JPH0691825B2 - 放線菌コスミドベクタ− - Google Patents

放線菌コスミドベクタ−

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JPH0691825B2
JPH0691825B2 JP58176709A JP17670983A JPH0691825B2 JP H0691825 B2 JPH0691825 B2 JP H0691825B2 JP 58176709 A JP58176709 A JP 58176709A JP 17670983 A JP17670983 A JP 17670983A JP H0691825 B2 JPH0691825 B2 JP H0691825B2
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cosmid
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actinomycete
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    • C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
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    • C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/74—Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は放線菌コスミドベクターに関し、さらに詳しく
は放線菌由来のプラスミドに放線菌ファージ由来のコヘ
シブ部位(COS)を組み込んだ放線菌コスミドベクター
に関する。
本発明のベクターを用いるとプロトプラスト化法の利用
できない放線菌の菌体内にベクターを挿入できるという
特徴を有し、放線菌用のベクターとして極めて利用価値
の高いものである。近年の遺伝子工学の発展は、生物種
の障壁を越えて遺伝子の発現を可能としている。高等生
物を始めとして種々の生物種の遺伝子が、大腸菌におい
て発現が報告されている。しかるに、最近の研究におい
て大腸菌の宿主としての性質による能力の限界が指摘さ
れ始めている。そのため大腸菌に加えて、新しい宿主ベ
クター系の導入が要望されている。真核生物遺伝子発現
用の酵母の系、産物の菌体外分泌を目的とした枯草菌の
系等がその例といえる。
放線菌は、抗生物質の約8割近くをも生産する産業上、
極めて有用な微生物である。抗生物質生産に遺伝子操作
の応用を考える時、宿主としての放線菌は、必須のもの
であり、大腸菌では代替できない。即ち、大腸菌では産
生抗生物質に対する自己耐性の問題、放線菌遺伝子の発
現効率の問題、更に抗生物質生合成遺伝子の全クローニ
ング等と、生物学的にも現在の技術レベルからも、極め
て困難な問題がある。その点抗生物質生産能を持つ放線
菌は、自己耐性を始め、生合成酵素を保有しているので
これを宿主として遺伝子組換えにより抗生物質等を生産
させるならば生産量の増大、新規抗生物質の生産等の目
的も比較的容易に達成されうる。故に新しく、放線菌の
宿主ベクター系の開発が強く要望されている。
放線菌の遺伝子操作系の確立には、ふたつの大きなアプ
ローチがなされている。プラスミドベクターは、ホップ
ウッドらによって、ほとんど理想的なものが構築されて
おり、又ファージベクターは、チェイターらによって鋭
意開発中である。しかしながら両システムともDNAの細
胞内への導入法がプロトプラストをポリエチレングリコ
ールという促進剤のもとで処理してDNAをとり込ませる
ものである。放線菌においては、この方法以外充分な頻
度でDNAを細胞内へ導入する技術はない、従ってプロト
プラストが形成不能あるいは、形成しても再生不能ある
いは、再生しても、DNAのとり込み能力の低い放線菌で
は、これらの方法が利用できないため事実上遺伝子操作
の対象となり得ない。実際プロトプラスト法が適用可能
な放線菌は限られており、抗生物質生産能を持つ菌株は
むしろそのほとんどが適用不能といわざるをえない。こ
こにプロトプラストを用いずしてDNAを導入する方法を
開発して抗生物質生産に遺伝子工学の応用を、実質的に
可能とすることが期待される。
そこで本発明者らはプロトプラスト化法の利用できない
放線菌にもDNAを導入しうる方法について種々検討した
結果、放線菌由来のプラスミドに放線菌ファージ由来の
コヘシブ部位を組み込んだコスミドベクターを用いると
プロトプラスト化法を利用しないで、コスミドを挿入し
た放線菌から他の放線菌にコスミドを導入しうることを
見い出した。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。本
発明においてコヘシブ部位(COS)とはコスミドDNAがフ
ァージ頭部に包み込まれる為に必要なファージ由来のDN
A接着末端断片を示す。
本発明のコスミドベクターは放線菌ファージ由来のコヘ
シブ部位を有し、かつ、クローニング部位を少なくとも
1箇所以上有する。クローニング部位としては、例えば
Kpn1,Xba1,Sca1などがあげられる。
本発明において、放線菌由来の原料プラスミドは天然の
もの、及び選択マーカーを付与した誘導体など区別なく
使用できるが、選択マーカーを付与したものが好まし
い。天然のものとしては、例えばSCP2*(Bibb.M.J.eta
l.:Nature284,526(1980))、SLP1ファミリー(Bibb.
