JPH0686283B2 - 水素分離媒体の製造方法 - Google Patents

水素分離媒体の製造方法

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JPH0686283B2
JPH0686283B2 JP1092050A JP9205089A JPH0686283B2 JP H0686283 B2 JPH0686283 B2 JP H0686283B2 JP 1092050 A JP1092050 A JP 1092050A JP 9205089 A JP9205089 A JP 9205089A JP H0686283 B2 JPH0686283 B2 JP H0686283B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、水素ガスの回収、精製、除去等に用いられ
る水素分離媒体の製造方法に関する。
「従来技術とその課題」 従来高純度水素ガスを選択的に回収あるいは分離する方
法として、低温吸着法、Pd膜法などが知られており、こ
れらの方法は主に半導体産業で採用されている。しか
し、低温吸着法は液体窒素を必要とするため高圧ガス取
締法の規制を受けると共に極低温技術が不可欠となり、
またPd膜法では膜が高価であると共に操業温度が高いと
いった不都合がある。したがって、低温吸着法およびPd
膜法は、ともに装置製作および操作上に大きな問題を有
し、また装置コストが高いという欠点をも有するものと
なる。
ところで、このような状況に鑑み、安価な水素吸蔵合金
を用いた水素分離方法が提案されている。しかし、この
方法では、水素吸蔵合金が水素の吸蔵放出の繰返しによ
り微粉化するため、系外に水素吸蔵合金を出さないため
のパーティクル対策をしなくてはならないといった不都
合があり、また吸蔵時に発熱し放出時には吸熱するた
め、複雑な熱操作が必要となり、かつ合金の体積膨張に
伴う応力に耐える容器構造である必要があることから実
用性に乏しいといった問題もある。
近時、その解決策として水素吸蔵合金を多孔質体からな
る基板上に堆積し、この水素吸蔵合金を薄膜化した水素
分離材の提案がなされている。しかし、基板に直接水素
吸蔵合金を堆積したものでは、水素を吸蔵した際合金の
体積膨張により基板と合金とが剥離してしまうという欠
点がある。この欠点を解決するため、基板に、遷移金属
あるいは周期律表第IIIb族元素の金属をメッキするなど
の方法により表面処理を施しし、合金との親和性を高
め、また熱膨張係数の差を小さくするといった試みがな
されている。しかしながらこの方法では、基板表面に付
着せしめた金属の膜厚が厚くなることから基板の孔径が
狭まり、水素透過能力が低下するといった問題がある。
また、特に表面をメッキ処理した場合には、工程が複雑
となることから生産コストが高くなり、さらに基板に残
った水分を除去するのが困難であるといった問題が依然
として残る。
この発明は前記課題に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは、優れた水素透過能力を有し、精製した
水素中に水分を混入させることがないとともに、基体に
対して剥離しにくく接合強度が高くピンホールを有さな
い水素吸蔵性薄膜を備えた水素分離媒体を簡略な工程で
製造し得る製造方法を提供することにある。
「課題を解決するための手段」 請求項1記載の発明は前記課題を解決するために、多孔
質体からなる基体に、金属ハロゲン化物溶液、金属硝酸
塩溶液、あるいは金属硫酸塩溶液を接触せしめてCu,Zn,
Ni,Pd,Snの中から選択されるいずれかの金属元素の金属
核を分散状態で付着形成し、次いで真空雰囲気あるいは
還元雰囲気にて50〜1200℃の温度で乾燥処理および焼付
け処理を施して基体上の水分除去を行うと同時に金属核
の固定を行い、次いで前記基体上にスパッタ法により厚
さ50μm以下の水素吸蔵性薄膜を形成するものである。
請求項2記載の発明は前記課題を解決するために、金属
核としてPdの金属核を用い、水素吸蔵性薄膜としてLaNi
2の薄膜を用いるものである。
請求項3記載の発明は前記課題を解決するために、多孔
質体からなる基体に、Pdのハロゲン化物溶液を接触せし
めてPdの金属核を分散状態で付着形成し、次いで真空雰
囲気あるいは還元雰囲気にて150℃以上の温度で乾燥処
理および焼付け処理を施して基体上の水分除去を行うと
