JPH0679899A - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JPH0679899A
JPH0679899A JP23658092A JP23658092A JPH0679899A JP H0679899 A JPH0679899 A JP H0679899A JP 23658092 A JP23658092 A JP 23658092A JP 23658092 A JP23658092 A JP 23658092A JP H0679899 A JPH0679899 A JP H0679899A
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JP
Japan
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heat
resistant resin
heating resistor
thermal head
temperature
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JP23658092A
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Inventor
Katsuhisa Honma
克久 本間
Katsumi Yanagibashi
勝美 柳橋
Narimitsu Aramaki
成光 荒牧
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱抵抗体に投入されるエネルギー密度が大
きい場合でも、発熱抵抗体部に膨れが生じない耐熱樹脂
層を用いたサーマルヘッドを提供する。 【構成】 サーマルヘッドが動作している時に、耐熱樹
脂層2が到達する最高の温度とほぼ等しいか、あるいは
それ以上の温度で、耐熱樹脂層2を焼成する。また、サ
ーマルヘッドが動作している時に、発熱抵抗体4が到達
する最高の温度とほぼ等しいか、あるいはそれ以上の温
度で、発熱抵抗体4をアニールし、そして、耐熱樹脂層
2を、発熱抵抗体4がアニールされる温度とほぼ等しい
か、あるいはそれ以上の温度で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保温層を形成する材料
にポリイミド等の耐熱樹脂を用いたサーマルヘッドに関
する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドは、音が小さく、また、
保守が容易で、ランニングコストも低いなどの利点があ
り、ファクシミリやワープロのプリンタ等、各種の記録
装置に使用されている。
【0003】これらの記録装置は、小型化、低電力化、
低価格化が要請され、これらに使用されるサーマルヘッ
ドも、安価で高効率のものが望まれる。
【0004】この条件を満たすものとして、サーマルヘ
ッドの保温層を、グレーズガラスに代えて、ポリイミド
樹脂やエポキシ樹脂などの耐熱樹脂を用いるサーマルヘ
ッドが提案されている(特開昭52−100245公報
参照)。
【0005】サーマルヘッドの保温層に耐熱樹脂を用い
ると、通常のグレーズ基板を用いたものに比べ、熱効率
がアップし、また、熱応答性も改善される等、優れた特
長が得られる。
【0006】ここで、従来のサーマルヘッドについて、
耐熱樹脂材料にポリイミド樹脂を使用した場合を例にと
り、図3で説明する。
【0007】図3は、従来のサーマルヘッドの要部を分
解して示した斜視図である。
【0008】31は、例えばSUSからなる支持基体
で、この支持基体31上にポリイミド樹脂からなる耐熱
樹脂層32が形成される。そして、耐熱樹脂層32の上
に、例えばSi、N,Oを主成分とする下地膜33が形
成される。
【0009】また、下地膜33の上に、ある間隔で複数
個の発熱抵抗体34が設けられる。発熱抵抗体34は、
Nb、Si、Oを主成分にしている。
【0010】また、個別電極35が個々の発熱抵抗体3
