JPH0690932B2 - 燃料電池の運転法 - Google Patents

燃料電池の運転法

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JPH0690932B2 JP62285388A JP28538887A JPH0690932B2 JP H0690932 B2 JPH0690932 B2 JP H0690932B2 JP 62285388 A JP62285388 A JP 62285388A JP 28538887 A JP28538887 A JP 28538887A JP H0690932 B2 JPH0690932 B2 JP H0690932B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は燃料電池の運転法に係り、特に、燃料電池の性
能を長期に亘って安定に保持すると同時に電池の運転を
安全に保つのに好適な燃料電池の運転法に関する。
〔従来の技術〕
従来の燃料電池の運転では、発電状態から停止,保管状
態へ移行する際に、アノード,カソード系共反応ガスを
不活性ガスに置換し電位を低下させていた。また、特開
昭61-32362号に記載のように、不活性ガスパージ中に継
続的に抵抗体を接続することにより電位の低下に要する
時間を短縮するようになっていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術は、運転状態から停止する過程において、
アノード及びカソード系にそれぞれ不活性ガスをパージ
して反応ガスの直接混合を防止しながら、電池電圧を低
下させるものであるが、特に運転温度のような高温状態
では電極に使用される貴金属触媒の劣化が大きく、急速
に電池電圧を低下させなければならないにもかかわらず
電池保護レベルまでに低下するのに長期間要し、触媒劣
化のみならず、電池停止工程も長くなるという問題があ
った。さらに、不活性ガスによるパージのみではカソー
ドに吸着残存するO2成分、あるいはアノード系へ漏洩す
るO2成分などを完全に置換することは困難で、各電極の
ポテンシャルを十分に低減できず触媒劣化を完全には防
止できないという問題点があった。
特開昭61-32362号によれば電池出力側を抵抗体により短
絡し、この時に流れる短絡電流により急速に残存O2を消
費させ、電池電圧の低下時間を大幅に短縮しようとする
ものであるが、燃料ガスも不活性ガスにより置換されて
おり、残存しているH+ の多少により各セルの電圧に
不均衡が生じ、H+ がはやく消失したセルが電食反応
により劣化するという問題があった。
特開昭59-75569号には常温で保管する場合にアノード及
びカソード電極にH2を含むN2ガスを封入する方法が開示
されているが、カソード系へもH2を混入するため、残存
するO2と直接燃焼反応によりO2を消費することになり、
電極触媒層などに損傷を与えるという問題があった。さ
らに、この公知例は常温での保管法に関するもので、燃
料電池の運転時にそのまま適用するには高温となるだけ
さらに安全上の問題が生じる危険性が大きかった。
本発明の目的は短時間でかつ電極の電食劣化を伴なわ
ず、本質的に安全に電極電位を低下させ、電池停止過程
あるいは待機,保管時に発生する電池性能の低下を極少
となるように抑えることによって、あるいはさらにカソ
ードへのH2の生成を防止することによって燃料電池プラ
ントを安全かつ安定に保って運転効率を高める燃料電池
の運転法を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、燃料電池の直流出力側に開閉器を介して抵
抗器回路を設け、燃料電池の運転停止あるいは運転待機
時にアノード系燃料ガスを発電時と同量の、あるいは適
量の不活性ガスで希釈した状態とし、カノード系のみ不
活性ガスによりパージを行い、かつ燃料電池の直流出力
側の抵抗器回路を投入することによって(第1の発
明)、あるいは前記手段に加え、さらに電池電圧が濃淡
電池作用によりカソード側に水素ガスを発生させる起電
力レベルよりも低くなった時点で前記抵抗器回路を電気
的に切り離すことにより(第2の発明)、達成される。
〔作用〕
すなわち、燃料電池の運転停止時あるいは電池温度,圧
力などは発電時と同じで一時的に負荷を開放して待機す
る際に、カソード系には不活性ガスをブローし酸化剤を
除去し、さらに電池直流出力側を適当な抵抗器回路によ
り短絡することにより残存起電力に従った電流を流し、
この電流によりカソード系に吸着,残存するO2あるいは
系外よりリークするO2を電気化学的に消化し、カソード
電位を急速に低下させるようにする。この時、アノード
系には燃料ガスあるいは燃料ガスを一部含有する不活性
ガスを流しておくので、電解質中を移動する荷電体、例
