JPH069255A - 粉体状動物性蛋白質起泡剤、その製造方法及びその用途 - Google Patents

粉体状動物性蛋白質起泡剤、その製造方法及びその用途

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JPH069255A
JPH069255A JP17905192A JP17905192A JPH069255A JP H069255 A JPH069255 A JP H069255A JP 17905192 A JP17905192 A JP 17905192A JP 17905192 A JP17905192 A JP 17905192A JP H069255 A JPH069255 A JP H069255A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気泡コンクリート等の発泡体を製造するのに
適する粉体状の蛋白質起泡剤、その製法及びその用途を
提供する。 【構成】 ケラチン蛋白質のうち特に羽毛を原料とし
て、還元剤、副反応防止剤をアルカリ類と併用して加水
分解して得られる分子量1000〜2000のポリペプタイド水
溶液をスプレードライ等にて粉体状としてなる動物性蛋
白質起泡剤。 【効果】 起泡剤が粉体であるため、従来のケラチン蛋
白質起泡剤の有する臭気が無く、コンクリートに使用し
た時、耐熱性、耐水性に優れた軽量コンクリートが得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原料として利用価値の少
い、また廃棄公害となりかねないニワトリ等の鳥の羽毛
を原料とする、ケラチン蛋白質を原料とした起泡剤に関
するもので、従来のコラーゲン蛋白質起泡剤より優れ
た、起泡性、安定性、無臭性、作業性を有する起泡剤お
よびその製造方法、並びに該粉体状起泡剤を用いて製造
された種々の優れたコンクリート製品に関する。
【0002】
【従来の技術】加水分解した蛋白質を起泡剤として使用
することは既に知られている。従来は原料として動物の
皮、腱、骨等のコラーゲン蛋白質を用い、これをアルカ
リで加水分解してペプタイド状の起泡剤を製造していた
が、これらの原料は、食用蛋白質として有用であること
から安価でなく、また原料を精製しなければならない程
不純な原料が多いため、従って洗浄、排水等の問題が生
じ、生活環境的、立地的、経済的にも大きな制約を受け
ていた。またこれらの蛋白質は原料が比較的高価であ
り、且つ製品がコラーゲン蛋白質を分解したときの特有
の悪臭を有し、使用時において抵抗感があり、これを用
いて製造されたコンクリート製品に悪臭が残る欠点があ
った。このほか牛馬のひずめや角を原料とするケラチン
蛋白質起泡剤も使用されているが分解が容易でないた
め、狭い範囲の分子量分布を有するペプチドが得にくい
ことと、動物の成育度、経歴が一定でないため原料の分
解度がまちまちで一定の品質を得ることが困難であり、
特にケラチン蛋白質は硬蛋白質に属し分解が容易でない
ためこの傾向が著しかった。
【0003】また従来のコラーゲン蛋白質およびケラチ
ン蛋白質からなる起泡剤は、その製造上の都合から、40
%〜50%濃度の水溶液として供給されていた。そのた
め、蛋白質の経時変化的加水分解の進行や、腐敗などに
よる製品の安定性の悪さや起泡力の低下が生じていた。
更にまた、気泡の安定性を得るための安定剤が溶存して
いるため、これが蛋白質と化学反応を起こして不溶性沈
澱物を生じ、著しく品質を不安定にしていた。更にま
た、製品とした後のこれら加水分解等に基づく悪臭の発
生もあり無臭の発泡体を得ることが難しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食用鶏肉処
理工場等の鳥処理工場で大量に副生産され、しかも利用
