JPH0681163A - 溶接可能な片面黒色鋼材 - Google Patents

溶接可能な片面黒色鋼材

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JPH0681163A
JPH0681163A JP25558692A JP25558692A JPH0681163A JP H0681163 A JPH0681163 A JP H0681163A JP 25558692 A JP25558692 A JP 25558692A JP 25558692 A JP25558692 A JP 25558692A JP H0681163 A JPH0681163 A JP H0681163A
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JP
Japan
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black
ions
trivalent
ion
hexavalent
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Application number
JP25558692A
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English (en)
Inventor
Naoto Yoshimi
直人 吉見
Masaaki Yamashita
正明 山下
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接可能な膜厚の範囲内で優れた黒色外観が
得られ、且つ特に優れた溶接性を有するとともに、耐食
性、密着性、加工性にも優れた黒色鋼材を提供すること 【構成】 亜鉛系めっき鋼材の片側面にクロメート皮膜
を形成させ、その上層に有機溶剤可溶性の熱硬化性樹脂
を基体樹脂とし、これに有機溶剤可溶性の黒色染料と固
形潤滑剤と粒子状防錆顔料とを所定の割合で配合した黒
色皮膜を形成させ、鋼材の他方の面をクロメート単層皮
膜とし、さらに、必要に応じてクロメート単層側の皮膜
を特定の塗布型クロメート皮膜とすることにより、耐指
紋性、高耐食性等の機能を付加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電製品、事務機器、
複写機、自動車、建材製品等に好適な溶接可能で且つ黒
色外観の優れた片面黒色鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、家電製品や事務機器等の分野で、
亜鉛または亜鉛合金めっき等の鋼板に連続的且つ短時間
の処理を施すことにより得られる、溶接可能で且つ外観
の優れた黒色鋼板のニーズが増加している。このため、
黒色化処理方法、黒色化処理液、あるいはそれによって
得られる黒色鋼板の開発が種々試みられている。
【0003】従来、鋼板上に黒色皮膜を形成するための
方法としては、次のようなものがある。 (a)カーボンブラック等の黒色顔料を含む樹脂皮膜を
スプレーまたはロールコーターなどによって数十μmの
膜厚に塗装する方法。 (b)皮膜としてあらかじめ形成されているめっき層自
体を反応または電解させることによって黒色皮膜を形成
する方法。 (1)Agイオンを含むクロメート浴によって黒色クロ
メート皮膜を得る方法(特開昭58−193376
号)。 (2)カーボンブラックを主成分とした黒色樹脂皮膜を
電析する方法(特開昭56−62996号)。 (3)Zn−Co,NiまたはMo系合金電気めっきを
した後、陽極処理する方法(特公昭61−38276
号)。 (4)Zn−Ni合金めっき鋼板に硝酸または硝酸根を
含む浴による浸漬処理、スプレー処理、陽極処理を施し
て、黒色外観を得る方法(特公昭62−30262
号)。 (5)陰極処理により、黒色めっき皮膜を形成させる方
法(例えば、特開昭62−263995号)。 (6)ZnまたはZn合金めっき上に置換めっきを施し
て、より貴な電位を有する金属を析出させる方法(例え
ば、特開昭62−89879号)。 (c)耐食性および密着性を目的として、カリ水ガラス
水溶液中に有機染料を加えた処理液を亜鉛または亜鉛め
っき表面に塗布する方法(特公昭55−30593
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術には以下のような問題点がある。まず、
(a)の方法は一般的な塗装方法であるが、外装用の塗
装膜厚は単層で通常10μm以上であるために、溶接が
不可能である。また、塗膜中の黒色付与剤はカーボンブ
ラックであり、溶接可能な範囲内の膜厚で塗装をした場
合、仮に黒色顔料濃度を塗料としての限界まで増加した
としても黒色度が不十分であり、塗膜のみで十分な黒色
皮膜を得るのは困難である。すなわち、従来の黒色付与
剤では、溶接可能な範囲内の膜厚で十分な黒色性を得る
ことは不可能であった。
【0005】また、(b)の各種方法についても、次の
ような問題がある。このうち、まず(1)の方法は、処
理浴中にAgイオンを含むために製造コストが高く、し
かも黒色化に必要な処理時間が数十秒と長いため、スト
リップの連続処理(5秒以下)には不適である。(2)
の方法は、黒色皮膜の加工性が十分でなく、また、カー
ボンブラックは親水性であるために耐食性に乏しい。し
かも黒色性も不十分である。(3)および(4)の方法
は、いずれもあらかじめ形成させためっきの一部を黒色
処理の際に溶出させるために、非経済的であるばかりで
なく、めっきから溶出した金属イオンが黒色化処理を劣
化させ、連続操業において大きな問題となる。また、
(3)の方法はZn−Co,Ni,Mo系合金めっきに
限られ、(4)の方法はZn−Ni合金めっきに限られ
るなど、下地金属の種類が限定されてしまうという難点
がある。また、(5)の方法は、黒色皮膜の加工性が十
分でないという問題がある。(6)の方法は、黒色皮膜
の密着性が十分でなく、また、電位がより貴な金属を、
より卑な金属(ZnまたはZn合金)めっきの上に形成
させるために、耐食性が低下してしまうという問題があ
る。
【0006】次に(c)の方法は、優れた黒色性を有す
る皮膜を目的としたものではなく、また、皮膜の厚さな
ども特定されていないことから、溶接性付与を目的とし
たものでもない。さらに、皮膜の基本物質としてカリ水
ガラスを用いているため、硬化後の皮膜はプレス加工時
における潤滑性が十分でなく、家電用、事務機器等を目
的とする鋼板用としては不向きである。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、カーボンブラック等の黒色顔料
を黒色付与剤とする従来の黒色塗膜(上記(a)の方法
による塗膜)では不可能であった溶接性を付与するため
に、溶接可能な膜厚の範囲内で、優れた黒色外観が得ら
れる黒色鋼材の提供をその第一の目的とする。このよう
な上記(a)の方法の問題点を解決することによって、
従来の反応または電解による方法(上記(b)の方法)
のような、金属イオン溶出による処理浴劣化やめっき損
失という問題や、黒色化のために下地めっきが限定され
るという問題は全く生じない。また、既存のストリップ
連続塗布、焼付設備を用いることにより、短時間での連
続処理が可能となる。
【0008】また、本発明の他の目的は、溶接可能で且
つ黒色外観に優れるだけでなく、耐食性、密着性、加工
性にも優れた黒色鋼材を提供することにある。また、亜
鉛系めっき鋼材の両面に黒色皮膜を形成させると、電気
伝導性のない黒色皮膜によって溶接性が低下すること、
製造コストが高いことなどが問題となる。特に、黒色鋼
材を加工した後に組み立てる際、スポット溶接時の加圧
力と溶接電流の設定上限が小さい溶接機を使用する場合
や、大量に連続組み立てを行うためにスポット溶接連続
打点で数千点以上を必要とする厳しい溶接性が要求され
る部位には、より溶接性に優れた黒色鋼材が要求され
る。このため本発明は上記目的に加え、溶接性に優れ且
つ安価に製造することができる黒色鋼材を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明の骨子は、亜鉛系めっき鋼材の片側面に
クロメート皮膜と黒色皮膜の2層皮膜を形成させ、他方
の面をクロメート単層皮膜とすることにあり、さらに、
必要に応じてクロメート単層側の皮膜に耐指紋性、高耐
食性などの機能を付加することによって、家電製品など
の組み立てにおける耐指紋性や、長期的な耐食性を確保
するものである。
【0010】すなわち、本発明は以下のような構成を有
する。 (1) 鋼材の両面に亜鉛または亜鉛系合金めっきを有
し、その片面にクロム付着量(金属クロム換算)1〜2
00mg/m2のクロメート皮膜を有し、該クロメート
皮膜の上部に、有機溶剤可溶性の熱硬化性樹脂を基体樹
脂とし、この基体樹脂100重量部に対して、主添加成
分として、黒色付与剤たる有機溶剤可溶性の黒色染料を
1〜200重量部、固形潤滑剤を1〜100重量部、粒
子状防錆顔料を1〜100重量部配合してなる膜厚0.
