JPH0674155B2 - 結晶質泡ガラスの製法 - Google Patents

結晶質泡ガラスの製法

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JPH0674155B2
JPH0674155B2 JP63173185A JP17318588A JPH0674155B2 JP H0674155 B2 JPH0674155 B2 JP H0674155B2 JP 63173185 A JP63173185 A JP 63173185A JP 17318588 A JP17318588 A JP 17318588A JP H0674155 B2 JPH0674155 B2 JP H0674155B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築物の壁材、天井材、床材等に利用される泡
ガラス、特に熱衝撃性、機械的強度等に優れた結晶質泡
ガラスの製法に関する。
〔従来の技術とその問題点〕
泡ガラスは不燃、軽量、断熱性の点において極めて優れ
ており、その特性を利用して建材等として使用されつつ
あるが、一方耐熱衝撃性、機械的強度等において不充分
であり、従来よりこれを改善するために結晶化させる試
みがなされている。
例えば特公昭38−26470号にはSiO2、Li2O、P2O5を必須
成分とするガラス粉末に発泡剤を混合したものを加熱発
泡させ、一たん冷却後再加熱して結晶化させることが、
また特開昭54−152011号にはホウ珪酸系ガラス粉末に発
泡剤を加えて混合し、加熱処理により発泡、結晶化させ
ることが、さらに特開昭59−92944号にはソーダ石灰系
ガラス粉末にZr、Ti等の化合物、アルカリ土類金属化合
物、および発泡剤を混合し、昇温制御して発泡、結晶化
させることが開示されている。
これら公知例において、前者はLi2O-SiO2系結晶を析出
させるもので、その熱膨張係数が低いことから、優れた
耐熱衝撃性を示すが、原料コストが高く、精緻かつ長時
間の結晶化処理工程を必要とし、製造効率に劣り、建築
用材料等に汎用するうえで生産性、経済性に難点を有す
る。
後二者は最も一般的かつ低廉なソーダ石灰系あるいは耐
熱ガラスとして汎用されるホウ珪酸系ガラスにクリスト
バライト結晶を析出させるものであるが、クリストバラ
イト自体は200℃付近の低温度で著しい体積変化を伴な
う転移があり、耐熱衝撃性や機械的強度を損ない易い。
さらにこれら公知例はいずれもガラス粉を出発原料とす
るものであるが、汎用建材を量産するうえで組成の揃っ
たガラスカレットを多量に準備するのは困難であり、あ
るいは一たん高温溶融しガラスとしたものを再度熱処理
に付し発泡結晶化させるのは経済上、効率上得策ではな
い。
本発明の目的の一つはこれら公知例と異なり、ソーダ石
灰系ガラスの元原料である安価な天然原料を主材とした
シリカ−石灰−ソーダ系出発原料および発泡剤を熱処理
により直にガラス化および針状結晶析出せしめ、かつ発
泡せしめた結晶質ガラスの製法を提供することにある。
一方、従来ソーダ−石灰系板ガラスや容器ガラスの製造
において、特に失透と称する結晶の析出があり、透視像
を歪めたり局部歪を発生させる欠点として忌避されてい
たが、泡ガラスにおいては本来空気泡により光散乱非透
視性を有するので光学上の問題とはならない。また微細
な針状結晶を無数に析出させ、かつそれらを相互に交錯
した状態にすれば機械的強度が増大し、またガラスのご
とく比較的低い温度で軟化するようなこともなく、耐熱
性も向上させることができる。
すなわち本発明の他の目的は針状結晶を無数に析出させ
機械的強度や耐熱性を増大した結晶質泡ガラスの製法を
提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は針状結晶を固相全体の20vol%以上含有したソ
ーダ石灰系結晶質泡ガラスの製法において、SiO2分の50
wt%以上が結晶質シリカからなるシリカ系原料、石灰系
原料、ソーダ系原料および発泡剤からなる粉体混合物ま
たは混合スラッジを成形する段階、該成形体をソーダ系
原料の溶解温度以上に加熱する段階、当該温度以上ない
し液相温度未満の温度範囲の適宜温度に加熱維持し、発