M.J.etal.:Mol.Gen.Genet.184,230(1981))、PIJ101
(Kieser,T.etal.:Mol.Gen.Genet.18,223(1982))な
どがあげられる。又、誘導体としては例えばpSCP111(B
ibb,M.J.etal.:Nature284,526(1980))pIJ364,pIJ365
(ともにKiesr,T.etal.:Mol.Gen.Genet.18,223(198
2))、pSLP114,pSLP124(ともにBibb,M.J.,Cohen,S.
N.:Mol.Gen.Genet.187,265(1982))などがあげられ
る。
又、放線菌ファージは放線菌に対し感染能を有するファ
ージであり、コヘシブ部位を有するものであれば区別な
く使用でき、例えばψC31ファージ(Chater,K.F.etal.;
Gene14,183−194(1981))、R4ファージ(Isogai,T.et
al.:J.Gen.Appl.Microbiol27,373(1981))などがあげ
られる。
本発明のコスミドを製造するには例えば次のようにすれ
ばよい。まずDNAの両端にコヘシド部位を有するファー
ジDNAをライゲースで連結し、次いで制限酵素で部分分
解してファージDNAの種々の断片を得る。この断片の切
断面と同様な断面を与える制限酵素を用いて1箇所だけ
切断した放線菌由来のプラスミドと前記のファージDNA
断片をライゲースで連結するとコヘシブ部位の挿入され
たプラスミド(コスミド)、およびその他種々のファー
ジDNAの断片の挿入されたプラスミドや未反応の原料プ
ラスミドなどの混合物が得られる。
ライゲースによるファージDNAのコヘシブ部位の連結、
又はプラスミドとファージDNA断片の連結は通常5−20
℃で5時間〜3日間反応させることによりおこなわれ
る。使用されるライゲースとしては例えばT4DNA−ライ
ゲースなどがあげられる。
ファージDNAをライゲースで連結した後の部分分解は種
々の制限酵素によりなしうるが、塩基を4つ認識するも
のが好ましく、例えばHpaII、San 3A、Hae IIIなどの制
限酵素(いずれもベセスダ(Bethesda)社製)があげら
れる。この分解は通常30−60℃、30分〜3時間で完了す
る。
原料プラスミドの切断も種々の制限酵素によりなされる
が、その切断面がファージDNAの断片と同じ切断面を有
することが必要である。またその切断箇所は特に制限さ
れないが、コスミドの単離を考慮すると2以上のマーカ
ーを持つプラスミドを用いて、その1つのマーカー部分
で切断する方が後のコスミド単離に当り、原料プラスミ
ドの移入された菌を除去する上で好ましい。ここで使用
する制限酵素としては例えばCla1制限酵素などがあげら
れる。
上記のようにして得られたプラスミド混合物からのコス
ミドの単離は、このプラスミド混合物を用いて放線菌を
形質転換し、次いでこの形質転換株にコヘシブ部位を供
給したファージを感染させ溶菌すると、このファージの
頭部にコスミドは包み込まれるが他のプラスミドは包み
込まれないという両者の性質の相違を利用しておこなえ
ばよい。この場合、形質転換した放線菌に直接ファージ
を感染させて単離してもよいが、原料プラスミドの移入
された菌を除いてからファージを感染させた方が好まし
い。
具体的には形質転換は上記プラスミド混合物をプロトプ
ラスト化した放線菌と混合し、エチレングリコールの存
在下にプラスミドを該プロトプラスト中に移入させ、次
いで常法により再生することにより行われる。形質転換
されなかった菌株は上記プラスミドに存在するマーカー
を利用して除くことができる。(Thompson,C.J.etal.:
J.Bacteriol151,668−677,(1982))。
このようにして得られた形質換株には、ファージDNAの
断片の挿入されたプラスミドを有する菌及び原料プラス
ミドを有する菌が存在する。この中から前者を単離する
