JPH0677641B2 - 噴霧乾燥装置用多孔質フィルター - Google Patents

噴霧乾燥装置用多孔質フィルター

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JPH0677641B2
JPH0677641B2 JP1317657A JP31765789A JPH0677641B2 JP H0677641 B2 JPH0677641 B2 JP H0677641B2 JP 1317657 A JP1317657 A JP 1317657A JP 31765789 A JP31765789 A JP 31765789A JP H0677641 B2 JPH0677641 B2 JP H0677641B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は噴霧乾燥装置の乾燥室を構成し、生成粉粒体と
ガスとの分離を行って粉粒体を回収するための通気性の
多孔質フィルタ−に関する。
〔従来の技術〕
噴霧乾燥は、基本的には原液の噴霧、噴霧により生
じた微小液滴の乾燥、粉粒体製品の分離回収の3つの
機能を必須としていたが、最近では、多品種少量生産方
式や高純度製品の製造が要請され、噴霧,乾燥,分離回
収を同一の乾燥域で行うようにすると同時に、品種の切
り換えに応じ乾燥室を自在に取換えできる方法及び装置
(特開昭62−152501号公報)がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の方法及び装置は噴霧乾燥室を多孔質フィルタ−で
構成することにより、噴霧,乾燥,分離回収を同一の乾
燥域で行い、同時に乾燥室の取換えを容易にできるよう
にしたもので、極めて実用性の高いものである。
本発明者は、前記多孔質フィルタ−として短繊維(スパ
ンヤーン)の紡績糸による繊布をバッグ状に形成したも
のを使用し、この噴霧乾燥方法及び装置についてさらに
実験を重ねたところ、噴霧乾燥製品(粉体)中に繊布か
ら発生したケバが混入していること及び、このケバの大
半は、乾燥製品が多孔質フィルタ−に衝突接触すること
により発生し、乾燥装置の運転継続後多孔質フィルタ−
を洗浄し、これを再度使用する際にも発生することが確
認された。
上記ケバ混入は製品品質を著しく劣悪化するため、従来
のスパンヤーンの織布によるフィルタ−は噴霧乾燥用に
は不向きである。
また、織布が耐薬品性(特に耐酸性)に優れた繊維で形
成されたものでない場合には長時間の使用に耐えられ
ず、フィルタ−交換を頻繁に行わなければならないこと
や、従来の耐熱ナイロン繊維は噴霧乾燥製品や噴霧原液
の特性によっては耐久性が不十分であることが判明し
た。
さらに、上記噴霧乾燥装置では熱風送風量,フィルタ−
内外の圧力差,粉粒体の粒度などの運転条件によりフィ
ルタ−からの粉塵漏れが生じたり、短時間内にフィルタ
−の目詰まりにより圧力損失が過大となって安定,的確
な運転が継続できなくなるという問題点もあった。
本発明は、多孔質フィルタ−を長繊維のマルチフィラメ
ントによる織布で形成すると共に、該フィルタ−の通気
度及び目開きを適切な範囲に設定することにより上記ケ
バ発生,粉塵漏れ及びフィルタ−目詰まりの問題点を解
決し、前記マルチフィラメントを後記する特定の合成繊
維のマルチフィラメントとすることにより耐薬品性良好
な多孔質フィルタ−としたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、バッグ状フィルタ−で形成した乾燥室内に原
液を微小液滴として噴霧する噴霧乾燥装置において、前
記バッグ状フィルタ−を長繊維のマルチフィラメントか
らなる経糸、緯糸による織布で形成し、前記経糸及び緯
糸を直径が15〜23μmの単糸の集合体として繊度を100
〜400デニールの範囲に設定するとともに、前記織布の
繊維密度を25.4mm平方当たり経糸のマルチフィラメント
が170〜210本、緯糸のマルチフィラメントが60〜80本と
し、さらに、経糸をマルチフィラメントの1本又は並列
に並べた2本とし、緯糸を無撚又は弱撚のマルチフィラ
メントの1本とし、前記フィルタ−の通気度を0.7〜14c
c/cm2/sec、目開きを15〜80μmとしたことを特徴とす
る噴霧乾燥装置用多孔質フィルタ−である。
本発明においては、多孔質フィルタ−の通気度を0.7〜1
4cc/cm2/sec、好ましくは1.0〜8cc/cm2/secとするが、
この通気度の範囲は、多孔質フィルタ−に乾燥製品粉粒
体の強い付着又は堆積を形成させない範囲であり、噴霧
乾燥装置の運転が安定する。特に、通気度を低く安定さ
せることで、多孔質フィルタ−への粉塵付着が抑えら
れ、かつ粉塵漏れが防止できるのである。通気度が0.7c
c/cm2/sec未満の場合には、噴霧乾燥運転に際して内外
圧力差が大きくなり過ぎ、安定した運転ができない。一
方、通気度が15cc/cm2/secを越えると、多孔質フィルタ
−からの粉塵漏れが生じる。
また、本発明の多孔質フィルタ−の目開きについては、
基本的には前記粉粒体の形状・大きさに関係するもので