同時にPdの金属核の固定を行い、次いで前記基体上にス
パッタ法によりLaNi2からなる非晶質状態の厚さ50μm
以下の水素吸蔵性薄膜を形成するものである。
以下、本発明の水素分離媒体の製造方法について詳しく
説明する。
まず、多孔質体からなる基板(基体)を用意する。多孔
質体としては、SUSフィルター、セラミックスフィルタ
ー、多孔質ガラス等の耐熱性の高い材料からなるものが
好適に用いられ、またその平均孔径が1μm以下のもの
が好ましく、特に孔径分布が揃っているものが望まし
い。
次に、この基板表面に金属を付着して金属核を分散形成
する。ここで付着して金属核にするための金属として
は、Cu,Zn,Ni,Pd,Snのいずれかを用いる。
金属核の具体的な形成方法としては、前記金属のハロゲ
ン化物溶液、硝酸塩溶液あるいは硫酸塩溶液を用いる方
法が好適に採用される。これら金属塩溶液を用いる方法
としては、例えば使用する金属塩溶液を適宜にpH調整
し、次いでこの溶液中に基体を浸漬した後、乾燥・焼付
けするといった方法が採用される。また、より積極的な
方法として、導電性のない無機質材へメッキする場合に
常用される活性処理のように、電気化学的に電位が異る
金属イオンを交換させ、これにより基体上に金属核を形
成するといった方法を用いることもできる。
なお、基板に金属核形成処理を行うにあたっては、繰り
返し複数回処理するのが、基板と後述する水素吸蔵性金
属との親和力をより強めることができ、よって基板から
の水素吸蔵性金属の剥離を抑制することができるので好
ましい。この場合、基板の孔を閉塞しない程度に処理
し、金属核を形成しなくてはならないのは勿論である。
また、前記の如く金属塩溶液を用いて金属核を形成した
場合、処理後、真空雰囲気あるいは還元雰囲気にて50〜
1200℃の温度範囲で乾燥処理および焼付け処理をするの
が、作製する水素分離媒体の水分除去を行う点で有効で
あり、好ましい。
その後、前記基板上に水素吸蔵性金属を堆積し、水素吸
蔵性薄膜を形成して水素分離媒体を得る。ここで水素吸
蔵性金属とは、ある条件下にて水素のみを可逆的に吸蔵
し、あるいは放出し、さらには透過する金属または合金
である。このような金属の代表例としてはLaNi5,TiMn
1.5等の合金群があり、一般に水素吸蔵合金といわれて
いる。また、Pd,V,Nb等の金属も水素吸蔵性を有するも
のであり、前記合金とともに本発明の水素吸蔵性金属と
して用いられるものである。
なお、水素吸蔵性金属としてLaNi5,TiMn1.5等の合金群
を採用する場合には、その合金組成の制御が容易となる
ことから、スパッタリング法等の物理的方法がより好適
とされる。
このような堆積方法によって基板に水素吸蔵性金属を堆
積すると、基板上に金属核が形成されていることから、
得られた水素吸蔵性金属の薄膜は前記金属核を介在する
ことによって基板と強固に接合する。
このような物理的方法により堆積して得る薄膜として
は、非晶質状態でもよく、また結晶状態でも良いが、非
晶質状態のほうがより好ましい。なぜなら、結晶性合金
に比べ非晶質合金のほうが一般的に水素吸蔵時の格子の
体積膨張が少なく、また粒界が無いので割れにくいから
である。また薄膜の厚さとしては、例えばLaNi5,TiMn
1.5等の水素吸蔵合金を成膜する場合、50μm以下にす
るのが、単位面積当りの水素透過速度が向上するので好
ましい。
このようにして得られた水素分離媒体を用い、例えば不
純物を含む原料水素ガスを精製するには、この原料水素
ガスを適宜な圧力にて水素分離媒体に通気する。すると
原料水素ガス中の水素分子は、水素吸蔵金属からなる薄
膜の表面で水素原子として解離し、優先的に薄膜内に拡
散することによって原料水素ガスから分離する。この場
合、原料水素ガスの圧力とこの原料水素ガス中の純水素
ガスの圧力との差により、水素原子は水素吸蔵性金属内
に拡散せしめられる。
また、この時の操作温度としては100℃〜500℃程度の温
度範囲が望ましく、500℃以上の温度で操業すると、多
孔質体からなる基板の孔が基板の熱膨張により小さくな
って通気抵抗が上昇し、さらに加熱費用も高くなって装
置の稼働コストが上昇するといった不都合を生ずる。ま
た、原料水素ガスを水素分離媒体に通気する際の圧力と
しては、操作温度における基板の曲げ強度によって主に
決定されるが、高圧ガス取締法の圧力範囲以下で操作す
るのが望ましい。
なお、このようにして原料水素ガスを精製する場合、用
