JPH0678370B2 - 不溶化したヘパリン類似物質の製造方法 - Google Patents

不溶化したヘパリン類似物質の製造方法

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JPH0678370B2
JPH0678370B2 JP24664190A JP24664190A JPH0678370B2 JP H0678370 B2 JPH0678370 B2 JP H0678370B2 JP 24664190 A JP24664190 A JP 24664190A JP 24664190 A JP24664190 A JP 24664190A JP H0678370 B2 JPH0678370 B2 JP H0678370B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、ヘパリンに対して親和性を有する生体物質の
精製に適当な、クロマトグラフイー用担体の製造方法に
関する。
【従来の技術】
ヘパリンはD−グルコサミン,D−グルクロン酸,L−イズ
ロン酸から成る多糖のN−アセチル及びO−硫酸置換体
であり、抗血液凝固活性や脂血清澄活性を有している。
しかしヘパリンを得るには、生産性の低い生体成分から
の抽出に頼っているのが現状である。そこで種々のヘパ
リン類似物質の合成が試みられており、中でもキトサン
を出発物質とした合成方法についての報告例が多くなさ
れている。例えばキトサンをクロルスルホン酸等のスル
ホン化試薬を用いてスルホン化する方法(J.Am.Chem.So
c.,75,1519(1953),J.Am.Chem.Soc.,81,1764(195
9)))、更にカルボキシル基を持たせる方法(Crfohyd
r.Res.,29,173(1973),J.Biol.Macromol.,,22)(19
87))等があり、これらはいずれも水溶性の物質のもの
である。 一方ヘパリンは血液凝固タンパク質が制限エンドヌクレ
アーゼ,リポタンパク質,リパーゼ,ステロイドセプタ
ー等の生体物質に対し、高い親和性を示すことから、こ
れらの生体物質の精製を目的としたクロマトグラフィー
用担体として、ヘパリンを利用しようとする試みがなさ
れている。このような用途に利用する場合は、ヘパリン
を水不溶性にする必要があり、方法としてはヘパリンセ
ファロース CL−6B(Heparin Sepharose CL−6B,Phar
macia社製)等に代表されるように、セルロース,アガ
ロース等の水不溶性の担体に、ヘパリンを固定化するこ
とが一般的である。しかしこの方法は上述の通り、生産
性の低いヘパリンを使用するため、高価なものであり、
担体の物理的強度も弱く、操作性の面での欠点が多い。
そこで本出願人は、このような生体物質の精製に、スル
ホン化した不溶性のキトサン系多孔質粒状体が適してい
る事を事い出し、特開昭63−8916号,特開昭63−274457
号,特願平2−229832号を出願した。しかし、不溶性の
キトサン系多孔質粒状体にスルホン基とカルボキシル基
の両者を兼ね備えさせたものが製造された例はない。
【発明が解決しようとする課題】
上述した如く、キトサンより合成したヘパリン類似物質
を、生体物質の精製を目的としたクロマトグラフィー用
担体として利用する場合、水不溶性であることが必須条
件であるが、従来のものは水溶性であるため、このまま
での該分野への利用はできなかった。またスルホン化し
た不溶性のキトサン系多孔質粒状体は、担体にヘパリン
を固定化する方法の欠点を解消したものであるが、その
分子構造内にカルボキシル基を持たないため、ヘパリン
としての性質に欠けるものであった。本発明は、ヘパリ
ンに対して親和性を持つ生体物質の精製を目的とした、
クロマトグラフィー用担体として好適な諸性質を具備
し、従来にないスルホン基とカルボキシル基の両者を兼
ね備えた水不溶性のヘパリン類似物質を得るべく、その
最適な製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
本発明は、多孔質キトサン粒状体をN−アセチル化し、
次いで架橋処理した後スルホン化処理し、更に酸化処理
することを特徴とする不溶化したヘパリン類似物質の製
造方法に関する。 本発明に用いられる多孔質キトサン粒状体は、平均分子
量10,000−230,000の低分子量キトサンを用いる。この
低分子量キトサンを酢酸,ジクロル酢酸,ギ酸等の単独
又は混合物に溶解して、2−10%の水溶液になるように
調製する。該キトサン酸性塩水溶液を水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム,アンモニア,エチレンジアミン等
の塩基性水溶液中に、例えば0.15mmφの孔径ノズルより
圧力化で落下させ、凝固,再生させ、次いで充分水洗
し、粒状体に成形する。このとき、塩基性水溶液中にメ
タノール,エタノール等のアルコール類を併用しても良
い。次いで上記の様にして得た多孔質キトサン粒状体
を、無水酢酸と反応させてN−アセチル化するが、その
際のN−アセチル化度が90%よりも低いと、その後の架
