JPH0676285B2 - ベンジルアミン誘導体、その製造法およびその用途 - Google Patents

ベンジルアミン誘導体、その製造法およびその用途

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JPH0676285B2
JPH0676285B2 JP61239228A JP23922886A JPH0676285B2 JP H0676285 B2 JPH0676285 B2 JP H0676285B2 JP 61239228 A JP61239228 A JP 61239228A JP 23922886 A JP23922886 A JP 23922886A JP H0676285 B2 JPH0676285 B2 JP H0676285B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般式(I) 〔式中、R1はアルキル基を示し、R2は基(II−a) または基(II−b) (但し、式中R4は水素原子、低級アルキル基またはハロ
ゲン原子を示す。)を示し、R3はアルキル基またはアル
ケニル基を示す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体
及びその酸付加塩、それらを有効成分として含有するこ
とを特徴とするヒトまたは動物用抗真菌剤、農業用殺菌
剤および工業用殺菌剤に関するものである。
〔従来技術〕
近年、セファロスポリン誘導体など抗生物質の研究開発
は急速に進んでおり、グラム陽性またはグラム陰性の病
原細菌による感染症に対して有効な薬剤が次々と開発さ
れ使用されている。
一方で、難治療性の真菌症が増加の一途をたどっている
にもかかわらず、現在市販されている抗真菌剤は効果不
足あるいは副作用の故に適用が限られるなど、十分な薬
剤とは言えない。従って安全性の高いすなわち副作用が
少なく、また卓越した治療効果の得られる抗真菌性薬剤
の開発が強く要望されている。
農薬用および工業用殺菌剤に関しても同様の事が言え
る。すなわち、高い殺菌効果を有するものの人畜に対す
る毒性が強い重金属の無機または有機化合物に変わり、
近年多くの非金属系殺菌剤が登場している。しかし、こ
れらの非金属系殺菌剤は、効果の不足、残効不足、薬害
問題あるいは耐性菌問題など多くの問題をかかえてい
る。農業用殺菌剤に関しては、特にきゆうり、トマトな
どに発生する灰色かび病などの難防除病害に対し、実用
濃度で卓越した効果を示し、かつ安全で使いやすい殺菌
剤の開発が望まれている。
灰色かび病に有効な薬剤としては、ベンズイミダゾール
系化合物(ベノミル、チオファネートメチルなど)ある
いはジカルボキシイミド系化合物(プロシミドンなど)
など数少ない化合物が知られているにすぎない。これら
の薬剤についても開発段階ですでに耐性菌の出現が報告
されており、また各系統の薬剤間で交差耐性が認められ
るなど、効果の安定した使いやすい殺菌剤とは言い難
い。従って被害の大きいこの病害に有効な薬剤の開発に
対する要望が極めて強い。
工業用殺菌剤においても、重金属の無機または有機化合
物に代わって非金属系殺菌剤が登場したが、効果が限ら
れた種類の菌類に限定され、あるいは使用範囲が限られ
るなど防菌防かび効果が充分でなく、しばしば工業材料
または製品の汚染あるいは劣化変質を防ぎ得ない場合が
ある。
例えば、非金属系殺菌剤のうちでは最も優れているとさ
れているベンズイミダゾール系化合物においては、塗
料、糊料、木竹製品、織物類などに発生してその変質を
ひきおこすアスペルギルス(Aspergillus)、ペニシリ
ウム(Penicillium)、トリコデルマ(Trichoderma)な
どのかびには寒天培地希釈法によれば非常に優れた抗菌
力を示す。しかし、エマルジョン塗料の塗膜面、人工皮
革、クロス壁などに発生するアルタナリア(Alternari
a)、ムコール(Mucor)などのかびには抗菌力を示さな
い。また、バクテリア類にはまったく抗菌力を示さな
い。さらに多種多様の実用場面、例えば塗膜、壁装材、
あるいは木竹製品などの防菌防かびに用いた場合、実用
濃度(100−500ppm)では全く効果を望めないなどの欠
点を有している。従って、実用濃度で卓越した効果を示
し、なおかつ安全で使いやすい工業用殺菌剤の開発が強
く要望されている。
本発明に係る化合物に類似する化合物としては、一般式
(IX)で示される (但し、式中Xは水素原子、クロル原子またはメトキシ
基を示す。)ベンジルアミン誘導体が、ジャーナル オ
ブ オルガニック ケミストリー(J.Org.Chem.),12,
760(1947)に開示されている。この文献には、各種の
アリールメチルアミン誘導体の抗マラリア活性について
スクリーニングを実施し、検討を加えた結果が報告され
ているが、一般式(IX)で示される化合物については、
まったく活性を認めていない。また抗真菌活性を含め他
のいかなる生理活性についても何ら記載がない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上述したような従来の各薬剤が有する欠点を克
服し、極めて優れた特性を持つ医薬用抗真菌剤、農業用
殺菌剤および工業用殺菌剤およびそれらに有用な化合物
を提供することを課題とする。すなわち、副作用が少な
く安全に使用でき卓越した治療効果の得られるヒトまた