価値が少ないため、今後廃棄処理が問題となる羽毛を原
料として、有用なしかも従来の起泡剤より優れた起泡力
を有する粉体状蛋白質起泡剤を提供すること、また該起
泡剤を用いて、無臭で、微細な均一の泡径を有する独立
気泡より成るコンクリート製品等を提供することを目的
とするものである。
【0005】従来の蛋白質起泡剤は濃度が40%〜50%の
水溶液であり、経時変化のため保存上の問題が多く、ま
た運搬上の問題点もあるのに対し、本発明は最終製品を
乾燥して粉砕するか又はスプレードライ機にかけて直接
粉体状にすることによってこれらの問題を解決し得たも
のである。特にスプレードライした粉体状製品は、多孔
質体であり、溶解性、発泡性に優れ最も好ましい結果を
与える。
【0006】また、従来の蛋白質起泡剤は原料を牛、馬
等の動物に求めているため、長期の供給安定性に欠ける
こと、動物の生育経歴によって原料の成分、架橋結合度
の変化によって分解度が異なること、また臭気があるた
め用途が制限される。また、これら従来の起泡剤を用い
て製造された発泡コンクリート製品は、品質が不安定な
ため一定の製品を得ることが困難であり、気泡も不揃い
で且つ出来上がった製品に悪臭が残存するという欠点が
あった。本発明による粉体状蛋白質起泡剤は使用直前に
水溶液となし、起泡剤の水溶液と安定剤の水溶液とを混
合して使用するため常に一定の気泡が得られ、コンクリ
ートとの配合比も一定になり、安定した発泡コンクリー
ト製品を得ることができる。更に起泡剤が無臭に近いた
め、出来上がったコンクリート製品も無臭に近いものが
得られる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の蛋白質起泡剤
は、ケラチン蛋白質を分子量1000〜2000のポリペプタイ
ドにまで分解してなるものであり、特に羽毛を分子量10
00〜2000のポリペプタイドに加水分解した蛋白分解物か
らなるものである。
【0008】ケラチン蛋白質はジスルフィド結合(−S
−S−)による網状結合を有するため分解が難しく、ま
た原料的にも、一定の品質のものが得にくいものである
が、本発明者は、食用鶏加工場から大量に出る羽毛が生
育年数がほぼ一定であり、従って羽毛構成品質が一定で
且つ生育年数が若いため分解が容易であることに着目し
て本発明を完成した。
【0009】本発明においてケラチン蛋白質原料として
は、飼料用に加工したフェザーミールを原料として使用
することもできるが、価格の点から直接鳥の羽毛を原料
とするのが有利である。食用鶏加工場から出る羽毛は充
分洗浄されているのできれいであり、そのまま利用で
き、且つ一工場から数%〜数十%の含水状態、例えば60
%〜70%の含水状態で1ケ月1000トン以上の生産量があ
り、原料的にも充分使用できるものである。特に食用鶏
肉加工工場より出る羽毛は、食用鶏肉を一定の品質に保
つため、飼育する鶏も同一品種のものが成育され、また
不必要に長期間飼育することは食肉生産上不経済である
ことから、一定期間飼育した後は一度に食肉加工される
ため成育度も同じである。そのため、原料蛋白質の含有
量や蛋白質の構成アミノ酸や架橋度も同じであり、分解
処理等も容易にしかも同一程度の分子量に分解すること
ができる。
【0010】本発明者は更に研究を進めた結果、ケラチ
ン蛋白質を起泡剤として使用するには、分子量1000〜20
00のポリペプタイドとすると良好な起泡効果が得られる
ことを見出した。ここで分子量は平均分子量を意味す
る。分子量の測定は通常の方法で行ってよく、例えば超
遠心による沈降平衡法、簡便には粘度測定法によって行
うことができる。本発明においてポリペプタイドの分子
量が1000以下のものは被膜強度、被膜形成能力が低いた
め、起泡力、および泡の安定性の点で好ましくなく、分
子量が2000以上のものは発泡性が劣ることが経験的に認
