JPH0672290B2 - 高強度低熱膨張性合金 - Google Patents

高強度低熱膨張性合金

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JPH0672290B2
JPH0672290B2 JP63132648A JP13264888A JPH0672290B2 JP H0672290 B2 JPH0672290 B2 JP H0672290B2 JP 63132648 A JP63132648 A JP 63132648A JP 13264888 A JP13264888 A JP 13264888A JP H0672290 B2 JPH0672290 B2 JP H0672290B2
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隆三 原
健雄 田川
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高強度低熱膨張性の鉄系合金に関するもので、
セラミックスとの接合用材料、精密機器部品用材料ある
いは航空機部品用材料など、低い熱膨張特性と常温及び
高温での強度が必要とされる用途に好適なものである。
[従来の技術] 従来の低熱膨張合金としては、Fe-Ni合金のインバー合
金(36%Ni-Fe)あるいはFe-Ni-Co合金のコバール合金
(29%Ni-17%Co-Fe)、スーパーインバー合金(30%Ni
-5%Co-Fe)などが良く知られているが、これらの合金
は熱膨張係数は低いものの、構造用材料としては強度も
低く、常温強度は冷間加工により確保するしかないが、
高温では冷間加工の効果がなくなり、強度の確保が困難
であった。
又、高い強度を有する低熱膨張合金としては、Al、Tiあ
るいはNb等の析出強化元素を添加したNi-Span C合金
(42%Ni-5%Cr-2.4%Ti-0.5%Al-Fe)あるいはIncolo
y 903合金(38%Ni-16%Co-1.5%Ti-1%Al-3%Nb-F
e)等が知られており、これらの合金は常温あるいは高
温で高い強度を有するが、室温から400℃までの熱膨張
係数は、構造用セラミックスとして代表的な窒化ケイ素
あるいは炭化ケイ素に比較して大きい。
[発明が解決しようとする課題] セラミックスを構造用材料として用いようとする際に
は、セラミックスの脆性等の欠点を補う目的で、金属材
料との接合化あるいは金属材料との複合材料化して使用
される場合が多い。
金属とセラミックスとが接合あるいは複合化して使用さ
れる際に、金属とセラミックスの熱膨張係数が大きく異
ると、金属とセラミックスとの接合部で割れあるいは剥
離が発生し、構造用材料として使用上問題がある。又、
セラミックスと金属とを接合化あるいは複合化した構造
材料は、セラミックスの耐熱性、軽さ等の特性を生かす
ためにも、金属材料には常温及び高温での強度が要求さ
れる。しかしながら、金属材料がセラミックスと接合化
あるいは複合化されて使用される際に、必要以上に強度
が高い場合、加工性等の問題が生じる。
そこで、構造用セラミックスとして代表的な窒化ケイ素
あるいは炭化ケイ素に、熱膨張係数が比較的近く、常温
及び高温での強度を具備した金属材料の開発が望まれて
いた。
又、精密機器部品用材料あるいは航空機部品材料等でも
軽量化あるいは使用温度条件から常温および高温強度が
高く、かつ、熱膨張による寸法の変化ができる限り少な
いことが望ましく、低い熱膨張係数と常温および高温で
の強度を具備した材料の開発が望まれていた。
本発明はかかる点に鑑み、従来の合金では得られない特
性として、常温から400℃までの熱膨張係数が6.5×10-6
