JPH0684527B2 - 摺動用部材 - Google Patents

摺動用部材

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JPH0684527B2
JPH0684527B2 JP19672786A JP19672786A JPH0684527B2 JP H0684527 B2 JPH0684527 B2 JP H0684527B2 JP 19672786 A JP19672786 A JP 19672786A JP 19672786 A JP19672786 A JP 19672786A JP H0684527 B2 JPH0684527 B2 JP H0684527B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、互いに当接して相対的に摺動する第一の部材
と第二の部材とよりなる摺動用部材に係り、更に詳細に
は第一の部材がアルミナ−シリカ系繊維にて複合強化さ
れたアルミニウム合金若しくはマグネシウム合金よりな
る複合材料にて構成され、第二の部材がセラミックにて
構成された摺動用部材に係る。
従来の技術 互いに当接して相対的に摺動する二つの部材よりなる摺
動用部材に於ては、二つの部材の組合せ如何によっては
それらの部材の何れか又は両方の摩耗量が大きくなり、
早期寿命を来たすことがある。かかる問題に対処すべ
く、例えば本願出願人と同一の出願人の出願にかかる特
開昭58−93838号や特開昭58−93839号の公報には、アル
ミニウム合金やマグネシウム合金をマトリックスとして
アルミナ−シリカ繊維の如き無機繊維を強化繊維とする
繊維強化金属複合材料にて一方の部材を構成し、所定の
硬さの鋼にて他方の部材を構成し、これにより摺動用部
材の摩擦摺動特性を改善する試みが行われている。
発明が解決しようとする問題点 しかし互いに当接して相対的に摺動する二つの部材より
なる摺動用部材に於て、その一方の部材を繊維強化金属
複合材料にて構成した場合には、その他方の部材の材質
によってはその他方の部材の摩耗が増大し、またそれら
の部材の間に於て焼付き等の問題が生じることがある。
本願発明者等は、互いに当接して相対的に摺動する第一
の部材と第二の部材とよりなる摺動用部材に於て、第一
の部材がアルミナ−シリカ系繊維を強化繊維とする複合
材料にて構成され、第二の部材がセラミックにて構成さ
れる場合に、第二の部材を構成するセラミックが如何な
る特徴を有するものであることが適切であるかについて
種々の実験的研究を行った結果、セラミックが或る特定
のセラミックであることが好ましいことを見出した。
本発明は、本願発明者等が行った種々の実験的研究の結
果得られた知見に基づき、互いに当接して相対的に摺動
する第一の部材と第二の部材とよりなる摺動用部材であ
って、第一の部材がアルミナ−シリカ系繊維を強化繊維
としてアルミニウム合金若しくはマグネシウム合金をマ
トリックスとする繊維強化金属複合材料にて構成され、
第二の部材が或る特定のセラミックにて構成され、それ
らの両部材の耐摩耗性及び耐焼付き性等に優れた摺動用
部材を提供することを目的としている。
問題点を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、互いに当接して相
対的に摺動する第一の部材と第二の部材とよりなる摺動
用部材にして、前記第一の部材の少なくとも前記第二の
部材に対する摺動面部は40wt%以上Al2O3、残部実質的
にSiO2なる組成を有する体積率3〜30%のアルミナ−シ
リカ系繊維を強化繊維としてアルミニウム合金若しくは
マグネシウム合金をマトリックスとする繊維強化金属複
合材料にて構成され、前記第二の部材の少なくとも前記
第一の部材に対する摺動面部はSi3N4、SiC及びZrO2より
なる群より選択されたセラミックにて構成された摺動用
部材によって達成される。
発明の作用及び効果 本発明によれば、第一の部材の少なくとも第二の部材に
対する摺動面部は、体積率3〜30%のアルミナ−シリカ
系繊維を強化繊維としたアルミニウム合金若しくはマグ
ネシウム合金をマトリックスとする繊維強化金属複合材
