JPH0694063B2 - 繊維強化金属体の鋳造方法および鋳型 - Google Patents

繊維強化金属体の鋳造方法および鋳型

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JPH0694063B2
JPH0694063B2 JP3543886A JP3543886A JPH0694063B2 JP H0694063 B2 JPH0694063 B2 JP H0694063B2 JP 3543886 A JP3543886 A JP 3543886A JP 3543886 A JP3543886 A JP 3543886A JP H0694063 B2 JPH0694063 B2 JP H0694063B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は繊維強化金属体の鋳造方法および鋳型に関す
る。
(2) 従来の技術 従来、この種鋳造方法においては、繊維成形体に対する
溶湯の充填性を良好にするため、繊維成形体を予熱して
鋳型に設置し、その鋳型に注入された溶湯を加圧するこ
とにより繊維成形体に充填している。
(3) 発明が解決しようとする問題点 繊維成形体に対する溶湯の充填時、繊維成形体は溶湯の
圧力により圧縮されて収縮するが、この繊維成形体の鋳
造前後の繊維体積率の変化と予熱温度との間には密接な
相関関係がある。
したがって、前記従来法のように鋳造作業に先立って繊
維成形体を予熱しただけでは、その予熱温度が、繊維成
形体の搬送中および鋳型への設置作業中における放熱な
らびに鋳造作業中における溶湯による加熱によって変化
し、その変化した温度に伴って繊維成形体の繊維体積率
が決められてしまうため、所望の繊維体積率を有する金
属体を安定よく量産することが困難であるという問題が
ある。
本発明は、上記に鑑み、繊維成形体の予熱温度を鋳造中
(即ち少なくとも溶湯のキャビティ注入から繊維成形体
への充填に至るまでは)略不変に保持して、所望の繊維
体積率を有する繊維強化金属体を安定よく量産すること
ができるようにした、前記鋳造方法及びその方法に用い
られる鋳型を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明の鋳造方法は、鋳型の
キャビティに溶湯を注入して加圧することにより、その
溶湯を、前記キャビティに設置された繊維成形体に充填
するようにした、繊維強化金属体の鋳造方法において、
前記繊維成形体の予熱温度を略不変に保つための温度制
御手段を有して該繊維成形体をキャビティの所定位置に
保持し得る設置部を備えた鋳型を使用し、少なくとも前
記溶湯の注入から充填に至るまでの間、前記設置部に保
持された繊維成形体の予熱温度を前記温度制御手段によ
り略不変に保つようにしたことを特徴とし、また本発明
の鋳型は、キャビティに注入された溶湯を加圧すること
により該キャビティ内の繊維成形体に充填して繊維強化
金属体を鋳造するために使用される鋳型において、前記
繊維成形体をキャビティの所定位置に保持するための中
子と、その中子に保持された繊維成形体の予熱温度を少
なくとも前記溶湯の注入から充填に至るまでの間略不変
に保つべく該中子に付設された温度制御手段とを備える
ことを特徴とする。
(2) 作用 繊維成形体の鋳造前後の繊維体積率変化は、たとえ鋳造
前の繊維体積率や鋳造条件が同じ場合でも繊維成形体の
予熱温度の変動に応じて少なからず変動するものであ
る。
ところが本発明の上記構成によれば、繊維成形体の予熱
温度が鋳造中(即ち少なくとも溶湯のキャビティ注入か
ら繊維成形体への充填に至るまでは)略不変に保たれる
ので、繊維成形体の鋳造前後の収縮の程度を個々の鋳造
品において略同じにすることができ、これにより所望の
繊維体積率を有する繊維強化金属体が安定よく得られ
る。
(3) 実施例 第1〜第3図は繊維強化アルミニウム合金製サイアミー
ズ型シリンダブロックSを示し、そのシリンダブロック
Sは、直列に並ぶ複数、図示例は4個のシリンダバレル
11〜14を結合してなるサイアミーズシリンダバレル1
と、そのサイアミーズシリンダバレル1を囲繞する外壁
部2と、外壁部2の下縁に連設されたクランクケース3
