JPH0682019B2 - 極低温冷凍機 - Google Patents

極低温冷凍機

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JPH0682019B2
JPH0682019B2 JP23579788A JP23579788A JPH0682019B2 JP H0682019 B2 JPH0682019 B2 JP H0682019B2 JP 23579788 A JP23579788 A JP 23579788A JP 23579788 A JP23579788 A JP 23579788A JP H0682019 B2 JPH0682019 B2 JP H0682019B2
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displacer
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cylinder
valve
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倫明 康
哲 宇於崎
克己 鉾谷
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シリンダ内でのディスプレーサ(置換器)の
往復動により冷媒ガスを膨脹させて寒冷を発生させる極
低温冷凍機に関し、特に、発生した寒冷の一部を蓄える
蓄冷器をディスプレーサに内蔵したタイプのものの改良
技術に関する。
(従来の技術) 従来より、高圧の冷媒ガスをシリンダ内で膨脹させて寒
冷を発生させる膨脹機を有する極低温冷凍機として、例
えば特開昭58-214758号公報等に開示されているよう
に、冷媒ガスとしてのヘリウムガスを圧縮する圧縮機
と、その圧縮されたガスを膨脹させる膨脹機とを高圧配
管及び低圧配管によって閉回路に接続してなり、上記膨
脹機における切換バルブにより上記高圧及び低圧配管を
膨脹機のシリンダ内に交互に連通させるとともに、この
切換バルブの切換動作に応じてシリンダ内でスラックピ
ストンを往復動させ、このピストンによりディスプレー
サを往復駆動してヘリウムガスを膨脹させることによ
り、寒冷を発生させるようにしたいわゆる改良ソルベー
サイクルのヘリウム冷凍機が知られている。また、この
他、スラックピストンを使用せず、ディスプレーサを直
接ガス圧によって駆動するようにしたG−Mサイクル
(ギフォード・マクマホンサイクル)のものもよく知ら
れている。
このような冷凍機においては、シリンダ内膨脹室におけ
る冷媒ガスの断熱膨脹に伴い、その温度が低下して寒冷
が発生する。そして、通常、膨脹機のコンパクト化を図
る目的で、容器内に鉛の球や銅の網等の多数の金属製蓄
冷材を収容してなる蓄冷器をディスプレーサに内蔵させ
ており、先ず、膨脹に伴って温度降下した冷媒ガスをシ
リンダの膨脹室から排出する排気行程で、その冷媒ガス
をディスプレーサ内の蓄冷器を通して排出し、その通過
の際に蓄冷器で寒冷の一部を蓄冷する。次に、シリンダ
内膨脹室に冷媒ガスを供給する吸気行程では、膨脹室に
至る冷媒ガスを上記蓄冷器を通して供給して、その蓄冷
器との熱交換によりガス温度を低下させ、この吸気行程
及び排気行程の繰返しによって次第に極低温レベルの寒
冷を得るようになされている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、一般に、磁場中に配置された金属が移動する
と、該金属内に誘導起電流のループが生成し、このルー
プの範囲が大きいほど、誘導電流も増大して磁場の変動
が大きくなるという現象がある。従って、上記ディスプ
レーサの往復動に伴い、その内部の蓄冷器における蓄冷
材が地磁気等の磁場中で移動することとなり、蓄冷器中
に誘導電流が流れる。すなわち、ディスプレーサの移動
により、蓄冷器における蓄冷材の各々に誘導起電流のル
ープが発生する。そして、そのうち、隣接する蓄冷材間
では遊動起電流は互いに打消し合うので、誘導起電流は
蓄冷材集合体においてその外周部分に位置する蓄冷材を
通るループとして残り、その結果、起電流ループの範囲
が大きくなる。
このため、例えば生体中の磁気等、極めて微小な磁束を
測定するためのSQUID(超伝導量子干渉計;Super conduc
ting Quantum Interference Device)等をその作動のた
