JPH0693360A - Al−Sn系軸受合金材料 - Google Patents

Al−Sn系軸受合金材料

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JPH0693360A
JPH0693360A JP26798092A JP26798092A JPH0693360A JP H0693360 A JPH0693360 A JP H0693360A JP 26798092 A JP26798092 A JP 26798092A JP 26798092 A JP26798092 A JP 26798092A JP H0693360 A JPH0693360 A JP H0693360A
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JP
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bearing
alloy
alloy material
bearing alloy
casting
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JP26798092A
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English (en)
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Masahito Fujita
正仁 藤田
Yukio Yamaguchi
幸夫 山口
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NDC Co Ltd
Nippon Dia Clevite Co Ltd
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NDC Co Ltd
Nippon Dia Clevite Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) [目的] 耐焼付性に優れたAl−Sn系軸受合金の提
供。 [構成] 合金中のSnの分布状態が3次元的に網目状
に連結した組織を持ち、かつ網目の連結部がSn留り3
2となる構造を有するAl−Sn系軸受合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はAl−Sn系軸受合金材
料に係り、詳しくは、合金中のSnの分布状態が3次元
的に網目状に連結した組織を持ち、かつ、網目の連結部
が適切なSn留りとなる構造を有するもので、特に、高
速・高負荷運転時に耐焼付性に優れたAl−Sn系軸受
合金材料に係る。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車エンジンは、省燃費、高出
力のものとなり、これに伴って軸受にかかる荷重が増加
すると共に、潤滑油の温度が上昇し、時には境界潤滑条
件下でも、使われる程、軸受の使用条件は、苛酷化の一
途をたどっている。また、近年はメタノ−ルを燃料とし
て使用する等、表面に鉛系のオ−バ−レイを使用するケ
ルメット系の高鉛青銅合金軸受では耐食性に問題があ
り、より安定なAl−Sn系の軸受合金、しかも、耐荷
重性にすぐれた軸受が要求されるようになってきた。
【0003】すなわち、表面にオ−バ−レイメッキ層を
有する軸受は一般的には、JISH 5402、AJ−
1(10%Sn、0.75%Cu、0.5%Ni、Al
Bal)や、JIS H 5402、AJ−2(6%S
n、2.5%Cu、1.0%Ni、AlBal)等のJ
IS規格、SAE780(6%Sn、2%Si、1%C
u、0.5%Ni、0.1%Ti、AlBal)等のS
AE規格に示される通り、その軸受合金部分はSn含有
量が比較的少ない低Sn−Al合金から成っているが、
これら軸受合金部分の表面には更にPb−Sn系合金の
オ−バ−レイメッキによって表面積が形成され、この表
面積が軸受面を構成している。しかし、これら軸受は、
近年の高負荷、高温の使用条件下では表面のオ−バ−レ
イメッキによる表面層が摩滅して焼付きに至り、使用に
耐えられなくなっている。これに対し、表面にオ−バ−
レイメッキによって表面積を形成しない軸受はSAE7
83(20%Sn、0.5%Si、1.0%Cu、0.
