JPH0689438B2 - 高い磁化速度において高い飽和磁気誘導および卓越した軟強磁性を備えた鉄に富む金属ガラス - Google Patents

高い磁化速度において高い飽和磁気誘導および卓越した軟強磁性を備えた鉄に富む金属ガラス

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JPH0689438B2
JPH0689438B2 JP2510372A JP51037290A JPH0689438B2 JP H0689438 B2 JPH0689438 B2 JP H0689438B2 JP 2510372 A JP2510372 A JP 2510372A JP 51037290 A JP51037290 A JP 51037290A JP H0689438 B2 JPH0689438 B2 JP H0689438B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、高い磁化速度下において特に卓越した軟強磁
性(soft ferromagnetic properties)を示す、高い飽
和磁気誘導を備えた、鉄に富む金属ガラス状合金に関す
るものである。
2.先行技術の説明 金属ガラス状合金(金属ガラス)は長距離秩序の無い準
安定材料である。それらは当技術分野で慣用される加工
法により溶融物から急速焼入れにより製造するのが好都
合である。この種の金属ガラスおよびそれらの製法の例
は米国特許第3,856,513、4,067,732および4,142,571号
明細書に示されている。これらの明細書に示される金属
ガラスの有利な軟磁性は、それらを配電変圧器、スイッ
チモード電源、テープ記録ヘッドなどにおける各種磁心
の材料として広く用いるのに利用されてきた。
軟磁心について現在関心が高まっている特定の用途は総
称的にパルス電力用と呼ばれる。これらの用途において
は、捕捉時間の長い、低い平均入力が、短い伝達時間で
送られる高いピーク電力をもつ出力に変換される。この
ように高い電力パルスの電気エネルギーを生成する際に
は、最高100T/μs(または100MT/s)に及ぶ極めて急速
な磁化反転が磁心材料に生じる。パルス電力用途の例に
は、磁気パルスコンプレッション用およびターンオン期
間中の回路素子保護用の可飽和リアクトル、ならびにリ
ニア誘導粒子加速器におけるパルス変成器が含まれる。
金属ガラスは、それらの抵抗率が高く、薄いリボン形状
であり、このため急速な磁化反転下での損失が少ないの
で、パルス電力用として極めて好適である。(たとえば
下記を参照されたい:(i)“高エネルギーパルス電力
システムにおける金属ガラス",スミス(C.H.Smith),G
lass...Current Issues,ライトおよびデュパイ(A.F.W
right,J.Dupuy)編,(NATO ASI Series E,No.92,マー
チナス・ニジョフ出版社,オランダ,ドルドゥレヒト,1
985)p.188−199。)さらに金属ガラスはそれらの非晶
性のため磁気結晶異方性をもたず、従って急速磁化速度
下で、その材料の飽和磁気誘導の2倍の理論最大値に近
い値を伴う、極めて大きな時速揺れ(flux swing)を付
与する焼きなましを行うことができる。これらの金属ガ
ラス材料の有利な観点により、それらを各種のパルス電
力用途における磁心材料として用いることができる:リ
ニア誘導粒子加速器用の高電力パルス電源に、エネルギ
ーをパルス電源からこれら加速器のビームへカップリン
グするための誘導モジュールとして、発電機の磁気スイ
ッチとして、慣性閉じ込め融合の研究に、およびエキシ
マーレーザーを駆動するための磁気変調器に。
一般的なパルス電力用途においては、磁心材料を最初に
適宜な外部磁界の付与により特定の磁性状態に“パーク
させる”、またはバイアスをかける。たとえば大きな負
の直流電界を付与することにより磁心材料を負の飽和状
態にする。(磁心材料がこの付与に際して飽和状態にさ
