JPH0680631A - 不飽和イミド化合物の製造方法 - Google Patents

不飽和イミド化合物の製造方法

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JPH0680631A
JPH0680631A JP4236966A JP23696692A JPH0680631A JP H0680631 A JPH0680631 A JP H0680631A JP 4236966 A JP4236966 A JP 4236966A JP 23696692 A JP23696692 A JP 23696692A JP H0680631 A JPH0680631 A JP H0680631A
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less
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unsaturated
reaction solvent
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JP4236966A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Hirano
泰弘 平野
Kazuo Takebe
和男 武部
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
Shuichi Kanekawa
修一 金川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】一般反応溶媒に対する溶解度の低いポリアミン
化合物と不飽和ジカルボン酸無水物とを反応させ、生成
したポリアミド酸化合物に脱水剤を作用させて閉環して
不飽和イミド化合物を製造する方法において、反応1回
当りの製品得量が大きく、簡便な工程で効率の良い製造
方法を提供すること。 【構成】反応溶媒中で、その反応溶媒に対する25℃で
の溶解度が50(溶液100g中の溶質のグラム数)未
満で一分子中に少なくとも二個以上のベンゼン環と二個
以上のアミノ基を含むポリアミン化合物をエチレン性不
飽和二重結合を有する不飽和ジカルボン酸無水物と反応
させ、生成したポリアミド酸化合物に脱水剤を作用させ
て閉環して不飽和イミド系化合物を製造する際、その不
飽和ジカルボン酸無水物をその反応溶媒に溶かした溶液
にそのポリアミン化合物を実質的に溶液として希釈しな
いで徐々に連続または分割添加して反応させ、生成した
ポリアミド酸化合物に脱水剤を作用させて閉環すること
を特徴とする不飽和イミド化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気、電子分野での積
層板、封止材料、絶縁材料、また繊維強化複合材料、摺
動材料、成形材料等のポリマーの中間体や原料となる不
飽和イミド化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、汎用のビスマレイミド系熱硬化性
樹脂として4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド
が知られている(米国特許第2444536号、同特許
第2467835号等)。この化合物の硬化物は耐熱性
に優れる反面、脆く、吸湿性が高いという欠点を有す
る。また汎用の有機溶媒への溶解度も低く、積層板等を
作成する際のワニスの調製が困難である。化合物自体の
融点が高くかつ融点と硬化開始温度が接近しているため
作業性に劣り、硬化物としてその性能を十分発揮させる
のは困難であった。これらの欠点を解決するため、その
後主鎖骨格をジフェニルメタン以外の骨格に置き換えた
様々な不飽和イミドが数多く提案されている(例えば特
開昭63−162706号公報、特開昭60−1566
69号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】不飽和イミド化合物を
製造する一般的な方法として、芳香族アミン溶液と無水
マレイン酸等の酸無水物溶液とを反応させた後、脱水剤
を作用させる方法が公知である(Org.Synt
h.,41,93(1961)等)。上記の提案された
不飽和イミド化合物は4,4’−ジフェニルメタンビス
マレイミドよりも優れた性能を持つ反面、その製造面に
おいて上記の公知の製造法を応用しようとしても困難を
ともなう場合がある。すなわち、これらの不飽和イミド
はジフェニルメタン以外の剛直な構造を主鎖骨格に導入
していることが原因で、対応する原料ポリアミン化合物
の一般反応溶媒に対する溶解度が小さい場合が多く、そ
のような溶媒を使って反応を行うと、反応一回当たりの
得量は当然小さくなる。この様に原料ポリアミン化合物
