JPH0693365A - 耐食性に優れた高強度Al−Mg系合金とその製造方法 - Google Patents
耐食性に優れた高強度Al−Mg系合金とその製造方法Info
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- JPH0693365A JPH0693365A JP26938992A JP26938992A JPH0693365A JP H0693365 A JPH0693365 A JP H0693365A JP 26938992 A JP26938992 A JP 26938992A JP 26938992 A JP26938992 A JP 26938992A JP H0693365 A JPH0693365 A JP H0693365A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐食性に優れた高強度Al−Mg系合金とその
製造方法を提供する。 【構成】 この合金は、Mg:4.0〜6.0%、Mn:
0.4〜1.0%、Cr:0.05〜0.2%を含み、更に
Ti:0.05%以下を含み、残部がAlと不可避的不純
物からなり、微細な亜結晶粒に粗大なβ相が均一に析出
した組織を有することを特徴としている。上記化学成分
を有するAl−Mg系合金について、常法に則り均熱処
理、熱間圧延を行い、所定の製品厚さまで調整した後、
加熱時間120min以内、圧延開始温度200℃以上2
75℃未満の条件にて温間圧延を開始し、圧延率の合計
が10%以上からなる温間圧延を行い、温間圧延後、2
00℃以上275℃未満にて3時間以上72時間以下か
らなる加熱処理を施すことにより製造できる。5456
−H32材程度の高い強度を有しながら、耐食性におい
てH32材を上回る優れた特性を有し、船舶構造材料等
に適している。
製造方法を提供する。 【構成】 この合金は、Mg:4.0〜6.0%、Mn:
0.4〜1.0%、Cr:0.05〜0.2%を含み、更に
Ti:0.05%以下を含み、残部がAlと不可避的不純
物からなり、微細な亜結晶粒に粗大なβ相が均一に析出
した組織を有することを特徴としている。上記化学成分
を有するAl−Mg系合金について、常法に則り均熱処
理、熱間圧延を行い、所定の製品厚さまで調整した後、
加熱時間120min以内、圧延開始温度200℃以上2
75℃未満の条件にて温間圧延を開始し、圧延率の合計
が10%以上からなる温間圧延を行い、温間圧延後、2
00℃以上275℃未満にて3時間以上72時間以下か
らなる加熱処理を施すことにより製造できる。5456
−H32材程度の高い強度を有しながら、耐食性におい
てH32材を上回る優れた特性を有し、船舶構造材料等
に適している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性に優れた高強度A
l−Mg系合金に係り、更に詳しくは、船舶用構造材料等
に適する耐食性に優れた高強度Al−Mg系合金とその製
造方法に関する。
l−Mg系合金に係り、更に詳しくは、船舶用構造材料等
に適する耐食性に優れた高強度Al−Mg系合金とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
船舶用の高強度高耐食性アルミニウム合金としては、A
l−Mg系合金である5083(Al−4.0〜4.9%Mg
−Mn−Cr系合金)や、5456(Al−4.7〜5.5%
Mg−Mn−Cr系合金)が使用されてきた。Al−Mg系合
金は耐食性に優れた合金であり、且つMgの添加量が増
えるにつれ機械的強度も増大するという極めて優れた特
性を有している。
船舶用の高強度高耐食性アルミニウム合金としては、A
l−Mg系合金である5083(Al−4.0〜4.9%Mg
−Mn−Cr系合金)や、5456(Al−4.7〜5.5%
Mg−Mn−Cr系合金)が使用されてきた。Al−Mg系合
金は耐食性に優れた合金であり、且つMgの添加量が増
えるにつれ機械的強度も増大するという極めて優れた特
性を有している。