めに上記極低温冷凍機によって極低温レベルに冷却しよ
うとする場合、上記蓄冷器に発生した誘導起電流のルー
プによる誘導磁場をSQUID等が誤って検出し、そのノイ
ズが大きくなり、SQUID等の作動信頼性に悪影響を及ぼ
すという問題があった。このため、上記SQUID等を冷却
するために液体ヘリウムを使用しているのが現状であ
る。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的
は、上記した極低温冷凍機の蓄冷器における金属製の蓄
冷材に所定の処理を施すことにより、ディスプレーサの
移動に伴って発生する誘導起電流のループの大きさを小
さく抑えて、その誘導磁場を低減し、よってSQUID等を
その作動信頼性を確保しつつ冷凍機によって冷却できる
ようにすることにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的の達成のため、本発明の解決手段は、蓄冷器に
おける金属製の蓄冷材の表面を薄い酸化膜や樹脂等によ
りコーティングして、各蓄冷材で発生した誘導起電流が
他の蓄冷材に流れるのを遮断する。
すなわち、本発明は、第1図及び第3図に示すように、
上記の如く、シリンダ(5)と、該シリンダ(5)内に
往復動可能に嵌装され、かつシリンダ(5)内に膨脹室
(20),(21)を区画形成するディスプレーサ(18)と
を備え、該ディスプレーサ(18)の往復動により、圧縮
機から供給された冷媒ガスを上記膨脹室(20),(21)
内で膨脹させて温度降下させるとともに、この温度下降
した冷媒ガスをディスプレーサ(18)に内蔵した蓄冷器
(28),(29)を通すことによって蓄冷するようにした
極低温冷凍機が前提である。
そして、上記蓄冷器(28),(29)は容器(30)内に多
数の金属製蓄冷材(31),(34)を収容してなり、上記
蓄冷材(31),(34)の表面は伝熱性、蓄熱性及び非導
電性を有するコーティング膜(32)で被覆されているこ
とを特徴とする。
(作用) 上記の構成により、本発明では、冷凍機の作動時、ディ
スプレーサ(18)がシリンダ(5)内で往復動するのに
伴い、該ディスプレーサ(18)に内蔵された蓄冷器(2
8),(29)における各蓄冷材(31),(34)に誘導起
電流が発生する。そして、この蓄冷材(31),(34)の
表面は非導電性を有するコーティング膜(32)で被覆さ
れているので、蓄冷材(31),(34)の各々で発生した
誘導起電流は上記コーティング膜(32)により遮断され
て各蓄冷材(31),(34)内に止どまり、隣接する蓄冷
材(31),(34)に流れなくなり、大きなループの誘導
起電流が切断される。その結果、誘導起電流のループに
よる誘導磁場が抑えられ、SQUID等に悪影響を及ぼすの
が抑制され、よってSQUID等に対する冷凍機による冷却
が可能となる。
また、上記蓄冷材(31),(34)の表面に形成されるコ
ーティング膜(32)は、伝熱性及び蓄熱性を有するの
で、蓄冷材(31),(34)自体の蓄冷性が低下すること
はなく、蓄冷器(28),(29)の蓄冷能力を確保するこ
とができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第3図は本発明の改良ソルベーサイクルを持つヘリウム
冷凍機に適用した実施例を示し、(1)は図外の圧縮機
で圧縮された冷媒ガスとしてのヘリウムガスを膨脹させ
る膨脹機であって、この膨脹機(1)は圧縮機に対し高
圧及び低圧ガス配管(いずれも図示せず)によって接続
されて閉回路が形成されている。
上記膨脹機(1)は、上記高圧ガス配管が接続される高
圧ガス入口(2)及び低圧ガス配管が接続される低圧ガ
ス出口(3)を有するバルブハウジング(4)と、各バ
ルブハウジング(4)の下部に一体的に気密接合され、
上側の大径部(5a)及び下側の小径部(5b)よりなる2
段構造のシリンダ(5)とを備え、上記バルブハウジン
グ(4)の内部には上記高圧ガス入口(2)に連通する
モータ室(6)と、該モータ室(6)に連通する上下方
向の貫通孔(7)と、上記低圧ガス出口(3)に補助オ
リフィス(8)を介して連通するサージボリューム室
(9)とが形成されている。
また、上記バルブハウジング(4)とシリンダ(5)と
の接続部には該シリンダ(5)の上側閉塞端部を構成す
るバルブステム(10)が嵌装され、該バルブステム(1
0)は上記バルブハウジング(4)の貫通孔(7)に気
密嵌合されたバルブシート部(10a)と、シリンダ大径
