JPH0675425U - 吸入毒性試験装置 - Google Patents
吸入毒性試験装置Info
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- JPH0675425U JPH0675425U JP2210693U JP2210693U JPH0675425U JP H0675425 U JPH0675425 U JP H0675425U JP 2210693 U JP2210693 U JP 2210693U JP 2210693 U JP2210693 U JP 2210693U JP H0675425 U JPH0675425 U JP H0675425U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 試験物質のダストもしくはミストを用いてラ
ット等の被試験動物に対し頭部暴露方式で吸入毒性試験
を行なうための装置において、ダストもしくはミストを
中空室の下方から供給するとともに上方で排出させて、
その中間で被試験動物にダストもしくはミストを吸入さ
せるにあたり、中空室内へのダストもしくはミストの供
給流量は変えずに、中空室内でのダストもしくはミスト
の上昇流速を変え得るようにし、これによって簡単かつ
安価な構成にて被試験動物に吸入される最大粒子径を変
化させ得るようにする。 【構成】 中空室の中央部に、その中空室の内径よりも
小さい外径の占積体を着脱可能に配設して、中空室内周
面と占積体の外周面との間の環状の流路をダストもしく
はミストが上昇するようにし、かつ占積体として外径の
異なるものを複数種用意して、異なる外径の占積体に交
換し得るように構成した。
ット等の被試験動物に対し頭部暴露方式で吸入毒性試験
を行なうための装置において、ダストもしくはミストを
中空室の下方から供給するとともに上方で排出させて、
その中間で被試験動物にダストもしくはミストを吸入さ
せるにあたり、中空室内へのダストもしくはミストの供
給流量は変えずに、中空室内でのダストもしくはミスト
の上昇流速を変え得るようにし、これによって簡単かつ
安価な構成にて被試験動物に吸入される最大粒子径を変
化させ得るようにする。 【構成】 中空室の中央部に、その中空室の内径よりも
小さい外径の占積体を着脱可能に配設して、中空室内周
面と占積体の外周面との間の環状の流路をダストもしく
はミストが上昇するようにし、かつ占積体として外径の
異なるものを複数種用意して、異なる外径の占積体に交
換し得るように構成した。
Description
【0001】
この考案はラット等の小動物に対し農薬や医薬等の吸入毒性試験を行うための 装置に関し、特に試験物質を含むダストやミストを頭部暴露により吸入させる装 置に関するものである。
【0002】
一般に吸入毒性試験は、農薬等の液体状の試験物質を空気等の気体中に霧状に 分散させたミスト、あるいは固体試験物質の粉末を気体中に分散させたダストな どをラット等の小動物に吸入させ、その吸入による生体障害によって試験物質の 毒性を評価するものであり、この吸入毒性試験の代表的なものとしては急性吸入 毒性試験がある。この急性吸入毒性試験は、一定時間暴露時において被試験動物 が半数死亡する濃度(すなわち半数致死濃度LC50)によって試験物質の毒性を 評価するのが通常である。
【0003】 上述のような吸入毒性試験においては、ミストやダスト等の試験物質は被試験 動物の鼻腔もしくは口腔から気道(気管・気管支)を経て肺に達する。したがっ て吸入物質は肺以外の鼻腔、口腔あるいは気道にも沈着することになる。このよ うな各部位に対する沈着率は、特に吸入物質がミストやダスト等の粒状物質であ る場合には、その粒径によって大幅に異なり、一般的には大径の粒子は鼻腔もし くは口腔に対する沈着率が著しく大きく、そのため肺まで到達して肺に沈着する 割合が著しく小さくなり、これに対しある程度以上小径の粒子においては鼻腔や 口腔における沈着率が小さくなり、肺に到達して肺胞に沈着する割合が高くなる 。一方同一の物質を吸入しても、その沈着した部位によりその物質の生体に対す る影響は異なる。したがって同一濃度の試験物質を吸入してもその粒径が異なれ ば、実際に被試験動物が受ける障害の程度、内容が異なってしまうことになる。 そのため同一の試験物質を用いて前述のような急性吸入毒性試験を実施しても、 粒径の大小やばらつきの程度によって実験結果として表われる半数致死濃度の値 は異なってしまい、また逆に半数致死濃度の値が同じであっても、粒径の大小や ばらつきの程度によってその試験物質の毒性の真の評価は異なる筈である。これ らの理由により、吸入毒性試験、特にミストやダストによる吸入毒性試験におい て正しい毒性評価を行うためには、被試験動物に吸入させるミストやダストが予 め計画的に設定された粒度分布を有すること、異に予想外の粗大粒子を含まない 均一な粒度分布となることが極めて重要なポイントとなるのである。