いる原料水素ガスの純度としては、水素分離媒体におけ
る水素分離用金属薄膜の表面酸化を考えると酸化性ガス
の少ないことが好ましく、酸化性ガスが総計で0.1%以
下である原料水素ガスを用いるのが、水素分離媒体の耐
久性の面で有利である。
「作用」 請求項1記載の方法によれば、多孔質体からなる基体
に、金属ハロゲン化物溶液、金属硝酸塩溶液、あるいは
金属硫酸塩溶液を接触せしめてCu,Zn,Ni,Pd,Snの中から
選択されるいずれかの金属元素の金属核を分散状態で付
着形成し、次いで真空雰囲気あるいは還元雰囲気にて50
〜1200℃の温度で乾燥処理および焼付け処理を施して基
体上の水分除去を行うと同時に金属核の固定を行い、次
いで前記基体上にスパッタ法により厚さ50μm以下の水
素吸蔵性薄膜を形成するので、基体上に乾燥処理および
焼付け処理により金属核を強固に固定できるとともに、
基体上の金属核周囲の不要な水分や溶媒を除去すること
ができ、更にその上にスパッタ法により水素吸蔵性薄膜
を形成するので、水素吸蔵性薄膜が不要な水分の無い状
態で金属核を介して強固に基体に密着する。よって水素
吸蔵性薄膜が基体から剥離することがない。また、前述
の如く良好な条件で金属核を介して基体上に水素吸蔵性
薄膜を形成するのでピンホールの無い良質な水素吸蔵性
薄膜が生成される。また、得られた水素吸蔵性薄膜内へ
の水分や溶媒の残留を防止できるので、水素を精製した
場合に水素中への水分の混入を防止することができ、露
点が低く、水分を十分に除去した良質の水素ガスを得る
ことができる。
請求項2記載の発明によれば、金属核としてPdの金属核
を用い、水素吸蔵性薄膜としてLaNi2の薄膜を用いるの
で、ピンホールの無い良質な水素吸蔵性薄膜を確実に得
ることができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1と請求項2記載
の発明で得られる効果を得られる上に、基体上の不要な
水分や溶媒を完全に除去することができ、より品質の高
い水素吸蔵性薄膜を得ることができる。更に、水素吸蔵
性薄膜を非晶質のものとすることで、水素吸蔵時の堆積
膨張を少なくできるとともに、粒界が無いので割れにく
く、剥離しにくい水素吸蔵性薄膜が得られる。
「実施例」 以下、この発明の製造方法を実施例によりさらに具体的
に説明する。
まず、基板としてシラス組成を有し、50mm×50mmで厚さ
0.5mmの正方形板状の多孔質ガラスを用意した。なお、
この多孔質ガラスの平均孔径は3000Åであった。
次に、用意した多孔質ガラス基板をアセトンで洗浄し、
その後以下に示す(1)〜(5)の操作手順で表面処理
を行い、基板表面上に金属核を分散形成した。
(1)前記基板を処理容器内に入れ、この容器内に、MA
C-100(奥野製薬工業(株)社製;HCl+SnCl2水溶液)を
水50ml中に5mlの割合で加えて作製した処理液を入れ、
常温にて1〜2分間処理液を攪拌し、表面処理を行う。
(2)処理容器から基板を取り出し、多量の水で洗浄す
る。
(3)洗浄後の基板を再度別の処理容器内に入れ、この
容器内に、MAC-200(奥野製薬工業(株)社製;HCl+PdC
l2水溶液)を水50ml中に5mlの割合で加えて作製した処
理液を入れ、常温にて1〜2分間処理液を攪拌し、表面
処理を行う。
(4)処理容器から基板を取り出し、多量の水で洗浄す
る。
(5)(1)〜(4)までの工程を5回繰り返し、その
後150℃の温度にて30分間真空乾燥し、これによりPd金
属核を基板表面に形成する。
次いで、高周波マグネトロンスパッタ法を用い、以下の
条件により前記基板の表面上にLaNi2を堆積し、薄膜を
形成して水素分離媒体を得た。
ここで、スパッタリングターゲットとしては分割型ター
ゲットを使用した。この分割型ターゲットの分割角はL
a:40°,Ni:50°であり、それぞれ4枚用意してディスク
状に張り合わせ、ターゲットとした。また、スパッタリ
ング条件は以下の通りとした。
(i)雰囲気 4×10-3Torr(Ar) (ii)基板乾燥 150℃, 300sec, (iii)エッチング 150℃,200W, 30sec, (iv)プレスパッタ 200W,180sec, (v)スパッタ 100℃,800W,1800sec, 前記条件でスパッタリングして得られた薄膜は、その厚
さが5μmであり、LaNi2の組成を有していた。