【0003】Al−Mg系合金は非熱処理型合金であるた
め、強度を更に高めるためには冷間加工を加えるが、加
工後長時間放置するとβ相が特に粒界上に連続的に析出
し易くなる。このβ相はマトリックスに対して極めて電
位が低く、海水等の腐食環境下において優先的に溶出す
るため、応力腐食特性割れ(SCC)、粒界腐食及び層状
腐食などが起こり易くなる。この現象は、Mgの添加量
が3.5%程度以上の合金において顕著に現れる。
め、強度を更に高めるためには冷間加工を加えるが、加
工後長時間放置するとβ相が特に粒界上に連続的に析出
し易くなる。このβ相はマトリックスに対して極めて電
位が低く、海水等の腐食環境下において優先的に溶出す
るため、応力腐食特性割れ(SCC)、粒界腐食及び層状
腐食などが起こり易くなる。この現象は、Mgの添加量
が3.5%程度以上の合金において顕著に現れる。
【0004】このため、従来より、5083、5456
では、高い強度と耐食性との特性を得るために、調質記
号H32で表わされる冷間加工とその後の150℃程度
の加熱からなる処理を施し、β相を予め析出させておく
手段が採られてきた。
では、高い強度と耐食性との特性を得るために、調質記
号H32で表わされる冷間加工とその後の150℃程度
の加熱からなる処理を施し、β相を予め析出させておく
手段が採られてきた。
【0005】しかしながら、調質H32材といえども5
456のようにMg添加量が大きいと、需要家において
冷間加工等の加工を受けると、長時間の使用によっては
腐食が進行する場合がある。これは、室温においてマト
リックス中に過飽和に固溶していたMgが需要家におい
て受けた加工によって生じた滑り線に沿って粒界等に優
先的に析出するために生じるためであり、調質H32で
は十分な耐食性を実現することはできない。
456のようにMg添加量が大きいと、需要家において
冷間加工等の加工を受けると、長時間の使用によっては
腐食が進行する場合がある。これは、室温においてマト
リックス中に過飽和に固溶していたMgが需要家におい
て受けた加工によって生じた滑り線に沿って粒界等に優
先的に析出するために生じるためであり、調質H32で
は十分な耐食性を実現することはできない。
【0006】また、Al−Mg系合金の耐食性の改善に
は、特公昭39−2763号に示されるように、急速冷
却、冷間圧延、加熱処理からなる処理が提案されてい
る。これは、β相の固溶状態において、冷間加工を加え
た後、加熱処理を実施することによって、β相の析出形
態を改善しようとするものである。
は、特公昭39−2763号に示されるように、急速冷
却、冷間圧延、加熱処理からなる処理が提案されてい
る。これは、β相の固溶状態において、冷間加工を加え
た後、加熱処理を実施することによって、β相の析出形
態を改善しようとするものである。
【0007】しかしながら、5083、5456のよう
にMgを多く添加されたAl−Mg系合金においては、冷
間加工時に発生する変形抵抗は極めて大きく、製造には
極めて困難を要する。また、船舶構造材のような厚板で
は、急速冷却によっても板厚方向に冷却速度の差が生
じ、板中心部においてはβ相を固溶状態にすることは事
実上困難であり、その後の冷間加工及び加熱処理によっ
ても、耐食性を改善することは難しい。
にMgを多く添加されたAl−Mg系合金においては、冷
間加工時に発生する変形抵抗は極めて大きく、製造には
極めて困難を要する。また、船舶構造材のような厚板で
は、急速冷却によっても板厚方向に冷却速度の差が生
じ、板中心部においてはβ相を固溶状態にすることは事
実上困難であり、その後の冷間加工及び加熱処理によっ
ても、耐食性を改善することは難しい。
【0008】本発明は、上記従来技術の欠点を解消し
て、5456−H32材程度の高い強度を有しながら、
耐食性においてH32材を上回る特性を有するAl−Mg
系合金を提供すること、並びにその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
て、5456−H32材程度の高い強度を有しながら、
