JPH0652059B2 - 繊維強化シリンダブロツク及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化シリンダブロツク及びその製造方法

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JPH0652059B2
JPH0652059B2 JP19043585A JP19043585A JPH0652059B2 JP H0652059 B2 JPH0652059 B2 JP H0652059B2 JP 19043585 A JP19043585 A JP 19043585A JP 19043585 A JP19043585 A JP 19043585A JP H0652059 B2 JPH0652059 B2 JP H0652059B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、主として自動車用エンジンに用いられる繊維
強化シリンダブロックおよびその製造方法に関する。
(2) 従来の技術 従来、シリンダブロックとしてはアルミニウム合金製シ
リンダブロック本体に鋳鉄製スリーブを鋳ぐるんだもの
が知られている。
(3) 発明が解決しようとする問題点 自動車用エンジンの高性能化に伴いシリンダブロックに
要求される諸特性としては、シリンダブロック本体が軽
量で、且つ高強度であること、およびシリンダスリーブ
が耐摩耗性に優れていること等を挙げることができる
が、前記従来のアルミニウム合金製シリンダブロック本
体については強度の点で不十分であり、また鋳鉄製シリ
ンダスリーブについては耐摩耗性の点でやや難がある。
本発明は前記に鑑み、軽量で、且つ高強度なシリンダブ
ロック本体と、耐摩耗性に優れたシリンダスリーブとを
備えた前記シリンダブロックおよびその製造方法を提供
することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明に係る繊維強化シリンダブロックは、第1の強化
繊維および軽合金マトリックスより構成される高強度な
シリンダブロック本体と;該シリンダブロック本体と一
体化され、第2の強化繊維および前記軽合金マトリック
スより構成される耐摩耗性の優れたシリンダスリーブ
と;よりなることを特徴とする。
また本発明に係る繊維強化シリンダブロックの製造方法
は、第1の強化繊維および軽合金マトリックスより構成
される高強度なシリンダブロック本体と;該シリンダブ
ロック本体と一体化され、第2の強化繊維および前記軽
合金マトリックスより構成される耐摩耗性の優れたシリ
ンダスリーブと;よりなる強化繊維シリンダブロックを
製造するに当り、前記第1の強化繊維よりなり、前記シ
リンダブロック本体の形状を有する第1の繊維成形体
と、前記第2の強化繊維よりなり、前記シリンダスリー
ブの形状を有する第2の繊維成形体とを一体に結合して
複合繊維成形体を得る行程と;前記複合繊維成形体を囲
繞するシリンダブロック成形用キャビテイに軽合金より
なる溶湯を、大気圧を上回る所定の圧力下で注入する工
程と;前記溶湯を前記圧力を上回る高圧下で完全凝固さ
せる工程と;を用いることを特徴とする。
(2) 作 用 本発明に係る繊維強化シリンダブロックにおいて、その
シリンダブロック本体は高強度な繊維強化軽合金より構
成されるので、軽量で、且つ高強度であり、またシリン
ダスリーブは耐摩耗性の優れた繊維強化軽合金より構成
されるので、優秀な耐摩耗性および強度を有する。
本発明に係る繊維強化シリンダブロックの製造方法にお
いては、シリンダブロック本体を強化する第1の繊維成
形体と、シリンダスリーブを強化する第2の繊維成形体
とを一体に結合するので、両繊維が混り合うことがな
く、両繊維の特性を十分に発揮させことができる。
また鋳造に際して、その初期に溶湯を大気圧を上回る所
定の圧力下でキャビテイに注入するので、キャビテイへ
の溶湯の注入と同時に複合繊維成形体への溶湯の充填が
開始され、これにより複合繊維成形体への溶湯の充填能
率が向上する。
その後、溶湯を前記圧力を上回る高圧下で完全凝固させ
るので、溶湯の圧力上昇過程で溶湯が複合繊維成形体に
完全に充填され、またマトリックスの金属組織が緻密化
してその強度が向上する。
(3) 実施例 第1〜第3図は、後述する複合繊維成形体により繊維強
