JPH068826U - 調圧弁装置 - Google Patents

調圧弁装置

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JPH068826U
JPH068826U JP5452292U JP5452292U JPH068826U JP H068826 U JPH068826 U JP H068826U JP 5452292 U JP5452292 U JP 5452292U JP 5452292 U JP5452292 U JP 5452292U JP H068826 U JPH068826 U JP H068826U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御絞りの絞り面積の変更によらずにライン
圧の増加特性を変更でき、油圧多板クラッチ側での要求
に沿った増加特性を確実に得ることができるようにし、
また油中の異物の影響による動作不良の発生を防止す
る。 【構成】 ライン圧を受圧して移動しリリーフ動作をな
す排圧スプール10と、その一側の油室16に制御絞り5を
介して導入されるライン圧を受圧し、第2ばね12の付勢
に抗して移動する制御スプール13との間に、夫々を離反
する向きに付勢する第1ばね11を介装し、制御スプール
13の移動に伴う第1ばね11の縮短により排圧スプール10
の移動を抑制して、駆動源と速度2乗比例トルク負荷と
を係断する油圧多板クラッチに送給される前記ライン圧
を調圧する調圧弁装置1を構成する。油室16の一側にア
キュムレータ7を並設し、制御絞り5を経て油室16に導
入されるライン圧を受圧して生じる制御スプール13の移
動を、アキュムレータ7の蓄圧動作により緩和する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば、舶用機関の発生動力を推進用スクリューに伝達する伝動系 に配された油圧多板クラッチ等、速度2乗比例トルク負荷への駆動力の係断動作 をなす油圧多板クラッチの動作油圧を発生する油圧回路において、ライン圧を調 圧すべく用いられる調圧弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
舶用機関の発生動力を推進用スクリューに伝達する船舶の伝動系においては、 この伝動の係断手段として、係合及び遮断が滑らかに行われる油圧多板クラッチ が一般的に用いられている。ところが、前記スクリューは回転速度の2乗に比例 するトルクを要する負荷(速度2乗比例トルク負荷)であることから、前記伝動 系において用いる油圧多板クラッチにおいては、減速機等の負荷側の伝動装置に おける係合ショックの発生及びこれに伴う損傷を防止すべく、係合操作がなされ てから定常の伝達トルクに達するまでの間、負荷側の加速度が一定に保たれるよ うな係合特性、換言すれば、負荷側の回転速度が時間と共に比例的に増大するよ うな係合特性を有することが要求されている。
【0003】 この要求は、前記油圧多板クラッチの動作油圧を発生する油圧回路において、 動作油圧の送給開始時点からの経過時間の2乗に比例して増大するライン圧の増 加特性を得ることにより達成される。このことに着目し本願出願人は、前述した ライン圧の増加特性を実現する調圧弁装置を、特開平3−168420号に提案 している。図3は、この調圧弁装置及びこれを用いて構成された油圧回路の模式 図である。
【0004】 図示の如く調圧弁装置1は、スプール室17の内部に同軸的に配された排圧スプ ール10と制御スプール13とを備え、これらのスプール10,13間に両者を離反する 向きに付勢する第1ばね11を介在させ、またスプール室17内周の段部と制御スプ ール13との間に、第1ばね11と同向きの付勢を行う第2ばね12を介在させた構成 となっており、油圧ポンプ4からクローズドセンター形の操作弁2を経て油圧多 板クラッチに連なる油圧回路のライン圧は、スプール室17の一側の油室14に導圧 孔15を経て導入され、排圧スプール10の一面に直接作用する一方、スプール室17 の他側の油室16に制御絞り5及び遅延弁3を経て導入され、制御スプール13の一 面に作用するようになしてある。