は動物用抗真菌剤、植物に対する薬害が生じずかつ低毒
性で効果の確実な農業用殺菌剤および工業材料、製品に
発生し汚染の原因となる多種多様のかび類を完全にしか
も長期間に渡って防除し、かつ安全性の高い工業用殺菌
剤を提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
前記課題を解決するため、多数のベンジルアミン誘導体
を種々検討した結果、 一般式(I) 〔式中、R1はアルキル基を示し、R2は基(II−a) または基(II−b) (但し、式中R4は水素原子、低級アルキル基またはハロ
ゲン原子を示す。)を示し、R3はアルキル基またはアル
ケニル基を示す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体
およびその酸付加塩が、動物寄生性真菌、植物病原菌を
はじめ工業材料、製品などの劣化をまねく多くの菌類に
対して、非常に優れた抗菌力と幅広い抗菌スペクトラム
を有することを見出した。さらに本発明化合物が多くの
植物病原菌に対して優れた防除効果を有することをも見
出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、一般式(I) 〔式中、R1はアルキル基を示し、R2は基(II−a) または基(II−b) (但し、式中R4は水素原子、低級アルキル基またはハロ
ゲン原子を示す。)を示し、R3はアルキル基またはアル
ケニル基を示す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体
およびその酸付加塩; 一般式(III)R2−NH−R3で示される化合物に、一般式
(IV) で示される化合物を反応させるか、または 一般式(V) で示される化合物に一般式(VI)X−R2で示される化合
物を反応させるか、または 一般式(VII) で示される化合物に一般式(VIII)X−R3で示される化
合物を反応させることを特徴とする一般式(I) 〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示し、
Xは反応性残基を表わす。〕で表わされるベンジルアミ
ン誘導体の製造方法; 一般式(I) 〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示
す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体またはその酸
付加塩を有効成分とするヒトまたは動物用抗真菌剤; 一般式(I) 〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示
す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体またはその酸
付加塩を有効成分とする工業用または農業用殺菌剤; 一般式(I) 〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示
す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体または化学療
法上許容される酸付加塩の有効量を治療を必要とする動
物に投与することを特徴とする真菌によって起こる疫病
または感染症の治療法; 一般式(I) 〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示
す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体またはその酸
付加塩の有効量を植物に施用することを特徴とする植物
病害防除法。; および一般式(I) 〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示
す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体またはその酸
付加塩の有効量により工業用原料または工業製品を処理
することを特徴とする菌類およびかびの防除法である。
一般式(I)で表わされる本発明化合物は新規化合物で
あり、具体的には一般式(I)において、R1はメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、1,1−ジメチルプロピル、n−ヘキ
シル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n
−ヘプチル、1−メチルヘキシル、n−オクチル、1−
メチルヘプチル等のアルキル基を示し、R3はメチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、
ネオペンチル等のアルキル基またはビニル、アリル、2
−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニ
ル等のアルケニル基を示し、R4は水素原子またはメチ
ル、エチル等の低級アルキル基またはハロゲン原子を示
す。
本発明化合物(I)は以下に述べる方法によって製造す
ることができる。
〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記の意味を示す。
Xは反応性残基(例えばハロゲン原子またはベンゼンス
ルホニル、トシルなどのエステル残基)を示す。〕 すなわち、ルート(a)では式(III)と式(IV)で表
