JPH0693352B2 - イオン打込装置 - Google Patents

イオン打込装置

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JPH0693352B2
JPH0693352B2 JP62158629A JP15862987A JPH0693352B2 JP H0693352 B2 JPH0693352 B2 JP H0693352B2 JP 62158629 A JP62158629 A JP 62158629A JP 15862987 A JP15862987 A JP 15862987A JP H0693352 B2 JPH0693352 B2 JP H0693352B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はイオン打込装置に係り、特に大電流イオンビー
ムを低エネルギーから高エネルギーまで広範囲で引出す
のに好適なイオン打込装置の電極系に関する。
〔従来の技術〕
半導体装置の多様化に伴い、半導体素子への不純物イオ
ン注入に用いるイオン打込装置の打込みエネルギーは電
圧にして10kVから200kVと広範囲に変えられることが要
求されるようになってきた。このため、イオン源からイ
オンビームを40kV程度の電圧で引出し、半導体素子へ打
込む直前に再度加速あるいは減速して打込みエネルギー
を調整するイオン打込装置が考えられている。このよう
なエネルギー調整法をとるイオン打込装置は後段加減速
方式のイオン打込装置と呼ばれ、これについては、「イ
オン・インプランテーション・テクニック」、スプリン
ガー・ベルラーグ出版、1982年、第4頁(“Ion Implan
tation Tecknick,"Springer-Verlag(1982),P4)にお
いて論じられている。
第5図は従来の後段加減速方式のイオン打込装置を示す
図である。イオン源1で生成されたソースプラズマから
引出電極系2の作る電界によってイオンビーム5を引出
す。このイオンビームを質量分離磁石3と質量分離スリ
ット9を通して不要な成分を取除き、高電圧の印加され
た電極41とアース電極42とからなる後段加減速電極系4
でエネルギーを調整した後、打込室6内の回転円盤61上
の半導体素子62にこのイオンビームを打込む。
また、第5図に示した後段加減速式のイオン打込装置に
おいて、第6図の如く質量分離スリット9を後段加減速
電極系4の下流側に移した従来例もある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
第7図は、第5図に示すイオン打込装置において例えば
3成分からなるイオンビーム5を質量分離磁石3と質量
分離スリット9を通して、イオンビーム成分5b,5cを取
除き、5a成分のみを取出す質量分離の原理を示す図であ
る。イオンビーム成分5a,5b,5cの質量数及び質量分離磁
石3内での旋回半径をそれぞれ、Ma,Mb,Mc,Ra,Rb
Rcとすると、次式が成り立つ。
ところで、例えばMa=10,Mb=11とするとRb=1.05Ra
あるのに対し、Ma=100,Mb=101とするとRb=1.005Ra
ある。このように、イオンの質量数が大きくなるにつれ
て、質量数が1つ異なるイオンビームの質量分離が難し
くなる。さらには、各イオンビームは51a,51b,51cのよ
うな強度分布を持っている。従って、質量分離スリット
9を通過するイオンビームの純粋さとビーム電流量との
かねあいで、質量分離スリット9のスリット幅を調整す
る必要がでてくる。
しかるに、第5図に示した従来の後段加減速方式のイオ
ン打込装置では、質量分離スリット9が後段加減速電極
系4の高電圧側に設けられているため、スリット幅を調
整する機構を取り付けてこれを制御することは、技術的
にも難しく、コストもかかる。
他方、第6図のように後段加減速電極系4の下流側に質
量分離スリット9を移した従来例においては、スリット
幅の調整機構の取付けは容易になるが、下記のような問
題がある。
第8図は、第6図の装置のビームフォーカス特性を示す
図である。第8図(a)は後段加減速を行なわない場合
であり、60keVのイオンビーム5は質量分離スリット9
の位置で最も細くなっている。第8図(b)は100kVの
後段加速をした場合であり、第8図(c)は−40kVの後
段減速をした場合である。以下、理解を容易にするため
に、イオンビームを光線に見立てて話を進める。同じ幅
のビーム通過孔を持つ平行平板の電極41,42間に電位差
を設けて電界を発生させると、図の如く仮想的な凸レン
ズ10と凹レンズ11が対になって形成され、凸レンズ10の
ほうが凹レンズ11よりも厚くなる。このため、イオンビ
ーム5は(b),(c)いずれの場合にも、集束点が左
側(イオンビームの上流側)に移動し、質量分離スリッ
ト9の位置においてイオンビーム5の幅が増大し、この
ため、質量分離の性能(質量分解能)が低下するという