耐食性においてH32材を上回る特性を有するAl−Mg
系合金を提供すること、並びにその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者は、5456の耐食性の改善策について種
々の試験を行った結果、温間圧延とその後の加熱処理を
組み合わせることにより、5456−H32材と同等以
上の強度を有しながら耐食性においてH32材を上回る
特性を有するAl−Mg系合金を提供することができるこ
とを見い出した。
め、本発明者は、5456の耐食性の改善策について種
々の試験を行った結果、温間圧延とその後の加熱処理を
組み合わせることにより、5456−H32材と同等以
上の強度を有しながら耐食性においてH32材を上回る
特性を有するAl−Mg系合金を提供することができるこ
とを見い出した。
【0010】すなわち、Al−Mg系合金の耐食性を良く
するためには、既に知られているように、腐食の原因と
なるβ相の特定箇所への析出を避け、出来るかぎりβ相
を特に粒内へ均一に析出させる必要がある。また、高い
強度を得るには再結晶を生じさせてはならない。これは
β相の優先的な析出箇所となる粒界を生じさせない点か
らも必要である。
するためには、既に知られているように、腐食の原因と
なるβ相の特定箇所への析出を避け、出来るかぎりβ相
を特に粒内へ均一に析出させる必要がある。また、高い
強度を得るには再結晶を生じさせてはならない。これは
β相の優先的な析出箇所となる粒界を生じさせない点か
らも必要である。
【0011】そこで、本発明者は、これらの観点から更
に研究開発を進めたところ、5456の成分を有するA
l−Mg系合金に、再結晶を生じさせない温度及び加熱時
間内において一定量以上の加工を加えることにより、微
細な亜結晶粒からなる組織に微細なβ相を均一に析出さ
せ、その後にβ相の固溶温度以下において加熱処理を施
すことにより、均一に分布したβ相を更に粗大化させた
ミクロ組織を得ることによって、5456−H32材と
同等以上の強度を有しながら耐食性においてH32材を
上回る特性を有するAl−Mg系合金を提供することがで
きることを見い出した。加工を開始する段階におけるミ
クロ組織は未再結晶組織で且つMgは出来るかぎり固溶
状態であるほうが望ましいが、再結晶を生じさせない温
度及び加熱時間内において一定量以上の加工を加えるこ
とにより、微細な亜結晶粒からなる組織に微細なβ相を
均一に析出させ、その後にβ相の固溶温度以下において
加熱処理を施すことにより、均一に分布したβ相を更に
粗大化させたミクロ組織を得ることが可能である。
に研究開発を進めたところ、5456の成分を有するA
l−Mg系合金に、再結晶を生じさせない温度及び加熱時
間内において一定量以上の加工を加えることにより、微
細な亜結晶粒からなる組織に微細なβ相を均一に析出さ
せ、その後にβ相の固溶温度以下において加熱処理を施
すことにより、均一に分布したβ相を更に粗大化させた
ミクロ組織を得ることによって、5456−H32材と
同等以上の強度を有しながら耐食性においてH32材を
上回る特性を有するAl−Mg系合金を提供することがで
きることを見い出した。加工を開始する段階におけるミ
クロ組織は未再結晶組織で且つMgは出来るかぎり固溶
状態であるほうが望ましいが、再結晶を生じさせない温
度及び加熱時間内において一定量以上の加工を加えるこ
とにより、微細な亜結晶粒からなる組織に微細なβ相を
均一に析出させ、その後にβ相の固溶温度以下において
加熱処理を施すことにより、均一に分布したβ相を更に
粗大化させたミクロ組織を得ることが可能である。
【0012】本発明は、必須成分として、Mg:4.0〜
6.0%、Mn:0.4〜1.0%、Cr:0.05〜0.2
0%を含み、更にTi:0.05%以下を含み、残部がA
lと不可避的不純物からなり、微細な亜結晶粒に粗大な
β相が均一に析出した組織を有することを特徴とする耐
食性に優れた高強度Al−Mg系合金を要旨としている。
6.0%、Mn:0.4〜1.0%、Cr:0.05〜0.2