化されたアルミニウム合金製サイアミーズ型シリンダブ
ロックSを示し、そのシリンダブロックSは、直列に並
ぶ複数、図示例は4個のシリンダバレル1〜1相互
を結合してなるサイアミーズシリンダバレル1、そのサ
イアミーズシリンダバレル1を囲繞する外壁部2および
外壁部2の下縁に連設されたクランクケース3を備えた
シリンダブロック本体4と、各シリンダバレル1〜1
におけるシリンダボア1aを画成すべくシリンダブロ
ック本体4と一体のシリンダスリーブ5とより構成され
る。
サイアミーズシリンダバレル1と外壁部2間に、サイア
ミーズシリンダバレル1の全周が臨む水ジャケット6が
形成される。その水ジャケット6におけるシリンダヘッ
ド側の開口部において、サイアミーズシリンダバレル1
と外壁部2間は複数の補強デッキ型8により連結され、
相隣る補強デッキ部8間はシリンダヘッド側への連通口
7として機能する。これによりシリンダブロックSはク
ローズドデッキ型に構成される。
シリンダブロック本体4は第1の強化繊維としての炭化
ケイ素繊維の短繊維とアルミニウム合金(JIS AD
C12)マトリックスより構成され、高強度である。
またシリンダスリーブ5は第2の強化繊維としての炭素
繊維とアルミナ繊維との混合短繊維と前記アルミニウム
合金マトリックスより構成され、耐摩耗性に優れると共
に高強度である。
第4図は、前記繊維強化シリンダスリーブ5と従来の鋳
鉄製シリンダスリーブとの摺動距離と摩耗減量の関係を
示す。図中、線(I)が繊維強化シリンダスリーブ5
に、また線(II)が鋳鉄製シリンダスリーブにそれぞれ
該当する。
前記炭素繊維とアルミナ繊維との混合短繊維は、耐摩耗
性に優れているので、これを用いた線(I)の繊維強化
シリンダスリーブ5は、線(II)の鋳鉄製シリンダスリ
ーブに比べて2倍以上摩耗減量が少なく、したがって優
秀な耐摩耗性を有することが明らかである。
一方、前記シリンダブロック本体4について、その引張
り強さを求めたところ45Kg/mmの値を示し、その引
張強さはT6処理を施された前記と同様のアルミニウム
合金製シリンダブロック本体の引張り強さ32Kg/mm
に比べて1.4倍以上である。
したがって前記繊維強化アルミニウム合金製サイアミー
ズ型シリンダブロックSは自動車用エンジンの高性能化
に十分に対応し得るものである。
第5図は、前記シリンダブロックSを本発明方法に従い
鋳造した直後の状態(即ち鋳造後に必要な後加工を施す
前の状態)を示しており、次にそのシリンダブロック鋳
造のための鋳造装置について第6図〜第9図を参照して
説明する。即ち、その鋳造装置は金型Mを備え、その金
型Mは昇降自在な上型9と、その上型9の下方に配設さ
れ、第6,第7図において左右二つ割の第1および第2
側型10,10と、両側型10,10を摺動自
在に載置する下型11とより構成される。
上型9の下面に、両側型10,10と協働してサイ
アミーズシリンダバレル1および外壁部2を成形するた
めの第1キャビテイCを画成する型締め用凹部12が
形成され、その凹部12と嵌合する型締め用凸部13が
両側型10,10の上面に突設される。
第8,第9図に示すように、下型11に溶解炉(図示せ
ず)よりアルミニウム合金の溶湯を受ける湯溜部14
と、その湯溜部14に連通する給湯シリンダ15と、そ
の給湯シリンダ15に摺合されるプランジヤ16と、湯
溜部14より2本に分岐して第1キャビテイCの長手
方向に、且つそれと略同一長さに亘って延びる一対の湯
道17とが設けられる。また下型11は両湯道17間に
おいて上方へ突出する成形ブロック18を有し、その成
形ブロック18は両側型10,10と協働してクラ
ンクケース3を成形するための第2キャビテイCを画
成する。そのキャビテイCの上端は前記第1キャビテ
イCに連通し、また両側の下端は両湯道17に複数の
堰19を介して連通する。これら第1,第2キャビテイ
,Cはシリンダブロック成形用キャビテイを構成
する。
成形ブロック18は、所定の間隔で成形された背の高い
4個のかまぼこ形第1成形部18と、相隣る第1成形
部18間および最外側の両第1成形部18の外側に
位置する凸字形第2成形部18とよりなり、各第1成
形部18はクランクピンおよびクランクアーム用回転
空間20(第2,第3図)を成形するために用いられ、
