目的としたもので、ステンレス鋼の熱間圧延に
使用すると、被圧延材が圧延用作業ロール表面に激しく
焼付き、圧延製品に疵を生じる。また、圧延用作業ロー
ルの摩耗も大きいため、圧延効率が極めて低下するなど
の問題がある。
【0011】ステンレス鋼圧延用の潤滑剤としては、特
開昭63−254195号公報に潤滑油中に酸化鉄粉末を分散さ
せたものが、また特開平1−167396号公報には黒鉛粉末
を粘性水溶液中に分散させたものが提案されている。
【0012】しかし、金属間の直接接触状態を抑制する
ために酸化鉄粉末を分散させても、圧延用作業ロールと
被圧延材との間の焼付きやロール摩耗を充分防止できる
だけの効果が得られていない。黒鉛は、摩擦係数が極端
に低く、圧延に際して被圧延材のかみ込み不良やスリッ
プ発生の原因となるため、焼付き防止効果と摩耗低減効
果を発揮できるほど充分な量を含有させることができな
いでいた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、クロ
ムまたはクロム合金めっき層をロール胴部表面に有する
圧延作業用ロールを使用して圧延加工する際に発生する
鋼材の焼付き疵 (ヒートスクラッチ疵) を防止し、同時
にロール摩耗を低減することによって、ロール寿命の大
幅な延長を実現し、高品質の圧延製品を得ることのでき
る鋼材の圧延方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、クロムまた
はクロム合金めっき層を表面に有する圧延作業用ロール
を用いた鋼材の圧延におけるロールと鋼材との焼付き疵
(ヒータクラッチ疵)の防止が可能な潤滑方法について
鋭意検討した結果、高塩基性Caスルホネートを含有する
潤滑剤の使用により上記目的が達成できることを見出
し、本発明を完成した。
【0015】ここに、本発明は、ロール胴部表面にクロ
ムまたはクロム合金めっき層を有する作業用ロールを使
用した鋼材の圧延において、高塩基性Caスルホネートを
20〜70重量%含有する潤滑剤を該ロール表面に供給しな
がら圧延することを特徴とする、鋼材の圧延方法を要旨
とする。
【0016】
【作用】本発明方法で用いる圧延作業用ロールは、ロー
ル胴部表面にクロムまたはクロム合金めっき層を有する
ロールである。この種のロールには、通常5〜130 μm
の厚さのクロムめっき層またはクロム合金めっき層が施
されている。クロム合金めっきとしては、Cr−Ni、Cr−
W、Cr−Fe、Cr−Mo、Cr−V、Cr−Re、Cr−Sn等があ
り、Cr 50 重量%以上を含有するものを意味する。
【0017】クロムめっき層を有するロールには、共析
クロムめっきなどの微粒子を含有するクロムめっきを施
したロールも含まれる。共析クロムめっきとは、析出時
に皮膜中にCが共析し、クロム炭化物が析出する、いわ
ゆる超硬質めっきや、あらかじめ1μm以下の硬質粒子
(例、SiC 粒子) をめっき液に混入し、これを共析させ
ることにより耐摩耗性を向上させたクロムめっきなどを
含むものである。
【0018】クロムめっき層またはクロム合金めっき層
を表面に有するロールの表層には、厚み40〜100 Å程度
の安定で高硬度の酸化保護膜 (クロム酸化物[Cr2O3] か
らなる) が生成し、この酸化保護膜によりロールの摩耗
が抑制される。しかし、圧延加工時にこの非常に薄い酸
化保護膜が部分的に剥離し、同時に鋼材側でも酸化保護
膜が剥離し易いため、被圧延鋼材とロールとの金属間の
直接接触を生じて、焼付きが起こり、ヒートスクラッチ
疵が発生することが明らかになった。これが原因で、ク
ロムまたはクロム合金めっきロールを使用した場合にヒ
ートスクラッチ疵が多発するのである。
【0019】本発明によれば、高塩基性Caスルホネート
を含有する潤滑剤を用いてこのヒートスクラッチ疵の発
生を抑制する。Caスルホネートはアルキル芳香族スルホ
ン酸を中和してCa塩としたものであり、このCaスルホネ