3〜5.0μmの黒色皮膜を有し、鋼材の他の片面にク
ロム付着量(金属クロム換算)10〜120mg/m2
のクロメート皮膜を有することを特徴とする溶接可能な
片面黒色鋼材。
【0011】(2) 上記(1)の鋼材において、クロ
メート皮膜のみが形成された鋼材面側のクロメート皮膜
が、6価Crイオンおよび3価Crイオンを含み、6価
Crイオンと3価Crイオンとの金属クロム換算での重
量比(6価Crイオン/3価Crイオン)が40/60
〜80/20であるクロメート処理液を塗布し、これを
加熱・乾燥して得られたクロメート皮膜である溶接可能
な片面黒色鋼材。
【0012】(3) 上記(1)の鋼材において、クロ
メート皮膜のみが形成された鋼材面側のクロメート皮膜
が、6価Crイオン、3価Crイオンおよびシリカゾル
を含み、6価Crイオンと3価Crイオンとの金属クロ
ム換算での重量比(6価Crイオン/3価Crイオン)
が40/60〜80/20、シリカゾルと全クロム量
(金属クロム換算)との重量比(シリカゾル/全Cr
量)が1/2〜8/1であるクロメート処理液を塗布
し、これを加熱・乾燥することによって得られたクロメ
ート皮膜である溶接可能な片面黒色鋼材。
【0013】(4) 上記(1)の鋼材において、クロ
メート皮膜のみが形成された鋼材面側のクロメート皮膜
が、6価Crイオン、3価Crイオンおよび水系樹脂を
含み、6価Crイオンと3価Crイオンとの金属クロム
換算での重量比(6価Crイオン/3価Crイオン)が
40/60〜80/20、水系樹脂と全クロム量(金属
クロム換算)との重量比(水系樹脂/全Cr量)が1/
20〜40/1であるクロメート処理液を塗布し、これ
を加熱・乾燥して得られたクロメート皮膜である溶接可
能な片面黒色鋼材。
【0014】(5) 上記(1)の鋼材において、クロ
メート皮膜のみが形成された鋼材面側のクロメート皮膜
が、6価Crイオン、3価Crイオン、シリカゾルおよ
び水系樹脂を含み、6価Crイオンと3価Crイオンと
の金属クロム換算での重量比(6価Crイオン/3価C
rイオン)が40/60〜80/20、シリカゾルと全
クロム量(金属クロム換算)との重量比(シリカゾル/
全Cr量)が1/2〜8/1、水系樹脂と全クロム量
(金属クロム換算)との重量比(水系樹脂/全Cr量)
が1/20〜40/1であるクロメート処理液を塗布
し、これを加熱・乾燥して得られたクロメート皮膜であ
る溶接可能な片面黒色鋼材。
【0015】(6) 上記(1)の鋼材において、クロ
メート皮膜のみが形成された鋼材面側のクロメート皮膜
が、6価Crイオン、3価Crイオン、3価PO4イオ
ンおよび2価Znイオンを含み、6価Crイオンと3価
Crイオンとの金属クロム換算での重量比(6価Crイ
オン/3価Crイオン)が40/60〜80/20、3
価PO4 3イオンと全クロム量(金属クロム換算)との重
量比(3価PO4イオン/全Cr量)が1/30〜2/
1、2価Znイオンと6価Crイオン(金属クロム換
算)との重量比(2価Znイオン/6価Crイオン)が
1/40〜2/3であるクロメート処理液を塗布し、こ
れを加熱・乾燥して得られたクロメート皮膜である溶接
可能な片面黒色鋼材。
【0016】(7) 上記(1)の鋼材において、クロ
メート皮膜のみが形成された鋼材面側のクロメート皮膜
が、6価Crイオン、3価Crイオン、シリカゾル、3
価PO4イオンおよび2価Znイオンを含み、6価Cr
イオンと3価Crイオンとの金属クロム換算での重量比
(6価Crイオン/3価Crイオン)が40/60〜8
0/20、シリカゾルと全クロム量(金属クロム換算)
との重量比(シリカゾル/全Cr量)が1/2〜8/
1、3価PO4イオンと全クロム量(金属クロム換算)
との重量比(3価PO4イオン/全Cr量)が1/30
〜2/1、2価Znイオンと6価Crイオン(金属クロ
ム換算)との重量比(2価Znイオン/6価Crイオ
ン)が1/40〜2/3であるクロメート処理液を塗布
し、これを加熱・乾燥することによって得られたクロメ
ート皮膜である溶接可能な片面黒色鋼材。
【0017】(8) 上記(1)の鋼材において、クロ
メート皮膜のみが形成された鋼材面側のクロメート皮膜
が、6価Crイオン、3価Crイオン、水系樹脂、3価
PO4イオンおよび2価Znイオンを含み、6価Crイ
オンと3価Crイオンとの金属クロム換算での重量比
(6価Crイオン/3価Crイオン)が40/60〜8
0/20、水系樹脂と全クロム量(金属クロム換算)と
の重量比(水系樹脂/全Cr量)が1/20〜40/
1、3価PO4イオンと全クロム量(金属クロム換算)
との重量比(3価PO4イオン/全Cr量)が1/30
〜2/1、2価Znイオンと6価Crイオン(金属クロ
ム換算)との重量比(2価Znイオン/6価Crイオ
ン)が1/40〜2/3であるクロメート処理液を塗布
し、これを加熱・乾燥して得られたクロメート皮膜であ
る溶接可能な片面黒色鋼材。
【0018】(9) 上記(1)の鋼材において、クロ
メート皮膜のみが形成された鋼材面側のクロメート皮膜
が、6価Crイオン、3価Crイオン、シリカゾル、水
系樹脂、3価PO4イオンおよび2価Znイオンを含
み、6価Crイオンと3価Crイオンとの金属クロム換
算での重量比(6価Crイオン/3価Crイオン)が4
0/60〜80/20、シリカゾルと全クロム量(金属
クロム換算)との重量比(シリカゾル/全Cr量)が1
/2〜8/1、水系樹脂と全クロム量(金属クロム換
算)との重量比(水系樹脂/全Cr量)が1/20〜4
0/1、3価PO4イオンと全クロム量(金属クロム換
算)との重量比(3価PO4イオン/全Cr量)が1/
30〜2/1、2価Znイオンと6価Crイオン(金属
クロム換算)との重量比(2価Znイオン/6価Crイ
オン)が1/40〜2/3であるクロメート処理液を塗
布し、これを加熱・乾燥して得られたクロメート皮膜で
ある溶接可能な片面黒色鋼材。
【0019】(10) 上記(1)〜(9)のいずれかの
鋼材において、黒色皮膜中の固形潤滑剤が、ポリオレフ
ィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹脂系化合
物、脂肪族アミド系化合物、金属石鹸類、二硫化モリブ
デン等の金属硫化物、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化
ホウ素およびポリアルキレングリコールからなる群の中
から選ばれる1種または2種以上からなる溶接可能な片
面黒色鋼材。
【0020】(11) 上記(1)〜(10)のいずれかの
鋼材において、黒色皮膜中の粒子状防錆顔料が、難溶性
クロム化合物およびシリカからなる群の中から選ばれる
1種または2種以上からなる溶接可能な片面黒色鋼材。 (12) 上記(1)〜(11)のいずれかの鋼材におい
て、黒色皮膜中の黒色付与剤として、有機溶剤可溶性の
黒色アゾ系金属錯塩染料を含む溶接可能な片面黒色鋼
材。 (13) 上記(1)〜(11)のいずれかの鋼材におい
て、黒色皮膜中の黒色付与剤として、有機溶剤可溶性の
黒色アジン染料を含む溶接可能な片面黒色鋼材。 (14) 上記(1)〜(11)のいずれかの鋼材におい
て、黒色皮膜中の黒色付与剤として、有機溶剤可溶性の
黒色アゾ染料を含む溶接可能な片面黒色鋼材。 (15) 上記(1)〜(11)のいずれかの鋼材におい
て、黒色皮膜中の黒色付与剤として、有機溶剤可溶性の
アゾ系金属錯塩染料とフタロシアニン染料とを含む溶接
可能な片面黒色鋼材。
【0021】
【作用】以下、本発明の詳細とその限定理由を説明す
る。なお、以下の説明は鋼板を例に行うが、本発明はこ
れに限定されるものではない。本発明の黒色鋼板は、鋼
板の両面に亜鉛めっきまたは亜鉛系合金めっき形成させ
ためっき鋼板を出発素材とし、その片面にクロメート皮
膜と薄い黒色皮膜(0.3〜5μm)からなる複合皮膜
を、また、他の片面にはクロメート単層皮膜を形成させ
たものである。前記黒色皮膜は熱硬化性樹脂を基本樹脂
とし、これに主添加成分として、黒色付与剤たる特定の
黒色染料、加工性付与を目的とした固形潤滑剤および耐
食性付与を目的とした粒子状防錆顔料を特定の配合率で
配合したものである。また、必要に応じてクロメート単
層側のクロメート皮膜を特定の組成からなる塗布型クロ
メート皮膜とする。なお、本発明における黒色染料と
は、分子の化学構造上、同一種類の分子のみで黒色を呈
するものと、分子の化学構造が異なる数種類の染料を混
合することにより黒色を呈するものとを含むものであ
る。
【0022】出発素材たる亜鉛系めっき鋼板としては、
亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−ニッ
ケル合金めっき鋼板、亜鉛−マンガン合金めっき鋼板、
亜鉛−アルミ合金めっき鋼板、亜鉛−コバルト−クロム
合金めっき鋼板、さらにはこれら任意の鋼板のめっき成
分に、Ni,Fe,Mn,Mo,Co,Al,Cr等の
元素を1種または2種以上添加したものを用いることが
できる。また、上記の任意のめっき中に粒子状樹脂、シ
