JPH0672715A - 硝酸銀結晶を連続生産するための方法及び装置 - Google Patents

硝酸銀結晶を連続生産するための方法及び装置

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JPH0672715A
JPH0672715A JP7286393A JP7286393A JPH0672715A JP H0672715 A JPH0672715 A JP H0672715A JP 7286393 A JP7286393 A JP 7286393A JP 7286393 A JP7286393 A JP 7286393A JP H0672715 A JPH0672715 A JP H0672715A
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silver nitrate
slurry
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nitrate crystals
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JP7286393A
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Jeffrey R Hennenkamp
ライモンド ヘンネンカンプ ジェフェリー
Kevin Michael Logsdon
マイケル ログスドン ケビン
Brian Leigh Simpson
レイ シンプソン ブライアン
Theodore Eugene Walker
ユージーン ウォルカー セオドア
Paul Carlton Drake
カールトン ドレイク ポール
Ralph Herman Pelto
ヘルマン ペルト ラルフ
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Eastman Kodak Co
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    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B7/00Single-crystal growth from solutions using solvents which are liquid at normal temperature, e.g. aqueous solutions

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸発結晶化によって硝酸銀結晶を製造するた
めの装置と方法を開示する。 【構成】 硝酸銀供給溶液を蒸発結晶化装置(10)に導入
する。スチームジャケット(30)に蒸気を供給して結晶化
装置(10)内の溶液を加熱し、硝酸銀結晶を含んで成るス
ラリーを形成させる。結晶化装置(10)は、スラリーを混
合して結晶生長を促進するための攪はん機(20)を有す
る。制御弁(34)でスチームジャケット(30)への蒸気流速
を制御することによって、スラリー密度を所望の範囲内
に維持する。硝酸銀結晶を含有するスラリーを結晶化装
置(10)から抜き取り、遠心分離機(78)へ導入して、結晶
を分離及び乾燥する。液体は再溶解機(82)によって結晶
化装置に再循環する。分離、乾燥した結晶を圧縮機(10
0) へ供給して、圧縮生成物を生産する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に硝酸銀を製造す
るための改善された、コスト的に有効な方法に関する。
詳細には、本発明は、結晶を蒸発結晶化及び圧縮して自
由に流動できる形態にすることによる、結晶性硝酸銀の
製造に関する。
【0002】
【従来の技術】硝酸銀を製造するために一般に採用され
ている方法では、硝酸銀水溶液を調製して冷却結晶化装
置へ導入する。溶液を冷却することによって硝酸銀結晶
の生長を誘発する。その後、硝酸銀結晶を含有する溶液
を結晶化装置から抜取り、そして硝酸銀結晶を分離し乾
燥する。
【0003】従来法には、その工業的実用性を妨害して
してしまう重大な欠点がある。例えば、連続冷却結晶化
装置のような生長結晶化装置は、典型的に約12〜24
時間の滞留時間を有する。これは、伝熱面のファウリン
グを防止するために低い過飽和度が必要だからである。
滞留時間が短く且つ過飽和度が高いと、低温の金属面に
生成物が付着し始め、熱交換器のファウリングや閉塞を
もたらす。それゆえ、商業的な大きさの硝酸銀冷却結晶
化装置は、蒸気洗浄や脱ファウリングのために頻繁に、
例えば24時間毎に、操業を停止する必要がありうる。
また、この方法は、滞留時間が長いので時間がかかる。
このことは、所望量の製品を得るには、大量の溶液残留
量、すなわち銀残留量を結晶化装置内に維持しなければ
ならないことを意味する。それゆえ、その装置や付帯設
備の大きさやコストも高い。
【0004】別の欠点は、従来法で製造した硝酸銀結晶
は、結晶軸に沿った均一な生長を示さないので、溶液か
らの分離や乾燥が困難な生成物をもたらし、時間やコス
トのかかる分離及び乾燥プロセスを必要とする点であ
る。その結晶は、幅広い粒度分布を示し、また伝熱面の
ファウリングといった結晶化装置の状態の変化によって
広範囲にわたり変動しうる平均粒度を示す。その結果、
結晶生成物は、含水量や、製品の流動性、また微粉や塵
の割合が幅広く変化するので、ばらつきのある製品の品
質管理の問題や、作業員が飛塵にさらされる危険性の増
大、といったことを引き起こす。また、その硝酸銀生成
物の結晶は、それを充填するような場合に融着して、大
きなチャンクまたはブロック状の製品を形成しがちであ
る。そうなると、その製品は重たくてかさばるために取
り扱いにくくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、頻繁
に操業を停止する必要なく長期間操業することができ、
しかも改善された結晶形態を示す硝酸銀結晶を形成する
ことができる、硝酸銀を製造するための方法及び装置を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明による
と、硝酸銀水溶液から硝酸銀結晶を連続生産するための
方法が提供される。硝酸銀水溶液を蒸発結晶化装置に導
入する。その溶液を、結晶化装置の結晶化帯域内で加熱
及び蒸発濃縮して、硝酸銀結晶を含んで成るスラリーを
形成させる。結晶化装置内のスラリーを攪はんして、均
一な結晶生長を促進する。結晶化装置から一部のスラリ
ーを抜取り、その抜き取ったスラリーから硝酸銀結晶を
分離して乾燥する。結晶化装置内で部分真空を維持して
蒸発及び結晶化を促進することができる。
【0007】また、本発明は硝酸銀結晶を製造するため