4に、そして、共通電極36が複数個の発熱抵抗体34
に共通に設けられる。
【0011】個別電極35や共通電極36は、Al等で
構成され、個々の発熱抵抗体34に電流を供給する機能
を持っている。
【0012】また、個別電極35や共通電極36、発熱
抵抗体34は、Si、N,Oを主成分とする保護膜37
で覆われ、保護される。
【0013】ところで、支持基体31上にポリイミド樹
脂を焼成して耐熱樹脂層32を形成する場合、ポリイミ
ド樹脂の焼成は温度を高めながら3段階で行われる。
【0014】例えば、90℃で60分、次に180℃で
60分、そして、300℃で60分、焼成する。
【0015】このようにして焼成されたポリイミド樹脂
は、赤外線を使用した測定等から、イミド化率が実質的
に100%に達していることが確認できる。
【0016】この方法で形成されたポリイミド樹脂は、
熱伝導率(0.2〜0.3W/K・m)がガラスの熱伝
導率(1.1〜1.4W/K・m)に較べて十分小さ
い。
【0017】したがって、サーマルヘッドの保温層にポ
リイミド樹脂を使用すると、ガラスグレーズを使用した
ものに較べて、印加エネルギーの利用効率が向上する。
【0018】また、ポリイミド樹脂を耐熱樹脂層にした
サーマルヘッドは、ガラスグレーズ層を用いたものに較
べて、発熱抵抗体下部の熱容量が小さくなる。
【0019】したがって、発熱抵抗体34から下方の支
持基体31側での蓄熱量が小さくなり熱応答性も優れ
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】サーマルヘッドの保温
層を耐熱樹脂で構成した場合、上記したいくつかの利点
が得られる。
【0021】しかし、耐熱樹脂を用いたサーマルヘッド
を、高速あるいは高精細のファックスや印刷機に用いる
と、発熱抵抗体の発熱部分が膨れ、その上下に位置する
下地膜や保護膜にクラックが発生し、発熱抵抗体が酸化
したり、あるいは発熱抵抗体が断線したりする等の問題
がある。
【0022】発熱抵抗体の膨れは、サーマルヘッドの動
作中に、発熱抵抗体部への投入エネルギー密度が高くな
ることが、その原因と考えられる。
【0023】発熱抵抗体への投入エネルギー密度が高く
なると、発熱抵抗体の温度が上がり、これに伴いポリイ
ミド等の耐熱樹脂からなる保温層の温度も上昇する。
【0024】この結果、保温層である耐熱樹脂から分解
ガスが放出され、発熱抵抗体に膨れを起こす。
【0025】また、サーマルヘッドが動作すると、発熱
抵抗体に電流が流れ、加熱する。発熱抵抗体が加熱する
と、発熱抵抗体の抵抗膜の欠陥がアニ−ル効果で減少
し、抵抗値が低下する。
【0026】このため、発熱抵抗体への実質的な投入エ
ネルギーが高くなり、発熱抵抗体の膨れがより発生しや
すくなる。
【0027】例えば、高速ファックス用として設計され
たサーマルヘッドでは、その発熱抵抗体は、長さが約9
0μ、幅が約110μである。また、動作条件はパルス
周期が1.25msecである。
【0028】そして、耐熱樹脂層の焼成温度を、従来の
サーマルヘッドの場合の焼成条件(最高300℃)にし
てサーマルヘッドを試作し、必要濃度を得る為の印加エ
ネルギーの条件(0.09mj/dot)を求めた。
【0029】上記の条件で動作させると、発熱抵抗体部
が到達する温度は、顕微温度計による温度測定や熱解析
によると、約450℃と推定される。また耐熱樹脂層の
到達温度は約430℃と推定される。
【0030】そして、上記焼成条件(最高300℃)の
サーマルヘッドは、短時間のうちに発熱抵抗体部が膨
れ、断線した。
【0031】本発明は、上記の欠点を解決し、保温層を
耐熱樹脂で構成しても、発熱抵抗体部に膨れのないサー
マルヘッドを提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持基体と、
この支持基体上に順に形成された耐熱樹脂層、下地膜お
よび発熱抵抗体と、少なくとも前記発熱抵抗体を覆うよ
うに形成された保護膜とを具備するサーマルヘッドにお