リカ、クロム化合物等を共析させた分散めっきを有する
鋼板を用いることができる。さらに上記したようなめっ
きのうち同種または異種のものを2層以上施した複合め
っき鋼板であってもよい。例えば、Fe含有量の異なる
Fe−Zn合金めっきを2層以上施したようなめっき皮
膜を下地とすることができる。
【0023】なお、黒色性の観点からは、下地鋼板の種
類に関係なく同様の黒色皮膜が得られるため、めっき皮
膜を有しない熱延鋼板または冷延鋼板を出発素材とする
ことも可能であり、また、同様の理由でステンレス鋼
板、アルミ合金板、チタン合金板を素材とすることも可
能である。しかし、家電用黒色鋼板として成形加工して
未塗装使用するという用途を考慮すると、コストや耐食
性等の性能の面から、出発素材は上記亜鉛系めっき鋼板
とすることが望ましく、このため本発明では、出発素材
は亜鉛めっき鋼板または亜鉛系合金めっき鋼板に限定し
た。これらの亜鉛系めっき鋼板のめっき方法は、電解
法、溶融法、気相法等のうち実施可能ないずれの方法を
採用することもできる。
【0024】以上の亜鉛系めっき鋼板の片面には、クロ
メート皮膜および黒色皮膜(以下、二層皮膜という)、
他の片面にはクロメート皮膜のみ(以下、クロメート単
層皮膜という)を形成する。このように片面のみに黒色
皮膜を形成させることにより、優れた溶接性が得られ
る。二層皮膜側は、クロメート皮膜と黒色皮膜との複層
化によって極めて優れた耐食性が得られる。この二層皮
膜側のクロメート皮膜は、クロム付着量(dry)とし
て1〜200mg/m2、好ましくは10〜80mg/
2(以上、金属クロム換算)とする。クロム付着量が
200mg/m2を超えると加工性、溶接性が劣化する
傾向がある。また、クロム付着量が1mg/m2未満で
は皮膜が不均一となって耐食性が劣化する可能性があ
る。また、クロメート皮膜には6価のCrが存在したほ
うが好ましい。6価Crイオンは補修作用があり、鋼板
に傷がついた場合そこからの腐食を抑制する作用をす
る。
【0025】このような下地皮膜のためのクロメート処
理は、反応型、塗布型、電解型等の公知のいずれの方法
によってもよい。塗布型クロメート処理液は、部分的に
還元されたクロム酸溶液を主成分とし、必要に応じこれ
に水分散性または水溶性のアクリル樹脂等の有機樹脂及
び/又は粒径数mμ〜数百mμのシリカ(コロイダルシ
リカ、フュームドシリカ)を含有せしめたものである。
この場合、3価Crイオン/6価Crイオンの割合は1
/1〜1/3、pHは1.5〜4.0(より好ましくは
2〜3)が好ましい。3価Crイオン/6価Crイオン
の割合は一般の有機還元剤(例えば糖類、アルコール類
等)や無機還元剤を使用して所定の割合に調節する。ま
た塗布型クロメート処理としては、ロールコーター法、
浸漬法、スプレー法等、いずれの方法を使用してもよ
い。塗布型クロメート処理では、クロメート処理後水洗
することなく乾燥して皮膜を得る。このように水洗する
ことなく乾燥するのは、通常行われる水洗では6価Cr
イオンが除去されるためであり、3価Crイオン/6価
Crイオンの割合をそのまま安定して維持させ、上部に
形成される樹脂皮膜により腐食環境下での6価Crイオ
ンの過剰流出を抑制し、長期間に亘って効果的に不働態
化作用を維持させ高耐食性能を得ることができる。
【0026】一方、電解型クロメート処理では、無水ク
ロム酸と、硫酸、リン酸フッ化物またはハロゲン酸素酸
等のアニオンの1種または2種以上を含有する浴で陰極
電解処理を施し、水洗・乾燥して皮膜を形成せしめる。
以上の2つの処理方式によるクロメート皮膜を比較する
と、塗布型クロメートは電解型クロメートと比較して皮
膜中に6価クロムを多く含有しているため耐食性が優れ
ており、その上、後述するように加熱処理した場合、皮
膜が緻密で且つ強固になるため、電解型クロメートに較
べより耐食性が良好になる。一方、電解型クロメートは
加熱処理の有無に拘らず皮膜の完成度が高いという長所
があり、また、皮膜付着量コントロールが容易であると
いう利点がある。耐食性を考慮すると塗布型クロメート
が最も望ましい。
【0027】次に黒色皮膜の成分について説明する。本
発明における黒色皮膜は、熱硬化性樹脂を基体樹脂と
し、これに黒色付与剤として黒色染料を含むことをその
最大の特徴としている。さらに、本発明では上記成分に
加え、黒色皮膜の加工性向上を目的として固形潤滑剤
を、また耐食性向上を目的として粒子状防錆顔料をそれ
ぞれ含有させる。以下の説明において、黒色皮膜の黒色
度は明度L値によって評価する。L値は、その値が小さ
いほど黒色度は良好であり、本発明における黒色皮膜の
目標をL≦25、望ましくはL≦20、より望ましくは
L≦15とする。なお、L値の測定はスガ試験機(株)
製多光源分光光度計(型式MSC)によって行った。
【0028】黒色付与剤として必要とされる機能は、溶
接可能な厚さ(5μm以下)の皮膜において、十分な黒
色度を示すことができるという点にある。しかも、その
黒色付与剤を十分な黒色性が得られる混合比で基体樹脂
に混合した場合に、黒色皮膜に必要とされる他の性能、
例えば加工性、耐食性などに悪影響を及ぼすようなもの
があってはならない。
【0029】一般に用いられる着色剤は、無機顔料、有
機顔料、染料に大きく分類できる。このうち、無機顔
料、有機顔料を数μm以下の薄い塗膜中に用いる場合、
顔料の隠蔽力が黒色性にとって重要である。無機顔料の
黒色付与剤としては、カーボンブラックが代表的であ
り、安価であることなどから、黒色付与剤の中でも最も
多く使用され、目的に応じたグレードも数多く取揃えら
れている。しかしながらこのカーボンブラックは、通常
の塗料のような数十μmの膜厚の場合と異なり、本発明
が目標としているような厚さ5μm以下の薄膜において
は、隠蔽力が十分でないため黒色度が不十分であり、し
かも、導電性顔料であるために、黒色皮膜が通電性をも
ち、鋼板の耐食性が劣るため適当ではない。また、この
他の黒色無機顔料、例えば酸化鉄、チタンブラック等も
黒色度が十分でない。
【0030】また、黒色の有機顔料としては、アニリン
ブラックが代表的であるが、これもやはり隠蔽力が劣る
ために、十分な黒色性を得ることはできない。その他の
黒色有機顔料として、ペリレンブラックがあるが、これ
も同様に十分な黒色度を得ることができない。また、上
述のような無機顔料および有機顔料を2種類以上組み合
わせた場合においても、やはり黒色度は十分ではない。
【0031】現在市販されている染料は商品名として数
千種類あると言われているが、これらは、大きく分けて
2種類の分類方法、すなわち、化学構造的な分類法
(1)と、染料特性による実用的な分類法(2)によっ
て分類されている(例えば、「有機化学ハンドブック」
技報堂発行、社団法人有機合成化学協会編)。
【0032】化学構造による分類法(1)では、染料分
子内の発色の原因となる主体構造によって分類され、ニ
トロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料(モノアゾ染料、ジ
スアゾ染料、トリスアゾ染料、テトラキスアゾ染料)、
アントラキノン染料、インジゴ染料、アジン染料、シア
ニン染料、フタロシアニン染料、スチルベン染料、硫化
染料、トリアゾール染料、トリフェニルメタン染料、ア
クリジン染料、ジフェニルメタン染料、オキサジン染料
等がある。一方、染料特性による実用的な分類法(2)
では、直接染料、酸性染料、塩基性染料、酸性媒染染
料、金属錯塩染料、硫化染料、建染染料、アイゾック染
料、分散染料、反応染料、酸化染料、けい光増白染料、
油溶性(有機溶剤可溶性)染料等がある。
【0033】上記の分類によれば、例えば(2)の分類
法によって酸性染料の中に分類される染料は、さらに
(1)の分類法によって、アゾ染料(モノアゾ、ジスア
ゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ)、アントラキノン染
料、トリフェニルメタン染料、アジン染料等に分類でき
る。一方、染料の重要な特性である色彩は、その化学構
造の中の−CH=CH−、−N=N−等の不飽和結合を
持つ基(発色団)と、−NH2、−OH等の遊離電子対
を持つ基(助色団)とによって、ある特定の波長の光が
吸収され、吸収されない波長の光が肉眼にその物の色と
して捕らえられることによるものであり、その結果、様
々な色彩の染料が存在することになる。後述の「COLOUR
INDEX」では、これらの色彩を黄、オレンジ、赤、バイ
オレット、青、緑、茶、黒に分類している。
【0034】ところで、「THE SOCIETY OF DYERS AND C
OLOURISTS」と「AMERICAN ASSOCIATION OF TEXTILE CHE
MISTS AND COLOURISTS」による「COLOUR INDEX (THIRD
EDITION Vol.1〜8)」は、市販品の染料がそれぞれ
属する分類、構造、性質、用途等を記載しており、各染
料はこの「COLOUR INDEX」の中で分類・定義された「C.