部(5a)の内径よりも小径に形成され、該シリンダ大径
部(5a)内上部に垂下する垂下部(10b)とを備えてあ
り、バルブシート部(10a)の上面と貫通孔(7)の壁
面とで囲まれる空間により、上記高圧ガス配管にモータ
室(6)を介して連通するバルブ室(11)が形成されて
いる。また、上記バルブステム(10)には、上半分が2
つの分岐流路(12a),(12a)に分岐されかつ上記バル
ブ室(11)をシリンダ(5)内に連通する第1ガス流路
(12)と、一端が該第1ガス流路(12)に後述するロー
タリバルブ(24)の低圧ポート(27)を介して連通する
とともに、他端が上記低圧ガス出口(3)にバルブハウ
ジング(4)に形成した連通路(14)を介して連通する
第2ガス流路(13)とが貫通形成され、該両ガス流路
(12),(13)は、バルブステム(10)上面においてバ
ルブ室(11)に対し、第2ガス流路(13)にあってはバ
ルブステム(10)中心分に、第1ガス流路(12)の分岐
流路(12a),(12a)にあっては上記第2ガス流路(1
3)の開口部に対して対称な位置にそれぞれ開口されて
いる。
一方、シリンダ(5)における大径部(5a)内の上端部
には、該シリンダ大径部(5a)内上部に駆動空間(15)
を区画形成する略カップ形状のスラックピストン(16)
がその上端内側面を上記バルブステム(10)の垂下部
(10b)に気密状に摺接せしめた状態で往復動可能に嵌
合され、上記駆動空間(15)は上記バルブハウジング
(4)内のサージボリューム室(9)にオリフィス(1
7)を介して常時連通している。上記スラックピストン
(16)は底壁(16a)を有し、該底壁(16a)にはピスト
ン(16)内外を連通する中心孔(16b)及び連通孔(16
c)が貫通形成されている。
また、上記シリンダ(5)内にはディスプレーサ(18)
が往復動可能に嵌合されている。該ディスプレーサ(1
8)は、シリンダ(5)の大径部(5a)下半部内を摺動
する密閉円筒状の大径部(18a)と、該大径部(18a)下
端に一体形成され、シリンダ(5)の小径部(5b)内を
摺動する密閉円筒状の小径部(18b)とからなり、この
ディスプレーサ(18)により、上記スラックピストン
(16)下方のシリンダ(5)内空間が上側から順に中間
室(19)、第1段膨脹室(20)及び第2段膨脹室(21)
に区画されている。そして、図示しない連通孔により、
上記ディスプレーサ(18)の大径部(18a)内の空間は
上記第1段膨脹室(20)の常時連通され、また小径部
(18b)内の空間は上記第1及び第2段膨脹室(20),
(21)に常時連通されている。
さらに、上記ディスプレーサ(18)の大径部(18a)上
端にはその大径部(18a)内の空間を上記中間室(19)
に連通する管状の係止片(22)が一体に突設され、該係
止片(22)は上記スラックピストン底壁(16a)の中心
孔(16b)を貫通してピストン(16)内部に所定寸法だ
け延び、その上端部にはピストン底壁(16a)に係合す
るフランジ状の係止部(22a)が一体に形成されてお
り、スラックスピストン(16)の上昇移動時、ピストン
(16)が所定ストロークだけ上昇した時点でその底壁
(16a)と係止片(22)の係止部(22a)との係合によ
り、ディスプレーサ(18)をピストン(16)によって駆
動して上昇開始させるように,つまりディスプレーサ
(18)を所定ストロークお遅れをもってピストン(16)
に追従移動させるようになされている。
また、上記バルブハウジング(4)のバルブ室(11)内
にはモータ室(6)に配置したバルブモータ(23)によ
って回転駆動される切換バルブとしてのロータリバルブ
(24)が配設され、該ロータリバルブ(24)の切換動作
により、高圧ガス配管つまり該高圧ガス配管に連通する
バルブ室(11)と、低圧ガス配管つまり該低圧ガス配管
に連通する連通路(14)とをシリンダ(5)内の中間室
(19)、第1及び第2段膨脹室(20),(21)に対し交
互に連通するようになされている。
すなわち、上記ロータリバルブ(24)はバルブモータ
(23)の出力軸(23a)に回転不能にかつ摺動可能に連
結されている。また、バルブ(24)上面とモータ(23)
との間にはスプリング(25)が縮装されており、このス
プリング(25)のばね力及びバルブ室(11)に導入され
た高圧ヘリウムガスの圧力によりロータリバルブ(24)
下面をバルブステム(10)上面に対し一定の押圧力で押
