JPH0672716A - 圧電電歪材料 - Google Patents
圧電電歪材料Info
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- JPH0672716A JPH0672716A JP4247318A JP24731892A JPH0672716A JP H0672716 A JPH0672716 A JP H0672716A JP 4247318 A JP4247318 A JP 4247318A JP 24731892 A JP24731892 A JP 24731892A JP H0672716 A JPH0672716 A JP H0672716A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 室温より高い温度領域でも十分に大きな歪量
を与える圧電電歪材料を提供する。 【構成】 下記一般式: Pb1-x-0.5a+0.5c Bax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }
1-a-c Mc O3 (ただし、MはBe、Mg、Zn、Cdのいずれかであり、0.01
≦a≦0.03、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、0.03≦ (2/3)
x+y≦0.075 、かつ0.005 ≦c)により表わされる組
成を有する圧電電歪材料である。
を与える圧電電歪材料を提供する。 【構成】 下記一般式: Pb1-x-0.5a+0.5c Bax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }
1-a-c Mc O3 (ただし、MはBe、Mg、Zn、Cdのいずれかであり、0.01
≦a≦0.03、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、0.03≦ (2/3)
x+y≦0.075 、かつ0.005 ≦c)により表わされる組
成を有する圧電電歪材料である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密工作機器における
位置決め、流量制御バルブ、自動車のブレーキ装置等に
使用するアクチュエータに好適な圧電電歪材料に関し、
特に、室温より高い温度領域でも十分に大きな歪量を与
える圧電電歪材料に関する。
位置決め、流量制御バルブ、自動車のブレーキ装置等に
使用するアクチュエータに好適な圧電電歪材料に関し、
特に、室温より高い温度領域でも十分に大きな歪量を与
える圧電電歪材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電界を
加えると機械的な歪みを生じる性質を有する物質は、一
般に圧電材料または圧電電歪材料と呼ばれ、電気機械変
換素子として、バイモルフ、圧電着火素子、超音波振動
子、圧電ブザー、セラミックフィルター等に広く利用さ
れている。
加えると機械的な歪みを生じる性質を有する物質は、一
般に圧電材料または圧電電歪材料と呼ばれ、電気機械変
換素子として、バイモルフ、圧電着火素子、超音波振動
子、圧電ブザー、セラミックフィルター等に広く利用さ
れている。
【0003】一般に圧電材料に電界をかけるとその結晶
構造が変化し、その結晶変態点において極大の歪量(電
気機械結合定数)を示す。結晶変態点は各圧電材料によ
り異なるので、目的の作動温度に応じ、適当な圧電材料
を選択して用いている。
構造が変化し、その結晶変態点において極大の歪量(電
気機械結合定数)を示す。結晶変態点は各圧電材料によ
り異なるので、目的の作動温度に応じ、適当な圧電材料
を選択して用いている。
【0004】このような圧電材料としては、BaTiO3 、
Pb(Zr,Ti)O3 (一般にPZTと呼ばれる)、LiNbO
3 、LiTaO3 等が知られている。
Pb(Zr,Ti)O3 (一般にPZTと呼ばれる)、LiNbO
3 、LiTaO3 等が知られている。
【0005】ところで圧電材料として広く使用されてい
るPZT は、約1.5 ×10-3の歪量(ΔL/L)を有する
が、より大きな歪量、例えば約3.0 ×10-3以上の歪量を
得ようとすると、電界を印加したときに生ずる歪が異方
性を持つようになるために、PZT 内の粒界に応力が集中
して破壊に到るという問題がある。
るPZT は、約1.5 ×10-3の歪量(ΔL/L)を有する
が、より大きな歪量、例えば約3.0 ×10-3以上の歪量を
得ようとすると、電界を印加したときに生ずる歪が異方
性を持つようになるために、PZT 内の粒界に応力が集中