わされる化合物を、またルート(b)では式(V)と式
(VI)で表わされる化合物を、ルート(c)では式(VI
I)と式(VIII)で表わされる化合物をそれぞれ不活性
溶媒中、塩基性物質の存在下で反応せしめることにより
本発明化合物(I)が得られる。
不活性溶媒としては、一般の不活性溶媒即ち、メタノー
ル、エタノールなどの低級アルコール類(必要に応じ水
との混合物)、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、モノクロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾ
リジノンなどの非プロトン性極性溶媒等が使用できる。
また塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、ナトリウムアルコラート、アンモニア等の無機塩
基、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等
の有機塩基などが用いられる。反応温度は0℃から反応
混合物の沸騰温度、好ましくは室温〜60℃の温度範囲で
行われ、反応時間は長くてもよいが通常1〜6時間あれ
ばよい。
かくして得られる本発明化合物は必要に応じて酸付加塩
に通常の方法により変換される。このような塩を形成し
うる酸としては、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、
シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、ナフタレ
ン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸およびハロゲ
ン化水素酸、硫酸、硝酸、りん酸などの無機酸が挙げら
れる。
本発明化合物(I)は、動物寄生性真菌、植物病原菌を
含む幅広い菌類に対して優れた殺菌力を有する。従って
広範囲にわたる種々の菌類による人および動物、植物、
工業用材料および製品に対する攻撃を防除するために適
用できる。
本発明化合物はそのまま遊離塩基の形でも、化学的に許
容される塩の形でも使用することができる。しかし、通
常は、各用途に応じ以下のように調製し、使用される。
ヒトまたは動物用抗真菌剤として用いる場合、本発明化
合物は、化学療法的に許容される希釈剤および担体、さ
らに要すれば錠剤またはカプセル剤を形成するための他
の賦形剤との混合物として経口投与することもできる
し、また軟膏剤またはクリーム剤のような通常の形態で
局所投与することもできる。これらの製剤は製剤化のた
めの常法に従って一般に調剤され得る。ヒトの成人向け
投与量は、例えば、経口では1日当り100−2000mgであ
ってよい。
工業用または農業用殺菌剤として用いる場合、本発明化
合物は、通常、担体上に保持した製剤、例えば、油溶
剤、乳剤、ペースト剤、粉剤、水和剤、エアゾール剤等
の形態で使用される。
本発明化合物の製剤に用いられる液体担体としては、有
効成分と反応しない限りいかなる液体でもよく、例えば
水、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレン
グリコール、プロピレングリコールなど)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトンなど)、エーテル類
(ジオキサン、テトラヒドロフラン、セロソルブな
ど)、脂肪族炭化水素類(ケロシン、ガソリンなど)、
芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンな
ど)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロ
エタンなど)、酸アミド類(ジメチルホルムアミドな
ど)、エステル類(酢酸エチルエステルなど)、有機塩
基類(ピリジンなど)、ニトリル類(アセトニトリルな
ど)及び、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが使用で
きる。他に、クレー、タルク、ベントナイト、カオリ
ン、ホワイトカーボン等の無機性固体担体、ジメチルエ
ーテル、フレオンガス等のガス担体なども使用できる。
必要に応じて製剤効果をより高めるための補助剤として
イオン性または非イオン性の界面活性剤、ならびに酢酸
ビニル、メチルセルロース等の高分子化合物等を併用す
ることができる。また、他の農薬、例えば殺虫剤、殺ダ
ニ剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調整剤、香料、あるい
は他の工業用防菌防黴剤などと併用あるいは混合剤とし
て使用することもできる。
〔実施例〕
以下に、実施例、製剤例および試験例により本発明を更
に詳しく説明するが、これらによって本発明の範囲が何
ら限定されるものではない。
先ず、実施例を挙げて本発明の製造方法について具体的
に説明する。
実施例1(ルートa) N−メチル−N−(4′−tert−ブチルベンジル)−1
−ナフチルメチルアミンの製法 N−メチル−1−ナフチルメチルアミン塩酸塩2.1g(0.
01モル)を乾燥ジメチルホルムアミド50mlに溶かし、無
水炭酸ナトリウム3.71g(0.035モル)を加えた。室温で
撹拌を続けながらp−tert−ブチルベンジルブロミド2.
