JPH0678351B2 - 5′−ヌクレオタイド含有溶液の脱塩方法 - Google Patents

5′−ヌクレオタイド含有溶液の脱塩方法

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JPH0678351B2
JPH0678351B2 JP61030469A JP3046986A JPH0678351B2 JP H0678351 B2 JPH0678351 B2 JP H0678351B2 JP 61030469 A JP61030469 A JP 61030469A JP 3046986 A JP3046986 A JP 3046986A JP H0678351 B2 JPH0678351 B2 JP H0678351B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、5′−ヌクレオタイドと無機塩を含む水性溶
液からルーズな逆浸透膜を使用して5′−ヌクレオタイ
ドを濃縮し無機塩を効率的に除去する方法に関する。
5′−ヌクレオタイド、特に5′−イノシン酸及び5′
−グアニル酸は極めて強い呈味性を有している事から、
調味料としてその有用性が知られている物質である。
5′−ヌクレオタイドを製造する方法は、ヌクレオサイ
ドをトリアルキルリン酸エステル、ニトリル、有機アミ
ンなどの極性有機溶媒中でオキシハロゲン化リンと反応
させる方法(特公昭36−13579等)、酵母中に含まれる
核酸を加水分解する方法(特公昭41−12672)、糖を原
料として発酵により直接製造する方法(特公昭58−4631
9)などがある。工業的にこれらの方法によって5′−
ヌクレオタイドを安価に製造しようとする場合に、一旦
5′−ヌクレオタイドを分離した母液から蒸発等により
5′−ヌクレオタイドの濃度を高め母液中に残存する
5′−ヌクレオタイドを回収し工程内に循環して5′−
ヌクレオタイドの収率を向上させる方法を、多い場合に
は2回以上繰返す事が常套の手段として用いられる。し
かし乍ら、いずれの製造法でも反応液から5′−ヌクレ
オタイドを単離精製する過程で酸、アルカリを消費する
ために多量の無機塩を副生し、母液中に残存する5′−
ヌクレオタイドを回収する際に無機塩の析出が起り、高
収率で5′−ヌクレオタイドを回収することが困難とな
る。従って、反応液から高収率で5′−ヌクレオタイド
を取得するためには、副生した無機塩を何らかの方法に
より効率的に除去することが必要となる。
従来、脱塩方法としては(1)イオン交換樹脂を用いる
方法、(2)合成吸着剤や活性炭などの吸着剤に5′−
ヌクレオタイドを吸着させ共存する塩を非吸着物として
貫流した後、吸着した5′−ヌクレオタイドをアルカリ
やメタノール等の極性溶剤で溶離する方法、(3)電気
透析による方法等が知られている。
これらの方法は、溶離や再生の際に多量の副原料を消費
し、更に繁雑な操作となるために、装置費が嵩む事
((1)及び(2)法)、又は5′−ヌクレオタイドの
様に有価物が電解質の場合には、脱塩と同時に有価物も
透析され、有価物の回収率が著しく低下すること
((3)法)などの欠点を有していた。更に、いずれの
方法でも得られる脱塩液が希薄になるために、脱塩の有
価物の回収に多大のエネルギーを消費して濃縮を行うこ
とが必要となり、回収コストが嵩むと言う欠点もあっ
た。
本発明者等は、上述の欠点を克服するために共存する無
機塩を効率的に除去すると共に同時に5′−ヌクレオタ
イドを濃縮する方法を種々検討した結果、ルーズな逆浸
透膜の使用により上述の欠点を克服できることを見出し
た。即ち、ルーズな逆浸透膜を使用して低分子物質と高
分子物質を分離出来ることは知られているが(特開昭58
−175438、特開昭59−156402等)、発明者等はNaClの阻
止率が20〜80%でかつ5′−イノシン酸ジナトリウムの
阻止率が95%以上の特性を有するルーズな逆浸透膜を用
い、塩濃度及び5′−ヌクレオタイドの濃度が一定濃度
以上の溶液を上記逆浸透膜を用いる逆浸透処理に付する
ことにより共存する無機塩を効率的に除去し同時に5′
−ヌクレオタイドを効率的に濃縮できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
本発明によれば、5′−ヌクレオタイドの生成反応液か
ら5′−ヌクレオタイドを単離精製する際に排出せられ
る多量の無機塩を含む5′−ヌクレオタイドの分離母液
から、高率にしかも高濃度の5′−ヌクレオタイドの脱
塩液を得る方法が提供され、工業的規模での5′−ヌク
レオタイドの製造において従来法の欠点であった副原料
の消費や蒸気等のエネルギー消費が大巾に削減でき、し
かも高収率に且つ簡便に5′−ヌクレオタイドの回収が
可能となり、大巾な製造コストの低減に貢献できる。更