1%Ti、AlBal)に示される通り、その軸受合金
部分がSn含有量の多い高Sn−Al合金から成ってい
る。しかし、このようにSnが20%程度の如く多く含
まれる合金は硬度が低く、Alマトリックスが弱くなる
ため、高負荷に耐えられない。
【0004】また、Sn含有量の多少に拘らずAl−S
n系合金中にPbを添加して潤滑性を増進させ、耐焼付
性をもたせた軸受合金が例えば水野昴一著昭和29年日
刊工業新聞社発行「軸受合金」第139頁に記載され、
この軸受合金は10%Sn、1.5%Cu、0.5%S
iを含むとともに3%Pbを添加して成るAl−Sn−
Pb系合金である。
【0005】更に、Al−Sn−Pb系合金中のPbは
Alとはほとんど固溶しない為、この潤滑成分であるP
bの分散性向上の為にSbを添加したAl−Sn−Pb
−Sb系合金が特公昭52−12131号公報に記載さ
れ、この上に、Sn粒子の粗大化を防止したAl−Sn
−Si−Cr系合金が特公昭61−40297号公報に
示されている。
【0006】これら軸受合金の技術の流れはいずれも潤
滑成分を少なくし分散させることで相対的に合金のマト
リックス強度を上げ、耐疲労性を確保しようとしたもの
である。しかし、本来的にこれらの合金強度の上昇及び
耐摩耗性の向上、ひいては耐焼付性の向上は、主とし
て、Siの添加による効果が大きく、Al−Sn系合金
のうちでもAl−Sn系とAl−Sn−Si系とは区別
されてしかるべきで、Si添加の効果が十分に峻別して
理解されるべきである。
【0007】ちなみに、従来例(特公昭61−4029
7号公報)では、CrおよびSiを添加することでSn
が微細化され硬さが向上するとし、これにより高温状態
におけるSnの移動と成長がほとんどなく、高温硬さの
低下も少ないとしている。
【0008】すなわち、従来の軸受合金の流れをまとめ
るとAl−Sn二元系でSnを40〜20wt%も含む
きわめて潤滑力に富む軟らかい合金系から、Sn分を少
なくし、Si等を添加し、マトリックスを強化したもの
へと変化して来ているわけである。ここで注目しなけれ
ばならないのは、マトリックスを強化した為に、潤滑力
が低下せざるを得ないという問題をどのような形で対処
して来たかということであり、それは前述のSb添加で
あり、Cr添加であり、そうすることでSnの分散を計
ったという事実である。
【0009】更に、従来例として本発明の出願人が開示
した特公平2−35020号や特開昭62−21853
8号公報では、Siを含むAl−Sn系合金にSrある
いはSbを微量添加することでマトリックス強化元素で
あるSi粒子を球状、だ円状若しくはそれに近い形状に
均一に析出させ、しかも、この析出されたSi粒子を前
記マトリックス表面に存在させるとともに、このSi粒
子の近傍に、Sn−Pb合金粒子と存在させることによ
って、潤滑力を低下させることなく耐焼付性の向上を図
る技術が知られている。しかし、これらのAl−Sn系
合金のSnの潤滑効果は十分でないという問題があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題の解
決を目的とし、具体的には、Al−Sn合金材中の少な
いSn成分で、最大の耐焼付性を付与することができる
Al−Sn系軸受合金材料を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は縦型鋳造機より
鋳造されたAl−Sn系軸受合金材であって、この合金
中のSnの分布状態が3次元的に網目状に連結した組織
を有し、かつ網目状の連結部が適切なSn留りとなる構
造を有することを特徴とする。
【0012】本発明はこうしたAl−Sn系のSnの潤
滑のあり方について基本的な考察を行ない、単にSnの
分散効果を主眼とした従来技術に鑑み、より効果的なS
nの分布状態を求めることで、耐焼付性を向上させたも
のである。
【0013】そこで、本発明の手段たる構成ならびにそ
の作用について更に図面を参照しながら詳しく説明する
と、次の通りである。
【0014】すなわち、本発明では、少ない潤滑成分で
最大の耐焼付性を確保するには如何なる方法をとるべき
かについて根本的な解決を求めたものである。
【0015】図1は潤滑状態の軸受材と軸との関係を示
