JPH0672229B2 - 鋼板の冷間圧延油 - Google Patents

鋼板の冷間圧延油

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JPH0672229B2
JPH0672229B2 JP61185015A JP18501586A JPH0672229B2 JP H0672229 B2 JPH0672229 B2 JP H0672229B2 JP 61185015 A JP61185015 A JP 61185015A JP 18501586 A JP18501586 A JP 18501586A JP H0672229 B2 JPH0672229 B2 JP H0672229B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高圧力下、高速回転下において摩擦係数、耐圧
性に優れる高潤滑成生圧延油で、同時に圧延後焼鈍する
際に電解清浄またはその他の清浄工程を減ることなく、
そのまま焼鈍しても表面に汚れが発生しない。すなわ
ち、ミルクリーン性に優れる鋼板の冷間圧延油に関する
ものである。
(従来の技術) 薄鋼板の冷間圧延時に使用される冷間圧延油は動・植物
油脂(牛脂、豚脂、パーム油、ヤシ油等)を基油とする
ものと鉱物油を基油とするものに大別される。近年、省
エネルギー、省工程等、生産能率の向上に伴ない、高圧
化率圧延、高速圧延そしてミクルリーン圧延が指向され
ている。動・植物油油脂を基油に用いた圧延油は高負
荷、高速圧延に適したもであるが、冷間圧延を行なった
鋼板の付着油分を脱脂せずにそのまま焼鈍すると、焼鈍
工程において鋼板表面汚れを生ずる。つまりトリグリセ
ライド製造を有する油脂は潤滑性には優れるがミルクリ
ーン性(直接焼鈍性)としては不適なものである。
一方、鉱物油を基油とした圧延油を鋼板の冷間圧延に供
した場合には、冷薄鋼板を直性焼鈍しても表面汚れを生
ずることがなくミルクリーン性に優れているが、高圧下
率圧延、高速圧延性に劣っている。
一般に鉱物油を基油とした圧延油は圧延潤滑性を高める
ために、動・植物油脂や脂肪酸(カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リンレ
ン酸等)あるいは油化学′73 11月号、p.695〜706に掲
載されているようなエステル類(アルコール成分がトリ
メチロールプロパン、ペンタエリトリトール、2−エチ
ルヘキシルアルコール等によるモノエステル、ジエステ
ル、ポリオールエステル等の合成エステル)の油性向上
剤を添加して用いられるが、これらの添加量はミルクリ
ーン性を保持するために必要最少限の狭い範囲に調整さ
れている。以上のように高潤滑性とミルクリーン性を同
時に満足させる冷間圧延油の検討は種々行なわれている
が、(例えば特開昭56−135600号公報、特開昭59−8049
8号公報)充分な性能に達していないのが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は省エネルギー、省工程など生産能率の向上に寄
与する薄鋼板用冷間圧延油で、高速度、高圧力下で生ず
る熱や機械的剪断に対して安定で、酸化、分解、重合等
の化学反応に対しても安定であり、また焼鈍工程におい
て圧延油の熱分解残塩を生ずることが少なく容易に揮散
し、鋼板の表面清浄性と高潤滑性を併せ持つ鋼板の冷間
圧延油を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段、作用) 本発明はソルビトールと炭素数12以上の非α位メチル分
枝脂肪酸との合成エステルを主成分とした鋼の冷間圧延
油で、高潤滑性と高ミルクリーン性を有するもので薄鋼
板の圧延と鋼板を脱脂することなく焼鈍を効果的に行な
うことを可能とするものである。
本発明にいう合成エステルはこのような目的のために分
子設計し合成したエステル化合物である。
近年、圧延油添加成分としてあるいは基油として合成エ