第2成形部18はクランクジャーナルの軸受ホルダ2
1(第2,第3図)を成形するために用いられる。各堰
19は各第2成形部18に対応して設けられており、
第2キャビテイCの容量の大きな部分に溶湯を早期に
注入するようになっている。
両湯道17は、湯溜部14側より湯道先17aに向けて
断面積が段階的に減少するように、湯道17底面が湯溜
部14側より数段の上り階段状に形成されている。各段
部17bに連なる各立上がり部17cは溶湯を各堰19
にスムーズに導くことができるように斜めに形成され
る。
このように湯道17の断面積を段階的に減少させると、
断面積の大きな部分では大量の溶湯を遅い速度で堰19
を通じて第2キャビテイCに注入し、また断面積の小
さな部分では少量の溶湯を速い速度で堰19を通じて第
2キャビテイCに注入することができるので、そのキ
ャビテイC内では両側下端よりその全長に亘って略水
平状態で湯面が上昇し、したがって溶湯がキャビテイC
内で乱流を起こすことがなく、空気等のガスが溶湯に
巻き込まれることを防止して巣の発生を回避することが
できる。また溶湯の注入作業が効率良く行われるので、
鋳造能率を向上させることができる。
第6,第7図に明示するように、各第1成形部18
頂面に後述する複合繊維成形体の位置決めを行う位置決
め突起22が突設され、その位置決め突起22の中心に
凹部23が形成される。
第1および第2側型10,10における第2キャビ
テイCを画成する壁部の中央部分に、複合繊維成形
体、特に砂中子を固定するための中子受31が2個所宛
設けられている。各中子受31は砂中子の位置決めを行
う係合孔31aと、その開口部外周に形成されて砂中子
を挟持する挟持面31bとよりなる。
上型9の型締め用凹部12に、第1キャビテイCに連
通して溶湯をオーバフローさせるための複数の第3キャ
ビテイCおよび連通口7を成形するための第4キャビ
テイCがそれぞれ形成され、また上型9に各第3キャ
ビテイCおよび第4キャビテイCに連通するガス抜
き孔32,33がそれぞれ形成される。
それらガス抜き孔32,33に閉鎖ピン34,35がそ
れぞれ遊挿され、それら閉鎖ピン34,35の上端部は
上型9の上方に配設される取付板36に固定される。
各ガス抜き孔32,33の、両キャビテイC,C
対する連通端から上方へ所定の長さに亘って延びる小径
部32a,33aは各閉鎖ピン34,35の下端部と嵌
合して第3キャビテイCおよび第4キャビテイC
閉鎖し得るようになっている。
上型9の上面と取付板36間に油圧シリンダ39が介装
され、その油圧シリンダ39の作動により取付板36を
昇降して各閉鎖ピン34,35により各小径部32a,
33aを開閉するようになっている。40は取付板36
の案内ロッドである。
上型9の型締め用凹部12天面に、各シリンダバレル1
〜1に対応して軸線を上、下方向に向けて配設した
シリンダボア成形用円柱状中子41が突設され、各中子
41の下端面に第1成形部18頂面の凹部23に嵌合
し得る凸部41aが設けられる。
第10,第11図は水ジャケット用砂中子59を示し、
その砂中子59は、シリンダブロックSの4本のシリン
ダバレル1〜1に対応して4本の円筒部60〜6
を備えると共にそれらの相隣るもの相互の重合する
周壁を欠如させた中子本体61と、水ジャケット6をシ
リンダヘッドの水ジャケットに連通する連通口7および
補強デッキ部8を形成すべく、中子本体61の上端面に
突設された複数の突起62と、中子本体61のシリンダ
バレル配列方向両外側面、図示例は中間に位置する2本
の円筒部60,60の両外側面にそれぞれ突設され
た幅木63とより構成される。各幅木63は中子本体6
1と一体の大径部63aと、その端面に突設される小径
部63bとより形成される。
以下、複合繊維成形体の製造について説明する。
先ず、シリンダスリーブ5に用いられる第2の繊維成形
体の成形について述べると、炭素繊維とアルミナ繊維と
の混合短繊維にシリカゾルをバインダとして加え、吸引
付着成形法を適用してシリンダスリーブ5の形状を有す
る第2の繊維成形体f(第12図)を成形する。
前記吸引付着成形法とは、前記混合短繊維とシリカゾル
の混合物を入れた槽中に、両端面を密封した通気性を有
する円筒型を立設し、その円筒型の内部に吸引作用を施
して前記混合物を円筒型外周面に吸着させる手法をい
う。
次に、シリンダブロック本体4に用いられる第1の繊維
