JPH0680168B2 - 鉄基非晶質合金薄帯の焼鈍方法 - Google Patents

鉄基非晶質合金薄帯の焼鈍方法

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JPH0680168B2
JPH0680168B2 JP15237288A JP15237288A JPH0680168B2 JP H0680168 B2 JPH0680168 B2 JP H0680168B2 JP 15237288 A JP15237288 A JP 15237288A JP 15237288 A JP15237288 A JP 15237288A JP H0680168 B2 JPH0680168 B2 JP H0680168B2
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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D6/00Heat treatment of ferrous alloys
    • C21D6/008Heat treatment of ferrous alloys containing Si

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、変圧器用の鉄心材料など磁性材料としての
用途に用いて好適な絶縁被膜付き鉄基非晶質合金薄帯の
焼鈍方法に関し、とくに従来かかる焼鈍の際に懸念され
た鉄損特性の劣化を有利に防止しようとするものであ
る。
(従来の技術) Fe-B-Si系等の溶融合金を超急冷凝固させると、板厚30
μm前後の非晶質合金薄帯(以下単にリボンと云う)を
作ることができる。このようなリボンは軟磁性に優れ、
殊に超低鉄損を示すことから、鉄心材料として現在多用
されている方向性けい素鋼板の有力な競合材料と言われ
ている。
従来かかるリボンは、絶縁被膜を被成することなく、変
圧器の鉄心に用いられていたが、近年のリボン製造技術
の進歩に伴い、その表面が平滑になって占積率が向上す
る一方で、層間抵抗の減少を招き、鉄心に加工した場合
に渦流損が増加する傾向にある。したがってかかるリボ
ンの占積率を低下させることなく、渦流損ひいては、全
鉄損を減少させるために絶縁被膜を被成することが不可
欠になってきている。
またFe-B-Si系非晶質合金などの良好な磁気特性を有す
る素材は、通常、Crなどの耐食成分を含有していないの
で耐食性に問題があり、室内に1ヶ月も放置すると赤錆
が発生する。このような発錆が生じると、磁気特性が劣
化するばかりでなく、商品価値を著しく損なうことにな
る。従って耐食性付与の面からも、表面被膜処理は有効
な手段と言える。
リボンに対する絶縁被膜形成法として、たとえば特開昭
59-177377号公報には、エチルシリケートのアルコール
溶液からシリカコロイドを析出させて薄膜を形成させる
方法が提案されている。しかしながら有機溶媒を使用す
ることは、水溶媒に比較して単に高価につくだけでな
く、作業環境を悪化させる等の欠点があった。
また特開昭59-20499号公報には、微量のふっ素イオンを
含有する水溶液から、電解法でクロム水和酸化物被膜を
生成させる方法が提案されている。この方法は、ふっ素
イオンの存在により、超急冷時に形成された酸化物薄膜
を除去し、電解を均一に行なおうとするものであるが、
排水中のふっ素イオン処理など煩雑な後処理が不可欠な
ところに問題を残していた。
そこで発明者らは、上記の問題を解決するものとして、
特開昭62-56578号公報において、pHを3.5〜7に調整し
たコロイド状アルミナ水和物を主成分とする水性処理液
を非晶質合金薄帯の表面に塗布、ついで低温焼付けを施
す方法を提案した。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のようにして得られた被膜付き非晶
質合金薄帯は、不活性ガス雰囲気中で焼鈍した場合、鉄
損などの磁気特性が不安定となり、時には無処理材に比
べても悪くなることが判明した。
すなわち非晶質合金薄帯を変圧器用鉄心として使用する
場合、通常巻鉄心あるいは積鉄心に組立てたのち、磁場
中での焼鈍を施すことによって、内部応力の緩和と磁区
の制御を図ることが必要なわけであるが、かような焼鈍
処理によって磁気特性の著しい劣化が生じたのである。
なお磁場焼鈍条件としては、通常N2あるいはArのような
不活性雰囲気で、非晶質合金が結晶化しない範囲の焼鈍