の装置を提供する。液面コントローラーを有する蒸発結
晶化装置が設けられている。また、結晶化装置の結晶化
帯域内で硝酸銀水溶液を加熱及び濃縮するための手段も
設けられている。該装置は、スラリー密度を測定し、ま
た加熱手段を制御して、スラリー密度を所望の範囲内に
維持するための手段をも含んで成る。該装置は、スラリ
ーを攪はんするための手段と、硝酸銀供給溶液を結晶化
装置に導入するための手段とをさらに含んで成る。結晶
化装置内で部分真空を維持するための手段を設けること
も可能である。
【0008】本発明のこれら及びその他の態様、目的、
特徴及び利点は、以下の好ましい実施態様についての詳
細な説明や特許請求の範囲を検討することによって、ま
た添付の図面を参照することによって、さらに明確に理
解し認識することができる。
【0009】本発明において出発材料として用いられる
硝酸銀水溶液の調製についてはよく知られており、また
例えば米国特許第 5,000,928号明細書に記載されてい
る。銀と硝酸の反応化学式は以下のように記述すること
ができる:
【0010】
【化1】
【0011】調製後、さらに以下に記述するように、硝
酸銀溶液を精製してから本発明における出発材料として
使用することができる。硝酸銀溶液の精製については、
例えば米国特許第 1,039,325号、同第 2,581,519号及び
同第 5,000,928号並びに特開昭52-60294号明細書に記載
されている。
【0012】ここで図1を参照すると、ライン12と流
量制御弁14を通って供給溶液として硝酸銀溶液が蒸発
結晶化装置10へ導入される。結晶化装置10の中の溶
液の液面を破線で概略的に示してある。結晶化装置の運
転を効率的にするには、硝酸銀供給溶液中の硝酸銀濃度
を約60〜約90重量%の範囲にする必要がある。結晶化装
置に入ってくる供給溶液の温度は、約20℃〜約85℃の範
囲になければならない。供給溶液の結晶化装置への流速
及び/または結晶化装置からのスラリー排出は、所望の
生産速度に基づいて確立することができる。結晶生長
は、結晶化装置内での平均滞留時間と、以下にさらに記
述するその他の因子とに依存する。
【0013】本発明に用いられている蒸発結晶化装置
は、以下に記述されているような、十分に混合される蒸
発結晶化装置である:ペリーの化学工学便覧(Perry's
Chemical Engineer's Handbook)、第6版、セクション
19、Liquid-Solid Systems、「結晶化装置(Crystall
ization Equipment)」、Millerら、第19−35〜19−40
頁(以降、「Perry's 」と記す)(本明細書では参照に
よって取り入れる)、及び化学工学便覧(Chemical Eng
ineer's Handbook)、第4版、セクション17、「結晶
化(Crystallization )」、Perry ら、第17−7 〜17−
23頁(以降、「Crystallization 」と記す)。図1に示
した好ましい実施態様では、結晶化装置10は、ドラフ
ト管16を含んで成るドラフト管蒸発結晶化装置であ
る。硝酸銀供給溶液を結晶化装置10に導入するための
手段は、便利ないかなる装置、例えば結晶化装置10へ
の流入パイプラインとして役立つ流出パイプラインを有
する硝酸銀供給溶液連続生産設備、を含んで成ることも
できる。羽根付攪はん器20は、矢印で示した流路に沿
って溶液とスラリーを攪はんして、ドラフト管16の中
や周囲の結晶化帯域において十分に混合されたスラリー
の形成を促進するための手段である。結晶化装置内の溶
液面は、ドラフト管16よりも上位に維持されなければ
ならないが、不十分な攪はんや流れによる不十分なスラ
リー結晶化帯域を上部に残さないようにするために、約
2インチ(5 cm)〜6インチ(15cm)を超えてはならな
い。このような溶液レベルでは、結晶化装置10に示し
た溶液体積全体が有効な結晶化帯域となる。硝酸銀結晶
は、典型的には、結晶化帯域内に懸濁されている間に生
成して生長する。十分に混合されたスラリーは、均一な
硝酸銀結晶生長を促進して、以下に記述する望ましい非
小板状結晶形態を実現する。
【0014】攪はん器20、例えば羽根付攪はん器は、
シャフト22で回転させるが、これは順にモーター24
で駆動する。硝酸銀スラリーは高密度であるため、攪は
ん器20、シャフト22及びモーター24は、所望の攪
はん速度や予想される最大負荷といった因子に基づいた
寸法にしなければならない。当業者であれば、特定の結
晶化装置を設計するにあたり、適当な寸法及び出力の攪
はん装置系を容易に選定することができる。
【0015】結晶化装置の液面制御システムは、結晶化
装置10内の溶液水位を計測し且つ液面制御装置28に
信号を与える液面検出器26を含んで成る。制御装置2
8が制御弁14に出力信号を与えることによって、結晶
化装置への供給溶液の流速を自動調節して結晶化装置内
の所望の液面を維持する。
【0016】結晶化装置内の溶液を加熱及び濃縮する手
段はスチームジャケット30であり、これには、例えば
約3 psig (0.4 kPa)〜15 psig(2 kPa)の低圧スチームと
いったスチームが管路32と流量制御弁34を通って供
給されている。この加熱によって水分が過飽和溶液から
蒸発し、硝酸銀が結晶化し沈澱する。結晶化装置10
は、当該技術分野によく知られているようなその他の便
利な何らかの熱伝達手段によって加熱することもでき
る。好ましいスラリー温度は約 100o F(38℃) 〜約140
o F(60℃) の範囲にある。これよりも高いスラリー温度
では、結晶生長速度が高くなりすぎて、望ましくない量
の微粉が生成しかねない。
【0017】好ましくは、結晶化装置内の蒸気空間に部
分真空を発生させて維持する。この真空は、例えば約23
mmHg 絶対〜約200 mmHg絶対の範囲にあることができ、
中でも好ましいレベルは約112 mmHg絶対である。結晶化
装置内の溶液は、減圧をかけながら加熱される。部分真
空を維持するための手段は、結晶化装置の蒸気空間から
の主として水蒸気であるプロセスガスを排出することが
できる、真空ポンプのような真空源を有する冷却凝縮器
を含んで成ることができる。真空下での加熱によって、
硝酸銀結晶が生成して生長する濃縮された過飽和スラリ
ーが作り出される。
【0018】所望の晶癖や粒度を得るため、スラリー密
度や平均滞留時間といった結晶化条件を制御する。結晶
生成とその機構については、本明細書で参照する「Crys
tallization 」の第17−11〜第17−15頁にさらに記載さ
れている。スラリー密度を測定し且つ加熱手段を制御し
て、スラリー密度を所望の範囲内に維持するための手段
は、差圧伝達器36と制御弁34を制御するコントロー
ラー38とを含んで成る。スラリー密度は、ダイヤフラ
ムシールを有する差圧伝達器36で測定されるが、この