0%を含み、更にTi:0.05%以下を含み、残部がA
lと不可避的不純物からなり、微細な亜結晶粒に粗大な
β相が均一に析出した組織を有することを特徴とする耐
食性に優れた高強度Al−Mg系合金を要旨としている。
【0013】また、その製造方法は、上記の化学成分を
有するAl−Mg系合金について、常法に則り均熱処理、
熱間圧延を行い、所定の製品厚さまで調整した後、加熱
時間120min以内、圧延開始温度200℃以上275
℃未満の条件にて温間圧延を開始し、圧延率の合計が1
0%以上からなる温間圧延を行い、温間圧延後、200
℃以上275℃未満にて3時間以上72時間以下からな
る加熱処理を施すことを特徴としている。
有するAl−Mg系合金について、常法に則り均熱処理、
熱間圧延を行い、所定の製品厚さまで調整した後、加熱
時間120min以内、圧延開始温度200℃以上275
℃未満の条件にて温間圧延を開始し、圧延率の合計が1
0%以上からなる温間圧延を行い、温間圧延後、200
℃以上275℃未満にて3時間以上72時間以下からな
る加熱処理を施すことを特徴としている。
【0014】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0015】
【0016】まず、本発明においては、必須成分とし
て、Mg:4.0〜6.0%、Mn:0.4〜1.0%、C
r:0.05〜0.20%を含み、更にTi:0.05%以
下を含み、残部がAlと不可避的不純物からなるAl−M
g系合金を対象としている。
て、Mg:4.0〜6.0%、Mn:0.4〜1.0%、C
r:0.05〜0.20%を含み、更にTi:0.05%以
下を含み、残部がAlと不可避的不純物からなるAl−M
g系合金を対象としている。
【0017】ここで、Mgはそれ自体の固溶体強化によ
り材料に強度を付与する効果がある元素であり、4.0
%未満ではその効果が得られず、また6.0%を超える
とβ相が多く析出するため耐食性の低下が生じるので好
ましくない。
り材料に強度を付与する効果がある元素であり、4.0
%未満ではその効果が得られず、また6.0%を超える
とβ相が多く析出するため耐食性の低下が生じるので好
ましくない。
【0018】また、Mn、Crは、その添加量が多いと粗
大な金属間化合物が成長し、著しく成型性が低下する
が、耐食性改善のための結晶粒径制御を目的に微量添加
する必要がある。また、これらの添加により転位密度の
低下が抑制され、材料に高強度を付与する効果がある。
よって、Mnの添加量は0.4〜1.0%、Crの添加量は
0.05〜0.20%とする。
大な金属間化合物が成長し、著しく成型性が低下する
が、耐食性改善のための結晶粒径制御を目的に微量添加
する必要がある。また、これらの添加により転位密度の
低下が抑制され、材料に高強度を付与する効果がある。
よって、Mnの添加量は0.4〜1.0%、Crの添加量は
0.05〜0.20%とする。
【0019】Tiは、一定量以上添加されると粗大な晶
出物が生成され、成形性が著しく低下し、構造材として
の特性を満たさなくなる。しかし、結晶粒径の調製には
微量添加が必要である。よって、Tiの添加量は0.05
%以下とする。
出物が生成され、成形性が著しく低下し、構造材として
の特性を満たさなくなる。しかし、結晶粒径の調製には
微量添加が必要である。よって、Tiの添加量は0.05
%以下とする。
【0020】なお、ZrはMn及びCrと同様の効果が得
られるので、必要に応じて添加することができる。添加
する場合は0.20%以下とする。また、不可避的不純
物としてはFe、Si、Zn、Cu等々が挙げられるが、い
ずれも可及的に少ない量であるのが望ましい。例えば、
Cu≦0.1%、Si≦0.4%、Fe≦0.4%、Zn≦0.
25%である。
られるので、必要に応じて添加することができる。添加
する場合は0.20%以下とする。また、不可避的不純
物としてはFe、Si、Zn、Cu等々が挙げられるが、い
ずれも可及的に少ない量であるのが望ましい。例えば、
Cu≦0.1%、Si≦0.4%、Fe≦0.4%、Zn≦0.