す説明図であり、図2は本発明の軸受合金材組織を説明
する組織モデルの模式図であり、図3は本発明によるA
l−Sn系合金材の鋳造時の組織モデルの模式図であ
り、図4は縦型鋳造の凝固モデルの模式図であり、図5
は横型鋳造の凝固モデルの模式図であり、図6はAl−
Sn系連通管部の断面を説明する組織モデルの模式図で
あり、図7は図6を熱処理した模式図であり、図8はA
lとSnのヌレ性の関係を示す説明図であり、図9は図
8のヌレ性が良い場合の説明図であり、図10は図8の
ヌレ性が悪い場合の説明図である。符号1は軸、2はS
n、3はAl−Sn系軸受合金、4は裏金、6はSn発
汗部、10はカ−ボンモ−ルド、11は液相(Sn)、
12は固液界面、13は固相、31は連通管部、32は
Sn留り、33はAlマトリックス部、34は花弁状組
織(Al)、35は成長結晶を示す。
【0016】図1に示すようにAl−Sn系軸受合金3
が軸1に焼付く寸前、すなわち、境界潤滑下での状態
で、符号2で示されるSnにより潤滑性を確保するとい
うことは、軸1と軸受合金3の金属接触下で界面に潤滑
成分であるSnが適量供給され、軸1の鉄と軸受合金3
のアルミニウムの凝着が回避されるということである。
言い換えれば、耐焼付性を向上させるとは、焼付界面へ
Sn(液相)の供給能力を改善することにある。すなわ
ち、耐焼付性を向上させたAl−Sn系軸受合金3と
は、Al−Sn系合金中のSnの分布状態が表面へのS
nの供給能力に優れた状態にある軸受と言うことができ
る。
【0017】ふり返って従来のAl−Sn系軸受合金
は、マトリックス強度を確保する為に、むしろ、Snを
分断、粒子化し、しかも、細分化してしまっている。こ
の状態では、軸受の最表面に存在するSn粒子のみが焼
付性に寄与し、内部のSnは全く意味のないものとなっ
てしまっている。
【0018】本発明に述べるSnの分布状態とは図2に
示す如く、 3次元的に網目状にSn相が連結していること。 Snの供給源となる適切なSn留り32を連通管部3
1に有していること。ここで、適切なSn留りとは少な
くとも連通管部より大きな断面積を有するSn溶融時に
多量のSn液相を表面に供給するに十分な体積を有する
部分をいう。この2つの条件を兼ね備えていることが必
要である。表面が金属接触を起し、局部的にSnの融点
を越える危機的な状況になった時、Snが融解し、同時
に発汗現象を起し、3次元的なネットワ−クを通して、
Sn液相が供給され、致命的な焼付を回避してくれるわ
けである。
【0019】こうした理想的なSnの分布状態をAl−
Sn系合金の平軸受において現出せしめるには、この軸
受合金のSnの分布状態をどのようにすれば良いかとい
うことが本発明の範囲で述べられている所である。
【0020】すなわち、最終的な軸受製品におけるSn
の分布はもともとAS CAST(鋳放し鋳物)でのS
n相の析出状態に、次の圧延、熱処理工程でのSnの挙
動が相乗された結果としての形態であり、いづれの段階
でも最終製品で連結し、かつSn留り32のある状態の
Sn分布の為に、如何なる製法が適切か、吟味されるべ
き所である。
【0021】まず、鋳物組織においては、3次元的に均
一なSnのネットワ−ク組織でかつ適切なSn留り32
を設けるのに最適な鋳造条件は、図3に示す如く、Ti
−Bを核生成剤として使って花弁状の結晶を成長させ、
その花弁状組織34の周辺に比較的大きなSn留り32
ができるよう、凝固を制御したものが最も上の条件に適
することが判った。また、こうした自由晶を方向性無く
凝固させるには、縦型の鋳造機に依る鋳物が好適で、横
型による一般的な鋳造機を用いた鋳物はどうしても指向
性の強い方向性のある鋳物になってしまい、縦型鋳造の
ようなどの断面をとっても同様な3次元的なネットワ−
ク状のSnの分布組織は得がたい。
【0022】縦型と横型の鋳造法の差というものは単に
鋳物を図4に示すカ−ボンモ−ルドから鉛直に引き出す
方式と、図5に示す水平に引き出す方式という形式的な
次元に留まらず、モ−ルド内部での凝固形態が全く異な
り、特に本発明の合金系のようにSn、Pb等、溶質を
多量に含む合金系では、結果的に全く異なる形態がみら
れる。
【0023】すなわち、縦型鋳造法では、液相11の凝