あるが、種々検討の結果、多孔質フィルタ−の目開きが
15〜80μm、好ましくは20〜50μmとすることにより粉
塵漏れが防止される。多孔質フィルタ−の目開きが10μ
m未満、特に1μm以下の場合、内外圧力差が大きくな
り過ぎ安定した噴霧乾燥運転ができず、一方、目開きが
100μmを超えると粉塵漏れが生じる。
そして、マルチフィラメントの加撚の強弱や織組織(平
織,綾織等)を変えることにより、通気度あるいは目開
きを所望範囲に設定することができ、フィルタ−の粉塵
漏れやフィルタ−が早期に目詰まりするトラブルを的確
に防止できるものである。
上記のように、噴霧乾燥装置用の多孔質フィルタ−では
取扱う原液や乾燥製品の化学的性質を考慮する必要があ
り、特に酸性のものを扱う場合には従来の耐熱ナイロン
等では問題があるので、本発明では耐酸性フィルタ−を
ポリフェニレンサルファイド繊維(PPS繊維)のマルチ
フィラメント,ポリテトラフルオロエチレン繊維(PTFE
繊維)のマルチフィラメントのいずれか少なくとも一方
により形成するものである。噴霧乾燥室内に導入される
熱風の温度は通常200〜280℃程度とかなり高温であり、
フィルタ−を通過する温度も130〜170℃と高温であるた
め、噴霧乾燥装置用の多孔質フィルタ−はこれに耐えら
れるものでなくてはならず、また、粉粒体が常に付着,
堆積するから、連続使用するためには良剥離性のもので
あることが望ましい。この多孔質フィルタ−は着脱自在
で随時取り替え可能に取付けられ、対象となる製品粉粒
体とガスとの分離、即ち粉粒体の回収を行うものであ
る。
前記PPS繊維,PTFE繊維はこのような耐熱性,良剥離性
(非粘着性)さらには耐摩耗性にも優れているので、こ
の種の多孔質フィルタ−の構成素材として極めて好適で
あり、これらに次ぐものとして耐熱ナイロン(芳香族ポ
リアミド),ポリエステル(例えばポリエチレンテレフ
タレート),ポリイミド,ポリアミド(例えばナイロン
6,ナイロン66)等を用いることができる。
さらに本発明では、運転時の通気状態においてバッグ状
の多孔質フィルタ−の具体的形状を、回転円盤型噴霧装
置を採用する場合は天井部が平面又は逆ロート状,圧力
ノズル又は2流体ノズルで噴霧する場合は天井部がロー
ト状,側面部が円筒状,底部がロート状を呈し、ロート
状底部の傾斜角度が30〜150゜、好ましくは50〜120゜と
なるように形成する。このように形成すれば、ロート状
底部を下方から支持する必要もなく上記形状を安定して
保持できる。また、この形状は、多孔質フィルタ−の天
井部を噴霧乾燥装置のヘッド部(ここに噴霧ノズル,噴
霧円盤等の噴霧手段が設置される。)と接続・固定し、
多孔質フィルタ−の底部を粉体取出口に接続・固定する
ことにより、常に安定して維持される。
この場合、多孔質フィルタ−全体をPPS繊維により、又
はPTFE繊維により形成することができ、織布の経糸,緯
糸の一方をPPS繊維とし、他方をPTFE繊維とすることも
できるし、バッグ状フィルタ−の上方部,下方部の一方
をPPS繊維で、他方をPTFE繊維で形成することもでき
る。
〔作 用〕
多孔質フィルタ−を長繊維のマルチフィラメントによる
織布で袋状に形成すると共に、フィルタ−の通気度,目
開きを前記所定範囲に設定したので、噴霧乾燥装置運転
中にケバが発生することはなくなり、しかも粉塵漏れ,
フィルタ−目詰まりも殆ど発生しないものである。
また、マルチフィラメントをPPS繊維又はポリテトラフ
ルオロエチレン繊維とすることにより耐薬品性,耐熱
性,耐スチーム性,粉体剥離性,耐摩耗性に優れた多孔
質フィルタ−となり得るものである。
さらに、マルチフィラメントの繊度すなわち太さ,繊維
密度等を前記所定範囲内に設定することにより容易に、
多孔質フィルタ−の通気度,目開きを上記所定範囲に設
定することが可能となり、織布の実質的全面をフィルタ
−として機能させることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する
が、本発明はこの実施例に限られるものではない。
第1図は運転時の本発明の織布による多孔質フィルタ−
の形状を示す説明図で、この例では天井部1は平面状
で、図示しない噴霧乾燥装置のヘッド部に接続・固定す
るための接続部2を有している。多孔質フィルタ−の側
面部3は円筒状を呈するとともに、底部4はロート状を
呈しており、底部4はその下端部5が図示しない噴霧乾
燥装置の粉体取出口に接続・固定されている。多孔質フ
ィルタ−の肩部、即ち天井部1と側面部3の接続部分に
はフック6が設けられ、噴霧乾燥装置の上部固定部によ
り吊り下げられる。
なお、ロート状底部部4の傾斜角度αは約50゜であり、
上記の如き多孔質フィルタ−の形状は、多孔質フィルタ
−の内部の圧力を外部圧に対して通常10mm H2O以上と
することで保持される。
各種繊維のマルチフィラメントによる織布を用いた多孔
質フィルタ−で乾燥室を構成し、下記の条件で噴霧乾燥
を行い、フィルタ−特性,フィルタ−からの粉塵漏れの
有無及び乾燥製品へのケバ混入の有無等を調べた。
