JPH0674476B2 - 高強度および高硬度を有する析出強化型耐食Ni基合金 - Google Patents

高強度および高硬度を有する析出強化型耐食Ni基合金

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JPH0674476B2
JPH0674476B2 JP60141823A JP14182385A JPH0674476B2 JP H0674476 B2 JPH0674476 B2 JP H0674476B2 JP 60141823 A JP60141823 A JP 60141823A JP 14182385 A JP14182385 A JP 14182385A JP H0674476 B2 JPH0674476 B2 JP H0674476B2
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与司夫 滝沢
章 三橋
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、特に高強度および高硬度を有し、かつ耐食
性にもすぐれた析出強化型Ni基合金に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
一般に、化学プラント、電気めっき装置、および半導体
装置などの構造部材、食品加工および医療用器具、さら
に海水などにさらされる各種刃物や手工具等には、すぐ
れた耐食性が要求されることから、各種の耐食Ni基合金
が用いられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、近年、上記の耐食Ni基合金が適用されている産
業分野においても軽量化および薄肉化が要求されるよう
になってきたが、上記の各種耐食Ni基合金は、すぐれた
耐食性をもつものの、強度および硬さが不十分なため
に、これらの要求を満足することができないのが現状で
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、すぐれ
た耐食性を具備した上で、さらに高強度と高硬度を有す
る合金を開発すべく研究を行なった結果、重量%で(以
下%は重量%を示す)、 Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、さらに、必要に応じて、 (a)W,Cu,およびVのうちの1種または2種以上:0.1
〜5%, (b)BおよびCaのうちの1種または2種:0.001〜0.01
%, (c)Co:0.1〜5%, 以上(a)〜(c)のうちの1種または2種以上を含有
し、残りがNiと不可避不純物からなる組成を有するNi基
合金は、すぐれた耐食性を有し、さらに素地中に微細に
析出した金属間化合物によって高強度と高硬度を具備す
るようになるという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであっ
て、以下に成分組成を上記の通りに限定した理由を説明
する。
(a)Cr Cr成分には、素地に固溶して合金の耐食性を向上させる
ほか、素地中に微細に析出し、かつ合金成分で構成され
た金属間化合物を形成して、合金の強度および硬さを向
上させる作用があるが、その含有量が12%未満では前記
作用に所望の効果が得られず、一方24%を越えて含有さ
せると、合金の塑性加工が困難になることから、その含
有量を12〜24%と定めた。
(b)Mo Mo成分には、Cr成分と同様に、これと共存した状態で、
耐食性、強度、および硬さを向上させる作用があるが、
その含有量が10%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方、その含有量が16%を越えると、塑性加工が
困難になることから、その含有量を10〜16%と定めた。
(c)Fe Fe成分には、合金の熱間加工性を改善する作用がある
が、その含有量が0.1%未満では所望の改善効果が得ら
れず、一方その含有量が15%を越えると、合金の耐食性
が劣化するようになることから、その含有量を0.1〜15
%と定めた。
(d)AlおよびTi これらの成分には、素地中に金属間化合物を析出させ、
もって合金の強度および硬さを向上させる作用がある
が、その含有量が、それぞれAl:0.5%以下,Ti:0.1%未
満では、金属間化合物の析出がほとんど見られず、した
がって所望の高強度および高硬度を確保することができ
ず、一方その含有量がそれぞれAl:5%,Ti:4.5%を越え
ると、塑性加工性および耐食性が劣化するようになるこ
とから、その含有量を、それぞれAl:0.5%超〜5%,Ti:
0.1〜4.5%と定めた。
(e)W,Cu,およびV これらの成分には、合金の耐食性を一段と向上せしめる
作用があるので、特により一層の耐食性が要求される場
合に必要に応じて含有されるが、その含有量が0.1%未
満では所望の耐食性向上効果が得られず、一方その含有
量が5%を越えると塑性加工が困難になることから、そ
の含有量を0.1〜5%と定めた。
(f)BおよびCa これらの成分には、熱間加工性を向上させる作用がある
ので、特にすぐれた熱間加工性が要求される場合に必要
に応じて含有されるが、その含有量が0.001%未満では
前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その含有量
が0.01%を越えると逆に加工性に劣化傾向が現われるよ
うになることから、その含有量を0.001〜0.01%と定め
た。
(g)Co Co成分には、機械的性質、特に硬さを増して、耐摩耗性
を向上させる作用があるので、これらの特性が要求され
る場合に必要に応じて含有されるが、その含有量が0.1
%未満では所望の硬さ向上効果が得られず、一方その含
有量が5%を越えると合金が脆化するようになることか