固方向と鋳造方向が同一の鉛直軸にあり、モ−ルド10
からの抜熱も左右対称で、鋳物の凝固収縮により凝固直
後固相13となった鋳物はモ−ルド10から離れる為、
固液界面12の成長結晶35は自由晶(方向性をもたな
い)となる。一方、横型鋳造法では、液相11の凝固方
向と鋳造方向が同一軸上になく、凝固直後も鋳物下面と
モ−ルド10との接触が保たれ、モ−ルド10内の上面
には空隙ができるため、下面からの冷却が優先され、従
って、成長結晶35の形態も方向性のある形になってし
まう。
【0024】また、Sn、Pbの比重はAlに比べ数倍
大きく凝固時どうしても下面に沈降しようとする為、横
型鋳造法においては、下面にSn、Pbが偏析しやす
く、前記方向性のある成長結晶の粒界に大きな偏析をつ
くってしまう。一方、縦型で鋳造したものは、Sn、P
bの沈降方向と鋳造方向が同一である為、そういったS
n、Pbの偏析は起らず、均一に凝固した自由晶の間隙
にSn、Pbは均一にしかも3次元的に連結した形態で
凝固する。すなわち、本発明で求める組織はこの縦型鋳
物による組織を必要とするわけである。
【0025】3次元的に連結した組織は、本来的に自由
晶の凝固過程で形成される。すなわち、核生成した自由
晶は理想的にはいくつものデンドライトセルが集合し、
外観上は球状を呈している。その球状をしたアルミニウ
ム結晶は、断面にもセルとセルの間隙に薄いSn相を包
含しているが、残りの多くのSn相は球状のデンドライ
トセル集合体の前面に押し出され、最終凝固部として球
体と球体の間隙において凝固することになる。従って、
図2における連通管部とはこの球体と球体の間隙を埋め
るSn相の断面が細っている部分の事で、凝固形態が自
由晶の場合、3次元的に分散して核生成する為、最終凝
固部のSn相は連結して存在することになる。
【0026】一方、Sn留り32とSn留り32を結ぶ
Sn連通管部31の断面形状は、図6に示すように角の
とがったような三角形状をしており、圧延、熱処理をく
り返す毎に、図7に示すように角が縮退し表面積を小さ
くなるようなSnの挙動が見られるわけである。本発明
ではこの連通管部31のSnの挙動に着目し、実験を重
ねた結果、このSn連通管部31の縮退の度合いとSn
の発汗部6の量に相関が認められ、その縮退の度合いは
アルミニウムマトリックス33とSnのヌレ性(ヌレ
角)にあることをつきとめた。すなわち、図8、図9な
らびに図10に示すように、アルミニウムマトリックス
33を構成する表1に示す第3添加元素によってSn液
相とのヌレ性が異なり、そのヌレ性の大小に因って連通
管部の縮退の度合いが違い、結果として、Sn液相を軸
受表面に押し出す起動力となっていることが判った。
【0027】また、このアルミニウムマトリックスとS
nのヌレ性の問題は鋳物の凝固時にも同じ事が言え、初
晶として核生成したアルミニウムセルと、Sn液相の関
係において、第3添加元素(Zr、V、Cr、Mn等)
をアルミニウムの固溶限内で添加した場合、Sn液相と
のヌレ性が悪くなる為、球状に成長しようとするセルと
セルの間隙に滞留しようとするSn液相をより強く前面
に押し出す事になり、本件で言う3次元的に連結しかつ
適切なSn留りを有する構造を鋳造段階でも助長するこ
とになる。
【0028】
【表1】
【0029】すなわち、本発明の範囲で求めた、Sn相
とアルミニウムマトリックスのヌレ性をスズスウェット
しやすい方向(連通管部の縮退の度合いを強める方向)
に働く第3添加元素として、Zr、V、Cr、Mn等が
確かめられたわけである。従って、軸受表面がダメ−ジ
を受け、摩擦熱により軸受自体が高温にさらされた時、
前記熱処理時に見られたSnを表面に押出す現象が起る
わけである。すなわち、軸受合金のSn留り及びそれが
連結されている連通管部が表面積を小さくしようとして
縮退を起し、結果的にSnをしぼり出す効果となるわけ
である。この縮退、すなわち、表面積を小さくする合金
内部での変化に第3添加元素がヌレ性という形で関与
し、よりそのSnの移動を効果的にしようとしたもの
が、本発明の目的とする所である。なお、上記の効果を
有効ならしめる各元素の添加量の限定理由を示すと次の
通りである。
【0030】まず、第3添加元素は化合物とならず、固