れる方向を正の方向と呼ぶ。)次いでこの電界を取り除
くと磁心材料は負の残留磁気下に置かれる。前者の処理
により磁心材料の飽和磁気誘導の2倍の最大磁束揺れを
付与することができるが、パルスリセットとして知られ
る後者の処理が便宜上最も一般的に採用される。その場
合、最大磁束揺れは残留磁気と飽和磁気誘導の和であ
る。以下、特に指示しない限りここで用いる“最大磁束
揺れ”という語は、残留磁気と飽和磁気誘導の和により
定められる値を意味する。金属ガラスは容易に焼なまし
して飽和磁気誘導、Bs、に極めて近似するBr値、残留磁
気誘導、を得ることができる。次いでその用途において
コンプレスまたは変成すべき入力が磁心材料に付与され
る。
大部分のパルス電力用途は磁心材料に高い飽和磁気誘導
を必要とし、このために磁心に大きな磁束揺れが生じ
る。磁心材料は、好ましくは低い誘導磁気異方性エネル
ギーを備えている必要もある。低い誘導磁気異方性エネ
ルギーは最適な強磁性磁区構造を確立することによって
コアーロスを低下させ、従って磁心をより高い効率で操
作しうる。アライド・シグナル社から得られるメトグラ
ス(METGLAS、登録商標)2605CO(公称組成:Fe66Co18B
15Si1)は前記のパルス電力用途の多くに現在用いられ
ている高磁気誘導の金属ガラス状合金である。この金属
ガラスは米国特許第4,321,090号明細書に教示されてお
り、そこには高い飽和磁気誘導をもつ金属ガラスが示さ
れる。焼なましした状態でのこのガラス状合金の飽和磁
気誘導は約1.75Tである。しかしこの合金の高いコバル
ト含量によって磁気異方性エネルギーに関して高い値が
生じ、従って高いコアーロスが生じる。この合金の磁気
異方性エネルギーに関する約900J/m3の値は、金属ガラ
スにおいて得られる最も高いものに含まれる。その高い
磁気誘導にもかかわらず、この合金からはわずか約3.2T
の最大磁束揺れが得られる。さらに、この合金の高いCo
含量によって原料費が高くなる。このパルス電力用途に
用いられる磁心が磁心当たり100kgに及ぶ磁心材料を含
有すること考慮すると、またCoが戦略物質として分類さ
れていることを考慮すると、実質的に低下した水準のCo
を含有する、より経済的な合金が極めて望ましい。
コバルト不含の金属ガラス状合金は、アライド・シグナ
ル社から得られるメトグラス(登録商標)2605SC(公称
組成:Fe81B13.5Si3.5C2)である。この合金は米国特許
第4,219,355号明細書に示されている。この合金の低い
磁気異方性エネルギー(約100J/m3)は、ある種のパル
ス電力用途に利用されている。しかしこの合金から得ら
れる低い飽和磁気誘導(約1.57T)、およびこれに応じ
て低い最大磁束揺れ(約2.9T)は、この合金をパルス電
力用途に広く用いるのを妨げている。
高い磁気誘導(大きな磁束揺れ)および低い磁気異方性
エネルギーの組み合わせをもたらす金属ガラス状合金
は、パルス電力用途にとって極めて望ましいであろう。
このような合金が製造原価において経済性をもたらすな
らば、さらに利点が得られるであろう。
発明の要約 本発明は、少なくとも80%がガラス状であり、高い飽和
磁気誘導および低い磁気異方性エネルギーの組み合わせ
特色とする、鉄に富む磁性合金を提供する。一般に本発
明の金属ガラス状合金は、式FeaCobBcSidCeにより記載
される組成をもつ。式中のa−eは原子%であり、aは
72−84であり、bは2−8であり、cは11−16であり、
dは1−4であり、eは0.5−4である。又本発明の他
の金属ガラス状合金は、式FeaCobMnfBcSidCeにより記載
される組織をもつ。式中のa−fは原子%であり、a−
eは上記と同じであり、fは1以下である。上記の金属
ガラスは適切に焼なましすると、さらに負の残留磁気か
ら正の飽和への直流揺れに関して大きな値を示す。その
結果本発明の合金において飽和磁気誘導は1.55−1.75T
であり、磁気異方性エネルギー300−400J/m3であり、上