49g(0.011モル)を加え、30〜40℃で5時間反応させ
た。この反応液に氷水を加えトルエンで抽出を行った。
有機層を水洗した後トルエンを留去し、残分をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、5%酢酸エチル−
n−ヘキサンで溶出した。
溶出液を濃縮し、油状物質2.98g(収率:94%)を得た。
実施例2 N−メチル−N−(4′−tert−ブチルベンジル)−1
−ナフチルメチルアミン塩酸塩 実施例1で得た化合物1.0gに塩酸エタノールを加えて濃
縮し、その残渣をメタノール−酢酸から再結晶し目的の
塩酸塩0.95gを得た。
融点200℃〜202℃。
実施例3(ルートb) N−(iso−プロピル)−N−(4′−tert−ブチルベ
ンジル)−1−ナフチルメチルアミンの製法 N−(iso−プロピル)−4−tert−ブチルベンジルア
ミン2.1g(0.01モル)を乾燥ジメチルホルムアミド50ml
に溶かし、無水炭酸ナトリウム1.6g(0.015モル)を加
えた。室温で撹拌を続けながら1-(クロロメチル)ナフ
タレン1.94g(0.011モル)を加え、30〜40℃で6時間反
応させた。この反応液に氷水を加え、トルエンで抽出を
行った。有機層を水洗した後トルエンを留去し、残分を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、5%酢酸
エチル−n−ヘキサンで溶出した。溶出液を濃縮し、油
状物質3.17g(収率:92%)を得た。
実施例4 N−(iso−プロピル)−N−(4′−tert−ブチルベ
ンジル)−1−ナフチルメチルアミン塩酸塩 実施例3で得た化合物1.0gに塩酸エタノールを加えて濃
縮し、その残渣をメタノール−酢酸から再結晶し、目的
の塩酸塩0.97gを得た。
融点82〜85℃ 実施例5(ルートc) N−アリル−N−(4′−tert−ブチルベンジル)−1
−ナフチルメチルアミンの製法 N−(4′−tert−ブチルベンジル)−1−ナフチルメ
チルアミン3.03g(0.01モル)を乾燥ジメチルホルムア
ミド50mlに溶かし、無水炭酸ナトリウム1.6g(0.015モ
ル)を加えた。室温で撹拌を続けながら塩化アリル0.84
g(0.011モル)を加え、30〜40℃で5時間反応させた。
この反応液に氷水を加えトルエンで抽出を行った。有機
層を水洗した後、トルエンを留去し残分をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、5%酢酸エチル−n−
ヘキサンで溶出した。溶出液を濃縮し、油状物質3.26g
(収率:95%)を得た。
実施例6(ルートa) N−メチル−N−(4′−iso−プロピルベンジル)−
1−ナフチルメチルアミンの製法 N−メチル−1−ナフチルメチルアミン1.71g(0.01モ
ル)をテトラヒドロフラン30mlに溶かし、トリエチルア
ミン1.2g(0.012モル)を加えた。室温で撹拌を続けな
がらp−iso−プロピルベンジルクロライド1.85g(0.01
1モル)を加え、室温で6時間反応させた。反応混合物
を濾過し、溶媒を減圧下で除去する。残渣をエーテルと
炭酸水素ナトリウム飽和水溶液との間で分配し、有機層
を分取する。有機層を水洗した後、硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下濃縮する。残分をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し4%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶
出した。溶出液を濃縮し、油状物質2.82g(収率93%)
を得た。
実施例7 N−メチル−N−(4′−iso−プロピルベンジル)−
1−ナフチルメチルアミン塩酸塩 実施例6で得た化合物1.0gに塩酸エタノールを加えて濃
縮し、その残渣をメタノール−酢酸エチルから再結晶
し、目的の塩酸塩0.86gを得た。
融点178〜180℃ 実施例8〜10 前記実施例と同様にして目的化合物を得た。
実施例11(ルートa) N−メチル−N−(4′−tert−ブチルベンジル)−9
−アントリルメチルアミンの製法 N−メチル−9−アントリルメチルアミン2.2g(0.01モ
ル)をトルエン40mlに溶かし、無水炭酸カリウム1.7g
(0.012モル)を加えた。室温で撹拌を続けながらp−t
ert−ブチルベンジルブロミド2.49g(0.011モル)を加
え、40〜50℃で4時間反応させた。この反応液に氷水を
加え分配を行った。有機層を水洗した後、トルエンを留