ートを炭酸ガスなどの存在下でCaO またはCa(OH)2 と反
応させると高塩基性Caスルホネートが生成する。高塩基
性Caスルホネートは、正塩であるCaスルホネートに比べ
て3〜15倍もの過剰Caを含有し、この過剰のCaは、主と
して炭酸カルシウム(CaCO3) の形で粒径 (平均粒径)150
Å以下のコロイド状で油中に分散したコロイド状分散体
を形成している。高塩基性Caスルホネートの過剰Caの量
は、JIS-K2501 に定義されている塩基価により示すこと
ができる。本発明で用いる高塩基性Caスルホネートは塩
基価が40 mg-KOH/g 以上のものである。
【0020】高塩基性Caスルホネートは耐熱性に優れて
いるため、これを潤滑剤として用いた場合、鋼材の熱間
圧延加工時においても完全には燃焼あるいは分解せず
に、流体あるいは流体に近い状態で存在し、潤滑に寄与
することができる。また、高塩基性Caスルホネートは、
ロール表面に存在する酸性のクロム酸化物(Cr2O3) との
反応性に富み、ロール表面に塑性加工時にも剥離しにく
い潤滑性反応層を形成して、ロール/鋼材間の直接接触
を効果的に阻止することによって潤滑性を一層向上させ
ることが判明した。
【0021】しかも、高塩基性Caスルホネートは、上記
のように、油中にCa塩(炭酸カルシウム) の微粒子を粒
径150 Å以下のコロイド状分散体として含有している。
この微細に分散した炭酸カルシウムは、鋼材とロールと
の間の金属間接触を物理的に抑制するという作用を示
す。その上、この微細な炭酸カルシウムは、潤滑作用の
主体となる塩基性Caスルホネートのキャリアー (運び
手) としても作用し、熱間圧延時における高圧下におい
ても、この微粒子が圧延作業用ロールと被圧延材との摩
擦界面に均一な状態で導入されるため、高塩基性Caスル
ホネートの潤滑効果は著しく高く、摩擦界面での金属間
の直接接触状態を抑制して焼付きを防止し、同時にロー
ルの摩耗を大きく低減させることができる。
【0022】以上の作用により、本発明方法によれば、
クロムまたはクロム合金めっき層を有する圧延作業用ロ
ールを用いた圧延において、鋼材の圧延用作業ロールへ
の焼付きとヒートスクラッチ疵の発生を防止し、ロール
摩耗を大幅に低減させることができ、良好な圧延製品品
質を確保することができる。この効果は熱間圧延におい
て特に顕著であるが、本発明の効果は冷間圧延において
も発揮される。従って、圧延は熱間圧延、冷間圧延、温
間圧延のいずれであってもよい。
【0023】本発明で用いる高塩基性Caスルホネートの
原料アルキル芳香族は特に制限されず、従来品と同様
に、鉱油の潤滑油留分ならびに合成系化合物 (例、アル
キルベンゼン、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化
したもの、ジノニルナフタレン等) のいずれも使用でき
る。
【0024】この高塩基性Caスルホネートは、本発明で
用いる潤滑剤中に20〜70重量%の割合で含有させる。こ
の含有量が20重量%未満では、ロール摩耗量が多くな
り、焼付きや、それに起因するヒートスクラッチ疵の発
生も充分に防止できない。一方、高塩基性Caスルホネー
トの含有量が70重量%を超えると、潤滑剤が高粘度化
し、その供給が困難となるため、高塩基性Caスルホネー
トの含有量は20〜70重量%とする。高塩基性Caスルホネ
ートの好ましい含有量は30〜60重量%である。
【0025】使用する高塩基性Caスルホネートの塩基価
は40 mg-KOH/g 以上であり、 200〜500 mg-KOH/gのもの
が焼付きおよびヒートスクラッチ疵の防止能および耐摩
耗性に優れていることから特に好ましい。塩基価が200
mg-KOH/g未満では、高塩基性Caスルホネートの摩擦界面
への導入性を向上させるキャリアーとしての炭酸カルシ
ウムの量が少なく、高塩基性Caスルホネートの摩擦界面
への導入量が低下するので、ロール摩耗を充分に低減