に操作温度が低温であるために、5′−ヌクレオタイド
の分解を抑制でき、分解生成物による5′−ヌクレオタ
イドの品質低下の防止にも寄与できる。
本発明方法の対象となる無機塩を含む5′−ヌクレオタ
イド溶液は、5′−イノシン酸、5′−グアニル酸等の
5′−ヌクレオタイドを工業的に製造する際に生ずるも
のである関係上、無機塩はNaClが主体であり、5′−ヌ
クレオタイドとしては5′−イノシン酸、5′−グアニ
ル酸、および/又は5′ーアデニル酸、或いはヌクレオ
サイドのジリン酸、トリリン酸等を含むものであって、
NaClが1%から飽和濃度、好ましくは5g/dlから飽和濃
度でかつ5′−ヌクレオタイドが0.01〜40g/dl、好まし
くは2〜35g/dlである溶液である。
又、後述するが、塩やヌクレオタイド類の濃度が高い
程、効率的にヌクレオタイドを濃縮しつつ塩を分離する
ことが見出されて本発明を完成したが、上記範囲外の低
濃度領域の場合には両者の分離効率が低下するので効率
的な濃縮、脱塩が達成出来なくなる。濃縮だけを目的と
するならば低濃度領域でも省エネルギー濃縮法としては
工業的に有利な濃縮方法となり得る。又、このような低
濃度の対象液の場合は通常知られている逆浸透膜で、塩
とヌクレオタイドの両方を上述した適性な濃度範囲まで
濃縮しておき、その後、後述するルーズな逆浸透膜で脱
塩・濃縮するのが好ましい。
本発明に使用されるルーズな逆浸透膜は、酢酸セルロー
ス系、ポリアミド系、ポリベンズイミダゾール系、ポリ
スルホン系などのものを圧力56気圧、温度25℃において
NaCl及び5′−イノシン酸ジナトリウム7.5水和物の混
合溶液であって両溶質の濃度がいずれも3.5g/dlである
ものを逆浸透処理したときのNaClの膜阻止率20〜80%で
かつ5′−イノシン酸ジナトリウム7.5水和物の阻止率9
5%以上、好ましくは98%以上になるように調整された
ものであり膜の材質を問うものではない。ここに阻止率
(%)は次の定義による。
前述のようにルーズな逆浸透膜を用いた場合低分子物質
と高分子物質を分離出来ることは知られているが、NaCl
の阻止率に関し鋭意検討した結果、同一膜でも塩濃度の
大小によって阻止率が大きく変化することを発見し、こ
れを用いて高濃度の無機塩を含む溶液から効率的に脱塩
する方法を見出した。塩はその分子量が100程度以下のN
aCl、KCl、NH4Clなどが脱塩されやすいが、分子量が100
以上のCaCl2、ZnCl2、FeCl3、リン酸塩、硫酸塩などの
塩は透過性が悪くなり効率的な脱塩が困難となるので、
このような塩が本発明の被処理液に混入するような工程
を採用することは好ましくない。
5′−ヌクレオタイドの濃度を高めることにより更にNa
Clの脱塩率を高める効果のあることを発見した。このこ
とは更に濃縮液の中から5′−イノシン酸ジナトリウム
を効率よく回収することに継げることができる。
更におどろくべきことに、従来はpHを高くすると透過速
度が上昇し阻止率が低下することが知られているが(化
学技術誌MOL昭60年12月号「高分子分離膜モジュール性
能変化の原因とその防止法」)、本発明の対象液の場合
はpHの上昇によって透過速度が低下し5′−ヌクレオタ
イドの阻止率は向上すること、中性の塩の阻止率はあま
りpHの影響を受けないことが見出された。この発見を用
い適切はpHを選択することにより、5′−ヌクレオタイ
ドと低分子塩を効率よく分離できることが明らかとなっ
た。即ちpHは3〜12、好ましくは5〜11である。
又圧力によっても特異な挙動を示すことを発見した。即
ちルーズな逆浸透膜の場合、NaClの如き低分子は圧力の
増加に伴う阻止率の変化は小さいが、ヌクレオタイドは
圧力の増加と共に阻止率が向上することが発見され、よ
り高圧で操作するほど透過速度の向上とあいまって低分
子塩と核酸とをより効率的に分離できることが明らかと
なった。即ち圧力は10〜70気圧であってこれより低圧で
は5′−ヌクレオタイドの阻止率の低下、および処理能
力の低下等の不都合がある。
温度は5〜60℃、好ましくは20〜40℃でこの範囲外で
は、5′−ヌクレオタイドの阻止率の低下や基質の分解
が起り易く、低温だと結晶の析出等の不都合が起る。も
っともpH、圧力、温度はともに膜の材質のこれらに対す
る耐用の範囲でなければならないことはもちろんであ
る。また膜の耐用の範囲で有機溶媒、例えば、メタノー
ル、エタノール、トリアルキルリン酸酸エステルが混入
してもよい。
なお、本発明によって無機塩の除去された5′−ヌクレ
オタイド溶液から、目的とする5′−ヌクレオタイドを
回収するには通常の方法でよい。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、実施例で使