泡させ、かつ針状結晶を析出せしめる段階よりなるこ
と、前記針状結晶がNa2CaSi3O8、デビトライトまたはウ
ォラストナイトの1種以上であることからなる。
本発明においてシリカ系原料として石英、トリジマイト
等の結晶質シリカを少なくとも50wt%(以下重量%をあ
らわすときは単に%で示す)以上含むものを用い、石灰
系原料として消石灰、石灰石等カルシウム化合物を含む
ものを使用し、またはアルカリ土類金属化合物を含むも
のを併用し、さらにソーダ系原料として炭酸ソーダ、苛
性ソーダ等ナトリウム化合物を含むものを使用し、また
はカリウム、リチウム化合物を含むものを併用してもよ
い。
シリカ系原料として結晶質シリカを用いず、例えばガラ
スを用いるとNa2CaSi3O8、デビトライト、ウォラストナ
イト等の針状結晶の再結晶化にきわめて長時間の熱処理
を必要とし、また耐熱衝撃性等に悪影響を及ぼすクリス
トバライトを析出し易い。
一方シリカ系原料として石英等の結晶物を多く用いるこ
とにより、加熱過程でまず該シリカ系原料の一部が殆ど
のアルカリ系原料および一部の石灰系原料と反応してア
ルカリ分に富んだNa2O-CaO-SiO2系融体を形成し、融体
と発泡剤との反応により発泡し、さらに前記融体と未反
応のシリカ系原料、石灰系原料とが反応して前記針状結
晶の生成を容易とする。結晶質シリカは50%以上含むこ
とが必要である。
これらシリカ系原料としては珪砂、珪石、珪岩、あるい
は石英等のシリカ粒を比較的多量に含有する火山灰や凝
灰岩等がある。
シリカ系原料、特に結晶質シリカが石灰、ソーダ系フラ
ックスと迅速に反応するためにはその粒度を微細化する
ことが好ましく、望ましくは270メッシュ以下である。
発泡剤は公知のCaSO4、Na2SO4、CaCO3、MgCO3、As2O3
Sb2O3等が採用できる。またNa2CO3は分解時にCO2の殆ど
が系外に逸脱するが、一部は残留し多泡化に寄与する。
発泡剤の量は所望するかさ比重に応じ適宜決定する。
本発明において成分範囲をSiO265〜80%、CaO7〜20%、
Na2O10〜20%とすることにより、熱処理が容易であり、
発泡過程で適度な粘性を呈し、均一かつ安定した発泡体
が得られ易く、スムーズな針状結晶の再結晶化が行なわ
れる等多くの利点を有する。当該成分系においてはNa2C
aSi3O8、デビトライト、ウォラストナイトおよびクリス
トバライト(シリカ)の晶出領域にある。うちクリスト
バライトは針状結晶を形成せず、比較的低い温度で転移
による異常体積変化があり、耐熱衝撃や機械的強度に劣
るので好ましくないが、本発明によればその晶出を抑制
できる。
SiO2が65%未満では気泡径が不均一で粗大泡を生じ易
く、微細かつ均一に針系結晶すなわちNa2CaSi3O8、デビ
トライトまたはウォラストナイト等を析出し難く、また
ガラスマトリックスをアルカリ分過剰とし、耐熱、耐候
性等において不充分となる。一方80%を超えると溶融過
程におけるSiO2-Na2O-CaO功融体の生成量が過少であ
り、従って前記針状結晶の生成が不充分となる。
Na2Oが10%未満またはCaOが7%未満であるとNa2Oまた
はCaOが過少のため前記針状結晶の生成が不充分とな
り、一方Na2OまたはCaOが20%を超えると、微細かつ均
一に針状結晶を析出し難く、気泡径も不均一かつ粗大に
なり易い。
SiO2に対し4%以下の範囲でAl2O3を、CaOに対し、その
1/3以下かつ6%以下の範囲でMgO、SrOまたはBaOの1種
以上を、Na2Oに対し4%以下の範囲でK2OまたはLi2Oの
1種以上を置換導入しても差支えない。またB2O3を5%
以下の範囲で添加導入しても結晶析出系に何等影響しな
い。
不純物としての0.5〜0.6%程度のFe2O3、MnO2、TiO2
の混入は何等影響を受けない。
本発明におけるより好適な組成範囲を例示すれば、SiO2
68〜75%、Al2O30〜3%、CaO8〜15%、MgO0〜5%、Na
2O10〜15%、K2O0〜3%である。
なお、公知の核形成剤であるZrO2、TiO2等を数%オーダ
ーで導入してもむしろクリストバライトが生成し易いの
で好ましくない。
一方粒径数μないし数十μのウォラストナイトを前記原