【0004】 ところで吸入毒性試験方式としては、ラット等の小動物の全身を吸入箱(チャ ンバ)内における試験物質を含む雰囲気に暴露させる全身暴露法と、頭部もしく は鼻部のみを吸入箱内の雰囲気に暴露させる頭部暴露法とがあるが、前者の全身 暴露法では試験物質が呼吸器による吸入以外に、経皮投与されてしまうから、吸 入による毒性を正しく評価するためには後者の頭部暴露法によることが望ましい 。
【0005】 従来の頭部暴露用の吸入毒性試験装置の吸入箱(チャンバ)としては、図4に 示すように、中空円筒状をなす垂直な吸入箱本体1の周壁部に、被試験動物の頭 部もしくは鼻部を暴露させるための複数の開口部2を周方向に間隔を置いて形成 し、これらの開口部2にそれぞれラット等の被試験動物3を保持するためのホル ダ4を取付けておき、吸入箱本体1の上端部1Aにミスト等の試験物質を供給す るための供給装置、例えば液体試験物質を噴霧してミストを発生させるための噴 霧用ノズル5を設けておき、ミスト等の試験物質を含む気体を吸入箱本体1内の 上方から下方へ送るようにしたものが広く知られている。
【0006】 しかしながらこのような従来の装置では粒度分布を均一にすることは困難であ って、粒度のばらつきが生じ易く、しかもそのばらつきが一定しないことが多く 、さらに噴霧されてから被試験動物に吸入されるまでの間の粒子相互の衝突、接 触により粒子の凝集が生じて粗大粒子が発生し、その結果、被試験動物には予想 外の粗大粒子を含む粒径が著しくばらついたミスト等が吸入されることになり、 したがって正しい毒性評価を行い難くなる問題がある。また、予め分級機等によ り粒度分布を均一にしたミスト等を吸入箱本体1の上端1Aに導いて来ることも 考えられるが、その場合でも吸入箱本体1の上端から被試験動物3に吸入される までの間における粒子凝集の問題は避け難く、また折角分級してもその分級機か ら吸入箱本体1の上端に導かれるまでの間でも凝集が生じてしまい、したがって その場合でも予想外の粗大粒子の吸入を防止することは困難であった。
【0007】 そこで本考案者等は各種試験物質のうちでも特に液体試験物質を気体中に霧状 に分散させたミストを用いる吸入毒性試験装置として、予想外の粗大粒子を排除 した一定の粒度分布を持つミストを被試験動物に吸入させ得るようにし、これに よって正しい毒性評価を行い得るようにした吸入毒性試験装置を、既に特公昭5 7−45574号において提案している。
【0008】 上記提案の吸入毒性試験装置の吸入箱(チャンバ)を図5に示す。
【0009】 図5において、吸入箱本体10は全体として中空円筒状をなすように作られ、 かつその上端部分は円錐面11とされている。そして吸入箱本体10の頂部には 、その吸入箱本体10内の中空室12に連通するミスト排出口13が形成されて いる。
【0010】 さらに前記吸入箱本体10の周壁部には、ラット等の被試験動物3を保持する ためのホルダ4が取付けられる開口部2,2′、すなわち被試験動物3の頭部を 暴露させるための開口部2,2′が周方向に間隔を置きかつ上下2段に形成され ている。また前記吸入箱本体10の下端には、試験液ミスト供給装置、例えば試 験液ミストを発生する噴霧用ノズル14を備えた供給室15が吸入箱本体10内 の中空室12に対し区画された状態で形成されている。すなわち、供給室15の 底部中央に、前記噴霧用ノズル14が上方へ向けて取付けられており、そしてこ の供給室15の頂部には、小孔状の噴出口16が垂直に貫通形成されている。
【0011】 さらに前記吸入箱本体10の中空室12内における前記噴出口16の直上の位 置には、中空室12の内径より小径の円盤状の衝突板17が水平に配設されてい る。この衝突板17は、前記噴出口16の上側開口端に対し上方へ小間隔を置い て配設されたものであって、吸入箱本体10の内周壁から内側に向って突出する 複数の支持アーム18の先端に載置支持されており、したがってその衝突板17 はその周囲が実質的に開放されていることになる。そして衝突板17上には、吸 入箱本体10とほぼ相似な形状を有しかつ吸入箱本体10より小さい中空な占積 体19が載置されている。したがって吸入箱本体10内の中空室12は、衝突板 17より上の空間の中央部分が占積体19によって占められることになる。