いて、前記サーマルヘッドが動作している時の前記耐熱
樹脂層が到達する最高の温度とほぼ等しいか、それ以上
の温度で前記耐熱樹脂層を焼成して形成する。
【0033】また、前記サーマルヘッドが動作している
時の前記発熱抵抗体が到達する最高の温度とほぼ等しい
か、それ以上の温度で前記発熱抵抗体をアニールして形
成し、かつ、前記耐熱樹脂層を前記発熱抵抗体がアニー
ルされる温度とほぼ等しいか、それ以上の温度で焼成し
て形成する。
【0034】
【作用】本発明者は、保温層となる耐熱樹脂層をポリイ
ミドで形成し、耐熱樹脂層を焼成する温度のピーク値
と、焼成された後の耐熱樹脂層のガス放出特性(真空中
で一定の昇温速度で加熱したときの、ガス放出量の温度
依存性)との関係を調べた。
【0035】そのとき、マススペクトル測定装置によ
り、放出ガスのガス分析も、併せて行った。
【0036】なお、赤外線を使用した測定では、焼成温
度が300℃でもイミド化率は実質的に100%に達し
ている。
【0037】ここで、ガス放出特性の一例として、ポリ
イミドを450℃の温度で、1時間焼成した場合を、図
2に示す。
【0038】図2の横軸は、加熱温度(単位℃、)で、
縦軸はガス放出量(単位Torr・cc/g・sec)
である。また、そのときの加熱速度は10℃/分であ
る。
【0039】図2のガス放出特性において、加熱温度が
100〜300℃の範囲で1つの山が現れる。この山は
大部分がH2 Oガスである。
【0040】加熱温度がそれ以上になると、ガス放出の
低い山が1〜2か所見られ、そして、450℃前後から
ガス放出が再び立上がり、それより高温で急激に立上が
っている。
【0041】また、ポリイミド層を形成する焼成温度の
ピーク値を、300〜500℃の範囲でいろいろ変え
て、上記のガス放出特性を調べた。
【0042】この場合、ポリイミド層を加熱する温度
が、ポリイミドを焼成したときの温度付近からガス放出
に急激な立上がりが見られた。
【0043】また、一定時間、同一の温度に保持する
と、ガス放出は次第に減少する。焼成温度付近からの放
出ガスはCO2 、CH4 が主成分である。
【0044】上記のことから、ガスの放出は、ポリイミ
ド樹脂の構造上から、あるいは添加成分から、先ず、結
合の弱い部分が分解を開始し、ガス化するものと考えら
れる。
【0045】なお、加熱温度が低い領域で発生するH2
Oガスは、ポリイミド樹脂を焼成する温度が相違しても
ほとんど差が見られなかった。
【0046】また、加熱温度が低い領域で発生するH2
Oガスは、真空中または乾燥雰囲気中で、ほぼ100℃
以上の温度で保持すれば、脱ガスが可能であることが確
かめられた。
【0047】また、耐熱性樹脂層を焼成した後、下地膜
を成膜するまでの間、真空中や低露点雰囲気のデシケー
タ中など、水分を避けて保管すると、低い温度領域域で
のH2 Oのガス放出は殆ど見られなかった。
【0048】以上の結果から、ポリイミド樹脂を焼成す
る温度を高めれば、ポリイミド樹脂中の不安定成分や添
加成分が、選択的に分解あるいはガス化され、イミド化
が完了した時点では、それらの不安定成分や添加成分を
除去できるものと考えられる。
【0049】したがって、ポリイミド樹脂を焼成する温
度を、樹脂の骨格成分が実質的に分解しない範囲で高く
すれば、ポリイミド樹脂の部分分解などによるガス放出
の急激な立ち上がりを、その焼成温度付近の温度領域ま
で抑制できる。
【0050】このため、ポリイミド樹脂層を焼成する温
度を、サーマルヘッドの動作中にポリイミド樹脂層が到
達する最高温度とほぼ等しいか、またはそれ以上にすれ
ば、ガス放出の急激な立ち上がりがなくなり、発熱抵抗
体の膨れが防止できる。
【0051】また、サーマルヘッドが長時間動作して
も、発熱抵抗体の抵抗値が低下しないように、発熱抵抗
体膜をアニールしたり、また、組立て後に通電エージン
グしたりする場合がある。このように発熱抵抗体膜にア
ニールや通電エージングを行う場合は、その際に耐熱樹
