JPH0673477A - 成形機用シリンダ及びその製造方法 - Google Patents
成形機用シリンダ及びその製造方法Info
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- JPH0673477A JPH0673477A JP4226775A JP22677592A JPH0673477A JP H0673477 A JPH0673477 A JP H0673477A JP 4226775 A JP4226775 A JP 4226775A JP 22677592 A JP22677592 A JP 22677592A JP H0673477 A JPH0673477 A JP H0673477A
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Landscapes
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- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性及び耐食性に優れた成形機用シリン
ダを提供する。 【構成】 この成形機用シリンダは、合金鋼からなる中
空円筒形状のシリンダ母材の内面に、重量比でCr 5
〜20%、B 1.5〜4%、C 0.7%以下、Si
1〜4%、Mn 2%以下、Fe 5〜20%、Cu 5
〜20%、W 3〜15%、Co 3〜20%、残部実質
的にNi及び不可避的不純物からなるNi基合金のライ
ニング層を有する。シリンダ母材はCr−Mo鋼、又は
Ni−Cr−Mo鋼であって、熱処理を施したシリンダ
母材の金属組織はベイナイト20%以上、残部ソルバイ
トからなる。
ダを提供する。 【構成】 この成形機用シリンダは、合金鋼からなる中
空円筒形状のシリンダ母材の内面に、重量比でCr 5
〜20%、B 1.5〜4%、C 0.7%以下、Si
1〜4%、Mn 2%以下、Fe 5〜20%、Cu 5
〜20%、W 3〜15%、Co 3〜20%、残部実質
的にNi及び不可避的不純物からなるNi基合金のライ
ニング層を有する。シリンダ母材はCr−Mo鋼、又は
Ni−Cr−Mo鋼であって、熱処理を施したシリンダ
母材の金属組織はベイナイト20%以上、残部ソルバイ
トからなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック成形機等
に用いる円筒状シリンダ及びその製造方法に関し、詳し
くは耐摩耗性、耐食性、耐クラック性に優れた成形機用
シリンダ及びその製造方法に関する。
に用いる円筒状シリンダ及びその製造方法に関し、詳し
くは耐摩耗性、耐食性、耐クラック性に優れた成形機用
シリンダ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック等の成形機用シリンダに
は、加熱成形中の樹脂または樹脂に加えた添加剤による
腐食あるいは摩耗を防止するため、鋼材からなる中空円
筒状のシリンダ母材の内面に、耐摩耗性と耐食性とを有
する合金材料を、遠心鋳造法によりライニングするとい
う構造のものが使用されている。このような構造の成形
機用シリンダには、近年、生産性を向上するために、射
出成形サイクルの短縮及び耐射出圧力の上昇が望まれて
いるが、そうすると射出成形サイクルの毎に、上述のよ
うな延性の小さい合金材料からなるライニング材に繰返
し膨張、収縮の応力がかかり、疲労によりクラックが発
生しやすくなるので、シリンダ母材はできるだけ膨張し
ないように高強度にする必要がある。
は、加熱成形中の樹脂または樹脂に加えた添加剤による
腐食あるいは摩耗を防止するため、鋼材からなる中空円
筒状のシリンダ母材の内面に、耐摩耗性と耐食性とを有
する合金材料を、遠心鋳造法によりライニングするとい
う構造のものが使用されている。このような構造の成形
機用シリンダには、近年、生産性を向上するために、射
出成形サイクルの短縮及び耐射出圧力の上昇が望まれて
いるが、そうすると射出成形サイクルの毎に、上述のよ
うな延性の小さい合金材料からなるライニング材に繰返
し膨張、収縮の応力がかかり、疲労によりクラックが発
生しやすくなるので、シリンダ母材はできるだけ膨張し
ないように高強度にする必要がある。
【0003】しかし、上述の成形機用シリンダの母材
は、主としてパーライトと少量のフェライトとからなっ
ているため、高速高圧の射出成形サイクルに対して十分
な強度を有しておらず、その結果ライニング材は膨張、
収縮により疲労破壊を起し、クラックが生じるという問
題がある。そこで、これらの性能を向上させる方法とし
て、図10に示すように、焼嵌方法によって、補強部材
4をライニング材3とシリンダ母材2とからなる成形機
用シリンダ1に接合する方法が考えられる。しかし、こ
の方法は製造コストが上がるという問題があり、また手
間がかかるため製作手数を長くするという問題がある。
は、主としてパーライトと少量のフェライトとからなっ
ているため、高速高圧の射出成形サイクルに対して十分
な強度を有しておらず、その結果ライニング材は膨張、
収縮により疲労破壊を起し、クラックが生じるという問
題がある。そこで、これらの性能を向上させる方法とし
て、図10に示すように、焼嵌方法によって、補強部材
4をライニング材3とシリンダ母材2とからなる成形機
用シリンダ1に接合する方法が考えられる。しかし、こ
の方法は製造コストが上がるという問題があり、また手
間がかかるため製作手数を長くするという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、コストアップ、製作手数延長等の弊害を伴わずに、