【0012】 以上のようなミスト用の吸入毒性試験装置において、圧縮空気および試験液を 噴霧用ノズル14に供給すれば、そのノズル14から上方へ向けて供給室15内 に試験液ミストが噴霧され、この試験液ミストは供給室15内を上昇して噴出口 16で集束され、加速されたミストが噴出口16を通過し、この噴出口16から 上方へ高速で流出して衝突板17に衝突する。したがって試験液ミストは衝突板 17との慣性衝突により分級される。すなわち、噴出口16から噴出したミスト 中の粗大粒子は衝突板17に衝突することにより衝突板17に付着凝集され、液 滴となって衝突板17から自重落下する。一方噴出口16から噴出したミスト中 におけるある一定程度以下の粒径のミスト粒子は、衝突板17の下面側からその 周囲を通って中空室12内における吸入箱本体10の内周面と占積体19との間 の空間を上昇し、開口部2,2′へ到達して被試験動物3により吸入され、また 被試験動物3により吸入されなかったミストはミスト排出口13から適宜の排気 手段により装置外へ排出される。
【0013】 ここで上述のように衝突板17に対する慣性衝突により分級された比較的微細 な粒子からなるミスト中においても、開口部2,2′に至るまでの間の粒子相互 の衝突により凝集して粗大粒子が発生することがあり、また衝突板17において 再飛散により粗大粒子が混ってしまうことがある。しかしながら衝突板17から 開口部2,2′に至るまでの間ミストは上昇しなければならないから、凝集等に より生じた粗大粒子はストークスの沈降法則にしたがって沈降してしまい、その 結果実際に開口部2,2′に到達するのはある程度以下の粒径のものに限られる ことになる。したがって上述の装置においては、慣性衝突による分級効果とスト ークスの法則による沈降効果とが相俟って、粗大粒子が被試験動物に吸入される ことが極めて有効に防止される。
【0014】
吸入毒性試験の目的や試験物質の種類等によっては、被試験動物に吸入させる ミストもしくはダストの粒子径(実際には最大粒子径)を変更したい場合がある 。
【0015】 ところで前述の図5に示す装置の場合、被試験動物に目的とする粒径以下の粒 子のみを吸入させるために、慣性衝突による分級効果と、ストークスの沈降法則 による効果とを利用している。このうち慣性衝突による分級効果に関しては、図 5に示されるノズル14の径および/またはノズル14と衝突板17との距離を 変化させることによって、その分級の程度を変え、吸入箱本体10と占積体19 との間の空間に至る粒子径を変化させることができる。一方ストークスの沈降法 則による効果は、ミストの上昇流速によって変化し、例えば流速を大きくすれば 相対的に大径の粒子も中空室内の吸入部位まで上昇し、被試験動物に吸入される ことになる。そこで前述のように被試験動物に吸入させるミスト粒子の最大径を 変えるためには、ノズル径もしくはノズルと衝突板との距離を変えて慣性衝突に よる分級効果を変化させるか、あるいはノズルから噴出させて中空室内へ供給す るミストの流量を変化させて、中空室内でのミストの上昇流速を変えれば良いと 考えられる。
【0016】 しかしながら、前述のような慣性衝突による分級効果と、ストークスの沈降法 則による効果とのうち、慣性衝突による分級効果は、ミスト粒子には有効である がダスト粒子に対しては有効ではない。したがってダストを用いる場合について は、専らストークスの沈降法則を利用せざるを得ず、またダストについて被試験 動物に吸入される最大粒子径を変化させるためには、中空室内でのダストの上昇 流速を変化させざるを得ない。
【0017】 一方、ミストの場合については前述のように慣性衝突による分級効果を利用で きるが、この場合ノズル径の寸法精度を高め、またノズルと衝突板との間の距離 精度も高くする必要があり、さらには衝突板の平面性をも高精度とする必要があ り、したがって各部品の加工精度、取付精度を充分に高めておく必要があるから 、装置コストが高くならざるを得ない。したがってミストの場合についても、コ スト面からすれば、慣性衝突による分級効果を積極的には利用せず、ストークス の沈降法則のみを利用することが考えられ、実際、粒径が1μm以上の比較的大 きい粒子の場合には、慣性衝突による分級効果を用いなくても、ストークスの沈 降法則のみを利用して分級させることができる。またたとえミストについて慣性 衝突による分級効果を利用している場合でも、被試験動物に吸入されるミストの 最大粒子径を変化させるためにノズル径やノズルと衝突板との間の距離を期待通 りに正確に変えることは困難なことが多い。したがってこれらの点から、ミスト を用いる場合においても、被試験動物に吸入させるミスト最大粒子径を変化させ るためには、ノズルから中空室内へ供給されるミストの流量を変化させる方法を 適用することが適当であると考えられる。