し、焼付きやヒートスクラッチ疵の発生を完全に防止す
ることができないことがある。一方、塩基価が500 mg-K
OH/gを超える高塩基性Caスルホネートは、圧延用潤滑剤
としての適切な機能、例えば粘度等を有するものが現状
技術レベルでは製造できない。但し、製造技術上可能に
なれば、塩基価が500 mg-KOH/g超のものも使用できよ
う。高塩基性Caスルホネートは、各種の塩基度のものが
市販されており、市販品を利用してもよい。
【0026】塩基価の下限については、潤滑剤を供給す
る際の濃度、粘度などの条件にもよるが、特に高粘度あ
るいは原液に近い状態で供給する時や、低負荷圧延条件
下では、塩基価が200 mg-KOH/g未満でも充分な潤滑効果
を発揮し得る。しかし、塩基価が40 mg-KOH/g 未満で
は、いずれの場合でも潤滑効果が不足する。
【0027】このように、本発明方法においては、クロ
ムまたはクロム合金めっきを施したロール表面に生成し
ている酸性のクロム酸化物(Cr2O3) 保護膜との反応性に
優れた高塩基性Caスルホネートを特定量含有させた潤滑
剤を使用することに特徴があり、本発明の上述した作用
効果を達成するにはこの高塩基性Caスルホネートの存在
が重要である。
【0028】高塩基性Caスルホネートに含まれる粒径 1
50Å以下の炭酸カルシウムは、高塩基性Caスルホネート
を製造する過程で自然に析出したものであり、コロイド
状分散体を油中に形成している。このコロイド状に分散
した炭酸カルシウムは、前述した特公昭62−14598 号公
報に記載されているような、別途用意した粒径1〜10μ
m程度の微粉状炭酸カルシウムを潤滑油基油に分散させ
た従来技術の潤滑剤とは、その作用効果が明らかに異な
る。この従来技術の潤滑剤では、炭酸カルシウムの粉末
そのものが潤滑効果を発揮する。
【0029】これに対して、高塩基性Caスルホネート中
に塩として析出している粒径 150Å以下の炭酸カルシウ
ムそのものには、なんら潤滑効果はないのであって、高
塩基性Caスルホネートの持つ高い潤滑効果 (酸性クロム
酸化物の保護膜上に潤滑性反応層を形成し、摩擦を低減
すると共に、クロムめっき層の剥離を防止すること)を
より発揮し易くするため、高塩基性Caスルホネートを摩
擦界面に運ぶキャリアーとして主に作用し、高面圧の摩
擦界面下での高塩基性Caスルホネートの導入性、反応性
を助ける役目をしている。また、摩擦界面の物理的な直
接接触状態を抑制する役目もしていると考えられる。
【0030】このように、高い潤滑性を示す高塩基性Ca
スルホネートと主にそのキャリアーとして作用するコロ
イド状の粒径 150Å以下の炭酸カルシウムとの相乗効果
により、クロムまたはクロム合金めっきロールを使用し
た圧延において耐焼付き性とロール耐摩耗性の顕著な向
上効果が発揮されるのである。
【0031】本発明方法で用いる高塩基性Caスルホネー
トを20〜70重量%含有する潤滑剤は、高塩基性Caスルホ
ネートを一般に使用されている潤滑油基油に配合するこ
とにより調製できる。高塩基性Caスルホネート20〜70重
量%と残部が潤滑油基油とからなる潤滑剤でも充分使用
できるが、必要に応じて、他の固体潤滑剤、極圧添加
剤、酸化防止剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤等の1
種もしくは2種以上をさらに配合することができる。
【0032】潤滑油基油の適当な例としては、鉱物油、
合成潤滑油、ナタネ油、ラードオイル等の油脂類、高級
脂肪酸およびそのエステル類等が挙げられる。
【0033】固体潤滑剤の例としては、黒鉛、二硫化モ
リブデン、窒化硼素、雲母、タルク等が挙げられる。
【0034】極圧添加剤の例としては、硫化油脂、硫化
鉱油、ジノニルポリサルファイド等の硫黄系極圧添加
剤、トリクレジルホスフェート、リン酸ジオクチル等の
リン系極圧添加剤が挙げられる。
【0035】酸化防止剤の例としては、メチレン−4,4