溶されている状態が理想的で、それぞれの元素のアルミ
ニウム中への固溶限はZrが0.28%、Vが0.37
%、Crが0.77%、Mnが1.82%であり、Mn
の固溶限は比較的大きいが、Al合金中に含まれ、不可
避的に存在するFeとの化合物生成を避ける為にも、最
大固溶限まで添加する必要はない。本発明では、最も効
果的にSnのヌレ性を改善できる添加範囲であればよ
く、これらの1種若しくは2種以上を単味又は合量で
0.1〜3.0%の範囲とした。
【0031】また、異質核生成剤として、花弁状鋳造組
織を生成させるのに有効なTi−B添加は、核となる化
合物(TiAl3及びTiB2)が均一に分散し、かつ粗
大な化合物に成長させない為にも、Ti量を0.01〜
0.3%、B量を0.005〜0.05%、かつTi/
Bの比を5〜20の範囲におさえるのが最も効果的であ
る。TiとBの比が逆転したり、Bを0.05%以上含
む場合、粗大な高融点のTi−B化合物が生成され、微
細な核となるべきAl−Ti、Ti−Bの各化合物の凝
集が促進され、かえって本発明でいう均一な花弁状組織
の核の形成を阻害することになる。
【0032】また、軸受合金として必要なSn量は3%
以下では、本発明で言う連通管をつくることがむずかし
く、また、25%以上では、Snが多すぎネットワ−ク
組織において、Sn留りが連続化してしまい、マトリッ
クス強度を保てなくなるのでこの範囲とした。
【0033】また、Si量については、亜共晶範囲を基
本とし、Siが微細にアルミニウムマトリックス中に分
散するためには、0.1〜11%の範囲が本発明の好ま
しい範囲とした。
【0034】すなわち、本発明はAl−Sn系軸受材料
の耐焼付性を向上させるにはSnの組織が単に分散して
いれば良いのでなく、エンジンに組付けの使用状態で、
軸受表面にSnが供給できる組織として3次元的な網状
組織でしかもSn留りを結ぶ連通管部を有する組織を提
案するもので、その解決手段たる構成は、縦型鋳造法に
よる合金鋳造が必須の条件である。
【0035】更に、 (1)Snの鋳造組織における析出形態を改善する為の
Ti、Bを添加構成する。 (2)Snとアルミニウムマトリックスのヌレ性の改質
材としてZr、V、Cr、Mnを選択構成する。 (3)潤滑成分のPbを添加構成する。 (4)Sr又はSbを重量%で0.001〜0.1%添
加構成する。 この場合にはSiとPbを必須構成すると非常に耐焼付
性の向上に効果的である。
【0036】Sr又はSbの微量添加は、マトリックス
強化元素であるSi粒子を球状、だ円状若しくはそれに
近い形状に均一に析出させ、しかも、この析出させたS
i粒子をアルミニウムマトリックス表面に存在させると
ともに、このSi粒子の近傍にSn−Pb合金粒子を存
在する状態が作られ、潤滑力を低下させることなく、耐
焼付性の向上を図る事ができる。この場合のSiの添加
量はSr又はSbがSiに作用する上で1.0〜11%
が望ましい。
【0037】また、Sr又はSbの添加量は非常に微量
でも効果があるが、管理上0.001%を下限とし、同
様の効果が持続しマイナス面が現れない0.1%を上限
として前記(1)、(2)に加え、添加構成する事で、
より望ましい耐焼付性を有するAl−Sn系軸受材料が
得られる。
【0038】次に、本発明の実施例について説明するが
明細書記載の%は何れも重量%で示した。
【0039】
【実施例】まず、図2に示す組成のAl−Sn系軸受合
金を従来品については横型鋳造機により鋳造ビレット材
(板状材)を製造し、本発明品にあっては縦型鋳造機に
より鋳造ビレット材(板状材)を製造し、各鋳造ビレッ
トの上下面を面削し、続いて、冷間圧延により2mm程
度まで圧下した。この状態で熱処理を行なって歪を除去
し、その後、純Alの薄い板を介して裏金の鉄板に圧着
させて厚さ1.5mmの軸受材を得た。
【0040】これらの軸受材のうち試料No.1〜N
o.10は横型鋳造機より製し、かつ、B、Srを含ま
ない従来例の供試材である。試料No.11〜No.2
6は本発明に係る供試材でいずれも縦型鋳造機によって
鋳造したものである。この中で試料No.11〜No.
14ならびに試料No.19〜No.22はTiとBを
含み、試料No.15〜No.18ならびに試料No.
