JPH0692505B2 - 澱粉糊液の老化防止方法 - Google Patents

澱粉糊液の老化防止方法

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JPH0692505B2
JPH0692505B2 JP2083346A JP8334690A JPH0692505B2 JP H0692505 B2 JPH0692505 B2 JP H0692505B2 JP 2083346 A JP2083346 A JP 2083346A JP 8334690 A JP8334690 A JP 8334690A JP H0692505 B2 JPH0692505 B2 JP H0692505B2
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安夫 大平
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本州製紙株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はサイズプレス液、コーティング塗料、内面添加
組成物などの用途に有効に使用することのできる澱粉糊
液の老化防止方法に関するものである。
〔従来の技術及びその解決すべき課題〕
紙業界では顔料コーティング、サイズプレス、内面添加
等で最も重要な素材として澱粉が使用されている。これ
らの用途に使用するに際しては澱粉粉末を水などの溶媒
に分散させ、熱を加えて溶解し、液状の糊液にしてから
利用するのが一般的である。
澱粉の老化とは澱粉糊液中に溶解しているアミロースが
水素結合を介して再会合を起こす現象である。再会合の
起こし方には2つの形態がある。1つは系全体に再会合
が広がりゲル化して行く現象であり、この場合は系の粘
度が上昇して最終的にはゲルとなりハンドリング性を損
なう。他の1つはアミロースの再会合が狭い範囲で起り
沈澱が生じるものであり、この場合にはこのような澱粉
糊液をサイズプレス液や塗料に使用した場合は紙の表面
強度や塗層面の強度が低下して好ましくない。
製紙業界において使用される澱粉は酵素変性、酸化変
性、酸やアルカリによる加水分解、エーテル化、エステ
ル化及びカチオン化等の化学的処理を施されたものが使
用されている。これらの澱粉は解放型のタンクを用いて
100℃以下の温度で糊化されるのが一般的である。一
方、製紙業界では合理化、コストダウン等の要求から工
場内で高温高圧下で高速糊化する方法、酵素変性、熱変
性、及び熱化学変性等の変性を糊化と同時に行う方法
(いわゆる自家変性法)が積極的に検討されている。
製紙業界において使用される澱粉の性質としては糊液の
状態が温度や経時に対して安定であることが必要であ
る。しかしながら、前述のような自家変性法による澱粉
糊液は老化する傾向が著しく、このために種々の対策が
提案されている。例えば特公昭59−29601号公報には、
炭素数1乃至22を有する脂肪酸のエステル、炭素数1乃
至22を有する脂肪族アルコールの硫酸エステル及びそれ
らの塩、炭素数1乃至22を有する脂肪族アルコールのエ
ーテル、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩を使用
することが、また特開昭62−24336号公報では非イオン
性界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルを老化防止に使用することが提案されてい
る。
しかしながら、これらの界面活性剤を使用する方法では
使用量や使用する界面活性剤の種類にもよるが、ゲル化
防止又は粘度上昇の抑止には効果が認められても沈澱が
発生したり、界面活性剤の疎水基のために澱粉のOH基の
水素結合が阻害されるために、サイズプレス液やコーテ
ィング塗料として使用した場合には強度が低下したり、
紙表面の光沢が出にくいという問題を有していた。更
に、顔料コーティング塗料用として使用する場合には界
面活性剤の種類にもよるが、塗料の保水度が低下した
り、塗工面にハジキが発生するという問題が新たに発生
する等な欠点があった。
また、特開昭61−36386号公報には炭素数1乃至18の高
級アルコール、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物
とカルボキシル基を有するポリビニルアルコールを組み
合わせる方法が提案されているが、この方法でもコーテ
ィング塗料用に使用した場合には塗料の粘度が高くなっ
たり、塗層表面の光沢が出にくいなど問題となってい
た。
更に、特開昭55−129432号公報には澱粉糊化液の老化防
止剤としてキサンタンガムを使用することが提案されて
いる。しかし、この物質は澱粉糊化液の粘度上昇やゲル
化には有効であるものの、このものを使用した澱粉糊化
液を用いてピグメントコート用の塗料とした場合には使
用量にもよるが塗料粘度が高くなるなど問題を有してい
た。
従って、本発明は上述のような問題点を解決する新規な
澱粉糊液の老化防止方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の目的は澱粉を糊化した後も糊液の老化が