【0018】 しかしながら実際の吸入毒性試験装置においては、ノズルから噴出させるミス トやダストの流量を変化させるように構成することは、装置の複雑化、高コスト 化を招く問題がある。すなわち、吸入毒性試験装置においては、吸入箱本体内か ら毒性を有する試験用のミストやダストが漏洩することを避けなければならず、 そのためには一般に吸入箱本体の中空室を外気圧に対しわずかに負圧に保つ必要 があるが、ミストやダストの供給量が変化しても常に中空室内がわずかに負圧に 維持されるようにするためには、制御系が複雑かつ高コストとなってしまう。
【0019】 また、一般に高濃度のダストやミストを充分に均一に分散させた状態で発生さ せるためには、ダスト発生装置やミスト発生装置に対する給気量をある程度多量 に保つ必要があり、したがってダストやミストの供給量を変化させてストークス の沈降法則により被試験動物に吸入させる最大粒子径を変化させることは、実際 上困難な場合が多い。
【0020】 以上のように、中空室内へ供給するミストやダストの流量を変化させることに より、ミストやダストの中空室内での上昇流速を変化させて、吸入部位に至る粒 子の最大径を変えることは、従来は実際上は適用困難とされていた。
【0021】 この考案は以上の事情を背景としてなされたもので、基本的には試験物質を含 むミストもしくはダストを吸入箱本体内の中空室内の下方から上方へ流すように した吸入毒性試験装置において、ミストやダストの供給流量を変化させることな く、簡単かつ安価な構成にて吸入部位付近でのミストやダストの上昇流速を変化 させ、被試験動物に吸入させる粒子の最大径を変化させるようにした装置を提供 することを目的とするものである。
【0022】
この考案では、前述の課題を解決するため、基本的には、中空円筒状をなす垂 直な吸入箱本体内の中空室の内周壁にその周方向へ間隔を置いて開口部を形成し 、その開口部に被試験動物の頭部もしくは鼻部を位置させるとともに、前記中空 室に試験物質のダストもしくはミストを供給して吸入毒性試験を行う装置におい て、前記中空室の下端側にダストもしくはミストを供給するための供給装置を設 けるとともに、中空室の上端部にダストもしくはミストを排出するための排出口 を形成し、さらに中空室内の中央部に、中空室の内側形状とほぼ相似形状をなし かつ中空室の内径よりも小径の占積体を着脱可能に配設し、前記供給装置から上 方へ向って中空室内へダストもしくはミストを供給すると同時に前記排出口から 中空室内のダストもしくはミストを排出して、ダストもしくはミストを、前記占 積体の外周面と中空室の内周面との間の環状の流路を上昇させるように構成し、 しかも前記占積体として、外径の異なる複数のものを備えさせておき、中空室内 に配設する占積体を径の異なるものに変更することによって、前記環状の流路を 上昇するダストもしくはミストの流速を変化させるようにしたことを特徴として いる。
【0023】
この考案の吸入毒性試験装置においては、中空室の下方の供給装置から上方へ 向ってダストもしくはミストを供給すると同時に、排出口からダストもしくはミ ストを排出することによって、ダストもしくはミストは中空室内を下方から上方 へ向って流れ、特に占積体が位置する部分ではその占積体の外周面と中空室の内 周面との間の環状の流路を上昇する。そしてその上昇途中の開口部において被試 験動物によってダストもしくはミストが吸入されることになる。ここで、中空室 内をダストもしくはミストが上昇する際には、ストークスの沈降法則が作用して 、粗大粒子は流速に応じた一定の高さまで到達して沈降することになり、その結 果、開口部の位置すなわち被試験動物による吸入部位には、流速に応じたある一 定の径以下の粒子のみが至ることになる。