えばリン酸型燃料電池ではH+ が十分供給されている
ので、単に不活性ガスのみでブローする場合のように、
多数のセル間で残存しているH+ の不均一性に基因す
るセルの電食反応による劣化を完全に防止することがで
きる。
次に、上記状態は各セルに対して一種の濃淡電池の状態
を形成することにより、吸着あるいはリークなどにより
残存するO2が完全に消費された後も、アノード,カソー
ド各電極にはガス濃度の差などにより定まる起電力がそ
れぞれ発生し、この両起電力の差が電池電圧となって現
れ、電流が短絡抵抗を介して流れ続ける。この時、電解
質部ではH+ がアノードからカソードに向かって流
れ、このH+ の一部は前述の残留O2やリークO2の消費
に使用され、残りは再結合してH2ガスとしてカソード側
に生成される。この現象は、次に燃料電池を再起動する
時などに酸化剤を導入する際に燃料電池の安全性を著し
く損なうものであり、燃料電池プラントに装備されてい
る種々の安全装置などの動作によりプラントの遮断など
を併発し安定なプラントの運転を損ない稼動率の低下な
ど燃料電池発電プラントとして運転効率を著しく低下す
ることになる。これに対し、本発明においてはガス濃
度,圧力,温度などによって定まる理論的な濃淡電池の
起電力以下では電池出力側の抵抗器回路を開閉器により
電気的に切り離すので、残存O2の消費後H+ のカソー
ドへの移動は遮断され、カソード系へのH2の生成を完全
に防止することができる。さらに、系外からのO2のリー
クの増加あるいは何らかのトラブルによりカソード系に
O2が増加して電池電圧が濃淡電池の起電力を越した場合
には再び開閉器により抵抗器を投入することによって、
O2を再び消費しカソードポテンシヤルを常に電池保護レ
ベル以下に保持することができる。
〔実施例〕 以下、本発明の一実施例を第1図〜第5図により説明す
る。1及び2は電池本体を簡略化して示しているが、そ
れぞれアノード部分,カソード部分で、通常の手段によ
って構成された単位電池が積層され、かつそれぞれのガ
ス給排装置を有し電池容器3内に収納されている。
4,5,6,7はそれぞれ燃料ガス遮断弁,空気遮断弁,窒素
遮断弁,カソード系窒素ブロー弁であり、4,5,6はそれ
ぞれアノード部分1,カソート部分2,電池容器3に配管さ
れ、7はカソード部分2に窒素ガス供給するため窒素系
配管とカソード系配管に接続された弁である。
8はアノード部分1と燃料ガス遮断弁の間に配設された
H2センサー、9は電池電圧を計測する電圧計、10は判別
器でありH2センサーの信号等により基準電圧を算定し、
電圧計9の出力と比較判別する機能を有する。
11は電池の直流出力側に配設された前記説明した抵抗器
回路、12は抵抗器回路11を開閉する開閉器、13は電池の
直流出力を交流に変換するインバータである。
以上のような構成において、燃料電池の運転を停止ある
いは一時的に待機する場合、燃料ガス遮断弁4は開状態
のまま適量のガスを流し、カソード系窒素ブロー弁を閉
状態から開状態、空気遮断弁を閉状態としカソード系に
不活性ガスをブローし、電池電圧を低下させる。さら
に、開閉器12をONとして電池直流出力側を抵抗器回路11
により短絡する。このようにすると前述してきたように
カソード部分2などカソード系に残存するO2が電気化学
反応により消費されカソード電位が速やかに低下し、カ
ソード電位を電池保護レベル以下に保持することができ
る。
第2図は電池電圧の減衰特性を従来例と本実施例とにつ
いて比較した図である。従来例はアノード系もカソード
系も共に窒素ブローによって電池電圧を低下させる場合
であるが、電圧の減衰特性は指数関数的であり、この時
定数は通常の燃料電池プラントで適切と考えられる窒素
量に対しては、約30分から1時間のオーダーであること
を確認している。一方、鎖線で示した特性は本実施例の
場合であり、抵抗器回路11の投入により急速に電池電圧
が低下し、即ち電池保護レベル以下とすることができ
る。従来例と比較して保護レベル以下となる所要時間は
1/5から1/10以下と大幅に短縮することができ、カソー
ド電極に使用される貴金属触媒の凝集に基因する性能低
下を実用上問題にならない程度にまで低減することがで
きた。
第3図は保管時の電池電圧の経時変化を示した図である
が、実線で示した本実施例の場合は性能低下率は1000ha
当り0〜1mVとほぼ運用上問題とならない程度に抑える
ことが出来、従来例に比べて1/5〜1/10となることを実
験的に確認している。
第4図は本実施例の電池電圧特性をさらにミクロに調べ
た結果であるが、電池保護レベル以下になった後もさら
に抵抗器回路11をONの状態にしておくと所定の電池電圧
に到達後一定の電圧を示すようになる。この電圧レベル
がアノード部分1及びカソード部分2における流入ガス