25%である。
【0021】上記Al−Mg系合金の製造方法は以下のと
おりである。
おりである。
【0022】まず、Al−Mg系合金について、常法に則
り均熱処理、熱間圧延を行い、所定の製品厚さまで調整
した後、温間圧延を行う。この温間圧延では、加熱時間
120min以内、圧延開始温度200℃以上275℃未
満の条件にて温間圧延を開始し、圧延率の合計が10%
以上からなる温間圧延を行うことによって、微細な亜結
晶粒からなる組織に微細なβ相を均一に析出させる。
り均熱処理、熱間圧延を行い、所定の製品厚さまで調整
した後、温間圧延を行う。この温間圧延では、加熱時間
120min以内、圧延開始温度200℃以上275℃未
満の条件にて温間圧延を開始し、圧延率の合計が10%
以上からなる温間圧延を行うことによって、微細な亜結
晶粒からなる組織に微細なβ相を均一に析出させる。
【0023】この場合、加熱時間が長すぎても、加熱温
度が高すぎても再結晶が生じてしまい、高強度で且つ耐
食性に優れたAl−Mg系合金を製造することはできな
い。加熱温度は275℃未満であれば温度が低くても問
題はなく、極端な場合、冷間加工でも効果は得られる。
但し、この場合は加工を開始する段階におけるミクロ組
織は未再結晶組織で且つMgは出来るかぎり固溶状態で
ある方が望ましく、また、加工時に大きな変形抵抗が生
じる。故に、加工を開始する段階における初期ミクロ組
織に左右されず、且つ加工のし易さより、加工時は20
0℃以上275℃未満の温度から加工(温間圧延)を開始
する必要がある。
度が高すぎても再結晶が生じてしまい、高強度で且つ耐
食性に優れたAl−Mg系合金を製造することはできな
い。加熱温度は275℃未満であれば温度が低くても問
題はなく、極端な場合、冷間加工でも効果は得られる。
但し、この場合は加工を開始する段階におけるミクロ組
織は未再結晶組織で且つMgは出来るかぎり固溶状態で
ある方が望ましく、また、加工時に大きな変形抵抗が生
じる。故に、加工を開始する段階における初期ミクロ組
織に左右されず、且つ加工のし易さより、加工時は20
0℃以上275℃未満の温度から加工(温間圧延)を開始
する必要がある。
【0024】また、圧延率は合計で10%以上であるこ
とが必要である。10%未満では十分な加工組織が得ら
れず、また加工時に生じるβ相の核の生成が少なくな
り、これによりβ相が均一に分散されにくくなり、耐食
性が低下するため、好ましくない。
とが必要である。10%未満では十分な加工組織が得ら
れず、また加工時に生じるβ相の核の生成が少なくな
り、これによりβ相が均一に分散されにくくなり、耐食
性が低下するため、好ましくない。
【0025】次いで、温間圧延後、β相の固溶温度以下
において、より具体的には200℃以上275℃未満の
温度にて3時間以上72時間以下からなる加熱処理を施
す。これによって、加工時に均一分布状に生じた微細β
相を更に粗大化させたミクロ組織を得ることができる。
において、より具体的には200℃以上275℃未満の
温度にて3時間以上72時間以下からなる加熱処理を施
す。これによって、加工時に均一分布状に生じた微細β
相を更に粗大化させたミクロ組織を得ることができる。
【0026】このミクロ組織は微細な亜結晶粒から構成
されているために高い強度を有し、且つ粗大なβ相が均
一に析出しているために、海水等の腐食環境下において
特定の箇所に腐食が集中せず、素材表面のβ相が溶出し
ただけで、それ以上の腐食は進行しないという、極めて
高い耐食性を有している。
されているために高い強度を有し、且つ粗大なβ相が均
一に析出しているために、海水等の腐食環境下において
特定の箇所に腐食が集中せず、素材表面のβ相が溶出し
ただけで、それ以上の腐食は進行しないという、極めて
高い耐食性を有している。
【0027】以上の製造工程によって得られるAl−Mg
系合金は、5456−H32材と同等以上の強度を有し
ながら耐食性においてH32材を上回る特性を有してい
る。
系合金は、5456−H32材と同等以上の強度を有し
ながら耐食性においてH32材を上回る特性を有してい
る。
【0028】次に本発明の実施例を示す。
【0029】
【実施例1】
【0030】表1に示す化学成分を有するアルミニウム
合金鋳塊について表2に示す条件にて均熱及び熱間圧延
を行い、得られた24mm厚の板材を図1中の条件にて温
間圧延後、200℃×72hrの加熱処理を行い、機械的