められた。
【0011】上記の様に、従来の起泡剤の蛋白質原料の
場合、例えば獣皮を使用した場合、多くは獣皮の表面に
毛があることから、毛と皮の部分の蛋白質が異なるた
め、分解によって得られるポリペプタイドの分子量や蛋
白構成分子が異なり、起泡力を不揃いのものとしてい
た。また成育期間が長くなるとケラチン蛋白質における
シスチン結合、ジスルフィド結合(−S−S−)による
網目構造の度合いが大となるため分解の程度が不揃いと
なりやすく、一定のポリペプタイドが得にくい。
【0012】本発明は食用鶏処理工場からの成育度一定
の羽毛を使用するため、容易に加水分解でき、上記分子
量分布を有する良好な起泡剤を得ることができた。また
羽毛中にはケラチン蛋白質のほかに他の蛋白質も多少含
まれるが、本発明の場合これらの蛋白質も何らかの形で
起泡力に寄与しているものと考えられる。原料としての
羽毛はニワトリ、アヒル等種々のものが考えられるが、
原料の供給性や品質の一定性の点から鶏卵生産場や食用
鶏肉工場からのものがよく、ブロイラーなどの1年以内
の飼育されたニワトリの羽毛がよい。
【0013】本発明の蛋白質起泡剤の製法を図1にした
がって具体的に説明する。本発明において原料の羽毛を
分解するには、鶏肉処理工場から連続的に出てくる良く
水洗された羽毛を分解釜に入れて行う。図1の原料羽毛
処理工程で、分解釜に入れる前または入れた羽毛に、後
の工程で加えられる加水分解用の薬品の浸透等をよくす
るために、界面活性剤例えばドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム(DBS)を加える。界面活性剤の量は種
類によって多少異なるが、DBSの場合羽毛に対して粉
末状で1%程度の量加える。そして、適量の水を加え
る。水の量は乾燥羽毛の重量に対して5倍量程度加え
る。
【0014】次に反応釜に入れた前記羽毛を加水分解す
る。加水分解は、アルカリ分解液を加えて行う。具体的
には、原料羽毛に対し適正量のカセイソーダ、消石灰等
のアルカリ剤を使用し、またシスチン結合を切断するた
めのメルカプトエタノール、チオグリコール酸を添加
し、更に亜硫酸水素ナトリウム、硫化ナトリウム等の還
元剤、副反応防止剤を加えて行うとよい。これらの薬品
を水に溶解し、水溶液として添加する。
【0015】ケラチン蛋白質の分解の場合、シスチン結
合が切断された時に副生されるチオール基、ビニール
基、アルデヒド基等の二次反応によって生成される極め
て安定なランチオニンがアルカリ分解を著しく阻害する
という説がある。本発明者は研究の結果、ヒドラジン、
ヒドロキシルアミン、ピペラジン、メチルアミン類を複
合反応防止剤(副反応防止剤)として添加してアルデヒ
ド基、チオール基群を不活性化するとアルカリ分解が速
やかに行われることを知得した。使用する薬品量は、経
験的に一定の量が決定される。分解条件は、作業性、経
済性、品質の安定性から、加圧釜中で 100℃〜 120℃で
1時間位行うのが好ましい。分解終了後、濾過工程で加
水分解した液を濾過して分解液と残渣とに分離する。残
渣は有機物質を多量に含むため、例えば肥料として使用
することができる。次いで、分解液を燐酸等で中和して
pH7.0 とし、分解反応を停止させる。
【0016】起泡剤として使用される蛋白質分解液は、
蛋白質の分子量が1000〜2000位のポリペプタイド状に分
解されることが望ましい。従って加水分解に使用される
アルカリは、カセイソーダより作用がゆるやかな石灰類
を使用すると好結果が得られることがわかった。また、
分解終了時に液を中和した時、カセイソーダであると塩
分として起泡剤中に残留する量が多くなるが、石灰類を
使用する時は燐酸又は蓚酸によって中和することによっ
て大部分が不溶性塩となって沈下するので、中和後の濾
過工程で容易に除去される。またこの際生じた不溶性塩
