JPH068216B2 - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JPH068216B2
JPH068216B2 JP2163388A JP16338890A JPH068216B2 JP H068216 B2 JPH068216 B2 JP H068216B2 JP 2163388 A JP2163388 A JP 2163388A JP 16338890 A JP16338890 A JP 16338890A JP H068216 B2 JPH068216 B2 JP H068216B2
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詔一 土屋
良雄 不破
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喜照 中川
悟 中谷
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/71Ceramic products containing macroscopic reinforcing agents
    • C04B35/78Ceramic products containing macroscopic reinforcing agents containing non-metallic materials
    • C04B35/80Fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like
    • C04B35/83Carbon fibres in a carbon matrix
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing
    • F16D69/023Composite materials containing carbon and carbon fibres or fibres made of carbonizable material

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、強度が高く、耐熱性、耐摩耗性および耐酸化
性に優れ、航空機およびレース車両などのブレーキシュ
ー、ブレーキライニングおよびブレーキパッド、ブッシ
ュ、スラストワッシャー、ピストンリング、ポンプのベ
ーン、ローター、スリーブ、高温用軸受などに利用して
好適な摺動部材に関する。
本発明の摺動部材は、乾式摩擦部材および湿式摩擦部材
の双方に適用することができる。また、本発明の摺動部
材は、乾式摺動下で摩擦係数が低く、耐焼付き性に優れ
る特性を有し、機械構造体に利用してそのフリクション
ロス低減に寄与する摺動部材とすることもできる。
[従来の技術] 航空機およびレース車両などのブレーキ材などに利用さ
れる摺動部材は、耐熱性および耐摩耗性が特に要求され
る。一方、機械構造体の摺動部分はその耐焼付き性が低
いので、通常はオイル潤滑下で使用される。乾式下で使
用する摺動部材としてはオイルを含浸した焼結材、銅系
の焼結合金、炭素材料が知られている。炭素材料は炭素
質粉末を焼き固めたもの、高温で焼結することにより黒
鉛化したものが使用されている。
近年、かかる目的で使用される炭素材料の強度を向上さ
せた材料として、炭素繊維強化炭素からなるものが提供
されている。この炭素繊維強化炭素は、たとえば、炭化
または黒鉛化されかつ酸化処理などの表面処理の施され
た強化材としての炭素繊維に、タール、ピッチまたは熱
硬化性樹脂などの結合材としての液状炭素質材料を含浸
し、不活性雰囲気下で焼成、必要に応じて黒鉛化するこ
とにより製造される(特願昭63−206351号公
報)。
[発明が解決しようとする課題] ところが、前記のように製造された炭素繊維強化炭素で
は、結合材として液状の炭素質材料を使用しているた
め、焼成過程中、この液状結合材の分解により発生する
揮発成分が気孔を形成する。このため、強化材と結合材
との間の界面密着性が低下し、かつ製品は低密度とな
り、強度および耐摩耗性が劣るという欠点がある。
前記した問題を解決するために、従来より、気孔中に結
合材である液状含浸材を充填し、再度焼成することを繰
返して気孔率を減少させることが行われている。しか
し、このような繁雑な工程を必要とするにもかかわら
ず、得られる製品は依然としてポーラスなものであり、
また製造工程の繁雑化によりコスト高を招いていた。
さらに、前記した従来の炭素繊維強化炭素はとくに低荷
重時において、摩擦係数μが低いという欠点も有してい
る。
さらにまた、前記した従来の炭素繊維強化炭素は、耐焼
付き性に優れた材料ではあるが、それでも乾式下では構
造用鋼の3〜4倍の50〜75Kgf/cmの荷重下
で焼付きを生じる。また、乾式下での摩擦係数は0.2
〜0.5程度であり、格別低摩擦材とはいえず、機械構
造体の摺動部として好適であるとはいえない。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであ
り、高強度で摩擦摩耗特性に優れ、かつ低コストで製造
することのできる摺動部材を提供することを目的とす
る。
さらに、本発明は、高強度で耐摩耗性に優れ、かつ高耐
焼付き特性、すなわち焼付き荷重が100Kgf/cm
以上であって、摩擦係数が0.15以下である摺動部
材を提供することをその他の目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の摺動部材は、所定の形状をもち、未炭化炭素質
繊維と、無機粉末または無機繊維と、該未炭化炭素質繊
維および該無機粉末または該無機繊維を埋設した自己焼
結性を有するメソカーボンマイクロビーズ、バルクメソ
フェーズ粉砕品、低温か焼コークス粉砕品のうちの少な
くとも一種の炭素質粉末とからなる複合体を焼結するこ
とによって得られる焼結体からなることを特徴とする。
特に、機械構造体の摺動部として好適な本発明の摺動部
材は、所定の形状をもち、未炭化炭素質繊維と、ホウ素
化合物粉末と、該未炭化炭素質繊維および該ホウ素化合
物粉末を埋設した自己焼結性を有するメソカーボンマイ
クロビーズ、バルクメソフェーズ粉砕品、低温か焼コー
クス粉砕品のうちの少なくとも一種の炭素質粉末とから
なる複合体を焼結することによって得られる焼結体から
なることを特徴とする。
摺動部材の形状は特に限定されず、ブレーキシュー、ブ
レーキライニング、ブレーキパッド、ピストンリング、
軸受などの所定の形状とすることができる。
未炭化炭素質繊維は、本発明の摺動部材の強化材を構成
する。この未炭化炭素質繊維の原料としては、PAN
(ポリアクリロニトリル)系、レーヨン系、ピッチ系な
どのものとすることができ、特に限定されない。