【0005】 油圧多板クラッチへのライン圧の送給,非送給の切換えは、切換レバ21の操作 により操作弁2のスプール20を移動させて行われる。一方遅延弁3は、コイルば ね31のばね力によるスプール30の付勢により、通常は図示の切換え位置、即ち、 調圧弁装置1の制御スプール13の一側の油室16にライン圧を導入する切換え位置 を保っている。操作弁2のスプール20と遅延弁3のスプール30とは、図示の如く 関連させてあり、操作弁2の切換え操作が行われた場合、これに伴うスプール20 の移動によりスプール30が押圧される結果、遅延弁3の切換え位置は一時的に他 方に切り換わり、その後、コイルばね31のばね力により図示の切換え位置に復帰 するようになっている。
【0006】 また、遅延弁3のスプール30には、操作弁2に至る送給ラインの中途に配した 絞り34前後の圧力差が、前記コイルばね31の付勢方向と逆向きに作用するように なしてあり、前述した切換え操作の後、送給ラインを経て油圧多板クラッチのピ ストンに送給される油の流れが生じており、前記圧力差が存在している間、換言 すれば、前記ピストンの変位により油圧多板クラッチの摩擦板が実際に係合を開 始するまでの間には、スプール30の復帰動作が生じないようになしてある。
【0007】 以上の如き構成の油圧回路においては、操作弁2が図示のニュートラル位置に ある場合、該操作弁2がクローズドセンター形であることから所定のライン圧が 生じており、調圧弁装置1の排圧スプール10及び制御スプール13は、前記ライン 圧の受圧により夫々図示の位置にある。そして、油圧多板クラッチを正転又は逆 転動作させるべく操作弁2の切換え操作が行われた場合、この操作に伴う遅延弁 3の切換え位置の変化により油室16の内圧が一旦失われ、制御スプール13は、第 2ばね12の付勢によりスプール室17の左端にまで移動し、またこの移動に伴う第 1ばね11の伸長により、該ばね11の付勢力が減じられる結果、ライン圧を低圧源 に排圧するリリーフ動作が行われ、操作弁2を経て油圧多板クラッチに送給され るライン圧は低圧状態に保たれる。
【0008】 その後、遅延弁3の前述した復帰と共に油室16へのライン圧の供給が再開され るが、この供給は制御絞り5を経て行われるため、油室16の内圧を受圧する制御 スプール13は除々に右方に移動し、この移動に伴う第1ばね11の縮短により排圧 スプール10への付勢力が高まる結果、操作弁2を経て油圧多板クラッチに送給さ れるライン圧は除々に増大する。以上の如き動作の間、油圧多板クラッチへの潤 滑油の供給は、操作弁2の上流側にて分岐された油路により絞り6を経て安定し て行われている。
【0009】 前記特開平3−168420号公報には、送給開始時点からの経過時間の2乗 に比例して増大するライン圧の増加特性、即ち、ライン圧P=α+βt2 なる特 性は、リリーフ動作が生じるまでの排圧スプール10の移動距離をa、第2ばね12 の与圧縮長さをbとし、また制御絞り5の流量係数をc、同じく絞り面積をs0 とし、更に油の比重をρとするとき、第1ばね11及び第2ばね12夫々のばね定数 k1 及びk2 と、排圧スプール10及び制御スプール13夫々の受圧面積s及びSと を、前記α及びβを含む次式の関係を満足するように設定することにより実現し 得ることが示されている。
【0010】
【数1】
【0011】 図4は、以上の各式の関係を満たす調圧弁装置1を備えた前述の油圧回路にお いて得られるライン圧の増加特性を示すグラフである。調圧弁装置1及び遅延弁 3の前述した動作により、ライン圧Pは、操作弁2の係合側への切換え操作がな された直後においては低圧(=α)に保たれ、所定の遅延時間t0 の経過後に増 加を始め、以後は、所定の増加率(=β)にて経過時間tの2乗に比例して増加 し、所定時間tE の経過後に定常ライン圧P0 に達して安定化する。このような 増加特性は、駆動源と速度2乗比例負荷とを係断する油圧多板クラッチにおいて 好ましいことは前述した如くである。
【0012】 また、遅延弁3の動作により得られる前記遅延時間t0 により、油圧多板クラ ッチにおける実際の係合の開始と共にライン圧の増加が始まることから、油圧多 板クラッチのサイズ、摩擦板相互間の初期隙間の大小、定常回転数の高低及び油 温の高低等、油圧多板クラッチ側での条件の如何に拘わらず適正な係合特性が得 られることになる。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】 ところが、以上の如き調圧弁装置1においては、第1ばね11及び第2ばね12夫 々のばね定数k1 及びk2 と、排圧スプール10及び制御スプール13夫々の受圧面 積s及びSとは、主として (3)式を満たすべく決定されており、その後の変更が 困難である一方、これらの各値を含む (2)式により定まるライン圧Pの増加率β は、負荷側の要求に合わせて種々に変更することが要求され、この変更要求に応 えるには、 (2)式中のK0 を変更すべく、高精度での加工を要する制御絞り5の 絞り面積s0 を種々に変更することが必要となる難点があった。