I. Generic Name」により分類されている。すなわち、
この「COLOUR INDEX」の分類法は、市販の染料を、まず
上記(2)の分類とほぼ同じような実用的な区分に分
け、次に色の区分を表示し、さらにその中で、同じ化学
構造をもつ染料毎に分類(1から順に番号で表示)して
いる。具体的な構造式まで明確なものはその構造を表す
「C.I. Constitution Number」が記されているが、そう
でないものでも大部分のものに前述(1)の分類のよう
な、例えばアゾ(モノアゾ、ジスアゾ等)、アントラキ
ノン、アジン等の化学構造上の分類が記載されている。
【0035】例えば、酸性(Acid)染料の分類の中の黒
色の染料は「C.I. Acid Black」という分類で表示さ
れ、その中でも「C.I. Acid Black 1」はジスアゾ染料
の特定の化学構造のもの、「C.I. Acid Black 2」はア
ジン染料の特定の化学構造のもの、「C.I. Acid Black
3」はジスアゾ染料の特定の化学構造のもの、というよ
うに分類され、それぞれに色彩、特性、用途等が記述さ
れている。そして、この「C.I. Generic Name」は市販
の染料の商品名と相互に照らし合わせることができる。
【0036】さて、本発明に先立って、本発明者らはこ
れらあらゆる分類に属する染料の中の黒色の染料につい
て、黒色皮膜中で本発明が目的とするような機能を有す
るか否かについて検討を行った。その機能とは、 (1)基体樹脂(熱硬化性樹脂)および溶媒(水系、有
機溶剤系を問わず)への溶解または分散が可能であり、
しかも焼付による熱硬化時に変色しないこと。 (2)形成された黒色皮膜が、溶接可能な薄い厚さ(〜
5μm)においても十分な黒色度を有すること。 (3)様々な光源に照らされる家電、事務機器等の鋼板
に使用する場合でも、色が劣化しないこと。すなわち、
良好な耐光堅牢性を有する染料であること。 であり、これら3つの機能をすべて満たす黒色染料でな
ければならない。
【0037】検討の結果、有機溶剤可溶性の黒色染料が
本発明の目的とする黒色皮膜の黒色付与剤として適して
いることが判った。すなわち、有機溶剤可溶性の黒色染
料を有機溶剤可溶性の熱硬化性樹脂と配合することによ
り、溶接可能な薄い皮膜(5μm以下)においても、優
れた黒色度(L≦20、望ましくはL≦15)が得られ
ることが判明した。
【0038】このような有機溶剤可溶性の黒色染料は、
有機溶剤例えばアルコール、セロソルブ、エステル、ケ
トン類に容易に溶解するため、これらの有機溶剤および
有機溶剤可溶性の熱硬化性樹脂とともに混合することに
より、黒色皮膜の組成物とすることが可能である。そし
て、このように黒色皮膜中の黒色付与剤として配合した
場合に、溶接可能な範囲の薄い皮膜(〜5μm)でも優
れた黒色度を示す。さらに染料自体の耐光堅牢度が優れ
ているところから、様々な光源に照らされる家電、事務
機器用等の黒色鋼板に用いる場合でも全く問題はない。
【0039】さらに形成された黒色皮膜の耐食性は、カ
ーボンブラックを黒色付与剤として含む黒色皮膜よりも
はるかに優れている。これは、黒色染料が非導電性であ
ることに加え、染料が分子レベルで黒色皮膜内に均一且
つ緻密に分布し、染料自体が不働態皮膜としての機能を
持つこと、分子レベルで黒色皮膜内に均一且つ緻密に分
布した黒色染料がイオンの透過を防ぎ、皮膜のバリアー
効果を向上させること、等によるものと考えられる。
【0040】そして、このような黒色皮膜を有する本発
明鋼板では、下地クロメートの不働態皮膜形成(3価C
rイオンの作用)によるバリアー効果と樹脂皮膜自体の
バリアー効果とによる防食効果に加え、上述した黒色染
料自体によるバリアー効果が耐食性をより高いものと
し、さらに下地クロメートの6価Crイオン→3価Cr
イオンにより不働態皮膜の欠陥を補修する自己修復作用
と、下地Zn系めっき−クロメート皮膜−黒色皮膜の良
好な密着性等の要因により高度な耐食性が得られる。ま
た、従来のエッチング型や電解処理、置換めっき等の反
応を伴う黒色処理とは異なり、処理に伴う浴の劣化が全
くなく、また下地のめっきの種類が限定されないとい
う、塗布処理の最大の利点も生かすことができる。
【0041】それ以外の染料については、例えば反応性
黒色染料(C.I. Reactive Black)の中のジアゾビニル
スルホン染料や媒染黒色染料(C.I. Mordant Black)の
モノアゾ染料、分散黒色染料(C.I. Disperse Black)
のアゾ染料等は、結果的にはいずれも皮膜自体の黒色性
が不十分であった。これは、皮膜形成の過程および皮膜
形成後の光や熱による変色による要因や、元来黒色度が
不十分であるという要因のいずれかまたはその両方によ
るものと推定される。また、例えば不溶性の建染黒色染
料(C.I. Vat Black)は、いかなる基体樹脂とも相溶ま
たは分散しにくいという問題がある。
【0042】また、本発明者らは、以上述べたような有
機溶剤可溶性の黒色染料うちでも、有機溶剤可溶性の黒
色アゾ系金属錯塩染料が最も優れた耐光堅牢性および耐
食性を有することを見出した。本発明でいう有機溶剤可
溶性の黒色アゾ系金属錯塩染料とは、「COLOUR INDEX」
で「C.I. Solvent Black」の中に分類される有機溶剤可
溶性の黒色染料の中でも、特にアゾ染料とクロム、銅、
コバルト等の3価の金属との錯化合物であり、「COLOUR
INDEX」の「C.I. Generic Name」での代表的なものと
して、C.I. Solvent Black 6、22、23、25、2
8、29、30、34、35、36、37、38、3
9、40、41、42、43、45、47、48、49
等があり、また、この他に登録されていないものもあ
る。
【0043】この染料の特徴とするところは、染料の分
子構造上親水基を持たないため溶剤可溶性であることの
他に、アゾ染料2分子に対して金属1原子の錯化合物
(2:1型金属錯塩)と考えられる構造上の理由によっ
て、光に対する安定性(耐光堅牢性)が他の黒色染料よ
りも優れていることにある。染料と錯塩を形成し得る金
属はCr、Co、Cu、Fe、Al等があるが、主とし
てCrとの錯塩のものが多い。
【0044】市販品としては例えば、 ・チバガイギー社製のORASOL Black RL ・ORASOL Black RLP(以上、C.I. Solvent Black 2
9) ・ORASOL Black CN(C.I. Solvent Black 28) ・ORASOL Black BA(C.I. Solvent Black 6) ・BASF製のZAPON Black X51(C.I. Solvent Blac
k 27) ・保土谷化学工業株式会社製のAizen Spilon Black RLH
Special(C.I. Solvent Black 42) 等がある。またこの他に、「COLOUR INDEX(THIRD EDIT
ION)」に登録されていないもの、例えば、 ・保土谷化学工業株式会社製のAizen Spilon Black MH
Special ・日本化薬株式会社製のKayaset Black K−R 等があり、いずれも優れた黒色度を有する黒色皮膜が得
られる。
【0045】また、黒色アゾ系金属錯塩染料として、特
に黒色アゾ系クロム錯塩染料を用いることにより、その
3価Crイオンと下地クロメートとの相乗効果と推定さ
れる極めて優れた耐食性が得られる。これは、3価のC
rを含む黒色アゾ系金属錯塩染料が不働態皮膜として安
定に存在し、バリアー効果をより一層向上させるためで
あると考えられる。このような理由から、黒色アゾ系金
属錯塩染料としては、錯塩を形成する金属が3価Crイ
オンであるものが最も好ましい。
【0046】また、他の有機溶剤可溶性の黒色染料とし
て、金属錯塩ではない有機溶剤可溶性の黒色アゾ系染料
が、溶接可能な薄い皮膜(〜5μm)において、有機溶
剤可溶性の黒色アゾ系金属錯塩染料と同等以上の優れた
黒色度(L≦20、望ましくはL≦15)を呈すること
が判った。また、この有機溶剤可溶性の黒色アゾ系染料
は、製造単価が有機溶剤可溶性の黒色アゾ系金属錯塩染
料の約8割程度であるため、上記黒色アゾ系金属錯塩染
料を黒色付与剤とする黒色鋼板に較べ、黒色皮膜の原料
コストを低減させることができるという利点がある。
【0047】黒色アゾ系染料は、化学構造的に発色団の
共役二重結合を長くすることにより、より深みのある黒
色を呈することができる。一方、この有機溶剤可溶性の
黒色アゾ系染料は、光に対する安定度、すなわち、耐光
堅牢度は有機溶剤可溶性の黒色アゾ系金属錯塩染料より
劣る。但し、OA機器などの室内で用いられる用途に
は、強度の紫外線が当ることがないので全く問題はな
い。
【0048】このような有機溶剤可溶性の黒色アゾ系染
料としては、先に述べた「COLOUR INDEX」で「C.I. Sol
vent Black」の中に分類される有機溶剤可溶性の黒色染
料の中で、 ・C.I. Solvent Black 1、2、6、15、24、35
(以上、モノアゾ染料) ・C.I. Solvent Black 3、4、39(以上、ジスアゾ
染料) ・C.I. Solvent Black 26、46、51(分子中のア
ゾ基の数は不明) 等がある。また、この他にも「COLOUR INDEX」に登録さ
れていない既存のものや新規のものを用いてもよい。ま
た、有機溶剤可溶性の黒色アゾ系染料は、2種以上のも
のを混合して使用してもよいし、さらに、黒色アゾ系染
料を主体とし、これに化学構造分類上、他の種類に属す
る染料を混合したものを黒色付与剤として用いてもよ
い。
【0049】市販品としては例えば、 ・Neptun Black X60(C.I. Solvent Black 3; BASF
製) ・Neptun A Black X17(C.I. Solvent Black 46;
BASF製) ・Mitsui Oil Black YG-6(C.I. Solvent Black 3
9; 三井東圧染料(株)製) 等があり、いずれも優れた黒色度を呈する黒色皮膜が得
られる。
【0050】また、有機溶剤可溶性の黒色アジン系染料
も、溶接可能な薄い皮膜(〜3μm)において、有機溶
剤可溶性の黒色アゾ系金属錯塩染料とほぼ同等の優れた
黒色度(L≦20、望ましくはL≦15)を呈すること
が判った。この有機溶剤可溶性の黒色アジン系染料は、
その製造単価が有機溶剤可溶性の黒色アゾ系金属錯塩染