伝達器は、Rosemount 社製のモデル 3051Cのような周知
の標準的な装置である。スラリー中の固形分濃度は、次
式:固形分濃度=スラリー密度−母液密度:によってス
ラリー密度と関係付けられる。スラリー密度は、差圧伝
達器36を横切る差圧に比例する。伝達器36は、固形
分含有量を代表する信号をコントローラー38に提供す
る。次いで、コントローラー38が制御信号を制御弁3
4に与え、スチーム流量を調整し、よって結晶化装置内
の加熱速度を制御する。スラリー密度は、スラリーの加
熱を制御することでスラリーからの蒸発量を制御するこ
とによって、所望のレベルに維持される。好ましい実施
態様では、スラリー密度は、約2.7 g/cc〜約3.2 g/ccの
範囲内に維持されるが、これは硝酸銀濃度にしてそれぞ
れ約18〜45重量%に相当する。代わりに、スラリー密度
を手動式で監視すること、また結晶化装置の加熱を手動
式で制御することは可能ではあるが、上述の自動制御の
方が好ましい。
【0019】用語「平均滞留時間」は、単位量の材料、
例えば硝酸銀が、導入後に結晶化装置内に残留する平均
時間として定義することができる。スラリー中の結晶の
平均粒度及び粒度分布は、主として結晶化装置内の平均
滞留時間と攪はん体制によって決まる。定常状態では、
平均滞留時間は、次式:平均滞留時間= Vols / vws
によって定義することができる。前記式中、 Vols は結
晶化装置内のスラリーの体積であり、 vwsは結晶化装置
から抜き取られるスラリーの体積速度であり、その他の
変数、例えばスラリー密度や、供給溶液と再循環溶液の
結晶化装置への流入、等は実質的に一定であるとする。
結晶の平均粒度が小さいほど、抜き取ったスラリー部分
から結晶を分離することがより困難になる。それゆえ、
最短滞留時間の選定に影響を及ぼしうる因子である、コ
スト的に有効な分離が可能である平均粒度や粒度分布を
有する結晶をスラリー中に得ることが望ましい。滞留時
間の上限値は工程効率の点から主として決められる。と
いうのは、本発明の装置における長期の滞留時間では、
結晶破壊が結晶生長及び粒度におけるさらなる工程利得
を制限しがちであるからである。当業者であれば、特定
の装置設計や分離器に、また所望の製品特性や生産量に
対する滞留時間を容易に選定することができる。本明細
書に記載した操作変数、例えば供給濃度、供給温度及び
真空度に対する本発明の好ましい実施態様については、
好ましい滞留時間は約60分〜約 180分の範囲にある。
【0020】図2は、本発明の方法によって調製された
硝酸銀結晶の平均粒度及び粒度分布が、冷却結晶化によ
って調製されたものと比較してより小さいことを示して
いる。スラリー中の結晶の平均粒度及び粒度分布は、採
用した結晶化装置や結晶化処理条件に依存する。典型的
には、本発明の硝酸銀結晶は、約70μm〜約1000μmの
範囲の粒度分布と、約 200μm〜約 600μmの平均粒度
を示す。
【0021】驚くべきことに、以下の実施例でさらに記
述するように、ある特定の組合せの工程変数に対して適
当な滞留時間を選定すると、周知のその他の方法よりも
簡単にスラリーから分離して乾燥することができる形態
の硝酸銀結晶が得られる、ということもわかった。図3
は、異なる方法と装置によって調製された硝酸銀結晶を
示している。図4と図5に示されているように、本発明
の方法と装置は、図3の硝酸銀結晶よりも均一な各軸に
沿った生長を示す硝酸銀結晶を生産する。従来法では、
不規則な結晶寸法及び形態を有する硝酸銀結晶が生産さ
れ、そしてこのような結晶は、小板状結晶構造の凝集体
を形成しがちである。比較すると、本発明の硝酸銀結晶
は、従来法による硝酸銀よりも規則性の高い寸法及び形
態を示し、またより立方晶である。用語「より立方晶」
または「立方晶的」は、斜方晶、すなわちx、y及びz
軸を有する多面体構造を有する結晶であって、これらの
軸のそれぞれの組がその間で約90度の角度を示す結晶を
含むことを意味する。流速や滞留時間といった結晶化工
程変数を確立することで、本発明の立方体硝酸銀結晶を
含有するスラリーを生産することができる。本発明の好
ましい立方晶硝酸銀結晶は、アスペクト比約1:2:3
〜1:1:1を示す。ここで、アスペクト比は、斜方晶
軸のx軸、y軸及びz軸の比率として定義される。
【0022】以下の実施例に記述するように、本発明の
立方晶硝酸銀は、不規則なまたは小板状の硝酸銀結晶よ
りも脱液され易く、すなわちスラリーから分離され易
く、それゆえ本発明の方法は、別の方法よりも短時間
で、またより小さな単純な装置を用いて一定量の使用可
能な製品を生産することができる。本明細書に参照とし
て取り入れている「Crystallization 」の第17-7〜17-8
頁には、各種の結晶系がさらに記載され、また定義され
ている。
【0023】硝酸銀結晶を含んで成るスラリーを結晶化
装置10から抜き取る手段、及び結晶分離用分離器へス
ラリーを供給する手段は、変速ポンプ70及び管路72
によって提供される。スラリーの流速はフローモニター
74によって計測され、これがポンプ70の速度を制御
するコントローラー76に代表信号を送り、よって特定
の速度で結晶化装置10からのスラリーの抜取りを制御
する。本発明の連続工程における定常状態では、結晶化
装置への供給及び補給溶液の速度は、スラリーの抜取り
と凝縮器への蒸気の排出との速度にほぼ等しいことが必
要である。
【0024】本明細書に記載した硝酸銀の結晶化及びそ
の結晶の分離によって、供給溶液に比べて純度が非常に
実質的に改善された硝酸銀生成物が生産される。不純物
は、結晶化装置内に残留する溶液中で、また分離工程で
残存する液体中で濃縮され、非常に純度の高い硝酸銀結
晶生成物を生じる。硝酸銀結晶生成物は、典型的には、
生成物と供給溶液とに存在する不純物の重量%で計算し
て、供給溶液の純度の約30〜100 倍の範囲の純度増加を
示しうる。結晶生成物のpHは、生成物中の水分や酸の含
有量に依存して、典型的には約 3.5〜約5.5 の範囲にあ
る。一般に、含水量が減少するにつれてpHは増加する
が、これは生成物中の酸の含有量も減少するためであ
り、それゆえ生成物の純度もまた高くなる。
【0025】結晶化装置10から抜き取られたスラリー
は、分離器の遠心機78に導入されて、スラリーから硝
酸銀結晶が分離される。遠心機78はスラリーから硝酸
銀結晶を分離して残液を残し、これは溶解機82によっ
て結晶化装置10に再循環される。図6は遠心機78を
詳細に図示している。遠心機78は、シルエットで示し
たスクリーン84を有する回転式スクリーン遠心機であ
り、例えば Heinkel社製のモデルGTLII がある。本発明
に有用なその他の分離器には、Kraus-Maffei SZ30 及び
SB250 のような連続推進遠心機が含まれる。回転式スク
リーン遠心機が好ましい分離器であり、特に製品処理量