脂層が到達する最高温度とほぼ等しいかあるいはそれ以
上の温度で、耐熱樹脂層を焼成する。
【0052】なお、低い温度領域におけるH2 Oガスの
放出は、耐熱樹脂層を焼成してから下地膜を成膜するま
での間、水分を避けて保管すれば、特に問題は生じな
い。
【0053】また、耐熱樹脂層が例え水分を吸蔵して
も、下地膜を成膜するスパッタリング工程や、プラズマ
CVDなどの工程で、耐熱樹脂層の形成された支持基体
の温度を予め100℃以上に加熱し、一定時間保持し、
その後下地膜を成膜するようにすれば、耐熱樹脂層中に
含まれた水分の脱ガスは可能である。
【0054】また、水分の脱ガスは、下地膜を成膜する
直前に、乾燥雰囲気中に置き、加熱することによっても
可能である。
【0055】なお、耐熱樹脂層の焼成は、通常、非酸化
性の雰囲気中で行っている。
【0056】これは、ポリイミド樹脂中の不安定成分や
添加成分を、選択的に分解あるいはガス化し、除去する
ことが目的のためで、酸化性の雰囲気中で耐熱樹脂を高
温にすると、耐熱樹脂が酸化してしまい、樹脂の骨格成
分を含めた分解が急速に進行してしまう。
【0057】
【実施例】本発明の一実施例について、図1を参照して
説明する。
【0058】1は金属製の支持基体で、Fe-Cr 合金から
なっている。支持基体1上に耐熱樹脂層2が形成され
る。耐熱樹脂層2は、シロキサン結合を有する芳香族ポ
リイミド樹脂で、厚さは約20μである。
【0059】なお、支持基体1は、Fe-Cr 合金以外の金
属や、非金属を用いることもできる。また、耐熱樹脂と
しても他の耐熱樹脂材料が使用できる。
【0060】なお、耐熱樹脂層2の膜厚は、通常10μ
〜40μの範囲が用いられる。しかし、特性によって
は、この範囲以外の膜厚でもよい。また、耐熱樹脂層2
の形成は、ポリアミック酸を有機溶剤に溶かしたポリア
ミック酸ワニスを支持基体1に塗布し、その後、焼成し
ている。
【0061】ポリアミック酸ワニスを塗布する方法も、
いくつか種類があるが、この実施例ではスピンコート法
を用いた。
【0062】また、耐熱樹脂層2の焼成は、乾燥窒素ガ
ス雰囲気中で、90℃で60分、180℃で60分、そ
して、450℃で60分の3段階で行った。
【0063】耐熱樹脂層2の焼成温度は最高450℃に
している。これは、後の工程である発熱抵抗体膜をアニ
ールする温度を450℃にしているためである。なお、
この温度は、発熱抵抗体が到達する最高温度に相当す
る。
【0064】次に、耐熱樹脂層2の上に、Si、O、N
を主成分とする下地膜3が、スパッタリング法で形成さ
れる。なお、そのときの条件は以下の通りである。
【0065】ターゲットとしては、Si3 4 とSiO
2 の粉末を4:1のmol 比で混合し、ホットプレスで固
め、その後、焼結したものを使用した。
【0066】また、下地膜3の成膜前に、耐熱樹脂層2
が形成された支持基体1を、チャンバー内で250℃に
保持し、1時間の脱ガスを行った。この時のチャンバー
内真空度は、5〜8×10-4Paであった。
【0067】そして、下地膜3の膜厚は約3μとし、下
層2μはAr雰囲気中で、上層1μは10%O2 −Ar
雰囲気中で形成し、その時のガス圧は2×10-1Paで
ある。
【0068】なお、下地膜の材料や成膜方法は上記のも
のに限られるものではない。
【0069】また、下地膜3を成膜する前に、耐熱樹脂
層中から水分を取り除く脱ガス工程を入れている。
【0070】また、下地膜3の上に、スパッタリング法
でNb−SiO2 系の発熱抵抗体4用の抵抗膜を成膜し
た。抵抗膜を形成した後、真空加熱炉内で抵抗膜のアニ
ールを行った。
【0071】アニールは、室温から450℃まで1時間
で昇温し、そして450℃のまま30分保持し、炉冷し
た。この間、加熱炉内の真空度は10-4Pa台であっ
た。
【0072】次に、個別電極5用のAl膜ををスパッタ
リング法で、また、共通電極6用のAl膜を真空蒸着法
で順次形成した。個別電極5や共通電極6用のAl膜を
成膜した後、フォトエッチングを行い、発熱抵抗体4、