料に対し0.2〜0.3%ないし数%程度分散混入することに
よりウォラストナイトやデビトライトの晶出が促進され
る傾向にある。
前記した原料は混合した後公知の圧縮、押出または鋳込
成形法により成形する。概してソーダ系原料として炭酸
ソーダを用いるに際しては、乾式圧縮成形するのが好ま
しく、一方、例えば水添加スラッジを鋳込成形した場
合、炭酸ソーダの凝集膠着あるいはシリカ質原料との分
離不均一化が生じ易い。また苛性ソーダを用いるに際し
ては、泥漿鋳込成形するのが好ましく、一方、例えば乾
式成形した場合、成形後加熱過程で成形体が崩壊し易
い。
なお乾式圧縮成形においては基本的には成形後の取扱に
際して試料が崩壊しない程度にプレスすることが必要で
あるが、原料相互の接触を密にし反応性を向上させるう
えで20kg/cm2以上で加圧するのがよい。
成形後の原料は熱処理に付される。ソーダ系原料の殆ど
と石灰系原料の一部は略700℃ないし850℃で分解溶融が
進行し、一部の結晶質シリカと反応してアルカリ分に富
んだNa2O-CaO-SiO2系融体を形成する。なお分解溶融お
よび融体形成反応は850℃において著しい。
さらに前記分解溶融温度以上ないし液相温度以下に維持
することにより発泡し、かつ前記融体と未反応のシリカ
原料および石灰系原料との反応により針状結晶が生成す
る。なお液相温度以上に維持すると一時的に結晶が析出
しても消失し、また成形体の形状維持が困難となるので
好ましくない。液相温度は公知の状態図から確認でき、
あるいは予め当該成分系のサンプルを作成して公知の測
定手法により液相温度を測定してもよい。
本成分系においては1100℃またはそれ以下程度である。
当該発泡、結晶析出温度で維持することにより結晶相が
増大するが、固相中の結晶相が20vol%以上でないと充
分な耐熱衝撃性や機械的強度が得られ難い。
なお、前記析出結晶相以外に、ガラス相、残留石英が認
められる。残留石英は同じシリカ相であるクリストバラ
イトのごとき異常体積変化がなく、熱に対して安定であ
る点において好ましい。
〔実施例〕
シリカ系原料として石英約90%、長石約10%を含む粒度
80〜100メッシュ、200〜270メッシュ、270メッシュ以下
および325メッシュ以下の珪砂を用いた。
石灰系原料として消石灰〔Ca(OH)〕の粉末(粒度27
0メッシュ)を、ソーダ系原料として市販の炭酸ソーダ
(Na2CO3)の粉末を用いた。
発泡を目的とし、かつ石灰分供給源として市販の硫酸カ
ルシウム(CaSO4、2H2O)および炭酸カルシウム(CaC
O3)をCaO換算で総計5%以下の範囲で用いた。
これら原料を調合し酸化物組成でSiO271.3%、Al2O31.4
%、CaO12.7%、Na2O12.8%、K2O0.8%からなる混合体
とした。なお原料からの不純物として若干量のFe2O3、T
iO2およびSO3の残留が見込まれる。
これらを方型プレス型に充填し50kg/cm3の圧力下1分間
加圧して成形試料を作製した。
試料は抵抗加熱電気炉に配置し600℃まで比較的急速に
加熱し、当該温度で試料表面−内部を均熱化すべく10分
保持し、次いで10℃/分の速度で昇温し、800℃〜1100
℃間の所定温度で所定時間保持し徐冷した。
得られた試料について以下の測定を行なった。
比重測定;比重ビンを用いた公知の測定手法による。
結晶の同定;主にX線回析および鏡下観察により、また
EPMA分析を併用した。
固相中の結晶量(体積率)の測定;複数試料の複数の任
意切断面について鏡下で結晶相面積率を測定し、平均し
て体積率を算出した。
熱衝撃試験(急熱急冷試験);所定温度に保持した電気
炉中に試料片を投入し、10分後取出して破損の有無を目
視した。うち破損の生じていない上限温度を急熱耐用温
度とした。
次いで10℃の水中に投入急冷し、急熱にも破損せず、当
該急熱温度からの急冷でも亀裂が生じない前記急熱温度
の上限を急熱急冷耐用温度とした。
さらに別の原料構成例において、シリカ源としてSiO2
の50%を珪砂から他の50%をパイレックスガラス粉末
(SiO282%、B2O311%)から供給し、他は前記同様石
灰、ソーダ原料を用いて混合、プレス成形、熱処理を行
ない、同様に測定した。なおこの場合泡ガラス中にはB2
O3が約4%含まれ、その分主にSiO2が減少する。