ここで、未炭化炭素質繊維とは、通常の炭化処理の施さ
れていない状態の炭素質繊維をいう。換言すれば、さら
に熱処理をすることにより、さらに炭化する余地を有す
る炭素質繊維をいう。具体的には、原料ピッチを使用し
た場合には、紡糸したままの繊維または紡糸した繊維を
550℃を越えない温度で不融化した繊維をいう。PA
Nなどの高分子系の繊維では分解工程を終え、黒鉛化処
理前の繊維をいう。この種の炭素質繊維としては、例え
ば、石炭系または石油系の原料ピッチを紡糸して得たピ
ッチ繊維またはこれを不融化して得た不融化繊維などが
ある。
この原料ピッチの紡糸および不融化は常法に従って行え
ばよく、条件などは特に限定されない。通常、ピッチ繊
維は、原料ピッチを紡糸器に供給し、300〜400℃
程度に加熱した状態で不活性ガスによる加圧下にノズル
から押出して得ることができる。また、このようなピッ
チ繊維をさらに酸化性雰囲気中150〜500℃程度で
0.5〜5時間程度保持して不融化繊維とすることがで
きる。なお、この原料ピッチは、光学的等方性のもので
も、光学的異方性のものでもよい。
未炭化炭素質繊維の繊維長さは、短繊維、長繊維に限ら
ない。しかし、短繊維の場合には0.01〜50mmの
ものを使用することができる。特に、0.03〜10m
mのものが混合のしやすさ、アスペクト比の関係から好
ましい。長すぎては繊維同士が絡みあい分散性が低下
し、ひいては製品特性の等方性に劣り、また0.01m
mより短くては製品の強度が急激に低下して好ましくな
い。また、繊維径としては、5〜25μm程度のものが
好ましい。さらに、これらの繊維からなる不織布または
コーティング布として使用することもできる。
未炭化炭素質繊維は、さらにタール、ピッチ、有機高分
子などの粘結成分を含有する材料で表面処理し、結合材
とのなじみ性を向上させることが好ましい。この表面処
理は、炭素質繊維100重量部に100〜1000重量
部程度の粘結成分含有材料を加えて攪拌し、有機溶媒に
より洗浄後、乾燥して行うことができる。
この表面処理に使用するタール、ピッチは、石炭系およ
び石油系のいずれであってもよい。ピッチを使用する場
合には、攪拌時に140〜170℃程度の加熱が必要と
なるので、処理材としては、タールの方がより好まし
く、また後続の炭化および黒鉛化工程での炭化歩溜りの
点からは、石炭系のものがより好ましい。
この表面処理に使用する有機高分子として、フェノール
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールなどを挙
げることができる。
この表面処理の洗浄において使用する有機溶媒は、トル
エン、キシレンなどの芳香族系溶媒を使用することがで
きる。未炭化炭素質繊維と粘結成分含有材料との混合物
100重量部に対して100〜1000重量部程度を加
え、攪拌洗浄する。この洗浄により、揮発成分が多く含
まれる軽質油分が除去される。洗浄を終えた未炭化炭素
質繊維は、たとえば、窒素、アルゴンなどの非酸化性雰
囲気中で、加熱および/または減圧などの条件下に乾燥
処理される。乾燥処理は、洗浄に使用した有機溶媒が除
去される限り、これらの方法に限定されるものではな
い。
さらに、乾燥を終え表面処理された未炭化炭素質繊維
は、必要に応じて分散処理される。すなわち、乾燥させ
た繊維が、塊状化または凝集していることがあるので、
このような場合には、通常の粉体ミル、アトマイザー、
パルバライザーなどの任意の手段により分散を行う。
無機粉末または無機繊維は、未炭化炭素質繊維ととも
に、本発明の摺動部材の強化材を構成するものである。
製造する摺動部材の用途に応じて、摺動部材の摩擦係数
μを高く安定したものとしたり、低い値の摩擦係数μで
あっても高耐摩耗性、高耐焼付き特性を摺動部材に付与
したりするために、無機粉末または無機繊維を添加する
ものである。この無機粉末または無機繊維は、融点10
00℃以上で炭素と反応しないもの、より好ましくはさ
らにHv1000以上のものがよい。
かかる無機物として、無機酸化物、無機炭化物、無機窒
化物、無機ホウ化物などを挙げることができる。無機酸
化物として、たとえばAl、TiO、Zr
、MgOなどを挙げることができる。無機炭化物と
して、たとえばBC、TiC、TaC、ZrCなどを
挙げることができる。無機窒化物として、たとえばB
N、TiN、CrN、TaN、AlN、ZrNなどを
挙げることができる。無機ホウ化物として、たとえばT
iB、ZrB、BC、NiB、CoB、BN、T
aBなどを挙げることができる。さらに、Fe、M
n、Mo、Ni、Nb、Si、V、Ti、Wなどの無機
物も使用することができる。なお、これらの無機物は、
金属の状態で添加することも可能である。また、無機繊
維には、ウイスカ、セラミックス繊維が含まれる。
前記したような無機粉末または繊維のうちから、適切な
ものを選択することによって、摺動部材の用途に応じ
て、その摩擦係数μ、耐摩耗特性、耐焼付き特性などを
好適な特性に管理することができる。特に、摺動部材を
機械構造体の摺動部として好適なものとするため、すな
わち、完成品の摺動部材を高強度で耐摩耗性に優れ、か
つ焼付き荷重が200Kgf以上であって、摩擦係数が
0.15以下を示すものとするためには、無機粉末とし
て、ホウ素化合物を使用することができる。
かかるホウ素化合物として、焼結温度以下で分解または
融解しないものが好ましいが、MgB、CoBのよう
な焼結温度で分解するが、分解したホウ素が炭素と反応
して炭化ホウ素を形成するものである場合には、焼結温
度で分解するものも使用できる。このようなホウ素化合
物として、炭化ホウ素、窒化ホウ素の他、Cr、Ti、
Ta、Zr、Al、Ni、Mg、Nb、Mn、Fe、
V、Wなどのホウ化物を挙げることができる。なお、こ
れらの添加物は、金属の状態で添加することも可能であ
る。
無機物として無機粉末を使用した場合は、マトリックス
材とのなじみ性、分散性および出来上った焼結体の強度
と耐摩耗性を考慮して、粒径0.1〜5μmのものが好
ましく、より好ましくは0.2〜4μmである。
また、無機物として無機繊維を使用した場合は、マトリ
ックス材とのなじみ性、分散性、出来上った焼結体の強
度と耐摩耗性および繊維の離脱を考慮して、直径0.7
〜40μm、長さ0.01〜8mmのものが好ましく、
より好ましくは直径1〜15μm、長さ0.05〜3m
mである。
特に、摺動部材を機械構造体の摺動部として好適なもの
とするために、無機粉末としてホウ素化合物を使用した
場合は、ホウ素化合物粉末の粒径は0.1〜10μmが
好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。粒径
が0.1μmより小さいと、均一混合が難しく、粒径が
10μmより大きいと、異常(アグレッシブ)摩耗を起