用する膜の性能定義としてのNaClおよび5′−イノシン
酸ジナトリウムの各阻止率は前述と同じく、圧力56気
圧、温度25℃においてNaClおよび5′−イノシン酸ジナ
トリウム7.5水和物の混合溶液であって両溶質の濃度が
いずれも3.5g/dlであるものを逆浸透処理に付したとき
である。
また である。
実施例1 ヌクレオタイド5g/dl、ヌクレオサイド0.1g/dl、NaCl17
g/dl、リン酸ソーダ(Pとして)0.6g/dl、を含有する
水性溶液をNaCl阻止率30%で5′−イノシン酸ジナトリ
ウム阻止率99%のルーズな逆浸透膜を用いて、pH=7、
圧力60気圧、温度30℃で非透過液を元の原料液に循環混
合しつつ行う方式での逆浸透処理に付して脱塩濃縮を行
なった。非透過液中のヌクレオタイドの濃度が高まるこ
とによってヌクレオタイドの阻止率が向上しかつNaClの
阻止率は30%から0%に低下したことによって効率よく
脱塩、濃縮することができた。結果を表1に示す。
参考例1(pHの影響) ヌクレオタイド6.5g/dl、ヌクレオサイド0.2g/dl、NaCl
17g/dl、リン酸ナトリウム(Pとして)0.6g/dl等を含
有する原料液を温度30℃、圧力40気圧でNaCl阻止率35
%、5′−イノシン酸ジナトリウム阻止率97%のルーズ
な逆浸透膜を用いる逆浸透膜処理に付した。透過液、非
透過液共元の原料液に循環混合しつつpHを変化させて脱
塩、濃縮を行なった。結果を表2に示す。
表2より無機塩を含むヌクレオタイド溶液の逆浸透処理
による脱塩濃縮が逆浸透処理のpHによって影響されるこ
とが理解されよう。
参考例2(圧力の影響) ヌクレオタイド4.5g/dl、ヌクレオサイド0.3g/dl、NaCl
16.4g/dl、リン酸ナトリウム(Pとして)0.6g/dl等を
含有する原料液を温度30℃、pH=6に調整し、実施例1
で使用したと同一の膜を使用する逆浸透処理に付した。
透過液、非透過液共に元の原料液に循環混合しつつ圧力
を変化させて脱塩濃縮を行なった。
結果を表3に示す。
表3より無機塩を含むヌクレオタイド溶液の逆浸透処理
による脱塩濃縮が逆浸透処理の圧力によって影響され特
に高圧下に於いて透過速度およびヌクレオタイドの阻止
率が向上し且つNaClが効率よく脱塩できることが理解さ
れよう。
実施例2 ヌクレオタイド8g/dl、ヌクレオサイド1g/dl、NaCl25g/
dl、リン酸ソーダ(Pとして)0.5g/dl等を含有する水
性溶液を実施例1で使用したと同一の膜を使用する逆浸
透処理に付した。処理条件は、pH=10、圧力40気圧、温
度35℃で非透過液を元の原料液に循環混合しつつ脱塩濃
縮を行なった。非透過液中のヌクレオタイドの濃度が高
まることによってNaClの濃度が3.5g/dl時には阻止率が3
0%なのが、本実施例の如くNaClが25g/dlと高いと、NaC
lの濃度は透過液中の方が非透過液中より濃くなり、NaC
lの阻止率は−43%に低下し、効率よく脱塩濃縮するこ
とが出来た。
結果を表4に示す。
実施例3 ヌクレオタイド20g/dl、ヌクレオサイド0.2g/dl、NaCl1
5g/dl、リン酸ソーダ(Pとして)0.7g/dl、トリアルキ
ルリン酸エステル1.5g/dlを含有する溶液をNaCl阻止率2
0%で5′−イノシン酸ジナトリウム阻止率99.5%のル
ーズな逆浸透膜を使用する逆浸透膜処理に付した。処理
条件はpH=10、圧力40気圧、温度40℃で非透過液を元の
原料液に循環混合しつつ濃縮を行なった。
結果を表5に示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NaCl濃度が5g/dlから飽和濃度でかつ5′
    −ヌクレオタイド濃度が2g/dl〜35g/dlである無機塩を
    含むpHが3〜12の5′−ヌクレオタイド溶液をNaClの阻
    止率が20〜80%でかつ5′−イノシン酸ジナトリウムの
    阻止率が95%以上のルーズな逆浸透膜を用いて逆浸透処
    理に付することを特徴とする該溶液から無機塩を除去す
    る方法。
  2. 【請求項2】pH5〜11において逆浸透処理を行うことを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】圧力10〜70kg/cm2において逆浸透処理を行
    うことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載の方法。
JP61030469A 1986-02-14 1986-02-14 5′−ヌクレオタイド含有溶液の脱塩方法 Expired - Lifetime JPH0678351B2 (ja)

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