疲労強度、耐クラック性、耐摩耗性に優れた成形機用シ
リンダを提供することである。また本発明のもう一つの
目的は、かかる成形機用シリンダを製造する方法を提供
することである。
は、コストアップ、製作手数延長等の弊害を伴わずに、
疲労強度、耐クラック性、耐摩耗性に優れた成形機用シ
リンダを提供することである。また本発明のもう一つの
目的は、かかる成形機用シリンダを製造する方法を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、合金鋼からなる中空円筒形状のシ
リンダ母材に、耐摩耗性及び耐食性を有する合金を遠心
鋳造によりライニングした成形機用シリンダを作製する
際に、シリンダ母材を所望の組織とし、このために適当
な熱処理を施すことにより、コストアップ、製作手数延
長等の弊害を伴わずに、疲労強度、特に耐クラック性に
優れた成形機用シリンダが得られることを発見し、本発
明に想到した。すなわち、本発明の成形機用シリンダ
は、合金鋼からなる中空円筒形状のシリンダ母材と、前
記シリンダ母材の内面に存する耐摩耗性及び耐食性に優
れたライニング材とを有し、前記シリンダ母材の組織
は、ベイナイト20%以上、残部ソルバイトからなるこ
とを特徴とする。
の結果、本発明者は、合金鋼からなる中空円筒形状のシ
リンダ母材に、耐摩耗性及び耐食性を有する合金を遠心
鋳造によりライニングした成形機用シリンダを作製する
際に、シリンダ母材を所望の組織とし、このために適当
な熱処理を施すことにより、コストアップ、製作手数延
長等の弊害を伴わずに、疲労強度、特に耐クラック性に
優れた成形機用シリンダが得られることを発見し、本発
明に想到した。すなわち、本発明の成形機用シリンダ
は、合金鋼からなる中空円筒形状のシリンダ母材と、前
記シリンダ母材の内面に存する耐摩耗性及び耐食性に優
れたライニング材とを有し、前記シリンダ母材の組織
は、ベイナイト20%以上、残部ソルバイトからなるこ
とを特徴とする。
【0006】また本発明の合金鋼からなる中空円筒形状
を有するシリンダ母材と、前記シリンダ母材の内面に存
する耐摩耗性及び耐食性に優れたライニング材とを有
し、前記シリンダ母材の組織が、ベイナイト20%以
上、残部ソルバイトからなる成形機用シリンダの製造方
法は、前記ライニング材を前記シリンダ母材内に入れて
遠心鋳造後、20〜200℃/分の冷却速度でベイナイ
ト変態を起こす温度領域まで冷却し、そこで10分以上
保持後、1〜10℃/分の加熱速度で、550〜650
℃のアニール温度まで加熱し、アニール後室温まで冷却
することを特徴とする。
を有するシリンダ母材と、前記シリンダ母材の内面に存
する耐摩耗性及び耐食性に優れたライニング材とを有
し、前記シリンダ母材の組織が、ベイナイト20%以
上、残部ソルバイトからなる成形機用シリンダの製造方
法は、前記ライニング材を前記シリンダ母材内に入れて
遠心鋳造後、20〜200℃/分の冷却速度でベイナイ
ト変態を起こす温度領域まで冷却し、そこで10分以上
保持後、1〜10℃/分の加熱速度で、550〜650
℃のアニール温度まで加熱し、アニール後室温まで冷却
することを特徴とする。
【0007】
【実施例及び作用】まず、本発明の一実施例による成形
機用シリンダの母材について説明する。本実施例におい
ては、耐摩耗性及び耐食性を有するライニング材を被覆
するシリンダ母材として合金鋼を用いる。合金鋼とし
て、Cr−Mo鋼を用いる場合、化学成分の含有率はC
0.3〜0.5 重量%、Si 0.15〜0.35 重量%、Mn 0.3
〜1.5 重量%以下、P 0.03 重量%以下、S 0.03 重量
%以下、Cr 0.7〜1.5 重量%、Mo 0.1〜0.5 重量%
とするのが強度上好ましく、日本工業規格(JIS G 4105)
に規定されている SCM440、SCM445 相当のCr−Mo鋼
が適する。
機用シリンダの母材について説明する。本実施例におい
ては、耐摩耗性及び耐食性を有するライニング材を被覆
するシリンダ母材として合金鋼を用いる。合金鋼とし
て、Cr−Mo鋼を用いる場合、化学成分の含有率はC
0.3〜0.5 重量%、Si 0.15〜0.35 重量%、Mn 0.3
〜1.5 重量%以下、P 0.03 重量%以下、S 0.03 重量
%以下、Cr 0.7〜1.5 重量%、Mo 0.1〜0.5 重量%
とするのが強度上好ましく、日本工業規格(JIS G 4105)
に規定されている SCM440、SCM445 相当のCr−Mo鋼
が適する。
【0008】合金鋼として、Ni−Cr−Mo鋼を用い
る場合、化学成分の含有率はC 0.3〜0.5 重量%、Si
0.15〜0.35 重量%、Mn 0.3〜1.5 重量%以下、P
0.03重量%以下、S 0.03 重量%以下、Ni 3.0 重量
%以下、Cr 0.7〜1.5 重量%、Mo 0.1〜0.5 重量%
とするのが強度上好ましく、日本工業規格(JIS G 4103)
に規定されている SNCM439 相当のNi−Cr−Mo鋼
が適する。
る場合、化学成分の含有率はC 0.3〜0.5 重量%、Si
0.15〜0.35 重量%、Mn 0.3〜1.5 重量%以下、P
0.03重量%以下、S 0.03 重量%以下、Ni 3.0 重量
%以下、Cr 0.7〜1.5 重量%、Mo 0.1〜0.5 重量%
とするのが強度上好ましく、日本工業規格(JIS G 4103)
に規定されている SNCM439 相当のNi−Cr−Mo鋼
が適する。
【0009】また本実施例においては、シリンダ母材の
強度を向上するために、組織の20%以上をベイナイト