して破壊に到るという問題がある。
【0006】一方、PZT において、Zrの一部をNb及びSn
で置換した PNZST材(たとえばPb0. 99Nb0.02〔(Zr0.6
Sn0.4 ) 0.94Ti0.06〕0.98O3 )は、破壊を起こすこと
なく大きな歪みを生ずることが報告されている(「応用
物理」、第54巻第6号(1985年) 、591-595 頁) 。これ
は、図1に模式的に示すように、PNZST 材が電界強度30
KV/cm程度の電界の印加を受けると、まず反強誘電相
(a) から強誘電相(b) への相転移により大きく等方的に
膨張し、さらに相転移後に圧電現象が起こり、電界印加
方向に伸びる (歪む) ためである。この相転移による膨
張 ((a) →(b))と、電圧印加による歪みとの両方によっ
て得られる電界印加方向の歪みは、通常のPZT 圧電電歪
材料の歪みの約2倍の大きさである。この点で、上記し
た組成のPNZST 材はアクチュエータ用圧電電歪材料とし
てたいへん有望である。しかしながら、大きな電界ヒス
テリシスを有するために、アクチュエータ材としては実
用化されていない。
で置換した PNZST材(たとえばPb0. 99Nb0.02〔(Zr0.6
Sn0.4 ) 0.94Ti0.06〕0.98O3 )は、破壊を起こすこと
なく大きな歪みを生ずることが報告されている(「応用
物理」、第54巻第6号(1985年) 、591-595 頁) 。これ
は、図1に模式的に示すように、PNZST 材が電界強度30
KV/cm程度の電界の印加を受けると、まず反強誘電相
(a) から強誘電相(b) への相転移により大きく等方的に
膨張し、さらに相転移後に圧電現象が起こり、電界印加
方向に伸びる (歪む) ためである。この相転移による膨
張 ((a) →(b))と、電圧印加による歪みとの両方によっ
て得られる電界印加方向の歪みは、通常のPZT 圧電電歪
材料の歪みの約2倍の大きさである。この点で、上記し
た組成のPNZST 材はアクチュエータ用圧電電歪材料とし
てたいへん有望である。しかしながら、大きな電界ヒス
テリシスを有するために、アクチュエータ材としては実
用化されていない。
【0007】上記の欠点をなくし、大きな歪量を与える
とともに、ヒステリシス/歪みの小さな圧電電歪材料と
して、特開平3-174787号は、Pb1-x-0.5aBax Nba {(Zr
1-bSnb ) 1-y Tiy }1-a O3 (ただし、0.01a≦0.0
3、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、かつ0.04≦ (2/3)x+
y≦0.075 )により表わされる組成を有する圧電電歪材
料を開示している。
とともに、ヒステリシス/歪みの小さな圧電電歪材料と
して、特開平3-174787号は、Pb1-x-0.5aBax Nba {(Zr
1-bSnb ) 1-y Tiy }1-a O3 (ただし、0.01a≦0.0
3、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、かつ0.04≦ (2/3)x+
y≦0.075 )により表わされる組成を有する圧電電歪材
料を開示している。
【0008】しかしながら、本発明者の研究によれば、
上記の圧電電歪材料は室温においては大きな歪量を与え
ることができるが、高い温度領域(100〜130℃程
度の領域)での歪量が小さい。
上記の圧電電歪材料は室温においては大きな歪量を与え
ることができるが、高い温度領域(100〜130℃程
度の領域)での歪量が小さい。
【0009】したがって、本発明の目的は、高い温度領
域でも室温におけるのと同等の歪量を与える圧電電歪材
料を提供することである。
域でも室温におけるのと同等の歪量を与える圧電電歪材
料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべくPb
−Ba−Nb−Zr−Sn−Ti系酸化物からなる圧電電歪材料に
ついて鋭意研究の結果、本発明者は、Pb1-x-0.5aBax Nb
a {(Zr 1-b Snb ) 1- y Tiy }1-a O3 で表される組成
を有するペロブスカイト型の酸化物において、その結晶
構造中のBサイトを占める原子の一部を特定の金属によ
り置換してやれば、得られる結晶において酸素欠損部分
が生じ、その結果、結晶の格子歪みが大きくなり、もっ
て高温での歪み特性の低下が防止できることを発見し、
本発明を完成した。
−Ba−Nb−Zr−Sn−Ti系酸化物からなる圧電電歪材料に
ついて鋭意研究の結果、本発明者は、Pb1-x-0.5aBax Nb