こす可能性が増す。
メソカーボンマイクロビーズ、バルクメソフェーズ粉砕
品、低温か焼コークス粉砕品のうちの少なくとも一種の
炭素質粉末(以下、短に炭素質粉末という。)は、本発
明の摺動部材の結合材を構成するものである。この炭素
質粉末は自己焼結性を有し、未炭化、または完全に炭化
されていないものである。この自己焼結性炭素質粉末と
しては、石油系および石炭系のいずれであってもよい。
メソカーボンマイクロビーズ、バルクメソフェーズ粉砕
品、低温か焼コークス粉砕品のうちでは、粒径および組
成の均一性、安定性などの観点から、石油および石炭系
のメソカーボンマイクロビーズが好ましく、炭化歩溜り
の観点から石炭系のものがより好ましい。自己焼結性炭
素質粉末としては、粒径30μm以下、β−レジン量3
〜50%程度のものが好ましい。なお、このβ−レジン
量は、より好ましくは6〜30%、さらに好ましくは8
〜25%である。
本発明の摺動部材は、たとえば第13図に示すような乾
式混合、乾式成形および焼成という簡単な工程で製造で
きる。
未炭化炭素質繊維と、無機粉末または無機繊維と、自己
焼結性炭素質粉末とは、混合、成形されて複合体を構成
する。このときの混合手段は特に限定されないが、強度
および耐摩耗性を等方的にするためには、前記した原料
を均一に混合することが好ましい。また、自己焼結性炭
素質粉末と未炭化炭素質繊維との配合割合は、前者10
0重量部に対して、後者2〜70重量部程度であり、よ
り好ましくは前者100重量部に対して後者10〜50
重量部程度である。また、無機粉末または無機繊維の添
加量は、全体を100重量%としたとき3〜30重量%
が好ましく、より好ましくは5〜10重量%である。
特に、摺動部材を機械構造体の摺動部として好適なもの
とするために、無機粉末としてホウ素化合物を使用した
場合は、ホウ素化合物粉末の添加量は、全体を100重
量%としたとき1〜50重量%が好ましく、より好まし
くは3〜35重量%である。ホウ素化合物粉末の添加量
が50重量%を超えると焼結体の切削加工性が不良とな
り、かつ強度が若干低下する。
本発明の摺動部材の成形は、常法によって行うことがで
き、通常1〜10ton/cm程度の加圧下に所定の
形状に成形すればよい。または、CIP法、HIP法、
ホットプレス法などによって成形を行ってもよい。成形
は、常温でまたは不活性雰囲気下500℃程度までの加
熱下に行うことができる。
複合体は、焼結されて本発明の摺動部材となる。なお、
ここで焼結とは、常圧で700〜1500℃程度に焼成
して未炭化炭素質繊維および自己焼結性炭素質粉末を炭
化固結させることをいう。なお、必要に応じてこの炭化
された複合体を黒鉛化炉で焼結温度以上に加熱して黒鉛
化させてもよい。
炭化の条件は、特に限定されないが、通常非酸化性雰囲
気中0.1〜300℃/時間程度の速度で常温から15
00℃程度の温度まで昇温し、0.5〜10時間程度保
持して行えばよい。なお、焼結時においてもより高温で
焼結することにより複合体の一部は炭化の後、黒鉛化す
る。
また、黒鉛化の条件も、特に限定されず、非酸化性雰囲
気中で焼結時の温度から0.1〜500℃/時間程度の
速度で1500〜3000℃程度の温度まで昇温し、
0.5〜10時間程度保持すればよい。黒鉛化を行った
場合には、黒鉛結晶が十分に成長するとともに秩序正し
く配向し、これにより製品の密度、強度および耐摩耗性
などがさらに向上する。
[発明の作用および効果] 本発明の摺動部材は、焼結前の複合体を未炭化炭素質繊
維および無機粉末または無機繊維と、未炭化炭素質繊維
および無機粉末または無機繊維を埋設した自己焼結性を
有する未炭化炭素質粉末とで構成したものである。
したがって、複合体を焼結する場合、強化材としての炭
素質繊維が未炭化、または完全に炭化されていないもの
であるため、この未炭化炭素質繊維と自己焼結性を有す
る未炭化炭素質粉末とは、炭化される際に同程度の物理
的性質(強度、収縮率など)をもつ。このため、これら
炭素質繊維と炭素質粉末との界面密着性が向上し、した
がって、高強度および優れた耐摩耗性を得ることができ
る。要するに、複合体を焼結する場合、未炭化同士の炭
素質繊維と炭素質粉末とが同程度に収縮して結合するの
で、これらの界面密着性が高まり、摺動部材の強度およ
び耐摩耗性が向上する。
また、無機粉末または無機繊維を添加することにより、
相手材との間に機械的な抵抗力が働き、これにより摩擦
係数μが高く、安定したものとなる。すなわち、添加さ
れた無機粉末または無機繊維が、相手材に対して機械的
な抵抗力を及ぼすので、摺動部材の摩擦係数μが高く、
安定したものとなる。
たとえば、無機粉末を添加した場合には、粉末状である
ため荷重の増加に伴い炭素マトリックス部から離脱しや
すくなり、この無機粉末の離脱と炭素マトリックス部の
凝着とがつり合うことにより、荷重の変動に対して摩擦
係数μが安定したものとなる。また、無機繊維を添加し
た場合には、荷重が増加しても繊維状であるため炭素マ
トリックス部から離脱しにくく、このため摩擦係数μが
極めて高い値となる。
また、前記したように結合材としての自己焼結性炭素質
粉末は、液状炭素質材料からなる従来の結合材の使用を
不要とする。したがって、液状結合材の使用により発生
する気孔を充填するために、含浸、焼成を繰返す必要が
なく、本発明の摺動部材は、前記したように第13図に
示す乾式混合、乾式成形、焼成という簡単な工程など
で、安価に製造することができる。
なお、適切な無機粉末または無機繊維を選択することに
よって、完成品の摺動部材の摩擦係数μを、その用途に
応じた好適な値に管理することができる。特に、摺動部
材を機械構造対の摺動部として好適なものとするため
に、無機粉末としてホウ素化合物を添加した場合、この
ホウ素化合物粉末が、高荷重すなわち高温にさらされる
と熱分解し、その液相が生じる。この液相によって、摺
動部材の耐焼付き性が向上し、かつその摩擦係数μを低
く押さえることができるものと考えられる。
たとえば、無機粉末を無機ホウ化物とした場合、摺動部
材の摩擦係数μを0.05〜0.2の範囲に管理するこ
とができ、無機粉末を無機炭化物とした場合、摺動部材
の摩擦係数μを0.15〜0.35の範囲に管理するこ
とができ、無機粉末を無機窒化物とした場合、摺動部材
の摩擦係数μを0.1〜0.35の範囲に管理すること
ができ、そして無機粉末を無機酸化物とした場合、摺動
部材の摩擦係数μを0.25〜0.5の範囲に管理する
ことができる。
なお、添加する無機粉末または無機繊維によって摺動部
材の摩擦係数μが大きく変化するのは、摺動に伴う発熱
により、無機粉末または無機繊維の状態が変化するため
と考えられている。たとえば、酸化物は耐熱性が高いた
め、摺動時にもその粒子とか繊維の形状を残し、このた