により形成し、残部をソルバイトにより形成する。組織
のベイナイトが20%未満であると十分な強度が得られ
ないため好ましくない。以上に示す組織構成とするため
に、本実施例においては、上述したライニング材を上述
したシリンダ母材内に入れて遠心鋳造後、熱処理を施す
が、この熱処理方法を図1に示す熱処理パターンにより
説明する。
強度を向上するために、組織の20%以上をベイナイト
により形成し、残部をソルバイトにより形成する。組織
のベイナイトが20%未満であると十分な強度が得られ
ないため好ましくない。以上に示す組織構成とするため
に、本実施例においては、上述したライニング材を上述
したシリンダ母材内に入れて遠心鋳造後、熱処理を施す
が、この熱処理方法を図1に示す熱処理パターンにより
説明する。
【0010】ここで、図1の横軸は時間、縦軸は温度を
示しており、また熱処理パターン上のAは遠心鋳造工
程、Bは冷却工程、Cは保持工程、Dは加熱工程、Eは
アニール工程、Fは室温までの冷却工程を示している。
本実施例においては、Aに示す遠心鋳造工程により、成
形機用シリンダを形成し、その後Bに示す冷却工程にお
いて、ベイナイト変態を起こす温度領域まで冷却する
が、この時の冷却速度は20〜200℃/分である。冷
却速度が20℃/分未満であると、トルースタイトを生
じ、また200℃/分を超えると、ライニング材の内面
に割れが生じやすくなる。次いでCに示す保持工程にお
いて、ベイナイト変態を起こす領域は300〜600℃
である。ベイナイト変態を起こす領域が300℃未満で
あると低温での母材の変態膨張によりライニング材の内
面に割れが生じやすくなり、また600℃を超えるとパ
ーライトが生じる。また保持工程における保持時間は1
0分以上必要である。保持時間が10分未満であるとシ
リンダ母材のベイナイト量が20%未満となり、十分な
強度が得られなくなる。次いでDに示すアニール温度ま
で加熱を行うが、この時、加熱速度は1〜10℃/分で
ある。加熱速度が1℃/分未満であと、シリンダ母材の
ベイナイト量が過多となり、ライニング材の内面に割れ
を発生しやすくなる。また10℃/分を超えると、逆に
ベイナイト量が不足して強度が得られなくなる。次いで
Eに示すアニールを行うが、アニール温度は550〜6
50℃である。550℃未満であると残留応力除去とい
うアニールの目的を果たさず、また650℃を超えると
金属組織に影響をおよぼす。また、アニール時間は1〜
5時間である。アニール時間が1時間未満であると十分
に残留応力を除去できず、5時間を超えた場合はその効
果に著しい変化がない。最後にFに示すように室温まで
冷却する。以上により形成される本実施例の成形機用シ
リンダは、シリンダ母材の強度が著しく向上するため、
優れた疲労強度、特に耐クラック性を有する。
示しており、また熱処理パターン上のAは遠心鋳造工
程、Bは冷却工程、Cは保持工程、Dは加熱工程、Eは
アニール工程、Fは室温までの冷却工程を示している。
本実施例においては、Aに示す遠心鋳造工程により、成
形機用シリンダを形成し、その後Bに示す冷却工程にお
いて、ベイナイト変態を起こす温度領域まで冷却する
が、この時の冷却速度は20〜200℃/分である。冷
却速度が20℃/分未満であると、トルースタイトを生
じ、また200℃/分を超えると、ライニング材の内面
に割れが生じやすくなる。次いでCに示す保持工程にお
いて、ベイナイト変態を起こす領域は300〜600℃
である。ベイナイト変態を起こす領域が300℃未満で
あると低温での母材の変態膨張によりライニング材の内
面に割れが生じやすくなり、また600℃を超えるとパ
ーライトが生じる。また保持工程における保持時間は1
0分以上必要である。保持時間が10分未満であるとシ
リンダ母材のベイナイト量が20%未満となり、十分な
強度が得られなくなる。次いでDに示すアニール温度ま
で加熱を行うが、この時、加熱速度は1〜10℃/分で
ある。加熱速度が1℃/分未満であと、シリンダ母材の
ベイナイト量が過多となり、ライニング材の内面に割れ
を発生しやすくなる。また10℃/分を超えると、逆に
ベイナイト量が不足して強度が得られなくなる。次いで
Eに示すアニールを行うが、アニール温度は550〜6
50℃である。550℃未満であると残留応力除去とい
うアニールの目的を果たさず、また650℃を超えると
金属組織に影響をおよぼす。また、アニール時間は1〜
5時間である。アニール時間が1時間未満であると十分
に残留応力を除去できず、5時間を超えた場合はその効
果に著しい変化がない。最後にFに示すように室温まで
冷却する。以上により形成される本実施例の成形機用シ
リンダは、シリンダ母材の強度が著しく向上するため、
優れた疲労強度、特に耐クラック性を有する。
【0011】次に本実施例に用いる耐摩耗性及び耐食性
を有するライニング材を構成する合金成分について説明
する。Crの含有率は 5.0〜20.0 重量%である。Cr
はC、Bと結合して炭化物、硼化物を形成し、耐摩耗性
を向上させる作用を有し、また、Ni基地中に固溶して
強度と耐食性を向上させる作用を有するが、20.0 重量
%を超えると合金の融点を著しく上昇させて鋳造性を損
なうため好ましくない。5.0 重量%未満ではその効果を
発揮しない。特に好ましいCrの含有率は 10.0〜15.0
重量%である。Bの含有率は 1.5〜4.0 重量%である。
BはCr、Wと結して組織中に高硬度の硼化物を析出さ
せ、合金の硬度を向上させる作用を有するが、1.5重量
%未満ではその効果が十分ではなく、4.0重量%を超え
ると超共晶組織が粗大化し、かつ脆性を増すので好まし