23〜No.26はTi、BとSrまたはSbを添加し
てなるものである。
【0041】これら複合軸受材の耐焼付性を調べるに鈴
木式焼付限界荷重試験機を用い、試験を行なった。その
結果を表2に組成と合わせて示す。
【0042】
【表2】
【0043】次に、試験方法について説明する。
【0044】その焼付試験条件は次の通りである。 摩擦速度 4m/秒 相 手 材 材 質 S45C 硬 さ HRC55 面粗さ 0.8〜1.0S 使用オイル SAE 20W−40 油 温 150℃±5℃ 焼付荷重 20Kgfから10Kgf ステップで
15分毎に面圧を上げて行き、焼付をおこした面圧を焼
付荷重とした。なお、焼付の判定は材料温度が180℃
を超えた場合又は摩擦力が25.5Kgfを超えた場合
とした。
【0045】試験結果によれば、試料No.11〜N
o.26の本発明品を示す何れも従来例に比べ、良好な
耐焼付性を示しており、縦型鋳造法によりTi、Bを添
加し、更に、アルミニウムマトリックス強化元素である
Cr、Mn、V、Zrが従来品に比べ、より効果的にS
n組織の良好な潤滑組織として作用している事が理解で
きる。また、SrまたはSbを添加することで更に良好
な潤滑状態が得られることを示している。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は縦型鋳造
機より鋳造されたAl−Sn系軸受合金材であって、こ
の合金中のSnの分布状態が3次元的に網目状に連結し
た組織を有し、かつ網目状の連結部が適切なSn留りと
なる構造を有することを特徴とする。
【0047】本発明の軸受合金材をエンジンに組付け、
高荷重運転する際に、軸との接触等で油膜が破断したよ
うな状態にあっても、従来品と同一のSn量を含むAl
−Sn系合金に比し、Al−Sn系軸受合金中のSn成
分は本来の機能である耐焼付性を有するようにAl−S
n系合金材の組織が3次元的組織となっていて、軸受合
金材の表面に供給しやすい組織としたため、耐焼付性の
改善効果は結果として軸受の耐久性を向上させる結果と
もなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】潤滑状態の軸受材と軸との関係を示す説明図で
ある。
【図2】本発明の軸受合金材組織を説明する組織モデル
の模式図である。
【図3】本発明によるAl−Sn系合金材の鋳造時の組
織モデルの模式図である。
【図4】縦型鋳造の凝固モデルの模式図である。
【図5】横型鋳造の凝固モデルの模式図である。
【図6】Al−Sn系連通管部の断面を説明する組織モ
デルの模式図である。
【図7】図6を熱処理した模式図である。
【図8】AlとSnのヌレ性の関係を示す説明図であ
る。
【図9】図8のヌレ性が良い場合の説明図である。
【図10】図8のヌレ性が悪い場合の説明図である。
【符号の説明】
1 軸 2 Sn 3 Al−Sn系軸受合金 4 裏金 6 Sn発汗部 10 カ−ボンモ−ルド 11 液相(Sn) 12 固液界面 13 固相 31 連通管部 32 Sn留り 33 Alマトリックス部 34 花弁状組織(Al) 35 成長結晶

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦型鋳造機より鋳造されたAl−Sn系
    軸受合金材であって、この合金中のSnの分布状態が3
    次元的に網目状に連結した組織を有し、かつ網目状の連
    結部が適切なSn留りとなる構造を有するAl−Sn系
    軸受合金材料。
  2. 【請求項2】 前記Al−Sn系軸受合金材が少なくと
    も重量%で3.0〜25%Sn、0.1〜11%Siな
    らびにZr、V、Cr、Mnのうち1種若しくは2種以
    上を単味又は合量で0.1〜3.0%を含むと共に0.
    01〜0.3%Tiと0.005〜0.05%Bを含
    み、かつTi/Bの比が5〜20である請求項1記載の
    Al−Sn系軸受合金材料。
  3. 【請求項3】 前記Al−Sn系軸受合金材が重量%で
    0.001〜0.1%のSr又はSbを含んで成る請求
    項2記載のAl−Sn系軸受合金材料。
  4. 【請求項4】 前記Al−Sn系軸受合金材が重量%で
    0.2〜5%のPbを含んで成る請求項2又は3記載の
    Al−Sn系軸受合金材料。
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