a {(Zr 1-b Snb ) 1- y Tiy }1-a O3 で表される組成
を有するペロブスカイト型の酸化物において、その結晶
構造中のBサイトを占める原子の一部を特定の金属によ
り置換してやれば、得られる結晶において酸素欠損部分
が生じ、その結果、結晶の格子歪みが大きくなり、もっ
て高温での歪み特性の低下が防止できることを発見し、
本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明の圧電電歪材料は、下記一
般式: Pb1-x-0.5a+0.5c Bax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }
1-a-c Mc O3 (ただし、MはBe、Mg、Zn、Cdのいずれかであり、0.01
≦a≦0.03、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、0.03≦ (2/3)
x+y≦0.075 、かつ0.005 ≦c)により表わされる組
成を有することを特徴とする。
般式: Pb1-x-0.5a+0.5c Bax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }
1-a-c Mc O3 (ただし、MはBe、Mg、Zn、Cdのいずれかであり、0.01
≦a≦0.03、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、0.03≦ (2/3)
x+y≦0.075 、かつ0.005 ≦c)により表わされる組
成を有することを特徴とする。
【0012】本発明を以下詳細に説明する。一般式: Pb1-x-0.5aBax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }1-a O3 ・・・(1) (式(1) において、0.01≦a≦0.03、 0.2≦b≦0.6 、
0.01≦x、かつ0.03≦ (2/3)x+y≦0.075 )で表され
る組成を有する酸化物は、ペロブスカイト型の結晶構造
を有する。この酸化物(圧電電歪材料)は室温において
大きな歪み量を与えるが、100℃を超える温度では歪
み量が小さい。
0.01≦x、かつ0.03≦ (2/3)x+y≦0.075 )で表され
る組成を有する酸化物は、ペロブスカイト型の結晶構造
を有する。この酸化物(圧電電歪材料)は室温において
大きな歪み量を与えるが、100℃を超える温度では歪
み量が小さい。
【0013】そこで、本発明では、上記の式(1) で表さ
れる組成(説明の簡単のために、式(1) で表される組成
を以下「基本組成」と呼ぶ)を有する圧電電歪材料の高
温(100〜130℃程度の温度領域)における特性を
改善するために、基本組成を有する酸化物中の特定の金
属原子の一部を他の金属原子で置換する。詳しく述べる
と、基本組成を有する酸化物はペロブスカイト型結晶構
造を有するが、この結晶構造中のBサイトの原子(Zr、
Sn、Ti)の一部を、Be、Mg、Zn、Cdのいずれかで置換す
る。したがって、本発明の圧電電歪材料の組成は、一般
式: Pb1-x-0.5a+0.5c Bax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }1-a-c Mc O3 ・・(2) (式(2) において、MはBe、Mg、Zn、Cdのいずれかであ
り、0.01≦a≦0.03、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、0.03
≦ (2/3)x+y≦0.075 、かつ0.005 ≦c)により表わ
される。
れる組成(説明の簡単のために、式(1) で表される組成
を以下「基本組成」と呼ぶ)を有する圧電電歪材料の高
温(100〜130℃程度の温度領域)における特性を
改善するために、基本組成を有する酸化物中の特定の金
属原子の一部を他の金属原子で置換する。詳しく述べる
と、基本組成を有する酸化物はペロブスカイト型結晶構
造を有するが、この結晶構造中のBサイトの原子(Zr、
Sn、Ti)の一部を、Be、Mg、Zn、Cdのいずれかで置換す
る。したがって、本発明の圧電電歪材料の組成は、一般
式: Pb1-x-0.5a+0.5c Bax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }1-a-c Mc O3 ・・(2) (式(2) において、MはBe、Mg、Zn、Cdのいずれかであ
り、0.01≦a≦0.03、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、0.03