ら、その含有量を0.1〜5%と定めた。
(h)不可避不純物 合金溶製時に脱酸剤や脱硫剤を使用するので、不可避不
純物としてMn,Mg,C,およびSiなどの含有は避けられない
が、これらの含有量が、それぞれMn:0.1%以下,Mg:0.05
%以下,C:0.015%以下,およびSi:0.05%以下であれ
ば、合金特性が何らそこなわれるものではない。
〔実施例〕
つぎに、この発明のNi基合金を実施例により具体的に説
明する。
通常の真空溶解法を用いて、それぞれ第1表に示される
成分組成をもった溶湯を調製し、直径:60mmφ×長さ:20
0mmの寸法をもったインゴットに鋳造し、このインゴッ
トを熱間鍛造により幅:80mm×厚さ:25mmの寸法をもった
厚板とし、ついで、この厚板に傷とりを施した後、1120
〜1250℃の範囲内の所定の熱間圧延開始温度にて熱間圧
延を施して厚さ:3mmの熱延板とし、引続いて、この熱延
板に、温度:1200℃に30分間保持の条件で溶体化処理を
行なった後、冷間圧延を施して板厚:1.2mmの冷延板と
し、最終的に、この冷延板:600〜800℃の範囲内の所定
温度に10時間保持の条件で時効処理を施すことによっ
て、本発明Ni基合金1〜26、および従来耐食Ni基合金と
して知られているJIS・NCFの板材(以下従来Ni基合金板
材という)1〜3をそれぞれ製造した。
つぎに、この結果得られた本発明Ni基合金板材1〜26お
よび従来Ni基合金板材1〜3について、強度を評価する
目的で引張り強さを、また 硬さを評価する目的でビッカース硬さを測定し、さらに
耐食性を評価する目的で、15mm×25mm×1.2mmの寸法を
もった試験片を用い、温度:30℃の10重量%HCl水溶液中
に24時間浸漬の腐食試験を行ない、この腐食結果にもと
づいて腐食速度を算出した。これらの結果を第1表に合
せて示した。
〔発明の効果〕
第1表に示される結果から、本発明Ni基合金板材1〜26
は、いずれも従来Ni基合金板材1〜3と同等のすぐれた
耐食性を示し、かつこれより著しく高い強度と硬さをも
つことが明らかである。
上述のように、この発明のNi基合金は、すぐれた耐食性
と共に高強度と高硬度を有するので、これを特に耐食性
が要求される産業分野に用いた場合に、軽量化と薄肉化
がはかれるようになるのである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする高強度および高硬度
    を有する析出強化型耐食Ni基合金。
  2. 【請求項2】Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、さらに、 W,Cu、およびVのうちの1種または2種以上:0.1〜5
    %、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする高強度および高硬度
    を有する析出強化型耐食Ni基合金。
  3. 【請求項3】Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、さらに、 BおよびCaのうちの1種または2種:0.001〜0.01%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする高強度および高硬度
    を有する析出強化型耐食Ni基合金。
  4. 【請求項4】Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、さらに、 Co:0.1〜5%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする高強度および高硬度
    を有する析出強化型耐食Ni基合金。
  5. 【請求項5】Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、さらに、 W,Cu、およびVのうちの1種または2種以上:0.1〜5
    %、 BおよびCaのうちの1種または2種:0.001〜0.01%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする高強度および高硬度
    を有する析出強化型耐食Ni基合金。
  6. 【請求項6】Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、さらに、 W,Cu、およびVのうちの1種または2種以上:0.1〜5
    %、 Co:0.1〜5%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする高強度および高硬度
    を有する析出強化型耐食Ni基合金。
  7. 【請求項7】Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、さらに、 BおよびCaのうちの1種または2種:0.001〜0.01%、 Co:0.1〜5%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする高強度および高硬度
    を有する析出強化型耐食Ni基合金。
  8. 【請求項8】Cr:12〜24%、 Mo:10〜16%、 Fe:0.1〜15%、 Al:0.5%超〜5%、 Ti:0.1〜4.5%、 を含有し、さらに、 W,Cu、およびVのうちの1種または2種以上:0.1〜5
    %、 BおよびCaのうちの1種または2種:0.001〜0.01%、 Co:0.1〜5%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有することを特徴とする高強度および高硬度
    を有する析出強化型耐食Ni基合金。
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