くない。またCr量とB量の関係は、Cr量を増す場合
はB量を減らし、Cr量を減らす場合、B量を増すこと
により、合金が微細な組織となり強度の大きい共晶組成
となる。すなわちCr 10重量%のときB約2.5重量%が
本実施例における合金の共晶組成であり、このCrとB
の均衡を保つのが好ましい。またCr 10重量%のとき
W 5〜7 重量%の均衡を保つのが好ましい。
を有するライニング材を構成する合金成分について説明
する。Crの含有率は 5.0〜20.0 重量%である。Cr
はC、Bと結合して炭化物、硼化物を形成し、耐摩耗性
を向上させる作用を有し、また、Ni基地中に固溶して
強度と耐食性を向上させる作用を有するが、20.0 重量
%を超えると合金の融点を著しく上昇させて鋳造性を損
なうため好ましくない。5.0 重量%未満ではその効果を
発揮しない。特に好ましいCrの含有率は 10.0〜15.0
重量%である。Bの含有率は 1.5〜4.0 重量%である。
BはCr、Wと結して組織中に高硬度の硼化物を析出さ
せ、合金の硬度を向上させる作用を有するが、1.5重量
%未満ではその効果が十分ではなく、4.0重量%を超え
ると超共晶組織が粗大化し、かつ脆性を増すので好まし
くない。またCr量とB量の関係は、Cr量を増す場合
はB量を減らし、Cr量を減らす場合、B量を増すこと
により、合金が微細な組織となり強度の大きい共晶組成
となる。すなわちCr 10重量%のときB約2.5重量%が
本実施例における合金の共晶組成であり、このCrとB
の均衡を保つのが好ましい。またCr 10重量%のとき
W 5〜7 重量%の均衡を保つのが好ましい。
【0012】Cの含有率は 0.7 重量%以下である。C
は基地の硬さと強度を向上させる作用を有するが、0.7
重量%を超えると共晶度が上昇して脆くなり、強度が低
下するため好ましくない。Siの含有率は 1.0〜4.0 重
量%である。Siは合金の融点を低下させ、鋳造性を向
上する作用を有するが、1.0重量%未満では、その作用
が不十分となるため好ましくない。またSiはNi、C
uと金属化合物を形成して基地中に析出するため、耐摩
耗性を向上させる作用を有するが、4.0重量%を超える
と合金の靭性を損うため好ましくない。Mnは脱酸材と
しての作用をするが、その効果から含有率は 2.0重量%
以下とする。Feの含有率は 5.0〜20.0 重量%であ
る。Feは当初合金中に含有されなくても、鋼材からな
るシリンダ母材との溶着反応によりシリンダ母材から侵
入する。所定量のFeがシリンダ母材から合金へ移行す
ることがライニング材とシリンダ母材との完全な溶着を
遂行する上で必要であるが、Feが 5.0重量%未満で
は、その効果を発揮しない。またFeが増加すると硬さ
を低下させ、20.0重量%を超えるとその影響が無視でな
くなるため、好ましくない。
は基地の硬さと強度を向上させる作用を有するが、0.7
重量%を超えると共晶度が上昇して脆くなり、強度が低
下するため好ましくない。Siの含有率は 1.0〜4.0 重
量%である。Siは合金の融点を低下させ、鋳造性を向
上する作用を有するが、1.0重量%未満では、その作用
が不十分となるため好ましくない。またSiはNi、C
uと金属化合物を形成して基地中に析出するため、耐摩
耗性を向上させる作用を有するが、4.0重量%を超える
と合金の靭性を損うため好ましくない。Mnは脱酸材と
しての作用をするが、その効果から含有率は 2.0重量%
以下とする。Feの含有率は 5.0〜20.0 重量%であ
る。Feは当初合金中に含有されなくても、鋼材からな
るシリンダ母材との溶着反応によりシリンダ母材から侵
入する。所定量のFeがシリンダ母材から合金へ移行す
ることがライニング材とシリンダ母材との完全な溶着を
遂行する上で必要であるが、Feが 5.0重量%未満で
は、その効果を発揮しない。またFeが増加すると硬さ
を低下させ、20.0重量%を超えるとその影響が無視でな
くなるため、好ましくない。
【0013】Cuの含有率は 5.0〜20.0 重量%であ
る。CuはNi基地中に固溶して合金の融点を低下させ
るたる鋳造性を向上させるとともに、特にふっ酸に対す
る耐食性を向上させる作用を有するが、 5.0重量%未満
ではその作用が不十分であり、また 20.0重量%を超え
ると硬さを著しく低下させるため好ましくない。特に好
ましくは 8.0〜15.0 重量%である。Wの含有率は 3.0
〜15.0 重量%である。WもCr同様炭化物、硼化物を
形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有すると共にCu
と相乗的に作用して耐食性を向上させる。また、組織を
微細化させる作用も有するので高強度化に寄与する。3.
0重量%未満では上記効果は不十分であり、15.0重量%
を超えると鋳造性を悪くするので好ましくない。特に好
ましくは 5.0〜10.0 重量%である。
る。CuはNi基地中に固溶して合金の融点を低下させ
るたる鋳造性を向上させるとともに、特にふっ酸に対す
る耐食性を向上させる作用を有するが、 5.0重量%未満
ではその作用が不十分であり、また 20.0重量%を超え
ると硬さを著しく低下させるため好ましくない。特に好
ましくは 8.0〜15.0 重量%である。Wの含有率は 3.0
〜15.0 重量%である。WもCr同様炭化物、硼化物を
形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有すると共にCu
と相乗的に作用して耐食性を向上させる。また、組織を
微細化させる作用も有するので高強度化に寄与する。3.