少なくかつこの糊液を製紙工業で各種用途に使用しても
特性の劣化がない澱粉の老化防止方法を提供することに
ある。
本発明者らはこの目的を達成するために澱粉の老化機構
並びに老化防止機構を鋭意研究した結果、タマリンドシ
ードガムを澱粉糊液の老化防止用添加剤として使用する
ことによって、上記目的が達成されることを見い出し、
本発明に到達したものである。
タマリンドシードガムは、インド、ビルマ、エジプトな
どの熱帯地方に生育する常緑樹の種子から得られ、D−
キシロース、D−カラクトース、D−グルコースからな
る多糖類からなっている。この物質が何故澱粉糊液に対
して老化防止効果があるのかはいまだ不明であるが、こ
の分子が澱粉分子と糊液中での分子の広がりが異なるた
め、アミロースの再会合を妨げるのではないかと考えら
れる。
タマリンドシードガムの添加時期としては糊化前の澱粉
粉末に混合するのがもっとも効果的であるが、澱粉を糊
化した後に添加してもよい。また、自家酵素変数の場合
には、使用する酵素にもよるが、例えばα−アミラーゼ
のように、α−1,4グリコシド結合にしか作用しないよ
うな酵素を使用する場合には、澱粉を糊化する前の水に
溶解して置いてもよいし、上記老化防止剤を澱粉粉末と
混合して置いて糊化を行ってもよい。
なお、タマリンドシードガムは、老化防止剤として公知
である界面活性剤類と併用して使用することもできる。
本発明のタマリンドシードガムなどの多糖類の添加量
は、澱粉の重量(固形分)で0.1〜2%までが好まし
い。この発明よりも少ないと澱粉糊液の老化防止効果が
十分でなく、糊液の粘度上昇やゲル化が起こり易くな
る。一方、この範囲よりも多くなると、老化防止剤とし
て使用した多糖類そのものの粘度増大によって、澱粉糊
液自体の粘度が高くなり好ましくない。
本発明に使用される澱粉の種類としては、トウモロコシ
澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、等の澱粉
が使用される。また、公知の方法によって各種の変性を
加えた酸化、エステル化、カチオン化等の変性澱粉でも
良い。
更に、未処理の澱粉を酵素変性、酸化変性、酸変性など
のいわゆる自家変性をしてもよい。
本発明によって得られる澱粉糊液は、優れた性質を有す
るとともに、タマリンドシードガムが生体に対してまっ
たく毒性がないため、製紙工業以外の食品工業、医薬品
工業、繊維工業でも利用することが出来る。
製紙工業で利用する場合には、紙コーティング、サイズ
プレス、内面添加等の用途に、優れた適用性を示すもの
であり、アート紙、コート紙、上質紙、中質紙、板紙等
あらゆる種類の紙に使用できる。
顔料コーティング塗料用として使用する場合には、カオ
リン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、二参加チタ
ン、プラスティックピグメント等の顔料、スチレン−ブ
タジエン系共重合体、酢ビ−アクリル共重合体、等の合
成高分子接着剤、その他の助剤として顔料分散剤、増粘
剤、消泡剤、等からなる塗布組成物の保水剤として添加
される。このような塗料の塗工装置としては、ブレード
コーター、エアナイフコーター、ゲートロールコーター
等公知のコーターが使用できる。
サイズプレス液として使用する場合には、希釈された澱
粉糊液をそのまま使用することも出来るし、他の表面サ
イズ剤等と併用することも可能である。サイズプレス装
置としては、ホリゾンタル型、バーチカル型、インクラ
イン型等の衆知の装置が使用できる。
内面添加としては、ビーター添加、種口添加等の衆知の
添加法が行える。
〔実施例〕
以下に、本発明について実施例及び比較例により更に詳
細に説明する。なお、実施例等において部及び%は特に
記載しない限り、絶乾重量部及び絶乾重量%を表す。
実施例1 水241部に、タピオカ澱粉100部に対して0.1%のタマリ
ンドシードガムをあらかじめ混合した粉末を撹拌しなが
ら加え、10%硫酸でpHを6.0にした。1%α−アミラー
ゼ水溶液9部を加えた後、70℃に加熱して糊化及び酵素
変性を行った。酵素の作用により糊化液粘度が低下して
くるので約200cpsになった時点で濃度を調整し、B型粘
度を測定した。酵素の作用により粘度低下が進むので、
175cpsになった時点で10%硫酸によりpHを3.0にして酵
素を失活させた。10分間攪拌しながら酵素を完全に失活
させた後、10%苛性ソーダでpHを7.0に調整した。濃度
を調整し、40%の澱粉糊化液を得た。少量の糊液を採取
し、30℃の水槽に保管し、1時間後糊液温度が30℃にな
っていることを確認し、B型粘度を測定した。更に、老
化防止の効果を明確にするため30℃の水槽に1昼夜保存
後のB型粘度を測定し、その結果を表1に示す。
実施例2 実施例1のタマリンドシードガムの添加量を0.5%に代
えた以外は、実施例1と同様に糊化及び粘度測定を行
い、その結果を表1に示す。
実施例3 実施例1のタマリンドシードガムの添加量を1.0%に代
えた以外は、実施例1と同様に糊化及び粘度測定を行
い、その結果を表1に示す。
比較例1 実施例1において老化防止剤としてタマリンドシードガ
ムを使用しない以外は実施例1と同様に糊化及び粘度測
定を行い、その結果を表1に示す。