が一般反応溶媒に溶けにくい場合はそれらの化合物に適
した良溶媒を併用することで反応一回当たりの得量が小
さくなることを未然に防ぐのが一般的な方法である。し
かしながら、溶解度の大きい溶媒を併用することで製品
の結晶化が妨げられ、通常なら析出した結晶を濾過する
だけで済むところが、反応終了後に反応混合物へ貧溶媒
を加える等の操作がさらに必要となる。また、反応溶媒
を多成分系にすることで脱水剤の分離回収や溶媒リサイ
クル工程も煩雑、困難となる。
【0004】本発明の目的は上記の様な状況を鑑み、一
般反応溶媒に対する溶解度の低いポリアミン化合物と不
飽和ジカルボン酸無水物とを反応させ、生成したポリア
ミド酸化合物に脱水剤を作用させて閉環して不飽和イミ
ド化合物を製造する方法において、反応一回当たりの製
品得量が大きく、簡便な工程で効率の良い製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、不飽和イミド化
合物を合成する際、エチレン性不飽和二重結合を有する
不飽和ジカルボン酸無水物を反応溶媒に溶かした溶液に
対しポリアミン化合物を実質的に溶液として希釈するこ
となく徐々に連続または分割して仕込み、続いて脱水剤
を反応混合物へ添加する方法により、反応一回当たりの
得量を下げることなく目的の不飽和イミド化合物を製造
できることを見い出した。
【0006】即ち本発明は、反応溶媒中で、その反応溶
媒に対する25℃での溶解度が50(溶液100g中の
溶質のグラム数、以下同じ)未満で一分子中に少なくと
も二個以上のベンゼン環と二個以上のアミノ基を含むポ
リアミン化合物をエチレン性不飽和二重結合を有する不
飽和ジカルボン酸無水物と反応させ、生成したポリアミ
ド酸化合物に脱水剤を作用させて閉環して不飽和イミド
系化合物を製造する際、その不飽和ジカルボン酸無水物
をその反応溶媒に溶かした溶液にそのポリアミン化合物
を実質的に溶液として希釈しないで徐々に連続または分
割添加して反応させ、生成したポリアミド酸化合物を脱
水剤を作用させて閉環することを特徴とする不飽和イミ
ド化合物の製造方法である。
【0007】本発明で用いられるポリアミン化合物はそ
こで使用しようとする反応溶媒に対する25℃での溶解
度が50未満で一分子中に少なくとも二個以上のベンゼ
ン環と二個以上のアミノ基を含むものである。その溶解
度が50以上のものは、その反応に本発明方法を採用す
る意義が薄い。具体的には、次に例示されるようなポリ
アミン化合物の中で上記溶解度を有するものである。す
なわち、ジアミン化合物としては、2,2’−ビス〔4
−(4−アミノチオフェノキシ)フェニル〕プロパン、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノ
ン、
【0008】一般式(1)
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれハロゲン原
子、または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aとbは
それぞれ0以上4以下の数でa+b≦4を満たし、cと
dはそれぞれ0以上3以下の整数である。二つのアミノ
基の結合位置は酸素原子の結合位置に対しそれぞれオル
ソ、メタ、パラのいずれかを示す。)で表される化合
物、
【0009】一般式(2)
【化7】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれハロゲン原
子、または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aとbは
それぞれ0以上4以下の整数でa+b≦4を満たし、c
とdはそれぞれ0以上3以下の整数である。二つのアミ
ノ基の結合位置は酸素原子の結合位置に対しそれぞれオ
ルソ、メタ、パラのいずれかを示す。)で表される化合
物、
【0010】一般式(3)
【化8】 (式中、R1 、R2 、Rf はそれぞれハロゲン原子、ま
たは炭素数1〜6の炭化水素基を表し、a、b、cはそ
れぞれ0以上4以下の整数を表し、b+c≦4を満た
す。二つのアミノ基の結合位置は酸素原子の結合位置に
対しそれぞれオルソ、メタ、パラのいずれかを示す。)
で表される化合物、
【0011】一般式(4)
【化9】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、Rf はそれぞれハロ
ゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または炭素数1
〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、R5 、R 6 はそれ
ぞれ水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基または炭素数