成形体の成形について述べる。
第12図は第1図の繊維成形体の成形およびそれと第2
の繊維成形体fの結合に用いられる成形装置を示し、
その装置は、前記鋳造装置の第1,第2キャビテイ
,Cと同様の第1,第2キャビテイFC,FC
を画成する、上型109と、左右二ツ割の第1および
第2側型110,110と、下型111とより構成
され、その下型111は第1および第2成形部11
,118を備えた成形ブロック118を有する。
また上型109の型締め用凹部112天面に、前記中子
41と同様の円柱体141が設けられ、また上型109
に円柱体141を囲繞すると共に第1キャビテイFC
の天面を画成する押え部材24が昇降自在に摺合され
る。押え部材24の下面には砂中子59の突起62と嵌
合する凹部24aが形成される。
さらに両側型110,110には前記中子受31と
同様の中子受131が設けられる。各中子受131は前
記と同様に係合孔131aと挟持面131bとよりな
る。
両側型110,110、下型111および円柱体1
41に、各キャビテイFC,FCに開口する多数の
吸引孔25が設けられ、それら吸引孔25は導管26を
介して真空ポンプ(図示せず)に接続される。
第2の繊維成形体の成形に当たっては、上型109を上
昇させ、また両側型110,110を互いに離間す
るように移動させて型開きを行う。下型111における
各第1成形部118頂面の位置決め突起122に前記
第1の成形体fの下端開口部を嵌合してその成形体f
を下型111に立設する。また砂中子59を図示しな
い仮設置部材を介して下型111の上方に配設する。
両側型110,110をそれらが互いに接近する方
向に所定距離移動させ、各中子受131と各幅木63と
を係合して砂中子59の固定を行う。即ち、各中子受1
31の係合孔131aに砂中子59における各幅木63
の小径部63bを嵌合して砂中子59を位置決めし、ま
た各大径部63aのシリンダバレル配列方向と平行な端
面を各中子受131の挟持面131bに衝合して砂中子
59をそれら挟持面131bにより挟持するものであ
る。
上型109を下降させ、円柱体141を第2の繊維成形
体fに嵌合し、また型締め用凹部112を両側型11
,110の型締め用凸部113に嵌合して型締め
を行う。この型締め操作により砂中子59の仮設置部材
は第1キャビテイFCより退出する。
上型109より上方へ押え部材24を上昇させて上型1
09に開口部27を形成する。
炭化ケイ素繊維にシリカゾルをバインダとして加えた泥
状成形材料を調製し、その材料を前記開口部27より第
1,第2キャビテイFC,FCに充填し、押え部材
24を下降させて開口部27を塞ぐと共に第1キャビテ
イFCの天面を画成し、シリンダブロック本体4の形
状を有する第1の繊維成形体fを成形すると共にそれ
と第2の繊維成形体fとを結合し、未乾燥の複合繊維
成形体Fを得る。この場合真空ポンプを作動して各吸引
孔25を通じ、余分なバインダを除去する。
成形装置を乾燥炉に設置して複合繊維成形体Fを120
℃にて28時間加熱乾燥する。
離型御、複合繊維成形体Fを焼成炉に設置してNガス
雰囲気中にて焼成する。
この焼成処理は、第13図に示すように、400℃にて
2時間の第1加熱工程H、700℃にて3時間の第2
加熱工程H、2時間の炉冷工程Fc、空冷工程Acを
経て行われる。
かくして、繊維体積含有率(Vf)が10〜20%でシ
リンダブロックSの形状を有し、また砂中子59を包含
する硬化複合繊維成形体Fが得られる。
次に前記複合繊維成形体Fを用いた前記鋳造装置による
シリンダブロックSの鋳造作業について説明する。
先ず第6図に示すように上型9を上昇させ、また両側型
10,10を互いに離間するように移動させて型開
きを行う。上型9上の油圧シリンダ39を作動させて取
付板36を介し各閉鎖ピン34,35を上昇させ、それ
らの下端部を第3,第4キャビテイC,Cに連通す
る小径部32a,33aの上部開口近傍に位置させて各
上部開口の開度を絞る。さらに給湯シリンダ15内のプ
ランジヤ16を下降させる。
100〜400℃に予熱された複合繊維成形体Fを、下
型11の成形ブロック18に装着し、その第2の繊維成
形体fの下端開口部を第1成形部18頂面の位置決
め突起22に嵌合して複合繊維成形体Fの位置決めを行
う。
第7図に示すように、両側型10,10をそれがら