/℃以下で、常温の引張強さが60〜130kgf/mm2400℃の
引張強さが40〜100kgf/mm2を示す高強度低熱膨張合金を
提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の第1発明は、下記のとおりである。
重量%で Ni:29%以上34%未満 Co:16%を超え21%以下 (ただし、Ni+Co:50%以下) Mo:0.5%以上3.0%以下 Ti:0.8%以上3.0%以下 Al:0.2%以上1.5%以下 C:0.1%以下 Si:1.0%以下 Mn:1.0%以下 並びに残部Feおよび不純物よりなり、固溶体処理及び時
効処理を施すことにより、常温の引張強さが60kgf/mm2
〜130kgf/mm2、400℃の引張強さが40kgf/mm2〜100kgf/m
m2、室温から400℃における平均熱膨張係数が6.5×10-6
/℃以下である高強度低熱膨張性合金。
又、第2発明は、上記Moの代りにWを含有するものであ
り、さらに第3発明はMoとWとをともに含有するもので
ある。
すなわち、Ni-Co-Fe系合金にMoとWを単独あるいは複合
で所定量を含有することにより、熱膨張係数の増加を最
小限に抑えてオースナイト素地中を固溶強化するととも
に、0.2%耐力を上昇させ、かつ高温強度を向上させる
効果があることを実験により見出した。更にTiとAlを複
合添加し、時効処理することにより、熱膨張係数の増加
を最小限に抑えて、ガンマプライム相と呼ばれる金属間
化合物を生成し、合金を析出強化させる効果があること
を見出した。本合金の特徴とすることは、Mo、Wの固溶
強化とTi、Alの時効強化で、その含有量を調整すること
により、従来の合金では得られない特性を有する合金が
得られることを見出した。
すなわち、常温の引張強さが60kgf/mm2〜130kgf/mm2、4
00℃の引張強さが40kgf/mm2〜100kgf/mm2、室温から400
℃における平均熱膨張係数が6.5×10-6/℃以下の特性
を有するものが得られる。
次に各化学成分の限定理由について述べる。
Ni:NiはCoと共にオーステナイト相を形成するととも
に、熱膨張係数の低減に寄与する。又、時効処理を実施
することにより、Ni3(Al、Ti)で表わされるガンマプ
ライム相と呼ばれる金属間化合物を形成し、析出強化す
る。Niが29%未満あるいは34%以上では熱膨張係数を大
きくするので、29%以上34%未満に限定する。
Co:CoはNiと共にオーステナイト相を形成するととも
に、熱膨張曲線が折点を示すキューリー点を高温側に移
行する効果をもっており、高温域までの熱膨張係数の低
減に寄与する。室温から400℃の温度範囲で低い熱膨張
係数が得られるのは、16%を超え、21%以下の範囲であ
るので、Coはこの範囲に限定する。
Ni+Co:NiおよびCoは前述のとおりオーステナイト相の形
成と熱膨張係数の高温域までの低域に効果を示すが、Ni
+Co量が50%を超えると、キューリー点温度は高温側に
移行するが、キューリー点まで熱膨張係数が大きくな
り、室温から400℃までの熱膨張係数も6.5×10-6/℃を
超えるので、Ni+Co量を50%以下に限定する。
Mo:Moはオーステナイト基地中に固溶して固溶強化作用
があり、耐力の増加にも効果的であり、高温強度の向上
にも寄与するが、充分な効果を得る為には0.5%以上の
添加が必要であり、又、添加量が多いと熱膨脹係数を増
加させるので0.5%以上3%以下に限定する。
W:WもMoと同様にオーステナイト基地中に固溶して固溶
強化作用があり、耐力の増加にも効果的であり、高温強
度の向上にも寄与するが、充分な効果を得る為には、0.