記の直流揺れは一般に2.9−3.2Tである。
本発明の金属ガラスは、高い磁化速度を要求するパルス
電力用途のための大型磁心に用いるのに特に適してい
る。この種の用途の代表例は、リニア誘導粒子加速器用
の高電力パルス電源、エネルギーをパルス電源からこれ
ら加速器のビームへカップリングするための誘導モジュ
ール、慣性閉じ込め融合の研究における発電機の磁気ス
イッチ、およびエキシマーレーザーを駆動するための磁
気変調器である。他の用途にはエアボーン変成器(airb
orne transformer)、変流器、漏電遮断器、スイッチモ
ード電源などの磁心が含まれる。
図面の簡単な説明 本発明は、以下の本発明の好ましい形態の詳細な説明お
よび添付の図面を参照することによってより完全に理解
され、他の利点も明らかになるであろう。
第1図は、強磁性材料に極めて高い磁化速度を付与した
際に得られる動的磁化曲線の模式図であり、図中のHaは
付与された磁界であり、△Bは磁気誘導の全変化であ
る; 第2図は、本発明の好ましい金属ガラスに関するコアー
ロスを磁化速度、(dB/dt)、の関数として対数−対数
目盛り上にプロットしたものであり、リボン表面の被膜
により得られる磁心に対する有益な効果を表す; 第3図は同様なプロットにおいて、本発明の好ましい金
属ガラスにより得られるロスを、現在パルス電力用途の
磁心に商業的に用いられている2種の先行技術金属ガラ
スにより得られるロスと比較したものであり、この図の
データはすべて被覆および焼なまししたリボンから得ら
れた; 第4図は同様なプロットにおいて、第3図と同じ合金に
関して、平均磁界、H(ave.)、に関する数値を磁化速
度、(dB/dt)、の関数として示したものであり、H(a
ve.)は磁気誘導変化、△B、の単位当たりのコアーロ
スと定義される; 第5図は、本発明の各種の好ましい金属ガラスにより得
られるコアーロスを磁化速度、(dB/dt)、の関数とし
て対数−対数目盛り上にプロットしたものである;およ
び 第6図は同様なプロットにおいて、第5図と同じ合金に
関して(dB/dt)に対するH(ave.)の依存性を示した
ものである。
好ましい形態の説明 本発明によれば、少なくとも80%がガラス状であり、高
い飽和磁気誘導および低い磁気異方性エネルギーの組み
合わせを特色とする、鉄に富む磁性金属ガラス合金が提
供される。一般に本発明の金属ガラス状合金は、式FeaC
obBcSidCeにより記載される組成をもつ。式中のa−e
は原子%であり、aは72−84であり、bは2−8であ
り、cは11−16であり、dは1−4であり、eは0.5−
4である。又本発明の他の金属ガラス状合金は、式FeaC
obMnfBcSidCeにより記載される組成をもつ。式中のa−
fは原子%であり、a−eは上記と同じであり、fは1
以下である。上記の金属ガラスは適切に焼なましするこ
とにより、さらに負の残留磁気から正の飽和への直流揺
れに関して大きな値を示す。その結果本発明の合金にお
いて飽和磁気誘導は1.55−1.75Tであり、磁気異方性エ
ネルギー300−400J/m3であり、上記の直流揺れは一般に
2.9−3.2Tである。
ガラス状である合金にわずかな結晶質部分が存在しても
合金の最適な軟磁性性能を損なう傾向があるので、本発
明の合金はX線回折により測定して好ましくは90%がガ
ラス状であり、極めて好ましくは100%がガラス状であ
る。さらに少なくとも1.6Tの飽和磁気誘導を示す本発明
のガラス状合金が、パルス電力用途の観点から特に好ま
しい。
本発明の金属ガラスの例には下記のものが含まれる:Fe
75Co6B14Si3C2、Fe77Co6B12Si3C2、Fe78Co6B12Si3C1、Fe79
Co2B14Si3C2、Fe76Co6B15Si1C2、Fe78Co6B12Si1C3、Fe77Co
7B12Si2C2、Fe80Co6B11Si1C2、Fe78Co6B12Si2C2、Fe76Co6B
14Si3Mn1、Fe78Co8B11Si3、Fe81Co2B14Si3、Fe84Co2B13Si1
