JPH0687775U - ブーツ - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【目的】蛇腹部の耐摩耗性を高め、ブーツの耐久寿命を
向上させる。 【構成】大径部1と小径部2との間に複数の面3a,3
bからなる蛇腹部3を有するブーツであり、蛇腹部3を
構成する小径部側の面3aの肉厚ta を大径部側の面3
bの肉厚tb より小さく形成する。ブーツが揺動する
と、蛇腹部3の各山部5がそれぞれ小径部側に折れ曲が
り易くなり、この密集部分の面圧が緩和され、摩擦力や
発熱が減少する。
向上させる。 【構成】大径部1と小径部2との間に複数の面3a,3
bからなる蛇腹部3を有するブーツであり、蛇腹部3を
構成する小径部側の面3aの肉厚ta を大径部側の面3
bの肉厚tb より小さく形成する。ブーツが揺動する
と、蛇腹部3の各山部5がそれぞれ小径部側に折れ曲が
り易くなり、この密集部分の面圧が緩和され、摩擦力や
発熱が減少する。
Description
【0001】
本考案は、例えば自動車の等速ユニバーサルジョイントなどを雨水や泥から保 護するブーツに関し、特に蛇腹部が伸縮・揺動したときに生じる摩耗を防止する ことができるブーツに関する。
【0002】
例えば、自動車のエンジンの駆動を駆動輪に伝達する動力伝達装置には、ユニ バーサルジョイントが用いられている。特に、FF車(フロントエンジン・フロ ントドライブ)では、エンジンのクランクシャフトの回転がファイナルドライブ で減速された後に、ドライブシャフトを介して駆動輪である前輪のホイールに伝 達されることから、ドライブシャフトの回転数は低いものの、駆動輪が操舵輪と なっているため、ドライブシャフトとホイールとの曲がり角が大きくなる。そこ で、従来よりFF車のドライブシャフトとホイールとの連結部には等速ユニバー サルジョイント(以下、等速ジョイントと称する)が用いられている。
【0003】 従来のドライブシャフトとホイールとの連結部の構造は、図3に示すようにな っている。すなわち、等速ジョイント10の外輪11はホイール(不図示)に固 定され、一方、等速ジョイント10の内輪12はドライブシャフト13に固定さ れる。また、これら外輪11と内輪12との間にはボール14が介装され、これ によりドライブシャフト13の回転数を等しく維持しながら、しかもホイールの 操舵および上下動に対して追従しながら、ドライブシャフト13の駆動力をホイ ールに伝達するようになっている。
【0004】 そして、これら等速ジョイントを構成する外輪、内輪、およびボールを雨水や 泥などから保護するために、ドライブシャフトと外輪との間にはゴム製ブーツあ るいは弾性プラスチック製ブーツ15が取り付けられている。 図3にはゴム製ブーツを示し、図2(B)には弾性プラスチック製ブーツを示 すが、このような従来のブーツ15では、ドライブシャフト13とホイールが相 対的に揺動したときは、ブーツの蛇腹部3が折れ曲がることにより、この揺動に 追従できるようになっている。
【0005】 しかしながら、ドライブシャフト13とホイールとの相対的な揺動角が大きい と、図2(B)に示すように、蛇腹部3を構成する複数の円錐面3a,3bが互 いに隣接する円錐面と接触することになる。特に、上述した等速ジョイントなど に用いられるブーツにおいては、このように円錐面が接触した状態のまま回転す るので、摩耗対策が必要であった。 そこで従来では、ブーツを耐摩耗性に優れた材料により成形したりするなど、 材料面からの対策が講じられていた。
【0006】
しかしながら、材料を選択することによる摩耗対策は性能やコスト面から限界 となってきた。しかも、近年の自動車の高性能化にともなって等速ジョイントの 揺動角度がますます大きくなってきたため、蛇腹部の摩耗に対しては一層不利な 状況となっている。このような問題は図3に示すゴム製ブーツであれ、図2(B )に示す弾性プラスチック製ブーツであれ、状況は同じであった。
【0007】 かかる摩耗によりブーツが破損すると、ここから雨水や泥水が浸入して等速ジ ョイントが錆たり、あるいは泥の浸入によって等速ジョイントが円滑に揺動しな い虞がある。
【0008】 本考案者が、ブーツの蛇腹部3が折れ曲がったときの状況を詳細に観察したと ころ、図2(B)に示すような大径部1と小径部2とを有するブーツでは、蛇腹 部3は大径部側から順次折れ曲がってゆき、蛇腹部の磨耗を誘起する円錐面3a ,3bは大径部側に密集することが判明した。そして、これら円錐面3a,3b の間に位置する各山部5は、図2(B)に矢印で示すように、それぞれ大径部側 に押しつけられ、その結果、各円錐面に作用する面圧がさらに高くなる。