−ビス (2,6 −ジ−tert−ブチルフェノール) 等のビス
フェノール類、ジ−tert−ブチルクレゾール等のアルキ
ルフェノール類、ナフチルアミン類等が挙げられる。流
動点降下剤、粘度指数向上剤の例としては、ポリメタク
リレート、ポリオレフィン等が挙げられる。
【0036】固体潤滑剤の添加量は約1〜10重量%程
度、極圧添加剤の添加量は約1〜15重量%程度、酸化防
止剤の添加量は約0.01〜1.0 重量%程度、流動点降下
剤、粘度指数向上剤の添加量はそれぞれ1〜5重量%程
度である。
【0037】本発明で用いる潤滑剤中には、Baスルホネ
ート、Mgスルホネートなどの他のスルホネートを含有さ
せてもよい。すなわち、塩基価が大きく変わらない範囲
であれば、Caスルホネートの一部をBaスルホネート、Mg
スルホネートなど他のスルホネート金属塩と置換して
も、低負荷圧延条件下であればほとんど変わらない効果
を得ることができる。ただし、BaスルホネートやMgスル
ホネートの単位量当たりの潤滑効果が、Caスルホネート
のそれに比べて小さいことを考慮し、Ca以外のスルホネ
ート金属塩は全スルホネート量の10重量%以下にするの
が好ましい。
【0038】クロムまたはクロム合金めっき層を表面に
有する圧延作業用ロールへの高塩基性Caスルホネートを
含有する潤滑剤の供給方法は特に制限されない。例え
ば、圧延作業用ロールに潤滑剤を直接供給してもよい。
多段式圧延機の場合には、補強ロール、中間ロール等の
他のロールに潤滑剤を供給し、このロールを介して圧延
作業用ロールに潤滑剤を供給することもできる。
【0039】潤滑剤の供給手段は、既知の供給手段の中
から適宜選択すればよい。いずれの方法でも本発明の効
果を充分に達成できる。例えば、熱間圧延では、要求さ
れる粘度や濃度に応じて、圧縮空気と混合して噴霧状に
して供給すエアーアトマイズ法や、水と混合して供給す
るウォーターインジェクション法、さらには加熱蒸気で
噴霧化して供給するスチームアトマイズ法等が採用でき
る。冷間圧延の場合には、潤滑剤を予め水と混合してエ
マルジョン状態とし、これを噴霧することにより供給す
ることが多い。この場合の供給方式には、直接給油方
式、循環給油方式、ハイブリッド方式(前二者の混合方
式)があり、いずれを採用してもよい。もちろん、原液
のまま供給する方法でもよく、上記以外の他の一般的な
給油方式も採用できる。原液で供給する場合には、必要
に応じて、潤滑剤を水溶性タイプにして不燃性化して用
いてもよい。
【0040】本発明の圧延方法は、フェライト系、オー
ステナイト系などの一般ステンレス鋼材はもとより、自
動車排ガス材料等に使用されるCrを20重量%以上含有す
る高耐食性ステンレス鋼材 (例、20%Cr鋼、20%Cr-5%
Mo鋼、20%Cr-5%Al鋼など)の圧延加工や、炭素鋼材の
低温圧延、高圧下圧延等の高負荷圧延において、その効
果を特に顕著に発揮する。もちろん、一般の炭素鋼材や
通常圧延時の圧延方法に対して利用しても、その効果は
絶大である。本発明の鋼材の圧延方法は、鋼板の圧延に
限らず、鋼管、形鋼等、各種形状の鋼材の熱間、冷間、
温間圧延に広く適用することができ、いずれの場合であ
っても上述した効果を発揮することは言うまでもない。
【0041】
【実施例】次に具体的な実施例に基づき説明する。 (実施例1)表1に示す本発明例1〜8、比較例1〜3、
従来例1〜2の13種類の熱間用潤滑剤を、ホモミキサー
を使って成分を所定割合で混合することにより調製し、
この潤滑剤を使用して圧延試験を行った。
【0042】使用した圧延機は図1に示す熱間鋼板圧延
ミルラインの4段式熱間鋼板圧延機であり、その圧延作
業用ロール2は、胴部にクロム合金 (Cr−1%Ni) めっ
き層(めっき厚50μm) を有していた。図1において、
1は潤滑供給用ヘッダー、3は被圧延鋼板、4は補強ロ
ールである。
【0043】圧延試験は、表1に示す各潤滑剤を、炭素
鋼およびステンレス鋼(SUS 304) の各圧延チャンス (そ