およびFe79Co6B12Si3。
パルス電力用途、たとえば磁気スイッチに用いることを
目的とした合金における高い飽和磁気誘導の重要性は下
記のように解される:飽和磁気誘導の単位がボルト−秒
毎平方メートル(Vs/m2)[1(Vs/m2)=1T]である場
合には、一定の断面積の磁心は出力から既知量のVsを
“ホールドオフ(hold off)”するであろう。従って特
定の入力電圧水準においてこのホールドオフ時間は磁心
材料が高い飽和磁気誘導をもつほど大きい。
本発明の合金にCoが存在することによって飽和磁気誘導
水準が上昇する。約2at.%以下のコバルト含量は、コバ
ルトを含有しない合金よりわずかに飽和磁気誘導水準を
上昇させるにすぎない。Coの存在による飽和磁気誘導の
上昇速度は約8at.%を越えるCoにおいて実質的に低下す
るので、これより高い水準のCoは元素の実質的な原価の
ため望ましくない。
炭素を含有する本発明の合金は各種の理由から好ましい
本発明の合金である:第1に、合金にCを導入すると合
金の飽和磁気誘導水準がさらに上昇することが見出され
た。この上昇は11−14at.%のホウ素を含有する合金に
おいて特に顕著である。このためB含量が約11−14at.
%である本発明の合金がより好ましい。
わずか約2at.%の水準に達するCの添加によって飽和磁
気誘導水準の上昇が得られ、この水準を越えると合金の
飽和磁気誘導水準は低下し始めることも認められた。こ
のため、11−14at.%のBおよび0.5−2at.%のCの組み
合わせを含む本発明の合金が特に好ましい。第I表のデ
ータはCが本発明の合金の飽和磁気誘導に及ぼす効果を
示すためのものである。
本発明の合金中にCの存在が要求される第2の理由は、
溶融物中にCを導入することによって鉄に富む合金溶融
物の取扱い適性が改良されることである。金属ガラスの
急速凝固リボンの大規模生産という観点から、合金溶融
物の取扱い適性の改良は重要な利点である。本発明の合
金中において最大量約4at.%のCが、飽和磁気誘導水準
のロスと溶融物の取扱い適性の改良との間の受容しうる
妥協をもたらす。第I表から、4at.%のCを含有する合
金の飽和磁気誘導が炭素を含有しない合金のものとほぼ
等しいことが認められるであろう。
さらに本発明の合金中におけるCの存在は、合金の磁気
異方性エネルギーの低下を助成すると考えられる。強磁
性材料の磁気異方性エネルギーは、材料の磁気モーメン
トを、確立された好ましい整列方向からそれる方向へ回
転させるのに必要なエネルギーの尺度である。このエネ
ルギーの大きさは、材料中に特定の磁区構造を確立する
際の容易さを支配する。
パルス電力用途に用いることを目的とする合金におい
て、低い磁気異方性エネルギー、従ってコアーロスの低
下が重要であることは、第1図に示される。この図は高
い磁化速度を付与した強磁性材料から得られる動的磁化
曲線(“B−Hループ”)の模式図である;Haは磁心材
料に付与された磁界であり、△Bは磁心材料から得られ
る磁束揺れである。この図に示されるように、この磁化
曲線は磁心材料からの5領域(または部分)の磁気応答
に分割される。
領域Iにおいて、Haは急速な上昇ののち、通常は漂遊イ
ンダクタンス(stray inductance)により制限されて最
大値に達し、次いで実際には多くの場合低下する。この
ピークは領域IIにおいてリボンの厚さに及ぶ棒状強磁性
磁区の確立を伴い、Hの最低値は有効磁区壁間隔の達成
に対応する。磁化は、領域IIIでごくわずかなHa消費に
おいてこれらの棒状磁区壁が移動することにより進行す
る。領域IIIの週末に向かって、リボン表面付近の磁区
部分の移動度がより高いため直ちにリボンの内部を囲む
単一磁区壁が生じ、これは一般に“サンドイッチ”磁区
と呼ばれる。詳細には理解されていないが、一般に当技
術分野においては領域IVの磁化挙動は領域Vにおいて飽
和が達成される前にこのサンドイッチ磁区が進行するこ
とに関連があると考えられている。