とより構成される。各シリンダバレル11〜14におけるシ
リンダボア4回りは円筒状繊維強化金属体としての繊維
強化アルミニウム合金体Mfより構成される。
サイアミーズシリンダバレル1と外壁部2間に、サイア
ミーズシリンダバレル1の外周が臨む水ジャケット6が
形成される。その水ジャケット6のシリンダヘッド側端
部において、サイアミーズシリンダバレル1と外壁部2
間は複数の補強デッキ部8により部分的に連結され、相
隣る補強デッキ部8間はシリンダヘッド側への連通口7
として機能する。これによりシリンダブロックSはクロ
ーズドデッキ型に構成される。
第5〜第8図は、第4図に示すシリンダブロック素材Sm
を鋳造する鋳造装置を示し、その装置は鋳型としての金
型Mを備え、その金型Mは昇降自在な上型9と、その上
型9の下方に配設され、第5,第6図において左右二つ割
の第1および第2側型101,102ならびに第7図において
左右二つ割の第3および第4側型103,104と、各側型101
〜104を摺動自在に載置する下型11とより構成される。
上型9の下面に、各側型101〜104の上半部と協働してサ
イアミーズシリンダバレル1および外壁部2を成形する
ための第1キャビテイC1を画成する型締め用凹部12が形
成され、その凹部12と嵌合する型締め用凸部13が各側型
101〜104の上面に突設される。
第7,第8図に示すように、下型11に溶解炉(図示せず)
よりアルミニウム合金の溶湯を受ける湯溜部14と、その
湯溜部14に連通する給湯シリンダ15と、その給湯シリン
ダ15に摺合されるプランジヤ16と、湯溜部14より2本に
分岐して第1キャビテイC1の長手方向に、且つそれと略
同一長さに亘って延びる一対の湯道17とが設けられる。
また下型11は両湯道17間において上方へ突出する成形ブ
ロック18を有し、その成形ブロック18は各側型101〜104
の下半部と協働してクランクケース3を成形するための
第2キャビテイC2を画成する。そのキャビテイC2の上端
は前記第1キャビテイC1に連通し、また両側の下端は両
湯道17に複数の堰19を介して連通する。
成形ブロック18は、所定の間隔で形成された背の高い4
個のかまぼこ形第1成形部181と、相隣る第1成形部181
間および最外側の両第1成形部181の外側に位置する凸
字形第2成形部182とよりなり、各第1成形部181はクラ
ンクピンおよびクランクアーム用回転空間20(第2,第3
図)を成形するために用いられ、第2成形部182はクラ
ンクジャーナルの軸受ホルダ21(第2,第3図)を成形す
るために用いられる。各堰19は各第2成形部182に対応
して設けられており、第2キャビテイC2の容量の大きな
部分に溶湯を早期に注入するようになっている。
両湯道17の断面積が湯溜部14側より湯道先17aに向けて
段階的に減少するように、湯道17底面は湯溜部14側より
数段の上り階段状に形成されている。各段部17bに連な
る各立上がり部17cは溶湯を各堰19にスムーズに導くこ
とができるように斜めに形成される。
このように湯道17の断面積を段階的に減少させると、断
面積の大きな部分では大量の溶湯を遅い速度で堰19を通
じて第2キャビテイC2に注入し、また断面積の小さな部
分では少量の溶湯を速い速度で堰19を通じて第2キャビ
テイC2に注入することができるので、そのキャビテイC2
内に溶湯が湯道17の全長に亘って略均等に注入される。
したがって溶湯がキャビテイC2内で乱流を起こすことが
なく、空気等のガスが溶湯に巻き込まれることを防止し
て巣の発生を回避することができる。また溶湯の注入作
業が効率良く行われるので、鋳造能率を向上させること
ができる。
第5,6図に示すように、各第1成形部181の頂面に後述す
る繊維成形体の下端部が嵌合する位置決め突起22が突設
され、その位置決め突起22の中心に凹部23が形成され
る。また両側に位置する2つの第1成形部181に、位置
決め突起22の両側において第1成形部181を貫通する貫
通孔24が形成され、それら貫通孔24に一対の仮設置ピン
5がそれぞれ摺合される。それら仮設置ピン25は、後述
する水ジャケット用砂中子の仮設置のために用いられ
る。両仮設置ピン25の下端は、成形ブロック18の下方に