このようにして得られた水素分離媒体を、その成膜直後
に130℃,15atmで水素加圧し、水素吸蔵後の状態をX線
回折したところ、LaNi2からなる水素吸蔵合金薄膜が非
晶質状態になっていることが確認された。
さらに、この水素分離媒体を300℃,15atmで水素加圧し
た後、走査型電子顕微鏡を用いてその状態を観察したこ
とろ、薄膜にピンホールは観察されず、また水素吸蔵性
合金(LaNi2)とは基板との剥離も観察されず良好な状
態を保持していた。
次に、このようにして得られた水素分離媒体を第1図に
示す水素分離用装置に装填し、Heリーク量を測定した。
第1図において符号1は水素分離装置、2は前記実施例
によって得られた水素分離媒体である。
測定の操作方法を説明すると、まず水素分離装置1内の
処理室内に第1図に示すように水素分離媒体2をセット
する。ここで水素分離装置1は、断熱材からなる外壁3
内に処理室4を形成し、外壁3と処理室4との間に後述
する温度コントローラに接続されたヒータ5を配したも
ので、処理室4の前後方向にそれぞれガス供給管6とガ
ス排出管7とを外壁外に通じるよう配管したものであ
る。また、水素分離媒体2をセットするにあたっては、
水素吸蔵性金属からなる薄膜側をガス供給管6側とし、
分離媒体2の前後を2個のOリング8,8により固定して
処理室4内における分離媒体2前後の空間を分離媒体2
によって気密に遮断した。
次いで、処理室4に図示略の蓋をして処理室4内を気密
にし、その後ガス供給管6より一定量のHeガスを処理室
4内に供給し、ガス排出管7からのHeガスの排出量を測
定してHeリーク量を調べた。なお、測定に際しては、温
度コントローラー9に接続された温度センサ10を予めガ
ス供給管6内に挿通配置し、温度センサ9で検出された
ガス温度から温度コントローラ10によりヒータ5を制御
して供給ガスの温度を一定にした。また、処理室4内に
供給する供給ガスの流量は、供給ガスの一部をガス供給
管6に接続されたバイパス管11に逃がすことによって一
定にした。
このようにしてHeガスのリーク量を調べたところ、リー
ク量は2.0×10-9atm・cc/sec以下であり、作製した薄膜
にピンホールがないことが確認された。
次いで、第1図に示した水素分離装置を用いてこれに前
記水素分離媒体をセットし、Ar:30vol%,H2:70vol%の
混合原料水素ガスを300℃、10atmで通気して水素分離能
試験を行った。その結果、混合原料水素ガスは99.99vol
%の純度の水素に精製され、本発明によって得られた水
素分離媒体は高い水素ガス分離能があることが確認され
た。
また、上述した方法によって得られた水素分離媒体(本
発明試料)と、本実施例で用いた多孔質ガラス基板にCu
の無電解メッキを施し、先に示した(5)の乾燥処理を
施し、さらに実施例と同様の条件で水素吸蔵性合金膜を
作製した試料とをそれぞれ用い、前記水素分離能試験と
同一の条件で水素を精製し、得られた精製水素の露点を
測定してその結果を第1表に示す。
第1表に示した結果より、本発明試料によって精製され
た水素は純度99.99%の原料水素ガスよりも露点が低
く、ほぼ完全に水分が除去されていることが確認され
た。一方、Cuの無電解メッキ処理を施した試料によって
得られた精製水素では、原料水素ガスよりも露点が高
く、したがって水分が精製水素中に混在していると考え
られることから、試料より水分が発生していると推察さ
れる。なお、このときの水素透過速度はいずれも0.56cm
3/cm2・secであった。
以上の結果より、本発明の製造方法によって得られた水
素分離媒体は、水分がほぼ完全に除去されているのこと
から基板からの水素吸蔵性合金の剥離が抑制されている
ことがわかり、よって本発明による水素分離媒体は十分
使用に耐えうるものであることが確認された。
「発明の効果」 以上説明したように、請求項1記載の方法によれば、多
孔質体からなる基体に、金属ハロゲン化物溶液、金属硝
酸塩溶液、あるいは金属硫酸塩溶液を接触せしめてCu,Z
n,Ni,Pd,Snの中から選択されるいずれかの金属元素の金
属核を分散状態で付着形成し、次いで真空雰囲気あるい
は還元雰囲気にて50〜1200℃の温度で乾燥処理および焼
付け処理を施して基体上の水分除去を行うと同時に金属
核の固定を行い、次いで前記基体上にスパッタ法により
厚さ50μm以下の水素吸蔵性薄膜を形成するので、基体
上に乾燥処理および焼付け処理により金属核を強固に固