橋処理とスルホン化処理を経ても遊離のアミノ基が残存
してしまうため、N−アセチル化度は90%以上、好まし
くは95%以上になるようにする。また溶媒としては、無
水酢酸や反応生成物に対して不活性で、該反応に全く影
響を与えないものであれば良く、例えばN,N′−ジメチ
ルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,ベンゼン,1,4
−ジオキサン,メタノール,エタノール,n−ブタノール
等を単独または混合して使用できる。 こようにして得たN−アセチルキトサン多孔質粒状体に
架橋処理を行なう。この際用いる架橋剤としては、エピ
クロロヒドリン,エチレングリコールジグリシジルエー
テル,ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等
のジエポキシ類や、ヘキサメチレンジイソシアネート,
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート等のジイ
ソシアネート類,ジカルボン酸ハロゲン化物等が挙げら
れるが、クロマトグラフィー用担体としての高強度を発
揮させるためには、上述のジエポキシ類を用い、キトサ
ン骨格の水酸基と反応させることが好ましい。 このようにして得られた架橋化N−アセチルキトサン多
孔質粒状体にスルホン化処理を行なう。この際の手段と
しては、N,N′−ジメチルホルムアミド中に三酸化イオ
ウを滴下して得られるN,N′−ジメチルホルムアミド−
三酸化イオウ複合体を用いる方法,ピリジン中にてクロ
ロスルホン酸を使用する方法,ジクロロエタン中にてク
ロロスルホン酸を使用する方法,N,N′−ジメチルアニリ
ン−無水硫酸複合体を使用する方法,硫酸とクロロスル
ホン酸の混合物を使用する方法等が挙げられるが、スル
ホン化剤が長期安定的に保存できる点,スルホン基導入
量の調節が容易で、所定の導入量のものを再現性良く得
られる点,反応条件が穏和であり、常温で反応が速やか
に進行する点等から、N,N′−ジメチホルムアミド−三
酸化イオウ複合体を使用する方法が最も好ましい。この
ときN,N′−ジメチルホルムアミド−三酸化イオウ複合
体の添加量,反応時間を適宜制御することで、容易に所
望のスルホン化度を得ることができる。反応温度として
は20−60℃の範囲が制御しやすく、特に担体の劣化を制
御するためには、20−40℃の範囲で行なうのが好まし
い。反応が終了したスルホン化された架橋化N−アセチ
ルキトサン多孔質粒状体は、1Nの水酸化ナトリウム溶液
で充分中和,水洗する。 本発明では、スルホン化された架橋化N−アセチルキト
サン多孔質粒状体を得るのに、N−アセチルキトサン多
孔質粒状体を架橋処理した後にスルホン化処理を実施し
ているが、スルホン化処理をした後に架橋処理を実施す
ることもできる。 このようにして得られたスルホン化された架橋化N−ア
セチルキトサン多孔質粒状体に、カルボキシル基を導入
して、水不溶化されたヘパリン類似物質とするには、キ
トサン骨格の6位の水酸基を酸化する方法,カルボキシ
メチル化する方法,スクシニル化する方法等が挙げられ
るが、ヘパリンにより類似した構造とするためには、6
位の水酸基を酸化させる方法が好ましい。このときの酸
化剤としては、クロム酸,過マンガン酸等が挙げられ、
硫酸,酢酸等の酸化補助剤を併用して用いることもでき
る。その際の反応温度は15−30℃,反応時間は1−12時
間の範囲が好ましい。反応終了後、充分水洗して本発明
の目的物質である水不溶化させたヘパリン類似物質を得
る。ここで得た水不溶化させたヘパリン類似物質は、上
述の生体物質の精製を目的としたクロマトグラフィー用
担体に最適なものであり、特に物理的強度等の操作性や
精製分離能,吸着容量等の機能性の面で優れたものであ
る。
【実施例】
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこの範
囲に限定されるものではない。なお実施例に示すスルホ
ン化度の測定は中性塩分解能から求め、カルボキシル基
の導入量は陽イオン交換容量と中性塩分解能との差から
求めた。中性塩分解能と陽イオン交換容量の測定方法は
以下の方法で行った。 中性塩分解能 予め正確に膨潤体積を測定した試料50mlをカラムに充填
し、約1Nの硝酸溶液1,000mlをSV2.5で通液した後、純粋
で流出液のpHが中性を示すまでSV100で通液する。次に
この中から試料30mlを正確に秤りとり、これに1M−塩化
ナトリウム溶液100ml中を投入し、穏やかに撹拌しなが
ら5時間放置する。この時の上澄みメスフラスコで正確
に10ml採取し、フェノールフタレイン溶液を指示薬とし
て1/100N−水酸化ナトリウム溶液で滴定を行ない、次式
から中性塩分解能Qを求めた。 a:試験液10mlを中和するのに要した1/100N−水酸化ナト
リウム溶液の量(ml) b:試料を入れる前の1M−塩化ナトリウム溶液10mlを中和
するのに要する1/100N−水酸化ナトリウム溶液の量(m
l) f:1/100N−水酸化ナトリウム溶液の力価 V:試料の湿潤体積(ml) 陽イオン交換容量 予め正確に膨潤体積を測定した試料50mlをカラムに充填