【0009】 そこで本考案者は、互いに接触する円錐面が大径部側に密集したとしても各山 部が大径部側に押しつけられるのを阻止すれば、円錐面に作用する面圧が低下す るため磨耗速度も低下するという知見に基き、円錐面のうち小径部側の円錐面を 大径部側の円錐面に対して薄肉に形成すると、各山部の押し付けが緩和されるこ とを知得し、本考案を完成するに至った。 このように本考案は、蛇腹部の耐摩耗性を高め、ブーツの耐久寿命を向上させ ることを目的とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本考案のブーツは、大径部と小径部との間に複数 の面からなる伸縮および揺動可能な蛇腹部を有するブーツにおいて、前記蛇腹部 を構成する小径部側の面の肉厚を大径部側の面の肉厚より小さく形成したことを 特徴としている。 換言すれば、前記蛇腹部を構成する大径部側の面の肉厚を小径部側の面の肉厚 より大きくしたことを特徴としている。
【0011】
例えば、ドライブシャフトの駆動力をホイールに伝達する等速ジョイントを雨 水や泥から保護するために、本考案のブーツを等速ジョイントに装着する。これ によりブーツ内は密閉されるが、等速ジョイントの外輪とドライブシャフトが相 対的に伸縮もしくは揺動したときは、ブーツの蛇腹部がこの伸縮・揺動に追従し て伸縮・揺動することになる。
【0012】 等速ジョイントの外輪とドライブシャフトの伸縮あるいは揺動が大きい場合に は、蛇腹部も揺動して収縮し、蛇腹部の面が隣接する他の面と接触しながら回転 するが、本考案のブーツにおいては、蛇腹部を構成する小径部側の面の肉厚を大 径部側の面の肉厚に対して小さくしているため、蛇腹部の各山部が図2(A)に 矢印で示すように、それぞれ小径部側に折れ曲がり易くなる。
【0013】 したがって、従来では大径部側に蛇腹部の接触面が密集し、面圧が著しく大き かったのに対して、本考案のブーツでは、この密集部分の面圧が緩和されること になり、その結果、摩擦力や発熱が減少する。これにより、接触面の耐摩耗性が 向上してブーツの破損を防止することができる。
【0014】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図1(A)は本考案の一実施例に係るブーツを示す断面図、図1(B)は同実 施例の山部を示す拡大断面図、図2(A)は同実施例のブーツが折れ曲がった状 態を示す要部断面図、図2(B)は従来のブーツが折れ曲がった状態を示す要部 断面図である。 なお、以下の説明では、ドライブシャフトの等速ジョイントに用いられるブー ツを具体例として本考案を説明するため、この等速ジョイントの構成については 部分的に図3を参照して説明する。
【0015】 まず、図1に示す実施例のブーツは、筒状の本体の両端に大径部1および小径 部2が形成されており、この両端が図3に示す等速ジョイント10の外輪11と ドライブシャフト13にそれぞれ挿通されて固定される。これらの大径部1と小 径部2との間には複数の円錐面3a,3bからなる蛇腹部3が形成されており、 これら互いに隣接する円錐面3a,3bの間に谷部4と山部5が形成されている 。そして、この蛇腹部3によってブーツは伸縮および揺動ができるようになって いる。
【0016】 ブーツの材質は、ゴムあるいは合成樹脂(例えば弾性プラスチックス)の何れ でも良く、ゴムにより形成する場合は成形品質を考慮して射出成形とすることが 好ましく、合成樹脂により形成する場合は蛇腹部3の射出成形が困難であるため 、ブロー成形により成形することが好ましい。
【0017】 本実施例のブーツの大径部1は、等速ジョイント10の外輪11に装着され、 止めバンド6(図2(A)参照)にて固定される。また、ブーツの小径部2は、 ドライブシャフト13の外周面に装着され、図示はしないが同様の止めバンドに て固定される。このドライブシャフト13の外周面にはブーツの軸方向の位置ズ レを防止するために図3に示すような環状の係止部20を形成してもよい。かか る固定手段は本実施例にのみ限定されることなく種々の手段を用いることができ る。
【0018】 本実施例のブーツでは、蛇腹部3を構成する円錐面3a,3bの肉厚につき、 小径部側の円錐面3aの肉厚をta 、大径部側の円錐面3bの肉厚をtb とした ときに、 ta <tb …… (1) の関係が成立するように各円錐面を形成している。