【0024】 ここで、占積体としては外径の異なる複数のものを備えているから、中空室内 に配設する占積体を径の異なるものと交換すれば、占積体外周面と中空室内周面 との間の環状の流路はその流路断面積(水平断面における流路面積)が変化する ことになる。そのため中空室内に供給されるダストもしくはミストの供給流量が 一定であっても、前記環状流路を上昇するダストもしくはミストの流速が変化す ることになる。その結果、ストークスの沈降法則に従い、吸入部位(開口部の位 置)に至る最大粒子径が変化し、被試験動物に吸入されるダストもしくはミスト の最大粒子径が変化することになる。
【0025】
図1〜図3にはこの考案の一実施例の吸入毒性試験装置を示す。なおこの実施 例の吸入毒性試験装置は、固体物質の粉末を気体(通常は空気)中に分散させた ダストを用いるためのものである。
【0026】 図1、図2において、吸引箱本体20は全体として中空円筒状をなすとともに 、上部を円錐状に形成した構成とされている。具体的には、この吸入箱本体20 は、円錐状をなす上蓋部21と、中空円筒状の胴部22と、有底の短円筒状の底 部23とを上下に着脱可能に連結した構成とされている。これらの間の連結手段 は任意であるが、図示の例ではそれぞれフランジ部21A,22A,22B,2 3Aの相互間にパッキング24を介在させ、各フランジ部間をボルト・ナット2 5によって連結した構成とされている。
【0027】 吸入箱本体20の下底面中央、すなわち底部23の下面中央には、上方へ向っ てダストを噴出させるための供給装置として、ノズル26が設けられており、そ のノズル26の配設位置の周囲には、ノズル26の上方空間を取囲む円筒状の案 内筒27が設けられている。また底部23の下面周縁部には、沈降したダスト粉 末を排出するための排出孔23Bが形成されている。一方上蓋部21の頂部には 排出口28が開口形成されており、この排出口28の上方には、排出路29が一 体に形成されており、さらにこの排出路29には、図示しない排気処理装置や吸 引ポンプへダストを導くための排出管30がコクネタ31を介して連結されてい る。そしてまた前記排出路29には、吸入箱本体20内の中空室35の内圧を適 切なわずかな負圧に維持するためのリーク孔41Aを有するリーク弁41が設け られている。
【0028】 また前記吸入箱本体20の中間部の周壁、すなわち胴部22の周壁には、ラッ ト等の被試験動物32を保持するためのホルダ34が取付けられる複数の開口部 33A,33B、すなわち被試験動物32の頭部を暴露させるための複数の開口 部33A,33Bが周方向に間隔を置きかつ上下2段に形成されている。なお図 1では図面の簡明化のため上段の開口部33Aと下段の開口部33Bとを上下に 揃った状態で示しているが、実際には図2に示すように上段の開口部33Aの位 置と下段の開口部33Bの位置とを周方向へずらすことが望ましい。
【0029】 さらに吸入箱本体20内の中空室35には、中空室35の形状とほぼ相似形状 をなしかつ中空室35よりも小径の占積体36Aが、中空室35の軸心位置と同 じ軸心位置となるように配設されている。すなわちこの占積体36Aは、有底円 筒体の上端部を円錐面で閉じた中空状に作られており、この占積体36Aは、吸 入箱本体20の下部の周壁から内側へ突出する複数本の支持アーム37の先端に 跨って載置支持されている。ここで各支持アーム37の先端部の上面は段差状に 切欠かれ、その切欠部37aによって支持アーム先端から所定距離を置いた位置 に垂直な縁面をなす位置決め縁面37bが形成されている。一方占積体36Aの 底面周縁部も、各支持アーム37の切欠部37aに対応して段差部(もしくは切 欠部)36aが形成され、この段差部36aには、前記支持アーム37の位置決 め縁面37bに対接する規制面36bを有している。
【0030】 なお占積体としては、図3に示すように異なる外径Ra,Rb,Rcを有する 複数種類のもの(図3の例では3個)36A,36B,36Cが予め用意されて おり、これらのうちの選択された一つ(図示の例では36A)が中空室35内に 配設されている。
【0031】 そして中空室35内における開口部33A,33Bの直上の位置には加速捕集 板38が水平に配設されている。この加速捕集板38は、板面を上下に貫通する 多数の小孔39を、均一な分布密度で形成したものである。そしてこの加速捕集 板38は、占積体36Aの外周面と中空室35の内周面(吸入箱本体20の内周 面)との間のダスト流路を塞ぐように、ドーナツ盤状に作られており、吸入箱本 体20の胴部22の上端部内周壁から内側へ突出する複数の支持突起40に載置 支持されている。なおこの加速捕集板38としても、各占積体36A〜36Cの 外径に応じた内径を有する複数の種類のものが予め用意されている。