1〜6の含ハロゲン炭化水素基を表す。a、b、c、
d、eは0以上4以下の整数を表し、b+c≦4、d+
e≦4を満たす。二つのアミノ基の結合位置は酸素原子
の結合位置に対しそれぞれオルソ、メタ、パラのいずれ
かを示す。)で表される化合物、
【0012】一般式(5)
【化10】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、Rf はそれぞれハロ
ゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または炭素数1
〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、a、b、c、d、
eは0以上4以下の整数を表し、b+c≦4、d+e≦
4を満たす。二つのアミノ基の結合位置は酸素原子の結
合位置に対しそれぞれオルソ、メタ、パラのいずれかを
示す。)で表される化合物等があげられる。
【0013】一般式(1)において、R1 〜R4 のハロ
ゲン原子としては塩素、臭素、フッ素、ヨウ素;炭素数
1〜6の炭化水素基としてはメチル、エチル、プロピ
ル,ブチル、ペンチル、ヘキシルの各基があげられる。
一般式(1)で表されるナフタレン環含有ジアミン化合
物を具体的に例示すると2,7−ビス(4,4’−アミ
ノフェノキシ)ナフタレン、2,7−ビス(3,3’−
アミノフェノキシ)ナフタレン、2,7−ビス(3,
4’−アミノフェノキシ)ナフタレン等があげられる。
【0014】一般式(2)において、R1 〜R4 のハロ
ゲン原子としては塩素、臭素、フッ素、ヨウ素;炭素数
1〜6の炭化水素基としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシルの各基があげられる。
一般式(2)で表されるナフタレン環含有ジアミン化合
物を具体的に例示すると、これらに1,6−ビス(4,
4’−アミノフェノキシ)ナフタレン、1,6−ビス
(3,3’−アミノフェノキシ)ナフタレン、1,6−
ビス(3,4’−アミノフェノキシ)ナフタレン等があ
げられる。
【0015】一般式(3)おいて、R1 、R2 、Rf
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素;
炭素数1〜6の炭化水素基としてはメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルの各基があげられ
る。一般式(3)で表されるベンゼン環含有エーテルジ
アミン化合物を具体的に例示すると1,3−ビス(4,
4’−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3,3’−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビ
ス(4,4’−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(3,3’−アミノフェノキシ)ベンゼン等があげ
られる。
【0016】一般式(4)において、R1 〜R6 、Rf
のハロゲン原子としては塩素、臭素フッ素、ヨウ素;炭
素数1〜6の炭化水素基としてはメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルの各基;炭素数1〜
6の含ハロゲン炭化水素基としては、前記炭化水素基の
水素の少なくとも一部をハロゲン原子で置換したものが
あげられる。一般式(4)で表されるジアミン化合物を
具体的に例示すると、2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パン、2,2−ビス〔3−メチル−4−(アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,
3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−トリ
フルオロメチル−4−(アミノフェノキシ)フェニル〕
プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン等があげられる。
【0017】一般式(5)において、R1 〜R4 、Rf
のハロゲン原子としては塩素、臭素、フッ素、ヨウ素;
炭素数1〜6の炭化水素基としてはメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルの各基;炭素数1
〜6の含ハロゲン炭化水素基としては、前記炭化水素基
の水素の少なくとも一部をハロゲン原子で置換したもの
があげられる。一般式(5)で表されるジアミン化合物