は、分解液中の不純物と共沈するので濾液の清澄作用を
行う利点がある。中和剤として燐酸を使用したときの工
程での濾過残渣は燐酸カルシウムが得られることから、
肥料として使用できる。
【0017】上記の濾過工程で得られる濾液は40〜50%
以下の濃度で得られるので、必要に応じて気泡安定剤を
加えて、50%以上の濃厚液に濃縮する。濃縮は、加熱し
て水分を蒸発させる方法や減圧濃縮法によってもよく、
所望により凍結乾燥法等も使用できる。気泡安定剤とし
ては従来公知のものが使用できる。界面活性剤を気泡安
定剤とするときは、DBSなどのアニオン界面活性剤を
使用する。使用量は、50%分解濃縮液に対して2〜3%
程度加えるとよい。
【0018】従来の起泡剤は、上記のような段階で得ら
れた蛋白質分解液に、泡膜の安定剤として、アルミニウ
ム塩、クロム塩、鉄塩、アルデヒド類等を加えて起泡剤
として市販されているが、本発明者の研究によれば、こ
れらの安定剤は蛋白質との反応性が強いので、起泡剤溶
液中に含有させると保存中に種々の不溶化反応を起して
不溶性凝固物を析出し、品質を不安定にする欠点がある
ことがわかった。それ故、本発明では上記で得られた分
解濃縮液をそのまま、またはアニオン界面活性剤を含む
分解濃縮液を乾燥して粉末化する。本発明品は使用直前
に粉末起泡剤の水溶液と安定剤の水溶液を混合して使用
するので、上記の様な従来の起泡剤の欠点を完全に克服
することができた。また、界面活性剤を起泡増進剤、安
定剤として使用できることがわかった。界面活性剤は上
記のように、アニオン界面活性剤が使用でき、カチオン
及びノニオン系のものは好ましくない。
【0019】得られた分解濃縮液は、必要に応じて濾過
した後乾燥する。乾燥はスプレードライヤーにかけて直
接乾燥粉体とすることが好ましいが、このほかディスク
又は乾燥ドラムに濃縮液を流し乾燥させてフレーク状と
して得、これを必要に応じて粉砕して粉体状とする。得
られる乾燥粉体の粒度は、加水分解液の濃度とスプレー
時の水滴の大きさによって異なるが、得られた粉体のサ
イズが40〜50ミクロンの粒度分布に入る様にしたものが
好ましい。スプレー法によるときは、得られる粉体は多
孔質体となるので、溶解性が良好で作業性が向上する。
フレーク状としたときは、スプレー法の粉体の3倍程度
の嵩量となるが、同様に溶解性は良好である。
【0020】加水分解液のスプレードライは、通常空気
中で蛋白質が酸化されない程度の熱風流中に分解液を噴
霧することによって行うが、蛋白質の分子量が大きい場
合にはこの乾燥時に酸化分解させて分子量を調整しても
よい。スプレードライは、必要ならば窒素ガス、炭酸ガ
スなどの非酸化性ガス中で行ってもよい。従来の起泡剤
は、安定剤が添加されているので、粉体に仕上げると加
熱乾燥中に化学反応が進行し起泡剤が完全に不溶化して
使用することができなくなる。本発明の場合は、起泡剤
本体と従来の安定剤とは別々となっており使用時に用い
るようになっているので、この様な現象は全く起こらな
い。なお、界面活性剤を安定剤とするときは、加熱乾燥
時に上記反応は生じない。
【0021】本発明によれば、蛋白質の分解工程中に発
生して分解液中に溶存しているアンモニア、硫化水素、
メルカプタン等の悪臭ガス成分が、分解液のスプレード
ライヤーなどによる乾燥・粉体化工程により、飛散除去
されるので、得られた製品は無臭に近く種々の用途開発
が可能となる。例えば、従来のケラチン蛋白質系起泡剤
は製品に上記の悪臭が残るため、臭気が問題とされない
部分に使用する気泡コンクリートや泡消火器などに使用
されていたが、本発明起泡剤はほとんど臭気を発しない
ため従来の用途のほかに香料、芳香剤等を加えて気泡コ
ンクリートで擬木などを作ることができる。本発明起泡
剤の水溶液によって得られる気泡は、従来のものに比べ
て強度があり、長時間気泡状態を示す。参考までに各種