第1図の動的磁化曲線と縦軸により内包される面積は、
その磁心材料のコアーロスを表す。このコアーロスは実
際には通常のヒステリシスループの半分をその材料が移
動するにすぎない“半サイクル”ロスである。以下、本
発明のものであるか否かに関係なく、本発明の記述に関
して材料のコアーロスについての言及はすべてこれら半
サイクルロスを意味する。
第1図から、棒状磁区確立の効率が改良されると、すな
わち領域IIの“ひざ(knee)”が短縮されると、コアー
ロスを減少させうることが明らかである。この効率は強
磁性異方性エネルギーに直接に関連するので、パルス電
力用途に用いることを目的とする合金は好ましくは低い
磁気異方性エネルギーをもつべきである。
Fe−B−Si系の金属ガラスの磁気異方性エネルギーを適
量の第4元素の添加によって低下させうることは、当技
術分野で十分に理解されている。前記のように、炭素が
この種の元素の1つである。この種の元素の他の例には
Mo、Nb、VおよびCrが含まれる。
ところが意外にもFe−Co−B−Si系の金属ガラスにおい
ては、Cは“母体”合金の飽和磁気誘導水準を高める唯
一の添加元素であることが見出された。試みた他のすべ
ての添加元素は、飽和磁気誘導を実質量低下させる。第
II表はこれらの所見を示す。これらの理由から、第II表
に挙げた炭素以外の各種添加元素は、磁心材料に高い飽
和磁気誘導を要求する用途、たとえばパルス電力用途の
磁心に用いることを目的とする金属ガラス状合金から排
除すべきである。
本発明の合金におけるSiの効果は、飽和磁気誘導を低下
させるがそれらの結晶化温度を上昇させることにより合
金のガラス状状態の温度安定性を向上させることであ
る。本発明の合金におけるSiの最高水準約4at.%がSiの
これら2効果間の受容しうるバランスを定める。
磁心材料表面に絶縁被膜を用いることにより磁心のコア
ーロスを低下させうることは当技術分野で周知である。
これは本発明の合金から製造された磁心にも実際に該当
する。用いる材料および方法に応じて、これらの被膜は
磁心の層間短絡を最小限に抑え、または排除し、層間渦
電流からの全コアーロスへの関与を低下または排除す
る。第2図はロス対磁化速度(dB/dt)のプロットにお
いて、本発明の好ましい合金に得られるコアーロスの低
下の程度を示す。
この図のデータは、ほぼ同一質量の被覆された、または
被覆されない50mm幅の合金リボンから製造され、等しい
焼なましを付与された、同一形状の円環状磁心から得ら
れた。調べた磁化速度の範囲は、被覆リボンについて図
中に示したデータ点に表される。本発明の説明に関連し
て採用したこれおよび他の図において、平明にするため
に他の場合はすべてデータに対する線形回帰対応点であ
る線のみを示す。被覆リボンは鋳造したままのリボンを
コロイドシリカの希溶液に浸漬することにより得られ
た。ホスト溶液は市販のコロイド中のイソプロパノール
であり、メタノールを希釈に用いた。調べた約6:1−約1
0:1の希釈度範囲では、被覆リボンから得たロスはほぼ
等しいことが認められた。他の希釈度がより大きな低下
をもたらす可能性はある。これと同様であるか、または
より大きな本発明材料のコアーロス低下を達成するため
に、他の被覆法、たとえば吹き付け塗布またはスパッタ
ー塗布と、他の被覆材料、たとえばマグネシウムもしく
は有機フィルム、たとえばポリイミドの組み合わせを採
用しうることは当業者に周知であろう。同様に、被覆材
料に応じてリボンを被覆前に焼なまししうることも自明
である。
第3図は、第2図と同一の合金から得たロスを、現在パ
ルス電力用途の磁心に商業的に用いられている2種の先
行技術金属ガラスから得たロスと、磁化速度の関数とし
て比較したものである。この図に示した3種の合金すべ
ての幅50mmのリボンを先に詳述したと同様に被覆し、そ
れらそれぞれに最適な条件下で焼なましした。本発明の
合金において広範な磁化速度にわたって達成されるロス
の低下水準がこの図により示される。
第3図に表される3種の合金それぞれが異なる最大磁束