を具体的に例示すると4,4’−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニ
ル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,
3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等があげられ
る。また、アミノ基を2つ以上有するその他の化合物と
しては、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕シクロヘキサン、1−フェニル−1,1−ビ
ス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、
トリス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタ
ン、トリス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
メタン、1,1,1−トリス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン、1,3−ビス〔ビス(4−ア
ミノフェニル)メチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔ビス
(4−アミノフェニル)メチル〕ベンゼン、1,1,
2,2−テトラ(4−アミノフェニル)エタン等があげ
られる。
【0018】本発明において用いられるエチレン性不飽
和二重結合を有する不飽和ジカルボン酸無水物は一般式
(6)
【化11】 (式中、Dは2〜24個の炭素原子を持ち、エチレン性
不飽和二重結合を有する二価の有機基である。)で表さ
れる化合物であり、具体的には、例えば無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ジクロロ
マレイン酸、無水ピロシンコン酸、無水テトラヒドロフ
タル酸等、あるいはこれら不飽和カルボン酸無水物とジ
エン類とのDiels−Alder反応物、例えばシク
ロペンタジエン、フラン、テルピネンと無水マレイン酸
との環化付加反応物等の少なくとも一種である。
【0019】本発明の不飽和イミド化合物の製造方法
は、第一段階でポリアミン化合物と不飽和ジカルボン酸
無水物とのアミド酸を調製し、続いて第二段階で脱水剤
を作用させ、閉環反応を行い対応する不飽和イミド化合
物を得るものである。
【0020】第一段階のアミド酸の調製方法は、不飽和
ジカルボン酸無水物の溶液にポリアミン化合物を実質的
に溶液として希釈しないで徐々に連続または分割添加す
る手法を取る。ここで実質的に溶液として希釈しないと
は、溶媒を全く使わない場合、ポリアミン化合物を溶解
度の低い溶媒に分散させる場合等をいう。この時、不飽
和ジカルボン酸無水物はポリアミン化合物のアミノ基1
モルに対し1〜1.5倍モル量を用いることが好まし
い。1倍モルより少ないとアミド酸とならないアミノ基
が残存し、1.5倍モルより多く使用しても特に多く用
いたことによる利点は無く、逆に製品中に未反応不飽和
ジカルボン酸類が混入するので好ましくない。
【0021】添加方法は連続して仕込んでも分割して仕
込んでもどちらでも良い。添加に要する時間は副反応が
顕著にならない範囲であれば特に制限は無いが、通常
0.5〜6時間程度である。反応温度は通常−20〜1
00℃の範囲で行われ、好ましくは室温〜60℃の範囲
である。温度が低すぎると反応の進行が遅く、高すぎる
とポリマー等の副生成物により目的物の純度が下がる。
【0022】本発明において、不飽和ジカルボン酸無水
物の溶液をつくるのに使われる溶媒としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリ
ル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエー
テル等のエーテル類が一般的である。これらの中でもア
セトンが好ましい。これはアセトン中でイミド化反応を
行った時、副生成物の中から目的のイミド化合物が選択
的に沈澱してくるからである。使用される溶媒の量は一
般に不飽和ジカルボン酸無水物とポリアミン化合物との
合計重量に対し1〜10重量倍であり、反応一回当たり
の得量を考慮すると1〜4重量倍が好ましい。反応はポ
リアミン化合物添加終了後、0.5〜4時間程度で終了
する。
【0023】続いて第二段階である閉環反応を行い不飽
和イミド化合物を得る手法は、第一段階で調製されたア
ミド酸類を単離することなくそのまま続けて行うことが
できる。
【0024】反応条件は、米国特許第2444536
号、米国特許第3018292号、米国特許第3018
292号、米国特許第3127414号等の明細書に記
載の公知の方法を応用することができる。使用する脱水