0重量%未満では上記効果は不十分であり、15.0重量%
を超えると鋳造性を悪くするので好ましくない。特に好
ましくは 5.0〜10.0 重量%である。
【0014】Coの含有率は 3.0〜20.0 重量%であ
る。CoはCr及びBと化合して硼化物を形成し、耐摩
耗性と耐食性を向上させるが、Co含有量の増大にとも
なう製造原価の上昇により経済的効果を損なうので、そ
の上限を 20.0重量%とする。また、5.0重量%未満では
その効果が得られない。Niは耐摩耗性、耐食性を与え
るため基合金成分として残量%とする。
る。CoはCr及びBと化合して硼化物を形成し、耐摩
耗性と耐食性を向上させるが、Co含有量の増大にとも
なう製造原価の上昇により経済的効果を損なうので、そ
の上限を 20.0重量%とする。また、5.0重量%未満では
その効果が得られない。Niは耐摩耗性、耐食性を与え
るため基合金成分として残量%とする。
【0015】さらに本実施例においては、上述のライニ
ング材中に、NbCを分散させることにより、耐摩耗性
をさらに向上することができる。この場合、NbCの大
きさは50μm以下の微粒子状であるのが好ましい。ま
た、NbCの好ましい含有率は、ライニング材 100重量
部当り、3.0〜20.0重量部である。NbCは前記ライニ
ング材 100重量部に対して、3.0重量部未満ではその効
果が得られず、また 20.0重量部を超えるとライニング
材の粘度が大きくなり、遠心鋳造法による均一なライニ
ング層を形成することができなくなるとともに、強度の
低下が大きくなる。
ング材中に、NbCを分散させることにより、耐摩耗性
をさらに向上することができる。この場合、NbCの大
きさは50μm以下の微粒子状であるのが好ましい。ま
た、NbCの好ましい含有率は、ライニング材 100重量
部当り、3.0〜20.0重量部である。NbCは前記ライニ
ング材 100重量部に対して、3.0重量部未満ではその効
果が得られず、また 20.0重量部を超えるとライニング
材の粘度が大きくなり、遠心鋳造法による均一なライニ
ング層を形成することができなくなるとともに、強度の
低下が大きくなる。
【0016】本発明を以下の具体的実施例により詳細に
説明する。熱処理サイクルは図1を参照して説明する。 (実施例1)日本工業規格(JIS G 4105)に規定されるSC
M440相当のCr−Mo鋼を用いて、シリンダ母材を形成
した。次いで、ライニング材用合金を形成するために、
表1に示す組成の合金を配合するが、鋳造中にシリンダ
母材からFeが移行するため、この移行するFe量を見
込んだ配合とした。
説明する。熱処理サイクルは図1を参照して説明する。 (実施例1)日本工業規格(JIS G 4105)に規定されるSC
M440相当のCr−Mo鋼を用いて、シリンダ母材を形成
した。次いで、ライニング材用合金を形成するために、
表1に示す組成の合金を配合するが、鋳造中にシリンダ
母材からFeが移行するため、この移行するFe量を見
込んだ配合とした。
【0017】
【表1】
【0018】このようにして配合されたライニング材用
本発明合金を加熱溶解した後、加熱炉中にて1150℃
に加熱したシリンダ母材の中空部に鋳込温度1450℃
で遠心鋳造した(図1に示すA)。次いで、冷却温度4
0℃/分で、480℃のベイナイト変態を起こす温度ま
で冷却した後(図1に示すB)、20分間保持し(図1
に示すC)、次いで、加熱速度5℃/分で630℃のア
ニール温度まで再加熱した後(図1に示すD)、5時間
保持してアニールを行い(図1に示すE)、室温に至る
まで冷却した(図1に示すF)。以上により形成され
た、成形機用シリンダのシリンダ母材の組織は、図6の
金属組織に示すように、約50%のソルバイトとに形成
された。また、ライニング材の金属組織を図7に示す。
本発明合金を加熱溶解した後、加熱炉中にて1150℃
に加熱したシリンダ母材の中空部に鋳込温度1450℃
で遠心鋳造した(図1に示すA)。次いで、冷却温度4
0℃/分で、480℃のベイナイト変態を起こす温度ま
で冷却した後(図1に示すB)、20分間保持し(図1
に示すC)、次いで、加熱速度5℃/分で630℃のア
ニール温度まで再加熱した後(図1に示すD)、5時間
保持してアニールを行い(図1に示すE)、室温に至る
まで冷却した(図1に示すF)。以上により形成され
た、成形機用シリンダのシリンダ母材の組織は、図6の
金属組織に示すように、約50%のソルバイトとに形成
された。また、ライニング材の金属組織を図7に示す。
【0019】(実施例2)日本工業規格(JIS G 4103)に
規定されるSCM439相当のNi−Cr−Mo鋼を用いて、
シリンダ母材を形成し、次いで、実施例1と同様の構成
のライニング材を同様の方法により形成した。上記シリ
ンダ母材に上記ライニング材を鋳込温度1450℃で遠
心鋳造して(図1に示すA)成形機用シリンダを作製
し、次いで熱処理を施したが、その際の熱処理条件は、
冷却温度20℃/分(図1に示すB)ベイナイト変態を
起こす温度450℃、保持時間20分(図1に示す
C)、加熱速度5℃/分(図1に示すD)、アニール温
度600℃、アニール時間5時間(図1に示すE)であ
り、それ以外の条件は実施例1と同様とした。
規定されるSCM439相当のNi−Cr−Mo鋼を用いて、
シリンダ母材を形成し、次いで、実施例1と同様の構成
のライニング材を同様の方法により形成した。上記シリ
ンダ母材に上記ライニング材を鋳込温度1450℃で遠
心鋳造して(図1に示すA)成形機用シリンダを作製
し、次いで熱処理を施したが、その際の熱処理条件は、
冷却温度20℃/分(図1に示すB)ベイナイト変態を
起こす温度450℃、保持時間20分(図1に示す
C)、加熱速度5℃/分(図1に示すD)、アニール温
度600℃、アニール時間5時間(図1に示すE)であ
り、それ以外の条件は実施例1と同様とした。
【0020】(実施例3)実施例1と同様のCr−Mo
鋼を用いて、シリンダ母材を形成し、次いで、実施例1
と同様の化学成分含有率を有するライニング材に、前記
ライニング材100重量部に対して10重量部のNbC
を含有するようにライニング材用合金を配合し、実施例
1と同様の方法でライニング材を形成した。上記シリン
ダ母材に上記ライニング材を鋳込温度1450℃で遠心
鋳造して成形機用シリンダを作製し、次いで熱処理を施
したが、その際の熱処理条件は実施例1と同様とした。
得られたライニング材の金属組織を図8に示す。配合し
たNbCは均等に分散している。
鋼を用いて、シリンダ母材を形成し、次いで、実施例1
と同様の化学成分含有率を有するライニング材に、前記
ライニング材100重量部に対して10重量部のNbC
を含有するようにライニング材用合金を配合し、実施例
1と同様の方法でライニング材を形成した。上記シリン
ダ母材に上記ライニング材を鋳込温度1450℃で遠心
鋳造して成形機用シリンダを作製し、次いで熱処理を施