揺れを示す。従ってパルス電力用途における合金性能
の、より直接的な尺度は、最大磁束揺れ1Tについてのコ
アーロスとして定義される平均磁界、H(ave.)であ
る。この磁界は、測定されたコアーロスを測定された最
大磁束揺れで割ることにより求められる。第4図は第3
図と同じH(ave.)対(dB/dt)のプロットにおいて、
本発明合金に一般的な卓越した性能特性を市販の先行技
術金属ガラスと比較して説明するために、この性能尺度
を採用する。
以下の実施例は本発明をより完全に理解するために提示
される。本発明の原理および実施を説明するために提示
された詳細な手法、条件および報告したデータは例示で
あり、本発明の範囲を限定するものと解すべきでない。
実施例に記載した合金組成は公称組成である。
実施例 第III表に試料No.1−47と表示したガラス状金属合金
を、ナラシムハンにより米国特許第4,142,571号明細書
(これに言及することによりその記載をここに引用す
る)に教示された方法に従って溶融物から急速焼入れし
た。鋳造物はすべて真空チャンバー内で、高純度の成分
元素からなる溶融物0.025−0.100kgを用いて製造され
た。得られた一般に厚さ25−30μmおよび幅約6mmのリ
ボンは、Cu−Ka線を用いるX線回折法および差動走査熱
量法により、結晶性をもたないと判定された。若干の合
金は市販の合金と直接に比較しうるために、別個に幅50
mmのリボンとしても鋳造された。各合金は少なくとも80
%がガラス状であり、それらの大部分が90%以上ガラス
状であり、多くの場合合金は100%がガラス状であっ
た。これらのガラス状金属合金のリボンは強靱で光沢が
あり、硬質かつ延性であった。
これらの合金の飽和磁気モーメントの測定には市販の振
動式試料磁力計を用いた。与えられた合金からの鋳造し
たままのリボンを数枚の小さな正方形(約2m×2mm)に
切断し、それらの面を最大印加磁界約755kA/mに平行に
して、それらの面にほぼ法線の方向にランダムに配向さ
せた。次いで、測定された密度(mass density)を用い
て飽和磁気誘導、Bs、を計算した。これらの合金の多く
の密度はアルキメデスの原理による標準的方法により測
定された。
コアーロスは閉磁気路(closed magnetic path)型の円
環状試料について測定された。円環状試料はガラス状金
属合金の連続リボンを平均磁気路の長さ約0.13mとなる
ようにセラミックボビン(外径約40mm)に巻き付けるこ
とにより調製された。各円環状試料は約0.002−0.01kg
のリボンを含んでいた。円環体はすべてロス測定の前に
焼なましされた。焼なまし温度は約573−623Kであり、
焼なまし時間は約900−3600sであり、約400−約1600A/m
の強度の外部磁界を円環体に焼なましサイクル期間中付
与した。
円環体は約3−約10回の1組の絶縁一次巻き線によって
低インダクタンスコンデンサーバンクに放電することに
より駆動された。市販の電流プローブを用いて一次巻き
線の電流を測定した。1回の二次巻き線は磁化速度(dB
/dt)に比例した電圧を与えた。電圧および電流の波形
をディジタルオシロスコープに1点当たり20nsで計数化
し、記録した。次いでこれらの蓄積された波形を処理す
ることによりコアーロス、印加磁界および最大磁束揺れ
を計算した。別個の約5−10回の1組の巻き線を用い
て、円環体を磁化する前にパルスリセット磁界を付与
し、負の残留磁気から正の飽和までの最大磁束揺れを生
じさせた。
本発明合金につき測定されたこれら磁性を例示するため
に、コアーロスおよび平均磁界の値を第III表の6種の
合金により得られた磁化速度の関数としてそれぞれ第5
および6図に示す。
上記測定の潜在的な誤差源は、同様に二次巻き線により
巻き込まれた空気中の(dB/dt)のピックアップによる
ものである。この影響を最小限に抑えるために、磁心材
料のみを巻き込んだ二次巻き線1回を含む円環状磁心を
若干製造した。第2−4図のデータはこの構造体を用い