剤は通常酸無水物であるが、この中でも無水酢酸が取扱
い、後処理の容易さ、工業的に容易に入手できること等
から好ましい。使用する量はアミド酸基1モルに対し、
1.05〜2モルを用いる。使用される触媒としてはア
ルカリ土類金属の酸化物、鉄(IIおよびIII)、亜
鉛(II)、ニッケル(II)、マンガン(IIおよび
III)、銅(IおよびII)、またはコバルト(II
およびIII)の硫酸塩、炭酸塩、燐酸塩、酢酸塩等で
あり、好ましくは酢酸ニッケル(II)、酢酸コバルト
(II)、酸化マグネシウムである。これらの触媒は単
独でも十分な性能を発揮するが、二種類以上を併用して
も差し支えない。使用される量はアミド酸基1モルに対
し、0.0005〜0.1モルの範囲である。
【0025】使用される塩基はトリエチルアミン、トリ
ブチルアミン等の三級アミン類、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム等のアルカリ金属の酢酸塩類である。使用され
る量はアミド酸基1モルに対し、0.05〜1.0モル
の範囲である。これらの塩基は単独でも十分な性能を発
揮するが、二種類以上を併用しても差し支えない。
【0026】反応方法の一例としては、この方法に限定
されるものではないが、第一段階で製造された対応する
アミド酸類の反応混合物にトリエチルアミンを加え室温
で撹拌した後、酢酸ニッケルと酸化マグネシウムを加え
る。次に窒素気流下、無水酢酸を室温〜60℃の温度範
囲で滴下する。滴下に要する時間は通常0.5〜3時間
程度である。室温〜60℃の温度範囲で保温と撹拌を続
ける。反応時間は通常3〜12時間程度である。反応終
了後、析出した結晶を濾取する。効率よく結晶を得るた
めに反応溶媒を常圧下もしくは減圧下に留去するか、流
動性を損なわない程度に濃縮したり、反応溶液を冷却し
たりする手法を必要に応じて併用しても良い。脱水剤由
来の副反応を抑える目的で溶媒の留去は反応温度を上回
らない温度を設定することが好ましい。
【0027】反応終了後、結晶が溶媒に溶けるため析出
しない場合も有り得る。この場合には反応溶媒を常圧下
もしくは減圧下に留去するか、あるいは流動性を損なわ
ない程度に濃縮された反応混合物を濾過するか、または
反応混合物を水、メタノール等の貧溶媒中に投入するか
もしくは、貧溶媒を反応混合物へ滴下することにより結
晶が得られる。使用する貧溶媒の量は反応に用いた溶媒
の0.5〜20倍量が用いられる。上記の操作で得られ
た結晶を少量のアセトン等の揮発性有機溶媒で洗浄し、
あるいはそうすることなく、水、メタノール等の貧溶媒
による洗浄を行う。続いて結晶を常圧もしくは減圧下に
乾燥させることで目的物を得ることができる。こうして
得られた不飽和イミド化合物は工業原料として十分の純
度を持つが、必要に応じてアルコール系等の溶媒から再
結晶してもよい。本発明方法によって得られる不飽和イ
ミド化合物は、原料ポリアミン化合物のNH2 基を一般
式(7)
【化12】 (式中、Dは一般式(6)の場合と同じ意義をもつ。)
で表される基で置換した形の構造を有している。
【0028】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 実施例1 〔N,N’−4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゾフェノンビスマレイミドの合成〕200ミリリッ
トル四ツ口フラスコに無水マレイン酸10.3gとアセ
トン70.2gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解させ
た。室温で4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゾフェノン19.8gを粉体のまま、10分おきに二
時間で分割添加した。このアミン化合物はアセトンに対
する25℃での溶解度が50未満である。さらに三時間
撹拌を続け反応の終了を確認した(第一段階の反応)。
続いてトリエチルアミン2.4gを加え室温で半時間撹
拌した後、酢酸コバルト10mgと酸化マグネシウム1
00mgを加えた。無水酢酸13.0gを室温で半時間
で滴下した後、室温で反応を続けた(第二段階の反
応)。反応終了後、スラリー状の反応混合物を遠心分離
濾過装置にかけて結晶を濾取した。この結晶を少量のア
セトンで洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、淡黄色結晶
を収量22.8g(収率82.1%)で得た。このもの
の物性は次のとおりである。 融点173〜176℃ 質量スペクトルM+ =556 元素分析結果
【表1】
【0029】実施例2 〔N,N’−2,7−ビス(4,4’−アミノフェノキ
シ)ナフタレンビスマレイミドの合成〕2リットル四ツ