配設された取付板26に固定される。その取付板26に2本
の支持ロッド27が挿通され、各支持ロッド27の下部と取
付板26の下面との間にコイルばね28が縮設される。型開
き時には、取付板26は各コイルばね28の弾発力を受けて
各支持ロッド27先端のストッパ27aに当接するまで上昇
し、これにより各仮設置ピン25の先端は第1成形部181
頂面より突出している。各仮設置ピン25の先端面に砂中
子の下縁と係合する凹部25aが形成される。
また両側に位置する2つの第1成形部181に、両貫通孔2
4間の二等分位置において第1成形部181を貫通する貫通
孔29が形成され、その貫通孔29に下端を取付板26に固定
された作動ピン30が摺合される。型開き時には、作動ピ
ン30の先端は凹部23内に突出し、また型閉め時には後述
する繊維成形体用設置部としてのシリンダボア成形用中
子により押し下げられ、これにより両仮設置ピン25を第
1成形部181頂面より引き込ませるようになっている。
第1および第2側型101,102における第1キャビテイC1
を画成する壁部の中央部分に砂中子を本設置するための
中子受31が2個所宛設けられている。各中子受31は砂中
子の位置決めを行う係合孔31aと、その開口部外周に形
成されて砂中子を挟持する挟持面31bとよりなる。
上型9の型締め用凹部12に、第1キャビテイC1に連通し
て溶湯をオーバフローさせるための複数の第3キャビテ
イC3および連通口7を成形するための第4キャビテイC4
がそれぞれ開口し、また上型9に各第3キャビテイC3
よび第4キャビテイC4に連通するガス抜き孔32,33がそ
れぞれ形成される。
それらガス抜き孔32,33に閉鎖ピン34,35がそれぞれ遊挿
され、それら閉鎖ピン34,35の上端部は上型9の上方に
配設される取付板36に固定される。
各ガス抜き孔32,33の、両キャビテイC3,C4に対する連通
端から上方へ所定の長さに亘って延びる小径部32a,33a
は各閉鎖ピン34,35の下端部と嵌合して第3キャビテイC
3および第4キャビテイC4を閉鎖し得るようになってい
る。
上型9の頂面と取付板36間に油圧シリンダ39が介装さ
れ、その油圧シリンダ39の作動により取付板36を昇降し
て各閉鎖ピン34,35により各小径部32a,33aを開閉するよ
うになっている。40は取付板36の案内ロッドである。
上型9の型締め用凹部12天面に、各シリンダバレル11
14に対応して軸線を上、下方向に向けて配設したシリン
ダボア成形用円柱状中子41が突設され、各中子41の下端
面に第1成形部181頂面の凹部23に嵌合し得る凸部41aが
設けられる。
第5,第5A図に明示するように中子41の中心部にヒータH
が埋設され、またヒータHの周囲に複数の冷却水路Wcが
形成される。これらヒータHおよび冷却水路Wcにより繊
維成形体の予熱温度を略不変に保つ温度制御手段が構成
される。
第9,第10図は水ジャケット用砂中子59を示し、その砂中
子59は、シリンダブロックSの4本のシリンダバレル11
〜14に対応して4本の円筒部601〜604を備えると共にそ
れらの相隣るもの相互の重合する周壁を欠如させた中子
本体61と、水ジャケットをシリンダヘッドの水ジャケッ
トに連通する連通口7および補強デッキ部8を形成すべ
く、中子本体61の上端面に突設された複数の突起62と、
中子本体61の中間に位置する2本の円筒部602,603の両
外側面にそれぞれ突設された幅木63とより構成される。
各幅木63は中子本体61と一体の大径部63aと、その端面
に突設される小径部63bとより形成される。
第11図は、中子41に装着されて繊維強化アルミニウム合
金体Mfを得べく、炭素繊維とアルミナ繊維との混合繊維
より成形された円筒状繊維成形体Fを示し、その寸法は
外径89mm、内径78mm、高さ152mmである。またかさ密度
は0.3〜1.2g/cm3、したがって繊維体積率は8〜35%で
ある。繊維成形体Fは、平均直径18μm、平均長さ0.8m
mの炭素繊維(短繊維)と、平均直径3〜4μm、平均
長さ0.5mmのアルミナ繊維(短繊維)とを1対3の割合
で混合し、その混合繊維にシリカゾルをバインダとして
加え、吸引付着成形法を適用して成形されたものであ