温度および焼鈍時間が採用される。
この発明の目的は、絶縁被膜処理を施した非晶質合金薄
帯に焼鈍を施した場合であっても磁気特性の劣化を招く
ことがない有利な焼鈍方法を提案するところにある。
(課題を解決するための手段) さて発明者らは、上記の問題を解決すべく、まず焼鈍後
の薄帯表面について綿密な調査を行った。
コロイド状アルミナ水和物による表面処理を施したFe-B
-Si非晶質合金薄帯に、ドライN2雰囲気中で、400℃の焼
鈍を加えたのちの薄帯表面を薄膜X線回折によって調べ
たところ、第1図bに示すようにα‐Feの結晶化が生じ
ていることが見出された。なお表層除去によるα‐Fe量
の変化についても調査した結果、このα‐Feは非晶質合
金薄帯の最表面に形成されていること、そして表面結晶
層の除去によって鉄損は回復することが判明した。
このようにコロイド状アルミナ水和物を表面処理したFe
-B-Si非晶質合金薄帯を不活性ガス雰囲気中で焼鈍する
と、α‐Feへの表面結晶化が生じ、鉄損劣化がもたらさ
れることが判明したので、発明者らは次に、この表面結
晶化と絶縁被膜との関係について鋭意検討を加えた結
果、以下に述べるような新たな知見を得た。
すなわち焼鈍に際し、焼鈍雰囲気中に水分が含まれてい
ると、Fe-B-Si合金薄帯表面近傍のBが選択的に酸化さ
れる結果、表層に低B領域が形成されて結晶化温度が著
しく低下し、その結果α‐Feの表面結晶化が生じること
である。一般に非晶質合金の焼鈍においては、雰囲気中
における水分は低減されているが、絶縁被膜中に多量の
結合水が含まれていると、加熱時に水分が放出されて水
分の多い雰囲気になり、その結果前述と同様のメカニズ
ムにより、表面結晶化が生じる可能性がある。
そこで次に、コロイド状アルミナ水和物の熱的挙動につ
いて調べたところ、第2図に示すように、200〜400℃の
温度領域で結合水の放出が生じることが判明した。すな
わち表面処理液の塗布後の低温焼付け処理段階で付着水
の大部分は脱離するものの、構造水の放出は200〜400℃
において進行することが判明したのである。
この温度領域はFe-B-Si系非晶質合金の鉄損を低下さ
せ、透磁率を向上させるために行う磁場焼鈍の温度域と
ほとんど重複している。したがってコロイド状アルミナ
水和物で表面処理した非晶質合金薄帯に雰囲気焼鈍を施
すと、加熱に伴い薄帯表面は放出される水分を多量に含
んだ雰囲気に曝されることになる。これが第1図(b)
に示した、コロイド状アルミナ水和物による表面処理を
施したFe-B-Si非晶質合金薄帯にドライN2雰囲気中での4
00℃焼鈍を施した際に生じるα‐Fe表面結晶化の原因で
あると考えられる。
そこでこの発明では、このような加熱過程で絶縁被膜中
から放出される水分によって合金表層でボロンが選択酸
化され、表面結晶化が生起するのを防止するために、焼
鈍処理を減圧下で行うことによって放出される水分を焼
鈍雰囲気から積極的に排除することにしたのである。
すなわちこの発明は、表面にコロイド状アルミナ水和物
を主成分とする水性処理液を塗布ついで焼付けて得たア
ルミナ絶縁被膜付き鉄基非晶質合金薄帯を、減圧下雰囲
気中にて焼鈍することからなる鉄基非晶質合金薄帯の焼
鈍方法である。
この発明を適用して好適な鉄基非晶質合金としては、Fe
-B-Si系の他、Fe-B-Si-C系、Fe-Mn-B-Si系、Fe-Ni-B-Si
系などがある。
以下この発明の基礎となった実験結果について説明す
る。
Fe78B10Si12組成(原子%)の合金溶湯を、単ロール法
により急冷凝固して、50mm幅、25μm厚の非晶質合金リ
ボンを製造した。次いでコロイド状のアルミナ水和物
(日産化学(株)製アルミナゾル‐200)水性処理液を
塗布し、200℃で3分間の焼付け処理を行った。かくし
て得られた乾燥表面被膜の膜厚は0.1μmであり、また
占積率は無処理リボンのそれと同じ83.5%であった。
次にこの絶縁被膜付き非晶質合金リボンを、直径6cmの
トロイダルコアとしたのち、200A/mの磁場下、約10-2To
rrの真空中で360℃、2時間の焼鈍を行ない、そのまま
冷却してから鉄損を調べたところ、トロイダルコアの50
Hz,1.3Tにおける鉄損W13/50は0.11W/kgであった。この
焼鈍後のリボン表面について薄膜X線回折で調べたが、
第1図(a)に示すようにハローパタンのみが観察され
表面結晶化は生じていなかった。
このように、300〜450℃での焼鈍を減圧下で行うことに
よって、造膜性に優れたコロイド状アルミナ水和物を処