したが、その際の熱処理条件は実施例1と同様とした。
得られたライニング材の金属組織を図8に示す。配合し
たNbCは均等に分散している。
【0021】(実施例4)実施例2と同様のNi−Cr
−Mo鋼を用いて、シリンダ母材を形成し、実施例1と
同様の化学成分含有率を有する合金100重量部に対し
て10重量部のNbC微粒子を配合することにより、実
施例1と同様の方法でライニング材を形成した。上記シ
リンダ母材に上記ライニング材を1450℃の温度で遠
心鋳造して成形機用シリンダを作製し、次いで熱処理を
施したが、その際の熱処理条件は実施例1と同様とし
た。
−Mo鋼を用いて、シリンダ母材を形成し、実施例1と
同様の化学成分含有率を有する合金100重量部に対し
て10重量部のNbC微粒子を配合することにより、実
施例1と同様の方法でライニング材を形成した。上記シ
リンダ母材に上記ライニング材を1450℃の温度で遠
心鋳造して成形機用シリンダを作製し、次いで熱処理を
施したが、その際の熱処理条件は実施例1と同様とし
た。
【0022】(比較例)実施例1と同様のCr−Mo鋼
を用いて、シリンダ母材を形成し、次いで表1に示す組
成の合金を用いて、実施例1と同様の方法でライニング
材を形成した。上記シリンダ母材に上記ライニング材を
1100℃の温度で遠心鋳造して(図1に示すA)成形
機用シリンダを作製し、次いで熱処理を施したが、その
際の熱処理条件は、冷却速度60℃/分(図1に示す
B)、ベイナイト変態を起こす直前の温度620℃まで
冷却、保持時間20分(図1に示すC)、加熱速度5℃
/分(図1に示すD)、アニール温度630℃、アニー
ル時間5時間(図1に示すE)であり、それ以外の条件
は実施例1と同様とした。以上により形成された、成形
機用シリンダのシリンダ母材組織は、図9の金属組織に
示すように、パーライトを約90%有し、残部はフェラ
イトで構成されていた。
を用いて、シリンダ母材を形成し、次いで表1に示す組
成の合金を用いて、実施例1と同様の方法でライニング
材を形成した。上記シリンダ母材に上記ライニング材を
1100℃の温度で遠心鋳造して(図1に示すA)成形
機用シリンダを作製し、次いで熱処理を施したが、その
際の熱処理条件は、冷却速度60℃/分(図1に示す
B)、ベイナイト変態を起こす直前の温度620℃まで
冷却、保持時間20分(図1に示すC)、加熱速度5℃
/分(図1に示すD)、アニール温度630℃、アニー
ル時間5時間(図1に示すE)であり、それ以外の条件
は実施例1と同様とした。以上により形成された、成形
機用シリンダのシリンダ母材組織は、図9の金属組織に
示すように、パーライトを約90%有し、残部はフェラ
イトで構成されていた。
【0023】上述の実施例1〜4及び比較例の成形機用
シリンダについて、ライニング材の引張強さ(曲げ強さ
とワイブル値から算出した値)及びシリンダ母材の降伏
点応力を計測した。実施例1〜4について、ほぼ同様の
結果が得られたため、実施例1、比較例の結果を図2に
示す。
シリンダについて、ライニング材の引張強さ(曲げ強さ
とワイブル値から算出した値)及びシリンダ母材の降伏
点応力を計測した。実施例1〜4について、ほぼ同様の
結果が得られたため、実施例1、比較例の結果を図2に
示す。
【0024】さらに上述の実施例1〜4及び比較例の成
形機用シリンダについて、耐圧強度を計測した。実施例
1〜4について、ほぼ同様の結果が得られたため、実施
例1、比較例の結果を図3に示す。
形機用シリンダについて、耐圧強度を計測した。実施例
1〜4について、ほぼ同様の結果が得られたため、実施
例1、比較例の結果を図3に示す。
【0025】上述の実施例1〜4及び比較例の成形機用
シリンダから、10mm×15mm×10mmの大きさの試料を作製
し、#400の研磨紙に、荷重2.0kgで押圧し、480mの距離
を摺動させた後ライニング材の摩耗量を調べた。この結
果を、比較例の結果を10とした時の相対値によって表
し、耐摩耗性を評価した。実施例2は実施例1と、実施
例4は実施例3と同様の結果が得られたため、実施例
1、3及び比較例の結果を図4に示す。さらに上述の実
施例1〜4及び比較例の成形機用シリンダから、1.5mm
×4mm×10mmの大きさの試料を作製し、50℃の10%
HCl水溶液中に24時間浸潰した後に、ライニング材
の腐食減量率を調べた。この結果を、比較例の結果を1
とした時の相対値によって表し、耐食性を評価した。実
施例1〜4については同様の結果が得られたため、実施
例1、比較例について結果を図5に示す。
シリンダから、10mm×15mm×10mmの大きさの試料を作製
し、#400の研磨紙に、荷重2.0kgで押圧し、480mの距離
を摺動させた後ライニング材の摩耗量を調べた。この結
果を、比較例の結果を10とした時の相対値によって表
し、耐摩耗性を評価した。実施例2は実施例1と、実施
例4は実施例3と同様の結果が得られたため、実施例
1、3及び比較例の結果を図4に示す。さらに上述の実
施例1〜4及び比較例の成形機用シリンダから、1.5mm
×4mm×10mmの大きさの試料を作製し、50℃の10%
HCl水溶液中に24時間浸潰した後に、ライニング材
の腐食減量率を調べた。この結果を、比較例の結果を1
とした時の相対値によって表し、耐食性を評価した。実
施例1〜4については同様の結果が得られたため、実施
例1、比較例について結果を図5に示す。
【0026】図2から明らかなように、実施例1の成形
機用シリンダを形成するライニング材の引張強さは、比
較例の成形機用シリンダに比べて、約2倍以上に著しく
向上した。また実施例1のシリンダ母材の降伏点応力
は、比較例に対して80%以上向上した。さらに図3か
ら明らかなように、実施例1の成形機用シリンダの耐圧
強度は、比較例の成形機用シリンダに対して約80%向
上した。以上により、本実施例における成形機用シリン
ダは、ライニング材が十分な強度を有するとともに、シ
リンダ母材の強度が飛躍的に向上したため、耐クラック
性が著しく向上した。実施例1のライニング材の耐摩耗
性については、図4に示すように、耐摩耗性の評価は、
比較例を10とした時の相対値が7となり、摩耗量が減
少しており、耐摩耗性の向上が認められる。また、実施
例1のライニング材の酸に対する比較例を1とした時の
相対値は1.0となり、腐食減量率が同じであり、十分
な耐食性が得られた。
機用シリンダを形成するライニング材の引張強さは、比
較例の成形機用シリンダに比べて、約2倍以上に著しく
向上した。また実施例1のシリンダ母材の降伏点応力
は、比較例に対して80%以上向上した。さらに図3か
ら明らかなように、実施例1の成形機用シリンダの耐圧
強度は、比較例の成形機用シリンダに対して約80%向
上した。以上により、本実施例における成形機用シリン
ダは、ライニング材が十分な強度を有するとともに、シ