る。この場合、シリカゲルの代りにアルミナゾル単体、
またはシリカゾルとアルミナゾルの混合物を用いること
が可能である。
前記吸引付着成形法とは、前記混合繊維とシリカゾルの
混合物を入れた槽中に、両端面を密封した通気性を有す
る円筒型を立設し、その円筒型の内部に吸引作用を施し
て前記混合物を円筒型外周面に吸着させる手法をいう。
前記手法により成形された繊維成形体Fは、離型後乾燥
および焼成工程を経て使用に供される。
第12図は繊維成形体Fの予熱温度と収縮率との関係を、
また第13図は繊維成形体Fの予熱温度と鋳造前後の繊維
体積率変化との関係をそれぞれ示し、両図中、線aは鋳
造前の繊維体積率が8%の繊維成形体に、また線bは鋳
造前の繊維体積率が15%の繊維成形体に、さらに線cは
鋳造前の繊維体積率が35%の繊維成形体にそれぞれ該当
する。これらグラフからも明らかなように、繊維成形体
Fの鋳造前後の収縮率や繊維体積率変化は、たとえ鋳造
前の繊維体積率や鋳造条件が同じ場合でも繊維成形体F
の予熱温度の変動に応じて少なからず変動するものであ
るが、前記温度制御手段を用いて繊維成形体Fの予熱温
度を鋳造中(即ち少なくとも溶湯のキャビティ注入から
繊維成形体Fへの充填に至るまで)略不変に保つように
すれば、繊維成形体Fの鋳造前後の収縮の程度を個々の
鋳造品において略同じにすることができるため、所望の
繊維体積率を有する繊維強化アルミニウム合金体Mfを安
定よく量産することができる。しかもその略不変に保つ
べき上記予熱温度を50〜300℃の範囲で選定すれば、繊
維成形体Fに対する溶湯の充填性も適度に高められて鋳
造品質の優秀な繊維強化アルミニウム合金体Mfを得るこ
とができる。
なお、繊維成形体Fの予熱温度が300℃を上回ると、繊
維成形体Fに対する溶湯の充填性は良好となるが、繊維
成形体Fの収縮率が低下し、その収縮率が繊維成形体F
全体に亘って不均一となる傾向があり、その結果繊維成
形体Fの低密度部分に溶湯が優先的に充填されるため繊
維成形体Fが部分的に破損するおそれがある。
また前記予熱温度が50℃を下回ると、繊維成形体Fによ
り溶湯が冷やされるため、その充填性が悪化し、その結
果繊維成形体Fが大幅に圧縮されてその収縮率が増加
し、中子41側に高密度部分を発生してそこに溶湯が充填
されなくなる。
次に前記繊維成形体Fを用いた前記鋳造装置によるシリ
ンダブロック素材Smの鋳造作業について説明する。
先ず第5図に示すように上型9を上昇させ、また相対向
する両側壁101,102;103,104を互いに離間するように移
動させて型開きを行う。上型9上の油圧シリンダ39を作
動させて取付板36を介し各閉鎖ピン34,35を上昇させ、
第3,第4キャビテイC3,C4に連通する小径部32a,33aの各
上部開口を開く。さらに給湯シリンダ15内のプランジヤ
16を下降させる。
略300℃に予熱された各繊維成形体Fを各中子41に装着
し、繊維成形体Fの上端開口を上型9の凹部12天面に当
接する。
またヒータHおよび冷却水路Wcの冷却水により中子41を
介して繊維成形体Fをその予熱温度である略300℃に保
つ。このヒータH等による繊維成形体Fの予熱温度保持
は、鋳造中、したがって繊維成形体Fに充填された溶湯
が凝固を開始するまで継続される。
第5,第10図に示すように砂中子59における両側の円筒部
601,604下縁を、下型11における両側の第1成形部181
頂面に突出する各仮設置ピン25の凹部25aに係合させて
砂中子59の仮設置を行う。
第6図に示すように、両側壁101,102をそれらが互いに
接近する方向に所定距離移動させ、各中子受31と各幅木
63とを係合して砂中子59の本設置を行う。即ち、各中子
受31の係合孔31aに砂中子59における各幅木63の小径部6
3bを嵌合して砂中子59を位置決めし、また各大径部63a
のシリンダバレル配列方向と平行な端面を各中子受31の
挟持面31bに衝合して砂中子59をそれら挟持面31bにより
挟持するものである。また他の両側壁103,104も同様に
移動させる。
次いで上型9を下降させ、各繊維成形体Fを砂中子59の
各円筒部601〜604内に挿入して各繊維成形体Fの下端部
を位置決め突起22に嵌合し、また中子41の凸部41aを第