料にて構成され、第二の部材の少なくとも第一の部材に
対する摺動面部は、Si3N4、SiC及びZrO2よりなる群より
選択されたセラミックにて構成されるので、後に説明す
る本願発明者等が行った実験的研究の結果より明らかで
ある如く、二つの部材の耐摩耗性及び耐焼付き性に優れ
た摺動用部材を得ることができる。
本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、Si3N
4、SiC、及びZrO2は上述の如き繊維強化金属複合材料と
組合せて摺動用部材を構成するに適したセラミックであ
るが、これらのセラミックの気孔率が2%を越えると、
その摺動面を後述の如く表面粗さ1.2μRz以下に加工す
ることが困難になり、そのためセラミックの耐摩耗性が
不十分となる。従って本発明の一つの詳細な特徴によれ
ば、第二の部材の摺動面部を構成するセラミックの気孔
率は2%以下に設定される。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、
第二の部材の摺動面部がSi3N4、SiC、又はZrO2のセラミ
ックにて構成される場合には、セラミックの摺動面の表
面粗さが比較的大きい場合にも、第二の部材が耐摩耗性
に乏しい金属にて構成される場合に比して、第一及び第
二の部材の摩耗量を低減することができるが、セラミッ
クの摺動面の表面粗さが特に1.2μRz以下の場合に二つ
の部材の摩耗量を小さい値に抑えることができる。従っ
て本発明の他の一つの詳細な特徴によれば、第二の部材
の摺動面の表面粗さは1.2μRz以下に設定される。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、
第一の部材の摺動面が電解エッチングされることにより
アルミナ−シリカ系繊維の一部が摺動面に露出し、摺動
面に露出するアルミナ−シリカ系繊維の間のマトリック
スの表面に凹部が形成される場合には、第一及び第二の
部材の耐摩耗性及び耐焼付き性を更に一層向上させるこ
とができる。従って本発明の更に他の一つの詳細な特徴
によれば、第一の部材はその摺動面が電解エッチングさ
れることによりアルミナ−シリカ系繊維の一部が摺動面
に露出しており、摺動面に露出するアルミナ−シリカ系
繊維の間のマトリックスの表面に凹部が形成された状態
にて使用される。
尚本明細書に於ける「アルミナ−シリカ系繊維」なる用
語はAl2O3及びSiO2を主成分とする繊維、即ちAl2O3含有
量が40wt%程度以下であり残部が実質的にSiO2であるガ
ラス繊維、Al2O3含有量が40〜80%程度であり残部が実
質的にSiO2であるアルミナ−シリカ繊維及びAl2O3含有
量が80%程度以上であり残部が実質的にSiO2であるアル
ミナ繊維を総称する概念として定義される。特に本発明
に於て強化繊維として使用されるアルミナ−シリカ系繊
維はAl2O3含有量が40wt%以上のものであればよく、従
って本発明の技術思想に於てはアルミナ−シリカ系繊維
がアルミナ−シリカ繊維であるかアルミナ繊維であるか
を区別する必要はない。また本発明に於てアルミナ−シ
リカ系繊維のAl2O3含有量が40wt%以上に限定されるの
は、Al2O3含有量が40wt%未満である場合には、複合材
料、従って第一の部材の耐摩耗性を十分に向上させるこ
とができないことによる。またアルミナ−シリカ系繊維
が使用される。このアルミナ−シリカ系繊維は長繊維又
は短繊維の何れであってもよく、平均繊維径は100μ以
下、特に1〜40μ程度であることが好ましい。
またアルミナ−シリカ径繊維の体積率が5%未満、特に
3%未満の場合には、複合材料の耐摩耗性等を十分に向
上させることができず、逆にアルミナ−シリカ系繊維の
体積率が15%、特に30%を越えると、第二の部材の摩耗
量のみならず複合材料自身の摩耗量も増大する。従って
アルミナ−シリカ系繊維の体積率は3〜30%、好ましく
は3〜15%に設定される。更にアルミナ−シリカ系繊維
の配向は一方向配向、二次元ランダム配向、三次元ラン
ダム配向等任意の配向であってよいが、特に一方向配向
及二次元ランダム配向の場合には、摺動面が一方向配向
の方向又は二次元ランダム配向平面に対してできるだけ