5%以上の添加が必要であり、又、添加量が多いと熱膨
脹係数を増加させるので0.5%以上3%以下に限定す
る。
Mo+W:MoとWとの複合添加も、オーステナイト基地の固
溶強化作用があり、耐力の増加にも効果があり、高温強
度の向上にも寄与するが、充分な効果を得る為には、Mo
+W量が0.5%以上の添加が必要であり、又、Mo+Wの添
加量が多いと熱膨脹係数を増加させるので、Mo+W量を
0.5%以上3%以下に限定する。
Ti:TiはAlとの共存で、時効処理によりガンマプライム
相Ni3(Al、Ti)を形成し、合金を析出強化し、高温強
度を向上させる。しかしながら、添加量が0.8%未満で
は添加効果が少く、3.0%を超えると熱膨張係数が大き
くなるので、0.8%以上3.0%以下に限定する。
Al:AlはTiとの共存で、時効処理によりガンマプライム
相Ni3(Al、Ti)を形成し、合金を析出強化し、高温強
度を向上させる。しかしながら添加量が0.2%未満では
添加効果が少なく、1.5%を超えると熱膨張係数が大き
くなるので、0.2%以上1.5%以下に限定する。
C :Cは炭化物を形成して、高温強度の向上に寄与する
が、過度の添加は熱膨張係数を増加させるので、0.1%
以下に限定する。
Si:Siは脱酸及び熱間加工性の向上のために必要である
が、過度の添加は熱膨張係数を増加させるので、1%以
下に限定する。
Mn:MnはSiと同様、脱酸及び熱間加工性の向上のために
必要であるが、過度の添加は熱膨張係数を増加させるの
で、1%以下に限定する。
本発明はかかる組成を有する合金材料の固溶体化処理及
び時効処理を施したものであるが、その条件は固溶化処
理温度が950〜1150℃、時効処理温度は580〜750℃、時
効処理時間は5〜48時間程度が好ましい。固溶化処理温
度は950℃未満では固溶化が不充分であり、1150℃を超
えると結晶粒の粗大化が起こるので950℃〜1150℃とす
る。時効処理温度は580〜750℃で時効するとすぐれた常
温及び高温強度が得られるので、この温度範囲が好まし
い。
[実施例] 特性を比較するため、表に従来合金、本発明合金および
比較合金の化学成分、常温および400℃での引張強さと
0.2%耐力、室温から400℃までの熱膨張係数をそれぞれ
示す。
表に示した試料はそれぞれ真空誘導溶解炉で10kgのイン
ゴットを溶製後に直径15m/mに鍛造を実施したものであ
る。
各試料の熱処理は次のとおりである。
試料No.1(インバー合金)、試料No.2(スーパーインバ
ー合金)および試料No.3(コバール合金)は、850℃で
1時間加熱する固溶化処理を実施した。
試料No.4(Ni-SpanC合金)は、950℃で1時間加熱後水
冷し、さらに730℃で5時間の時効処理を実施した。
試料No.5(Incoloy903合金)は、950℃で1時間加熱後
水冷し、さらに718℃で8時間加熱後、621℃の温度まで
55℃/時間の冷却速度で炉冷し、さらに、621℃で8時
間加熱後空冷を実施したものである。
本発明合金の試料No.7および13以外の試料並びに比較合
金の試料No.18〜27は、それぞれ980℃で1時間加熱後水
冷の固溶化処理実施後、さらに620℃で24時間の時効処
理を実施したものである。
又、本発明合金の試料No.7はNo.6と同一溶解試料で、試
料No.6と同一条件の固溶化処理を実施後、580℃で24時
間の時効処理を実施した。
試料No.13は試料No.12と同一溶解試料で、試料No.12と
同一条件の固溶化処理を実施後、650℃で24時間の時効
処理を実施した。
この様にして得た各試料より熱膨張係数測定試料として
直径5mm、長さ50mmの試料を採取し、室温から400℃まで
の熱膨張係数の測定を、引張試験用試料として、平行部
6mm×24mm(標点間)の引張試験片を採取し、室温と400
℃での引張試験を実施した。
表において、従来合金のNo.1〜5の中で、常温及び400
℃の強度が高いのは試料No.4とNo.5であり、又、熱膨張
係数が低い試料No.3は強度が低い。
本発明の試料No.9、No.6及び試料No.11はMo含有量がそ
れぞれ0.6%、0.9%及び2.8%でMo量の増加に従って常
温及び400℃での引張強さと0.2%耐力が向上するが、熱
膨張係数も大きくなる。試料No.18はMo含有量が3%以
上の例であり、常温及び400℃での強度は良好である
が、熱膨張係数が7.4×10-6/℃と大きな値を示す。
同様に本発明合金試料No.8及び試料No.14はWの含有量
がそれぞれ1.1%と2.7%で、W量の増加に従って常温及
び400℃での引張強さと0.2%耐力が向上するが熱膨張係
数も大きくなる。試料No.19はW含有量が3%以上の例
であり、常温及び400℃での強度は良好であるが、熱膨