性質を調査した。更に、腐食特性は、200℃×72hr
の加熱処理後、30%冷間圧延とその後の120℃×7
日間の加熱からなる鋭敏化処理を施した後、調査した。
なお、従来から使用されているH32材を比較材とする
ため、表1に示した化学成分を有するアルミニウム合金
鋳塊から常法によりH32材を製作し、機械的性質及び
鋭敏化処理後の腐食特性を調査した。引張試験、腐食特
性試験方法を表3に、また試験結果を表4に示す。
合金鋳塊について表2に示す条件にて均熱及び熱間圧延
を行い、得られた24mm厚の板材を図1中の条件にて温
間圧延後、200℃×72hrの加熱処理を行い、機械的
性質を調査した。更に、腐食特性は、200℃×72hr
の加熱処理後、30%冷間圧延とその後の120℃×7
日間の加熱からなる鋭敏化処理を施した後、調査した。
なお、従来から使用されているH32材を比較材とする
ため、表1に示した化学成分を有するアルミニウム合金
鋳塊から常法によりH32材を製作し、機械的性質及び
鋭敏化処理後の腐食特性を調査した。引張試験、腐食特
性試験方法を表3に、また試験結果を表4に示す。
【0031】表4に示すように、本発明範囲内での温間
圧延と加熱処理を行った例では、いずれも、H32材と
同等以上の強度を有し、且つH32材を上回る良好な腐
食特性が得られることがわかる。
圧延と加熱処理を行った例では、いずれも、H32材と
同等以上の強度を有し、且つH32材を上回る良好な腐
食特性が得られることがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【実施例2】
【0037】表5に示す化学成分を有するアルミニウム
合金鋳塊を表2に示す条件にて均熱及び熱間圧延を行
い、得られた24mm厚の板材を図1中の条件にて温間圧
延後、270℃×3hrの加熱処理を行い、機械的性質を
調査した。更に、実施例1の場合と同じように、腐食特
性を調査した。また、従来から使用されているH32材
を比較材とするため、表5に示した化学成分を有する鋳
塊から常法によりH32材を製作し、機械的性質及び鋭
敏化処理後の腐食特性を調査した。なお、引張試験、腐
食特性試験方法は実施例1と同じである。試験結果を表
6に示す。
合金鋳塊を表2に示す条件にて均熱及び熱間圧延を行
い、得られた24mm厚の板材を図1中の条件にて温間圧
延後、270℃×3hrの加熱処理を行い、機械的性質を
調査した。更に、実施例1の場合と同じように、腐食特
性を調査した。また、従来から使用されているH32材
を比較材とするため、表5に示した化学成分を有する鋳
塊から常法によりH32材を製作し、機械的性質及び鋭
敏化処理後の腐食特性を調査した。なお、引張試験、腐
食特性試験方法は実施例1と同じである。試験結果を表
6に示す。
【0038】表6に示すように、表5中の使用合金1に
対して、本発明範囲内の条件で温間圧延と加熱処理を行
った例では、いずれも、H32材と同等以上の強度を有
し、且つH32材を上回る良好な腐食特性が得られてい
る。
対して、本発明範囲内の条件で温間圧延と加熱処理を行
った例では、いずれも、H32材と同等以上の強度を有
し、且つH32材を上回る良好な腐食特性が得られてい
る。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
5456−H32材程度の高い強度を有しながら、耐食
性においてH32材を上回る優れた特性を有するAl−
Mg系合金を提供することができる。
5456−H32材程度の高い強度を有しながら、耐食
性においてH32材を上回る優れた特性を有するAl−
Mg系合金を提供することができる。
【図1】実施例における温間圧延条件を示す図である。
【図2】層状腐食試験の結果についての評価基準(金属
組織)を示す写真である。
組織)を示す写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、必須成分とし
て、Mg:4.0〜6.0%、Mn:0.4〜1.0%、C
r:0.05〜0.20%を含み、更にTi:0.05%以
下を含み、残部がAlと不可避的不純物からなり、微細
な亜結晶粒に粗大なβ相が均一に析出した組織を有する
ことを特徴とする耐食性に優れた高強度Al−Mg系合
金。 - 【請求項2】 請求項1に記載の化学成分を有するAl
−Mg系合金について、常法に則り均熱処理、熱間圧延
を行い、所定の製品厚さまで調整した後、加熱時間12