問題が生ずる。
上記の問題点に鑑み、本発明の目的は質量分離スリット
を後段加減速電極系の下流側(アース側)に設置した後
段加減速式のイオン打込装置において質量分離の性能を
向上させることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は質量分離スリットを後段加減速電極系の下流側
に設けた後段加減速式のイオン打込装置において、後段
加減速電極系を、上流側の第1電極と、上記質量分離ス
リットに対向したアースされた下流側の第2電極と、該
第1および第2電極の間に設けられ該第1および第2電
極のイオンビーム通過孔より大きいイオンビーム通過孔
を有する中間電極とで構成したことを特徴とするもので
ある。
〔作用〕
本発明の構成によれば、後段加減速電極系の電極間の電
位差によって形成される仮想的な凸レンズと凹レンズの
厚さを等しくすることができ、質量分離スリットの位置
でイオンビームを最も細く集束させることができる。
〔実施例〕
本発明の第1の実施例を第1図により説明する。イオン
源1で生成されたソースプラズマから引出電極系2の作
る電界によってイオンビーム5を引出し、このイオンビ
ームを質量分離磁石3と質量分離スリット9を通して、
不要な成分を取除く。質量分離磁石3と質量分離スリッ
ト9との間には後段加減速電極系4があり、これでエネ
ルギーを調整したイオンビームを上記スリット9に通し
て半導体素子62に打込むようになっている。引出電極系
2及び後段加減速電極系4へは高圧電源8が電圧を印加
する。質量分離スリット9は後段加減速電極系4のアー
ス側に設置されているので、スリット幅調整機構91を設
けてスリット9のスリット幅を制御することが容易であ
る。
第2図は後段加減速電極系4と質量分離スリットとの配
置を示す図であり、第3図はその詳細を示す拡大図であ
る。第3図に示すように、後段加減速電極系4を構成し
ている電極41,42,43は、それぞれの電極支持体21,22,23
に取付けられており、高圧電源8により電圧が印加され
る(電極42はアースされている)。中間の電極43のイオ
ンビーム通過孔の大きさは両側の電極41,42のそれより
も大きくしてある。各電極支持体21,22,23はガイシ20に
よって電気的に絶縁されている。電極41,42,43の材質は
ステンレス鋼であるが、質量分離スリット9はイオンビ
ームの衝突によって発熱するため、熱に強い黒鉛材を用
いる。質量分離スリット9はスリット支持体92に取り付
けられており、前記のスリット幅調整機構91により上下
に移動してスリット幅が調整される。
第4図は、上記の後段加減速電極系4の電極に電圧を印
加し、イオンビームを後段加減速した場合のビームフォ
ーカス特性を示す図である。第4図(a)は後段加減速
を行なわない場合であり、60keVのイオンビーム5は質
量分離スリット9の位置で最も細くなっている。第4図
(b)は100kVの後段加速をした場合であり、中間電極4
3の電圧を加速電極41の電圧と等しく設定することによ
り、中間電極43とアース電極42間でイオンを加速する。
中間電極43のビーム通過孔はアース電極42のビーム通過
孔より十分大きいので、等電位線12は加減速電極41側へ
染み出し、加減速電極41と中間電極43間に形成される凸
レンズ10は薄くなる。このため、凸レンズ10と凹レンズ
11の厚さはほぼ等しくなり、イオンビーム5は質量分離
スリット9の位置の近傍で最も細く集束される。一方、
第4図(c)は−40kVの後段減速をした場合であり、中
間電極43の電圧をアース電極42の電圧と等しく設定する
ことにより、加減速電極41と中間電極43間でイオンを減
速する。(c)の場合も、(b)の場合と同様に、凸レ
ンズ10と凹レンズ11の厚さがほぼ等しくなり、イオンビ
ーム5は質量分離スリット9の位置の近傍で最も細く集
束される。以上の事から明らかなように、後段での加減
速の有無によらず、イオンビームの質量分離の性能は良
好に保たれる。
次に、本発明の第2の実施例を第9図により説明する。
加減速電極41とアース電極42との間に、これらのいずれ
の電極のビーム通過孔よりも大きいビーム通過孔をもつ
2枚の中間電極43,44を設けてあり、これらの電極41,4
2,43,44で後段加減速電極系4を構成している。イオン
ビーム5を加減速する電圧の大小によって、中間電極4
3,44の電圧を切り換え、イオンを加減速する区間を変更
することができる。このため、加減速する電圧が大きく
なった場合にも、質量分離スリット9の近傍でイオンビ
ーム5を最も細く集束できる。また、本実施例では質量
分離スリット9としては、回転によってスリット幅が可
変な回転式スリット9を用いるが、この代りに、前記第
1実施例で示したようなスリットを用いてもよい。
第10図は本発明の第3の実施例を示す図である。加減速
電極41とアース電極42のビーム通過孔の周辺部を、中間
電極43の方向に向けて厚肉としてある。ここでは、60ke