互いに接近する方向に所定距離移動させ、各中子受31
と各幅木63とを係合して、前記成形作業時と同様に砂
中子59の固定を行う。
次いで上型9を下降させ、中子59を複合繊維成形体F
の第2の繊維成形体fに嵌入し、その凸部41aを第1
成形部18頂面の凹部23に嵌合する。また砂中子5
9の各突起62が各第4キャビテイCに遊挿され、さ
らに上型9の型締め用凹部12が両側型10,10
の型締め用凸部13に嵌合して型締めが行われる。
下型11の湯溜部14に溶解炉より780℃のアルミニ
ウム合金(JIS ADC12)の溶湯を供給し、プラ
ンジヤ16を所定の速度で上昇させて溶湯を両湯道17
より堰19を通じて第2キャビテイCの両下部よりそ
のキャビテイCおよび第1キャビテイCに注入す
る。両キャビテイC,C内の空気等のガスは、溶湯
により押し上げられて第3,第4キャビテイC,C
に連通するガス抜き孔32,33を経て上型9の上方へ
抜ける。
この場合両湯道17は前述のように湯道先17aに向け
て断面積が段階的に減少するように、湯道底面が湯溜部
14側より数段の上り階段状に形成されているので、プ
ランジヤ16の上昇により溶湯は両湯道17より各堰1
9を通じて第2キャビテイCに、その両下部よりその
全長に亘って略均等に注入される。
この押上げ法の適用により第1,第2キャビテイC
内では湯面が略水平状態で上昇し、同時にガス抜き
孔32,33における小径部32a,33aの開度が絞
られていることにより第14図に示すように溶湯の注入
圧が大気圧を上回る圧力p(10〜200Kg/cm2
となり、その結果溶湯が第1,第2キャビテイC,C
内へ注入されると同時に複合繊維成形体Fへの溶湯の
充填がその下部から順次開始される。この場合繊維成形
体Fが前記温度に予熱され、溶湯の保温が行われている
こともあって、溶湯の充填能率が向上する。また複合繊
維成形体F内の空気等のガスは溶湯により押し出されて
上方へ抜けるのでガス抜き性が良好となる。その上、湯
面が略水平状態で上昇することにより溶湯へのガスの巻
込みが防止され、したがって巣の発生が回避される。
第3,第4キャビテイC,Cに溶湯が完全に注入さ
れた時点で、上型9上の油圧シリンダ39を作動させて
取付板36を下降させ、閉鎖ピン34,35によって両
キャビテイC,Cに連通する小径部32a,33a
を閉鎖する。
その後プランジヤ16を所定の速度で上昇させて溶湯
を、前記圧力pを上回る高圧力p(200〜500
Kg/cm2)下に保持して完全に凝固させ、マトリックス
であるアルミニウム合金の組織を緻密化してその強度の
向上を図る。この場合複合繊維成形体Fに対する溶湯の
充填は、溶湯の圧力が10〜50Kg/cm2で行われるの
で溶湯充填中に複合繊維成形体Fが溶湯により破壊され
ることはない。
砂中子59は、それの各幅木63を介して両側型1
,10により正確な位置に挟持されているので、
第1,第2キャビテイC,C内への溶湯の注入時お
よびそれらキャビテイC,C内の溶湯の加圧時にお
いて砂中子59が浮き上がったりすることがない。また
各幅木63の大径部63aの端面が両側型10,10
における中子受31の挟持面31bに衝合しているの
で、砂中子59が脹らみ傾向になると、その変形力は各
挟持面31bにより支承され、これにより砂中子59の
変形が防止されて各シリンダボア1a回りの肉厚が均一
なサイアミーズシリンダバレル1が得られる。
溶湯が凝固を完了した後、型開きを行うと第5図に示す
状態のシリンダブロックSが得られる。
このシリンダブロックSに研削加工を施して、各第4キ
ャビテイCと砂中子59の各突起62との協働により
成形された各突起部64を除去すると各連通口7および
補強デッキ部8が形成され、また砂抜きを行うことによ
り水ジャケット6が得られ、さらに各シリンダボア1a
の内周面に真円加工を施し、さらにまたその他の必要な
所定の後加工を施すと第1〜第3図に示す状態のシリン
ダブロックSが得られる。
なお、第1の繊維成形体fを複数種類の強化繊維よ
り、また第2の繊維成形体fを一種類の強化繊維より
それぞれ成形してもよい。さらに軽合金マトリックスと
しては前記アルミニウム合金の外にマグネシウム合金等
が用いられる。
C.発明の効果 本発明に係る繊維強化シリンダブロックにおいて、その
シリンダブロック本体は高強度な繊維強化軽合金より構
