JPH0687970B2 - リチウム吸着剤及びその製造方法 - Google Patents

リチウム吸着剤及びその製造方法

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JPH0687970B2
JPH0687970B2 JP4215392A JP21539292A JPH0687970B2 JP H0687970 B2 JPH0687970 B2 JP H0687970B2 JP 4215392 A JP4215392 A JP 4215392A JP 21539292 A JP21539292 A JP 21539292A JP H0687970 B2 JPH0687970 B2 JP H0687970B2
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lithium
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旗 馮
健太 大井
良孝 宮井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なリチウム吸着剤
及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくい
えば本発明は、リチウムに対する選択吸着性に優れ、か
つ吸着容量や吸着速度が大きい上、溶液中で極めて安定
であって、毒性の少ない安価なリチウム吸着剤及びこの
ものを効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、リチウム金属及びその化合物は、
多くの分野、例えばセラミックス、電池、冷媒吸着剤、
医薬品などに用いられており、また将来、大容量電池、
アルミニウム合金材料、核融合燃料などとしての利用が
考えられることから、リチウムの需要の著しい増大が見
込まれている(「日本鉱業会誌」第97巻、第221ペ
ージ)。
【0003】前記リチウム金属及びその化合物は、現在
主としてスポジューメン、アンブリコナイト、ベターラ
イト、レピドライトなどのリチウム含有鉱石、及びリチ
ウム濃度の高い塩湖や地下かん水などを原料として製造
されている。
【0004】しかるに、わが国においては、前記のよう
なリチウム鉱石資源が乏しく、リチウム金属やその化合
物は全量輸入に依存しているのが現状である。一方、わ
が国の地熱水や温泉水にはかなりのリチウムを含有する
ものがあり、また周囲をとりまく海洋中にも微量のリチ
ウムが含まれている。したがって、これらのリチウムを
効率よく回収する技術を確立することが強く要望されて
いる。
【0005】ところで、マンガン酸化物は種々の結晶形
態が知られており、天然においては軟マンガン鉱やナス
タイトなどとして存在している。最近リチウムを含有す
るマンガン酸化物から調製されたマンガン化合物が、リ
チウム吸着剤として優れていることが認められ[「化学
と工業」第686ページ(1985年)]、希薄溶液か
らのリチウム採取用吸着剤としての応用が期待されてい
る。
【0006】例えば、LiMn及びLi1.33
Mn1.67を酸処理して得られたマンガン化合物
は、LiMnとほぼ同等のスピネル型構造を有
し、海水中のリチウムの選択吸着性に優れ、そのリチウ
ム平衡吸着量はそれぞれ8.5mg/g及び20mg/
gである。しかしながら、これらの吸着剤は、その調製
工程における酸処理によりマンガンが溶解する欠点があ
って、実用化の障壁となっている。
【0007】リチウムを含む海水、地熱水、地下かん
水、塩湖かん水などの希薄溶液から該リチウムを実用的
に吸着回収するためには、リチウムに対する選択吸着性
に優れ、かつ吸着速度や吸着容量が大きく、その上に希
薄溶液中で安定であって、毒性が少なく、さらに吸脱着
の繰り返し使用が可能であることが要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、その調製工
程における酸処理においてマンガンの溶解量が少ない
上、リチウムに対する選択吸着性に優れ、かつ吸着容量
や吸着速度が大きく、溶液中で極めて安定であって、毒
性の少ない安価なリチウム吸着剤を提供することを目的
としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に、原
料としてスピネル型のLiMnO、Li1.33Mn
1.67及びMgMnOを用い、これら酸処理
することにより、リチウム選択吸着性の優れたマンガン
酸化物が得られることを見出した。しかしながら、これ
らのマンガン酸化物は、その調製工程における酸処理に
おいてマンガンの溶解量が多いという問題があり、必ず
しも十分に満足しうるものではなかった。
【0010】本発明者らは、さらに、原料としてリチウ
ムとマンガン以外に第3成分を含有する複合酸化物につ
いても研究を進めた結果、スピネル型構造を有する特定
の組成の複合酸化物を原料として用い、これを酸処理し
てその中のリチウムとマンガン以外の金属とを溶出させ
ることにより、化学的安定性及びリチウム吸着性能に優
れる吸着剤が得られ、しかも該酸処理時にマンガンの溶