比較例として、従来のスパンヤーン繊維による織布を用
いて同様の試験を行った。
1.噴霧乾燥条件 噴霧乾燥された粉粒体の平均粒子径…10〜200μm 熱風入口温度…200〜250℃ 送風量…1000〜1500m3/hr 2.結 果 結果を第1表に示す。
なお、多孔質フィルタ−の通気度は、JISL1096のA法に
基づいて測定した。すなわち、フラジール形試験機を用
い、円筒の一端に織布の試験片を取り付けた後、加減抵
抗器によって傾斜形気圧計が水柱1.27cm(124.5Pa)の
圧力を示すように吸込ファンを調整し、そのときの垂直
形気圧計の示す圧力と、使用した空気孔の種類とから、
試験機に付属の表によって試験片を通過する空気量(cc
/cm2/sec)を求め、これを通気度とした。
一方、多孔質フィルタ−の目開きは、顕微鏡下での計測
により求めた。織布の間隙を通過できる最大球状粒子径
を本発明では目開きとした。すなわち、観測できる目開
きの短径部分の最大値を採用した。
また、乾燥製品中へのケバ混入の有無については、噴霧
乾燥装置の運転中、適宜に微粉体乾燥製品をサンプリン
グすると共に、運転を停止し多孔質フィルタ−への付着
微粉体を払い落とす時に回収される微粉体をサンプリン
グし、顕微鏡観察により調査した。
第1表に示すように、本発明の多孔質フィルタ−では長
時間運転及び、前記付着微粉体払い落としを行ったにも
拘らず、ケバ混入は全く認められなかった。
これに対し、従来のスパンヤーンの繊維を適用した多孔
質フィルタ−(試験番号10,11)では乾燥装置運転開始
して間もない間、ケバ混入が発生した。
また、第1表から、マルチフィラメントの織布からなり
前記特定範囲の通気度及び目開きを有する多孔質フィル
タ−を用いた場合には、ケバ混入が発生せず、圧力損失
もそれ程大きくならない範囲で粉塵漏れが防止できるこ
と及び、マルチフィラメントの素材としてPPS又はPTFE
を適用することにより高性能で耐久性に優れた多孔質フ
ィルタ−が得られることがわかる。
〔発明の効果〕
以上説明した通り本発明によれば、噴霧乾燥室を形成す
るバッグ状の多孔質フィルタ−を長繊維のマルチフィラ
メントからなる経糸,緯糸による織布で形成すると共
に、フィルタ−の通気度,目開きを所定範囲に設定した
ので、ケバが混入しない良質の乾燥製品を得ることがで
き、フィルタ−の目詰まりや粉塵漏れを発生せず噴霧乾
燥を長時間安定して継続することができるものである。
また、マルチフィラメントをPPS繊維又はPTFE繊維とす
ることにより多孔質フィルタ−の耐久性が向上し、これ
を頻繁に交換する必要もなくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係る多孔質フィルタ−の形
状を示す説明図である。 1……天井部、2……接続部、3……側面部、4……底
部、5……下端部、6……フック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 弘毅 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 中尾 善宣 大阪府大阪市北区芝田1丁目4番8号 中 尾フイルター工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−152501(JP,A) 大野長太郎「除じん・集じんの理論と実 際」(昭53−2−20)株式会社オーム社 P.85−87

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッグ状フィルタ−で形成した乾燥室内に
    原液を微小液滴として噴霧する噴霧乾燥装置において、
    前記バッグ状フィルタ−を長繊維のマルチフィラメント
    からなる経糸、緯糸による織布で形成し、前記経糸及び
    緯糸を直径が15〜23μmの単糸の集合体として繊度を10
    0〜400デニールの範囲に設定するとともに、前記織布の
    繊維密度を25.4mm平方当たり経糸のマルチフィラメント
    が170〜210本、緯糸のマルチフィラメントが60〜80本と
    し、さらに、経糸をマルチフィラメントの1本又は並列
    に並べた2本とし、緯糸を無撚又は弱撚のマルチフィラ
    メントの1本とし、前記フィルタ−の通気度を0.7〜14c
    c/cm2/sec、目開きを15〜80μmとしたことを特徴とす
    る噴霧乾燥装置用多孔質フィルタ−。
  2. 【請求項2】前記織布の経糸及び/又は緯糸の少なくと
    も一部をポリフェニレンサルファイド繊維又はポリテト
    ラフルオロエチレン繊維とした請求項1記載の噴霧乾燥
    装置用多孔質フィルタ−。
  3. 【請求項3】前記バッグ状フィルタ−の上方部又は下方
    部をポリフェニレンサルファイド繊維又はポリテトラフ
    ルオロエチレン繊維の経糸と緯糸で形成した請求項1記
    載の噴霧乾燥装置用多孔質フィルタ−。
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