ステルが用いられているが、現在冷間圧延油に用いられ
ている合成エステルは、この目的のために合成されたも
のは少なく、エンジン油や油圧作動油のあるいは他の潤
滑剤として用いられている既存の合成エステルの中から
選択している場合が多く、高潤滑性と高ミルクリーン性
の両者を充分に満足しうる合成エステルではない。
本発明の合成エステルは冷間圧延油用として、すなわち
高潤滑性と高ミルクリーン性をかねそなえた特性を有す
るもので、以下の如き分子設計からなるものである。
すなわち、本発明はソリビトールと炭素数12以上の非α
位メチル分枝脂肪酸との環状化物含有エステル化生成物
で、エステル基を2個以上有する該エステル化生成物を
含有する鋼板の冷間圧延油である。
さらには、炭素数12以上の非α位メチル分枝脂肪酸50モ
ル%以下を炭素数12以上の直鎖脂肪酸で置換した混合脂
肪酸とソルビトールとの環状化物含有エステル化生成物
でエステル基を2個以上有する該エステル化生成物を含
有する鋼板の冷間圧延油である。
ここで示される炭素数12以上の非α位メチル分枝脂肪酸
としては、α位を除く炭素に側鎖としてメチル基を有す
るものであり、インドテカン酸、イントリデカン酸、イ
ソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン
酸、イソアラキン酸、イソベヘニン酸、イソリグノセリ
ン酸、イソセロチン酸、イソモンタン酸等が使用でき
る。
炭素数12未満のメチル分枝脂肪酸を使用した場合、鋼板
を冷間圧延する際の潤滑性の向上程度が少ない。一方、
メチル分枝脂肪酸の炭素数の上限は特に規制しないが、
一般に工業的に入手可能な範囲である炭素数28以下が好
ましい。炭素数12以上の非α位メチル分枝脂肪酸として
は、代表的なラノリン脂肪酸中のメチルイ分枝脂肪酸、
あるいはオレイン酸やリノール酸からダイマー酸を製造
する際の副産物として得られるメチル分枝脂肪酸があ
る。これらは一般に一般式(1)で示される。
(但し、m+nは8以上の整数;mは1以上の整数) 本発明の合成エステルの製造に用いられるソルビトール
は、反応の過程において脱水縮合して、下記の如きソル
ビタン、ソルバイト等に変化して反応するために、複雑
な組成物を生成する。
(「合成界面活性剤」三共出版発行、堀口博孝、p.32
9) 従来、一般名Spanとして知られているソルビタン脂肪酸
エステルは、非イオン界面活性剤として広く使用されて
いるが、脂肪酸としてはラウリン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸等の天然直鎖脂肪酸とのエステル化生成物であ
り、飽和脂肪酸(ラウリン酸、ステアリン酸等)とのエ
ステル化物は高融点ワックス状固体であり、本発明のよ
うな圧延油としての使用には適していない。オレイン酸
等の不飽和脂肪酸とのエステル化生成物は常温で液状で
あるが、冷間圧延油としては安定性や直接焼鈍性がよく
ない。また鋼板を冷間圧延する際の潤滑性の向上程度が
小さいものである。
本発明は従来界面活性剤として広く使われていたソルビ
トールと直鎖脂肪酸とのエステル化生成分を非α位メチ
ル分枝脂肪酸とのエステル化生成物、すなわちソルビト
ールがソルビタン、ソルバイト等の環状化物に変化し、
かつそれらが非α位メチル分枝脂肪酸とエステル化した
生成物にすることにより、低凝固点、高安定油剤とな
り、かつ鋼板を圧延する際の潤滑性の向上程度が明らか
に高くなり、直接焼鈍性にもよく、従来考えられなかっ
た性能を見い出したものである。
本発明の圧延潤滑に適した非α位メチル分枝脂肪酸は炭
素数12以上がよく、炭素数12未満の場合は目的とする圧
延潤滑特性が劣るとともに、炭素数12未満のメチル分枝
脂肪酸の工業的入手が難かしい。炭素数の上限は特に規
定しないが、工業的に入手可能な範囲として炭素数28以
下が好ましい。
一般的には油脂化学工業原料から得られる炭素数18の異
性化メチル分枝脂肪酸であるイソステアリン酸を主体と
することが望しい。
飽和分枝脂肪酸でもα位に分枝した脂肪酸を有するもの