め、高い摩擦係数μを示すものと考えられている。ま
た、ホウ化物は、酸化物とは逆に摺動時の熱により、分
解し液相を形成し、摩擦係数μを低下させていると考え
られている。
さらに、未炭化炭素質繊維をタール、ピッチ、有機高分
子などの粘結成分を含有する材料により表面処理した場
合には、炭素質繊維の界面の濡れ性が高まり、これによ
り結合材としての炭素質粉末とのなじみ性が高まるの
で、これら炭素質繊維と炭素質粉末との界面密着性がさ
らに向上する。
以上説明したように本発明の摺動部材は、高強度、高耐
熱性、高耐摩耗性、高耐酸化性などの優れた特性をもっ
ているので、航空機およびレース車両などのブレーキシ
ュー、ブレーキライニングおよびブレーキパッド、ブッ
シュ、スラストワッシャー、ピストンリング、ポンプの
ベーン、ロータ、スリーブ、高温用軸受などに利用で
き、また、放電加工用電極、炭素電極などの電極として
利用することも期待できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1) 石炭系の光学的等方性ピッチから常法により得られた、
繊維径15μm、繊維長さが0.5mmの不融化繊維か
らなる未炭化炭素質繊維を準備した。この強化材として
の未炭化炭素質繊維100重量部にタール500重量部
を加え、常温で150分攪拌した後、濾過し、さらに5
00重量部のトルエンを加えて30分間攪拌後、濾過
し、窒素気流中150℃で3時間乾燥し、タール処理不
融化未炭化炭素質繊維とした。
このようにして得られたタール処理不融化未炭化炭素質
繊維30重量%と、中心粒径7μmのコールタール系メ
ソカーボンマイクロビーズからなる結合材としての自己
焼結性炭素質粉末70重量%を混合したもの95重量%
に対し、粒径0.5μmの無機粉末としてのAl
5重量%とを均一に混合し、得られた混合物を2ton
/cmの成形圧力で成形して所定の摺動部材形状を有
する複合体とした。
次に、この複合体を常圧で非酸化性雰囲気中、150℃
/時間の速度で1000℃まで昇温し、同温度で1時間
保持して焼成して、未炭化炭素質繊維および自己焼結性
炭素質粉末を、焼結固結させた。そして、さらに非酸化
性雰囲気中、500℃/時間の速度で2000℃まで加
熱し、20分保持して焼結した。これにより実施例1の
摺動部材を得た。
(実施例2〜4) 実施例1における無機粉末としてのAlの粒径お
よび添加量を第1表に示すように種々変更して、実施例
1と同様の方法により実施例2〜4の摺動部材を得た。
(実施例5、6) 実施例1における無機粉末としてのAlの代り
に、それぞれ直径5μm、長さ0.5mmの無機繊維と
してのZrOをそれぞれ全体の5重量%、10重量%
添加し、実施例1と同様の方法により実施例5〜6の摺
動部材を得た。
(比較例1) 実施例1で準備した強化材としてのタール処理不融化炭
化炭素質繊維30重量部に、結合材としての中心粒径7
μmのコールタール系メソカーボンマイクロビーズから
なる自己焼結性炭素質粉末70重量部のみを加えて複合
体とすること以外は、実施例1と同様の方法により比較
例1の摺動部材を得た。
(評価1) 実施例1〜6および比較例1の摺動部材について3無潤
滑下における摩擦係数μの特性を調べた。これは、回転
数160rpm(すべり速度:2cm/秒)で荷重を2分
毎に10Kgfずつ上昇させた場合の摩擦係数μを機械
試験所式摩擦摩耗試験機により測定した。なお、相手材
としては高炭素クロム軸受鋼材(JIS、SUJ2。以
下、単にSUJ2という。)を使用した。その結果を第
1図に示す。
第1図から明らかなように、実施例の摺動部材は、比較
例1の摺動部材と比べて、特に低荷重時における摩擦係
数μがいずれも高かった。これは、実施例の摺動部材で
は、無機粉末または無機繊維としてのAlまたは
ZrOの添加により、相手材との間に機械的な抵抗力
が働いたためと推定される。
また、無機粉末としてのAlを添加した実施例1
〜4の摺動部材は、荷重の変動すなわち温度変化に対し
て摩擦係数μが安定していた。これは荷重の増加に伴う
Al粒子の炭素マトリックス部からの離脱と、炭
素マトリックス部の凝着とがつり合うことによって達成
されたと思われる。このことは、離脱しにくい無機繊維
を添加した実施例5、6の摺動部材における摩擦係数μ
が荷重の増加に伴い上昇していることから推測される。
そして、無機繊維としてのZrOを添加した実施例
5、6の摺動部材は、無機繊維が炭素マトリックス部か
ら離脱しにくいため、40Kgf以上の荷重で摩擦係数
μが0.5以上と極めて高い値を示した。
(評価2) 実施例1〜6、比較例1の摺動部材および市販の従来の
炭素−炭素複合材から製造した比較例2の摺動部材につ
いて、油潤滑下における摩擦係数μの特性を調べた。こ
れは、荷重15Kgf、回転数160rpmで15分間
の摩耗試験をLFW摩擦摩耗試験機により実施し、その
時の摩擦係数μを測定した。なお、相手材としては、S
UJ2製のリングを使用し、テストピースとしては1
0.0mm×15.7mmの平板を使用した。その結果
を第2図に示す。
第2図から明らかなように、無機粉末としてのAl
を添加した実施例1〜4の摺動部材は、比較例1の摺
動部材および従来例からなる比較例2の摺動部材と比べ
て摩擦係数μが高かった。
(評価3) また、実施例1〜6、比較例1、2の摺動部材につい
て、無夢潤滑下における焼付き荷重を調べた。これは、
回転数160rpmで荷重を2分毎に10Kgfずつ上
昇させて、焼付きが生じたときの荷重を機械試験所式摩
擦摩耗試験機により測定した。なお、相手材としては、
SUJ2を使用した。その結果を第3図に示す。
第3図から明らかなように、実施例の摺動部材は、無潤
滑下における摩擦係数μが高いにもかかわらず、比較例
1、2の摺動部材と同程度の耐焼付き荷重を示した。
(評価4) さらに、実施例1〜6、比較例1、2の摺動部材につい
て、油潤滑下における耐摩耗性を調べた。これは、荷重
15Kgf、回転数160rpmで15分間の摩耗試験
をLFW摩擦摩耗試験により実施した。なお、相手材と
しては、SUJ2を使用した。その結果を第4図に示
す。
第4図から明らかなように、実施例の摺動部材は、油潤
滑下における摩擦係数μが高いにもかかわらず、従来の
炭素−炭素複合材からなる比較例2の摺動部材より大幅
に耐摩耗性が向上し、比較例1の摺動部材と同程度の耐
摩耗性を示した。これは、実施例の摺動部材は、強化材
としての炭素質繊維と、結合材としての炭素質粉末と
に、共に未炭化なものを使用したため、これらは炭化さ
れる際、同程度の物理的性質(強度、収縮率など)を示
し、炭素質繊維と炭素質粉末との界面密着性が高まった
ためと考えられる。また、実施例の摺動部材では、ター
ルによって表面処理を施した未炭化炭素質繊維を使用し
たため、この炭素質繊維の濡れ性が高まり、これにより