蛋白質起泡剤および界面活性剤の気泡被膜の強度を図2
に示す。図からわかるようにケラチン蛋白質は低濃度で
強い泡膜強度を示す。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらに限られるものではない。 実施例1 食用鶏工場からのニワトリの羽根1Kgを加圧釜に採取
し、水10L(リットル)を入れ、羽根中の油脂分を乳化
し薬品類の滲透をよくするため界面活性剤(DBS)を
羽毛に対して1%量入れてよく攪拌する。ついで消石灰
100g、亜硫酸水素ナトリウム10gおよびヒドラジン10
gを入れて 100℃〜 120℃で1時間分解する。分解終了
後、分解残渣と上澄液とを分離したのち燐酸で pH7.0〜
7.5 に中和する。中和液を濾過して生じた燐酸カルシウ
ムを除去し、濾液をスプレードライヤーにかけて粉末体
に仕上げる。乾燥状態の鳥の羽根の重量に対して約40重
量%の量の粉末起泡剤を得る。
【0023】実施例2 乾燥羽毛 400gと水2000ccを加圧釜に仕込み、界面活性
剤20gを入れてよく攪拌する。次に消石灰 100g、硫化
ナトリウム5gおよびメチルアミン10gを入れて 100℃
〜 120℃で1時間分解する。分解終了後、分解残渣と上
澄液とを分離したのち燐酸で pH7.0〜7.5 に中和する。
中和液を濾過して燐酸カルシウムを除去し、濾液をスプ
レードライヤーにかけて粉末体に仕上げる。粉末乾燥製
品 150gを得る。
【0024】実施例3 ポルトランドセメント 5000g 砂 5000g 水 2000cc 上記混合物を混練ミキサーに入れて2〜3分間よく練
る。このようにしたセメント混合物に起泡剤液を起泡さ
せた気泡液を配合する。 粉末起泡剤 40g 水 1000cc 起泡安定剤 2g 上記起泡剤混合物を攪拌溶解し、これを発泡機に入れて
1〜2分間よく発泡させる。20〜30μm(ミクロン)の
大きさの泡の集合体となった完全な発泡液になったもの
を上記セメント、砂の混合物に混入し2〜3分間よく混
練し、完全に混合したところで型に流しこみセットす
る。このようにセットしたセメント硬化物は、常法に従
い水を含んだ発泡ポリウレタンシートで覆って約1週間
養生し、完全な硬化物とした。得られたセメント硬化物
は、微細な気泡が均一に分散含有された軽量コンクリー
トであった。その後、このセメント硬化物を風通しの良
い日陰に放置して乾燥させたものは、後記するように、
ガスバーナーの炎で赤熱する程度に加熱しても破損しな
かった。これに対して、従来の市販の液状ケラチン蛋白
質起泡剤を使用して同様に硬化させたセメント硬化物
は、バーナーの加熱によって容易に破損した。また、上
記組成物で厚さ30mmの軽量コンクリート板を作成し、こ
の板面にガラス管を立て水を入れて JIS A 5403 6.5
(石綿スレートの透水試験)の試験を行ったところ、透
水量は3mm以下で、完全防水性であり気泡が独立気泡で
あることが認められた。なお、上記において粉末起泡剤
は実施例1で得られたものを使用した。
【0025】実施例4 ポルトランドセメント 5000g 砂 5000g 水 2500cc 上記混合物を混練ミキサーに入れて2〜3分間よく練っ
て、容積約6000ccで比重 2.1の混合物を得た。このよう
にしたセメント混合物に実施例3の方法で得た気泡液を
下記の量で配合し、硬化させて気泡入り軽量コンクリー
トを得、その比重を測定した。
【表1】 上記表1に示されるコンクリートの比重は、ほぼ計算値
と一致し、得られた軽量コンクリートに、通常「やせ
る」といわれる硬化時の体積減少が無いことが認められ
る。
【0026】実施例4 実施例3のセメント混合物に気泡液 2000cc を加えた混
合物を容積1000ccのプラスチック製バットにとり、鏝で
良くならしてセットし、24時間放置後のバット壁と凝固