【0014】 また、特に、ライン圧の緩やかな増加が要求される場合には、前記制御絞り5 の絞り面積s0 を可及的に0に近づけることが必要とされ、極小径の絞り孔の加 工に多大の工数を要する。また、制御スプール13のわずかな加工誤差に伴って生 じる外周からの漏れにより所望の特性が得られなくなる難点があり、特に、前記 漏れ量が制御絞り5からの流入量に等しくなった場合には作動停止に至る。更に は、油中のわずかな異物により制御絞り5の絞り孔に詰まりが生じ、作動不良に 陥る虞もある。従って、制御絞り5の絞り面積s0 を小さくすることには限度が ある。
【0015】 本考案は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、制御絞りの絞り面積の変更 によらずに特性の変更が可能であり、また緩やかな増加率での増加特性を確実に 得ることができ、更に、油中の異物の影響による動作不良の発生の虞もない調圧 弁装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る調圧弁装置は、油圧回路のライン圧を受圧して移動し、リリーフ 動作をなす排圧スプールと、その一側の油室に制御絞りを介して導入される前記 ライン圧を受圧し、第2ばねの付勢に抗して移動する制御スプールとの間に、夫 々の移動を制限する向きに付勢する第1ばねを介装してなり、前記制御スプール の移動に伴う第1ばねの縮短により前記排圧スプールへの付勢力を抑制し、駆動 源と速度2乗比例トルク負荷とを係断する油圧多板クラッチに送給される前記ラ イン圧を調圧する調圧弁装置において、前記油室に並設されて、該油室への導入 流量を分流して蓄圧するアキュムレータを具備することを特徴とする。
【0017】
【作用】
本考案においては、制御スプールの一側の油室に、制御絞りを経てライン圧が 導入されると同時に、この導入圧が前記油室に並設されたアキュムレータにも導 入され、該アキュムレータの蓄圧分流作用により制御スプールへの付勢力が緩和 される結果、ライン圧の増加率が、制御絞りの絞り面積と共にアキュムレータの 容量によっても支配され、制御絞りの絞り面積を変更することなく、アキュムレ ータ側での設計変更による特性変更が可能であり、また大なる絞り面積を有する 制御絞りの採用により、油中の異物の影響による動作不良の発生が回避される。
【0018】
【実施例】
以下本考案をその実施例を示す図面に基づいて詳述する。図1は本考案に係る 調圧弁装置を用い、油圧多板クラッチの動作油圧を発生すべく構成された油圧回 路の模式図である。
【0019】 この油圧回路は、ライン圧を調圧するための本考案に係る調圧弁装置1、図示 しない油圧多板クラッチへの動作油圧の送給,非送給の切換えを行うための操作 弁2、該操作弁2の切換え動作に後述の如く応動する遅延弁3、及び油圧発生源 たる油圧ポンプ4を備えてなる。図2は、調圧弁装置1、操作弁2及び遅延弁3 を共通のハウジング内に一体的に構成してある弁装置の断面図を示すが、これら を別個に構成してもよいことは言うまでもない。
【0020】 本考案に係る調圧弁装置1は、共通のスプール室17の内部に同軸上での摺動自 在に配された排圧スプール10と制御スプール13とを備え、これらの対向面間に、 両者を離反する向きに付勢する第1ばね11を介装する一方、前記制御スプール13 を、スプール室17内周の段部との間に介装した第2ばね12により、第1ばね11と 同向きに付勢してなる。
【0021】 排圧スプール10の長手方向の略中央に周設された環状溝は、スプール室17の内 部において油圧ポンプ4の吐出側に常時連通され、ライン圧が直接的に導入され るようになしてあり、この導入油圧は、排圧スプール10に穿設された導圧孔15を 経てスプール室17一側の油室14に導かれている。而して排圧スプール10は、油室 14に導入されるライン圧を面積sなるその一面に受圧し、第1ばね11の付勢に抗 して移動することになり、図1に示す所定距離aだけ移動したとき、前記環状溝 を介してライン圧を排圧するリリーフ動作をなし、後述の如く油圧多板クラッチ に送給されるライン圧は、排圧スプール10のリリーフ動作が生じる際の圧力を上 限として調圧される。