し付けるようになされている。
一方、上記ロータリバルブ(24)の下面には、その半径
方向に対向する外周縁から中心方向に所定長さだけ切り
込んでなる1対の高圧ポート(26),(26)と、該高圧
ポート(26),(26)に対しロータリバルブ(24)の回
転方向に略90°の角度間隔をあけて配置され、バルブ
(24)下面の中心から外周縁近傍に向かって直径方向に
切き欠いてなる低圧ポート(27)とが形成されている。
そして、バルブモータ(23)の駆動によりロータリバル
ブ(24)がその下面をバルブステム(10)上面に圧接さ
せながら回転して切換動作する際、このロータリバルブ
(24)の切換動作に応じてスラックピストン(16)及び
ディスプレーサ(18)をシリンダ(5)内で往復動さ
せ、バルブ(24)下面の高圧ポート(26),(26)の内
端がそれぞれバルブステム(10)上面に開口する第1ガ
ス流路(12)に合致したときには、バルブ室(11)を高
圧ポート(26),(26)及び第1ガス流路(12)を介し
てシリンダ(5)内の中間室(19)、第1及び第2段膨
脹室(20),(21)に連通させて、これら各室(19)〜
(21)の高圧ヘリウムガスを導入充填することにより、
スラックピストン(16)及び該ピストン(16)によって
駆動されるディスプレーサ(18)を上昇させる。一方、
バルブステム(10)上面に開口する第2ガス流路(13)
に中央にて常時連通する低圧ポート(27)の外端が上記
第1ガス流路(12)に合致したときには、上記シリンダ
(5)内の各室(19)〜(21)を第1ガス流路(12)、
低圧ポート(27)、第2ガス流路(13)及び連通路(1
4)を介して低圧ガス出口(3)に連通させて、各室(1
9)〜(21)に充填されているヘリウムガスを低圧ガス
配管に排出することにより、スラックピストン(16)及
びディスプレーサ(18)を下降させ、このディスプレー
サ(18)の下降移動に伴う膨脹室(20),(21)内のヘ
リウムガスの膨脹によって寒冷を発生するように構成さ
れている。
さらに、上記ディスプレーサ(18)の大径部(18a)内
の空間には第1段蓄冷器(28)が、また小径部(18b)
内の空間には第2段蓄冷器(29)がそれぞれ嵌装されて
おり、これら蓄冷器(28),(29)は同じ構成でいずれ
も蓄冷型の熱交換器からなる。上記各蓄冷器(28),
(29)は、円筒状容器(30)内に蓄冷材として所定の直
径を有する多数の鉛球(31),(31),…(鉛のショッ
ト)を充填封入してなり、これら鉛球(31),(31)間
の間隙がガス通路とされており、このガス通路を流れる
ヘリウムガスの冷熱を各鉛球(31)に蓄えるようにして
いる。すなわち、ディスプレーサ(18)がシリンダ
(5)内を上昇する吸気行程にあるときには、前の排気
行程で極低温レベルに温度降下した鉛球(31),(3
1),…を中間室(19)から第1又は第2段膨脹室(2
0),(21)に向かう常温のヘリウムガスと接触させ
て、両者の熱交換によりそのガスを極低温レベル近くま
で冷却する。一方、ディスプレーサ(18)が下降する排
気行程にあるときには、各膨脹室(20),(21)での膨
脹により極低温レベルに温度降下したヘリウムガスをシ
リンダ(5)外に排出する途中で鉛球(31),(31),
…と接触させて、両者の熱交換によりその鉛球(31),
(31),…を極低温レベル近くまで再度冷却するように
構成されている。
そして、本発明の特徴として、第1図に拡大詳示する如
く、上記各鉛球(31)の表面は、例えばその酸化膜或い
はテフロン、ポリエステル、ポリウレタン等の樹脂被膜
等、伝熱性、蓄熱性及び非導電性を有するコーティング
膜(32)で被覆されている。具体的に、このコーティン
グ膜(32)としてテフロン被膜を使用した場合におい
て、その各温度レベルでの諸特性は下記表のとおりであ
り、これによるとコーティング膜(32)の厚さは数μm
以下が好ましい。
次に、上記実施例の作動について説明する。
冷凍機の作動は基本的に通常のものと同様に行われる。
すなわち、先ず、膨脹機(1)におけるシリンダ(5)
内の圧力が低圧であって、スラックピストン(16)とデ
ィスプレーサ(18)とが下降端位置にある状態におい
て、バルブモータ(23)の駆動によるロータリバルブ
(24)の回転により、その高圧ポート(26),(26)が
バルブステム(10)上面の第1ガス流路(12)に合致し
てロータリバルブ(24)が高圧側に開く。これに伴い、