【0019】 このような円錐面3a,3bの肉厚ta ,tb は、全ての円錐面について上記 式(1)が成立する値とすることが好ましいが、場合によっては大径部側から数 えて幾つかの円錐面のみを式(1)のように形成してもよい。例えば、図1(A )に示すブーツでは、大径部側から数えて第1番目と第2番目の山部5の両側に 位置する円錐面3a,3bについて上記式(1)を満足する構成としているが、 最も小径部側に位置する山部5の両側の円錐面3a,3bについては肉厚ta , tb を等しく設定している。これは、最も小径部側に位置する山部5については 、ブーツが揺動したときにでも大径部側に密集することが少ないからである。
【0020】 さらに、小径部側の円錐面3aの肉厚ta を大径部側の円錐面3bの肉厚tb に対して小さくするには、例えば図1(B)に示すように小径部側の円錐面3a の内面を穿設してもよいし、あるいは小径部側の円錐面3aの内面と外面とを穿 設してもよい。さらに、小径部側の円錐面3aの外面のみを穿設してもよい。
【0021】 要するに、本考案に言うところの、小径部側の円錐面3aの肉厚ta を大径部 側の円錐面3bの肉厚tb より小さくするという意味は、本考案のブーツの材質 や機械的特性、あるいはブーツを適用する状況に応じて、ブーツが折れ曲がって 円錐面3a,3bが大径部側に密集したときに、これらの山部5が大径部側に押 しつけられるのを阻止するように、当該山部5が小径部側に折れ曲がればよいの である。
【0022】 また、当然のことではあるが、本考案に言う小径部側の円錐面3aの肉厚ta を大径部側の円錐面3bの肉厚tb より小さくするという意味は、大径部側の円 錐面3bの肉厚tb を小径部側の円錐面3aの肉厚ta より大きくすることと等 価である。
【0023】 次に作用を説明する。 本実施例のブーツの大径部1を等速ジョイント10の外輪11に挿通させて固 定し、他方の小径部2をドライブシャフト13の外周面に挿通させて、それぞれ 止めバンドにて固定する。これによりブーツ内は密閉され、等速ジョイント10 を雨水や泥から保護することができる。 しかしながら、ドライブシャフト13と等速ジョイントの外輪11は、ホイー ルの操舵や路面に対する上下動により、極端に揺動することがある。
【0024】 このように、等速ジョイントの外輪11とドライブシャフト13が相対的に伸 縮および/もしくは揺動したときは、ブーツの蛇腹部3がこの伸縮・揺動に追従 して伸縮・揺動することになるが、等速ジョイントの外輪11とドライブシャフ ト13の揺動角が大きい場合には、蛇腹部3も揺動して収縮し、谷部4と山部5 との間に位置する円錐面3a,3bが隣接する他の円錐面3a,3bと接触しな がら回転することになる。
【0025】 これにより、従来のブーツでは、図2(B)に示すように、互いに接触しあっ て折り畳まれる円錐面3a,3bが大径部側に密集し、かつ山部5が大径部側に 押しつけられ、これによってそれぞれの円錐面3a,3bに作用する面圧も極め て大きくなる。 そして、円錐面3a,3bがいわゆる乾燥摩擦状態となり、仮にブーツの蛇腹 部3に潤滑剤等を塗布しておいても、このような乾燥摩擦状態では潤滑剤の境界 層あるいは流体層が形成される余地はない。したがって、蛇腹部3には摩擦熱が 発生すると共に大きな摩擦力が作用するため、この蛇腹部は破損に至る虞があっ た。
【0026】 ところが、本実施例のブーツにおいては、小径部側の円錐面3aの肉厚ta を 大径部側の円錐面3bの肉厚tb より小さく形成しているため、蛇腹部3が揺動 したときに大径部側に密集しようとしても、各山部5が図2(A)に矢印で示す ように、それぞれ小径部側に折れ曲がり易くなり、その結果、大径部側における 互いに接触する円錐面3a,3bの密集度が緩和される。 そのため、この大径部側に密集する円錐面3a,3bに作用する面圧が低下す ることになり、特に蛇腹部3の円錐面3a,3bに潤滑剤等を供給しておくと、 摩擦力や発熱が著しく減少する。これにより、円錐面の耐摩耗性が向上してブー ツの破損を防止することができる。
【0027】 なお、以上説明した実施例は、本考案の理解を容易にするために記載されたも のであって、本考案を限定するために記載されたものではない。したがって、上 記の実施例に開示された各要素は、本考案の技術的範囲に属する全ての設計変更 や均等物をも含む趣旨である。 例えば、本考案のブーツにおいては、その谷部4および山部5の数(すなわち 円錐面3a,3bの数)は図1に示す実施例にのみ限定されることはない。