【0022】 一方、制御スプール13の面積Sなる受圧面は、スプール室17他側の油室16に臨 ませてあり、この油室16は、制御絞り5及び遅延弁3を介して油圧ポンプ4の吐 出側に連通されている。而して、制御スプール13は、制御絞り5を経て油室16に 導入されるライン圧を受圧し、第1ばね11及び第2ばね12の付勢に抗して図の右 方向に移動するが、この移動に応じて第1ばね11が縮短する結果、該ばね11によ る排圧スプール10の付勢力は、制御スプール13の移動に伴って強化される。即ち 、排圧スプール10への付勢力が制御スプール13の移動により抑制されることにな り、該排圧スプール10のリリーフ動作により調圧されるライン圧は、制御スプー ル13が移動範囲の左端にあるとき最低となり、右向きへの移動に伴って増大する 。なお制御スプール13を付勢する第2ばね12には、組立ての段階において所定の 与圧縮量bが与えられている。
【0023】 以上の構成は、図3に示す従来の調圧弁装置1と同様であるが、本考案に係る 調圧弁装置1は、更に加えて、前記油室16への導入油を分流して蓄圧するアキュ ムレータ7を備えている。このアキュムレータ7は、図2に示す如く、スプール 室17の一側に並設したシリンダ室18の内部に軸長方向への摺動自在に受圧ピスト ン70を嵌挿し、これをシリンダ室18に内蔵された緩衝ばね71により付勢して、受 圧ピストン70の他側に形成された油室72の内圧を、緩衝ばね71の縮短エネルギと して蓄圧するばね式のアキュムレータである。アキュムレータ7の油室72は、調 圧弁装置1の油室16に連通されており、該油室16への導入油圧が並行して導入さ れるようになっている。
【0024】 さて、前述の如く調圧されるライン圧は、操作弁2を介して図示しない油圧多 板クラッチに送給されている。操作弁2は、図示の切換え位置(ニュートラル位 置)にあるときライン圧がブロックされるクローズドセンター形の弁であり、図 1の下位置又は上位置への切換えにより、油圧多板クラッチの正転又は逆転用の 作動シリンダに連なる給油ポートC1 又はC2 にライン圧が与えられるようにな っている。この切換えは、例えば、切換レバ21の手動操作によりスプール20を移 動させて行われる。
【0025】 一方、調圧弁装置1の前記油室16へのライン圧の導入、遮断の切換え動作をな す前記遅延弁3は、コイルばね31により付勢されたスプール30を有し、通常は図 示の切換え位置、即ち前記油室16にライン圧を導入する切換え位置(導入位置) を保っている。操作弁2のスプール20と遅延弁3のスプール30とは、図1に示す 如く関連させてあり、操作弁2の切換え操作が行われた場合、これに伴うスプー ル20の移動によりスプール30が押圧される結果、遅延弁3の切換え位置は一時的 に他方(遮断位置)に切り換わり、その後、コイルばね31のばね力により図示の 切換え位置に復帰するようになしてある。
【0026】 遅延弁3のスプール30にはまた、油圧ポンプ4から操作弁2を経て油圧多板ク ラッチに至る送給ラインの中途に配した絞り34の前後に生じる圧力差が、前記コ イルばね31による付勢方向とは逆向きに作用させてあり、操作弁2の切換え操作 後におけるスプール30の復帰動作は、前記圧力差によるスプール30への付与力が コイルばね31のばね力を上回っている間は生じないようになしてある。
【0027】 操作弁2及び遅延弁3の実際の構成、並びに制御絞り5及び絞り34の配置は、 例えば、図2に示す如くである。操作弁2のスプール20は、軸心回りの回転によ り前述した切換え動作をなす回転スプールであり、外周面に各切換え位置に対応 する凹所が形成されている。一方、遅延弁3のスプール30は、中途部に油路切換 え用の環状溝 30a,30bを備え、軸長方向への移動により前述した切換え動作をな す往復動スプールであり、該スプール30の基端は、先端側を付勢するコイルばね 31のばね力により係合ボール32を介してスプール20に押付けられている。