料の約半分であるため、上記黒色アゾ系金属錯塩染料を
黒色付与剤とする黒色鋼板に較べ、黒色皮膜の原料コス
トを大幅に低減させることができるという利点がある。
なお、この有機溶剤可溶性の黒色アジン系染料も、耐光
堅牢度に関しては有機溶剤可溶性の黒色アゾ系金属錯塩
染料より劣るが、OA機器などの室内で用いられる用途
には、強度の紫外線が当ることがないので全く問題はな
い。
【0051】このような有機溶剤可溶性の黒色アジン系
染料としては、先に述べた「COLOURINDEX」で「C.I. So
lvent Black」の中に分類される有機溶剤可溶性の黒色
染料の中で、C.I. Solvent Black 5、5:1、7、3
1、32、50などがある。また、この他にも「COLOUR
INDEX」に登録されていない既存のものや新規のものを
用いてもよい。また、有機溶剤可溶性の黒色アジン系染
料も、2種以上のものを混合して使用してもよいし、さ
らに、黒色アジン系染料を主体とし、これに化学構造分
類上、他の種類に属する染料を混合したものを黒色付与
剤として用いてもよい。
【0052】有機溶剤可溶性の黒色アジン系染料の市販
品としては、例えば、 ・Basonyl Black X22(C.I. Solvent Black 5; BASF
製) ・Orient Spirit Black SB(C.I. Solvent Black 5;
オリエント化学工業(株)製) ・Orient Spirit Black SSBB(C.I. Solvent Black
5; オリエント化学工業(株)製) ・Orient Nigrosine Base EX(C.I. Solvent Black
7; オリエント化学工業(株)製) ・Orient Oil Black BS(C.I. Solvent Black 7; オ
リエント化学工業(株)製) ・Orient Special Black EB(C.I. Solvent Black 7;
オリエント化学工業(株)製) ・Sumisol Black AR(C.I. Solvent Black 50; 住友
化学工業(株)製) 等があり、いずれも優れた黒色度を呈する黒色皮膜が得
られる。
【0053】以上の有機溶剤可溶性の黒色アゾ系染料、
黒色アジン系染料は、これを黒色皮膜中の黒色付与剤と
して配合した場合、溶接可能な範囲の薄い皮膜(〜5μ
m)でも優れた黒色度を示す。また、上述したように染
料自体の耐光堅牢度は、有機溶剤可溶性の黒色アゾ系金
属錯塩染料よりも劣るが、家電、事務機器用等の室内用
途の黒色鋼板に用いる場合には全く問題はない。上記黒
色アゾ系金属錯塩染料、黒色アゾ系染料および黒色アジ
ン系染料は、これら2種以上を適宜混合して用いること
もできる。
【0054】また、以上の各染料の外に、有機溶剤可溶
性染料には、例えば、フタロシアニン染料、アゾ・メチ
ン染料、アントラキノン染料、キノフタロン染料等があ
り、これらの染料を用いることができる。上述したよう
に、本発明に適用される黒色染料としては、分子の化学
構造上、同一種類の分子のみで黒色を呈するもののみな
らず、分子の化学構造が異なる数種類の染料を混合する
ことにより黒色を呈するものもある。したがって、減法
混色の原理を利用して、有機溶剤可溶性のアゾ系金属錯
塩染料、アゾ染料、アジン染料、フタロシアニン染料、
アゾ・メチン染料、アントラキノン染料、キノフタロン
染料等のうちの1種または2種以上の分類に属する着色
染料を幾つか混合して黒色染料としたものを適用するこ
とができる。特に黒色アゾ系金属錯塩染料とフタロシア
ニン染料とを混合して使用することにより、黒色皮膜の
色調を調整して美麗な黒色皮膜を得ることができる。例
えば、実施例1の本発明例5に示したように黒色アゾ系
金属錯塩染料を中心とし、これに黄色アゾ系金属錯塩染
料と青色フタロシアニン染料を配合することにより、特
に美麗な外観を得ることができる。
【0055】染料は、溶媒に容易に溶解するため、熱硬
化性樹脂と混合することにより、黒色皮膜の組成物とす
ることが可能である。そして、このように黒色皮膜中の
黒色付与剤として配合した場合に、溶接可能な範囲の薄
い皮膜(〜5μm)でも均一で優れた黒色外観を示す。
また、従来のエッチング型や電解処理、置換めっき等の
反応を伴う黒色処理とは異なり、処理に伴う浴の劣化が
全くなく、また下地のめっきの種類が限定されないとい
う、塗布処理の最大の利点も生かすことができる。
【0056】次に、本発明の黒色皮膜において、基体樹
脂100重量部に対する黒色染料の配合比は、1〜20
0重量部、望ましくは4〜120重量部とする。1重量
部未満では黒色染料の着色効果が乏しく、また、200
重量部を超えると、未溶解の染料が残存するために密着
性に悪影響を及ぼす。また、黒色皮膜の厚さは0.3〜
5.0μm、望ましくは0.7〜3.0μmとする。膜
厚が0.3μm未満では黒色染料の着色効果が乏しく、
一方、3.0μmを超えるとスポット溶接性が低下し、
特に5.0μmを超えると溶接性が著しく低下する。
【0057】黒色皮膜の基体樹脂としては熱硬化性樹脂
を用いる。これは、熱可塑性樹脂を使用した場合、皮膜
に傷が付き易いという問題があるのに対し、熱硬化性樹
脂の場合には良好な耐傷付き性を得ることができるから
である。有機溶剤可溶性の熱硬化性樹脂としては、例え
ば、アクリル系共重合体樹脂、アルキド樹脂、エポキシ
樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレ
タン樹脂、シリコン系樹脂、イソシアネートまたはメラ
ミン架橋型フッ素樹脂類、およびこれら樹脂の2種以上
の混合物、他のモノマーとの付加縮合物若しくは他の樹
脂による変性誘導体などが挙げられる。これらのうち、
アクリル系共重合体樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂
などが好適である。
【0058】上記アクリル系共重合体は、通常の不飽和
エチレン性単量体を用い、溶液重合法、エマルジョン重
合法または懸濁重合法等によって合成される樹脂類であ
って、メタクリレート系、アクリルニトリル、スチレ
ン、アクリル酸、アクリルアミド、ビニルトルエン等の
硬質の単量体を必須成分とし、これに樹脂の硬さ、柔軟
性、架橋性を付与する目的で不飽和ビニル単量体を適宜
配合することによって得られる。また、この樹脂を他の
アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などによ
って変性させた樹脂とすることもできる。
【0059】また、アルキド樹脂は、通常の合成方法に
よって得られる公知のものを使用することができ、例え
ば、油変性アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フ
ェノール変性アルキド樹脂、スチレン化アルキド樹脂、
シリコン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹
脂、オイルフリーアルキド樹脂(ポリエステル樹脂)な
どを挙げることができる。
【0060】エポキシ樹脂としては、エピクロルヒドリ
ン型、グリシジルエーテル型等のストレートエポキシ樹
脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、多塩基性酸変性エポキシ
樹脂、アクリル樹脂変性エポキシ樹脂、アルキド(また
はポリエステル)変性エポキシ樹脂、ポリブタジエン変
性エポキシ樹脂、フェノール変性エポキシ樹脂、アミン
若しくはポリアミン変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エ
ポキシ樹脂などが用いられる。これらの樹脂に対して、
公知の所定の硬化剤が用いられる。この硬化剤として
は、例えば、メラミン、ブロックイソシアネート、尿素
などがある。
【0061】黒色皮膜には、上記黒色付与剤に加えて、
さらに以下に述べる添加剤が添加される。まず、黒色皮
膜に良好な自己潤滑性を付与するために、皮膜組成物に
固形潤滑剤が添加される。本発明に適用できる固形潤滑
剤としては、以下のようなものがあげられる。 ・炭化水素系滑剤類;例えば、天然のパラフィン、合成
パラフィン、マイクロワックス、ポエチレンワックス、
塩素化炭化水素等 ・フッ素樹脂;例えば、ポリフルオロエチレン樹脂、ポ
リフッ化ビニル樹脂、ポリ4フッ化エチレン樹脂、ポリ
フッ化ビニリデン樹脂等 ・脂肪酸アミド系滑剤;例えば、ステアリン酸アミド、
パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エ
チレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、エシル
酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等 ・金属石けん類;例えば、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチン酸カ
ルシウム等 ・金属硫化物類;二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ン ・その他;グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、グ
リース、アルカリ金属硫酸塩等
【0062】上記固形潤滑剤は、熱硬化性樹脂100重
量部に対して、1〜100重量部、好ましくは10〜6
0重量部の範囲で配合する。配合量が10重量部未満、
特に1重量部未満であると、固形潤滑剤添加による黒色
皮膜の潤滑向上効果が乏しく、一方、60重量部超、特
に100重量部超であると、硬化後の黒色皮膜の強度が
低下し、皮膜の一部がプレス加工の型に付着するため適
当でない。
【0063】有機溶剤可溶性の基体樹脂と有機溶剤可溶
性の黒色染料からなる黒色皮膜組成物を塗布して得られ
た黒色皮膜は、下地めっきとクロメート皮膜との相乗効
果により十分な耐食性を有しているが、本発明では、加
工部における耐食性を一層向上させるために、黒色皮膜
組成物中に粒子状防錆顔料を添加する。これによってよ
り一層優れた耐食性が得られ、且つ黒色鋼板の用途も広
がることになる。粒子状防錆顔料としては、難溶性クロ
ム酸塩、シリカの中から選ばれる1種または2種以上が
用いられる。
【0064】難溶性クロム酸塩としては、クロム酸バリ