【0032】 以上の実施例の吸入毒性試験装置において、固体試験物質の粉体を気体(通常 は空気)に分散させたダストをノズル26から噴出させるとともに、排出管30 に排気処理装置を介して連結された図示しない吸引ポンプを作動させれば、ノズ ル26から噴出されたダストは、排出口28からの負圧によって案内筒27から 中空室35の内周面と占積体36Aの外周面との間の環状をなす空間(流路)4 2を通って上昇する。この間、ダスト中の粗大粒子は、ストークスの沈降法則に より流速に応じて沈降し、したがって開口部33A,33Bの位置すなわち被試 験動物吸入部位には、粗大粒子を含まないある粒径以下の粒子のみが至り、それ が被試験動物32によって吸入されることになる。
【0033】 そして被試験動物吸入部位を通過して加速捕集板38の近くに至ったダストは 、占積体36Aの周囲の中空部分の流路断面積に比し加速捕集板38の多数の小 孔39の流路総断面積が小さいことに起因して、急速に流速が大きくなって加速 捕集板38の各小孔39を下方から通過する。このとき、上述のように流速が急 激に大きくなることによって、加速捕集板38の下側の空間の粒子は各小孔39 に吸い寄せられるように流れ、そのため加速捕集板38の下面にダストの粒子が 付着するおそれは少ない。そして加速捕集板38の各小孔39を上方へ抜け出た 直後には、逆に急激に流速が低下しかつ流れの方向が拡散するため、ダスト中の 大径の粒子や、小孔通過中に混合・凝集によって粗大化した粒子は、沈降して加 速捕集板38上の小孔39の周囲に落下し、残りの微小な粒子が排出口28から 排出路29、排出管30を経て、図示しない排気処理装置へ導かれる。また加速 捕集板38よりも上方の位置において吸入箱本体20の内壁面や排出口28の内 面等に一旦付着して凝集し、その後再降下した粗大粒子も加速捕集板38上に落 下する。したがってこれらの粗大粒子が被試験動物吸入部位に至ってしまうこと 、したがってこれらの粗大粒子が被試験動物32に吸入されてしまうことを有効 に防止できる。
【0034】 ここで、中空体35の内周面と占積体36Aの外周面との間の環状の流路42 は、その流路面積が、占積体の外径によって決定される。したがって上記の占積 体36Aに代え、より小さい外径Rbを有する占積体36B(図3参照)を用い れば、環状流路42の流路断面積が大きくなり、そのためノズル26から供給さ れるダストの流量が同じであっても環状流路42を上昇するダストの流速は小さ くなり、その結果、ストークスの沈降法則にしたがって、被試験動物32による 吸入位置に至るダストの最大粒子径は小さくなる。一方逆に、より大きい外径R cを有する占積体36Cを用いれば、環状流路42の流路断面積が小さくなり、 そのため同じダスト供給流量でも環状流路42を上昇するダストの流速が大きく なり、その結果吸入部位によ至るダストの最大粒子径は逆に大きくなる。
【0035】 なお実施例において、各占積体36A〜36Cの位置は、その底部の規制面3 6bと支持アーム37の位置決め縁面37bとによって定められ、したがって占 積体36A〜36Cを交換する場合にも、必ず占積体の軸心が中空室35の軸心 位置と一致するように容易に配置することができる。
【0036】 なおまた以上の実施例においては、ダストを用いる吸入毒性試験装置について 説明したが、ミスト用の吸入毒性試験装置の場合においても、占積体として外径 の異なる複数のものを用意しておき、これを適宜交換することによって前記同様 な作用効果を奏することができる。なおこの場合、図1に示される装置における 加速捕集板38を取外し、同じく図1におけるノズル26をミスト噴出用のもの に変えるだけで、ミスト用の吸入毒性試験装置として用いることができる。
【0037】
前述の説明で明らかなように、この考案の吸入毒性試験装置によれば、外径の 異なる複数の占積体を備えており、中空室に配設する占積体として異なる外径の ものに交換することによって、中空室内へ供給するダストもしくはミストの流量 が同じであっても、被試験動物による吸入部位に至るダストもしくはミストの環 状流路における流速を変えることができ、そのため簡単かつ容易な構成にて、被 試験動物が吸入するダストもしくはミストの最大粒子を変化させることができる 。またこの考案の吸入毒性試験装置では、被試験動物に吸入させるダストもしく はミストの最大粒子径を変化させるにあたっても、中空室内へのダストもしくは ミストの供給流量を変化させる必要がないため、供給流量の変化に伴なう弊害、 例えばダストやミスト中の粒子の均一分散が困難となってしまうことなどの事態 の発生を有効に防止できる。