垂直又はこれに近い角度をなすよう設定されることが好
ましい。
また第二の部材は任意の方法により形成されてよいが、
比較的容易に気孔率を制御し得る点に於てセラミック粉
末を焼結させることにより形成されることが好ましい。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例について
詳細に説明する。
実施例1 互いに当接して相対的に摺動する二つの部材よりなる摺
動用部材であって、その一方の部材がアルミナ−シリカ
繊維を強化繊維としアルミニウム合金をマトリックスと
する繊維強化金属複合材料にて構成されており、その他
方の部材がセラミックにて構成された摺動用部材につい
て行われた摩耗試験及び焼付き試験を、他の材質の組合
せよりなる摺動用部材について行われた摩耗試験及び焼
付き試験と対比して説明する。
まず平均繊維径2.8μ、平均繊維長6mmのアルミナ−シリ
カ繊維(55wt%Al2O3、残部実質的にSiO2)が実質的に
三次元ランダムにて配向された繊維成形体を形成し、該
繊維成形体を用いて行われる高圧鋳造(溶湯の温度730
℃、溶湯に対する加圧力500kg/cm2)により、体積率8
%のアルミナ−シリカ繊維を強化繊維としてアルミニウ
ム合金(JIS規格AC8A)をマトリックスとする複合材料
を製造した。次いでこの複合材料より大きさが16×6×
10mmであり、その一つの面(16×6mm)を試験面とする
平板試験片を多数作成した。また比較用としてアルミナ
−シリカ繊維にて強化されていないアルミニウム合金
(JIS規格AC8A)のみよりなり、上述の平板試験片と同
一の寸法を有する平板試験片を多数作成した。
また平均粒径1.0μのSi3N4粉末と少量のY2O3粉末及びMg
Al2O4粉末との混合粉末を常温にて成形した後、非酸化
雰囲気中に於て1750℃にて焼結することにより、外径35
mm、内径30mm、幅10mmのSi3N4製の円筒試験片(気孔率
1.0%)を形成し、平均粒径0.5μのZrO2粉末と少量のY2
O3粉末との混合粉末を常温にて成形した後1650℃にて焼
結することにより同一寸法のZrO2製の円筒試験片(気孔
率1.0%)を形成し、平均粒径0.3μのSiC粉末と少量の
B粉末及びC粉末との混合粉末を常温にて成形した後、
低酸素雰囲気中に於て2100℃にて焼結することにより同
一寸法のSiC製の円筒試験片(気孔率1.1%)を形成し、
平均粒径0.4μのAl2O3粉末を常温にて成形した後1700℃
にて焼結することにより同一寸法のAl2O3製の円筒試験
片(気孔率1.0%)を形成した。
次いでこれらの平板試験片を順次摩擦摩耗試験機にセッ
トし、相手部材である上述の各セラミック製の円筒試験
片又は外径35mm、内径30mm、幅10mmの球状黒鉛鋳鉄(JI
S規格FCD70)製の円筒試験片の端面と接触させ、それら
の試験片の接触部に温度150℃の潤滑油(キャッスルモ
ータオイル5W−30(商品名))を供給しつつ、荷重60k
g、回転数160rpmにて円筒試験片を1時間回転させる摩
耗試験を行った。
尚平板試験片と円筒試験片との組合せは下記の表1に記
されている通りであり、各組合せの円筒試験片の被試験
面の表面粗さは全て1.2μRzであった。
この摩耗試験の結果を第1図に示す。尚第1図に於て、
上半分は平板試験片の摩耗量(摩耗痕深さμ)を表わし
ており、下半分は相手材である円筒試験片の摩耗量(摩
耗減量mg)を表わしている(後述の第2図〜第5図に於
ても同じ)。
第1図より、組合せA6〜A10の平板試験片の摩耗量は非
常に高い値であり、組合せA5及びA10の円筒試験片の摩
耗量は比較的高い値であることが解る。また組合せA1
A3の平板試験片の摩耗量と組合せA4の平板試験片の摩耗
量との比較より、円筒試験片の構成材料がSi3N4、SiC、
ZrO2である場合には構成材料がAl2O3である場合に比し
て平板試験片の摩耗量が小さい値であることが解る。か
くしてアルミナ−シリカ繊維にて強化されたアルミニウ
ム合金よりなる平板試験片とSi3N4、SiC、及びZrO2より
なる円筒試験片との組合せA1〜A3の場合には、平板試験
片及び円筒試験片両方の摩耗量が他の組合せの場合に比
して小さいことが解る。