圧縮機から高圧ガス配管及び膨脹機(1)のモータ室
(6)を介してバルブ室(11)に供給されている常温の
高圧ヘリウムガスがロータリバルブ(24)の高圧ポート
(26),(26)及び第1ガス流路(12)を介してスラッ
クピストン(16)下方の中間室(19)に導入される。さ
らに、このガスは中間室(19)からディスプレーサ(1
8)の各蓄冷器(28),(29)を通って順次各膨脹室(2
0),(21)に充填され、この蓄冷器(28),(29)を
通る間に前の排気行程で冷却されている鉛球(31),
(31),…との熱交換によって極低温レベル近くまで冷
却される。また、上記ピストン(16)上側の駆動空間
(15)と下側の中間室(19)との圧力差によってピスト
ン(16)が上昇する。そして、このピストン(16)の上
昇ストロークが所定値に達すると、該ピストン(16)の
底壁(16a)とディスプレーサ(18)上端の係止片(2
2)とが係合して、ディスプレーサ(18)は圧力変化に
対し遅れを持ってピストン(16)により引き上げられ、
このディスプレーサ(18)の上昇移動によりその下方の
膨脹室(20),(21)にさらに高圧ガスが充填される
(吸気行程)。
この後、上記ロータリバルブ(24)が閉じると、その後
もディスプレーサ(18)は慣性力によって上昇し、これ
に伴い、ディスプレーサ(18)下方の中間室(19)内の
ヘリウムガスが第1及び第2段膨脹室(20),(21)に
移動する。
そして、ディスプレーサ(18)が上昇端位置に達した
後、ロータリバルブ(24)の低圧ポート(27)が上記バ
ルブステム(10)上面の第1ガス流路(12)に合致して
バルブ(24)が低圧側に開き、この開弁に伴い、上記デ
ィスプレーサ(18)下方の各膨脹室(20),(21)内の
ヘリウムガスがサイモン膨脹し、このヘリウムガスの膨
脹によって寒冷が発生する(膨脹行程)。
この極低温状態となったヘリウムガスは、上記ガス導入
時とは逆に、ディスプレーサ(18)内の蓄冷器(28),
(29)を通って上記中間室(19)内に戻り、その間に蓄
冷器(28),(29)内の鉛球(31),(31),…を極低
温レベルまで冷却しながら自身が常温まで暖められる。
そして、この常温のヘリウムガスは、さらに中間室(1
9)内のガスと共に第1ガス流路(12)、バルブ(24)
の低圧ポート(27)、連通路(14)を介して膨脹機
(1)外に排出され、低圧ガス配管を通って圧縮機に流
れてそれに吸入される。このガス排出に伴い上記中間室
(19)内のガス圧が低下してその駆動空間(15)との圧
力差によりスラックピストン(16)が下降し、このピス
トン(16)の底壁(16a)がディスプレーサ(18)の上
面に当接した後は該ディスプレーサ(18)が押圧されて
下降し、このディスプレーサ(18)の下降移動により膨
脹室(20),(21)内のガスが膨脹機(1)外にさらに
排出される(排気行程)。
次いで、ロータリバルブ(24)が閉じるが、この後もデ
ィスプレーサ(18)は下降端位置まで下降し、膨脹室
(20),(21)内のガスが排出されて最初の状態に戻
る。以上により膨脹機(1)の動作の1サイクルが終了
し、以後は上記と同様な動作が繰り返される。
そして、上記ディスプレーサ(18)がシリンダ(5)内
で往復動するのに伴い、第2図に示すように、該ディス
プレーサ(18)に内蔵された蓄冷器(28),(29)にお
ける鉛球(31),(31),…(蓄冷材)が地磁気等の磁
場中で移動するので、該鉛球(31),(31),…に誘導
起電流が発生する。しかし、この実施例では、上記各鉛
球(31)の表面は非導電性を有するコーティング膜(3
2)で被覆されているので、各鉛球(31)に発生した誘
導起電流Iが上記コーティング膜(32)により遮断され
て該各鉛球(31)内に止どまり、隣りの鉛球(31)へは
流れなくなり、コーティング膜(32)がない場合に蓄冷
器(28),(29)の全体に亘ってその周方向に流れる大
きなループの誘導起電流(図で一点鎖線にて示す)は切
断されることとなる。その結果、簡単な構造でもって誘
導起電流のループによる誘導磁場が抑えられ、SQUID等
の冷却に冷凍機を使用してもSQUID等の磁束検出に悪影
響を及ぼすのが抑制され、よってSQUID等等を冷凍機に
よって問題なく冷却することができる。
また、上記各鉛球(31)に表面に形成されるコーティン
グ膜(32)は伝熱性及び熱性を有していることから、該