コンクリート体との境界面の隙を見たが、隙は全く無く
体積が減少しないことが認められた。
【0027】実施例5 ポルトランドセメント 2500g 砂 2500g 砂利 2500g 水 1500cc 上記を混合したセメント混合物に気泡液 4000cc を混入
して実施例3と同様にして厚さ10cm、比重 1.4のコンク
リート板を作った。凝固後これを切断し。その断面を調
べたところ、砂、砂利は均一に分散しているのが認めら
れた。
【0028】実施例6 実施例3のセメント混合物に気泡液を混入する際、気泡
液にヒノキの香りの芳香剤を混入してセメント−気泡混
合物を作り、これを木材状に硬化させて擬木を作成した
ところ、従来の悪臭の無い木材状のコンクリート材が得
られた。
【0029】
【発明の効果】従来の動物性蛋白質を主体にした起泡剤
と本発明による鳥の羽毛ケラチン蛋白を原料とした起泡
剤と比較してみると、以下の点で本発明のケラチン蛋白
分解起泡剤の方が優れていることがわかる。 1.従来のケラチン蛋白分解起泡剤は、シスチンに由来
するメルカプタン、硫化水素、アンモニア等の特有の悪
臭があって作業上の抵抗感があり、起泡コンクリートに
悪臭が残留する。本発明の鳥の羽根からのケラチン蛋白
質分解起泡剤は、原料である羽毛の成育度が低く分解が
容易であるので、上記悪臭ガス体の発生率が少なく、且
つ分解液をスプレードライ方式で乾燥するので悪臭ガス
体は飛散し無臭に近い製品が得られる。
【0030】2.従来、ケラチン蛋白質起泡剤の原料と
されている牛馬のひずめや角は分解するのに5〜6時間
を要するが、鳥の羽根ケラチン蛋白質は分解、溶液化が
容易で1時間で十分であるので、作業性、燃料費の点で
大いに有利である。また、牛馬のひずめや角の場合には
そのまま原料として使用できず、あらかじめ粉砕する必
要があり、そのための費用や労力を必要とするが羽毛の
場合はこのような問題は全くない。
【0031】3.ケラチン蛋白質起泡剤を用いて気泡コ
ンクリート製品を作る場合、従来の起泡剤ではコンクリ
ート製品に悪臭が残留し、また起泡剤の品質が安定して
いないため均一で一定な製品を得ることが出来ない。本
発明の起泡剤を用いた場合は、出来たコンクリート製品
は無臭に近く、起泡剤が粉末体で起泡安定剤と別々に使
用し、使用直前に配合されるので品質が常に一定な起泡
体が得られる。従って、出来上がった気泡コンクリート
も常に一定なものが得られる。気泡が安定でサイズの一
定な微細な気泡がコンクリート製品に均一に分布してい
るので、防音性、防湿性、耐熱性に優れた気泡コンクリ
ートを作ることができる。
【0032】4.従来の牛馬のひずめを原料とするケラ
チン蛋白質分解起泡剤と本発明による起泡剤とを、その
起泡性、泡の安定性について簡便な試験法で比較したと
ころ優れた結果を示した。その結果を以下に示す。
【0033】試験方法 起泡剤原液を 0.6ccとり水で20ccに希釈し、 200ccのメ
スシリンダーにとり蓋をして激しく上下に10数回振って
泡立て、発生した気泡の高さをメスシリンダーの目盛り
(cm3 )数で表した、測定は、泡立て直後、1時間後、
10時間後に行った。原液は、本発明のものは上記実施例
1で得られた粉末起泡剤を40%水溶液としこれに硫酸ア
ルミニウム10gを添加した溶液を原液として使用し、従
来のものは牛のひずめを原料とし、カセイソーダを使用
して5時間加水分解したこと以外は実施例1に従って調
製し同様に硫酸アルミニウムを配合したものを用いた。
【0034】
【表2】
【0035】上記表1の結果からわかるように本発明の
起泡剤は長時間起泡状態が持続する。また、泡立ち性も
良好であることから、簡単な攪拌で発泡状態を得ること
ができる。そのため従来の発泡コンクリートの製造や泡
消火器などに使用できる他、種々の発泡用途に使用でき
る。本発明の起泡剤は粉末状として保存供給し、使用に