は、比較的長鎖のアルキル基を有するものが主体である
ため、熱安定性、酸化安定性は良好なものの、圧延潤滑
性では期待する性能が得られない。これは脂肪酸の分枝
構造からくる性能の差異と考えられる。
本発明のエステル化生成物では、エステル基の数が2個
以上のジエステル、トリエステルあるいはテトラエステ
ル化合物が圧延潤滑に対して非常に好ましい結果をもた
らす。これに対し、モノエステル主体の場合には、乳化
剤として公知のソルビタンと直鎖脂肪酸とのモノエステ
ル同様に乳化剤の性質を示し、目的とする鋼板の圧延潤
滑には不都合な結果をもたらし好ましいものではない。
また非α位メチル分枝脂肪酸の50モル%以下を炭素数12
以上の直鎖脂肪酸で置換した環状化物含有エステル化生
成物も圧延性能に良好な結果を示す。この場合、炭素数
が12未満の直鎖脂肪酸では鋼板を冷間圧延する際の潤滑
性の向上の程度が少ない。炭素数の上限も特に制限しな
いが一般に工業的に安価で入手可能な範囲として炭素数
30以下が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグ
ノセリン酸、セロチン酸、オンタコサン酸、パルミトオ
レイン酸、オレイン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒド
ロキシステアリン酸、リノール酸等が使用できる。合成
に際しては、非α位メチル分枝脂肪酸と直鎖脂肪酸を所
定の割合に混合して用いる。
非α位メチル分枝脂肪酸の50モル%を超えて直鎖脂肪酸
で置換した場合の環状化物含有エステル化生成物は、融
点が高くなり、圧延油として使用上好ましくない。
つまり、本発明は鋼板を冷間圧延する際、ソルビトール
と炭素数12以上の非α位メチル分枝脂肪酸との環状化物
含有エステル化生成物の潤滑性が、従来から常用されて
いる動・植物油脂や、一般に知られている合成エステル
油と比較して明らかに優れており、実用用時の浴の汚
れ、熱および酸化安定性の面でも優れた性能を示し、か
つ飽和脂肪酸であるにもかかわらず、得られたエステル
化生成分物は常温で液状が保持され、圧延油として使用
上非常に好都合なものである。
従来、乳化剤として広く使用されている一般名Spanとし
て知られている、ソルビタン直鎖脂肪酸エステルと構造
的には類似のものであるが、本発明の脂肪酸として非α
位メチル分枝脂肪酸を使用することを特長とするもので
エステル基2個以上持つエステル化生成物で、常温で液
状を保持し潤滑性に優れており、かつ酸化安定性、焼鈍
性に好ましい結果を示す。一般名Spanとして知られてい
るものはその使用目的があくまで乳化剤としての役割で
あり、本発明は鋼板の冷間圧延を目的にそれに適するよ
うにして化学的に分子設計を行なったものであり、Span
とはまったく思想を異にするものである。
本発明の合成エステルを圧延油に使用するに際しては、
合成エステル単独で圧延油として使用することもでき
る。また他の基油例えば鉱物油や動植物油脂あるいは実
用圧延油に添加剤として常用されている乳化剤、脂肪
酸、酸化防止剤、腐食防止剤、等と組合せて使用するこ
ともできる。
本発明の合成エステル化合物を他の基油等と混合して用
いる場合には、1重量%以上の添加で効果が認められる
が、5重量%以上、望ましくは20重量%以上の含有量と
することによってその特性が安定する。
本発明の合成エステルの製法は、無触媒または触媒存在
下、通常の方法で合成することができるが合成法は特に
限定するものではない。
以下、具体的合成例、および実施例に示して説明する。
合成例 撹拌機、温度計、窒素ガス吸込管、水分離器を備えた4
ッ口フラスコに70%ソルビトール260g、エメリー社製イ
ンステアリン酸Emerol 871(中和価175、ヨウ素価10、
不けん化物6%)1120gを仕込み、水酸化ナトリウム5g
を触媒として添加し、キシレンを還流溶剤として仕込量
の5%を添加し、よく撹拌し混合物を160〜240℃にて計
算量の水が留出するまで反応を行なった。その必要時間