成分,濃度などによって定まる各電極の起電力の差とし
て定まる濃淡電池の起電力であり、電解質がリン酸であ
る場合には例えばH2が各電極に作用して濃度差に基づく
電気化学反応の差から電池に所定の起電力がネルンスト
の定理に従って発生することになる。この時、第4図に
示した濃淡電池の起電力以下となる領域IIにおいてはす
でに残存するO2も完全に消費されているため、アノード
からカソードに向かって電解質中をH+ が移動し、カ
ソード部分2にH2を生成することになる。このような状
態は電池の再起動時に酸化剤を導入する時に極めて安全
性を損なうものであり、本実施例に示した抵抗器回路11
を開閉器12によりOFFし、H+ の移動を防止しなけれ
ばならない。さらに系外からのリークO2の混入により電
池電圧が濃淡電池の起電力を越した場合には、再び抵抗
器回路11をONして電気化学反応によりO2を消費すればよ
い。
第5図は濃淡電池の起電力とH2濃度の関係を調べた結果
である。横軸を対数表示として整理すると濃淡電池の起
電力はアノード系に導入される燃料ガスのH2濃度に対応
しており、H2センサ−8によりH2濃度を監視することに
より濃淡電池の起電力を定めることができ、その電圧レ
ベルを判別器10にり電圧計9により測定される電池電圧
と比較することにより、抵抗器回路11のON,OFFを行い、
カソードにH2の生成のない安全な運転を保持することが
できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、アノード系に燃料ガスを遮断すること
なく電池直流出力側に設けた抵抗器回路を投入してカソ
ード系に吸着残存するO2を電気化学的に消費して電池電
圧を保護レベル以下に急速に下げることができるので、
カソード高電位による貴金属触媒の凝集を防止し、かつ
H+ の欠乏による電池の電食劣化と同時に防止するこ
とができ、さらに、H2濃度により定まる濃淡電池の起電
力以下で抵抗器回路を開放するシステムとした場合、カ
ソード系へのH2の生成を防止でき極めて安全な燃料電池
の運転法を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す燃料電池本体部の配管
系統図、第2図は電池電圧の減衰特性の比較図、第3図
は保管による電池電圧の低下特性の比較図、第4図は濃
淡電池の起電力の特徴を示す図、第5図は濃淡電池の起
電力のH2濃度依存性を示す図である。 1……アノード部分、2……カソード部分、3……電池
容器、4……燃料ガス遮断弁、5……空気遮断弁、6…
…窒素ガス遮断弁、7……カソード系窒素ブロー弁、8
……H2センサー、9……電圧計、10……判別器、11……
抵抗器、12……開閉器、13……インバータ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のガス拡散電極及びこれらの電極間に
    挟持された電解質層及び各電極へ酸化剤ガス及び燃料ガ
    スを給排する給排装置を含み、電極間の電気化学反応に
    よって電気エネルギーを得る燃料電池の直流出力側に、
    開閉器を備した抵抗器回路を並列に接続した構成を有す
    る燃料電池を運転する方法において、燃料電池の運転を
    停止あるいは一時的に負荷を開放し待機する際に、カソ
    ード系酸化剤ガスのみを不活性ガスに切り換えパージ
    し、アノード系は燃料ガスを発電時と同量のあるいは適
    当な不活性ガスを混入した燃料ガスを流し、前記抵抗器
    回路の開閉器を投入することによりカソード電位を低下
    させることを特徴とした燃料電池の運転法。
  2. 【請求項2】一対のガス拡散電極及びこれらの電極間に
    挟持された電解質層及び各電極へ酸化剤ガス及び燃料ガ
    スを給排する給排装置を含み、電極間の電気化学反応に
    よって電気エネルギーを得る燃料電池の直流出力側に、
    開閉器を備した抵抗器回路を並列に接続した構成を有す
    る燃料電池を運転する方法において、燃料電池の運転を
    停止あるいは一時的に負荷を開放し待機する際に、カソ
    ード系酸化剤ガスのみを不活性ガスに切り換えパージ
    し、アノード系は燃料ガスを発電時と同量のあるいは適
    当な不活性ガスを混入した燃料ガスを流し、前記抵抗器
    回路の開閉器を投入することによりカソード電位を低下
    させ、次いで濃淡電池作用によりカソード側に水素ガス
    を発生させる起電力レベルよりも電池電圧が低くなった
    時点で燃料電池の直流出力側に設けられた抵抗器回路を
    電気的に切り離すことを特徴とした燃料電池の運転法。
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