≦ (2/3)x+y≦0.075 、かつ0.005 ≦c)により表わ
される。
【0014】まず、基本組成について説明する。基本組成 Pb1-x-0.5aBax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }1-a O
3 Nbの含有量aは0.01〜0.03の範囲とする。Nbが0.01未満
であると、圧電電歪材料に高電界を印加しなければ相転
移を起こさなくなる。また0.03を超す量であると、電界
を除去しても強誘電相から反強誘電相への相転移が起こ
らず、不良となる。好ましいNb含有量aは0.015 〜0.02
5 である。
3 Nbの含有量aは0.01〜0.03の範囲とする。Nbが0.01未満
であると、圧電電歪材料に高電界を印加しなければ相転
移を起こさなくなる。また0.03を超す量であると、電界
を除去しても強誘電相から反強誘電相への相転移が起こ
らず、不良となる。好ましいNb含有量aは0.015 〜0.02
5 である。
【0015】次に、Snの含有量bは0.2 〜0.6 の範囲と
する。これに伴ってZrの含有量(1−b)は0.4 〜0.8
の範囲となる。Snが 0.2未満(Zrが 0.8を超す量)であ
れば、電界を除去しても強誘電相から反強誘電相への相
転移が起こらず不良となる。またSnが 0.6を超す量(Zr
が 0.4未満)であると、高電界を印加しなければ相転移
を起こさない。好ましいSn含有量bは0.25〜0.45であ
り、好ましいZr含有量(1−b)は0.55〜0.75である。
する。これに伴ってZrの含有量(1−b)は0.4 〜0.8
の範囲となる。Snが 0.2未満(Zrが 0.8を超す量)であ
れば、電界を除去しても強誘電相から反強誘電相への相
転移が起こらず不良となる。またSnが 0.6を超す量(Zr
が 0.4未満)であると、高電界を印加しなければ相転移
を起こさない。好ましいSn含有量bは0.25〜0.45であ
り、好ましいZr含有量(1−b)は0.55〜0.75である。
【0016】Pbの一部をBaによって置換すると、歪量が
大きくなるとともにヒステリシスが小さくなる(ヒステ
リシス/歪みの値が小さくなる)。これは以下の3つの
理由によるものと考えられる。すなわち、 (a) Baによる一部のPbの置換により結晶の格子定数が拡
大し、それに応じて歪量も増大する。特にa軸の格子定
数が4.120 オングストローム以上になると、歪量は3×
10-3以上となる。 (b) Baの導入により非強誘電組成のBaZrO3 が部分的に
形成される。このときBaは圧電電歪材料内にランダムに
入るので、BaZrO3 は圧電電歪材料中に局所的に不均一
に形成される。 (c) 非強誘電組成のBaZrO3 の生成により、反強誘電相
と強誘電相間の相転移が局所的に妨げられる。
大きくなるとともにヒステリシスが小さくなる(ヒステ
リシス/歪みの値が小さくなる)。これは以下の3つの
理由によるものと考えられる。すなわち、 (a) Baによる一部のPbの置換により結晶の格子定数が拡
大し、それに応じて歪量も増大する。特にa軸の格子定
数が4.120 オングストローム以上になると、歪量は3×
10-3以上となる。 (b) Baの導入により非強誘電組成のBaZrO3 が部分的に
形成される。このときBaは圧電電歪材料内にランダムに
入るので、BaZrO3 は圧電電歪材料中に局所的に不均一
に形成される。 (c) 非強誘電組成のBaZrO3 の生成により、反強誘電相
と強誘電相間の相転移が局所的に妨げられる。
【0017】このようにBaZrO3 の形成部位がランダム
に配置されるので、相転移を起こす電界の強さは一定と
はならない。すなわち形成されたBaZrO3 の割合によっ
て相転移を起こす電界の強さが異なり、BaZrO3 の少な
い部分では弱い電界でも相転移を起こすが、BaZrO3 の
多い部分では、比較的大きな電界を印加しないと相転移
が起きない。したがって圧電電歪材料全体としてみると
相転移はいわば散漫化され、ある範囲の電界の強さの中
で相転移が連続して起こる。その結果、圧電電歪材料の
歪量は電界の強さに対してなだらかに変化する傾向を示
し、従来のPNZST材におけるヒステリシスより小さ
くなる(ヒステリシス曲線がスリム化する)。
に配置されるので、相転移を起こす電界の強さは一定と
はならない。すなわち形成されたBaZrO3 の割合によっ
て相転移を起こす電界の強さが異なり、BaZrO3 の少な
い部分では弱い電界でも相転移を起こすが、BaZrO3 の
多い部分では、比較的大きな電界を印加しないと相転移
が起きない。したがって圧電電歪材料全体としてみると