にはプラスミドのマーカーの性質の変化、例えば抗生物
質に対する感受性を利用してレプリカ法により前者を選
択し、増殖させればよい。
この増殖させた菌にはコスミドを有するものやコヘシブ
部位以外のファージDNAの挿入されたプラスミドを有す
るもの、その双方を有するものが存在するので、この菌
よりコスミドを上記のような他のプラスミドとの性質の
相違を利用して他のプラスミドと分離し、単離する必要
がある。具体的には、まず上記の増殖させた菌にコヘシ
ブ部位を供給したファージと同一株のファージを感染さ
せ、25−35℃、10−20時間培養してファージ溶菌液を得
る。この溶菌液中にはコスミドを包み込んだファージが
存在するので、そのファージからコスミドを取り出せば
よい。即ち、放線菌培養液に上記の溶菌液を混合してフ
ァージを感染させ、25−37℃好ましくは30−35℃で10分
−4時間好ましくは1〜3時間後に感染した菌体を集め
コスミドの移入された菌をその移入の有無による菌の性
質の差、例えば薬剤耐性の有無を利用して選択し、増殖
させる。次いで得られた菌体の細胞壁を溶解させた後ゲ
ロモゾームのDNAを遠心分離した後、上清を透析するこ
とによりコスミドが得られる(Horowicz,D.I.,Burke,J.
E.,Nucleic Acids Res.9,2989−2998(1981))。
本発明のコスミドの例としてpR4C−1があげられる。こ
のコスミドは放線菌由来のプラスミドpIJ365のClaI制限
酵素部位に放線菌ファージR4のコヘシブ部位を挿入した
もので、ストレプトミセス・リビダンス66株を宿主とし
て工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第7204
号として寄託されている。
このコスミドはネオマイシン耐性、チオストレプトン感
受性を、又、クローニング部位としてKpn1、Xba1、Sca1
を有し、そのサイズは6.9Kb,コピー数50−300、その制
限酵素地図は第1図に示すとおりである。又、このコス
ミドはR4ファージ粒子の頭部に包み込まれるという性質
を有する。
このコスミドに使用したプラスミドpIJ365はホップウッ
ドらによって構築されたものであり、ストレプトミセス
リビダンスISP5434(ATCC19844に寄託)より分離された
マルチコピーで広宿主域性のプラスミドpIJ101にストレ
プトミセス・フラジエATCC10745よりクローン化された
ネオマイシン耐性遺伝子とストレプトミセス・アルバス
ATCC14921よりクローン化されたチオストレプトン耐性
遺伝子を付与したものである(Molewler General Genet
ics(1982)185,223−238)。
又、ファージR4はケイ.エフ.チェイターらによって、
ストレプトミセス・アルバスGを指示菌として土壌より
分離された広宿主域性のアフチノファージ(Joarual of
General Microbiology(1979)115,431−442)であ
る。
コスミドpR4C−1の製法を第2図に示す。
まずR4ファージDNAの両端に存在するコヘシブ部位をT4
−DNAライゲースで連結後HpaII制限酵素で部分分解す
る。これをCla1制限酵素で完全分解したpIJ365と混合連
結後、ストレプトミセス・リビダンス66へ形質転換して
ネオマイシン耐性菌を選別する。
次いで得られた耐性菌の胞子にR4ファージを感染させ
て、ファージ溶菌液を得、ネオマイシン耐性を選択マー
カーとしてコスミドを取得すればよい。
本発明のコスミドの任意の放線菌への移入はコヘシブ部
位を供給した放線菌ファージを利用して、本発明のコス
ミドを有する宿主放線菌からプロトプラストを径ること
なくおこなうことができる。
従って、本発明のコスミドは放線菌に種々の外来DNAを
移入させるベクターとして期待される。
本発明のコスミドに種々の外来DNAを組み込んだ組換えD
NAをプロトプラスト化法を利用できない放線菌に移入す