は7時間であった。反応終了後、減圧にてキシレンを留
去し、ついで活性白土を用いて脱色濾過して黄褐色の液
体を得た。収量1140g、酸価4.7であった。
(合成例B) 上記合成例に示した方法に準じて、第1表に示すように
ソルビトールとメチル分枝脂肪酸等を用いて、エステル
化合物を合成した。
(実施例) 実用圧延油の基油に用いられている鉱油、パーム油に、
添加剤として常用されている乳化剤、脂肪酸及び酸化防
止剤等と本発明の圧延油である合成エステルを配合した
時に得られる圧延油組成の潤滑性と焼鈍性についての評
価を行なった。
エマルション圧延は2段ロール式圧延機で、圧延材料
(spcc)1.2×20×200mmを油分濃度3%、浴温50℃の条
件で、圧下率40%における圧延荷重を測定し圧延潤滑性
を評価した。また焼鈍性については供試エマルション液
で圧延したそのままの状態の鋼板を数10枚積み重ねた
後、細巾の鋼帯で固定して小型焼鈍炉にて焼鈍した。
焼鈍の際の加熱条梶は、HNxガス(H2:5%)120ml/min雰
囲気中で、昇温速度を10℃/minとして500℃迄加熱し、6
00℃で1時間保持後放冷した。その後、鋼板表面にセロ
ファンテープを貼着し、表面付着物を採取し、これを白
色紙にはりつけて汚れの度合を目視判定し、鋼板表面清
浄性を評価した。
結果を第2表にまとめて示した。
(発明の効果) 本発明のソルビトールと炭素数12以上の非α位メチル分
枝脂肪酸との環状化物含有エステル化生成物は、その使
用目的を鋼板の冷間圧延油として、そのための必要条件
を考えて分子設計したものであって、既存の合成エステ
ル油を冷間圧延油として、あるいは添加剤に転用してい
るものとは異なり、鋼板類の圧延潤滑性の向上により、
従来の動・植物油脂を用いた場合と比べて、動力費の節
減など省エネルギー、省資源に効果をもたらす、また焼
鈍性にも優れており、電解脱脂を省略することができ設
備費の低減が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 浩之 神奈川県横浜市神奈川区千若町1丁目3 日清製油株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−13698(JP,A) 特開 昭57−162794(JP,A) 特開 昭53−140259(JP,A) 特開 昭52−97349(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソルビトールと炭素数12以上の非α位メチ
    ル分枝脂肪酸との環状化物含有エステル化生成物で、エ
    ステル基を2個以上有する該エステル化生成物を含有す
    る鋼板の冷間圧延油。
  2. 【請求項2】ソルビトールと炭素数12以上の非α位メチ
    ル分枝脂肪酸および炭素数12以上の直鎖脂肪酸50モル%
    以下からなる混合脂肪酸との環状化物含有エステル化生
    成物で、エステル基を2個以上有する該エステル化生成
    物を含有する鋼板の冷間圧延油。
  3. 【請求項3】炭素数12以上のメチル分枝脂肪酸がイソス
    テアリン酸である特許請求の範囲第(1)項記載の鋼板
    の冷間圧延油。
  4. 【請求項4】炭素数12以上のメチル分枝脂肪酸がイソス
    テアリン酸である特許請求の範囲第(2)項記載の鋼板
    の冷間圧延油。
JP61185015A 1986-08-08 1986-08-08 鋼板の冷間圧延油 Expired - Lifetime JPH0672229B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5297349A (en) * 1976-02-13 1977-08-16 Miyoshi Yushi Kk Lubricant for cold rolling of metal
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