リンダ母材の強度が飛躍的に向上したため、耐クラック
性が著しく向上した。実施例1のライニング材の耐摩耗
性については、図4に示すように、耐摩耗性の評価は、
比較例を10とした時の相対値が7となり、摩耗量が減
少しており、耐摩耗性の向上が認められる。また、実施
例1のライニング材の酸に対する比較例を1とした時の
相対値は1.0となり、腐食減量率が同じであり、十分
な耐食性が得られた。
【0027】実施例3の成形機用シリンダについては、
実施例1とほぼ同様の結果が得られた。しかし、ライニ
ング材の耐摩耗性については、図4に示すように、比較
例を10とした得の相対値が4以下と、60%以上摩耗
量を減少し、耐摩耗性を飛躍的に向上することができ
た。以上、実施例1及び実施例3を例にとって比較例と
比較したが、実施例1と同様の結果を得た実施例2、実
施例3と同様の結果を得た実施例4についても同様の効
果を発揮することは勿論である。以上の結果のまとめと
して、表1に示した本発明ライニング材の特性を比較例
と併せて表2に示す。
実施例1とほぼ同様の結果が得られた。しかし、ライニ
ング材の耐摩耗性については、図4に示すように、比較
例を10とした得の相対値が4以下と、60%以上摩耗
量を減少し、耐摩耗性を飛躍的に向上することができ
た。以上、実施例1及び実施例3を例にとって比較例と
比較したが、実施例1と同様の結果を得た実施例2、実
施例3と同様の結果を得た実施例4についても同様の効
果を発揮することは勿論である。以上の結果のまとめと
して、表1に示した本発明ライニング材の特性を比較例
と併せて表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の成形機用
シリンダは、合金鋼からなる中空円筒形状のシリンダ母
材に、耐摩耗性合金からなるライニング材を設けている
が、本発明の方法に従って熱処理を施すことによって、
シリンダ母材の組織の20%以上をベイナイトにより形
成し、残部をソルバイトにより形成している。これによ
り、高速高圧の射出サイクルに対応して、ライニング材
に膨脹、収縮の応力がかかる場合でも、シリンダ母材が
優れた強度を有するので、ライニング材に生じる歪みを
抑え、優れた疲労強度、耐クラック性を有する成形機用
シリンダを、コストアップ、製作手数延長等の弊害を伴
わずに得ることができる。
シリンダは、合金鋼からなる中空円筒形状のシリンダ母
材に、耐摩耗性合金からなるライニング材を設けている
が、本発明の方法に従って熱処理を施すことによって、
シリンダ母材の組織の20%以上をベイナイトにより形
成し、残部をソルバイトにより形成している。これによ
り、高速高圧の射出サイクルに対応して、ライニング材
に膨脹、収縮の応力がかかる場合でも、シリンダ母材が
優れた強度を有するので、ライニング材に生じる歪みを
抑え、優れた疲労強度、耐クラック性を有する成形機用
シリンダを、コストアップ、製作手数延長等の弊害を伴
わずに得ることができる。
【図1】本発明の実施例成形機用シリンダの熱処理工程
を示すパターン図である。
を示すパターン図である。
【図2】実施例1、比較例のライニング材の引張強さ及
びシリンダ母材の降伏点応力を示す図である。
びシリンダ母材の降伏点応力を示す図である。
【図3】実施例1、比較例の耐圧強度を示す図である。
【図4】実施例1、実施例3、比較例の摩耗量の相対値
を示す図である。
を示す図である。
【図5】実施例1、比較例の腐食減量率の相対値を示す
図である。
図である。
【図6】実施例1のシリンダ母材の金属組織を示す顕微
鏡写真である。
鏡写真である。
【図7】実施例1のシリンダライニング材の金属組織を
示す顕微鏡写真である。
示す顕微鏡写真である。
【図8】実施例3のシリンダのライニング材の金属組織
を示す顕微鏡写真である。
を示す顕微鏡写真である。
【図9】比較例のシリンダ母材の金属組織を示す顕微鏡
写真である。
写真である。
【図10】成形機用シリンダの一例を示す概略断面図で
ある。
ある。
1 成形機用シリンダ 2 シリンダ母材 3 ライニング材 4 補強部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】このようにして配合されたライニング材用
本発明合金を加熱溶解した後、加熱炉中にて1150℃
に加熱したシリンダ母材の中空部に鋳込温度1450℃
で遠心鋳造した(図1に示すA)。次いで、冷却温度4
0℃/分で、480℃のベイナイト変態を起こす温度ま
で冷却した後(図1に示すB)、20分間保持し(図1
に示すC)、次いで、加熱速度5℃/分で630℃のア
ニール温度まで再加熱した後(図1に示すD)、5時間
保持してアニールを行い(図1に示すE)、室温に至る
まで冷却した(図1に示すF)。以上により形成され
た、成形機用シリンダのシリンダ母材の組織は、図7の
金属組織に示すように、約50%のソルバイトとに形成
された。また、ライニング材の金属組織を図6に示す。
本発明合金を加熱溶解した後、加熱炉中にて1150℃
に加熱したシリンダ母材の中空部に鋳込温度1450℃
で遠心鋳造した(図1に示すA)。次いで、冷却温度4
0℃/分で、480℃のベイナイト変態を起こす温度ま
で冷却した後(図1に示すB)、20分間保持し(図1
に示すC)、次いで、加熱速度5℃/分で630℃のア
ニール温度まで再加熱した後(図1に示すD)、5時間
保持してアニールを行い(図1に示すE)、室温に至る
まで冷却した(図1に示すF)。以上により形成され
た、成形機用シリンダのシリンダ母材の組織は、図7の
金属組織に示すように、約50%のソルバイトとに形成
された。また、ライニング材の金属組織を図6に示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】実施例1のシリンダライニング材の金属組織を
示す顕微鏡写真である。
示す顕微鏡写真である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】実施例1のシリンダ母材の金属組織を示す顕微
鏡写真である。
鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天田 正昭 北九州市若松区北浜一丁目9番1号 日立 金属株式会社若松工場内
Claims (9)
- 【請求項1】 合金鋼からなる中空円筒形状のシリンダ
母材と、前記シリンダ母材の内面に存する耐摩耗性及び
耐食性に優れたライニング材とを有する成形機用シリン
ダにおいて、前記ライニング材は、Cr 5.0〜20.0 重
量%、B 1.5〜4.0 重量%、C 0.7 重量%以下、Si
1.0〜4.0 重量%、Mn 2.0 重量%以下、Fe 5.0〜2
0.0 重量%、Cu 5.0〜20.0 重量%、W 3.0〜15.0 重
量%、Co 3.0〜20.0 重量%、残部実質的にNi及び
不可避的不純物のNi基合金からなることを特徴とする