ウム(BaCrO4)、クロム酸ストロンチウム(Sr
CrO4)、クロム酸鉛(PbCrO4)、クロム酸亜鉛
(ZnCrO4・4Zn(OH)2)、クロム酸カルシウ
ム(CaCrO4)、クロム酸亜鉛カリウム(K2O・4
ZnO・4CrO3・3H2O)、クロム酸銀(AgCr
4)がある。
【0065】本発明で使用するシリカとしては、乾式シ
リカ(例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL 13
0,AEROSIL 200,AEROSIL 300,AEROSIL 38
0,AEROSIL R972,AEROSIL R811,AEROSIL R
805,AEROSIL R974等)、コロイダルシリカ(例
えば、日産化学工業(株)製のMA−ST,IPA−S
T,IBA−ST,EG−ST,XBA−ST,ETC
−ST,DMAC−ST等)、湿式シリカ・沈降法(例
えば、徳山曹達(株)製のT−32(S),K−41,
F−80)、湿式シリカ・ゲル法(例えば、富士デヴィ
ソン化学(株)製のサイロイド244、サイロイド15
0、サイロイド72、サイロイド65、SHIELDE
X等)などを使用することができる。また、上記のシリ
カを2種以上混合して使用することも可能である。
【0066】以上の粒子状防錆顔料を1種または2種以
上、上記黒色皮膜組成物にその構成成分として配合す
る。防錆顔料の配合比は、熱硬化性樹脂100重量部に
対して、1〜100重量部、好ましくは10〜60重量
部の範囲とする。粒子状防錆顔料の配分比が1重量部未
満では、防錆顔料を配合したことによる防錆効果が現れ
ず、一方、100重量部を超えると、防錆顔料自体に黒
色以外の着色効果があるため、例えば黄色の難溶性クロ
ム酸塩の場合には、黒色性を低下させてしまうという問
題が生じる。
【0067】また、上記固形潤滑剤と粒子状防錆顔料と
を複合添加すれば、加工性、加工部の耐食性ともに優れ
た黒色皮膜を形成することが可能となる。その際、基体
樹脂100重量部に対し、固形潤滑剤および粒子状防錆
顔料は、それぞれ1〜100重量部、好ましくは10〜
60重量部の範囲で添加される。また、黒色の微妙な色
調や光沢度を好みに応じて調整するため、他の着色顔料
(カ−ブンブラック等の無機顔料、有機顔料)や着色染
料を添加してもよい。
【0068】以上の黒色皮膜は、その組成物を必要に応
じて溶剤に希釈し、ロール絞り、ロールコーター或いは
エアナイフ等の方法により所定膜厚に塗布した後、板温
80〜300℃(好ましくは120〜250℃)で加熱
硬化させることにより得られる。塗布方法および焼付方
法は、一般的な方法で行われ、特に制限はないが、本発
明鋼板の製造では、鉄鋼メーカーが有する高耐食性表面
処理鋼板を製造するためのコーティング設備がそのまま
使用できるという大きなメリットがある。
【0069】次にクロメート単層皮膜側のクロメート皮
膜について説明する。このクロメート皮膜は、二層皮膜
側のクロメート皮膜と同一のものでも、また、異種のも
のでもよい。すなわち、クロメート単層皮膜側と二層皮
膜側のクロメート皮膜の組み合せは、例えば、両面とも
同一組成の反応型クロメート皮膜または電解クロメート
皮膜若しくは塗布型クロメート皮膜とすることができ
る。また、本発明鋼板を塗装することなく、そのまま部
品等に使用する場合には、単層皮膜側のクロメート皮膜
を高機能の塗布型クロメートとすることができ、この場
合には二層皮膜側のクロメート皮膜を任意の塗布型クロ
メート皮膜とし、一方、単層皮膜側のクロメート皮膜
を、例えばシリカや水系樹脂を含有した特定組成のクロ
メート皮膜とすることができる。
【0070】これらのクロメート皮膜については、先に
二層皮膜のクロメート皮膜について説明した通りである
が、特に、クロメート単層皮膜側に塗布型クロメートを
用いる場合、以下(1)〜(4)のうちいずれかの組成
のクロメート処理液を用いることが好ましい。
【0071】(1)6価Crイオンおよび3価Crイオ
ンを含み、重量比で6価Crイオン/3価Crイオン=
40/60〜80/20のクロメート処理液 (2)6価Crイオン、3価Crイオンおよびシリカゾ
ルを含み、重量比で6価Crイオン/3価Crイオン=
40/60〜80/20、シリカゾル/全Cr量=1/
2〜8/1のクロメート処理液 (3)6価Crイオン、3価Crイオンおよび水系樹脂
を含み、重量比で6価Crイオン/3価Crイオン=4
0/60〜80/20、水系樹脂/全Cr量=1/20
〜40/1のクロメート処理液 (4)6価Crイオン、3価Crイオン、シリカゾルお
よび水系樹脂を含み、重量比で6価Crイオン/3価C
rイオン=40/60〜80/20、シリカゾル/全C
r量=1/2〜8/1、水系樹脂/全Cr量=1/20
〜40/1のクロメート処理液 (以上、6価Crイオン、3価Crイオン、全Crは金
属クロム換算)
【0072】上記各クロメート処理液の限定理由につい
て説明すると、まず、6価Crイオンと3価Crイオン
との重量比(6価Crイオン/3価Crイオン)は耐食
性とクロム固定率に影響を及ぼすので、40/60〜8
0/20の範囲とすることが望ましい。すなわち、6価
Crイオン/3価Crイオンが80/20を超えると、
クロメート処理液を塗布しためっき鋼板を70〜250
℃の乾燥温度で乾燥させても、水に溶け易い6価Crイ
オンがクロメート皮膜中に多量に存在するために、アル
カリ脱脂後のクロム固定率が低下する。一方、6価Cr
イオン/3価Crイオンが40/60未満であると、ア
ルカリ脱脂後のクロム固定率は向上するが、クロメート
皮膜中の6価Crイオンの量が少ないため、耐食性が低
下し、また、クロメート処理液を塗布しためっき鋼板を
70〜250℃の乾燥温度で乾燥させると、クロメート
皮膜の親水性が高くなるため、耐指紋性が低下する。な
お、親水性とは、水分子と結合し易い性質をいう。した
がって、6価Crイオン/3価Crイオンは40/60
〜80/20とすることが好ましい。
【0073】6価Crイオン/3価Crイオンが40/
60未満の場合、すなわち、6価Crイオンの比率が小
さい場合にクロメート皮膜の親水性が高くなる理由は必
ずしも明らかではないが、以下のような理由によるもの
と推定される。すなわち、6価Crイオンがシリカ粒子
中の親水性基であるシラノール基と結合すると、クロメ
ート皮膜の親水性が低下するが、6価Crイオンの比率
が小さいと、6価Crイオンと結合しないシラノール基
が増加し、その結果、クロメート皮膜の親水性が高くな
るものと考えられる。
【0074】なお、クロメート皮膜の難溶性、耐食性お
よび耐指紋性を一段と向上させるためには、6価Crイ
オン/3価Crイオンを50/50〜75/25とする
ことが好ましい。6価Crイオンおよび3価Crイオン
を含有する水溶液は、無水クロム酸(CrO3)水溶液
中の6価Crイオンの一部を、蔗糖、グリコール、澱
粉、メタノール、エタノール、または蓚酸等の還元剤に
よって、3価Crイオンに還元することによって得るこ
とができる。
【0075】次に、シリカゾル(SiO2)をクロメー
ト処理液中に添加すると、耐食性がより一層向上すると
ともに、耐指紋性も向上する。しかしながら、シリカゾ
ルと全Cr量との重量比(シリカゾル/全Cr量)が1
/2未満では、耐食性および耐指紋性に格別の向上が認
められない。一方、シリカゾル/Crが8/1を超える
と、クロメート皮膜の親水性が高くなるため耐指紋性が
低下し、鋼板に指が触れた際にクロメート皮膜に汗が付
着し易く、指紋が明瞭に残る。また、クロメート皮膜の
電気抵抗が増大するため、溶接性も低下する。したがっ
て、シリカゾル/全Cr量は1/2〜8/1とすること
が好ましい。なお、クロメート皮膜の耐食性および耐指
紋性を一段と向上させるためには、シリカゾル/全Cr
量を1/1〜7/1とすることが好ましい。
【0076】シリカゾルは、乾式シリカ粉末に比べてク
ロメート処理液中における分散性が良好で、凝集しにく
い。そのため、シリカゾルを添加したクロメート処理液
を使用すると、乾式シリカ粉末を添加したクロメート処
理液を使用した場合に比べて、クロメート皮膜の耐食性
および耐指紋性が向上する。シリカゾルは、水ガラス
(ケイ酸ソーダの水溶液)を原料とし、イオン交換法、
電気透析法等によって製造される。シリカゾルとして
は、例えば、日産化学工業(株)製のスノーテックス
O、スノーテックスOL等が使用できる。
【0077】また、水分散性の樹脂粒子(以下、水系樹
脂という)をクロメート処理液中に添加すると耐指紋性
が向上するとともに、鋼板の耐傷付き性、プレス成形性
を同時に向上させることができる。本発明で用いる水系
樹脂としては、クロメート処理液中で安定して分散でき
るものであることが必要で、例えば、ポリエステル系、
アクリル系、アルキド系、ビニル系、シリコン系および
ラテックス系の樹脂が用いられる。水系樹脂と全Cr量
との重量比(水素樹脂/全Cr量)は、1/20〜40
/1とすることが好ましい。1/20未満であると耐指
紋性、耐傷付き性、プレス成形性の向上効果が十分に期
待できない。一方、40/1を超えて水系樹脂を添加し
ても添加量に見合う効果が得られない。
【0078】また、3価PO4イオンと2価Znイオン
にはクロメート皮膜の難溶性を向上させる作用があり、
このため上述した成分組成を有するクロメート処理液中
に、必要に応じて3価PO4イオンと2価Znイオンを
下記の割合で添加することができる。 3価PO4イオンと全Cr量との重量比(3価PO4イオ
ン/全Cr量):1/30〜2/1 2価Znイオンと6価Crイオンとの重量比(2価Zn
イオン/6価Crイオン):1/40〜2/3 3価PO4イオン/全Cr量が1/30未満では、クロ
メート皮膜の難溶性に格別の向上が認められない。一
方、3価PO4イオン/全Cr量が2/1を超えると、
クロメート処理液のpH値が低下してエッチング性が増
大し、このためクロメート処理液の老化が早まり、しか
も、耐指紋性も低下する。したがって、3価PO4イオ
ン/全Cr量は1/30〜2/1とする必要がある。
【0079】また、2価Znイオン/6価Crイオンが
1/40未満では、クロメート皮膜の難溶性に格別の向
上が認められない。一方、2価Znイオン/6価Crイ
オンが2/3を超えると、クロメート処理液中に沈澱物
が生成するようになる。したがって、2価Znイオン/
6価Crイオンは1/40〜2/3とする必要がある。
【0080】以上のクロメート処理液を適度な濃度で作