比較例2 実施例1においてタマリンドシードガム0.1%の代わり
に0.1%のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(花王製 エマルゲン985 HLB18.9)を使用した以外は
実施例1と同様に糊化及び粘度測定を行い、その結果を
表1に示す。
比較例3 実施例1のタマリンドシードガム0.1%をキサンタンガ
ム0.1%に代えた以外は実施例1と同様に糊化及び粘度
測定を行い、その結果を表1に示す。
比較例4 実施例1のタマリンドシードガム0.1%をグアーガム0.5
%に代えた以外は実施例1と同様に糊化及び粘度測定を
行い、その結果を表1に示す。
実施例4 実施例1で得た澱粉糊化液を5%に希釈し、サイズプレ
ス液とし、60℃に加温し、サイズプレスを行った。乾
燥、調湿後表面強度を測定し、その結果を表2に示す。
実施例5 実施例2で得た澱粉糊化液を用いた以外は、実施例4と
同様にサイズプレスを行った。乾燥、調湿後表面強度を
測定し、その結果を表2に示す。
実施例6 実施例3で得た澱粉糊化液を用いた以外は、実施例4と
同様にサイズプレスを行った。乾燥、調湿後表面強度を
測定し、その結果を表2に示す。
比較例5 比較例1で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例4と
同様に行い、その結果を表2に示す。
比較例6 比較例2で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例4と
同様に行い、その結果を表2に示す。
比較例7 比較例3で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例4と
同様に行い、その結果を表2に示す。
比較例8 比較例4で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例4と
同様に行い、その結果を表2に示す。
実施例7 顔料としてカオリン50部、重質炭カル50部を水中に良く
分散した後に、合成高分子接着剤としてスチレン−ブタ
ジエンラテックス10部と保水剤として実施例1で得た澱
粉糊化液25.5部を加えよく攪拌混合して固形分濃度65%
の塗工液を得た。この塗工液を48g/m2の塗工原紙に塗工
量が片面10g/m2になるように両面塗工した。乾燥、調湿
後カレンダー処理を行い、出来上がった塗工紙の物性を
測定した。結果を表3に示す。
実施例8 実施例2で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例7と
同様に塗工液を得た。
実施例9 実施例3で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例7と
同様に塗工液を得た。
比較例9 比較例1で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例7と
同様に塗工液を得た。
比較例10 比較例2で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例7と
同様に塗工液を得た。
比較例11 比較例3で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例7と
同様に塗工液を得た。
比較例12 比較例4で得た澱粉糊化液を使用した以外は実施例7と
同様に塗工液を得た。
以上の実施例8〜9及び比較例9〜12で得た塗工液を使
用して、実施例7と同様にして塗工原紙に塗工し、塗工
紙の物性を測定した。結果を表3に示す。
測定条件は下記による。
(1)粘度;B型粘度計(東京計器社製)による測定、単
位はCPS。
(2)白紙光沢度;JISP8142に従い角度75゜で測定し
た。単位は%。
(3)表面強度;RI印刷試験機を用いて判定した。テス
ト方法は塗工紙を一定のタックを持つインキで印刷し、
その時の表面のムケ具合いを視感にて5〜1にランク付
けして判定した。数値5はムケのない状態であり、数値
1は全面的にムケている状態である。
以上の表1〜3から、タマリンドシードガム又はプルラ
ンを配合することにより、澱粉糊液の老化防止性が改善
されるとともに、サイズプレス液やコーティング塗料と
して使用した場合にすぐれた特性が得られることが分
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/54

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タマリンドシードガムを澱粉糊液の老化防
    止用添加剤として使用することを特徴とする澱粉糊の老
    化防止方法。
  2. 【請求項2】前記澱粉糊液が酵素変性澱粉、酸化変性澱
    粉又は熱変性澱粉からなる請求項(1)記載の方法。
  3. 【請求項3】前記澱粉糊液の用途がサイズプレス液、コ
    ーティング塗料又は内面添加組成物である請求項(1)
    記載の方法。
  4. 【請求項4】タマリンドシードガムと澱粉粉末とからな
    る老化防止澱粉糊液用の組成物。
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