に対する定格容量の比率が高いものが好ましい。スクリ
ーンの孔径は、スラリーから分離されることが望まれる
結晶の寸法に依存して容易に選定することができる。周
知の方法では、スラリーを遠心機78の取入口に導入
し、スクリーン84に対して回転加速すると、スラリー
が、スクリーン84を通過する液体と微粉の成分と、ス
クリーン84によって止められそこから排出される硝酸
銀結晶を含んで成る固体成分とに分離する。
【0026】本発明の方法における次の工程は、分離し
た結晶を乾燥する工程である。硝酸銀の製造では、含水
量の制御が重要である。例えば写真用ハロゲン化銀乳剤
の製造のような、最終末端用途に対してばらつきのない
製品を提供することが望ましい。含水量が高いと、結晶
が表面に付着し、分離器からの流動性が不十分になった
り、取扱いにくくなったりしかねない。しかしながら、
所望のpH値を有する製品を製造するためには、多少の含
水量が望ましいことがあり、また製品のpHは、以下の実
施例に記述するように含水量に依存しうる。分離後で圧
縮前の硝酸銀結晶中の好ましい含水量は、約 0.001〜約
0.2重量%の範囲内にあり、中でも0.05重量%が特に好
ましい。
【0027】驚くべきことに、本発明は、従来技術の方
法及び装置よりも乾燥したばらつきの少ない製品を提供
する。従来技術とは異なり、本発明は大きなコストのか
かる乾燥機を必要としない。本明細書中に記載する本発
明の実施態様では、回転式スクリーン遠心機78が、上
述の分離機能に加えて乾燥機能を提供するので、乾燥機
でもある。遠心機78の本来の乾燥性能は、図6に図示
したように、結晶のさらなる乾燥を提供する空気流の導
入によって増補することができる。管路86は、結晶を
さらに乾燥するために遠心機78の排出端に空気流を提
供する手段である。管路86を通して遠心機78へ送ら
れる空気の流速は、分離乾燥後の結晶の特定の質量流速
に対する所望量の結晶を十分に乾燥するように設定する
ことができる。分離済結晶生成物の含水量は、遠心速
度、晶癖、空気添加速度、スラリー流速、スラリー温
度、及び遠心機スクリーンの孔径、のような因子に依存
する。当業者であれば、本発明の実施において所望の製
品含水量を得るための操作変数を容易に選定することが
できる。
【0028】乾燥の程度は、結晶生成物の流速に対する
乾燥空気流速の比率によって決まる。乾燥した結晶流速
に対する乾燥空気流速の好ましい比率は、含水量約 0.1
重量%〜約 0.001重量%の製品を得るのに、それぞれ約
0.75 CFH (空気) /lb/hr(結晶)(0.047 m3/hr(空気) /
kg/min (結晶))〜約1.5 CFH(空気) /lb/hr(結晶)(0.04
7 m3/hr(空気) /kg/min (結晶))の範囲内にある。
【0029】スラリーの分離及び乾燥は、都合のよい任
意のスラリー温度で行うことができるが、高いスラリー
温度、例えば約45℃〜約55℃の範囲内で行うことが特に
好ましい。これよりも低いスラリー温度では、結晶生成
物中の含水量が増加しかねない。またこれよりも高いス
ラリー温度では、パイプラインが目詰まりしやすくなる
ために、スラリーが取扱いにくくなりかねない。スラリ
ーや結晶の特性といった因子等に基づいて、適当な分離
器を選定することができる。例えば、分離すべきスラリ
ー中の結晶の平均粒度や粒度分布に基づいて、回転式ス
クリーンの孔径を選定することができる。好ましい実施
態様では、水性スラリーが約 200μm〜約 600μmの範
囲の平均粒度を示す硝酸銀結晶を含んで成り、そしてス
クリーンが、約50μm以上の粒度を示す結晶を分離乾燥
するように寸法付けられた孔を有する。
【0030】遠心機78の回転安定性に悪影響を及ぼ
し、また望ましくない振動レベルを引き起こしかねない
ほど、硝酸銀結晶がスクリーン84の上に長時間蓄積す
る可能性がある。従って、遠心機78に高温水を制御し
ながら間欠的に導入することを含んで成る、スクリーン
84を洗浄するための手段が設けられている。この高温
水は、スクリーン84を実質的にフラッシして洗浄する
のに十分な時間、十分な流速を有する必要がある。例え
ば、約50℃の水温で、約10秒の時間、約5ガロン/分
(19 L/min)の流速は、硝酸銀結晶の連続分離及び乾燥
を実質的に中断することなく十分な洗浄を提供すること
ができる。連続工程の際の好ましい洗浄間隔は、約 1.5
時間である。標準的な振動センサー87を遠心機78に
取り付けて、振動レベルを監視する。
【0031】また、本発明は、製品の続く使用や取扱い
を促進するための硝酸銀結晶生成物の新規処理方法も含
む。上述のように、本発明の方法で製造された硝酸銀結
晶は、他の方法で生産される複雑な凝集体または小板型
構造の結晶に比べて、実質的に立方晶形態を有する。ま
た、該結晶生成物は、従来法で生産されるものよりも小
さな平均粒度及び粒度分布を示すこともできる。上述の
ように、これらの特徴が、本発明の結晶製品にいくつか
の利点を付与する。しかしながら、付随する欠点は、よ
り小さな結晶はより融着しやすくなり、取扱いや使用が
困難な大きな断片の材料を生じかねないという点であ
る。
【0032】従って、本発明の別の態様では、分離及び
乾燥後に、硝酸銀結晶生成物を圧縮して、複数の小さな
流動性の圧縮硝酸銀体を形成する。個々の圧縮硝酸銀体
は、この圧縮体が別の圧縮体との接触にもかかわらず自
由に流動することができるように、圧縮体を他の同等な
圧縮体と接触している表面から自由に解放させるに十分
な圧縮面及び密度を有する。ここで図6及び図7を参照
すると、圧縮体を形成させるため、分離乾燥済の結晶を
スクリーン84から固形分排出室(ホッパー)88に落
下させる。室88は、内部の結晶のブリッジングや目詰
まりを実質的に防止する、あるいは最小限に抑えるた
め、約4インチ(102 mm)以上の排出径及び約40度の円
錐角度を有し、また研磨されていなければならない。結
晶は、室88から供給管90へ排出される。供給管90
は、供給管90内の結晶流の閉塞や結晶のブリッジング
を避けるため、継目がなく、また表面突起を含まない。
室88は、遠心機8の排出端とかみ合わされている第一
端92と、供給管90の第一端96とかみ合わされてい
る第二端94とを有する。供給管90の第二端98は圧
縮機100とかみ合わされている。
【0033】本発明は、タブレット成形機、ペレット成
形機、回転皿形造球機(rotary pansphereinizer) また
はロール圧縮機のようなよく知られている任意の圧縮機
を包含する。回転皿形造球機は、高含水量を示す圧縮体
を生ぜしめるので、製品の乾燥量を増大させる必要があ
る。ペレット成形機は、製品を汚染しかねない潤滑剤を
使用し、また大量の高純度製品を生産する連続工程には
不都合または非実用的でありうる。ロール圧縮機は、上
述の問題をかかえず、汚染されていない製品を連続的に