【0028】
本考案のブーツは、蛇腹部を構成する小径部側の面の肉厚を大径部側の面の肉 厚より小さくしているので、蛇腹部が揺動して収縮し、面が隣接する他の面と接 触しながら回転した場合でも、蛇復部が大径部側に押しつけられるのを緩和する ことができ、面に作用する面圧が低下する。その結果、摩擦力や発熱が減少し、 これにより、接触面の耐摩耗性が向上してブーツの破損を防止することができる 。
【図1】(A)は本考案の一実施例に係るブーツを示す
半断面図、(B)は同実施例の山部を示す拡大断面図で
ある。
半断面図、(B)は同実施例の山部を示す拡大断面図で
ある。
【図2】(A)は同実施例のブーツが折れ曲がった状態
を示す要部断面図、(B)は従来のブーツが折れ曲がっ
た状態を示す要部断面図である。
を示す要部断面図、(B)は従来のブーツが折れ曲がっ
た状態を示す要部断面図である。
【図3】従来の等速ジョイントおよびそれに用いられて
いるゴム製ブーツを示す断面図である。
いるゴム製ブーツを示す断面図である。
【符号の説明】 1…大径部 2…小径部 3…蛇腹部 3a…小径部側の円錐面(小径部側の面) 3b…大径部側の円錐面(大径部側の面) 4…谷部 5…山部 6…止めバンド 10…等速ジョイント 11…外輪 12…内輪 13…ドライブシャフト 14…ボール 15…従来のブーツ 20…係止部 ta …小径部側の円錐面の肉厚 tb …大径部側の円錐面の肉厚
Claims (1)
- 【請求項1】大径部(1)と小径部(2)との間に複数
の面(3a,3b)からなる伸縮および揺動可能な蛇腹
部(3)を有するブーツにおいて、 前記蛇腹部(3)を構成する小径部側の面(3a)の肉
厚(ta )を大径部側の面(3b)の肉厚(tb )より
小さく形成したことを特徴とするブーツ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2894493U JPH0687775U (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | ブーツ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2894493U JPH0687775U (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | ブーツ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0687775U true JPH0687775U (ja) | 1994-12-22 |
Family
ID=12262523
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2894493U Pending JPH0687775U (ja) | 1993-05-31 | 1993-05-31 | ブーツ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0687775U (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003004084A (ja) * | 2001-06-22 | 2003-01-08 | Bridgestone Corp | ダストカバー |
| JP2008267532A (ja) * | 2007-04-23 | 2008-11-06 | Ntn Corp | 等速自在継手用ブーツ |
-
1993
- 1993-05-31 JP JP2894493U patent/JPH0687775U/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003004084A (ja) * | 2001-06-22 | 2003-01-08 | Bridgestone Corp | ダストカバー |
| JP2008267532A (ja) * | 2007-04-23 | 2008-11-06 | Ntn Corp | 等速自在継手用ブーツ |
| WO2008132907A1 (ja) * | 2007-04-23 | 2008-11-06 | Ntn Corporation | 等速自在継手用ブーツ |
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