去し残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、4%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出した。
溶出液を濃縮し、油状物質3.3g(収率:91%)を得た。
実施例12〜13 前記実施例と同様にして目的化合物を得た。
その他の化合物も同様にして得られる。
次に、製剤例を挙げて本発明に係る組成物を具体的に説
明する。
製剤例1 本発明化合物1 20部 ソルポールAC−3153 10部 (東邦化学工業(株)製界面活性剤) プロピレングリコール 10部 水 60部 以上を均一に混合して、懸濁剤を得た。
製剤例2 本発明化合物6 20部 ノイゲンEA−87 8部 (第一工業製薬(株)製界面活性剤) エマール10(花王(株)製界面活性剤) 2部 水 70部 以上を均一に混合して、懸濁剤を得た。
製剤例3 本発明化合物2 20部 エマール10(花王(株)製界面活性剤) 5部 エマルゲン920(花王(株)製界面活性剤) 5部 クレー 70部 以上を粉砕し、かつ均一に混合して水和剤を得た。
製剤例4 本発明化合物9 40部 ディスクゾールBP-158 7部 (第1工業製薬(株)製界面活性剤) アミート105(花王(株)製界面活性剤) 13部 キシレン 40部 以上を均一に混合して、乳剤を得た。
製剤例5 本発明化合物11 40部 トーホーDB−100 12部 (東邦化学工業(株)製界面活性剤 ノイゲンEA−140 8部 (第1工業製薬(株)製界面活性剤) キシレン 40部 以上を均一に混合して、乳剤を得た。
製剤例6 本発明化合物4 2部 ステアリン酸カルシウム 1部 粉状シリカゲル 1部 ケイソウ土 20部 白土 30部 タルク 46部 以上を均一に混合して、粉剤を得た。
試験例1 抗菌活性評価試験(1) 寒天希釈法により抗菌活性の評価を行った。すなわち本
発明化合物をバレイショ・ブドウ糖寒天培地中に0.16〜
100ppmの段階的濃度で混入し、よくかきまぜたのちペト
リ皿に流し込んで寒天平板とした。寒天が固化した後供
試菌の純培養物を接種し、25℃で7日間培養後評価を行
った。接種した菌が、生育しない培地中に含まれる供試
化合物の最少濃度を、最少阻止濃度(MIC、ppm)として
表2に示した。
供試菌名は下記の通りである。
菌 名 菌名略号 アスペルギルス ニガー (Aspergillus niger) A.n. ペニシリュウム シトリナム (Penicillium citrinum) P.c. クラドスポリウム ヘルバラム (Cladosporium herbarum) C.h. ケトミュウム グロボサム (Chaetomium globosum) C.g. トリコデルマ ヴイリド (Trichoderma viride) T.v. オウレオバシジュウム プルランス (Aureobasidium pullulans) A.p. アルタナリア アルタナータ (Alternaria alternata) A.a. なお、比較化合物としては、現在工業用殺菌剤として用
いられている非金属系殺菌剤のうちで最も優れていると
されているベンズイミダゾール系化合物の中から、特に
効果の安定していることで知られる2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール(以下TBZと略称する)を用
いた。
また、本発明化合物と構造が類似している公知化合物N
−メチル−N−(4′−メトキシベンジル)−1−ナフ
チルメチルアミンを参考化合物として供試した。
本発明化合物は、工業材料、製品を劣化させ多大な損失
を生じさせる多種多様の菌類に対して強い抗菌活性を有
していることが表2から明らかである。特に塗料、皮
革、ラテックスエマルジョン、油剤、さらに通信機、電
気装置など広い範囲で問題を生じるアスペルギルス ニ
ガー(Aspergillus niger)およびペニシリウム シト
リナム(Penicillium citrinum)に対しては特異的に高
い抗菌力を有している。また、比較化合物として用いた
TBZが全く抗菌力を示さないアルタナリア アルタナー
タ(Alternarla alternata)に対しても高い抗菌力を示
した。
試験例2 抗菌活性評価試験(2) ペーパーディスク法により抗菌活性の評価を行った。あ
らかじめ麦芽・酵母抽出 寒天培地(pH6.0)の平板を
作り下記供試菌のうち1、3、4の菌は胞子懸濁液、2
の菌は菌体懸濁液(濃度は4+107sporesあるいはcells
/ml)0.2mlを培地平板に入れスプレッダーで広げる。そ
の上に殺菌したペーパーディスク(直径8mm)を置き、