相転移はいわば散漫化され、ある範囲の電界の強さの中
で相転移が連続して起こる。その結果、圧電電歪材料の
歪量は電界の強さに対してなだらかに変化する傾向を示
し、従来のPNZST材におけるヒステリシスより小さ
くなる(ヒステリシス曲線がスリム化する)。
【0018】Pbの一部をBaで置換することにより圧電電
歪材料のヒステリシス/歪みは小さくなる。この効果を
得るためには、0.01以上の量のBaをPbに代わって圧電電
歪材料内に導入する必要がある。しかしながら、Baの添
加は反強誘電相を不安定にする効果があるので、ある量
を超える量のBaを添加すると、電界を除去しても強誘電
相から反強誘電相へ相転移しなくなる。Baの量は後述す
るようにTiの量yと相関しているので、その上限もyと
の関係により定まる。
歪材料のヒステリシス/歪みは小さくなる。この効果を
得るためには、0.01以上の量のBaをPbに代わって圧電電
歪材料内に導入する必要がある。しかしながら、Baの添
加は反強誘電相を不安定にする効果があるので、ある量
を超える量のBaを添加すると、電界を除去しても強誘電
相から反強誘電相へ相転移しなくなる。Baの量は後述す
るようにTiの量yと相関しているので、その上限もyと
の関係により定まる。
【0019】基本組成からなる圧電電歪材料において、
Tiを減少させるとヒステリシスが小さくなる。しかしな
がらTiの量が減少するのに応じて強誘電相が不安定とな
り、高電界をかけないと反強誘電相から強誘電相へ相転
移しなくなる場合が生じるので、それと反対の作用を有
するBaの量xを増加させる必要が生じる。一方、Tiの量
を多くするのに応じて逆に反強誘電相が不安定となり、
電界を除去しても反強誘電相へ戻らなくなるので、今度
は、Baの量xを減少させる必要がある。このように、Ti
量yはBa量xと相関している。
Tiを減少させるとヒステリシスが小さくなる。しかしな
がらTiの量が減少するのに応じて強誘電相が不安定とな
り、高電界をかけないと反強誘電相から強誘電相へ相転
移しなくなる場合が生じるので、それと反対の作用を有
するBaの量xを増加させる必要が生じる。一方、Tiの量
を多くするのに応じて逆に反強誘電相が不安定となり、
電界を除去しても反強誘電相へ戻らなくなるので、今度
は、Baの量xを減少させる必要がある。このように、Ti
量yはBa量xと相関している。
【0020】Ba量xとTi量yとの関係は、以下の式によ
り表される。 0.03≦(2/3) x+y≦0.075
り表される。 0.03≦(2/3) x+y≦0.075
【0021】図2は、基本組成におけるBa量xとTi量y
の取りうる範囲を示すグラフである。基本組成のBa量x
とTi量yはそれぞれこのグラフの直線l1 、l2 、l3
及びx軸で囲まれた領域(ただしx軸は含まない)内に
ある。以下に、この領域の限定理由について述べる。 直線l1 (x=0.01):ヒステリシス/歪みを小さく
するためには、Ba量xが0.01以上必要である。 x軸より上(y>0):基本組成はTiを含む。 直線l2 :これはy=−(2/3) x+0.075 を示す直線
である。これより上の領域では、Ba量及びTi量の過多に
より反強誘電相が不安定となり、電界を除去しても強誘
電相から反強誘電相へ戻らなくなる。したがって領域は
直線l2 以下とする。 直線l3 :これはy=−(2/3) x+0.03を示す直線で
ある。これより下の領域では、Ba量及びTi量の過少によ
り強誘電相が不安定となり、高電界を印加しないと相転
移を起こさない。したがって領域は直線l3 以上とす
る。
の取りうる範囲を示すグラフである。基本組成のBa量x
とTi量yはそれぞれこのグラフの直線l1 、l2 、l3
及びx軸で囲まれた領域(ただしx軸は含まない)内に
ある。以下に、この領域の限定理由について述べる。 直線l1 (x=0.01):ヒステリシス/歪みを小さく
するためには、Ba量xが0.01以上必要である。 x軸より上(y>0):基本組成はTiを含む。 直線l2 :これはy=−(2/3) x+0.075 を示す直線
である。これより上の領域では、Ba量及びTi量の過多に
より反強誘電相が不安定となり、電界を除去しても強誘
電相から反強誘電相へ戻らなくなる。したがって領域は
直線l2 以下とする。 直線l3 :これはy=−(2/3) x+0.03を示す直線で
ある。これより下の領域では、Ba量及びTi量の過少によ
り強誘電相が不安定となり、高電界を印加しないと相転
移を起こさない。したがって領域は直線l3 以上とす
る。
【0022】以上の理由により、基本組成におけるBa量
及びTi量は、図2に示す領域すなわちx=0.01、(2/3)x