炭素質繊維と炭素質粉末との界面密着性がさらに向上し
たためと考えられる。
一方、従来の炭素−炭素複合材からなる比較例2の摺動
部材では、結合材として使用された液状炭素質材料が焼
成時に発生する揮発成分を起因とする気孔により強化材
と結合材との間の界面密着性が低下する。また、強化材
として炭化または黒鉛化された炭素質繊維を使用し、結
合材として未炭化の液状炭素質材料を使用しており、こ
れらは焼成時の物理的性質(強度、収縮率など)が異な
るため、強化材と結合材との間の界面密着性が低下した
ためと考えられる。
(実施例7) 石炭系の光学的等方性ピッチを紡糸器に供給し、340
℃に加熱した状態で不活性ガスによる加圧下にノズルか
ら押出して得られたピッチ繊維を、さらに酸化性雰囲気
中350℃で2時間保持して不融化し、繊維径15μ
m、繊維長さが0.5mmの不融化未炭化炭素質繊維を
準備した。
この強化材としての不融化未炭化炭素質繊維30重量%
と、自己焼結性炭素質粉末としての中心粒径7μmのコ
ールタール系メソカーボンマイクロビーズを結合材とし
て70重量%とを混合したもの95重量%に対し、粒径
1.9μm(共立窯業(株)製)、5.0μm(電気化
学(株)製)、0.5μm(電気化学(株)製)の炭化
ホウ素粉末をそれぞれ5重量%加えて均一に混合し、得
られた混合物を2ton/cmの成形圧力で成形して
所定の摺動部材形状を有する複合体とした。
次に、この複合体を常圧で非酸化性雰囲気中、150℃
/時間の速度で1000℃まで昇温し、同温度で1時間
保持して焼成して、未炭化炭素質繊維および自己焼結性
炭素質粉末を焼結固結させた。そして、さらに非酸化性
雰囲気中、500℃/時間の速度で2000℃まで加熱
し、20分保持してさらに焼結した。これにより実施例
7の摺動部材を得た。
また、強化材としての不融化未炭化炭素質繊維30重量
%と、自己焼結性炭素質粉末としての中心粒径7μmの
コールタール系メソカーボンマイクロビーズを結合材と
して70重量%とを混合したもの90重量%に対し、粒
径1.9μm(共立窯業(株)製)、5.0μm(電気
化学(株)製)、0.5μm(電気化学(株)製)の炭
化ホウ素粉末をそれぞれ10重量%加えて均一に混合
し、前記と同様の方法により成形、焼結して、前記以外
の実施例7の摺動部材を得た。
(実施例8) ホウ素化合物粉末として、粒径2.0μm(共立窯業
(株)製)、粒径0.6μm(信越化学(株)製)、粒
径9.3μm(信越化学(株)製)の窒化ホウ素を使用
したこと以外は、実施例7と同様の方法により実施例8
の摺動部材を得た。
(実施例9) ホウ素化合物粉末として、粒径1.8μm(日本新金属
製)、粒径4.4μm(日本新金属製)のホウ化クロム
を使用したこと以外は、実施例7と同様の方法により実
施例9の摺動部材を得た。
(実施例10) ホウ素化合物粉末として、粒径1.4μm(日本新金属
製)、粒径5.0μm(共立窯業(株)製)のホウ化チ
タンを使用したこと以外は、実施例7と同様の方法によ
り実施例10の摺動部材を得た。
(実施例11) ホウ素化合物粉末として、粒径0.7μm(日本新金属
製)のホウ化タンタルを使用したこと以外は、実施例7
と同様の方法により実施例11の摺動部材を得た。
(実施例12) ホウ素化合物粉末として、粒径2.0μm(日本新金属
製)、粒径4.0μm(日本新金属製)のホウ化ジルコ
ンを使用したこと以外は、実施例7と同様の方法により
実施例12の摺動部材を得た。
(比較例3〜5) 実施例7で準備した強化材としての不融化未炭化炭素質
繊維30重量部に、結合材としての中心粒径7μmのコ
ールタール系メソカーボンマイクロビーズ70重量部の
みを加えて複合体としたこと以外は、実施例7と同様の
方法により比較例3の摺動部材を得た。
また、市販の従来の炭素繊維強化炭素(ダイヤヒトコ
製)およびS45鋼材(JIS)から、それぞれ製造し
た比較例4および比較例5の摺動部材も準備した。な
お、市販の従来の炭素繊維強化炭素は、炭素質繊維に石
油ピッチを含浸後、不活性雰囲気下2000℃で焼結し
て得られたものである。
(評価5) 実施例7〜12および比較例3〜5の摺動部材につい
て、前記した評価3と同様の試験を行って、無潤滑下に
おける耐焼付き性を調べた。これは、回転数160rp
m(すべり速度:2cm/秒)で荷重を2分毎に10Kg
fずつ上昇させて、焼付きが生じた時の荷重を機械試験
所式摩擦摩耗試験機により測定した。また、荷重100
Kgf/cm、150Kgf/cm時の摩擦係数μ
も併せて測定した。その結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、実施例の摺動部材は、比較
例3、4、5の摺動部材と比べて、いずれも耐焼付き性
が向上した。また、実施例の摺動部材は、比較例3、
4、5の摺動部材と比べて、摩擦係数μの値も低く押さ
えられた。これは、実 施例の摺動部材では、ホウ素化合物粉末が無潤滑下の摺
動面で高温にさらされて熱分解し、液相を生じさせたた
めと推定される。
(評価6) 実施例7、9、10、12および比較例3、4、5の摺
動部材について、前記した評価4と同様の試験を行っ
て、油潤滑下における摩耗特性を調べた。その結果を第
5図に示す。
第5図から明らかなように、実施例の摺動部材は、市販
の従来の炭素繊維強化炭素からなる比較例4の摺動部材
より大幅に耐摩耗性が向上した。これは、前記した実施
例1〜6の摺動部材の耐摩耗性が向上したのと同一の理
由によるものと考えられる。
(実施例13) 無機粉末として以下の6種類の無機ホウ化物を使用した
こと以外は、実施例1と同様の方法により実施例13の
6種類の摺動部材を得た。すなわち、平均粒径4.6μ
mのCoB、平均粒径1.9μmのBC(実施例7で
使用。)、平均粒径1.4μmのTiB(実施例10
で使用。)、平均粒径2.0μmのZrB(実施例1
2で使用。)、平均粒径9.3μmのBN(実施例8で
使用。)および平均粒径0.7μmのTaB(実施例
11で使用。)を無機粉末として使用した。なお、無機
粉末としてのこれら6種類の無機ホウ化物の添加量は、
全て5重量%とした。
(実施例14) 無機粉末として以下の3種類の無機炭化物を使用したこ
と以外は、実施例1と同様の方法により実施例14の3
種類の摺動部材を得た。すなわち、平均粒径1.5μm
のTiC、平均粒径1.9μmのTaCおよび平均粒径
0.8μmのZrCを無機粉末として使用した。なお、
無機粉末としてのこれら3種類の無機炭化物の添加量
は、全て5重量%とした。
(実施例15) 無機粉末として以下の5種類の無機窒化物を使用したこ
と以外は、実施例1と同様の方法により実施例15の5
種類の摺動部材を得た。すなわち、平均粒径1.3μm
のTiN、平均粒径0.5μmのTiN、平均粒径1.