るには例えば次のようにすればよい。
組換えDNAを用いてプロトプラスト化法によりストレプ
トミセス・リビダンスなどのプロトプラスト化しやすい
放線菌を形質転換した後、その菌にコヘシブ部位を供給
したファージと同一株のファージを感染させて溶菌し、
頭部にコスミドを有するファージを得、次いでこのファ
ージを形質転換したい放線菌に感染させ、コスミドの移
入されたもののみを単離すればよい。上記の各操作は先
にコスミドの取得法で説明した対応する操作法によりお
こなえばよい。
次に実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例 R4ファージDNAの調製 500ml容三角コルベンに100mlのNB(表1参照)液体培地
を仕込んだ物に109コのストレプトミセス・パルブルス
胞子と108コのファージR4粒子を接種して30℃で一夜ロ
ータリー振盪機で培養してファージ溶菌液を得る。次い
でこの液を遠心し、細胞残査を除く。上清に対しポリエ
チレングリコール6000を8.0g、NaClを2.9g加え溶解後、
水中にて3時間放置する。次に10000rpmで10分遠心して
ファージを沈降させて、これを2mlのファージ希釈液(5
0mMトリス−HCl(7.5)100mMNaCl,5mM MgSO4)に懸濁
させた後、10γ/mlのリボヌクレアーゼA(シグマ社
製)、1γ/mlのデオキシリボヌクレアーゼA(シグマ
社製)で37℃、20分間処理する。これを予め調製したCs
Clの密度勾配溶液(ρ=1.59〜1.03)に重層し、ベック
マンL7超遠心機のスウィングローターSW.50.1で35Krpm2
時間遠心してファージのバンドを形成させる。このバン
ド部を注射器で約0.5ml、採取後、2.5mlの10mMトリス−
HCl(7.5)−20mM EDTAを加え65℃で30秒加熱、次い
で、10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を0.3ml加え、
65℃で5分放置してファージDNAを抽出する。フェノー
ル;クロロホルムで1回除蛋白処理後、エタノール沈
澱、透析を経て最終ファージDNA標品を得る。
pIJ365プラスミドの精製 500ml容坂口フラスコに100mlのTSB培地(オキソイド社
製/トリプトン、ソーヤ、ブロス)を仕込んだものに、
pIJ365を保有するストレプトミセス・リビダンス66の胞
子を107コ接種する。30℃で40hr振盪培養した菌体を0.3
Mシュクロースで洗浄後、これを2mlの0.3Mシュクロー
ス、50mMグルコース、25mMトリスHCl(7.5)、10mM ED
TA、1mg/mlリゾチーム溶液に懸濁させ37℃で10分加温す
る。次いで4mlの0.2NNaOH・1.1%SDS溶液を加え、更に3
0分37℃で加熱する。最後に5M酢酸カリウム溶液3mlを加
え、よく混和後、氷冷する。5分後10000rpmで5分遠心
し、上清を得る。上清は更にフェノール;クロロホルム
で処理した後エタノール沈澱を2回した後、透析してプ
ラスミドDNA標品を得る。
コスミドの作製 で得られたR4ファージDNAをT4−DNAライゲース(宝酒
造(株)製)で20mMトリスHCl(7.5)、10mM HgCl2,10
mMディチオスレイトール、1mM ATP溶液中で16℃、16時
間処理した後、HpaII制限酵素(ベセスダ社製)で、20m
Mトリス−HCl(7.5)、10mMMgCl2溶液中で37℃、2時間
処理する。一方で得られたpIJ365を上記HpaIIの場合
と同一条件でClaI制限酵素(ベーリンガー社製)で処理
する。こうして得られたR4ファージDNAとpIJ365DNAを等
量混合した後、上記条件でT4−DNAライゲース処理をす
る。
こうして得られたDNAを用いてストレプトミセス・リビ
ダンス66へ形質転換する。形質転換は以下の方法によっ
て行われる。500ml容坂口フラスコに50mlのTSB培地(0.