成形機用シリンダ。 - 【請求項2】 請求項1に記載の成形機用シリンダにお
いて、前記シリンダ母材の組織は、ベイナイト20%以
上、残部ソルバイトからなることを特徴とする成形機用
シリンダ。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の成形機用
シリンダにおいて、前記ライニング材は、Cr 5.0〜2
0.0 重量%、B 1.5〜4.0 重量%、C 0.7 重量%以
下、Si 1.0〜4.0 重量%、Mn 2.0 重量%以下、F
e 5.0〜20.0 重量%、Cu 5.0〜20.0 重量%、W 3.0
〜15.0 重量%、Co 3.0〜20.0 重量%、残部実質的に
Ni及び不可避的不純物からなるNi基合金 100 重量
部当り 3.0〜20.0 重量部のNbCを分散させてなるこ
とを特徴とする成形機用シリンダ。 - 【請求項4】 請求項1及至3のいずれかに記載の成形
機用シリンダにおいて、前記ライニング材のCuが 8.0
〜15.0 重量%であことを特徴とする成形機用シリン
ダ。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の成形
機用シリンダにおいて、W 5.0〜10.0 重量%であるこ
とを特徴とする成形機用シリンダ。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の成形
機用シリンダにおいて、前記シリンダ母材を形成する合
金鋼が、C 0.3〜0.5 重量%、Si 0.15〜0.35 重量
%、Mn 0.3〜1.5 重量%、P 0.03 重量%以下、S
0.03 重量%以下、Cr 0.7〜1.5 重量%、Mo 0.1〜
0.5 重量%、残部実質的にFe及び不可避的不純物から
なるCr−Mo鋼であることを特徴とする成形機用シリ
ンダ。 - 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載の成形
機用シリンダにおいて、前記シリンダ母材を形成する合
金鋼が、C 0.3〜0.5 重量%、Si 0.15〜0.35 重量
%、Mn 0.3〜1.5 重量%、P 0.03 重量%以下、S
0.03 重量%以下、Ni 3.0 重量%以下、Cr 0.7〜1.
5 重量%、Mo 0.1〜0.5 重量%、残部実質的にFe及
び不可避的不純物からなるNi−Cr−Mo鋼であるこ
とを特徴とする成形機用シリンダ。 - 【請求項8】 請求項2乃至7のいずれかに記載の成形
機用シリンダの製造方法において、ライニング材をシリ
ンダ母材内に入れて遠心鋳造後、20〜200℃/分の冷却
速度でベイナイト変態を起こす温度領域まで冷却し、そ
こで10分以上保持後、1〜10℃/分の加熱速度で、550〜
650℃のアニール温度まで加熱し、アニール後室温まで
冷却することを特徴とする方法。 - 【請求項9】 請求項8に記載の成形機用シリンダの製
造方法において、前記ベイナイト変態を起こす領域が30
0〜600℃であることを特徴とする方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4226775A JPH0673477A (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 成形機用シリンダ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4226775A JPH0673477A (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 成形機用シリンダ及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0673477A true JPH0673477A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=16850420
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4226775A Pending JPH0673477A (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | 成形機用シリンダ及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0673477A (ja) |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6289835A (ja) * | 1985-10-16 | 1987-04-24 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 耐摩耗・耐食性遠心被覆用Ni基合金 |
| JPH0429817A (ja) * | 1990-05-25 | 1992-01-31 | Hitachi Metals Ltd | 成形機用シリンダ及びその製造方法 |
| JPH04185414A (ja) * | 1990-11-20 | 1992-07-02 | Hitachi Metals Ltd | 耐食耐摩耗性焼結合金からなるライニング層を有する複合シリンダ |
| JPH04185415A (ja) * | 1990-11-20 | 1992-07-02 | Hitachi Metals Ltd | 耐食耐摩耗性焼結合金からなるライニング層を有する複合シリンダ |
-
1992
- 1992-08-26 JP JP4226775A patent/JPH0673477A/ja active Pending
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6289835A (ja) * | 1985-10-16 | 1987-04-24 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 耐摩耗・耐食性遠心被覆用Ni基合金 |
| JPH0429817A (ja) * | 1990-05-25 | 1992-01-31 | Hitachi Metals Ltd | 成形機用シリンダ及びその製造方法 |
| JPH04185414A (ja) * | 1990-11-20 | 1992-07-02 | Hitachi Metals Ltd | 耐食耐摩耗性焼結合金からなるライニング層を有する複合シリンダ |
| JPH04185415A (ja) * | 1990-11-20 | 1992-07-02 | Hitachi Metals Ltd | 耐食耐摩耗性焼結合金からなるライニング層を有する複合シリンダ |
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