大量生産することができ、またその使用が経済的である
ので好ましい。ロール圧縮機は、Roll Pressing , W. P
ietsch, Powder Advisory Centre, P.O.Box 78, London
NW11 OPG, England (2nd Ed. 1987)( 以降、「Pietsch
」) に記載されており、本明細書では参照として取り
入れる。ロール圧縮機は、2種の典型的な設計、カンチ
レバーとミルシャフトのうちの一方を含んで成る。ミル
シャフト設計は、同等の大きさのカンチレバー式ロール
圧縮機よりも、高い圧縮圧力及びロール力を供給し、し
かも高い容量を有するので、本発明の高密度硝酸銀結晶
を圧縮するには好ましい。本発明に有用な代表的ロール
圧縮機は、The Fitzpatrick 社製のモデル4B4LX10 Chil
sonator である。
【0034】図7及び図8に示した圧縮機100はロー
ル圧縮機である。圧縮機100は、ハウジング104の
内部に回転できるように取り付けられている固定駆動ロ
ール102と、ハウジング104の内部に回転できるよ
うに取り付けられ且つそれぞれ支持ブロック112及び
114によってハウジング104の対向する壁108及
び110にスライドできるように取り付けられている可
動性のアイドラーロール106とを含んで成る。ロール
102及び106は、それらの回転軸が圧縮の際に実質
的に平行となるように取り付けられている。可動性ロー
ル106は、ロール102によって駆動される標準的な
歯車機構(図示なし)によってギア駆動されるアイドラ
ーロールである。ロール102は、標準的な駆動手段
(図示なし)と組み合わされている。液圧ピストンの作
動器116がプレート112に接続されており、圧縮の
際に可動性ロール106に力を供給する。ロール間隙を
通る材料の所望の最低流量を確実に維持し、また個々の
圧縮体間のウェッビングを最小限に抑えるのに十分な材
料の流速を許容しながらロールを通過させるために、ロ
ール102及び106の縁間に機械加工したスペーサー
プレート118による最小間隙が確立されている。圧縮
製品における微粉量を最少にするにはウェッビングを最
小限に抑えることが重要である。ロール106はハウジ
ング104にスライドできるように取り付けられている
ので、ロール間隙を調整することができ、またロール1
06は圧縮の際にある程度自由に動く。このように、ロ
ール間隙は圧縮成形品における微粉のパーセントに影響
を与える。ポケット化面(pocketed surface)を有するロ
ーラー設計を使用する場合には、ロール間隙を小さくし
て、圧縮成形体周囲のウェッビングを許容できる量にま
で制限しなければならない。ウェッビングの増大は微粉
の増加につながり、このことが、圧縮硝酸銀製品を取り
扱う作業員に新たに別の暴露を引き起こしかねない。好
ましい最小スペーサー設定及び最小ロール間隙は、約0.
002 インチ(0.05 mm) である。
【0035】硝酸銀の圧縮成形体の寸法や密度は、用い
た圧縮機の種類や使用した圧縮力といった因子に依存す
る。圧縮前の硝酸銀結晶の密度は、典型的には約2.25 g
/cc〜約2.30 g/cc となりうる。硝酸銀の凝集性の硬質
圧縮体の密度は、一般に、約3.5 g/ccから硝酸銀のほぼ
理論密度、すなわち4.35 g/cc までの範囲内にある。
【0036】驚くべきことに、本発明の方法及び装置
は、湿潤状態でも乾燥状態でもどちらでもよい未圧縮硝
酸銀結晶から、しかもポリビニルアルコールのようなバ
インダーを未圧縮粉末に添加する必要もなく、製造する
ことができる凝集性の硬質圧縮体を提供することがわか
った。バインダーが不要であるという事実は本発明の有
意な特徴である。というのは、バインダーが硝酸銀を汚
染し、また高純度硝酸銀を必要とする用途に使用するこ
とを実施不可能にしてしまう恐れがあるからである。高
純度硝酸銀の使用を必要とする例には、触媒や、写真乳
剤の調製が含まれる。
【0037】図8は、圧縮機100によって成形された
硝酸銀の圧縮体または「コンパクト」を例示している。
この圧縮体の寸法は、図9に例示したロール表面のキャ
ビティデザインの関数となる。圧縮体の密度は、圧縮圧
力に比例するロール力の関数となる。約500 psi (72 kP
a)〜約80,000 psi(11,600 kPa)の範囲の圧縮圧力は、本
発明の使用可能な硝酸銀圧縮体を形成するが、より高い
圧縮圧力では圧縮体の集結性がより良好となり、またよ
り少ない微粉を発生しうる。ロール間隙中に供給された
材料はロール力に比例した圧縮力を受けるが、正確な圧
縮圧力を測定することは難しい。記載する実施態様で
は、直径10インチ(25.4 mm) の2本のロールの間に幅約
4インチ(102 mm)の圧縮帯域を有するロール圧縮機を使
用すると、良好な圧縮圧力を発生する好ましいロール力
は約16,000ポンド(7,270 kg)〜約40,000ポンド(18,200
kg) の範囲にある。
【0038】分離し乾燥した硝酸銀結晶は、典型的には
かなり高密度である。ロール力が増大すると、結晶が最
大圧縮に達する点が存在する。「圧縮比」は、未圧縮硝
酸銀結晶の密度に対する硝酸銀圧縮体の密度の比率であ
る。典型的には、硝酸銀の圧縮比は、約2の最大値を示
し、また記載する実施態様では約32,000ポンド(14,545
kg) のロール力で到達する。硝酸銀圧縮体の密度は、典
型的には、約16,000ポンド(7,270 kg)〜約40,000ポンド
(18,200 kg) のロール力に対して、それぞれ約3.5 g/cc
〜約4.35 g/cc の範囲となる。
【0039】圧縮体の凝集性を維持しながら製品生産量
を最適化するようにロール速度を選定することができ
る。それゆえ、最高速度は、供給不足状態が起こる点を
超えてはならない。最低速度は、十分な生産量が実現さ
れ、しかも生成物のブリッジングを実質的に回避するこ
とができるように確立されなければならない。「ブリッ
ジング」とは、結晶が一緒に融着することである。当業
者であれば、適当な最低及び最高運転ロール速度を選定
して維持することは容易であり、またロール速度は本明
細書にさらに記載するように自動制御することができ
る。
【0040】本発明の連続工程を遂行するには、圧縮機
100へ結晶を実質的に連続供給することを維持するこ
とが望ましいが、硝酸銀結晶のレベルが供給管90より
も上部になると、遠心機78と圧縮機100の間で結晶
のブリッジングが発生し、結晶の流動を遅延させかねな
い。従って、供給管90が間に位置するようにそれぞれ
配置した光源120と検出器122を含んで成る光学レ
ベルモニターを設ける。供給管90は、透明テフロンま
たはその他の半透明材料でできており、検出器122が
供給管90内の結晶のレベルを監視することが可能であ
る。検出器122はコントローラー124へ出力信号を