+y=0.03、(2/3)x+y=0.075 及びx軸(ただしx軸
は含まない)によって囲まれる領域内にある。好ましい
範囲は、0.03≦x≦0.05、y>0、0.045 ≦(2/3)x+y
≦0.07である。
及びTi量は、図2に示す領域すなわちx=0.01、(2/3)x
+y=0.03、(2/3)x+y=0.075 及びx軸(ただしx軸
は含まない)によって囲まれる領域内にある。好ましい
範囲は、0.03≦x≦0.05、y>0、0.045 ≦(2/3)x+y
≦0.07である。
【0023】本発明の圧電電歪材料 基本組成を有する酸化物は上述の通りペロブスカイト型
の結晶構造を有するが、本発明の圧電電歪材料は、この
基本組成を有する酸化物の結晶構造中のBサイトの金属
原子の一部をBe、Mg、Zn、Cdのいずれかにより置換して
なる。したがって、本発明の圧電電歪材料は上記式(2)
により表される組成を有する。
の結晶構造を有するが、本発明の圧電電歪材料は、この
基本組成を有する酸化物の結晶構造中のBサイトの金属
原子の一部をBe、Mg、Zn、Cdのいずれかにより置換して
なる。したがって、本発明の圧電電歪材料は上記式(2)
により表される組成を有する。
【0024】図3(a) に模式的に示すように、基本組成
を有するペロブスカイト型結晶構造の酸化物において、
Bサイトに入る金属原子はZr、Sn及びTiである。なお、
結晶格子の各サイトには、図3(a) に示すように各金属
原子のイオンが入ると言うこともできるが、説明の簡単
のために、金属原子が各サイトを占めるものとして以下
説明する。一方、AサイトにはPb、Baが入る。また、酸
素原子は格子単位の面心を占める。
を有するペロブスカイト型結晶構造の酸化物において、
Bサイトに入る金属原子はZr、Sn及びTiである。なお、
結晶格子の各サイトには、図3(a) に示すように各金属
原子のイオンが入ると言うこともできるが、説明の簡単
のために、金属原子が各サイトを占めるものとして以下
説明する。一方、AサイトにはPb、Baが入る。また、酸
素原子は格子単位の面心を占める。
【0025】本発明の圧電電歪材料では、これらBサイ
トに入る金属原子のうちの一部がBe、Mg、Zn、Cdのいず
れかにより置換されている。Be、Mg、Zn、Cdはいずれも
酸素と共有結合を生じやすいが、これらの原子でBサイ
トの金属原子のうちの一部を置換すると、結晶構造中の
酸素が占めるはずの部位に欠損部分が生じる。その典型
例として、Bサイトの原子の一部をMg(Mg2+)で置換し
た場合を図3(b) に模式的に示す。隣接する2つのBサ
イトの原子がMgにより置換されると、電荷のバランスを
保つためにその間のサイトDの酸素原子が抜ける。すな
わちサイトDは酸素欠損部(空孔)となる。このような
欠損部(空孔)が結晶中に導入されると、格子歪みが大
きくなり、その結果、高温での歪量の低下が抑制され
る。
トに入る金属原子のうちの一部がBe、Mg、Zn、Cdのいず
れかにより置換されている。Be、Mg、Zn、Cdはいずれも
酸素と共有結合を生じやすいが、これらの原子でBサイ
トの金属原子のうちの一部を置換すると、結晶構造中の
酸素が占めるはずの部位に欠損部分が生じる。その典型
例として、Bサイトの原子の一部をMg(Mg2+)で置換し
た場合を図3(b) に模式的に示す。隣接する2つのBサ
イトの原子がMgにより置換されると、電荷のバランスを
保つためにその間のサイトDの酸素原子が抜ける。すな
わちサイトDは酸素欠損部(空孔)となる。このような
欠損部(空孔)が結晶中に導入されると、格子歪みが大
きくなり、その結果、高温での歪量の低下が抑制され
る。
【0026】式(2) において、0.005 ≦cとする。cが
0.005 未満であると、高温での歪み量の低下が大きくな
る。なお、cの値が0.05を超えると酸素欠陥量が増加
し、半導体化してしまう。良好な歪みを得るには、1.0
×1013Ωcm程度の比抵抗が必要となるので、cの上限値
を0.05とするのが好ましい。式(2) の他のパラメータ
(a、b、x及びy)の範囲及びその限定理由は、上述
の基本組成の場合と同様である。
0.005 未満であると、高温での歪み量の低下が大きくな
る。なお、cの値が0.05を超えると酸素欠陥量が増加
し、半導体化してしまう。良好な歪みを得るには、1.0
×1013Ωcm程度の比抵抗が必要となるので、cの上限値
を0.05とするのが好ましい。式(2) の他のパラメータ
(a、b、x及びy)の範囲及びその限定理由は、上述
の基本組成の場合と同様である。
【0027】本発明の圧電電歪材料は、上述した式(2)
に適合するように各金属酸化物を秤量して混合し、得ら