解量が少ないことを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、一般式 LixMyMnzO4 (I) (式中のMはMg、Zn、Cu、Ni又はCo、x、y
及びzは、それぞれ1≦x<1.33、0<y≦0.5
及び1.5≦z≦1.67の関係を満たす数である)で
表わされるスピネル型構造を示す化合物の酸処理物から
成るリチウム吸着剤を提供するものである。
【0012】該リチウム吸着剤は、本発明に従えば、前
記一般式(I)で表わされるスピネル型構造を示す化合
物をpH3以下の酸性溶液で処理し、リチウム及び該一
般式(I)におけるMで示される金属を溶出させること
により、製造することができる。
【0013】本発明において、原料として用いられる一
般式 LixMyMnzO4 (I) (式中のM、x、y、及びzは前記と同じ意味をもつ)
で表わされるスピネル型構造を示す化合物は、例えば炭
酸リチウムと炭酸マンガンとマグネシウム、亜鉛、ニッ
ケル、銅又はコバルトの炭酸塩とを一定の割合で混合し
たのち、通常300℃以上の温度で数時間加熱処理する
ことにより、あるいはリチウムの水酸化物、酸化物、炭
酸水素塩、硝酸塩、ハロゲン化物などとマンガンの水酸
化物、含水酸化物、酸化物、炭酸水素塩、硝酸塩、ハロ
ゲン化物などとマグネシウム、亜鉛、ニッケル、銅又は
コバルトの水酸化物、酸化物、炭酸水素塩、硝酸塩、ハ
ロゲン化物などとを適当に組み合わせて混合したのち、
通常300℃以上の温度で加熱処理することによって製
造することができる。
【0014】このようにして得られた前記一般式(I)
で表わされるスピネル型構造を示す化合物を、塩酸、硫
酸、硝酸、リン酸などの鉱酸や、ギ酸、酢酸などの有機
酸を1種以上含有し、かつpH3以下に調整された酸性
溶液中に浸せきし、通常室温で1時間以上、好ましくは
数日間かきまぜて、リチウムと前記一般式(I)におけ
るMで示される金属とを溶出除去したのち、固形物を水
洗し、好ましくは70℃以下の温度にて乾燥することに
より、所望のマンガン化合物から成るリチウム吸着剤が
得られる。
【0015】このようにして得られたマンガン化合物か
ら成るリチウム吸着剤は、原料である前記一般式(I)
で表わされる化合物と類似したスピネル型構造のX線回
折パターンを示す。該吸着剤と原料の一般式(I)で表
わされる化合物のX線回折特性の相違点は、マンガンの
新規な形態の形成に際して、わずかにピーク位置の変化
及びピーク強度の変化がみられることである。
【0016】本発明における前記酸処理においては、原
料としてLiMn、Li1.33Mn1.67及びM
MnOを用いる場合に比べて、マンガンの溶解性
が極めて低い。
【0017】
【発明の効果】本発明吸着剤は、その調製工程における
酸処理の際にマンガンの溶解量が極めて少なく、化学的
に安定である上、リチウムの吸着に適した微細孔を有し
ており、リチウムに対する選択吸着性に優れ、かつ吸着
速度及び吸着容量が極めて大きい。また、該吸着剤は毒
性がなく、かつ酸性及びアルカリ性溶液中で安定であっ
て、吸着剤中の吸着リチウム濃度はリチウム含有鉱石な
みになり、希薄溶液、例えば海水や地熱水や塩湖かん水
などから、リチウムを効率よく経済的に回収することが
できる。さらに、本発明吸着剤として用いられるマンガ
ン化合物は電池活性電極材料などとして使用することも
できる。
【0018】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0019】実施例1 1M硝酸マグネシウム水溶液100mlと1M硝酸マン
ガン水溶液300mlとの混合液をかきまぜながら、p
H10.5〜pH11.5の範囲になるまで約1M水酸
化リチウム溶液を添加した。生成物をろ別し、水で数回
洗浄した。これに1M水酸化リチウム溶液200mlを
添加し、3時間沸騰させたのち、80℃で一晩乾燥し
た。これを600℃で8時間加熱処理してLiMg0.5
Mn1.5を調製した。この加熱生成物10gを0.
5M硝酸溶液1リットル中に加えて、2日間かきまぜた
のち、生成物をろ別、洗浄し、70℃で乾燥してマンガ
ン化合物を調製した。表1に得られた加熱生成物及びマ
ンガン化合物のX線回折特性を示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例において調製したLiMg0.5Mn
1.5のX線回折特性はASTMカード記載のものと
極めてよく一致した。また、本発明のLiMg0.5Mn
1.5を酸処理して調製したマンガン化合物はLiM
0.5Mn1.5と比較して、わずかながら面間隔が小
さくなっているが、元の構造を維持していることは明ら
かである。表2にこれらのマンガン化合物の化学分析値
を示す。
【0022】
【表2】
【0023】本実施例で調製したLiMg0.5Mn1.5
の化学分析値はほぼ理論的に一致した。本発明のマン
ガン化合物はLiMg0.5Mn1.5よりリチウム及び
マグネシウム含量が著しく少なく、組成の異なる新規な
化合物である。
【0024】実施例2 1M硝酸亜鉛水溶液100mlと1M硝酸マンガン水溶
液300mlとの混合液をかきまぜながら、pH10.