4μmのAlN、平均粒径4μmのCrNおよび平均
粒径3μmのTaNを無機粉末として使用した。なお、
無機粉末としてのこれら5種類の無機窒化物の添加量
は、全て5重量%とした。
(実施例16) 無機粉末として以下の3種類の無機酸化物を使用したこ
と以外は、実施例1と同様の方法により実施例16の3
種類の摺動部材を得た。すなわち、平均粒径3μmTi
、平均粒径0.5μmのAl(実施例1と2
で使用。)および平均粒径0.6μmのMgOを無機粉
末として使用した。なお、無機粉末としてこれら3種類
の無機酸化物の添加量は、全て5重量%とした。
(評価7) 前記したように調製した実施例13の6種類の摺動部
材、実施例14の3種類の摺動部材、実施例15の5種
類の摺動部材および実施例16の3種類の摺動部材につ
き、評価2と同様の試験を無潤滑下で行って、それらの
無潤滑下における摩擦係数μを測定した。なお、荷重は
25〜75Kgf/cmの範囲で変化させた。その結
果を第6図に示す。第6図に示す線分の位置が摩擦係数
を示している。
第6図から明らかなように、各種の無機粉末を使用する
ことによって、得られた摺動部材の摩擦係数μの値をほ
ぼ0.05〜0.5の範囲で管理できることがわかる。
たとえば、無機粉末として無機ホウ化物を使用した実施
例13の摺動部材にあっては、それらの摩擦係数μはほ
ぼ0.05〜0.2の範囲にあり、無機粉末として無機
炭化物を使用した実施例14の摺動部材にあっては、そ
れらの摩擦係数μはほぼ0.15〜0.35の範囲にあ
り、無機粉末として無機窒化物を使用した実施例15の
摺動部材にあっては、それらの摩擦係数μはほぼ0.1
〜0.35の範囲にあり、そして無機粉末として無機酸
化物を使用した実施例16の摺動部材にあっては、それ
らの摩擦係数μはほぼ0.25〜0.5の範囲にある。
したがって、摺動部材の用途に応じた好適な摩擦係数μ
を、必要に応じて自由に選択できるようになった。な
お、前記した実施例13〜16で使用した合計17種類
の無機粉末の添加量をそれぞれ10重量%に増量して、
新たに17種類の摺動部材を調製し、同様の試験を行っ
たところ、これら17種類の摺動部材も前記した実施例
13〜16の17種類の摺動部材とほとんど同様の摩擦
係数μを示した。
(実施例17〜22) 無機粉末としてBNを使用したこと以外は、実施例1と
同様の方法により実施例17〜22の6種類の摺動部材
を得た。なお、実施例17と18の摺動部材の調製にあ
たっては、平均粒径0.6μmのBN(実施例8で使
用。)を使用し、その添加量をそれぞれ5重量%と10
重量%とした。また、実施例19と20の摺動部材の調
製にあたっては、平均粒径2μmのBN(実施例8で使
用。)を使用し、その添加量をそれぞれ5重量%と10
重量%とした。さらにまた、実施例21と22の摺動部
材の調製にあたっては、平均粒径9.3μmのBN(実
施例8で使用。)を使用し、その添加量をそれぞれ5重
量%と10重量%とした。
(評価8) 前記したように調製した実施例17〜22の合計6種類
の摺動部材につき、評価1と同様の試験を行って、それ
らの無潤滑下における摩擦係数μの特性を調べた。その
結果を第7図に示す。
第7図から明らかなように、実施例17〜22の6種類
の摺動部材は、広範囲の荷重下において安定した摩擦係
数μを示していたことがわかる。これは、前記した実施
例1〜4の摺動部材と同様に、無機粉末の添加により、
相手部材との間に機械的な抵抗力が働いたためと考えら
れる。
(実施例23〜30) 無機粉末として、実施例23〜26においてAl
を使用し、実施例27〜30においてTiBを使用し
たこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例23
〜30の8種類の摺動部材を得た。なお、実施例23と
24(実施例1と2に同じ。)の摺動部材の調製にあた
っては、平均粒径0.5μmのAlを使用し、そ
の添加量をそれぞれ5重量%と10重量%とした。ま
た、実施例25と26(実施例3と4に同じ。)の摺動
部材の調製にあたっては、平均粒径4μmのAl
を使用し、その添加量をそれぞれ5重量%と10重量%
とした。一方、実施例27と28の摺動部材の調製にあ
たっては、平均粒径1.4μmのTiB(実施例10
で使用。)を使用し、その添加量をそれぞれ5重量%と
10重量%とした。また、実施例29と30の摺動部材
の調製にあたっては、平均粒径4μmのTiBを使用
し、その添加量をそれぞれ5重量%と10重量%とし
た。
(評価9) 前記したように調製した実施例23〜30の合計8種類
の摺動部材につき、評価1と同様の試験を行って、それ
らの無潤滑下における摩擦係数μを特性を調べた。その
結果を第8図に示す。
第8図から明らかなように、無機粉末としてAl
を使用した実施例23〜26の4種類の摺動部材は、7
0Kgf/cmを超える高荷重下において、その摩擦
系μが増加する傾向を示した。しかしながら、実施例2
5を除き、実施例23、24、26の摺動部材は、10
〜60Kgf/cmの範囲で比較的安定した摩擦係数
μを示した。一方、無機粉末としてTiBを使用した
実施例27〜30の4種類の摺動部材は、広範囲の荷重
下において安定した摩擦係数μを示していたことがわか
る。かかる摩擦係数μの特性は、実施例1〜4の摺動部
材のそれと同様であり、添加された無機粉末と相手部材
との間に機械的な抵抗力が働いたためと考えられる。
(実施例31) 無機粉末として以下の8種類の無機ホウ化物を使用した
こと以外は、実施例1と同様の方法により実施例31の
8種類の摺動部材を得た。すなわち、平均粒径4μmの
TiB(実施例29と30で使用。)、平均粒径1.
4μmのTiB(実施例10で使用。)。平均粒径4
μmのZrB(実施例12で使用。)、平均粒径2μ
mのZrB(実施例12で使用。)、平均粒径4.3
μmのNiB、平均粒径1.9μmのBC(実施例7
で使用。)、平均粒径5μmのBC(実施例7で使
用。)および平均粒径0.5μmのBC(実施例7で
使用。)を無機粉末として使用した。なお、無機粉末と
してこれら8種類の無機ホウ化物の添加量は、全て5重
量%とした。
(実施例32) 無機粉末として以外の4種類の無機炭化物を使用したこ
と以外は、実施例1と同様の方法により実施例32の4
種類の摺動部材を得た。すなわち、平均粒径0.7μm
のTiC、平均粒径1.4μmのTiC、平均粒径1.
9μmのTaC(実施例14で使用。)および平均粒径
0.8μmのZrC(実施例14で使用。)を無機粉末
として使用した。なお、無機粉末としてのこれら4種類
の無機炭化物の添加量は、全て5重量%とした。
(実施例33) 無機粉末として以下の7種類の無機酸化物を使用したこ
と以外は、実施例1と同様の方法により実施例33の7
種類の摺動部材を得た。すなわち、平均粒径0.5μm
のTiN(実施例15で使用。)、平均粒径1.3μm
のTiN(実施例15で使用。)、平均粒径3.1μm
のTaN、平均粒径1.4μmのZrN、平均粒径4.
3μmのBN、平均粒径2.6μmのAlNおよび平均
粒径1.4μmのAlN(実施例15で使用。)を無機
粉末として使用した。なお、無機粉末としてのこれら7
種類の無機炭化物の添加量は、全て5重量%とした。
(実施例34) 無機粉末として以下の6種類の無機酸化物を使用したこ
と以外は、実施例1と同様の方法により実施例34の6
種類の摺動部材を得た。すなわち、平均粒径0.5μm
のAl(実施例1と2で使用。)、平均粒径4μ
mのAl(実施例3と4で使用。)、平均粒径3
μmのTiO(実施例16で使用。)、平均粒径3.