し、約1Nの塩酸溶液1,500mlをSV1.5で通液した後、純水
で流出液のpHが中性を示すまでSV100で通液する。次に
この中から試料30mlを正確に秤りとり、これに1/50N−
水酸化ナトリウム溶液100mlを投入し、穏やかに撹拌し
ながら5時間放置する。この時の上澄み液をメスフラス
コで正確に10ml採取し、メチルレッド溶液を指示薬とし
て1/100N−塩酸溶液で滴定を行ない、次式から陽イオン
交換容量(CTV)を求めた。 a:試験液10mlを中和するのに要した1/100N−塩酸溶液の
量(ml) b:試料を入れる前の1/50N−水酸化ナトリウム溶液10ml
を中和するのに要する1/100N−塩酸溶液の量(ml) f:1/100N−塩酸溶液の力価 V:試料の湿潤体積(ml) 実施例1 脱アセチル化度82%,平均分子量50,000のキトサン100g
を酢酸50gと水1,850g混合液に溶解させてキトサン酢酸
塩水溶液を得た。該溶液を5%水酸化ナトリウム水溶液
中に0.15mmφの孔径ノズルにより滴下して造粒し、充分
水洗して平均粒子径0.3mmφのキトサン多孔質粒状体2
を得た。該キトサン多孔質粒状体300mlを同量のエタ
ノールで4時間置換後、エタノール1中に15gの無水
酢酸を加えた溶液中で一晩、室温で撹拌しN−アセチル
化反応を行なった。次いでジオキサン1中にエチレン
グリコールジグリシジルエーテル5gを加えた溶液中に加
え、25℃にて1時間撹拌し架橋化処理を行ない。水洗し
て架橋化処理されたキトサン多孔質粒状体を得た。該粒
状体をN,N′−ジメチルホルムアミドで洗浄し、N,N′−
ジメチルホルムアミド1中にN,N′−ジメチルホルム
アミド−三酸化イオウ複合体30mlを加え、室温にて3時
間反応させてスルホン化を行なった。反応終了後、冷却
しながら1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和後充分水洗
した(試料5)。得られた粒状体50mlに水40mlとクロム
酸混液(クロム酸2.5%,硫酸60%(和光純薬工業(株)
製)10mlを加えた溶液中に投入し、室温にて1時間撹拌
酸化反応させ、反応終了後、充分水洗してヘパリン類似
物質48mlを得た(試料1)。このヘパリン類似物質は全
く水で不溶性であり、スルホン化度は13.0μmol/ml,カ
ルボキシル基の導入量は10.24μmol/mlであった。 実施例2 実施例1の酸化反応で使用したクロム酸混液の量10mlを
20ml及び30mlに変えた以外は、実施例1と同様の操作で
それぞれのヘパリン類似物質を得た(試料2,試料3)。
このものはいずれも水に不溶性であり、スルホン化度は
それぞれ13.0μmol/ml,カルボキシル基の導入量は試料
2が25.76μmol/ml,試料3が33.28μmol/mlであった。
従ってクロム酸混液の量を変化させることにより、カル
ボキシル基の導入量が容易に変えられることは明らかで
ある。 実施例3 実施例1の酸化反応で使用した水40mlとクロム酸混液
(クロム酸2.5%,硫酸60%)10mlの酸化剤溶液を、水3
5mlとクロム酸混液(クロム酸1%と酢酸99%)15mlの
酸化剤溶液に代えた以外は実施例1と同様の操作でヘパ
リン類似物質を得た(試料4)。このものは水に不溶で
ありスルホン化度13.0μmol/ml,カルボキシル基の導入
量は32.73μmol/mlであった。 応用例 実施例1から実施例3で得た試料1乃至試料5をそれぞ
れ2ml秤量し、それぞれに1%牛−ラクトフェリン溶液
(0.15M−塩化ナトリウム中)を25ml加え、15分間放置
し、牛−ラクトフェリンを吸着させた。このときの牛−
ラクトフェリンの吸着量を、上澄み液の280nmでの吸光
度と、原液の吸光度との差から算出した結果、第1表に
ようになった。 第1表より、本発明の目的物質である不溶化したヘパリ
ン類似物質の試料1−試料4は、従来技術である試料5
よりも、牛−ラクトフェリン吸着量の点で優れているこ
とが明らかである。
【発明の効果】
本発明は、キトサン多孔質粒状体をN−アセチル化し、
ついで架橋処理,スルホン化処理,更に酸化処理をした
ため、スルホン基とカルボキシル基の両者を兼ね備え
た、水不溶化したヘパリン類似物質を得ることができ、
従来よりもヘパリンの構造に類似していることが、ヘパ
リンに対して親和性を有する生体物質の精製を目的とし
たクロマトグラフィー用担体として最適な効力を発揮す
るものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質キトサン粒状体をN−アセチル化
    し、次いで架橋処理した後スルホン化処理し、更に酸化
    処理することを特徴とする不溶化したヘパリン類似物質
    の製造方法。
JP24664190A 1990-09-17 1990-09-17 不溶化したヘパリン類似物質の製造方法 Expired - Fee Related JPH0678370B2 (ja)

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