一方、比較例としてシリカ分のうち石英が40%混入し他
にガラス相、若干の輝石を含む火山性ガラス精製物(Si
O282%、Al2O312%、Fe2O30.7%、CaO0.9%、MgO0.4
%、Na2O1%、K2O2%(Ig loss1%))も同様に原料調
製、成形、熱処理し測定に供した。なお泡ガラス中には
Al2O3が約9%含まれ、その分主にSiO2が減少する。
また板ガラスカレットに発泡剤としての炭酸カルシウム
(CaO換算で0.5%)を混合し同様に処理したものについ
ても測定に供した。
結果は第1表に示すようにシリカ源として珪砂、あるい
は石英量50%の珪砂+パイレックスガラスを用いたもの
は850℃以上(炭酸ソーダの溶解、反応温度以上)、110
0℃未満(液相温度未満)に熱処理、維持することによ
りかさ比重1.6以下に発泡膨張しNa2CaSi3O8、デビトラ
イトまたはウォラストナイトの針状結晶が固相中に少な
くとも20vol%以上析出している。また実施例10はウォ
ラストナイト(325メッシュ以下)と予め原料中に1%
混合分散したもので、例えば実施例7に対比しウォラス
トナイトがより多く析出していることがわかる。
なお比較例1は炭酸ソーダが充分溶解反応し得ない温
度、比較例2は液相温度以上で熱処理を施したもので、
前者は結晶生成が不充分であり、後者はガラス化が進み
軟化したことを示す。
比較例5の板ガラスカレット系を結晶化(2時間熱処
理)させたものは、デビトライト、ウォラストナイトが
析出しているがその量は%オーダー以下と僅少で急熱試
験においても明白な耐熱衝撃効果を示さない。また表示
しないがさらに1昼夜熱処理してもデビトライト、ウォ
ラストナイト、クリストバライトの結晶量は20%未満で
あり、クリストバライトが析出していることもあって熱
衝撃に対して脆い。
これら実施例は比較例1、3、4に対比すると明らかな
ように優れた耐急熱急冷性(700℃以上)を示すが、破
断された部分について観察すると、例えば比較例3の板
ガラスカレット系がガラス特有の貝殻状破断面を呈して
いるのに対し、実施例は針状結晶が入込んだ凹凸の激し
い破断面を呈しており、ガラスを接続掛止する作用を有
することが推察される。また比較例4石英量40%の火山
性ガラス質物を用いたものは熱処理に際してアルミナ分
を多く含む粘稠液を形成し、結晶が析出し難く、約1%
のネフェリン、ウォラストナイトが認められるが明白な
耐熱衝撃性を示さない。
さらに実施例5、7と比較例3の試料について抗折強度
を測定したところ、後者の比較例が90kg/cm2であるのに
対し前二者の実施例は夫々170,200kg/cm2にも達してお
り結晶相が機械的強度の向上にも効果を発揮しているこ
とは明白であった。
〔発明の効果〕 本発明によれば、比較的低温、短時間の熱処理により、
効率的かつ低コストで、非ガラス系元原料から針状結晶
を多く含む結晶質泡ガラスを製造でき、また該結晶質泡
ガラスは耐熱衝撃性、機械的強度等において優れるとい
う効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】針状結晶を固相全体の20vol%以上含有す
    るソーダ石灰系結晶質泡ガラスの製法において、SiO2
    の50wt%以上が結晶質シリカからなるシリカ系原料、石
    灰系原料、ソーダ系原料および発泡剤からなる粉体混合
    物または混合スラッジを成形する段階、該成形体をソー
    ダ系原料の溶解温度以上に加熱する段階、当該温度以上
    ないし液相温度未満の温度範囲の適宜温度に加熱維持
    し、発泡させ、かつ針状結晶を析出せしめる段階よりな
    ることを特徴とする結晶質泡ガラスの製法。
  2. 【請求項2】針状結晶がNa2CaSi3O8、デビトライトまた
    はウォラストナイトの1種以上からなることを特徴とす
    る請求項1記載の結晶質泡ガラスの製法。
JP63173185A 1988-07-12 1988-07-12 結晶質泡ガラスの製法 Expired - Lifetime JPH0674155B2 (ja)

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