4μmのTiO、平均粒径1μmのZrOおよび平
均粒径0.3μmのMgOを無機粉末として使用した。
なお、無機粉末としてのこれら6種類の無機酸化物の添
加量は、全て5重量%とした。
(評価10) 前記したように調製した実施例31の8種類の摺動部
材、実施例32の4種類の摺動部材、実施例33の7種
類の摺動部材および実施例34の6種類の摺動部材につ
き、評価4と同様の試験を行つて、それらの油潤滑下に
おける耐摩耗性を調べた。その結果を第9図に示す。第
9図の縦の短い線分の位置が摩耗量を示している。
第9図から明らかなように、実施例31〜34の合計2
5種類の摺動部材は、比較例1の摺動部材、すなわち実
施例1〜6の摺動部材を評価するために準備した、強化
材としてのタール処理不融化未炭化炭素質繊維30重量
部に、結合材としての中心粒径7μmのコールタール系
メソカーボンマイクロビーズからなる自己焼結性炭素質
粉末70重量部のみを加えて複合体とし、無機粉末を添
加せずに調製した摺動部材が示した摩耗量とほぼ同等か
らその摩耗量に対してほぼ1/3程度の摩耗量を示し
た。なお、同様の評価試験を市販の従来の炭素−炭素複
合材から製造した比較例2の摺動部材につき行った結果
によれば、その摩耗量は370μmであった。したがっ
て、実施例31〜34の25種類全ての摩耗量は、市販
の従来炭素−炭素複合材から製造した比較例2の摺動部
材のそれに比べて、ほぼ1/10〜1/40と小さい摩
耗量であり、その耐摩耗性は著しく改善されていたこと
がわかる。
(実施例35、36) 無機粉末として、実施例35においてTiBを使用
し、実施例36においてBCを使用したこと以外は、
実施例1と同様の方法により実施例35、36の摺動部
材を得た。なお、実施例35の摺動部材の調製にあたっ
ては、平均粒径1.0μmのTiBを使用し、その添
加量を種々変化させて、以下に述べる評価11におい
て、密度測定、摩耗量の測定および曲げ強度の測定を行
った。また、実施例36の摺動部材の調製にあたって
は、平均粒径0.5μmのBC(実施例7で使用。)
を使用し、その添加量を種々変化させて、以下に述べる
評価11において、実施例35の摺動部材と同様に、密
度測定、摩耗量の測定および曲げ強度の評価を行った。
(評価11) 実施例35、36の摺動部材の密度を測定した結果を第
10図に示す。第10図によれば、無機粉末としてB
Cを使用した実施例36の摺動部材にあっては、B
の添加量がほぼ10重量%の時に、その密度が最大値を
示した。しかし、無機粉末としてTiBを使用した実
施例35の摺動部材にあっては、TiBの添加量と共
に、密度は増加する傾向にある。
実施例35、36の摺動部材につき、評価4と同様の試
験を行って、その耐摩耗性、すなわち摩耗量を調べた。
その結果を第11図に示す。第11図から明らかなよう
に、実施例35、36の摺動部材ともに、無機粉末の添
加量がある値となったときに、最小値を示す傾向がある
ことがわかる。
実施例35、36の摺動部材を、縦10mm、横30m
m、厚さ10mmの試験片に成形し、クロスヘッドスピ
ードを1mm/分として、試験片に破壊が生じた荷重を
測定し、実施例35、36の摺動部材の曲げ強度を調べ
た。その結果を第12図に示す。第12図から明らかな
ように、実施例35、36の摺動部材の曲げ強度は、そ
の無機粉末の添加量が増加するに連れて、減少する傾向
を示す。したがって、摺動部材の用途に応じて、適切な
無機粉末の添加量を測定し、摺動部材に適切な曲げ強度
を付与することが必要である。
(実施例37) 無機粉末として以下の2種類の無機アルミニウム化合物
を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により実
施例37の2種類の摺動部材を得た。すなわち、Al
とAlNを無機粉末として使用した。なお、Al
につき、その平均粒径が0.5μm(実施例1と2
で使用。)および4.0μm(実施例3と4で使用。)
のものを準備し、これら2種類の平均粒径をもつAl
粉末の添加量を、それぞれ5および10重量%とし
た。同様に、AlNにつき、その平均粒径が1.4μm
(実施例15で使用。)および2.6μm(実施例33
で使用。)のものを準備し、これら2種類の平均粒径を
もつAlN粉末の添加量を、それぞれ5および10重量
%とした。
(実施例38) 無機粉末として以下の2種類の無機ホウ素化合物を使用
したこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例3
8の2種類の摺動部材を得た。すなわち、BCとBN
を無機粉末として使用した。なお、BCにつき、その
平均粒径が0.5μm、1.9μmおよび5.0μmの
もの(実施例7で使用。)を準備し、これら3種類の平
均粒径をもつBC粉末の添加量を、それぞれ5および
10重量%とした。同様に、BNにつき、その平均粒径
が0.6μm、2.0μmおよび9.3μmのもの(実
施例8で使用。)を準備し、これら3種類の平均粒径を
もつBN粉末の添加量を、それぞれ5および10重量%
とした。
(実施例39) 無機粉末として無機コバルト化合物(CoB)を使用し
たこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例39
の摺動部材を得た。なお、CoB粉末の平均粒径を4.
6μm(実施例13で使用。)とし、その添加量を5お
よび10重量%とした。
(実施例40) 無機粉末として以下の2種類の無機クロム化合物を使用
したこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例4
0の2種類の摺動部材を得た。すなわち、CrNとC
Bを無機粉末として使用した。なお、CrN粉末
の平均粒径を3.9μmとし、その添加量を5および1
0重量%とした。また、CrBにつき、その平均粒径
が1.8μmおよび4.4μmのもの(実施例9で使
用。)を準備し、これら2種類の平均粒径をもつCr
B粉末の添加量を、それぞれ5および10重量%とし
た。
(実施例41) 無機粉末として以下の2種類の無機マグネシウム化合物
を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により実
施例41の2種類の摺動部材を得た。すなわち、MgB
とMgOを無機粉末として使用した。なお、MgB
粉末の平均粒径を0.5μmとし、その添加量を5およ
び10重量%とした。また、MgOにつき、その平均粒
径が0.2μm、0.35μmおよび0.6μmのもの
(実施例16で使用。)を準備し、これら3種類の平均
粒径をもつMgO粉末の添加量を、それぞれ5および1
0重量%とした。
(実施例42) 無機粉末として無機ニッケル化合物(NiB)を使用し
たこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例42
の摺動部材を得た。なお、NiB粉末の平均粒径を4.