1成形部181頂面の凹部23に嵌合する。この凹凸嵌合に
より作動ピン30が押し下げられるので各仮設置ピン25が
下降して第1成形部181頂面より引込む。また砂中子59
の各突起62が各第4キャビテイC4に遊挿され、さらに上
型9の型締め用凹部12が各側型101〜104の型締め用凸部
13に嵌合して型締めが行われる。
下型11の湯溜部14に溶解炉より730℃のアルミニウム合
金(JIS ADC12)よりなる溶湯を供給し、プランジヤ16
を0.08〜0.3m/secの速度で上昇させ、第14図に示すよう
に圧力p1を以て溶湯を両湯道17より堰19を通じて第2キ
ャビテイC2の両下部よりそのキャビテイC2および第1キ
ャビテイC1に注入する。両キャビテイC1,C2内の空気等
のガスは、溶湯により押し上げられて第3,第4キャビテ
イC3,C4に連通するガス抜き孔32,33を経て上型9の上方
へ抜ける。
この場合、両湯道17の断面積が前述のように湯道先17a
に向けて段階的に減少するように、湯道底面が湯溜部14
側より数段の上り階段状に形成されているので、プラン
ジヤ16の上昇により溶湯は両湯道17より各堰19を通じて
第2キャビテイC2に、その両下部よりその全長に亘って
略均等に注入される。
また、ガス抜き孔32,33の小径部32a,33aの開口が狭くな
っているので、第1,第2キャビテイC1,C2内に溶湯を注
入する際、該キャビテイC1,C2内に背圧が発生し、その
背圧は湯面全体に均等に作用する。その結果、湯面は波
立ちを抑制されて略水平に上昇し、これにより溶湯への
ガスの巻込みが防止され、またガス抜きも効率良く行わ
れるので巣の発生が回避される。前記背圧に起因して、
第1,第2キャビテイC1,C2内における溶湯の注入圧は、
第14図に示すように大気圧を上回る圧力p1、例えば2〜
5kg/cm2になる。
さらに繊維成形体Fが前記温度に予熱されているので、
繊維成形体F周りの溶湯の保温が行われ、これにより繊
維成形体Fに対する溶湯の凝着が回避される。
第3,第4キャビテイC3,C4に溶湯が完全に注入された時
点で、上型9上の油圧シリンダ39を作動させて取付板36
を下降させ、閉鎖ピン34,35によって両キャビテイC3,C4
に連通する小径部32a,33aを閉鎖する。
その後プランジャ16を0.14〜0.18m/secの速度で上昇さ
せて溶湯を、前記圧力p1を上回る高圧力p2下、即ち400k
g/cm2の圧力下に所定時間保持して繊維強化アルミニウ
ム合金体Mfを得、またこの高圧下で溶湯を完全に凝固さ
せてアルミニウム合金の組織を緻密化し、その強度の向
上を図る。この溶湯の圧力上昇過程において溶湯の圧力
5〜20kg/cm2で溶湯が繊維成形体Fに充填される。この
ように溶湯の充填圧力が低いので、充填中に繊維成形体
Fが溶湯により破壊されることはない。
この場合砂中子59は、それの各幅木63を介して両側型10
1,102により正確な位置に挟持されているので、第1キ
ャビテイC1内への溶湯の注入時およびそのキャビテイC1
内の溶湯の加圧時において砂中子59が浮き上がったりす
ることがない。また各幅木63の大径部63aの端面が両側
型101,102における中子受31の挟持面31bに衝合している
ので、砂中子59が脹らみ傾向になると、その変形力は各
挟持面31bにより支承され、これにより砂中子59の変形
が防止されて各シリンダボア4回りの肉厚が均一なサイ
アミーズシリンダバレル1が得られる。
溶湯が凝固を完了した後、型開きを行うと第4図に示す
シリンダブロック素材Smが得られる。
前記シリンダブロック素材Smに研削加工を施して各第4
キャビテイC4と砂中子59の各突起62との協働により成形
された各突出部64を除去すると、突起62により連通口7
が、また相隣る連通口7間に補強デッキ部8がそれぞれ
形成され、また砂抜きを行うことにより水ジャケット6
が得られ、さらに各シリンダボア4の内周面に真円加工
を施し、さらにまたその他の所定の加工を施すと第1〜
第3図に示すシリンダブロックSが得られる。
前記繊維強化アルミニウム合金体Mfにおける繊維成形体
Fの繊維体積率変化は鋳造前に対して1.1〜2.0倍であ
り、その繊維体積率は9〜45%である。