【0028】 而して、操作弁2のスプール20がいずれかの切換え位置にある場合、該スプー ル20外周の凹所と前記係合ボール32とが係合し、遅延弁3のスプール30は図示の 位置にあり、制御スプール13の一側に形成された油室16は、環状溝 30aを介して 制御絞り5を備えた油路に連通され、該制御絞り5を介してライン圧Pが導入さ れる。一方、操作弁2の切換え操作が行われている間には、前記スプール20の外 周に係合ボール32が転接するようになる結果、遅延弁3のスプール30は、コイル ばね31の付勢に抗して図示の位置よりも左方に移動し、制御絞り5を備えた油路 の開口端が環状溝 30a,30b間のランドにより閉塞され、油室16へのライン圧Pの 導入が断たれ、前記油室16は環状溝 30bを介して低圧源に連通されるようになり 、更に、前記切換えのためのスプール20の回転が終了した時点においては、再度 生じる前記係合によりスプール30が左位置に復帰し、油室16へのライン圧Pの導 入が再開される。
【0029】 スプール30の先端には、ピストン板35が連設されている。該ピストン板35の両 側の油室は、油圧ポンプ4の吐出側から操作弁2に至る間に、コイルばね31によ る付勢側を下流側として組み込まれており、前記絞り34は、図示の如く、ピスト ン板35を表裏に貫通する貫通孔として構成されている。これにより絞り34の前後 には、油圧ポンプ4から操作弁2に向かう油の流れ、換言すれば、油圧多板クラ ッチへの送給油の流れの多少に応じて高低となる圧力差が発生することになり、 この圧力差が、スプール30先端のピストン板35に、コイルばね31による付勢方向 と逆向き(図における左向き)の押圧力を加え、該スプール30の前述した復帰を 遅延させる作用をなす。
【0030】 さて、以上の如き調圧弁装置1を備えた油圧回路において、操作弁2がニュー トラル位置にある場合、該操作弁2がクローズドセンター形であることから所定 のライン圧が生じており、このライン圧の受圧により調圧弁装置1の排圧スプー ル10及び制御スプール13は、夫々図1に示す位置にある。
【0031】 その後、油圧多板クラッチを正転又は逆転動作させるべく操作弁2の切換え操 作が行われた場合、この操作に伴う遅延弁3の切換え位置の変化により油室16の 内圧が一旦失われ、制御スプール13が第2ばね12の付勢により弁室17の左端にま で移動し、この移動に伴う第1ばね11の伸長により該ばね11の付勢力が減じられ る結果、排圧スプール10が左方に移動し、ライン圧を低圧源に排圧するリリーフ 動作が行われ、操作弁2を経て油圧多板クラッチに送給されるライン圧は低圧状 態に保たれる。
【0032】 油圧の送給先である油圧多板クラッチの摩擦板は、相互間に所定の初期隙間を 有しており、操作弁2の切換え操作によりライン圧の送給が開始された後、摩擦 板同士の係合により動力伝達が可能となるまでの間には、前記初期隙間に相当す る距離だけ摩擦板を移動させるための油圧ピストンの変位が必要であり、この移 動の間には、油圧ポンプ4から操作弁2を経て油圧多板クラッチへ至る給油路に は作動油の流れが存在している。
【0033】 一方、遅延弁3のスプール30の復帰動作は、前述した如く、前記絞り34の前後 に生じる圧力差による力がコイルばね31の付勢力を上回っている間には生じず、 前記圧力差は、絞り34を経てピストン板35の一側から他側に向かう油流、即ち、 前記給油路内部における送給油の流量の多少に応じて大小となる。従って、調圧 弁装置1の油室16へのライン圧の供給は、操作弁2の切換え操作がなされた後、 前記給油路を経て油圧多板クラッチに送給される送給油の流速が所定値以下とな った時点において、換言すれば、操作弁2を経て送給される作動油により油圧多 板クラッチにおける摩擦板の初期隙間が解消され、係合が始まる時点において開 始されることになる。
【0034】 このように遅延弁3は、調圧弁装置1の後述する動作の開始タイミングを、伝 動容量、前記初期隙間の大小、内部油温の高低等、ライン圧の送給先である油圧 多板クラッチ側での各種条件に応じて自動変更せしめる作用をなすから、本考案 に係る調圧弁装置1は、種々の油圧多板クラッチのみならず、作動油の送給から 動作開始までの間にタイムラグが存在する各種の負荷に対して構成の変更を必要 とせずに適用できる。
【0035】 さて以上の如き遅延弁3の復帰動作終了後、調圧弁装置1の油室16へのライン 圧の供給が再開され、該油室16の内圧を受圧する前記制御スプール13が右方に移 動し、この移動に伴う第1ばね11の縮短により排圧スプール10への付勢力が高ま る結果、該スプール10のリリーフ動作により制限されるライン圧は、図4に示す 如く経過時間の2乗に比例して増加し、定常ライン圧P0 に達して安定化する。 なおこのようなライン圧の増加特性は、前記(1),(2),(3)式を満たす ように調圧弁装置1各部の寸法を設定することにより得られる。