際して液化すればよいため、貯蔵費、輸送費等がかから
ず、また従来の水溶性のものと異なり防腐剤等の安定剤
を加える必要もないことから、起泡剤本来の起泡力を損
なうことなく使用できるなど優れた多くの利点を有す
る。粉末状とした本発明の起泡剤は、プラスチック製容
器、金属缶などに乾燥剤または酸素吸収剤を入れて密封
することにより、長期保存が可能で1年以上貯蔵したも
のでも水溶液として使用したとき製造当初のものと何等
変りない起泡力を示した。
【0036】実施例3によって製造された独立起泡コン
クリート体は起泡の分布が各部位とも均等であり、骨材
の砂も分離することなく、均等に分散していた。従来の
起泡剤を用いた起泡コンクリート体は、気泡の被膜強度
が弱いので骨材の砂は分離傾向にあり、起泡の分布も不
均等で起泡のサイズも不揃いで一定の品質でなかった。
従って実施例3によって作られた気泡コンクリート体は
品質が一定のため、特に耐熱性、耐湿性、耐防音性に優
れた効果を表す。一例として厚さ5cm位の該起泡コンク
リート体をとりその上にマッチ棒の軸をのせ、下部より
ガスの直火で加熱し、加熱面が 800〜1000℃になるまで
赤熱し1時間以上経過するもマッチ棒の軸はそのままの
形態を維持していた。また赤熱した起泡コンクリート体
は冷却後も崩壊、変形することなくセラミック状に原形
を保持していた。従来の気泡コンクリート体は 500〜 6
00℃位で亀裂が入り破損するのが通常である。従って従
来の起泡剤を用いた気泡コンクリート体の製造や気泡コ
ンクリート工法に、本発明の粉末蛋白起泡剤を用い、使
用直前に、起泡剤と安定剤を水溶液として混合し、発泡
させて気泡コンクリート体にする方法を行えば、今迄行
われていた色々な面において大きな改良が得られると考
えられる。以下各種の用途、応用面を列記する。
【0037】(1)トンネル裏打込注入 (2)シールド工事における注入 (3)落盤、地盤沈下等によりできた空洞の充填 (4)よう壁、石積の補強のための裏打込注入 (5)堤防のコンクリート背面への空隙充填 (6)各種注入工事 (7)断熱、保温面への裏打込注入 (8)住宅用軽量パネル (9)擬木その他の擬似製品 (10)その他軽量コンクリート製品一般、 (11)耐火構造用パネル及び現場打ち込み用耐火構造カ
ベ、天井、屋根、床等 (12)発泡モルタル成形体、発泡石膏製品の製造
【図面の詳細な説明】
【図1】本発明起泡剤の製法を示すフローシートであ
る。
【図2】各種起泡剤の泡膜強度を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケラチン蛋白質を分子量1000〜2000のポ
    リペプタイドに分解し粉体状に乾燥した蛋白分解物から
    なることを特徴とする動物性蛋白質起泡剤。
  2. 【請求項2】 羽毛をアルカリ加水分解して得られた分
    子量1000〜2000のポリペプタイドを粉体状に乾燥したこ
    とを特徴とする請求項1記載の動物性蛋白質起泡剤。
  3. 【請求項3】 ケラチン蛋白質のうち特に羽毛を原料と
    し、還元剤、複合反応防止剤をアルカリ類と併用して、
    分子量1000〜2000のポリペプタイドにまで加水分解し、
    これを粉体状に乾燥することからなる蛋白質起泡剤の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載された粉体状動
    物性蛋白質起泡剤を使用して製造されたコンクリート製
    品。
  5. 【請求項5】使用直前に起泡剤の水溶液と安定剤とを混
    合して使用することからなる、請求項1または2に記載
    の粉体状動物性蛋白質起泡剤の使用方法。
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