成されるので、軽量で、且つ高強度であり、またシリン
ダスリーブは耐摩耗性の優れた繊維強化軽合金より構成
されるので優秀な耐摩耗性および強度を有しており、従
って、エンジンの高性能化に十分に対応し得る諸特性を
具備した極めて高性能のシリンダブロックを提供するこ
とができる。
また本発明に係る繊維強化シリンダブロックの製造方法
においては、そのシリンダブロックの鋳造前に予め、シ
リンダブロック本体を強化する第1の繊維成形体と、シ
リンダスリーブを強化する第2の繊維成形体とを一体に
結合するので、両繊維が混り合うことがなく、両繊維の
特性を十分に発揮させることができる。
また鋳造に際して、その初期に溶湯を大気圧を上回る所
定の圧力下でキャビテイに注入するので、キャビテイへ
の溶湯の注入と同時に複合繊維成形体への溶湯の充填が
開始され、これにより複合繊維成形体への溶湯の充填能
率が向上する。
その後、溶湯を前記圧力を上回る高圧下で完全凝固させ
るので、溶湯の圧力上昇過程で溶湯が複合繊維成形体に
完全に充填され、またマトリックスの金属組織が緻密化
してその強度が向上する。
したがって、前記方法によれば、シリンダブロック本体
およびシリンダスリーブを確実に且つ均一に繊維強化し
た巣の発生の無い繊維強化シリンダブロックを能率良く
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1乃至第3図は本発明の一実施例に係るサイアミーズ
型シリンダブロックの最終形態を示し、第1図は上方か
らみた斜視図、第2図は第1図II−II線断面図、第2A
図は第2図IIa−IIa線断面図、第3図は下方から見た
斜視図、第4図はシリンダスリーブの摺動距離と摩耗減
量の関係を示すグラフ、第5図は前記サイアミーズ型シ
リンダブロックの鋳造直後の状態を示す、第1図と同様
の斜視図、第6図は鋳造装置の型開き時の縦断正面図、
第7図は鋳造装置の型閉め時の縦断正面図、第8図は第
7図VIII−VIII線断面図、第9図は第8図IX−IX線断面
図、第10図は砂中子を上方から見た斜視図、第11図
は第10図XI−XI線断面図、第12図は複合繊維成
形体用成形装置の型閉め時の縦断正面図、第13図は複
合繊維成形体の焼成処理における時間と温度の関係を示
すグラフ、第14図は溶湯の圧力と時間の関係を示すグ
ラフである。 C,C……シリンダブロック成形用キャビテイを構
成する第1,第2キャビテイ、F……複合繊維成形体、
,f……第1,第2の繊維成形体、S……サイア
ミーズ型シリンダブロック、4……シリンダブロック本
体、5……シリンダスリーブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の強化繊維および軽合金マトリックス
    より構成される高強度なシリンダブロック本体(4)
    と;該シリンダブロック本体(4)と一体化され、第2
    の強化繊維および前記軽合金マトリックスより構成され
    る耐摩耗性の優れたシリンダスリーブ(5)と;よりな
    る繊維強化シリンダブロック。
  2. 【請求項2】第1の強化繊維および軽合金マトリックス
    より構成される高強度なシリンダブロック本体(4)
    と;該シリンダブロック本体(4)と一体化され、第2
    の強化繊維および前記軽合金マトリックスより構成され
    る耐摩耗性の優れたシリンダスリーブ(5)と;よりな
    る繊維強化シリンダブロック(S)を製造するに当り、
    前記第1の強化繊維よりなり、前記シリンダブロック本
    体(4)の形状を有する第1の繊維成形体(f)と、
    前記第2の強化繊維よりなり、前記シリンダスリーブ
    (5)の形状を有する第2の繊維成形体(f)とを一
    体に結合して複合繊維成形体(F)を得る行程と;前記
    複合繊維成形体(F)を囲繞するシリンダブロック成形
    用キャビテイ(C,C)に軽合金よりなる溶湯を、
    大気圧を上回る所定の圧力下で注入する工程と;前記溶
    湯を前記圧力を上回る高圧下で完全凝固させる工程と;
    を用いることを特徴とする繊維強化シリンダブロックの
    製造方法。
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