口フラスコに無水マレイン酸157.5gとアセトン9
50.8gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解させた。
温度を室温〜35℃に保ちながら2,7−ビス(4,
4’−アミノフェノキシ)ナフタレン250.0gを粉
体のまま十分おきに二時間で分割添加した。このアミン
化合物はアセトンに対する25℃での溶解度が50未満
である。さらに三時間撹拌を続け反応の終了を確認した
(第一段階の反応)。続いてトリエチルアミン44.3
gを加え室温で半時間撹拌した後、酢酸ニッケル1.5
5gを加え40℃まで昇温した。無水酢酸193.9g
を一時間で滴下した後、同温度で反応を続けた(第二段
階の反応)。反応終了後、反応溶媒を内容物が流動性を
失わない程度に回収した後、スラリーを遠心分離濾過装
置にかけて結晶を濾取した。この結晶を水洗、ついでメ
タノールで洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、黄色結晶
を収量359.4g(収率98.0%)で得た。このも
のをメチルセロソルブ/イソプロピルアルコール混合溶
媒から再結晶して得たものの物性は次のとおりである。 融点 184〜186℃ 質量スペクトル M+ =502 元素分析結果
【表2】
【0030】実施例3 〔N,N’−1,6−ビス(4,4’−アミノフェノキ
シ)ナフタレンビスマレイミドの合成〕2リットル四ツ
口フラスコに無水マレイン酸157.5gとアセトン9
50.8gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解させた。
温度を室温〜35℃に保ちながら2,7−ビス(4,
4’−アミノフェノキシ)ナフタレン250.0gを粉
体のまま十分おきに二時間で分割添加した。このアミン
化合物はアセトンに対する25℃での溶解度が50未満
である。さらに三時間撹拌を続け反応の終了を確認した
(第一段階の反応)。続いてトリエチルアミン44.3
gを加え室温で半時間撹拌した後、酢酸ニッケル1.5
5gを加え40℃まで昇温した。無水酢酸193.9g
を一時間で滴下した後、同温度で反応を続けた(第二段
階の反応)。40℃に内温を保ち反応を進行させながら
反応溶媒を減圧下に回収した。反応終了後、スラリーを
遠心分離濾過装置にかけて結晶を濾取した。この結晶を
少量のアセトンで洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、淡
黄色結晶を収量323.1g(収率88.0%)で得
た。このものをメチルセロソルブ/イソプロピルアルコ
ール混合溶媒から再結晶して得たものの物性が次のとお
りである。 融点 140〜151℃ 質量スペクトルM+ =502 元素分析結果
【表3】
【0031】実施例4 〔N,N’−1,3−ビス(3,3’−アミノフェノキ
シ)ベンゼンビスマレイミドの合成〕500ミリリット
ル四ツ口フラスコに無水マレイン酸35.2gとアセト
ン198.8gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解させ
た。室温で1,3−ビス(3,3’−アミノフェノキ
シ)ベンゼン50.0gを粉体のまま十分おきに二時間
で分割添加した。このアミン化合物はアセトンに対する
25℃での溶解度が50未満である。さらに三時間撹拌
を続け反応の終了を確認した(第一段階の反応)。続い
てトリエチルアミン7.8gを加え室温で半時間撹拌し
た後、酢酸コバルト0.033gと酸化マグネシウム
0.33gを加えた。無水酢酸42.4gを室温で一時
間で滴下した後、室温で反応を続けた(第二段階の反
応)。反応終了後、スラリー状の反応混合物を遠心分離
濾過装置にかけて結晶を濾取した。この結晶を少量のア
セトンで洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、淡黄色結晶
を収量63.0g(収率81.5%)で得た。このもの
の物性は次のとおりである。 融点 139〜141℃ 質量スペクトルM+ =452 元素分析結果
【表4】
【0032】実施例5 〔N,N’−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパンビスマレイミドの合成〕1リッ
トル四ツ口フラスコに無水マレイン酸51.5gとアセ
トン453.0gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解さ
せた。温度を室温〜35℃に保ちながら2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン1
02.6gを粉体のまま十分おきに二時間で分割添加し
た。このアミン化合物はアセトンに対する25℃での溶