5%グリシンを含む)を仕込んだものに107コのストレプ
トミセス・リビダンス66の胞子を接種し30℃で24時間培
養する。菌体は、0.3Mシュクロースで1回洗浄後、4ml
のP培地(表2)(1mg/mlリゾチームを含む)で30℃、
1時間処理する。これを脱脂綿でろ過してプロトプラス
ト溶液を得る。この溶液0.1mlに対して先に調製したDNA
溶液25μlを加え更にポリエチレングリコール1000 25
%を含むP培地を加える。30秒後にP培地、0.4mlを加
え全量を1mlとした後。その0.1mlをR2YE培地(表2)へ
撒布する、このプレートを27℃で16時間保温後、100γ/
mlのネオマイシンを含むソフトアガーを重層する。更に
2日間27℃で培養するとネオマイシン耐性のコロニーが
出現する。
こうして得られた耐性菌の中からレプリカ法によりファ
ージR4のDNA断片の挿入されたプラスミドを有する菌を
選択する。原料プラスミドはチオストレプトン耐性部位
を有するが、挿入プラスミドはその部位が失活してい
る。そこで次のようにして目的とする菌を選択する。即
ち、上記の耐性菌をネオマイシン30μ/mlを含むYS平板
培地に接種し、27℃で2日間培養してコロニーを形成さ
せた後、チオストレプトン30μ/mlを含むYS平板培地へ
レプリカ法により移植し、27℃で2日間培養し、後者の
培地では生育不能のコロニーを前者の培養培地より検索
し目的とする菌を選択する。
次にこのようにして選択した菌の中からコスミドを分離
する。即ち、選択した菌の胞子にファージR4を前記の
方法により感染、増殖させさせてファージの溶菌液を得
た。別にストレプトミセス・リビダンス66の胞子を5ml
のNB培地に接種し、7時間培養する。顕微鏡で胞子が発
芽したのを確認した後、先に調製したファージ溶菌液を
m.o.i5で感染させ、30℃で20分放置する。次に、3000rp
m,5分の遠心で発芽した胞子を集め、その全量をYS(表
I)培地へ撒布する。16時間、27℃で培養した後100γ/
mlのネオマイシンを含むソフトアガーを重層し、更に2
日間培養するとネオマイシン耐性菌が出現する。この耐
性菌を集め、前記の方法と同様に処理してコスミドpR
4Clを得た。
コスミドの同定 コスミドはファージのコヘシブ部位周辺のDNAをプラス
ミドにクローン化したものである。従って、コスミド
は、ファージのコヘシブ部位周辺と相同性を有する。そ
こでこの相同性をサザーンハイブリダイゼイションによ
り調べた。まず、R4ファージのDNAをScaI,KpnI,BglIIの
制限酵素(いずれも宝酒造(株)社製)でそれぞれ切断
し、加熱急冷後0.8%のアガロースゲル電気泳動にかけ
る。一方各制限酵素の分解で生じるDNA断片のうちコヘ
シブ部位を有する2つの断片はDNAを65℃で加熱後、除
冷すると2つの断片のコヘシブ部位が結合したものが得
らる。これを上記と同様に電気泳動にかけ、その泳動パ
ターンと前者の泳動パターンを比較して前者の泳動パタ
ーン中に存在するコヘシブ部位を有する2つのファージ
DNA断片の位置を決定する。
次いで前者の方法により泳動されたDNA断片をニトロセ
ルロースフィルターへ転写する。これは電気泳動させた
アガロースゲルの上にニトロセルロースフィルターを乗
せ更にその上にろ紙を5cmほどの高さで乗せて、数時間
放置して完了する。得られたフィルターはバキュームオ
ーブンで80℃、2時間処理してDNAを固定する。
一方、AluI制限酵素(ベセスタ社製)で分解したpR4C−
1 2μgを1.6単位のT4−DNAポリメラーゼ(宝酒造
(株)製)で20mMトリス−HCl(7.5)、10mM MgCl2及
び2mMメルカプトエタノール溶液中で37℃、5分間処理
した後これに終濃度100μMとなるようにチミジントリ
ホスフェート、デオキシシチジントリホスフェート、デ
オキシグアノシントリホスフェートと、終濃度10μMの
50μCiの放射活性をもつα−32P−ラベルのデオキシア
デノシントリホスフェートを加え37℃で12分、更に反応
させる。これをセファデックスG50でカラムクロマトし
て32Pの放射活性の最初のピークを液体シンチレーショ
ンカウンターで検出してこの分画をプローブとして用い
る。このプローブの5×106cpmのラベル量を4mlの5倍
のSSPE溶液(×1で、10mM Na−Phosphateバッファー
(7.0)、0.18MNaCl,1mMEDTA)で0.3%SDSと50%ホルム
アマイドを含むものに加え、混和した後、先に調製した