3μm(実施例31で使用。)とし、その添加量を5お
よび10重量%とした。
(実施例43) 無機粉末として以下の3種類の無機タンタル化合物を使
用したこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例
43の2種類の摺動部材を得た。すなわち、TaC、T
aNとTaBを無機粉末として使用した。なお、Ta
C粉末の平均粒径を1.9μm(実施例14で使用。)
とし、その添加量を5および10重量%とした。また、
TaNの平均粒径を3.1μm(実施例33で使用。)
とし、その添加量を5および10重量%とした。さらに
また、TaBの平均粒径を0.7μm(実施例11で
使用。)とし、その添加量を5および10重量%とし
た。
(実施例44) 無機粉末として以下の4種類の無機チタン化合物を使用
したこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例4
4の4種類の摺動部材を得た。すなわち、TiO、T
iC、TiNとTiBを無機粉末として使用した。な
お、TiOにつき、その平均粒径が0.4μmおよび
3.3μmのものを準備し、これら2種類の平均粒径を
もつTiO粉末の添加量を、それぞれ5および10重
量%とした。同様に、TiCにつき、その平均粒径が
0.7μmおよび1.4μmのもの(実施例32で使
用。)を準備し、これら2種類の平均粒径をもつTiC
粉末の添加量を、それぞれ5および10重量%とした。
同様に、TiNにつき、その平均粒径が0.5μmおよ
び1.3μmのもの(実施例15で使用。)を準備し、
これら2種類の平均粒径をもつTiN粉末の添加量を、
それぞれ5および10重量%とした。同様に、TiB
につき、その平均粒径が1.0μm、1.4μm(実施
例10で使用。)、2.3μmおよび4.0μm(実施
例29と30で使用。)のものを準備し、これら4種類
の平均粒径をもつTiB粉末の添加量を、それぞれ5
および10重量%とした。
(実施例45) 無機粉末として以下の4種類の無機ジルコニウム化合物
を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により実
施例45の4種類の摺動部材を得た。すなわち、ZrO
、ZrC、ZrNとZrBを無機粉末として使用し
た。なお、ZrOの平均粒径を1.0μm(実施例3
4で使用。)とし、その添加量を5および10重量%と
した。同様に、ZrCの平均粒径を0.8μm(実施例
14で使用。)とし、その添加量を5および10重量%
とした。同様に、ZrCの平均粒径を1.4μm(実施
例33で使用。)とし、その添加量を5および10重量
%とした。同様に、ZrBにつき、その平均粒径が
2.0μmおよび4.0μmのもの(実施例12で使
用。)を準備し、これら2種類の平均粒径をもつZrB
粉末の添加量を、それぞれ5および10重量%とし
た。
(実施例46) 無機繊維としてAl繊維とZrO繊維を使用し
たこと以外は、実施例1と同様の方法により実施例46
の2種類の摺動部材を得た。なお、Al繊維につ
き、その繊維長さが0.5mmであって、その繊維径が
5μmのものを準備し、その添加量を5および10重量
%とした。同様に、ZrO繊維につき、その長さが
0.5mmであって、その直径が5μmのもの(実施例
5と6で使用。)を準備し、その添加量を5および10
重量%とした。
(評価12) 前記したように調製した実施例37〜46の摺動部材に
つき、まず、その密度を測定した。そして、評価3と同
様の試験を行って無潤滑下の焼付き荷重、評価4と同様
の試験を行って油潤滑下の耐摩耗性、および評価11の
曲げ強度試験と同様の試験を行って曲げ強度を測定し
た。その結果を第3表に示す。
(実施例47) 実施例1で使用したのと同一の石炭系の光学的等方性ピ
ッチからなる繊維径15μm、繊維長さが0.5mmの
不融化未炭化炭素質繊維を28.6重量%、実施例1で
使用したのと同一の平均粒径6μmのメソカーボンマイ
クロビーズからなる自己焼結性炭素質粉末を66.5重
量%。そして、無機粉末として平均粒径8μmのTi粉
末を5重量%準備した。以上の原料をミキサーで均一に
混合した後、得られた混合物を実施例1と同様の2 トン/cmの成形圧力で、φ50×10mmの試験片
形状を有する複合体に成形した。
そして、この複合体を常圧で窒素ガス雰囲気中で、15
0℃/時間の速度で1000℃まで昇温し、同温度を1
時間保持して焼成した後、常温に降温して一次焼結体を
得た。この一次焼結体の密度を測定した後、一次焼結体
をさらに常圧で窒素ガス雰囲気中、500℃/時間の速
度で1700℃まで昇温し、同温度を20分保持して焼
成した後、常温に降温して二次焼結体、すなわち実施例
47の摺動部材を得た。
(実施例48) 無機粉末として平均粒径4μmのNi粉末を準備した以
外は、実施例47と同様の原料、同様の方法で、複合体
および一次焼結体を得た。
この一次焼結体の密度を測定した後、一次焼結体をさら
に常圧で窒素ガス雰囲気中、500℃/時間の速度で1
300℃まで昇温し、同温度を20分保持して焼成した
後、常温に降温して二次焼結体、すなわち実施例48の
摺動部材を得た。
(評価13) 前記したように調製した実施例47、48の摺動部材に
つき、まず、その密度を測定した。そして、評価11の
曲げ強度試験と同様の試験を行って曲げ強度を測定し
た。その結果を第4表に示す。なお、第4表には一次焼
結体の密度を測定した結果も併せて示してある。また、
第5表に実施例47、48の摺動部材と摩耗量と焼付き
荷重につき測定した結果も併せて示してある。
第4表および第5表から明らかなように、実施例47の
摺動部材の曲げ強度は、チタン化合物を無機粉末として
添加した実施例44の摺動部材の曲げ強度と比べて遜色
のないものであり、実施例48の摺動部材の曲げ強度
も、ホウ化ニッケル(NiB)を無機粉末として添加し
た実施例42の摺動部材の曲げ強度を大巾に上回るもの
であった。このように、実施例47、48の摺動部材
も、従来の炭素−炭素複合材製の摺動部材に比べて、よ
り好ましい特性をもつものであることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1〜6および比較例1の摺動部材につい
て、無潤滑下における摩擦係数μを測定した結果を示す
グラフ、第2図は実施例1〜6、比較例1および市販の
従来炭素−炭素複合材よりなる比較例2の摺動部材につ
いて、油潤滑下における摩擦係数μを測定した結果を示
すグラフ、第3図は実施例1〜6、比較例1、2の摺動
部材について、無潤滑下における焼付き荷重を測定した
結果を示すグラフ、第4図は実施例1〜6、比較例1、
2の摺動部材について、油潤滑下における摩耗量を測定
した結果を示すグラフ、第5図は実施例7、9、10、
12および比較例3〜5の摺動部材について、油潤滑下
における摩耗量を測定した結果を示すグラフ、第6図は
実施例13〜16および比較例1の摺動部材について、
無潤滑下における摩擦係数μを測定した結果を示す線
図、第7図は実施例17〜22の摺動部材について、無
潤滑下における摩擦係数μを測定した結果を示すグラ
フ、第8図は実施例23〜30の摺動部材について、無
潤滑下における摩擦係数μを測定した結果を示すグラ
フ、第9図は実施例31〜34および比較例1、5の摺
動部材について、油潤滑下における摩耗量を測定した結
果を示す線図、第10図は実施例35、36の摺動部材
の無機粉末の添加量の変化に対する密度の変化を示すグ
ラフ、第11図は実施例35、36の摺動部材の無機粉
末の添加量の変化に対する摩耗量の変化を示すグラフ、
第12図は実施例35、36の摺動部材の無機粉末の添
加量の変化に対する曲げ強度の変化を示すグラフ、第1
3図は本発明の摺動部材の一製造方法を示すブロック図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16D 69/02 K 8009−3J (72)発明者 土屋 詔一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 不破 良雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 道岡 博文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中川 喜照 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 中谷 悟 大阪府大阪市中央区平野町4丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−145374(JP,A) 特開 昭61−111963(JP,A) 特開 平1−145371(JP,A) 特開 平1−239060(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の形状をもち、未炭化炭素質繊維と、
    無機粉末または無機繊維と、該未炭化炭素質繊維および
    該無機粉末または該無機繊維を埋設した自己焼結性を有
    するメソカーボンマイクロビーズ、バルクメソフェーズ
    粉砕品、低温か焼コークス粉砕品のうちの少なくとも一
    種の炭素質粉末とからなる複合体を焼結することによっ
    て得られる焼結体からなることを特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】所定の形状をもち、未炭化炭素質繊維と、
    ホウ素化合物粉末と、該未炭化炭素質繊維および該ホウ
    素化合物粉末を埋設した自己焼結性を有するメソカーボ
    ンマイクロビーズ、バルクメソフェーズ粉砕品、低温か
    焼コークス粉砕品のうちの少なくとも一種の炭素質粉末
    とからなる複合体を焼結することによって得られる焼結
    体からなることを特徴とする摺動部材。
JP2163388A 1989-06-22 1990-06-21 摺動部材 Expired - Lifetime JPH068216B2 (ja)

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JP1-160241 1989-12-29
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