個別電極5及び共通電極6を形成した。
【0073】なお、発熱抵抗体4や電極5、6の材料に
は、上記のものに限らず他の材料を用いることができ、
また、成膜方法やパターニング方法も他の方法を用いる
ことができる。
【0074】次に、個別電極5や共通電極6の大部分、
そして、発熱抵抗体4を被覆するように、保護膜7を形
成した。
【0075】保護膜7の被覆は、下地膜3と同様のスパ
ッタリング法で行った。また、ターゲットも下地膜3を
成膜するときと同じものを用いた。
【0076】また、チャンバー内で250℃に保持し、
1時間の脱ガスを行った後、保護膜7の成膜を行った。
その膜厚は約3μで、下層2μは10%O2 −Ar雰囲
気中で、上層1μはAr雰囲気中で、それぞれ2×10
-1Paのガス圧でスパッタリングした。
【0077】上記の方法で保護膜7を形成した後、実装
工程を経てサーマルヘッドを完成させた。
【0078】このサーマルヘッドを、従来技術で説明し
たサーマルヘッドと同じ条件(発熱抵抗体の長さ約90
μ、幅約110μ、パルス周期1.25msec、印加
エネルギー0.09mj/dot)で通電動作させ、耐
パルス評価を行った。
【0079】その結果、1×108 パルスの動作後も発
熱抵抗体部に膨れは生じなかった。また、抵抗値も初期
状態に較べ−2〜0%程度の変化にとどまり、極めて安
定であった。
【0080】また、耐熱樹脂層を焼成するときの最高温
度を変えて、サーマルヘッドを試作し、評価を行った。
【0081】この場合、発熱抵抗体膜のアニール温度
(450℃)や、他の試作条件は上記の実施例と同一に
した。
【0082】この結果、耐熱樹脂層の焼成温度が、抵抗
体膜のアニール温度(450℃)とほぼ同じか、それ以
上の範囲では特に問題はなく、サーマルヘッドとしての
評価も上記の例と同様に良好であった。
【0083】一方、耐熱性樹脂層の焼成温度が、発熱抵
抗体膜のアニール温度を下回ると、それにつれて、発熱
抵抗体膜をアニールするときの下地膜の膨れが顕著にな
り、サーマルヘッドとして良好な製品が得にくくなる。
【0084】なお、上記の実施例では、耐熱樹脂層にポ
リイミドを用いているが、他の種類の耐熱樹脂を用いる
こともできる。
【0085】次に、サーマルヘッドの製造工程で、発熱
抵抗体膜をアニールしない本発明の他の実施例について
説明する。
【0086】この実施例では、サーマルヘッドを動作さ
せた場合に、耐熱樹脂層が到達すると推定される温度、
例えば430℃近辺で、耐熱樹脂層を焼成する温度のピ
ーク値を上下させ、サーマルヘッドを試作した。なお、
試作した他の条件は、前記の実施例と同様である。
【0087】試作したサーマルヘッドに、先の実施例で
説明した場合と同一の所定のエネルギーを印加した。
【0088】このとき、耐熱樹脂層の焼成温度がほぼ4
30℃以上の場合、発熱抵抗体部の膨れは生じなかっ
た。
【0089】しかし、焼成温度が430℃を大きく下回
ると、発熱抵抗体部に膨れが顕著に見られた。
【0090】なお、発熱抵抗体がアニールされていない
ため、パルスを印加し続けると抵抗値が低下した。この
ため、実質的な投入エネルギーが増大し、発熱抵抗体の
膨れが発生し易くなる。
【0091】したがって、サーマルヘッドを長時間動作
させる場合には、予め発熱抵抗体に対し通電エージング
を行い、抵抗値を安定化しておくことが望ましい。
【0092】上記の実施例は、高速ファックス用として
設計されたサーマルヘッドの場合である。しかし、高精
細の印刷機用に試作したサーマルヘッドについても、同
様な評価を行ったところ、上記の実施例と同様に良好な
結果が得られた。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、発熱抵抗体に投入され
るエネルギー密度が大きい場合でも、発熱抵抗体部に膨
れが生じない耐熱樹脂層を用いたサーマルヘッドが実現
できる。
【0094】
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施例のサーマルヘッドの要部を示