れた混合物を焼結して得ることができる。また、あらか
じめ基本組成となるように各金属酸化物を秤量して仮焼
結体を製造しておき、この仮焼結体に、基本組成中の原
子を置換する金属又はその酸化物を加えて(粉砕)混合
し、再び焼結して製造することもできる。
に適合するように各金属酸化物を秤量して混合し、得ら
れた混合物を焼結して得ることができる。また、あらか
じめ基本組成となるように各金属酸化物を秤量して仮焼
結体を製造しておき、この仮焼結体に、基本組成中の原
子を置換する金属又はその酸化物を加えて(粉砕)混合
し、再び焼結して製造することもできる。
【0028】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。実施例1、2及び比較例1〜5 出発原料の必須成分としてPbO、BaCO3 、Nb2 O5 、Zr
O2 、SnO2 及びTiO2 と、選択する原料としてZnO、
MgO、CoO、NiO、Fe2 O3 、又はSb2 O3 を用い、以
下に示す組成となるように各酸化物を秤量し、ボールミ
ルで24時間混合した。
明する。実施例1、2及び比較例1〜5 出発原料の必須成分としてPbO、BaCO3 、Nb2 O5 、Zr
O2 、SnO2 及びTiO2 と、選択する原料としてZnO、
MgO、CoO、NiO、Fe2 O3 、又はSb2 O3 を用い、以
下に示す組成となるように各酸化物を秤量し、ボールミ
ルで24時間混合した。
【0029】実施例1: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Zn0.01O3 実施例2: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Mg0.01O3 比較例1: Pb0.96Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.98〕O3 比較例2: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Co0.01O3 比較例3: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Ni0.01O3 比較例4: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Fe0.01O3 比較例5: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Sb0.01O3
0.97Zn0.01O3 実施例2: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Mg0.01O3 比較例1: Pb0.96Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.98〕O3 比較例2: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Co0.01O3 比較例3: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Ni0.01O3 比較例4: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Fe0.01O3 比較例5: Pb0.965 Ba0.03Nb0.02{ (Zr0.7 Sn0.3 ) 0.97Ti0.03}
0.97Sb0.01O3
【0030】得られた混合物を1000kg/cm2 の圧力で金
型成形し、1300℃で2時間焼結し、厚さ0.3 mmの焼結体
(圧電電歪材料)を得た。
型成形し、1300℃で2時間焼結し、厚さ0.3 mmの焼結体
(圧電電歪材料)を得た。
【0031】上記の焼結体(圧電電歪材料)の両面に金
からなる電極板を形成した。電極間に電圧を印加し、室
温〜130℃の温度範囲における歪量を測定した。実施
例1、2及び比較例1の結果を図4に、比較例2〜5の
結果を図5に示す。
からなる電極板を形成した。電極間に電圧を印加し、室
温〜130℃の温度範囲における歪量を測定した。実施
例1、2及び比較例1の結果を図4に、比較例2〜5の
結果を図5に示す。
【0032】図4及び図5からわかるように、実施例
1、2の圧電電歪材料は130℃でも大きな歪み量を与
えるが、各比較例の圧電電歪材料は120℃又は130
℃では歪み量が3×10-3より小さくなる。
1、2の圧電電歪材料は130℃でも大きな歪み量を与
えるが、各比較例の圧電電歪材料は120℃又は130