解度が50未満である。さらに三時間撹拌を続け反応の
終了を確認した(第一段階の反応)。続いてトリエチル
アミン15.2gを加え室温で半時間撹拌した後、酢酸
ニッケル0.53gを加え、40℃に昇温した。無水酢
酸66.4gを40℃、一時間で滴下した後、同温度で
反応を続けた(第二段階の反応)。反応終了後、溶媒を
減圧下に留去し、続いてスラリー状の反応混合物を遠心
分離濾過装置にかけて結晶を濾取した。この結晶を水洗
後、メタノールで洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、淡
黄色結晶を収量122.7g(収率86.0%)で得
た。このものの物性は次のとおりである。 融点 90〜96℃ 質量スペクトルM+ =570
【表5】
【0033】実施例6 〔N,N’−4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)
ビフェニルビスマレイミドの合成〕500ミリリットル
四ツ口フラスコに無水マレイン酸35.2gとアセトン
246.3gを仕込み、窒素気流下撹拌して溶解させ
た。室温で4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビ
フェニル60.0gを粉体のまま十分おきに二時間で分
割添加した。このアミン化合物はアセトンに対する25
℃での溶解度が50未満である。さらに三時間撹拌を続
け反応の終了を確認した(第一段階の反応)。続いてト
リエチルアミン7.8gを加え室温で半時間撹拌した
後、酢酸コバルト0.033gと酸化マグネシウム0.
33gを加えた。無水酢酸42.4gを室温で一時間で
滴下した後、室温で反応を続けた(第二段階の反応)。
反応終了後、スラリー状の反応混合物を遠心分離濾過装
置にかけて結晶を濾取した。この結晶を少量のアセトン
で洗浄し、減圧下に加温して乾燥し、淡黄色結晶を収量
72.6g(収率84.3%)で得た。このものの物性
は次のとおりである。 融点 206〜209℃ 質量スペクトルM+ =528
【表6】
【0034】
【発明の効果】本発明の製造方法においては、 (A)原料となるポリアミン化合物を溶媒に溶かす必要
が無いため、溶解工程や特別な溶液保存容器を必要とし
ない。 (B)反応濃度を高く設定できるため反応一回当たりの
得量が大きくなり製造コストの低減が期待できる。 (C)反応濃度を所望の値に選べるため原料ポリアミン
化合物の性質や反応性の違いにより反応条件を柔軟に設
定できる。これは本発明の汎用性の大きいことを意味す
る。 (D)溶媒の使用量が原料の溶解度に左右されないた
め、使用する溶媒量を反応に最適な値に設定でき、使用
溶媒のコスト低減や溶媒回収の時間短縮が可能となる。 (E)製造過程に中間体であるアミド酸類を反応釜から
取り出す必要が無いため、手間や作業時間の短縮、使用
溶媒の節約を図ることができる。 等の利点がある。この様に本発明の製造方法は、性能的
に優れながら一般汎用溶媒への溶解度が低いため、不飽
和イミド化合物への変換が経済的に不利であったポリア
ミン化合物を用いて簡便かつ合理的に不飽和イミド化合
物を調製できる製造方法であり、応用範囲も広く工業的
に優れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金川 修一 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応溶媒中で、その反応溶媒に対する25
    ℃での溶解度が50(溶液100g中の溶質のグラム
    数、以下同じ)未満で一分子中に少なくとも二個以上の
    ベンゼン環と二個以上のアミノ基を含むポリアミン化合
    物をエチレン性不飽和二重結合を有する不飽和ジカルボ
    ン酸無水物と反応させ、生成したポリアミド酸化合物に
    脱水剤を作用させて閉環して不飽和イミド系化合物を製
    造する際、その不飽和ジカルボン酸無水物をその反応溶
    媒に溶かした溶液にそのポリアミン化合物を実質的に溶
    液として希釈しないで徐々に連続または分割添加して反
    応させ、生成したポリアミド酸化合物に脱水剤を作用さ
    せて閉環することを特徴とする不飽和イミド化合物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】ポリアミン化合物が一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれハロゲン原
    子、または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aとbは
    それぞれ0以上4以下の数でa+b≦4を満たし、cと
    dはそれぞれ0以上3以下の整数である。二つのアミノ