す部分分解斜視図である。
【0096】
【図2】耐熱樹脂層のガス放出特性を説明する図であ
る。
【0097】
【図3】従来のサーマルヘッドの要部を示す部分分解斜
視図である。
【0098】
【符号の説明】
1…支持基体 2…耐熱樹脂層 3…下地膜 4…発熱抵抗体 5…個別電極 6…共通電極 7…保護膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】このようにして焼成されたポリイミド樹脂
は、赤外吸収分光法の測定等から、イミド化率が実質的
に100%に達していることが確認できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】しかし、耐熱樹脂を用いたサーマルヘッド
を、高速あるいは高精細のファックスや印刷機に用いる
と、動作時に発熱抵抗体の発熱部分が膨れ、その上下に
位置する下地膜や保護膜にクラックが発生し、発熱抵抗
体が酸化したり、あるいは発熱抵抗体が断線したりする
等の問題がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】このため、定電圧駆動による発熱抵抗体へ
の実質的な投入エネルギーが高くなり、発熱抵抗体の膨
れがより発生しやすくなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】なお、赤外吸収分光法による測定では、焼
成温度が300℃でもイミド化率は実質的に100%に
達している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】上記のことから、後者のピークに相当する
ガスの放出は、ポリイミド樹脂の構造上から、あるいは
添加成分から、先ず、結合の弱い部分が分解を開始し、
ガス化するものと考えられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基体と、この支持基体上に順に形成
    された耐熱樹脂層、下地膜および発熱抵抗体と、少なく
    とも前記発熱抵抗体を覆うように形成された保護膜とを
    具備するサーマルヘッドにおいて、前記サーマルヘッド
    が動作している時の前記耐熱樹脂層が到達する最高の温
    度とほぼ等しいか、それ以上の温度で前記耐熱樹脂層が
    焼成されて形成されてなることを特徴とするサーマルヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 支持基体と、この支持基体上に順に形成
    された耐熱樹脂層、下地膜および発熱抵抗体と、少なく
    とも前記発熱抵抗体を覆うように形成された保護膜とを
    具備するサーマルヘッドにおいて、前記サーマルヘッド
    が動作している時の前記発熱抵抗体が到達する最高の温
    度とほぼ等しいか、それ以上の温度で前記発熱抵抗体が
    アニールされて形成され、かつ、前記耐熱樹脂層は、前
    記発熱抵抗体がアニールされる温度とほぼ等しいか、そ
    れ以上の温度で焼成されて形成されてなることを特徴と
    するサーマルヘッド。
JP23658092A 1992-09-04 1992-09-04 サーマルヘッド Pending JPH0679899A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115836753A (zh) * 2021-09-22 2023-03-24 东莞市维万特智能科技有限公司 雾化芯制备方法

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CN115836753A (zh) * 2021-09-22 2023-03-24 东莞市维万特智能科技有限公司 雾化芯制备方法

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