Vのイオンビーム5を100kV後段加速する場合を例に取っ
て説明する。加減速電極41,中間電極43,アース電極42の
電圧はそれぞれ100kV,100kV,0Vである。中間電極43とア
ース電極42の電位差による電界は、加減速電極41と中間
電極43の間に染み出して、薄い凸レンズ10を形成する。
一方、アース電極42のビーム通過孔付近には凸レンズ10
よりやや厚めの凹レンズ11が形成される。これにより、
イオンビーム5は質量分離スリット9の近傍で最も細く
集束し、しかも発散角が小さくなり、細く集束した範囲
が長くなる。
最後に、本発明の第4の実施例を第11図により説明す
る。質量分離スリット9は、スリット幅の調整に加え
て、イオンビーム5の進行方向への位置の調整も可能な
スリット位置調整機構94を備えている。加減速電極41及
び中間電極43へは高圧電源8が電圧を印加しており、こ
の電圧データ93aはイオン軌道シミュレータ93に送られ
ている。イオン軌道シミュレータ93は、これらのデータ
を基に、イオンビームの軌道を計算し、イオンビーム5
が最も細く集束する位置を推測する。スリット位置調整
機構94は、位置データ93bを制御信号としてスリット位
置を調整する。このようにしてスリット位置を制御すれ
ば、後段加減速によってビームの集束位置が多少移動し
ても、質量分離の性能が劣化することがない。
〔発明の効果〕
本発明の後段加減速方式のイオン打込み装置において
は、質量分離スリットを後段加減速電極系の下流側、す
なわちアース側に設置するので、質量分離スリットの幅
及び位置を調整する機構の取付けが容易になる。また、
後段加減速した場合にも、イオンビームの最も細く集束
する位置は質量分離スリットから大きくはずれることが
なく、質量分離の性能が劣化しない。このため、引出す
イオンの質量数によって質量分解能が変化した場合に
も、純粋な成分のビームを大量に引き出すことができ、
また上記の位置に設置した質量分離スリットは、イオン
打込装置の運転中でも、スリット調整機構により外部か
らスリットの幅や位置を調整可能なように構成し得るの
で、イオン打込装置の運転を止めてその都度質量分離ス
リットを取り換える等の作業が不要にできるため、イオ
ン打込装置の稼動率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によるイオン打込装置の全体
構成図、第2図および第3図は、夫々、第1図における
後段加減速電極系および質量分離スリットの配置の概要
図およびその詳細図、第4図(a),(b),(c)は
その作用の説明図、第5図は従来の後段加減速式イオン
打込装置の全体構成図、第6図は他の従来例における後
段加減速電極系および質量分離スリットの配置図、第7
図は質量分離の原理説明図、第8図(a),(b),
(c)は第6図の従来例の作用説明図、第9図,第10図
および第11図は本発明の夫々他の実施例を示す図であ
る。 1……イオン源、2……イオン引出し電極系 3……質量分離磁石、4……後段加減速電極系 5……イオンビーム、6……イオン打込室 7……高圧シールド、8……高圧電源 9……質量分離スリット、10……仮想的凸レンズ 11……仮想的凹レンズ、12……等電位線 20……ガイシ、21,22,23……電極支持体 41……加減速電極、42……アース電極 43,44……中間電極、61……回転円盤 62……半導体素子、91……スリット幅調整機構 92……スリット支持体 93……イオン軌道シミュレータ 93a……電圧データ、93b……位置データ 94……スリット位置調整機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン源からイオンビームを引出す前段の
    電極系と、この電極系から引出されたイオンビームを質
    重分離する質量分離磁石と、この質量分離磁石で質量分
    離されたイオンビームのうち所望の成分のみを通過させ
    て純粋なイオンビームを得るための質量分離スリット
    と、上記の質量分離磁石と質量分離スリットとの間に設
    置された後段加減速電極系とから成るイオン打込装置に
    おいて、後段加減速電極系は、上記質量分離磁石に対向
    した第1電極と、上記質量分離スリットに対向したアー
    スされた第2電極と、該第1および第2電極のイオンビ
    ーム通過孔より大きいイオンビーム通過孔を持ち該第1
    および第2電極の間に設けられた中間電極とから構成さ
    れていることを特徴とするイオン打込装置。
  2. 【請求項2】後段加減速電極系における上記第1電極と
    中中間電極を同電位にしてイオンビームの加速を行い、
    上記第2電極と中間電極を同電位にしてイオンビームの
    減速を行う特許請求の範囲第1項記載のイオン打込装
    置。
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