成し、ロール絞り、ロールコーター等の方法により塗布
した後、板温70〜300℃の範囲で加熱乾燥させる。
乾燥温度が70℃未満では、クロメート皮膜の固定率に
格別の向上が認められない。一方、300℃を超える乾
燥温度としても、クロメート皮膜の固定率についてより
高い効果は期待できず、逆にクロメート皮膜に亀裂が生
じるために耐食性が低下する。
【0081】以上のクロメート単層皮膜側のクロメート
皮膜の付着量は、10〜120mg/m2(金属クロム
換算)の範囲とする。クロメート皮膜の付着量が10m
g/m2未満では、耐食性に格別の向上が認められな
い。一方、付着量が120mg/m2を超えると、アル
カリ脱脂後のクロム固定率を向上させることができな
い。このためクロメート皮膜の付着量は10〜120m
g/m2とする必要がある。
【0082】
【実施例】主として家電、事務機器用対応の鋼板とし
て、本発明による片面黒色鋼板および比較例の片面黒色
鋼板を製造した。各片面黒色鋼板は、亜鉛めっき鋼板ま
たは亜鉛系合金めっき鋼板の表面をアルカリ脱脂した
後、水洗・乾燥し、以下のいずれかの工程によって、一
方の面にクロメート皮膜と黒色皮膜からなる二層皮膜
を、他方の面にクロメート単層皮膜を形成させた。表1
〜表5に使用しためっき原板、基体樹脂、黒色付与剤、
固形潤滑剤および粒子状防錆顔料を示す。
【0083】(めっき鋼板)→反応型クロメート処理
(両面)→水洗→乾燥→黒色皮膜コーティング(片面)
→加熱焼付 (めっき鋼板)→電解型クロメート処理(両面)→水
洗→乾燥→黒色皮膜コーティング(片面)→加熱焼付 (めっき鋼板)→塗布型クロメート処理(片面)→塗
布型クロメート処理(反対面)→乾燥→黒色皮膜コーテ
ィング(片面)→加熱焼付
【0084】〔実施例1〕めっき鋼板の両面に、反応型
クロメート処理、電解型クロメート処理または塗布型ク
ロメート処理を施した後、鋼板片面のみを対象としてク
ロメート皮膜上に黒色皮膜を塗布し、加熱硬化させた。
本実施例では、黒色皮膜の組成、膜厚、焼付温度を変化
させ、各片面黒色鋼板についてスポット溶接性及び加工
性の試験と、黒色皮膜形成面(2層皮膜側)を対象とし
た黒色性、耐食性、密着性、耐光堅牢性の各試験を行っ
た。表6〜表9に各片面黒色鋼板の製造条件を、また、
表10〜表13に上記各試験の結果を示す。
【0085】なお、本実施例おけるクロメート処理条件
は以下の通りである。 ・反応型クロメート処理条件 CrO3:10g/l、H2SO4:2g/l、3価Cr
イオン:2g/l、2価Znイオン:3g/lからなる
浴を50℃に保持し、5秒間スプレー処理した後、水洗
・乾燥した。クロム付着量の管理は浴の遊離酸素を調整
することによって行った。 ・電解型クロメート処理条件 CrO3:50g/l、H2SO4:0.5g/l、浴温
50℃の浴により、電流密度4.9A/dm2、電解時
間20秒で陰極電解処理し、水洗・乾燥した。 ・塗布型クロメート処理条件 下記の組成からなるクロメート処理液をロールコーター
によって塗布した後、水洗することなく直ちに板温10
0℃で乾燥させた。なお、クロメート付着量はクロメー
ト処理液濃度(固形分)及びロールコーター条件によっ
て調整した。 6価Crイオン/3価Crイオン=70/30 SiO2/全Cr=4/1 3価PO4イオン/全Cr=0 2価Znイオン/6価Crイオン=0 また、上記各試験は以下の方法で行った。
【0086】(1)黒色度 スガ試験機株式会社製の多光源分光光度計(型式MS
C)を用いて、黒色皮膜のL値を測定した。その評価基
準は、以下の通りである。 ◎ : L≦15 ○ : 15<L≦20 × : L>20
【0087】(2)溶接性試験 二層皮膜面とクロメート単層皮膜面とを重ね合わせた2
枚の片面黒色鋼板に対し、以下の条件でスポット溶接を
行い、連続打点数で評価を行った。また評価基準は、以
下の通りである。 電 極 : Cr−Cu、DR型 電極径 : 6mmφ 溶接電流 : 10kA 通電加圧力: 200kg 通電時間 : 12サイクル/60Hz ◎ : 1000打点以上 ○ : 700打点以上 × : 700打点未満
【0088】(3)平板部および加工部の耐食性試験 平板部およびエリクセン7mm押出し部の塩水噴霧試験
(JIS−Z−2371)を480時間行った。耐食性
の評価は、白錆の発生した量が面積率で5%に達するま
での時間で評価した。その評価基準は以下の通りであ
る。 ◎ : 白錆発生なし ○+: 240時間超、480時間以内 ○ : 120時間超、240時間以内 ○−: 72時間超、120時間以内 △ : 24時間超、72時間以内 × : 24時間以内
【0089】(4)黒色皮膜の密着性 黒色皮膜表面に1mm間隔で100個のゴバン目を刻
み、このゴバン目に接着テープを貼着・剥離することに
より行った。その評価基準は以下の通りである。 ◎ : 剥離面積0% ○ : 剥離面積10%未満 △ : 剥離面積10%以上20%未満 × : 剥離面積20%以上
【0090】(5)加工性試験 ブランク径φ120mm、ダイス径50mmで10mm
押出しによるハット絞り加工を行い、鋼板の側面加工部
に接着テープを貼着・剥離し、皮膜の接着テープへの付
着の程度および黒色皮膜の外観の変化を評価した。その
評価基準は以下の通りである。 ◎ : 粉状剥離が全くない。 ○+: 局部的に若干の粉状剥離が生じるが、黒色皮膜
の外観はほとんど変らない。 ○ : 粉状剥離によりテープが極く薄く黒色となる
が、黒色皮膜の外観はほとんど変らない。 ○−: 粉状剥離によりテープが薄く黒色となり、黒色
皮膜の外観がわずかに白色化する。 △ : 粉状剥離によりテープが黒色となり、黒色皮膜
の白色化が目立つ。 × : 粉状剥離によりテープが著しく黒色となり、黒
色皮膜が完全に剥離する。
【0091】(6)耐光堅牢度 黒色皮膜をJIS L−0842 第2露光法によりフ
ェードメーター照射し、ブルースケールで等級判定を行
った。 ◎ : ブルースケール7〜8級 ○ : ブルースケール5〜6級 △ : ブルースケール3〜4級 × : ブルースケール1〜2級
【0092】〔実施例2〕めっき鋼板の片面に塗布型ク
ロメート及び黒色皮膜からなる2層皮膜を形成し、他方
の片面には塗布型クロメートからなるクロメート単層皮
膜を形成させた。本実施例では、クロメート単層皮膜を
形成するためのクロメート処理液の成分組成を変化さ
せ、各片面黒色鋼板についてスポット溶接性試験と、ク
ロメート単層皮膜面を対象とした耐食性、Cr固定率、
耐指紋性の各試験を行った。表14および表15に各片
面黒色鋼板の製造条件を、また、表16および表17に
上記各試験の結果を示す。
【0093】なお、表14、表15に記載された以外の
製造条件は以下の通りである。 (A)2層皮膜側(黒色皮膜形成側) ・塗布型クロメート処理条件 実施例1と同じ条件で処理 ・黒色皮膜 下記組成からなる黒色皮膜を2.0μmの膜厚で形成さ
せ、焼付温度210℃(板温)で焼付処理した。 熱硬化性樹脂(表1、No.1) …100重量部 有機溶剤可溶性黒色アゾ系金属錯塩染料 (表3、No.1) … 70重量部 固形潤滑剤(表4、No.1) … 10重量部 防錆顔料(表5、No.1) … 10重量部 (B)クロメート単層皮膜側 表14、表15に示した組成からなるクロメート処理液
をロールコーターによって塗布した後、水洗することな
く直ちに所定の板温で乾燥させた。なお、クロメート付
着量はクロメート処理液濃度(固形分)及びロールコー
ター条件によって調整した。また、上記各試験は以下の
方法で行った。
【0094】(1)耐食性 クロメート単層皮膜側を対象面として、平板の塩水噴霧
試験(JIS−Z−2371)を行った。耐食性の評価
は、白錆の発生した量が面積率で5%に達するまでの時
間で評価した。 ○+ : 120時間超 ○ : 24時間超、120時間以内 △ : 4時間超、24時間以内 × : 4時間以内
【0095】(2)Cr固定率 珪酸ソーダを主成分とする60℃のアルカリ脱脂用水溶
液(日本パーカライジング(株)製、CL−N364
S:20g/l)をクロム単層皮膜面に1分間吹き付け
た後、アルカリ脱脂前に対するアルカリ脱脂後における
クロム付着量の比率(%)を測定し、これをクロム固定
率とした。 ○+ : 90%以上 ○ : 70%以上、90%未満 △ : 50%以上、70%未満 × : 50%未満
【0096】(3)耐指紋性 試験片の表面上に指を押し付け、指紋の目立ち易さを目
視により評価した。 ○ : 指紋が目立たない △ : 指紋がやや目立つ × : 指紋が著しく目立つ (4)溶接性 実施例1と同一
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】
【表9】
【0106】*1: 表1に記載のめっき鋼板No. *2: 表2に記載の樹脂No. *3: 表3に記載の黒色付与剤No. *4: 基体樹脂100重量部に対する黒色付与剤の重
量部を表わす。 *5: 表4に記載の固形潤滑剤No. *6: 基体樹脂100重量部に対する固形潤滑剤の重
量部を表わす。 *7: 表5に記載の粒子状防錆顔料No. *8: 基体樹脂100重量部に対する粒子状防錆顔料
の重量部を表わす。
【0107】
【表10】
【0108】
【表11】
【0109】
【表12】
【0110】
【表13】
【0111】
【表14】
【0112】
【表15】
【0113】
【表16】
【0114】
【表17】
【0115】
【発明の効果】以上述べた本発明の片面黒色鋼材は、黒
色皮膜が従来の塗装鋼板よりも薄膜(5μm以下)のた
め溶接が可能であり、また、黒色皮膜が片面にのみ形成
されているため特に優れた溶接性を備えている。しかも
低光沢で黒色度に優れ、指紋も目立ちにくいという特徴
があり、加えて、黒色皮膜の密着性、加工性、耐食性、
耐光堅牢性においても優れている。また、既存ロールコ
ーター設備等による塗布および焼付で製造することがで
きるため、反応エッチングタイプの黒色鋼板と比較し
て、めっきの溶出による浴劣化の問題がなく、このため
生産性を大きく向上させることができ、諸性能、生産性
の両面で極めて優れた黒色鋼板を提供できるものであ
る。
【0116】また、特定の組成の塗布型クロメート皮膜
を黒色皮膜非形成面に形成させた片面黒色鋼材は耐指紋
性や耐食性に特に優れ、上記の優れた溶接性と相俟っ
て、家電製品等に極めて有用な材料となる。また、黒色
皮膜が黒色染料として有機溶剤可溶性の黒色アゾ系金属