また上掲の表1に示された試験片の組合せA1〜A10につ
いて、平板試験片と円筒試験片との接触部に常温の潤滑
油(キャッスルモータオイル5W−30)を供給し、円筒試
験片を回転数1000rpmにて回転させつつ平板試験片に対
する円筒試験片の押圧荷重を10kgより700kgまで増加さ
せ、これにより焼付き限度荷重を測定する焼付き試験を
行った。
この試験の結果、組合せA1〜A3の焼付き限度荷重は他の
何れの組合せよりも高く、従ってこれらの組合せは耐焼
付き性にも優れていることが確認された。
実施例2 上述の実施例1の場合と同一の要領にて、体積率8%に
て実質的に三次元ランダムにて配向されたアルミナ−シ
リカ繊維(実施例1に於て使用されたアルミナ−シリカ
繊維と同一)を強化繊維とし、マグネシウム合金(JIS
規格MC2)をマトリックスとする複合材料を高圧鋳造
(溶湯の温度700℃、溶湯に対する加圧力800kg/cm2)に
て製造し、該複合材料より実施例1の場合と同一の寸法
の平板試験片を多数作成した。
次いでこれらの平板試験片について、下記の表2に示さ
れた試験片の組合せにて実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて摩耗試験及び焼付き試験を行った。尚下記の
表2に示された組合せB1〜B4の円筒試験片はそれぞれ上
掲の表1に示された組合せA1〜A4と同一の要領及び条件
にて形成され表面粗さが調整されたものであり、組合せ
B5の円筒試験片の被試験面の表面粗さは1.2μRzであっ
た。
この摩耗試験の結果を第2図に示す。第2図より、組合
せB4及びB5の場合に比して組合せB1〜B3の摩耗量は平板
試験片及び円筒試験片の何れについても低い値であり、
従ってアルミナ−シリカ繊維にて強化されたマグネシウ
ム合金よりなる複合材料とSi3N4、SiC、及びZrO2との組
合せも耐摩耗性に優れていることが解る。
また図には示されていないが、焼付き試験の結果、アル
ミナ−シリカ繊維にて強化されたマグネシウム合金より
なる複合材料とSi3N4、SiC、及びZrO2との組合せは耐焼
付き性にも優れていることが確認された。
実施例3 上述の実施例1の場合と同一の要領にて、体積率6%に
て実質的に三次元ランダムにて配向されたアルミナ繊維
(95wt%Al2O3、残部実質的にSiO2、平均繊維径3.2μ、
平均繊維長8mm)を強化繊維とし、アルミニウム合金(J
IS規格ADC10)をマトリックスとする複合材料を高圧鋳
造(溶湯の温度740℃、溶湯に対する加圧力500kg/cm2
に製造し、該複合材料より実施例1の場合と同一の寸法
の平板試験片を多数作成した。
次いでこれらの平板試験片について、下記の表3に示さ
れた試験片の組合せにて実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて摩耗試験及び焼付き試験を行った。尚下記の
表3に示された組合せC1〜C4の円筒試験片はそれぞれ上
掲の表1に示された組合せA1〜A4と同一の要領及び条件
にてが形成され表面粗さが調整されたものであり、組合
せC5の円筒試験片の被試験面の表面粗さは1.2μRzであ
った。
この摩耗試験の結果を第3図に示す。第3図より、組合
せC4及びC5の場合に比して組合せC1〜C3の摩耗量は平板
試験片及び円筒試験片の何れについても低い値であり、
従ってアルミナ繊維にて強化されたアルミニウム合金よ
りなる複合材料とSi3N4、SiC、及びZrO2との組合せも耐
摩耗性に優れていることが解る。
また図には示されていないが、焼付き試験の結果、アル
ミナ繊維にて強化されたアルミニウム合金よりなる複合
材料とSi3N4、SiC、及びZrO2との組合せは耐焼付き性に
も優れていることが確認された。
実施例4 上述の実施例1の場合と同一の要領にて、体積率6%に
て実質的に三次元ランダムにて配向されたアルミナ繊維
(実施例3に於て使用されたアルミナ繊維と同一)を強
化繊維とし、マグネシウム合金(JIS規格MC2)をマトリ
ックスとする複合材料を高圧鋳造(溶湯の温度700℃、
溶湯に対する加圧力800kg/cm2)にて製造し、該複合材
料より実施例1の場合と同一の寸法の平板試験片を多数
作成した。