第13図に基づいて、繊維成形体Fの予熱温度を50〜300
℃の範囲で適宜選定し、その予熱温度を前記ヒータH等
の温度制御手段を用いて鋳造中略不変に保つようにすれ
ば、前述の如く所望の繊維体積率を有する繊維強化アル
ミニウム合金体Mfを安定よく量産することができる。
尚、本発明は金属部材全体を繊維強化する場合にも当然
に適用される。また繊維成形体Fは一種類の強化繊維よ
り成形してもよい。さらにマトリックスとしては前記ア
ルミニウム合金の外に鋳鉄、銅、マグネシウム合金等が
用いられる。
C.発明の効果 鋳型のキャビティを注入して加圧することにより、その
溶湯を、キャビティに設置された予熱状態の繊維成形体
に充填するようにした、繊維強化金属体の鋳造方法にお
いて、繊維成形体の鋳造前後の繊維体積率変化は、たと
え鋳造前の繊維体積率や鋳造条件が同じ場合でも繊維成
形体の予熱温度の変動に応じて少なからず変動するもの
であるが、本発明によれば、繊維成形体の予熱温度が鋳
造中(即ち少なくとも溶湯のキャビティ注入から繊維成
形体への充填に至るまでは)略不変に保たれるようにし
たので、繊維成形体の鋳造前後の収縮の程度を個々の鋳
造品において略同じにすることができ、従って所望の繊
維体積率を有する繊維強化金属体を安定よく量産するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1乃至第3図はサイアミーズ型シリンダブロックを示
し、第1図は上方から見た斜視図、第2図は第1図II−
II線断面図、第2A図は第2図II a−II a線断面図、第3
図は下方から見た斜視図、第4図はサイアミーズ型シリ
ンダブロック素材を上方から見た斜視図、第5図は鋳造
装置の型開き時の縦断正面図、第5A図は第5図V a−V a
線断面図、第6図は鋳造装置の型閉め時の縦断正面図、
第7図は第6図VII−VII線断面図、第8図は第7図VIII
−VIII線断面図、第9図は砂中子を上方から見た斜視
図、第10図は第9図X−X線断面図、第11図は繊維成形
体の斜視図、第12図は繊維成形体の予熱温度と収縮率と
の関係を示すグラフ、第13図は繊維成形体の予熱温度と
鋳造前後の繊維体積率変化との関係を示すグラフ、第14
図は溶湯の圧力と時間の関係を示すグラフである。 F……繊維成形体、M……鋳型としての金型、Mf……繊
維強化金属体としての繊維強化アルミニウム合金体、H,
Wc……温度制御手段を構成するヒータ、冷却水路、41…
…設置部としての中子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型(M)のキャビティ(C1〜C4)に溶湯
    を注入して加圧することにより、その溶湯を、前記キャ
    ビティ(C1〜C4)に設置された予熱状態の繊維成形体
    (F)に充填するようにした、繊維強化金属体の鋳造方
    法において、 前記繊維成形体(F)の予熱温度を略不変に保つための
    温度制御手段(H,Wc)を有して該繊維成形体(F)をキ
    ャビティ(C1〜C4)の所定位置に保持し得る設置部(4
    1)を備えた鋳型(M)を使用し、少なくとも前記溶湯
    の注入から充填に至るまでの間、前記設置部(41)に保
    持された繊維成形体(F)の予熱温度を前記温度制御手
    段(H,Wc)により略不変に保つようにしたことを特徴と
    する、繊維強化金属体の鋳造方法。
  2. 【請求項2】キャビティ(C1〜C4)に注入された溶湯を
    加圧することにより該キャビティ(C1〜C4)内の繊維成
    形体(F)に充填して繊維強化金属体(Mf)を鋳造する
    ために使用される鋳型において、 前記繊維成形体(F)をキャビティ(C1〜C4)の所定位
    置に保持するための中子(41)と、その中子(41)に保
    持された繊維成形体(F)の予熱温度を少なくとも前記
    溶湯の注入から充填に至るまでの間略不変に保つべく該
    中子(41)に付設された温度制御手段(H,Wc)とを備え
    ることを特徴とする、鋳型。
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