錯塩染料を含む片面黒色鋼材は、特に優れた耐光堅牢性
を示す。また、黒色皮膜に有機溶剤可溶性の黒色アゾ系
染料や黒色アジン系染料を含む片面黒色鋼材は、有機溶
剤可溶性の黒色アゾ系金属錯塩染料と比較して耐光堅牢
性はやや劣るものの、家電用等の屋内用途には全く問題
がない上に、それら黒色染料の価格が有機溶剤可溶性の
黒色アゾ系金属錯塩染料の約5〜8割程度であるため、
黒色皮膜組成物の原料コストが低いという利点がある。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材の両面に亜鉛または亜鉛系合金めっ
    きを有し、その片面にクロム付着量(金属クロム換算)
    1〜200mg/m2のクロメート皮膜を有し、該クロ
    メート皮膜の上部に、有機溶剤可溶性の熱硬化性樹脂を
    基体樹脂とし、この基体樹脂100重量部に対して、主
    添加成分として、黒色付与剤たる有機溶剤可溶性の黒色
    染料を1〜200重量部、固形潤滑剤を1〜100重量
    部、粒子状防錆顔料を1〜100重量部配合してなる膜
    厚0.3〜5.0μmの黒色皮膜を有し、鋼材の他の片
    面にクロム付着量(金属クロム換算)10〜120mg
    /m2のクロメート皮膜を有することを特徴とする溶接
    可能な片面黒色鋼材。
  2. 【請求項2】 クロメート皮膜のみが形成された鋼材面
    側のクロメート皮膜が、6価Crイオンおよび3価Cr
    イオンを含み、6価Crイオンと3価Crイオンとの金
    属クロム換算での重量比(6価Crイオン/3価Crイ
    オン)が40/60〜80/20であるクロメート処理
    液を塗布し、これを加熱・乾燥して得られたクロメート
    皮膜である請求項1に記載の溶接可能な片面黒色鋼材。
  3. 【請求項3】 クロメート皮膜のみが形成された鋼材面
    側のクロメート皮膜が、6価Crイオン、3価Crイオ
    ンおよびシリカゾルを含み、6価Crイオンと3価Cr
    イオンとの金属クロム換算での重量比(6価Crイオン
    /3価Crイオン)が40/60〜80/20、シリカ
    ゾルと全クロム量(金属クロム換算)との重量比(シリ
    カゾル/全Cr量)が1/2〜8/1であるクロメート
    処理液を塗布し、これを加熱・乾燥することによって得
    られたクロメート皮膜である請求項1に記載の溶接可能
    な片面黒色鋼材。
  4. 【請求項4】 クロメート皮膜のみが形成された鋼材面
    側のクロメート皮膜が、6価Crイオン、3価Crイオ
    ンおよび水系樹脂を含み、6価Crイオンと3価Crイ
    オンとの金属クロム換算での重量比(6価Crイオン/
    3価Crイオン)が40/60〜80/20、水系樹脂
    と全クロム量(金属クロム換算)との重量比(水系樹脂
    /全Cr量)が1/20〜40/1であるクロメート処
    理液を塗布し、これを加熱・乾燥して得られたクロメー
    ト皮膜である請求項1に記載の溶接可能な片面黒色鋼
    材。
  5. 【請求項5】 クロメート皮膜のみが形成された鋼材面
    側のクロメート皮膜が、6価Crイオン、3価Crイオ
    ン、シリカゾルおよび水系樹脂を含み、6価Crイオン
    と3価Crイオンとの金属クロム換算での重量比(6価
    Crイオン/3価Crイオン)が40/60〜80/2
    0、シリカゾルと全クロム量(金属クロム換算)との重
    量比(シリカゾル/全Cr量)が1/2〜8/1、水系
    樹脂と全クロム量(金属クロム換算)との重量比(水系
    樹脂/全Cr量)が1/20〜40/1であるクロメー
    ト処理液を塗布し、これを加熱・乾燥して得られたクロ
    メート皮膜である請求項1に記載の溶接可能な片面黒色
    鋼材。
  6. 【請求項6】 クロメート皮膜のみが形成された鋼材面
    側のクロメート皮膜が、6価Crイオン、3価Crイオ
    ン、3価PO4イオンおよび2価Znイオンを含み、6
    価Crイオンと3価Crイオンとの金属クロム換算での
    重量比(6価Crイオン/3価Crイオン)が40/6
    0〜80/20、3価PO4イオンと全クロム量(金属
    クロム換算)との重量比(3価PO4イオン/全Cr
    量)が1/30〜2/1、2価Znイオンと6価Crイ
    オン(金属クロム換算)との重量比(2価Znイオン/
    6価Crイオン)が1/40〜2/3であるクロメート
    処理液を塗布し、これを加熱・乾燥して得られたクロメ
    ート皮膜である請求項1に記載の溶接可能な片面黒色鋼
    材。
  7. 【請求項7】 クロメート皮膜のみが形成された鋼材面
    側のクロメート皮膜が、6価Crイオン、3価Crイオ
    ン、シリカゾル、3価PO4イオンおよび2価Znイオ
    ンを含み、6価Crイオンと3価Crイオンとの金属ク
    ロム換算での重量比(6価Crイオン/3価Crイオ
    ン)が40/60〜80/20、シリカゾルと全クロム
    量(金属クロム換算)との重量比(シリカゾル/全Cr
    量)が1/2〜8/1、3価PO4イオンと全クロム量
    (金属クロム換算)との重量比(3価PO4イオン/全
    Cr量)が1/30〜2/1、2価Znイオンと6価C
    rイオン(金属クロム換算)との重量比(2価Znイオ
    ン/6価Crイオン)が1/40〜2/3であるクロメ
    ート処理液を塗布し、これを加熱・乾燥することによっ
    て得られたクロメート皮膜である請求項1に記載の溶接
    可能な片面黒色鋼材。
  8. 【請求項8】 クロメート皮膜のみが形成された鋼材面
    側のクロメート皮膜が、6価Crイオン、3価Crイオ
    ン、水系樹脂、3価PO4イオンおよび2価Znイオン
    を含み、6価Crイオンと3価Crイオンとの金属クロ
    ム換算での重量比(6価Crイオン/3価Crイオン)
    が40/60〜80/20、水系樹脂と全クロム量(金
    属クロム換算)との重量比(水系樹脂/全Cr量)が1
    /20〜40/1、3価PO4イオンと全クロム量(金
    属クロム換算)との重量比(3価PO4イオン/全Cr
    量)が1/30〜2/1、2価Znイオンと6価Crイ
    オン(金属クロム換算)との重量比(2価Znイオン/
    6価Crイオン)が1/40〜2/3であるクロメート
    処理液を塗布し、これを加熱・乾燥して得られたクロメ
    ート皮膜である請求項1に記載の溶接可能な片面黒色鋼
    材。
  9. 【請求項9】 クロメート皮膜のみが形成された鋼材面
    側のクロメート皮膜が、6価Crイオン、3価Crイオ
    ン、シリカゾル、水系樹脂、3価PO4イオンおよび2
    価Zn2イオンを含み、6価Crイオンと3価Crイオ
    ンとの金属クロム換算での重量比(6価Crイオン/3
    価Crイオン)が40/60〜80/20、シリカゾル
    と全クロム量(金属クロム換算)との重量比(シリカゾ
    ル/全Cr量)が1/2〜8/1、水系樹脂と全クロム
    量(金属クロム換算)との重量比(水系樹脂/全Cr
    量)が1/20〜40/1、3価PO4イオンと全クロ
    ム量(金属クロム換算)との重量比(3価PO4イオン
    /全Cr量)が1/30〜2/1、2価Znイオンと6
    価Crイオン(金属クロム換算)との重量比(2価Zn
    イオン/6価Crイオン)が1/40〜2/3であるク
    ロメート処理液を塗布し、これを加熱・乾燥して得られ
    たクロメート皮膜である請求項1に記載の溶接可能な片
    面黒色鋼材。
  10. 【請求項10】 黒色皮膜中の固形潤滑剤が、ポリオレ
    フィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹脂系化
    合物、脂肪族アミド系化合物、金属石鹸類、二硫化モリ
    ブデン等の金属硫化物、グラファイト、フッ化黒鉛、窒
    化ホウ素およびポリアルキレングリコールからなる群の
    中から選ばれる1種または2種以上からなる請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8または9に記載の溶接可能
    な片面黒色鋼材。
  11. 【請求項11】 黒色皮膜中の粒子状防錆顔料が、難溶
    性クロム化合物およびシリカからなる群の中から選ばれ
    る1種または2種以上からなる請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9または10に記載の溶接可能な片面
    黒色鋼材。
  12. 【請求項12】 黒色皮膜中の黒色付与剤として、有機
    溶剤可溶性の黒色アゾ系金属錯塩染料を含む請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、10または11に記
    載の溶接可能な片面黒色鋼材。
  13. 【請求項13】 黒色皮膜中の黒色付与剤として、有機
    溶剤可溶性の黒色アジン染料を含む請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10または11に記載の溶接
    可能な片面黒色鋼材。
  14. 【請求項14】 黒色皮膜中の黒色付与剤として、有機
    溶剤可溶性の黒色アゾ染料を含む請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10または11に記載の溶接
    可能な片面黒色鋼材。
  15. 【請求項15】 黒色皮膜中の黒色付与剤として、有機
    溶剤可溶性のアゾ系金属錯塩染料とフタロシアニン染料
    とを含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10または11に記載の溶接可能な片面黒色鋼材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014129475A1 (ja) * 2013-02-22 2014-08-28 株式会社神戸製鋼所 水系樹脂塗膜積層金属板

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