次いでこれらの平板試験片について、下記の表4に示さ
れた試験片の組合せにて実施例1の場合と同一の要領及
び条件にて摩耗試験及び焼付き試験を行った。尚下記の
表4に示された組合せD1〜D4の円筒試験片はそれぞれ上
掲の表1に示された組合せA1〜A4と同一の要領及び条件
にて形成され表面粗さが調整されたものであり、組合せ
D5の円筒試験片の被試験面の表面粗さは1.2μRzであっ
た。
この摩耗試験の結果を第4図に示す。第4図より、組合
せD4及びD5の場合に比して組合せD1〜D3の摩耗量は平板
試験片及び円筒試験片の何れについても低い値であり、
従ってアルミナ繊維にて強化されたマグネシウム合金よ
りなる複合材料とSi3N4、SiC、及びZrO2との組合せも耐
摩耗性に優れていることが解る。
また図には示されていないが、焼付き試験の結果、アル
ミナ繊維にて強化されたマグネシウム合金よりなる複合
材料とSi3N4、SiO、及びZrO2との組合せは耐焼付き性に
も優れていることが確認された。
実施例5 実施例1の試験片の組合せA1に対応する試験片の組合せ
に於て、円筒試験片の被試験面に対する研削条件を変化
させることにより、円筒試験片の被試験面の表面粗さを
0.4μRz、0.8μRz、1.0μRz、1.2μRz、1.4μRz、2.0μ
Rzに設定し、平板試験片の表面粗さを1.6μRzに設定し
て、上述の実施例1の場合と同一の要領及び条件にて摩
耗試験を行った。この摩耗試験の結果を第5図に示す。
第5図より、円筒試験片の被試験面の表面粗さが1.2μR
z以下の場合に平板試験片及び円筒試験片両方の摩耗量
が小さい値であり、従ってセラミックの表面粗さは1.2
μRz以下であることが好ましいことが解る。
尚この実施例と同様の摩耗試験を実施例1の試験片の組
合せA2及びA3についても行ったところ、第5図に示され
た結果と同様の結果が得られた。
実施例6 実施例1に於て使用されたアルミナ−シリカ繊維と同一
のアルミナ−シリカ繊維が実質的に三次元ランダムにて
配向されわ繊維成形体を形成し、該繊維成形体を用いて
行われる高圧鋳造(溶湯の温度730℃、溶湯に対する加
圧力500kg/cm2)により、体積率8%のアルミナ−シリ
カ繊維を強化繊維としアルミニウム合金(JIS規格ADC1
0)をマトリックスとする複合材料を製造した。次いで
この複合材料より外径25.6mm、内径20.0mm、長さ16mmの
寸法を有し一方の端面を被試験面とする円筒試験片を5
個形成し、各試験片の被試験面の表面粗さを研削により
0.6μRzに仕上げた。
次いで硝酸水溶液を用いて行われる電解エッチングによ
り、3個の円筒試験片の被試験面のマトリックスの表面
に凹部を形成した。第6図はかくして形成された試験片
の被試験面近傍の断面を示す模式図であり、図に於て21
は強化繊維としてのアルミナ−シリカ繊維を示してお
り、22はマトリックスとしてのアルミニウム合金を示し
ており、23は凹部を示している。
この場合電解エッチングの条件を適宜に設定することに
より、被試験面の任意の断面に現われる凹部23の深さDi
の平均値▲▼が1.8μであり、凹部23の開口径に対
する深さの比の平均値、即ち被試験面の任意の断面に現
われる凹部23の開口部長さWiに対する深さDiの比の平均
値▲▼が0.02であり、複合材料の表面24より
アルミナ−シリカ繊維の露出高さHiの平均値▲▼が
0.8μであり、凹部の面積率、即ち複合材料の任意の断
面の或る基準長さLに対する凹部23の開口部長さWiの合
計の比の百分率が20%である3個の円筒試験片が形成さ
れた。
次いで電解エッチングが行われたこれらの円筒試験片及
び電解エッチングが行われず、従って凹部の深さ、アル
ミナ−シリカ繊維の露出高さ及び凹部の面積率が0であ
る複合材料よりなる円筒試験片を順次摩擦摩耗試験機に
セットし、Si3N4(気孔率1.0%)、Al2O3(気孔率1.0
%)、球状黒鉛鋳鉄(JIS規格FCD70)よりなり、大きさ
が30×30×5mmであり、その一つの面(30×30mm)を被
試験面とする平板試験片の被試験面と接触させ、それら
の試験片の接触部の常温の潤滑油(キャッスルモータオ
イルSAE30(商品名))を供給し、円筒試験片を回転数1