【0036】 ところが、本考案に係る調圧弁装置1においては、前記油室16へのライン圧の 供給に並行してアキュムレータ7の油室72にもライン圧が供給され、該アキュム レータ7に前述した蓄圧動作が生じる。即ち、制御絞り5を通過して油室16に導 入される油の全量が直ちに制御スプール13の移動に供されるのではなく、導入油 の一部はアキュムレータ7に同時並行的に吸収され、この吸収により制御スプー ル13の移動速度が減じられる。このことは、前記(2)式における定数K0 が、 制御絞り5の絞り面積s0 のみの関数ではなく、前記アキュムレータ7の蓄圧容 量に関連する各部の寸法、例えば、受圧ピストン70の受圧面積、並びに、緩衝ば ね71のばね定数及び与圧縮量等の関数であることを示しており、これらの変更に より制御絞り5の絞り面積s0 を変更することなく特性の変更が可能となる。
【0037】 また、アキュムレータ7の大容量化によりライン圧の増加率βを小さくできる ことから、制御絞り5に過剰な小面積化を強いることがなく、更には、緩衝ばね 71の与圧縮量を外部から変更可能に構成することにより、制御絞り5の加工誤差 に起因して生じる前記増加率βの誤差を補正でき、送給先となる油圧多板クラッ チでの要求に正しく合致したライン圧の増加特性が得られる。
【0038】 このことは、定常ライン圧P0 の送給により油圧多板クラッチの伝達トルクが 定常トルクに達するまでの間、負荷側の伝動系にショックが生じないことを示し ており、疲労破壊による伝動系の損傷を防止でき、耐用年数が大幅に増すことに なる。また油圧多板クラッチにおいても、単位時間,単位面積当たりの摩擦仕事 が定量化し易くなり、潤滑,冷却油量の決定、並びに摩擦板のサイズ及び材質の 選定等が容易になる。
【0039】
【考案の効果】
以上詳述した如く本考案に係る調圧弁装置においては、制御絞りを経てライン 圧が導入される制御スプールの一側の油室にアキュムレータを並設し、該アキュ ムレータの蓄圧動作により、ライン圧の導入により生じる制御スプールの移動を 緩和したから、油圧多板クラッチに送給されるライン圧の増加特性を、制御絞り の絞り面積の変更によらずにアキュムレータ側での調節によっても変更でき、制 御絞りの絞り面積を過度に小さくすることなく緩やかな増加率が得られ、油圧多 板クラッチ側での要求に確実に応え得ると共に、油中の異物の影響による動作不 良の発生の虞もない等、本考案は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る調圧弁装置を用いて油圧多板クラ
ッチの動作油圧を発生すべく構成した油圧回路の模式図
である。
【図2】本考案に係る調圧弁装置を遅延弁及び操作弁と
一体的に構成してなる弁装置の縦断面図である。
【図3】従来の調圧弁装置を用いて油圧多板クラッチの
動作油圧を発生すべく構成した油圧回路の模式図であ
る。
【図4】油圧多板クラッチへの送給油圧の望ましい変化
態様を示すグラフである。
【符号の説明】
1 調圧弁装置 2 操作弁 3 遅延弁 5 制御絞り 7 アキュムレータ 10 排圧スプール 11 第1ばね 12 第2ばね 13 制御スプール 16 油室 30 スプール 34 絞り 70 受圧ピストン 71 緩衝ばね 72 油室

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧回路のライン圧を受圧して移動し、
    リリーフ動作をなす排圧スプールと、その一側の油室に
    制御絞りを介して導入される前記ライン圧を受圧し、第
    2ばねの付勢に抗して移動する制御スプールとの間に、
    夫々の移動を制限する向きに付勢する第1ばねを介装し
    てなり、前記制御スプールの移動に伴う第1ばねの縮短
    により前記排圧スプールへの付勢力を抑制し、駆動源と
    速度2乗比例トルク負荷とを係断する油圧多板クラッチ
    に送給される前記ライン圧を調圧する調圧弁装置におい
    て、前記油室に並設されて、該油室への導入流量を分流
    して蓄圧するアキュムレータを具備することを特徴とす
    る調圧弁装置。
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