℃では歪み量が3×10-3より小さくなる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の圧電電歪
材料は、130℃程度の高温領域において大きな歪量を
与える。
材料は、130℃程度の高温領域において大きな歪量を
与える。
【0034】本発明による圧電電歪材料は、大きな変位
量を必要とする各種のアクチュエータ用材料として好適
であり、高温の環境でも良好に使用できる。
量を必要とする各種のアクチュエータ用材料として好適
であり、高温の環境でも良好に使用できる。
【図1】電界をPNZST 材に印加した場合の二段階の歪み
の発生を示す模式図である。
の発生を示す模式図である。
【図2】圧電電歪材料の基本組成におけるBa量(x)
と、Ti量(y)の取りうる領域を示すグラフである。
と、Ti量(y)の取りうる領域を示すグラフである。
【図3】(a) 、(b) ともにペロブスカイト型結晶構造を
示す模式図であり、(a) は格子単位を示し、(b) はBサ
イトの一部がMgで置換された状態を示す。
示す模式図であり、(a) は格子単位を示し、(b) はBサ
イトの一部がMgで置換された状態を示す。
【図4】実施例1、2及び比較例1の圧電電歪材料の歪
み量と温度との関係を示すグラフである。
み量と温度との関係を示すグラフである。
【図5】比較例2〜5の圧電電歪材料の歪み量と温度と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式: Pb1-x-0.5a+0.5c Bax Nba {(Zr 1-b Snb ) 1-y Tiy }
1-a-c Mc O3 (ただし、MはBe、Mg、Zn、Cdのいずれかであり、0.01
≦a≦0.03、 0.2≦b≦0.6 、0.01≦x、0.03≦ (2/3)
x+y≦0.075 、かつ0.005 ≦c)により表わされる組
成を有することを特徴とする圧電電歪材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4247318A JPH0672716A (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 圧電電歪材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4247318A JPH0672716A (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 圧電電歪材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0672716A true JPH0672716A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=17161617
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4247318A Pending JPH0672716A (ja) | 1992-08-24 | 1992-08-24 | 圧電電歪材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0672716A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003133604A (ja) * | 2001-10-26 | 2003-05-09 | Seiko Epson Corp | 圧電体薄膜素子およびその製造方法、ならびにこれを用いたインクジェット記録ヘッド及びインクジェットプリンタ |
| CN114044669A (zh) * | 2021-11-13 | 2022-02-15 | 新化嘉恒电子陶瓷有限责任公司 | 一种传感器用电子陶瓷材料及其制备方法 |
-
1992
- 1992-08-24 JP JP4247318A patent/JPH0672716A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003133604A (ja) * | 2001-10-26 | 2003-05-09 | Seiko Epson Corp | 圧電体薄膜素子およびその製造方法、ならびにこれを用いたインクジェット記録ヘッド及びインクジェットプリンタ |
| CN114044669A (zh) * | 2021-11-13 | 2022-02-15 | 新化嘉恒电子陶瓷有限责任公司 | 一种传感器用电子陶瓷材料及其制备方法 |
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