提供し、そしてコントローラー124が補正値を算出し
て制御信号を供給することで圧縮機100の速度を調節
し、よって供給管90内の結晶の所望のレベルを維持す
る。当業者であれば、光源120、供給管90及び検出
器122の相対位置、並びに適当な装置及び制御設定値
を決めることができる。例えば、検出器122が運転中
の供給管90を透過する光を正確に監視するためには、
光源120を供給管90に十分に近付けて配置しなけれ
ばならない。なぜなら、例えば、供給管90の内面に塵
が集積するからである。
【0041】硝酸銀結晶の圧縮は、生成物中に存在する
微粉の量を最少にすることを促進はするが、微粉が皆無
となることはない。微粉は、圧縮した生成物を推進空気
流と接触させて生成物から微粉を吹き飛ばすことによっ
て、圧縮生成物を貯蔵する前に生成物からさらに除去す
ることができる。以下にさらに記載する好ましい実施態
様では、微粉を含有する空気流も遠心機内の分離済硝酸
銀結晶を乾燥させるのに使用し、また微粉は圧縮のため
に回収される。
【0042】本発明の連続工程における圧縮機への結晶
の供給は、均一で且つ連続的な結晶供給を実現しなけれ
ばならない。供給は重力供給であっても強制供給であっ
てもよく、これらはどちらも当該技術分野ではよく知ら
れている。遠心分離機/乾燥機を使用し、図7に示した
ように遠心機の下部に圧縮機を配置する本発明の実施態
様では、一般に結晶の重力供給で十分である。
【0043】硝酸銀の圧縮体は、圧縮機100から管路
126へ排出される。圧縮体間に空気を通過させて微粉
を除去するための手段は、管路127を含んで成り、こ
れにより空気を管路126に導入して圧縮体と接触さ
せ、これを通過させる。管路128は、微粉を含有する
空気を管路86を通して遠心機78へ再循環させるため
の手段である。圧縮製品は貯蔵容器130の中へ直接排
出することができ、それは、図示したようにフィルター
を通した空気を貯蔵容器130へ供給することによっ
て、貯蔵硝酸銀製品の汚染を防止するために陽圧で維持
されることができる。図8は、本発明によって製造され
た典型的圧縮体を例示する。圧縮体は、図示したように
球形または楕円形であり、結晶が融着する接触点が少な
く、また貯蔵容器から注ぎ出した場合等に圧縮体を容易
に分離させることが好ましい。
【0044】圧縮硝酸銀結晶製品を製造する工程は連続
工程である。従って、例えば結晶化装置、分離器及び圧
縮機のような全体のシステム及び装置を含んで成るサブ
システムにおいて製品の流速を実質的に調和させること
が重要である。当業者であれば、このような流速を適当
に決めることは容易であり、また所望のシステム安定性
を実現する特定成分寸法を選定することができる。この
ような流速の変化または過渡変化を補償するためにサブ
システムの製品流れを調整する手段を設けることができ
る。例えば、上述のように圧縮機の速度を調整して圧縮
機への所望のレベルの結晶供給を維持する。同様に、ポ
ンプ70の速度を変更して分離器へのスラリー流量を調
整することによって、スラリー抜取り速度を調整するこ
とができる。
【0045】装置系から環境へ材料が漏洩することを最
小限に抑えて、作業員らへの暴露を制限するために、本
発明の方法は周囲気圧よりも低い装置圧力で行うことが
好ましい。
【0046】
【実施例】以下の実施例によって本発明をさらに例示す
る。
【0047】実施例1 結晶生長速度を比較して比較滞留時間を評価するため
に、蒸発結晶化と冷却結晶化の両方により硝酸銀結晶を
調製した。試験は、不純物を含有する供給硝酸銀溶液に
ついて両方の型の結晶化装置を用いて、また不純物を実
質的に含まない供給硝酸銀溶液について蒸発結晶化装置
を用いて行った。各試験は、以下のような4リットル結
晶化装置を用いて行った。
【0048】真空冷却結晶化装置 不純物を含有する硝酸銀の供給溶液を冷却結晶化装置に
導入した。結晶化装置内の滞留時間は 1.5時間であり、
また結晶生長速度は0.2444 mm/hrと算出された。
【0049】蒸発結晶化装置 第一実験では不純物を含有する、また第二実験では不純
物を実質的に含まない硝酸銀の供給溶液を蒸発結晶化装
置に導入した。第一実験の滞留時間は 1.5時間で、その
結晶生長速度は0.3474 mm/hrと算出された。第二実験の
滞留時間は30分で、その結晶生長速度は1.2360 mm/hrと
算出された。この結果は、蒸発結晶化装置が、特に少量
の不純物を含有する硝酸銀供給溶液では、硝酸銀結晶生
長速度を改善したことを例示している。
【0050】実施例2 硝酸銀79重量%と不純物約0.02重量%を含んで成る供給
溶液を、800 rpm の速度で運転されるA310羽根攪はん機
を有する3リットルのジャケットを具備したドラフト管
式蒸発結晶化装置に導入した。溶液を50℃に加熱した。
次いでその溶液を2時間(それゆえこの試験についての
「滞留時間」である)で25℃の割合で冷却して、硝酸銀
結晶を含んで成るスラリーを形成した。その後、そのス
ラリーを取り出し、直ちに濾過して硝酸銀結晶を集め
た。図3は、その硝酸銀結晶の顕微鏡写真である。この
結晶は、遠心分離のような分離技法では容易に脱水する
ことができない小板型晶癖を示した。
【0051】実施例3 図1に記載した装置を用いて試験を行ったが、実施例1
で用いた結晶化装置からスケールアップした。密度2.7
g AgNO3/cc溶液、温度74℃の硝酸銀供給溶液を、125 ガ
ロン(473リットル) のドラフト管式攪はん蒸発結晶化装
置に4ガロン/分の流速で導入した。その溶液を攪はん
し、また結晶化装置内の真空を溶液温度54℃〜65℃に対
応して61 mmHg 絶対〜112 mmHg絶対に維持した。滞留時
間は約 1.5〜約3.5 時間で変化した。
【0052】図4及び図5は、1.5 時間の滞留時間で形
成された結晶の電子顕微鏡写真である。驚くべきこと
に、スケールアップした装置で形成された硝酸銀結晶
は、同じ滞留時間1.5 時間の実施例2における3リット
ルの蒸発結晶化装置で形成された硝酸銀結晶よりも、結
晶軸に沿ったより同等な生長を示し、すなわちそれらは
規則的に形造られた立方晶であり、しかも小板状のもの
が少ない。この立方晶の平均粒度は、滞留時間や結晶化
装置のスラリー均質性といった工程変数に依存して約 2
00〜約 600ミクロンの範囲にある。
【0053】図4及び図5の立方晶は、濾過して取り出
されることがわかり、それゆえ図3の小板状結晶よりも
容易に脱液される。代表的な粒度分布を図2に示すが、
ここでは各曲線について平均粒度が示されている。
【0054】実施例4 図1及び図6に例示したように、本発明の装置及び方法
で調製した硝酸銀結晶を、回転式スクリーン遠心機で、
遠心機へ供給される空気を使用しない場合と、遠心機へ
各種流速で供給される乾燥空気を使用した場合の両方に
ついて乾燥した。その結果を以下の表1と図10〜図1