フィルターを、これに浸す。45℃で18時間放置した後、
フィルターを0.1倍のSSPE溶液で洗浄する。フィルター
はよく乾燥させた後、X線フィルムに感光させて、オー
トラジオグラムをとる この結果を表わしたのが第3図である。第3図中の左側
はファージR4のDNAを各種制限酵素で切断したものの電
気泳動パターンで>印の部分がコヘシブ部位を有するDN
A断片の位置を示している。右側は、コスミドをAluI制
限酵素で切断し、P32でラベルしたものをプローブとし
て上記の電気泳動させたものにハイブリダイゼーション
させたオートラジオグラムである。
この図から明らかなようにpR4C−1コスミドのDNA断片
はコヘシブ部位を有するもののみとハイブリダイゼーシ
ョンしている。従ってpR4C−1はコヘシブ部位を有して
おり、コスミドであることが明らかとなった。
コスミドの制限酵素地図 において構築したコスミドを、の方法で精製し、そ
のDNAを各種制限酵素で切断してそのパターンから制限
酵素地図を作製した。制限酵素の反応条件は、37℃で20
mMトリス−HCl(7.5)、10mMHgCl2、及び2mMメルカプト
エタノールを含む溶液中で1時間行った。反応後DNAを
アガロースゲル電気泳動にかけエチジウムブロマイド染
色後、紫外線照射下でDNA断片を検出した。この結果コ
スミドは新らたに1.4Kbの挿入DNAを持つこと、及びその
挿入DNA上には、BclIとScaI部位が0.85Kb離れて存在す
ることが判明した。BclIとScaI部分はそれぞれコヘシブ
部位から0.15Kb,0.7Kb離れているので、この値からBclI
とScaIの間にコヘシブ部位があることが判る。これより
pR4Cl上のコヘシブ部分の位置及び制限酵素地図は第1
図のように決定される。
参考例 コスミドの放線菌体内移入方法 a)コスミドを包み込んだファージ粒子の調製法 実施例1.で調製されたpR4C−1コスミドを有するスト
レプトミセス・リビダンス66を10μg/mlのネオマイシン
を含む平板培地に接種して、27℃で1週間培養して胞子
を着生させる。この胞子を、掻き取りNB液体培地に接種
し、更にこれにR4ファージを接種して、30℃で一夜培養
する。翌日培養液をろ過滅菌してファージ溶菌液を得
る。
b)コスミドの移入された株の選別法 ストレプトミセス・パルブルスの胞子を5mlのNB液体培
地に接種して、30℃で6〜8時間振盪培養する。培養液
は、一度ボルテックスミキサーで1分間処理して発芽胞
子の集塊を分散させる。これを500rpm、2分の遠心にか
け残存する集塊を除き、上清の発芽胞子懸濁液を得る。
発芽胞子の濃度はヘマサイトメーターにより決定する。
これに、a)項にて調製したファージ溶菌液を混合して
30℃あるいは35℃で約3時間放置する。次にこれを3000
rpmで、5分間遠心して感染菌を集め、ネオマイシンを
3μg/ml含むYS培地へ撒布する。このplateを27℃で3
日培養すると、コスミドの移入されたネオマイシン耐性
菌が出現した。
【図面の簡単な説明】
第1図はpR4C−1コスミドの制限酵素地図である。COS
はコヘシブ部位を、又neorはネオマイシン耐性遺伝子
の部位を表わす。 第2図はpIJ365プラスミドとR4ファージからのコスミド
の作成法を示す。 第3図はサザーン解析図である。左図は、フアージR4DN
Aを1〜3の制限酵素で切断した断片のアガロースゲル
電気泳動パターンであり、白矢印はコヘシブ部位を持つ
DNA断片を示す。化図はハイブリダイゼーション後のオ
ートラジオグラムである。 1.SCaI 2.KpnI 3.BglII

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放線菌由来のプラスミドに放線菌ファージ
    由来のコヘシブ部位(COS)を挿入したコスミドベクタ
    ー
  2. 【請求項2】放線菌由来のプラスミドに放線菌ファージ
    由来のコヘシブ部位(COS)を挿入したコスミドクター
    を頭部に有するファージを放線菌に25〜37℃で10分〜4
    時間感染させることを特徴とするコスミドの放線菌への
    移入方法
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松原謙一、矢野圭司編、「遺伝子操作」、(昭56−3−16)、共立出版株式会社P.171ー172

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