て得られた。
以上、本発明をかなり詳細に説明したが、これらの詳細
に固執する必要はなく、さらに変更および修正しうるこ
とは当業者に自明であり、これらはすべて請求の範囲の
記載により定められる本発明の範囲に包含されることは
理解されるであろう。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも80%がガラス質であり、式FeaC
    obBcSidCe(式中のa−eは原子%であり、aは72−84
    であり、bは2−8であり、cは11−16であり、dは1
    −4であり、eは0.5−2である)により記載される組
    成を有し、飽和磁気誘導1.55−1.75T、磁気異方性エネ
    ルギー300−400J/m3、および負の残留磁気から正の飽和
    への直流揺れ2.9−3.2Tを有する、焼きなましされた磁
    性金属ガラス状合金。
  2. 【請求項2】dが1−2である、第1請求項に記載の磁
    性合金。
  3. 【請求項3】cが11−14である第1請求項に記載の磁性
    合金。
  4. 【請求項4】組成式Fe75Co6B14Si3C2、Fe77Co6B12Si3C2、
    Fe78Co6B12Si3C1、Fe79Co2B14Si3C2、Fe76Co6B15Si1C2、Fe
    78Co6B12Si1C3、Fe77Co7B12Si2C2、Fe80Co6B11Si1C2、Fe78
    Co6B12Si2C2、Fe78Co8B11Si3、Fe79Co6B12Si2C1およびFe
    79Co6B12Si3を有する、第1請求項ないし第3請求項に
    記載の磁性合金。
  5. 【請求項5】少なくとも80%がガラス質であり、FeaCob
    MnfBcSidCe(式中のa−eは原子%であり、aは72−84
    であり、bは2−8であり、cは11−16であり、dは1
    −4であり、eは0.5−2であり、fは1以下である)
    により記載される組成を有し、飽和磁気誘導1.55−1.75
    T、磁気異方性エネルギー300−400J/m3、および負の残
    留磁気から正の飽和への直流揺れ2.9−3.2Tを有する、
    焼きなましされた磁性金属ガラス状合金。
  6. 【請求項6】dが1−2である第5請求項に記載の磁性
    合金。
  7. 【請求項7】cが11−14である第5請求項に記載の磁性
    合金。
  8. 【請求項8】磁化速度1MT/s以上での使用に適合する磁
    心において、磁心がその磁心材料として、少なくとも80
    %がガラス質であり、式FeaCobBcSidCe(式中のa−e
    は原子%であり、aは72−84であり、bは2−8であ
    り、cは11−16であり、dは1−4であり、eは0.5−
    2である)により記載される組成を有し、飽和磁気誘導
    1.55−1.75T、磁気異方性エネルギー300−400J/m3、お
    よび負の残留磁気から正の飽和への直流揺れ2.9−3.2T
    を有する焼きなましされた磁性金属ガラス状合金を有す
    る磁心。
  9. 【請求項9】磁化速度1MT/s以上での使用に適合する磁
    心において、磁心がその磁心材料として、少なくとも80
    %がガラス質であり、FeaCobMnfBcSidCe(式中のa−e
    は原子%であり、aは72−84であり、bは2−8であ
    り、cは11−16であり、dは1−4であり、eは0.5−
    2であり、fは1以下である)により記載される組成を
    有し、飽和磁気誘導1.55−1.75T、磁気異方性エネルギ
    ー300−400J/m3、および負の残留磁気から正の飽和への
    直流揺れ2.9−3.2Tを有する焼きなましされた磁性金属
    ガラス状合金を含む磁心。
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