000rpmにて回転させつつ、平板試験片に対する円筒試験
片の押圧荷重を10kgより700kgまで増加させ、これによ
り焼付き限度荷重を測定する焼付き試験を行った。
尚この焼付き試験に於ける円筒試験片と平板試験片との
組合せは下記の表5に示す通りであった。また各平板試
験片の被試験面の表面粗さは全て0.8μRzであった。
この焼付き試験の結果を第7図に示す。第7図より、組
合せE1の焼付き限度荷重は組合せE2の焼付き限度荷重よ
りも遥かに高く、組合せE4の焼付き限度荷重(焼付き発
生せず)は組合せE2、E3、E5の焼付き限度荷重よりも遥
かに高く、従ってアルミナ−シリカ繊維にて強化された
アルミニウム合金よりなる複合材料とSi3N4との組合
せ、及びアルミナ−シリカ繊維にて強化されたアルミニ
ウム合金よりなり電解エッチングされた複合材料とSi3N
4との組合せは耐焼付き性に優れていることが解る。ま
た特に組合せE1とE4との比較より、複合材料に電解エッ
チングを施して強化繊維を露出させると共に、複合材料
の表面の強化繊維の間に凹部を形成すれば耐焼付き性が
更に向上することが解る。
尚図には示されていないが、上掲の表5に示された試験
片の組合せについて実施例1の場合と同一の領域にて摩
耗試験を行ったところ、組合せE1及びE4、特に組合せE4
は耐摩耗性にも優れていることが確認された。
以上に於ては本発明を幾つかの実施例について詳細に説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能で
あることは当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至5図はそれぞれ実施例1〜5の摩耗試験の結
果を示すグラフ、第6図は本発明よる摺動用部材の第一
の部材を構成する繊維強化金属複合材料の一つの実施例
の表面部の断面を示す模式図、第7図は実施例6の焼付
き試験の結果を示すグラフである。 21……アルミナ−シリカ繊維,22……アルミニウム合金,
23……凹部,24……表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B22D 19/14 B 9266−4E F02F 1/00 D 8503−3G F16C 33/24 A 6814−3J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに当接して相対的に摺動する第一の部
    材と第二の部材とよりなる摺動用部材にして、前記第一
    の部材の少なくとも前記第二の部材に対する摺動面部は
    40wt%以上Al2O3、残部実質的にSiO2なる組成を有する
    体積率3〜30%のアルミナ−シリカ系繊維を強化繊維と
    しアルミニウム合金若しくはマグネシウム合金をマトリ
    ックスとする繊維強化金属複合材料にて構成され、前記
    第二の部材の少なくとも前記第一の部材に対する摺動面
    部はSi3N4、SiC及びZrO2よりなる群より選択された何れ
    かのセラミックにて構成された摺動用部材。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項の摺動用部材に於
    て、前記セラミックの気孔率は2%以下であることを特
    徴とする摺動用部材。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項の摺動用
    部材に於て、前記第二の部材の摺動面の表面粗さは1.2
    μRz以下であることを特徴とする摺動用部材。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項の何れか
    の摺動用部材に於て、前記第一の部材の摺動面が電解エ
    ッチングされることにより前記アルミナ−シリカ系繊維
    の一部が前記摺動面に露出しており且前記摺動面に露出
    する前記アルミナ−シリカ系繊維の間の前記マトリック
    スの表面に凹部が形成されていることを特徴とする摺動
    用部材。
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