    基の結合位置は酸素原子の結合位置に対しそれぞれオル
    ソ、メタ、パラのいずれかを示す。)で表される化合物
    であって、その反応溶媒に対する25℃での溶解度が5
    0未満である請求項1記載の不飽和イミド化合物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】ポリアミン化合物が一般式(2) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれハロゲン原
    子、または炭素数1〜6の炭化水素基を表し、aとbは
    それぞれ0以上4以下の整数でa+b≦4を満たし、c
    とdはそれぞれ0以上3以下の整数を表す。二つのアミ
    ノ基の結合位置は酸素原子の結合位置に対しそれぞれオ
    ルソ、メタ、パラのいずれかを示す。)で表される化合
    物であって、その反応溶媒に対する25℃での溶解度が
    50未満である請求項1記載の不飽和イミド系化合物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】ポリアミン化合物が一般式(3) 【化3】 (式中、R1 、R2 、Rf はそれぞれハロゲン原子、ま
    たは炭素数1〜6の炭化水素基を表し、a、b、cはそ
    れぞれ0以上4以下の整数を表し、b+c≦4を満た
    す。二つのアミノ基の結合位置は酸素原子の結合位置に
    対しそれぞれオルソ、メタ、パラのいずれかを示す。)
    で表される化合物であって、その反応溶媒に対する25
    ℃での溶解度が50以下である不飽和イミド化合物の製
    造方法。
  5. 【請求項5】ポリアミン化合物が一般式(4) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、Rf はそれぞれハロ
    ゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または炭素数1
    〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、R5 、R 6 はそれ
    ぞれ水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基または炭素数
    1〜6の含ハロゲン炭化水素基を表す。a、b、c、
    d、eは0以上4以下の整数を表し、b+c≦4、d+
    e≦4を満たす。二つのアミノ基の結合位置は酸素原子
    の結合位置に対しそれぞれオルソ、メタ、パラのいずれ
    かを示す。)で表される化合物であって、その反応溶媒
    に対する25℃での溶解度が50未満である不飽和イミ
    ド化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】ポリアミン化合物が一般式(5) 【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、Rf はそれぞれハロ
    ゲン原子、炭素数1〜6の炭化水素基、または炭素数1
    〜6の含ハロゲン炭化水素基を表し、a、b、d、eは
    0以上4以下の整数を表し、b+c≦4、d+e≦4を
    満たす。二つのアミノ基の結合位置は酸素原子の結合位
    置に対しそれぞれオルソ、メタ、パラのいずれかを示
    す。)で表される化合物であって、その反応溶媒に対す
    る25℃での溶解度が50未満である不飽和イミド化合
    物の製造方法。
  7. 【請求項7】反応溶媒がケトン類、ニトリル類およびエ
    ーテル類からなる群から選ばれた少なくとも1種である
    請求項1、2、3、4、5または6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】反応溶媒がアセトンである請求項1、2、
    3、4、5または6記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107162922A (zh) * 2017-05-24 2017-09-15 吉林大学 一种含烯丙基聚酰亚胺二胺单体及其聚酰亚胺聚合物与制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107162922A (zh) * 2017-05-24 2017-09-15 吉林大学 一种含烯丙基聚酰亚胺二胺单体及其聚酰亚胺聚合物与制备方法
CN107162922B (zh) * 2017-05-24 2020-04-21 吉林大学 一种含烯丙基聚酰亚胺二胺单体及其聚酰亚胺聚合物与制备方法

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