れぞれ圧延量2500トンおよび1100トン) に圧延作業用ロ
ールに供給し、圧延後の製品性状 (圧延製品疵、特にヒ
ートスクラッチ疵の有無) とロール摩耗量 (上下の各圧
延作業用ロールの最大摩耗深さを測定し、平均値で表
示) を調べた。
【0044】潤滑剤の供給は、ウォーターインジェクシ
ョン方式の供給装置1により、濃度0.1 〜0.5 %程度に
薄めて圧力3〜4kgf/mm2 で、図示のように圧延作業用
ロールに直接供給することにより行った。
【0045】試験結果を表2 (炭素鋼) 、表3 (ステン
レス鋼) に示す。本発明の圧延方法によれば、いずれの
鋼種においても、鋼板表面にヒートスクラッチ疵は発生
しなかった。また、ロールの摩耗量が大幅に低減してい
ることも確認された。
【0046】ステンレス鋼圧延などのヒートスクラッチ
疵がより発生し易い圧延状況においては、本発明例4、
5、6の潤滑剤のように、塩基価40 mg-KOH/g 以上の高
塩基性Caスルホネートを30〜60重量%含有させた潤滑剤
が特に大きな潤滑効果を発揮することも試験結果から理
解される。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】(実施例2)表4に示す本発明例1〜8、比
較例1〜3、従来例1の12種の冷間圧延用潤滑剤を、実
施例1と同様に調製した。
【0051】使用した圧延機は冷間鋼板圧延ミルライン
の4段式冷間鋼板圧延機であり、その圧延作業用ロール
は、胴部にクロムめっき層 (めっき厚20μm) を有して
いた。表4に示す各潤滑剤を炭素鋼、ステンレス鋼(SUS
304) の各圧延チャンス (それぞれ圧延量約2000トン、
1000トン) に圧延作業用ロールに供給し、圧延後の製品
性状、ロール摩耗量を実施例1と同様に調べた。本例に
おいては潤滑剤は圧延作業用ロールにエマルジョン状態
で循環給油方式により直接供給した。
【0052】圧延試験の結果、ヒートスクラッチ疵の発
生は炭素鋼およびステンレス鋼のいずれの冷間圧延にお
いても防止されることが確認された。また、従来例 (市
販冷間圧延油をそのまま使用)に比べて、ロール摩耗量
はいずれの圧延においても約1/2 に減少し、1ヶ月の長
期使用の結果、ロール原単位は約1/3 に減少した。ま
た、ロール組み替えの減少に伴い、圧延量の増加が可能
となった。
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鋼材の圧
延方法によれば、従来はヒートスクラッチ疵が発生し易
かったロール胴部表面にクロムめっき層またはクロム合
金めっき層を有する圧延作業用ロールを用いた圧延加工
において、鋼材表面のヒートクラッチ疵等の表面疵の発
生やロール摩耗を著しく低減することができ、その結
果、ロールの寿命を大幅に延長し、かつ高品質の製品品
質を得ることができる。また、圧延後の製品の手入れの
必要がなくなり、工程が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱間圧延潤滑法の1例を示す。
【符号の説明】
1 : 潤滑剤供給用ヘッダー 2 : 圧延作業用ロール 3 : 鋼板 4 : 補強ロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10N 10:04 30:06 40:24 Z 8217−4H 80:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール胴部表面にクロムまたはクロム合
    金めっき層を有する作業用ロールを使用した鋼材の圧延
    において、高塩基性Caスルホネートを20〜70重量%含有
    する潤滑剤を該ロール表面に供給しながら圧延すること
    を特徴とする、鋼材の圧延方法。
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