理したFe-B-Si非晶質合金薄帯の鉄損を劣化させるこは
なく、リボンの焼鈍を行うことができる。
ここに焼鈍雰囲気の減圧程度は、100Torr以下であれば
絶縁被膜からの放出水による悪影響を除くことができ
る。この意味では使用圧力の下限は存在しないけれど
も、工業的には10-4Torr以下にするのは難しいので、10
-4〜100Torrの範囲が実際的である。
(実施例) 実施例1 Fe78B10Si12組成になる幅5cm、厚み28μmのリボンの表
面に、pH5.5のアルミナゾル‐200水性処理液(アルミナ
濃度1%)を乾燥膜厚が0.2μmになるように塗布し、
ついで250℃で1分間の焼付け処理を行った。
次に1〜3Torrの減圧下で370℃、1時間の磁場中焼鈍を
行ないそのまま冷却した。
かくして得られた絶縁被膜付きリボンの占積率は84.0
%、また鉄損W13/50は0.09W/kgであった。
なお表面層を薄膜X線回折で調べたが、結晶質物質は検
出されなかった。
実施例2 絶縁被膜の膜厚を0.4μmとする他は実施例1と同様の
処理を施してアルミナ絶縁被膜付きのリボンを作製し
た。
ついで10-3Torrの減圧下で370℃、1時間の磁場中焼鈍
を行った。
かくして得られた絶縁被膜付きリボンの占積率は83.8
%、また鉄損W13/50は0.10W/kgであり、さらにその表面
層にはα‐Fe結晶は検出されなかった。
実施例3 合金組成をFe77Mn1B12Si10(原子%)とする他は、実施
例1と同様に処理した。
得られた絶縁被膜付きリボンの磁場中焼鈍後の鉄損W
13/50は0.11W/kgであった。なお薄膜X線回折でも表面
層に結晶質物質は検出されなかった。
実施例4 合金組成をFe75Mn2Ni2B12Si9(原子%)とする他は、実
施例1と同様に処理した。
得られた絶縁被膜付きリボンの磁場中焼鈍後の鉄損W
13/50は0.13W/kgであった。なお表面層には結晶質物質
は検出されなかった。
比較例1 実施例2と同様にしてアルミナ絶縁被膜を施した非晶質
合金リボンに、ドライArガス気流中で磁場焼鈍(370
℃、1時間、200A/m)を施したところ、占積率は83.8%
と良好であったが、鉄損W13/50は0.26W/kgまで劣化し
た。
また薄膜X線回折によりリボン表面を調べたところ、α
‐Feの表面結晶化が確認された。
比較例2 実施例1で作成したリボンに絶縁被膜を被成することな
く、ドライArガス気流中で、370℃、1時間の磁場焼鈍
を加えたところ、占積率は84.0%、W13/50は0.16W/kgで
あった。なお表面層にα‐Fe結晶は検出されなかった。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、鉄損特性の劣化を招くこと
なしに、アルミナ絶縁被膜付き鉄基非晶質合金薄帯の表
面に効果的に絶縁被膜を被成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bはそれぞれ、コロイド状アルミナ水和物を表
面処理したFe-B-Si非晶質合金薄帯を10-2Torrの真空中
およびドライN2雰囲気中で焼鈍した後の薄膜X線回折ス
ペクトル、 第2図は、コロイド状アルミナ水和物の示差熱分析結果
を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にコロイド状アルミナ水和物を主成分
    とする水性処理液を塗布ついで焼付けて得たアルミナ絶
    縁被膜付き鉄基非晶質合金薄帯を、減圧下雰囲気中にて
    焼鈍することを特徴とする鉄基非晶質合金薄帯の焼鈍方
    法。
  2. 【請求項2】減圧の程度が10-4〜100Torrである請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】鉄基非晶質合金が、 B:7〜16原子%、 Si:4〜14原子% を含有し、残部は実質的にFeの組成になるFe-B-Si系合
    金である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】鉄基非晶質合金が、 B:7〜16原子%、 Si:4〜14原子% Mn,Niの一種又は二種:0.5〜10原子%、 Fe:65〜85原子% からなるFe-(Mn,Ni)‐B-Si系合金である請求項1また
    は2記載の方法。
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