張係数が7.6×10-6/℃と大きな値を示す。
試料No.17はMo+Wが上限の2.9%、試料No.20はMo+Wが
3%以上の例である。Mo+W量の増加に従って常温、及
び400℃での引張強さと0.2%耐力が向上するがMo+W量
が4.1%の試料No.20は、熱膨張係数が7.7×10-6/℃と
大きな値を示す。
試料No.6、No.12、No.16およびNo.21はTi添加量がそれ
ぞれ1.0%、1.8%、2.8%および3.4%の例である。Ti量
の増加に従って常温及び400℃での強度が向上するが、T
i量が3.4%の試料No.21は熱膨張係数が7.6×10-6/℃と
大きな値を示す。
試料No.15はAl、Si及びMnが上限に近い試料である。Al
量が2.1%の試料No.22は、熱膨張係数が6.9×10-6/℃
と大きくなるが、Ti量も多いことにより、常温及び400
℃の強度は高い。
試料No.7及び試料No.13はそれぞれ試料6及び試料12の
時効処理条件を変更したものであるが、熱膨張係数はほ
とんど変化しないで、常温及び400℃の強度を調整する
ことが可能であり、同一成分でも時効処理条件を変更す
ることにより必要な強度を確保することができる。
試料No.9および試料No.10はそれぞれNi下限(Co上限)
及びNi上限(Co下限)でNi+Co量が50%以下を満足する
試料である。これに対して試料No.23〜No.27はNi量、Co
量あるいはNi+Co量が特許の請求範囲をはずれた例であ
る。常温及び400℃の強度は良好であるが、熱膨張係数
は7.5〜9.7×10-6/℃と大きな値を示した。
[発明の効果] 本発明合金は引張強さが常温で60kgf/mm2〜130kgf/m
m2、400℃で40kgf/mm2〜100kgf/mm2の高い強度を示し、
しかも室温から400℃における平均熱膨張係数が6.5×10
-6以下と小さい。したがつて低い熱膨張特性と常温およ
び高温での強度が必要とされる構造用セラミックスとの
接合用材料、精密機器部品用材料あるいは航空機部品用
材料等の用途に最適なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内堀 勝之 東京都江東区東雲1―9―31 三菱製鋼株 式会社技術開発センター内 (56)参考文献 特開 昭62−182165(JP,A) 特公 昭31−10507(JP,B1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で Ni:29%以上34%未満 Co:16%を超え21%以下 (ただし、Ni+Co:50%以下) Mo:0.5以上3.0%以下 Ti:0.8%以上3.0%以下 Al:0.2%以上1.5%以下 C:0.1%以下 Si:1.0%以下 Mn:1.0%以下 並びに残部Feおよび不純物よりなり、固溶体処理及び時
    効処理を施すことにより、常温の引張強さが60kgf/mm2
    〜130kgf/mm2、400℃の引張強さが40kgf/mm2〜100kgf/m
    m2、室温から400℃における平均熱膨張係数が6.5×10-6
    /℃以下である高強度低熱膨張性合金。
  2. 【請求項2】重量%で Ni:29%以上34%未満 Co:16%を超え21%以下 (ただし、Ni+Co:50%以下) W:0.5以上3.0%以下 Ti:0.8%以上3.0%以下 Al:0.2%以上1.5%以下 C:0.1%以下 Si:1.0%以下 Mn:1.0%以下 並びに残部Feおよび不純物よりなり、固溶体処理及び時
    効処理を施すことにより、常温の引張強さが60kgf/mm2
    〜130kgf/mm2、400℃の引張強さが40kgf/mm2〜100kgf/m
    m2、室温から400℃における平均熱膨張係数が6.5×10-6
    /℃以下である高強度低熱膨張性合金。
  3. 【請求項3】重量%で Ni:29%以上34%未満 Co:16%を超え21%以下 (ただし、Ni+Co:50%以下) Mo:3.0%以下 W:3.0%以下 (ただし、Mo+W:0.5%以上3.0%以下) Ti:0.8%以上3.0%以下 Al:0.2%以上1.5%以下 C:0.1%以下 Si:1.0%以下 Mn:1.0%以下 並びに残部Feおよび不純物よりなり、固溶体処理及び時
    効処理を施すことにより、常温の引張強さが60kgf/mm2
    〜130kgf/mm2、400℃の引張強さが40kgf/mm2〜100kgf/m
    m2、室温から400℃における平均熱膨張係数が6.5×10-6
    /℃以下である高強度低熱膨張性合金。
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