0min以内、圧延開始温度200℃以上275℃未満の
条件にて温間圧延を開始し、圧延率の合計が10%以上
からなる温間圧延を行い、温間圧延後、200℃以上2
75℃未満にて3時間以上72時間以下からなる加熱処
理を施すことを特徴とする耐食性に優れた高強度Al−
Mg系合金の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26938992A JPH0693365A (ja) | 1992-09-10 | 1992-09-10 | 耐食性に優れた高強度Al−Mg系合金とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26938992A JPH0693365A (ja) | 1992-09-10 | 1992-09-10 | 耐食性に優れた高強度Al−Mg系合金とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0693365A true JPH0693365A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=17471730
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26938992A Pending JPH0693365A (ja) | 1992-09-10 | 1992-09-10 | 耐食性に優れた高強度Al−Mg系合金とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0693365A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0769564A1 (fr) | 1995-10-18 | 1997-04-23 | Pechiney Rhenalu | Alliages AlMg pour constructions soudées à caractéristiques mécaniques améliorées |
| KR20040042330A (ko) * | 2002-11-14 | 2004-05-20 | 학교법인고려중앙학원 | 성형성이 우수한 고강도 알루미늄 합금판재의 제조방법 |
| CN103911531A (zh) * | 2014-04-23 | 2014-07-09 | 北京科技大学 | 一种Al-Mg合金及其板材的制备方法 |
| CN116855804A (zh) * | 2023-07-28 | 2023-10-10 | 天津忠旺铝业有限公司 | 一种卡车翻斗用铝合金板材及其加工方法 |
| CN117385241A (zh) * | 2023-10-16 | 2024-01-12 | 东北轻合金有限责任公司 | 一种含硼lng气储罐用料铝合金及其板材制造方法 |
-
1992
- 1992-09-10 JP JP26938992A patent/JPH0693365A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0769564A1 (fr) | 1995-10-18 | 1997-04-23 | Pechiney Rhenalu | Alliages AlMg pour constructions soudées à caractéristiques mécaniques améliorées |
| KR20040042330A (ko) * | 2002-11-14 | 2004-05-20 | 학교법인고려중앙학원 | 성형성이 우수한 고강도 알루미늄 합금판재의 제조방법 |
| CN103911531A (zh) * | 2014-04-23 | 2014-07-09 | 北京科技大学 | 一种Al-Mg合金及其板材的制备方法 |
| CN116855804A (zh) * | 2023-07-28 | 2023-10-10 | 天津忠旺铝业有限公司 | 一种卡车翻斗用铝合金板材及其加工方法 |
| CN117385241A (zh) * | 2023-10-16 | 2024-01-12 | 东北轻合金有限责任公司 | 一种含硼lng气储罐用料铝合金及其板材制造方法 |
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