各鉛球(31)による蓄冷性が低下することはなく、蓄冷
器(28),(29)の良好な蓄冷能力を確保することがで
きる。
因みに、本発明者らの研究では、電流ループカットによ
る磁場の度合は、半径rの鉛球(31),(31),…が半
径Rの円となるように配置されているときにはr/Rとな
り、上記実施例の如く鉛球(31),(31),…が半径R
の円板となるように配置されているときには、(r/R)2
なる。したがって、直径が0.3mmの鉛球(31)を直径30m
mの筒状容器(30)の中に充填した蓄冷器の場合におい
ては、電流ループカットによる磁場の度合は(r/R)2
(0.15/15)2=1/104程度に抑えることができる。
尚、上記実施例では、円筒容器(30)内に多数の鉛球
(31),(31),…を封入してなる蓄冷器(28),(2
9)を使用したが、その他の蓄冷材を内蔵した蓄冷器を
使用することもできる。
例えば第4図に示す如く、多数の銅網(33),(33),
…(メッシュ)を多段に積層してなる蓄冷器を使用する
場合、各銅網(33)を構成する縦横多数の銅線(34),
(34),…(蓄冷材)の各々の表面がコーティング膜
(32)によって覆われており、ディスプレーサ(18)の
移動に伴って各銅線(34)に発生した誘導起電流Iはコ
ーティング膜(32)により遮断されて該各銅線(34)内
に止どまり、交差し或いは平行する銅線(34),(3
4),…へは流れなくなり、その交差し或いは平行する
銅線(34),(34),…を経由して蓄冷器全体にその周
方向に流れる大きなループの誘導起電流が切断される。
よって、上記実施例と同様に、SQUID等を冷凍機によっ
て問題なくかつ蓄冷性を阻害することなく冷却すること
ができる。
また、本発明は、上記各実施例の如き改良ソルベーサイ
クルを持つヘリウム冷凍機に限らず、ヘリウムガス以外
の冷媒ガスを使用するものに対しても適用できるのは勿
論である。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によると、極低温冷凍機の
ディスプレーサに内蔵される蓄冷器における多数の金属
製蓄冷材の表面を薄い酸化膜や樹脂等によりコーティン
グしたことにより、ディスプレーサの移動に伴って蓄冷
材に発生する誘導起電流を各蓄冷材に封じ込めて、簡単
な構造で誘導起電流の大きなループを切断し、誘導起電
流のループによる誘導磁場を抑えて、SQUID等に悪影響
を及ぼすのを抑制でき、よってSQUID等に対する冷凍機
による冷却を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示し、第1図は鉛球の拡大断面
図、第2図は蓄冷器における誘導起電流のループを遮断
する原理を示す図、第3図は膨脹機の断面図である。第
4図は他の実施例を示す第2図相当図である。 (1)…膨脹機、(5)…シリンダ、(16)…スラック
ピストン、(18)…ディスプレーサ、(20),(21)…
膨脹室、(28),(29)…蓄冷器、(30)…容器、(3
1)…鉛球(蓄冷材)、(32)…コーティング膜、(3
3)…銅網、(34)…銅線(蓄冷材)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−62760(JP,A) 実開 昭62−115059(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ(5)と、該シリンダ(5)内に
    往復動可能に嵌装され、かつシリンダ(5)内に膨脹室
    (20),(21)を区画形成するディスプレーサ(18)と
    を備え、該ディスプレーサ(18)の往復動により、圧縮
    機から供給された冷媒ガスを上記膨脹室(20),(21)
    内で膨脹させて温度降下させるとともに、この温度降下
    した冷媒ガスをディスプレーサ(18)に内蔵した蓄冷器
    (28),(29)を通過させることによって蓄冷するよに
    した極低温冷凍機において、上記蓄冷器(28),(29)
    は容器(30)内に多数の金属製蓄冷材(31),(34)を
    収容してなり、上記蓄冷材(31),(34)の表面は伝熱
    性、蓄熱性及び非導電性を有するコーティング膜(32)
    で被覆されていることを特徴とする極低温冷凍機。
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