5〜pH11.5の範囲になるまで約1M水酸化リチウ
ム溶液を添加した。生成物をろ別し、水で数回洗浄し
た。これに1M水酸化リチウム溶液200mlを添加
し、3時間沸騰させたのち、80℃で一晩乾燥した。こ
れを400℃で8時間加熱処理してLiZn0.5Mn1.5
を調製した。この加熱生成物10gを2M硝酸溶液
1リットル中に加えて、2日間かきまぜたのち、生成物
をろ別、洗浄し、70℃で乾燥してマンガン化合物を調
製した。表3に得られた加熱生成物及びマンガン化合物
のX線回折特性を示す。
【0025】
【表3】
【0026】実施例において調製したLiZn0.5Mn
1.5のX線回折特性はASTMカード記載のものと
ほぼ一致した。また、本発明のLiZn0.5Mn1.5
を酸処理して調製したマンガン化合物はLiZn0.5
1.5と比較して、わずかながら面間隔が小さくな
っているが、元の構造を維持していることは明らかであ
る。表4にこれらのマンガン化合物の化学分析値を示
す。
【0027】
【表4】
【0028】本実施例で調製したLiZn0.5Mn1.5
の化学分析値はほぼ理論的に一致した。本発明のマン
ガン化合物はLiZn0.5Mn1.5よりリチウム及び
亜鉛含量が著しく少なく、組成の異なる新規な化合物で
ある。
【0029】実施例3 実施例1及び2で加熱処理物を酸処理する際に、マンガ
ンの溶解率について調べた。すなわち、酸処理生成物と
酸処理溶液をろ別し、ろ液中のマンガン濃度を原子吸光
法で定量した。その定量値と加熱処理物の化学分析値か
らマンガンの溶解率を求めた。結果を表5に示す。
【0030】
【表5】 注1) 炭酸リチウムと炭酸マンガンとの混合物(Li
/Mn原子比=0.8)を400℃、4時間加熱処理し
て調製したもの。
【0031】この表から分かるように、実施例1及び2
の加熱処理物は従来のリチウムマンガン酸化物に比べて
酸処理時のマンガン溶解率から5倍以上低く、得られた
吸着剤は化学的に極めて安定であることが分かる。
【0032】実施例4 実施例1及び2において調製したマンガン化合物につい
て海水中におけるリチウム吸着性を調べた。すなわち、
マンガン化合物50mgを海水5リットル(リチウム濃
度0.17ppm)に加え、7日間かきまぜた。吸着前
後の海水中のリチウム濃度を原子吸光法で定量し、リチ
ウム吸着量を求めた。結果を表6に示す。
【0033】
【表6】
【0034】この結果から、本発明のマンガン化合物は
海水中のリチウムを約4万倍に濃縮しており、リチウム
吸着性が優れていることは明らかである。
【0035】実施例5 実施例1及び2において調製したマンガン化合物につい
て塩湖かん水中におけるリチウム吸着性を調べた。すな
わち、マンガン化合物100mgを塩湖かん水20ml
(リチウム濃度200ppm)に加え、1日間かきまぜ
た。吸着前後の海水中のリチウム濃度を原子吸光法で定
量し、リチウム吸着量を求めた。結果を表7に示す。
【0036】
【表7】
【0037】この結果から、本発明のマンガン化合物は
塩湖かん水中のリチウムに対し、高い吸着性を示し、優
れたリチウム吸着剤であることは明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 加納 博文 香川県高松市花ノ宮町二丁目3番3号 工 業技術院四国工業技術試験所内 (56)参考文献 特開 昭62−83035(JP,A) 特公 平3−57814(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 LixMyMnzO4 (式中のMはMg、Zn、Cu、Ni又はCo、x、y
    及びzは、それぞれ1≦x<1.33、0<y≦0.5
    及び1.5≦z≦1.67の関係を満たす数である)で
    表わされるスピネル型構造を示す化合物の酸処理物から
    成るリチウム吸着剤。
  2. 【請求項2】 一般式 LixMyMnzO4 (式中のMはMg、Zn、Cu、Ni又はCo、x、y
    及びzは、それぞれ1≦x<1.33、0<y≦0.5
    及び1.5≦z≦1.67の関係を満たす数である)で
    表わされるスピネル型構造を示す化合物をpH3以下の
    酸性溶液で処理し、リチウム及び該一般式におけるMで
    示される金属を溶出させることを特徴とするリチウム吸
    着剤の製造方法。
JP4215392A 1992-07-21 1992-07-21 リチウム吸着剤及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0687970B2 (ja)

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US12090464B2 (en) 2018-04-20 2024-09-17 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Method for producing precursor of lithium adsorbent

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