2に示した。表中の「N/A」は、データがとられなか
ったか、または得られなかったことを意味する。
【0055】
【表1】
【0056】実験11、12及び13における生成物の
pHは、それぞれ 5.5、 4.0及び4.9であり、その結果を
図11に示した。
【0057】表1及び図面からわかるように、乾燥空気
流速が約1CFH/(lb/hr) になるまでは生成物含水量の良
好なパーセント減少が示されるが(図10を参照のこ
と)、その点からは流速の増加が生成物の高いパーセン
トの乾燥を与えることはない。図11は、生成物のpHが
空気流速が増加するにつれて増加することを示してい
る。こうして、生成物中の含水量が減少するにつれてpH
が増加するが、これは空気乾燥工程の際に結晶生成物中
に残留している酸性液体が除去されるためである。結果
が変動しているが、これは以下のように説明することが
できる。 実験3;生成物は予想される含水量よりも高い値を示し
たが、これは、乾燥空気の始動時に空気ラインから生成
物中に吹き込んだ残留水が原因であろう。 実験5;生成物中の含水量は予想よりも高いが、これ
は、スラリー密度が比較的低かったためであろう。 実験10;生成物中の含水量は予想よりも高いが、これ
は、乾燥空気の始動時に空気ラインから生成物中に吹き
込んだ残留水が原因であろう。
【0058】実施例5 硝酸銀を圧縮して凝集性の流動可能な圧縮体を形成する
可能性を決めるために、圧縮試験を実施した。圧縮機
は、内径1.127 インチ(28.6 mm) 及び断面積0.9975平方
インチ(6.43 cm2)を有する円筒形のラムダイを用いた油
圧機とした。
【0059】各試験は、硝酸銀粉末約10グラムのダイ装
填量で行った。圧縮前の粉末密度は約2.28 g/cc であ
り、また0.15〜0.25重量%の含水量を示した。ラムを挿
入して、穏やかに回転させて、粉末の表面をならした。
圧縮前のダイ長を測定して、その値を使用して粉末の圧
縮前のバルク密度を決定した。ダイをプレス内に配置
し、そして特定の荷重下に約10秒間置いた。得られたウ
ェファーをダイの底部から取り出して、秤量し、測定し
て、得られたウェファーの密度を決定した。その結果
を、圧縮圧力に対してウェファー密度をプロットしたグ
ラフとして図13に示した。
【0060】1000 psi(145 kPa) 程度の低い圧縮圧力
で、硬質で脆い凝集性ウェファーが形成した。20,000 p
si(2900 kPa)以上の圧縮圧力では、ウェファーはダイか
ら容易には取り出されなかった。40,000 psi(5800 kPa)
以上の圧縮圧力では、ウェファーを取り出すのにマレッ
トで叩く必要があった。このような圧力では、形成され
たウェファーは20,000 psi(2900 kPa)の圧力で形成した
ものよりも硬質であった。高圧縮力では、ウェファーの
密度は硝酸銀の理論密度の約4.35 g/cc に近い値になっ
た。
【0061】押出型遠心機で調製した湿った硝酸銀結晶
の二種の試料についても圧縮試験を行った。5,000 psi
(725 kPa)と20,000 psi(3190 kPa)の圧縮圧力を使用し
た。約5,000 psi(725 kPa)において、数滴の液体がダイ
から押し出されたことが観測されたので、結晶は油圧機
内でさらに脱水された。20,000 psi(3190 kPa)における
試験では、流体とペーストの両方がダイから押し出され
た。どちらの試験でも、凝集性の硬質ウェファーが生産
された。
【0062】これらの結果は、硝酸銀粉末が、湿潤状態
でも乾燥状態でも、バインダーの添加を必要とすること
なく凝集性の圧縮体へ成形できることを示している。
【0063】本発明の操作は、上記説明及び図面より明
らかであると考えられるが、強調するために若干説明を
加えておく。
【0064】産業上の応用 本発明の方法及び装置は、硝酸銀を製造する経済的で都
合のよい方法を提供する。本発明の圧縮成形された硝酸
銀製品は、優れた流動特性を示し、また圧縮されていな
い硝酸銀よりも融着しにくい。本発明の装置及び方法
は、実質的に立方晶形態の硝酸銀を処理するのに特に適
している。このような硝酸銀は、小板状結晶形態を有す
る硝酸銀と比べて、脱液またはスラリーからの分離がし
やすいが、しかし融着する傾向は大きい。
【0065】本発明は、好ましい実施態様を特に参照し
ながら説明されてきたが、当業者であれば、本発明から
逸脱することなく好ましい実施態様の要素に対して各種
の変更を行い、また等価物で置換することが可能である
ことは理解されよう。さらに、本発明の本質的な教示か
ら逸脱することなく、本発明の教示に対して特定の状況
や材料を適合させる多くの改変が可能である。例えば、
本発明はまた、圧縮機へ材料を供給する前に分離器や乾
燥機の硝酸銀結晶生産物を初期圧縮するための予備圧縮
機をも包含する。
【0066】上記説明より明白であるように、本発明の
特定の態様は、例示した実施例の特定の詳細部には限定
されない。それゆえ、当業者にはその他の改変や応用が
思い付くものと考えられる。従って、特許請求の範囲
は、本発明の真正なる精神及び範囲を逸脱しないこうし
た改変や応用のすべてを含むことが意図されている。
【0067】
【発明の効果】本発明の装置及び方法は、熱交換面がフ
ァウリングしたり閉塞したりする問題を実質的に排除す
る。それゆえ、本発明は、結晶化装置内での材料の短い
平均滞留時間、例えば約1〜3時間程度の、実質的に従
来法の平均滞留時間よりも短い時間、が要求される条件
下で実施することができる。従って、従来法の装置系よ
りも比較的廉価で小規模の装置を用いて、高い生産量の
硝酸銀結晶製品を生産することができる。本発明の短い
滞留時間と高い製品処理量のおかげで、従来法の装置系
よりもプラント全体の銀残留量がはるかに少なくて済む
ので、さらなるコストの節約が実現する。例えば、全体
の銀残留量を従来法の同等規模の装置系よりも80%程
度少なくすることができるので、実質的に銀残留量コス
トを削減することができる。また、操業停止の必要がほ
とんど無いので、より効率的でコスト的に有利な装置系
となる。さらに、本発明は、分離及び乾燥を容易にする
結晶形態を示す硝酸銀結晶生成物を生産する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による連続式結晶化装置系の装置の概略
図である。
【図2】本発明の方法と比較方法についての平均粒度と
粒度分布を示すグラフである。
【図3】バッチ様式の蒸発結晶化により製造された硝酸
銀結晶の構造を示す、図面に代わる倍率10×、20×
及び30×の顕微鏡写真である。
【図4】パイロットプラントの連続式蒸発結晶化法及び
装置により製造された硝酸銀結晶の構造を示す、図面に
代わる倍率10×、20×及び30×の顕微鏡写真であ
る。
【図5】パイロットプラントの連続式蒸発結晶化法及び