各供試化合物の種々の濃度のアセトンまたは水溶液20μ
をこのペーパーディスクに注入し、28℃で培養する。
5日後阻止円の大きさを計測し、最少阻止濃度MIC(pp
m)を決定した。結果は表3に示した通りである。
供試菌名 アスペルギルス フューミガタス (Aspergillus fumigatus) HUT 2034 キヤンデイダ アルビカンス (Candida albicans) HUT 7105 トリコフイトン メンタグロフアイテス (Trichophyton mentagrophytes) IFO 5929 ミクロスポラム ジプシュウム (Microsporum gypseum) IFO 8231 なお、比較化合物としては、抗真菌剤として現在広く用
いられている市販のカネスチン (クロトリマゾール)
を用いた。
本発明化合物は、人や動物に寄生して真菌症を引き起こ
す菌類に対しても強い抗菌力を示すことが表3からも明
らかである。特に皮膚糸状菌であるトリコフィトン メ
ンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)や
ミクロスポラム ジプシュウム(Microsporum gypseu
m)に対する抗菌力はクロトリマゾール(clotrimazol
e)に比べても著しく高い。さらに深在性真菌症を引き
起こすアスペルギルス フューミガタス(Aspergillus
fumigatus)に対しても効力を示す。
さらに、本発明化合物はモルモットの実験的皮膚真菌症
によるin vivo試験でも抗真菌活性を示す。この試験で
はトリコフィトン症感染5日後から2週間にわたって毎
日、本発明化合物を皮膚表面に局所投与(本発明化合物
をポリエチレングリコールに溶解)、または経口投与し
た。活性は局所投与で0.01〜5%の濃度で、経口投与で
は2〜70mg/kgの用量のモルモット試験で明らかにされ
た。
従って本発明化合物は、ヒトまたは動物用抗真菌剤とし
て用いる場合、局所投与することもできるし経口投与す
ることもできる。ヒトの成人向け投与量は例えば、経口
では1日当たり100〜2000mgであってよい。
試験例3 灰色かび病防除試験(キュウリ果実試験) キュウリ果実(市販)を良く洗い、4〜5cmに切り、500
ppmの薬剤(各供試化合物を前記製剤例3に準じて水和
剤を調製し、水で希釈したもの)に約2〜3分間浸漬し
風乾した。予めPSA培地上にて5〜7日間平板培養した
灰色かび病菌の菌そう上に風乾したキュウリ果実を立て
る。その後18℃温室状態に4〜5日間保ち、キュウリ表
面の菌そうの生育長を調べ、次式より防除価を算出し
た。結果を第4表に示す。
なお対照薬としては、灰色かび病防除剤として効果が認
められ、一般的に用いられている市販のトップジンMを
用いた。
灰色かび病は一般に防除が困難であり、高い防除効果を
示す薬剤が望まれているが、本発明化合物は灰色かび病
に対してもトップジンMより高い防除効果を示すことが
表4より明らかである。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように本発明化合物は動物寄生
性真菌、植物病原菌さらに工業材料、製品などの劣化を
まねく多くの菌類に対し卓越した抗菌力を有し、これら
の菌類によって引き起こされる多くの障害を防除するた
めに有効に利用できる。
以上のように医薬用抗真菌剤、農業用殺菌剤及び工業用
殺菌剤の各分野で有効に利用できる本発明化合物は極め
て利用価値の高い薬剤である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、R1はアルキル基を示し、R2は基(II−a) または基(II−b) (但し、式中R4は水素原子、低級アルキル基またはハロ
    ゲン原子を示す。)を示し、R3はアルキル基またはアル
    ケニル基を示す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体
    またはその酸付加塩を有効成分とする工業用または農業
    用殺菌剤。
  2. 【請求項2】一般式(I) 〔式中、R1はアルキル基を示し、R2は基(II−a) または基(II−b) (但し、式中R4は水素原子、低級アルキル基またはハロ
    ゲン原子を示す。)を示し、R3はアルキル基またはアル
    ケニル基を示す。〕で表わされるベンジルアミン誘導体
    またはその酸付加塩の有効量により工業用原料または工
    業製品を処理することを特徴とする菌類およびかびの防
    除法。
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