定できるとともに、基体上の金属核周囲の不要な水分や
溶媒を除去することができ、更にその上にスパッタ法に
より水素吸蔵性薄膜を形成するので、水素吸蔵性薄膜が
不要な水分の無い状態で金属核を介して強固に基体に密
着する。よって水素吸蔵性薄膜が基体から剥離すること
がない。
また、前述の如く良好な条件で金属核を介して基体上に
水素吸蔵性薄膜を形成するのでピンホールの無い良質な
高い水素分離能を有する水素吸蔵性薄膜を得ることがで
きる。そして、ピンホールのない均一な水素吸蔵性薄膜
を得ることができるので、従来のものに比べて水素吸蔵
性薄膜の厚さを薄くでき、従ってこの水素分離媒体を用
いれば水素の透過速度が大きくなることから、水素分離
媒体自身をコンパクトにすることができる。
更に、金属核の形成後に乾燥処理と焼付け処理を行い、
その上にスパッタ法で水素吸蔵性薄膜を形成するので、
得られた水素吸蔵性薄膜内への水分や溶媒の残留を防止
でき、本発明方法で得られた水素分離媒体を用いて水素
を精製した場合に水素中への水分の混入を防止すること
ができ、露点が低く、水分を十分に除去した水素ガスを
得ることができる。
更にまた、基体に溶液を接触させ、更に乾燥処理と焼付
け処理を行い、スパッタリングを行うといった簡略な工
程により水素分離媒体を製造するものであるから、水素
分離媒体を製造コストを低減することができる。
請求項2記載の発明によれば、金属核としてPdの金属核
を用い、水素吸蔵性薄膜としてLaNi2の薄膜を用いるの
で、ピンホールの無い良質な水素吸蔵性薄膜を確実に得
ることができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1と請求項2記載
の発明で得られる効果を得られる上に、基体上の不要な
水分や溶媒を完全に除去することができ、水分を含んで
いないより品質の高い水素吸蔵性薄膜を得ることができ
る。更に、水素吸蔵性薄膜を非晶質のものとすること
で、水素吸蔵時の堆積膨張を少なくできるとともに、粒
界が無いので割れにくく、剥離しにくい水素吸蔵性薄膜
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明によって得られた水素分離媒体の水素
分離能を調べるための試験方法を説明するための図であ
って、水素分離装置の概略構成図である。 1……水素分離装置、 2……水素分離媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽坂 智 神奈川県川崎市幸区塚越4―320 日本酸 素株式会社内 審査官 柳 和子 (56)参考文献 特開 昭62−273029(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質体からなる基体に、金属ハロゲン化
    物溶液、金属硝酸塩溶液、あるいは金属硫酸塩溶液を接
    触せしめてCu,Zn,Ni,Pd,Snの中から選択されるいずれか
    の金属元素の金属核を分散状態で付着形成し、次いで真
    空雰囲気あるいは還元雰囲気にて50〜1200℃の温度で乾
    燥処理および焼付け処理を施して基体上の水分除去を行
    うと同時に金属核の固定を行い、次いで前記基体上にス
    パッタ法により厚さ50μm以下の水素吸蔵性薄膜を形成
    することを特徴とする水素分離媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】金属核としてPdの金属核を用い、水素吸蔵
    性薄膜としてLaNi2の薄膜を用いることを特徴とする請
    求項1記載の水素分離媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】多孔質体からなる基体に、Pdのハロゲン化
    物溶液を接触せしめてPdの金属核を分散状態で付着形成
    し、次いで真空雰囲気あるいは還元雰囲気にて150℃以
    上の温度で乾燥処理および焼付け処理を施して基体上の
    水分除去を行うと同時にPdの金属核の固定を行い、次い
    で前記基体上にスパッタ法によりLaNi2からなる非晶質
    状態の厚さ50μm以下の水素吸蔵性薄膜を形成すること
    を特徴とする水素分離媒体の製造方法。
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