【図1】この考案の一実施例の吸入毒性試験装置を示す
縦断面図である。
縦断面図である。
【図2】図1のX−X線における横断平面図である。
【図3】図1の装置のために用意しておく複数の占積体
を示す部分省略縦断面図である。
を示す部分省略縦断面図である。
【図4】従来の頭部暴露方式による一般的な吸入毒性試
験装置を示す略解図である。
験装置を示す略解図である。
【図5】本願考案者が先に提案した吸入毒性試験装置を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
20 吸入箱本体 26 ノズル 28 排出口 32 被試験動物 33A,33B 開口部 35 中空室 36A,36B,36C 占積体 42 環状流路
Claims (1)
- 【請求項1】 中空円筒状をなす垂直な吸入箱本体内の
中空室の内周壁にその周方向へ間隔を置いて開口部を形
成し、その開口部に被試験動物の頭部もしくは鼻部を位
置させるとともに、前記中空室に試験物質のダストもし
くはミストを供給して吸入毒性試験を行う装置におい
て、 前記中空室の下端側にダストもしくはミストを供給する
ための供給装置を設けるとともに、中空室の上端部にダ
ストもしくはミストを排出するための排出口を形成し、
さらに中空室内の中央部に、中空室の内側形状とほぼ相
似形状をなしかつ中空室の内径よりも小径の占積体を着
脱可能に配設し、前記供給装置から上方へ向って中空室
内へダストもしくはミストを供給すると同時に前記排出
口から中空室内のダストを排出して、ダストもしくはミ
ストを、前記占積体の外周面と中空室の内周面との間の
環状の流路を上昇させるように構成し、しかも前記占積
体として、外径の異なる複数のものを備えさせておき、
中空室内に配設する占積体を径の異なるものに変更する
ことによって、前記環状の流路を上昇するダストもしく
はミストの流速を変化させるようにしたことを特徴とす
る吸入毒性試験装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2210693U JPH085688Y2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 吸入毒性試験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2210693U JPH085688Y2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 吸入毒性試験装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0675425U true JPH0675425U (ja) | 1994-10-25 |
| JPH085688Y2 JPH085688Y2 (ja) | 1996-02-21 |
Family
ID=12073646
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2210693U Expired - Lifetime JPH085688Y2 (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 吸入毒性試験装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH085688Y2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114190286A (zh) * | 2021-12-07 | 2022-03-18 | 中国矿业大学 | 一种吸入式染尘致速发型动物尘肺检测药疗系统及方法 |
-
1993
- 1993-04-02 JP JP2210693U patent/JPH085688Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN114190286A (zh) * | 2021-12-07 | 2022-03-18 | 中国矿业大学 | 一种吸入式染尘致速发型动物尘肺检测药疗系统及方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH085688Y2 (ja) | 1996-02-21 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19960820 |