装置により製造された硝酸銀結晶の構造を示す、図面に
代わる倍率10×、20×及び30×の顕微鏡写真であ
る。
【図6】本発明による分離及び圧縮装置の概略図であ
る。
【図7】ロール圧縮機の略正面立面図である。
【図8】本発明の圧縮体の拡大概略図である。
【図9】圧縮機のローラー表面の詳細部を示す正面立面
図である。
【図10】生成物の流速に対する乾燥空気流速の比率に
対して、生成物中の含水量をプロットしたグラフであ
る。
【図11】乾燥空気流速に対して生成物のpHをプロット
したグラフである。
【図12】乾燥空気流速に対して生成物の含水量をプロ
ットしたグラフである。
【図13】本発明の圧縮硝酸銀について圧縮圧力に対し
て圧縮体密度をプロットしたグラフである。
【符号の説明】
10…結晶化装置 12、32、86、127、128…管路 14、34…制御弁 16…ドラフト管 20…攪はん機 22…シャフト 24…モーター 26…液面検出器 28…液面コントローラー 30…スチームジャケット 36…差圧伝達器 70…変速ポンプ 74…流量モニター 76、124…コントローラー 78…遠心機 82…溶解機 84…スクリーン 87…振動センサー 88…排出室 90…供給管 100…圧縮機 102…駆動ロール 104…ハウジング 106…アイドラーロール 108、110…壁 112、114…支持ブロック 116…液圧ピストン作動器 118…スペーサープレート 120…光源 122…検出器 130…貯蔵容器
フロントページの続き (72)発明者 ブライアン レイ シンプソン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14464, ハムリン,ベネディクト ビーチ ロード 7072 (72)発明者 セオドア ユージーン ウォルカー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14559, スペンサーポート,メープルウッド アベ ニュ 129 (72)発明者 ポール カールトン ドレイク アメリカ合衆国,ニューヨーク 14420, ブロックポート,イースト アベニュ 332 (72)発明者 ラルフ ヘルマン ペルト アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,サード アベニュ 183

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸銀水溶液から硝酸銀結晶を連続生産
    するための方法において、 硝酸銀水溶液を蒸発結晶化装置へ導入する工程;該結晶
    化装置の結晶化帯域内で硝酸銀水溶液を加熱及び蒸発濃
    縮して、硝酸銀結晶を含んで成るスラリーを形成させる
    工程;該スラリーを攪はんする工程;該スラリーの一部
    を該結晶化装置から抜き取る工程;抜き取ったスラリー
    から硝酸銀結晶を分離する工程;並びに分離した硝酸銀
    結晶を乾燥する工程を含んで成る前記方法。
  2. 【請求項2】 結晶化装置内で部分真空を維持する工程
    をさらに含んで成る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 結晶化帯域内でのスラリーの滞留時間が
    約60分〜約3時間の範囲にある、請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 抜き取ったスラリー中の硝酸銀結晶の平
    均粒度が約 200μm〜約 600μmの範囲にある、請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 分離した硝酸銀結晶のアスペクト比が約
    1:2:3〜約1:1:1の範囲にある、請求項1記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 スラリーが過飽和化されている、請求項
    1記載の方法。
  7. 【請求項7】 真空が約 112 mm Hg絶対に維持されてい
    る、請求項6記載の方法
  8. 【請求項8】 以下の別の工程、 スラリー密度をオンラインで測定する工程;スラリー密
    度測定値に応じた制御信号を発生させる工程;及び結晶
    化装置内の加熱を制御してスラリー密度を所望の範囲内
    に維持する工程によってスラリー密度を制御することを
    さらに含んで成る、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 スラリー密度が約2.7 g/cc〜約3.2 g/cc
    の範囲にある、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 硝酸銀結晶製品を生産するための装置
    であって、 蒸発結晶化装置;液面コントローラー;硝酸銀供給溶液
    を結晶化装置へ導入するための手段;結晶化装置の結晶
    化帯域内で硝酸銀水溶液を加熱濃縮して、硝酸銀結晶を
    含んで成るスラリーを結晶化帯域内で形成させる工程;
    スラリー密度を測定し、また加熱手段を制御して、スラ
    リー密度を所望の範囲内に維持するための手段;スラリ
    ーを攪はんするための手段;スラリーを結晶化装置から
    抜き取るための手段;抜き取ったスラリーから硝酸銀結
    晶を分離する分離器;及び分離した硝酸銀結晶を乾燥す
    る乾燥機を含んで成る前記装置。
  11. 【請求項11】 結晶化装置内で部分真空を維持するた
    めの手段をさらに含んで成る、請求項10記載の装置。
  12. 【請求項12】 分離器が遠心機を含んで成り、また該
    遠心機が乾燥機能をも提供する、請求項10記載の装
    置。
  13. 【請求項13】 分離した液体を再溶解して結晶化装置
    へ再循環させるための再溶解機をさらに含んで成る、請
    求項10記載の装置。
  14. 【請求項14】 分離した硝酸銀結晶を圧縮するための
    手段をさらに含んで成る、請求項10記載の装置。
JP7286393A 1992-03-09 1993-03-09 硝酸銀結晶を連続生産するための方法及び装置 Pending JPH0672715A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005330205A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Mitsubishi Chemicals Corp (メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸の製造方法

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